11月16日2006/11/16 23:03

 今日のネタは少し旧聞。なにせ昨日は確認作業に追われたため、更新してる時間がなかったので。自分の記憶には確信があったんだけど、客観的証拠が案外見つからなくて…
 
 昨日通勤途中、スポーツ新聞読んで吹き出しそうになった。いやあ、かなーり笑わせてもらった。本当は笑い事じゃないんだけど。そのネタ?は、「ラグビー日本代表、サインプレー練習できない」ってもの。
 
 どこが笑い事なのかって?記事の内容はこうだ。来年のラグビーW杯出場権を賭けたアジア予選が行われる香港に行ったところ、練習場から韓国代表が泊まるホテルが丸見え(逆もまた同じ)ってことが発覚し、急遽サインプレーの練習などが中止になった…ってもの。まあ、普通は苦笑はしても吹き出すような内容じゃない。
 
 吹き出した理由は、練習会場にある。香港フットボールクラブ。ハッピーバレー競馬場のド真ん中。私も「確かアレが…」って記憶がある。開催中のハッピーバレーにはまだ行ったことがないけど、併設の競馬博物館は何度も行ってるからねえ。いやあ、あそこは秘密練習できる場所じゃないでしょ。
 
 ハッピーバレー競馬場は香港島の、かなーり栄えた場所にある。大井競馬場周辺でさえ、ハッピーバレーに比べたらド田舎。日本で言えば、新宿御苑で競馬してるようなものかな。周囲は高いビルが山のようにあり、その中の1つがホテル。韓国代表がそこに泊まってなくても、秘密練習なんてできる環境じゃないでしょ。スカウトやり放題である。
 
 何でそんなところにラグビー場が?これが香港の歴史と伝統なんだから仕方ない。香港FCは、香港最古のラグビー場なんだから。曲がりなりにも英国の植民地だった土地、ラグビーの伝統は決して浅くない。建設当時香港を支配してた英国人が何を考えていたのかはわからないけど、今更どーしよーもねーだろ。ちなみに、サッカーチームもある。
 
 最大の問題は、日本代表が「着いてビックリ」したってところかな。諸般の事情から急遽開催国(香港は国じゃないけど)が変わったって事情があるのは認めよう。けど、あそこがどーゆー場所なのか、本当に調査できなかったのかぁ?だとしたら、日本ラグビーフットボール協会(コレが正式名称)は怠惰としか言いようがないね。
 
 私のように「競馬目的で香港行く奴」は、決して少なくない。少なくともいくつものスポーツ新聞などが、「我が社の競馬記者と行く香港国際招待」なんてツアーを宣伝してる。主目的は沙田競馬場の方だろうけど、ついでにハッピーバレー競馬場を見学する奴なんて、結構いると思うぞ。それだけに、「ハッピーバレー競馬場の周辺がどーなっているのか」って情報は、日本語限定でも山ほどある。試しにGoogleのイメージ検索で「ハッピーバレー競馬場」って打ち込んでみるといい。
 
 これとGoogle Earthの航空写真と地図情報(実はコレをネットで探すのに苦労した)を組み合わせれば、香港FCの周囲がどーなっていて、秘密練習できるかどうかなんてすぐわかるはず。日本語情報に限定した場合、「最も周囲の状況を調べやすい外国のラグビー場」じゃないかと。何も現地に行かなくても、ネットの前に数時間座っていればわかることなんだから。
 
 いや、日本ラグビー協会なら何もネットを使うことはない。出入りしてるスポーツ新聞の記者に、「今度ハッピーバレー競馬場のド真ん中で…」と伝え、競馬担当にハッピーバレー競馬場の周辺環境を聞けばいい。その昔と違って、香港国際招待には日本のマスコミも大量に押し寄せる。まさか、その誰もが「ハッピーバレー競馬場の方は行ったことがない」なんてことはないでしょ。開催中に行ったことはなくても、建物ぐらいはお目にかかったことがありそうなものだ。いくらラグビー日本代表がサッカーや野球と比べてマイナーだからって、出入りの記者にこんなこと頼めないほど人間関係が希薄とは思えないんですけど。
 
 そりゃあね、私は一応ハッピーバレー競馬場を知っている。単なる確認とイチから調べるのとでは大きな差があるから、私に簡単にできること・思いつくことが多少うまくいかないのもわかる。けど、物事には限度ってモノがあるでしょ。日本ラグビーフットボール協会なんて政治力は腐るほどあるんだから、そいつを活用すればいい。普通なら信用できる人間を派遣して下見するところ…ってのはわかるけど、それができなかったからって、いきなりコレはねーだろ。
 
 この話の教訓は、実は一般人にも関係ある話だ。情報ってのは、仕入れ方次第である。「わかるわけない」と諦める前に、やってみるべきコトは多いんだよ。普段クズ扱いしてる情報も、立場次第で貴重なモノに化けるんだから。今回の件も、「香港FCで情報がないんなら、ハッピーバレー競馬場で調べてみたらどうか?」ってコトに気がつきさえすれば、情報は得られたはずだ。
 
 インターネットの普及により、情報検索は信じられないほど簡単になった。そのありがたさは、私も多いに認める。けれど、情報ってのは結局「使いこなせなくちゃ意味がない」のだ。いくら詳細な数字を知ってたとしても、「だからどうしたの?」と聞かれて答えに窮するようじゃ、何も知らないのと同じコト。いくら情報の分量が増えても、受け手にそれを加工する能力が問われるってことは、その昔と何も変わらない。
 
 情報収集ってのは、アタマが伴ってなくちゃ意味がない。けど、少なくとも日本ラグビーフットボール協会には、そのアタマが不足していたようだ。ま、こんな組織はココだけじゃないと思うけどね。でもまあ、それも仕方ないのかな。なにせ日本ラグビーフットボール協会の会長は、鮫頭こと森喜朗元首相だから(笑)。