11月21日2021/11/22 00:40

 ゲムマ初日。ものすご~く特殊な事情により、あえてこの愚痴から入る。何故いないa-game。今回の不在は痛かった。「知らんがな」で片付けられるような話ではあるんだけどね。
 
 「ジャケ買い」というのは、かなり一般的な現象である。私も良くやる。けれども、アナログゲームでコレをやるのはそれなりのアホだ。「箱絵以外な~んにもナシ」でも文句言えないのだから。それでもやったことあるけどな!とはいえ、流石に悩むようにはしている。キャラゲー系だと「まあいいか」で片付けられる問題だし。「チラシの裏に描かれた落書きレベルの作品でも、大枚はたいて入手しますよ」ってなレベルの先生なら話は別だけど、そんな先生が同人アナログゲームの箱絵なんて描かない…普通はそう思う。
 
 樋上いたる先生は聞いてねえ。わかる奴はこれだけでわかる。「AIR」「CLANNAD」といった、アニメ化されたエロゲーの原画やってた先生。私の評価もそれなりに高い。見た瞬間自分の顔色変わったのがわかったし、考えていた時間の大半は「買うかどうか悩む」ではなく、「ゲームと無関係なグッズも含めて全部購入するといくらになるのか」計算するための時間だった…完璧レベルの「ジャケ買い」である。
 
 中身に関する評価としては、「エロゲーネタ」モノであるというだけで「入手検討」作品になる。判例としての重要度は低そうだけど。「陵辱」「緊縛」ってな感じの言葉を扱う可能性が高い…って程度では18禁扱いにならない、ってのは過去判例がたくさんある。判例はあればあるほど嬉しいので、内容のことだけ考えたら「悩んだ末に入手する」品だったとは思う。けどまあ、「オマケ」がキョーレツ過ぎだ。あえて言う。中身はどーでもイイ。
 
 a-game不在を愚痴りたくなるのは、「オマケ」の価値をわかる人物と遭遇する機会が失われたからである。ねえM永さん。アンタがリトバ○スのファンだってコトは忘れてない。最低でも感心しただろうし、顔色変えて自分も入手すべくダッシュしたとしても驚かない。いずれにせよ、私の「発掘能力」を褒めてくれたであろう。基本自分だけに価値がわかればいいシロモノとはいえ、「同好の士の賞賛」はあれば嬉しいモノ。それを得られないのだから、愚痴りたくはなる。たとえa-game当人達にとっては「知らんがな」で片付くような話であっても。
 
 鬱憤を吐き出したところで、マトモなレポートを。今回、人口密度はやたら高かった。コロナにめげず色んな同人誌即売会に突撃し続けてきたけれど、今回は体感でそのどれよりも人口密度が高かった気がする。制限緩和の影響か?私は運良く早期入場チケット入手できたけど、「アッサリ売り切れた」って証言も聞いている。その後の通常入場待機列はチラ見した結果「早期入場組ほどじゃない」と思っていたけれど、その後も山ほど入場してきたようだ。ゲムマは滞留時間が長めになることもあり、人口密度が上がったのでは。ただなあ…出展側の数は多く出来なかった関係上、「高すぎて出展できねえ」って声は山ほど。完全復帰にはまだ時間が必要かと。
 
 ウォーSLG系サークルはこの日中心。当然、友人知人だらけである。新作は基本漏れなく入手できたはず。YSGAさんの「アドバンスド第三帝国」追加マップは入手しなかったけど、元ゲーム持ってないし。「第三帝国」(こちらの追加マップもあった)は過去に友人のコレクションを吸収した際にあった気がするので、多分我が家のドコゾに寝てる。けれども、アドバンスドは入手できなかったんだよな。マップだけ所有して眺めて楽しむことも考えたけど、いつの日か誰かとプレイできそうなネタなので、その日のお楽しみとしておこう。他はもりつちさんの艦隊戦ゲーム、ボンサイゲームズ中黒さんのBANZAIまがじん最新号、ジブセイルゲームズのコロナゲー2021版&戦国時代合戦ゲーム(鵬躙之遊)。あるかもしれないと期待した「武士ライフ」最新号が無かったのは残念。
 
 これで終わるんなら話は早いんだ。そんなわきゃねー。編集者Fこと藤浪さんのトコロの新作(柿の種商会&コトノハゲームズ 魔女★獣ふたり旅)を挨拶代わりにゲットしたとか、事前に印付けてたメイド喫茶経営ゲー(ひよこ家 秋葉原の野望)はともかく、会場内を回遊してチェックすると、まあ色々引っかかりますな。あえて紹介するなら、数奇ゲームズでゲットした「BLITZKRIEG!」(輸入 PSCGAMES)かねえ。20分で終わる第二次大戦。日本も入っていると箱絵に書いてある。ついでに、恐竜型巨大怪獣ゴジ○っぽいモノとも戦えるらしい(それとも日本の秘密兵器か?)某M谷氏から「面白いですよ」ってお墨付きもらった。なおコイツ、アッサリ売り切れたらしい。M谷氏がゲットしようとした際には完売していたからなあ。
 
 2日目に行こう。タンネンベルグ級の大敗北したけどな。ここまでの大敗北はちょっと記憶に無い。近年最悪と位置づけていた「C88新谷かおる先生本ゲット失敗事件」よりもヒドい…
 
 この日はゲムマに加え、青海でコミティアがあり、西3ホールでも即売会やってるという悪夢。「当たり前のこととして」3つ参戦する方策を練った。わたしはそーゆー生き物なんだから仕方ない。
 
 作戦計画はこうだ。大前提として、コミティアに行って瞬殺モノのペーパーをゲットしなくてはならない。今回はゲムマもコミティアも開始11時なので、ゲムマスタートだと間違いなくゲットできない。推定にはなるけど、この手のペーパーはサークルチケット使っても並ぶ順番間違えると売り切れる。ゲムマは…流石に何とかなるだろ、ヤバそうなの1つしかないし…
 
 コミティアは30分で片付けた。おかげでこの時期恒例カレンダーチェックができてねえ。これは時間かかる割にゲットできるとは限らないからなあ…あったとしても趣味が合わなきゃそれまでだし。なお、具体的な入手物は軍事機密。決めていたこととは言え後ろ髪引かれつつ会場を離れ、ゆりかもめでビッグサイト入り。歩いてもあんまり時間が変わらない距離ではあるけど、体力の問題がある。これなら大丈夫だろ…そう思っていたんだ。愚かにも。
 
 「石魔郷」の戦車ゲー(ウォーゲームと言うより、ミニチュアゲーム)ゲット失敗。立体造形物はアシ早いって、ワンフェスで死ぬほど学習してるだろ!これはまだいい。想定の範囲内だ。この手のミニチュアゲームは一応「私の専門分野では無い」と位置づけている。ゲットできればするけれど、値段・箱の大きさ・ルールによっては見送る。そーゆーものだ。だからまだ「痛いなあ」で片付けられたんだ…
 
 「tete-a-tete」の「ポミケ中止」は何の言い訳も出来ない。即売会ネタのゲームなんて、入手優先度マックス級だろ。久々に目の前暗くなった。あまりに腹が立ったので、会場内で長時間スマホとニラメッコできる空間…ってんでジブセイルゲームズのブースにお邪魔して胡座かき、booth通販を申し込んだ。私は通販ってモノは全く信用してない。「品が届かなくても、寄付だと思って諦める」覚悟が無いと申し込まない。下手すると「通販を申し込んでいるのに、店頭で見かけたら黙って入手」する有様。悪あがきの典型。だって仕方ない。あがかないでどーする!空母4隻やられたら、せめてヨークタウンに魚雷ぶち当てないと。戦略ミスだ…完膚なきまでの戦略ミスだ…
 
 土曜の会場を見ているんだから、会場の混雑度は予測可能。そこから考えれば、完売の可能性は高いと予測すべきだった。だからってコミティア後回しは出来ないから、事実上「詰んだ」かもしれないけれど、八方手を尽くしてファンネル手配していれば…結局手配できなかった可能性が高いとは言え、打診はしてみるべきだった。それすらしてないんだから、油断以外の何物でも無い。計算外レベルの列消化の遅さに屈したC88事件よりも罪深い。「有力な独軍が付近に展開しているんですけど」って報告が山ほど入ってきているのに、アルンヘムに突っ込むようなモノだ。ぐうう、やはり私の作戦立案応力は後知恵含めてやっとモンティ閣下並み…
 
 気を取り直して、ゲットした品の話を。「グループ乾坤一擲」の「SHIPS&TACTICS~艦隊決戦~」新デッキはフツーにゲット。「ゲーム工房URA」の潜水艦ゲーム「無音潜行」もゲットした。先日「Pacific Subs」日本語版(国際通信社)入手したので、なんとなく(笑)。
 
 それと…「鈴木銀一郎メモリアルブース」にも足を運びました。そこにあったエポッククラシックスの箱見た時には、ちょっとうるっと来ましたね…本当にお世話になりました。いつの日か私もそちらに行くので、その時はまた挑戦させて下さい。
 
 なお、西3ホールの即売会にもチャンと行きました。終了間際にちょっとだけ。お目当てのサークル居ないことわかっていたからなあ。そーゆーサークルがいても不思議の無い即売会だけに、警戒していたんだけど。「いくらあっても困るワケじゃ無い」地味目のトートバッグ入手するに留めました。
 
理由は良くわからないけど、コロナもかなり下火になってきた。断言は出来ないけど、これから少しずつ「日常」に戻っていくのではないかな。私としては、できうる限りの対策をした上で、闘い続けるしか無い。そーゆーものだ。年末には大きな戦いがあるらしい。今度こそ大敗北しないよう、予測の精度を上げておかないと。ああ、忙しい…
 
 しかしだなあ、望外の喜びを味わった日に抑えが打ち込まれて逆転負け、大敗北を喫した日に完封勝利とは、どーゆー皮肉だよ燕軍団。あと3回「負けろ」ってか?

4月11日2021/04/11 23:44

 ゲームマーケット2021(春)初日。諸般の事情により調整に失敗し、寝不足気味。2日目。やはり調整失敗による寝不足。だからどうした。両日とも「使っちゃヤバイ」体力を動員しつつ、突撃を開始。
 
 今回の会場はビッグサイト西館。いつものよーに東京駅から都バス使って向かったんだけど、初日は久々に土曜出撃だった関係上、到着が予想より遅かった。そのため、入場はやや遅め。「ソーシャルディスタンス守れ」って声も五月蠅いし。ま、問題になるレベルじゃ無いけどね。最近はボードゲーム制作環境が整ってきた関係上、中古ゲームの掘り出し物狙いじゃ無い限り、「出遅れたおかげで売り切れた」なんて悲劇は希になったからね。日曜は特に問題なく到着。しかも予想通り初日より空いていたので、かな~りスムーズに入館できた。
 
 初日。まずは挨拶回りを兼ねて「ウォーSLG島」へ向かう。なんか固めて配置されていたのだ。配慮があったのか?ここで予定通りのブツを入手…するはずが、一部失敗。さいたまオフラインにて「武士らいふ」弐号を入手しようとしたところ、ストップ掛けられた。「在庫僅少につき部数制限」って奴だ。当然のように、コッチが大阪で入手済みなのはバレていたのだ。そのこと自体に文句は無いけど、もっと刷れ。それぐらいイケると思うけどなあ。
 
 他にも「何も言わずに新作セットが出てくる」(八川社の野球ゲーム関連)とか「品書きに無い品が出てくる(YSGAにてもりつち殿の野球ゲーム2019データ)といった、常連ならではの対応が続く。まあ、確かに常連になると便利だ。ただまあ、「そうなるために必要な努力」のことを考えなければ、って話だけど。
 
 他は…堀場工房は大阪で訪問済み。他にもいくつか「大阪で見たよね」ってサークルが。流石に2週間で新作出すのは難しいでしょ。「大阪に間に合わなかったのでココが初売り」って可能性は否定できないので、それでも顔は出すけどね。大阪でかなり物欲解消したので、正直今回の「入手すべきかレーダー」の反応は鈍かった…んだけど、やっぱり荷物は重い。何故だ。
 
 2日目。ウォーSLG系はぶっちゃけ乏しいので、知り合いの一般参加者に遭遇する可能性は低い…と見積もっていたとおり、遭遇できなかった。ま、コレは桜花賞の馬券買いに昼で切り上げたことと関係していそうだけど。「グループ乾坤一擲」に「えーびっく」、中古ゲームの「私掠船」と、ソレっぽいところチャンとあったんだけどねえ。なお桜花賞は…ハズレ覚悟で狙ったとは言え、もう少し頑張って欲しかったぜアカイトリ(苦笑)。2日間参加しているトコロ(エリア出展しているトコロ含む)は初日に押さえたし、買うモノなんてあまり無い…ハズなのに、やはりすご~く荷物が重い。どゆこと?
 
 荷物が重い理由の1つ。私は「商品に文句その他を言いたい時には、常にその作品を入手してから」だと決めている。買わない奴に文句言う権利なんざねえ。もっと良くして欲しい、できるはずだ!って想いがあればこそ、文句を言う権利がある。その証明手段は「入手すること」でしょ。つーことは、ツッコミ入れたいってだけで手に入れることがあるんだな。Dobu6 Gamesの「逆引き雑学カルタ」。要は札に書かれたヒントを元に目的の札を探し当てる…ってゲーム。でだ。「牛」のヒントに「世界で最も多い動物(ヒトを除く)」とあった…いや、どう考えてもそんなわきゃねーだろ。昆虫とかダニとか線虫だって「動物」なんですけど。魚類その他の海生動物だってそうだ。一部は絶滅危惧種だけど、いる奴は山ほどいる。分類の仕方によるとは思うけど、これらが牛より少ないなんて考えにくい。ついでに言うと、収録されている「ねずみ」より牛が多いってのは、分類学上どーゆー処理してんだ。人間に飼育されてる存在限定の話か?それにしたって、ニワトリ・ミツバチより牛が多いってホントかよ。多分「人間に飼育されている哺乳類」限定の話ではないかと。こういう「ルールブックのアラ」は見逃せませんな。わかってんのか?ボ○バ(苦笑)。入手してツッコミました。
 
 荷物が重い理由その2。野球SLGは重い…12球団あるからなあ。でも、アレを眺めて燕軍団の活躍を振り返るカイカンを考えたら、手に入れないって選択肢はねえ。初日はまだいい。計算通りだった。2日目の「卓上野球機構」(ゲーム名・サークル名同一)、去年&入手できていなかった一昨年のデータはいい。1985年データを出すのは聞いてねえ。一般人にとっては「バース・掛布・岡田のバックスクリーン三連発の年」だろうけど、私にしてみりゃ、大若松に杉浦に八重樫、投手では尾花に梶間、そして何より荒木大輔のデータである。最下位だけどな!私が「強いから応援するなんて邪道、強くても弱くても燕を応援し続ける」って覚悟を決めたのがこの頃だ。入手せずにいられようか。
 
 荷物が重い理由その3。私の結構真面目な研究テーマの1つに「ゲムマにおける表現規制問題」がある。ドコまでがセーフでドコからがアウトなのか?を監視しておきたいと思っているのだ。それゆえ、「アウトと判断された事例」「セーフとされたギリギリの作品」なんてモノは手を尽くして入手して研究しておきたい。ネタ的には大アウトの「感これ」(浄瑠璃ソフト天遊団)、イラストで攻めまくった「探ぱん」(6ちゃんねる)の2つは入手せずにいられなかった。個人的意見だが、「超重要判例」だと思う。内容?聞くな。そのうちプレイ機会を作る(笑)。
 
 他にも色々入手したけど、全部紹介してたらキリがない。全体の雰囲気その他のレポートに移ろう。人が少なめの2日目でも、人口密度は推定で大阪より少し上。去年秋の惨状よりは回復していたと思う。あれは去年の秋が異常事態だったってコトなんだろうな。もっとも、アレは入れ替え制だったからかも知れないけれど。この辺はいずれ事務局から公式の発表があると思うので、そいつを参考にして下さい。ウォーゲーム系では、あえてドコとは言わないけれど「大物」不在の影響はあったように思う。ただ、さいたまオフライン(旧作中心だけど)で扱っていた品は結構順調に出たらしいので、「戦えない」なんてレベルでは無かったようだ。
 
 ただまあ、先にちらっと書いたけど、2日目に一般参加しているウォーゲーマーの姿は見なかった。これは試遊卓が無いからだろう。ウォーゲーマーに限らず、「初日は買い物中心・2日目は試遊中心」だと考えている人間は多そうだし。試遊卓が無けりゃ、他の予定入れちゃうよね。普通は。そーゆー意味でも「大物」不在は…ブツブツ…
 
 この事情は一部私にも当てはまる。けれども、2日目行かないって選択肢はあり得ねえ。理由?一番大きいのは挨拶回り。「全部入手済みだから手を出さないけれど、出てたらゲットするよ!」ってプレッシャーを掛けて、新作作ろうって意欲をかき立てないとね(苦笑)。あと、「不在証明をする」ってのもある。カタログ入手してジックリ眺め、実際スペースの前に行って「ウォーSLG系のブツはない」ってコトを確認しないと、見逃しが出そうで怖い。それをやらずに見逃したあげく「1部も売れなかった!つまんねえ!もう二度とゲームなんて作るか!」なんて宣言された日には…誰が何と言おうとも、ゲムマでそんなウォーゲーム系サークルが出たら、私の罪だ。それだけの覚悟と労力が裏付けとなって、初めて言えるのだ。「原則論ではあるけど、ゲムマに於いて、ウォーSLG系のブツには1部売れる保証がある。」と。
 
 コロナのおかげで、正直色々と苦しい状況が続いている。「今回オレは降りる」と言われても仕方ない。実際それに類する発言・行動は山ほど目にした。けれども、私はまだ戦える。ならば、戦場に立ち続けるだけだ。そうしないと、本当に場が消えてしまう。「オレ1人だったら、逃げても大丈夫でしょ」などと皆が思ったら、そこでオシマイなのだ。最後の1人になったら逃げる。それをこの目で確認するまでは場を支える努力をする。そーゆー馬鹿が最低1人は居るので、今回不参加だった人達には安心していつの日か(出来れば今年の秋)戻ってきてもらいたい。そこに場はある。消えてない。消してたまるか。
 
 実際のところを言えば、私1人ではとてもじゃないけど戦えない。皆がいて初めて戦えるのだ。だから…私は声を大にして、こう言うしか無い。「ゲムマ楽しいよ、コロナでタイヘンなご時世だけど、みんなチャンと対策して参加しようぜ!」今回はオチ無し。
 

3月28日2021/03/28 22:35

 少し考えて、ココに書き込むことにした。某氏にゲームマーケット2021大阪&春初日2日目のレポートを書いては?と提案されたので、久々にお届けします。まずは大阪から。
 
 土曜の昼に起きて、まずは秋葉原へ向かう。同人誌即売会モドキがあるから。あくまでモドキなので無視しても構わない気はしたんだけど、贔屓の先生が新刊出してる「かも」という恐怖?に勝てるワケが無い。その後地元大宮に戻って夜行バスに。私はそーゆー生き物なのだ。仕方ない。
 
 インテックス大阪に向かう電車は、結構混んでいた。軽く観察してみたところ、「私と似たニオイを発するオネーチャン」が多い。同人誌即売会っぽい…とは思ったけど、とりあえず無視することにした。一応事前にチェックした記憶はあるんだけど、「掛け持ちする」って予定にしていなかった以上、「オネーチャン系」即売会なんだろうなと。この手のイベントには興味が無い…なんてコトはないんだけど、間違って踏み込むとタイヘンなことになるのが見えているので、逃げ回っているのだ。
 
 一般参加者の数は、想定より多かったかな。コロナ騒ぎが続く昨今、即売会の参加人数はボロボロである。「いつもの半分」が相場と言ってもいい。賢い奴は通販で我慢するからね。ゲムマ出展サークルは通販対応が弱いトコロが多めとはいえ、やっぱり相当減るだろうなと思っていたら、案外そうでもなかった印象。理由は良くわからない。少なくとも、去年のGM秋の入り具合から想定した数字よりは多かったかなあ。ただまあ、主催者的に「成り立って」いるのかは何とも。いずれにせよ苦しいのはドコも同じだろうから、とにかく様子を見るしか。
 
 ウォーゲーマー視点からすると…普通なら大阪と春を掛け持ちしそうなトコロが、大阪オンリーになった影響は大きいと思う。この辺色々事情はあると思うけど、関東在住のゲーマーにとってはキビシー話だね。とりあえず現時点では、「このシミュゲがすごい!2021年版」(最終号だそうな)はGM春に頒布されない見通し。通販もしくはイエサブで対応して下さいとのこと。他にも数点、そーゆー品が出ると推定している。一応、関東在住のゲーマーを代表して?「それは寂しいなあ」って話はしておいたので、流石に秋は東征してくれると思いたい。当たり前のように関西に来て入手している人間の言葉に、どれほどの説得力があるのかは疑問だけどな(苦笑)。
 
 a-gameの「目玉商品」は「ダークネビュラ」。私は悪くない品だと思うけど、やはり「物語性の弱い」SF作品ってソコまでウケないんだよな。BANZAIマガジンの宇宙海兵隊モノもウケは余り良くなかったと聞いているし。目玉がコレじゃ関東遠征は厳しいよなあ。あと、「武士らいふ」弐号があった。こちらはGM春でもさいたまオフラインで入手可能なはず。実はそこで入手しようと思っていたけど、我慢できずにコッチで入手しちゃいました。仕方ない、もう1つ買うか(苦笑)。ボンサイ・ゲームズは日露戦争がキャンセルとなり、このシミュ付録の大坂の陣モノが目玉。中華デザイナーの手による大坂の陣だとか。このネタって、確か「ウォーゲーム日本史」の付録になった奴も外国人デザイナーだったよな?日本人以外を惹き付ける魅力があるのかこの戦い。いつか詳細に比較してみたいなあ。
 
 サンセットゲームズでは、もりつち氏の姿があった。当然、氏デザインの諸作品が入手可能。これはGM春だとYSGAで扱われるのかな?個人的には、品書きに無かった野球SLGの入手に大満足。たとえ我が愛する燕が最下位でも、データカードを見て堪能しないと!ついでに、GM春でのウラ取引(単に2019年版のデータも買うよ!って話)まで成立させた。あと、私は全部入手済みなので手を出さなかったけど、歴史群像付録となったゲームが単体売りしてた。この作品群に対する超個人的意見としては、「作戦研究に堪え得るのかという大きな課題があるけれど、それでも一見の価値はある」としておく。コレクターとしては「今後も出し続けて欲しい」と本気で思うし。
 
 広島・ゲーム・サービスの「発動!クルセイダー作戦」も、GM春での入手が困難な作品かな?4月のコマンド誌は「砂漠の狐」が付録だし、あえて比較してみたい(苦笑)。あと、グループ乾坤一擲の「SHIPS&TACTICS~艦隊決戦~」最新追加デッキは、GM春2日目に来るなら入手可能。「ウォーゲーム系は土曜が多いから、日曜はいいや」なんて考えでいると入手できないかも。ご注意を。
 
 他は…なんつーか、私の趣味に従って刀剣モノ(剣豪とか名刀とか大好き)として「剣豪将軍足利義輝」(猫柳大金星)を紹介しよう。名刀振り回す足利義輝を雑兵として討ち取るゲーム。「童子切安綱を振り回す義輝に斬り殺される」って文言にロマンを感じる奴向けのゲームである!他に何を説明しろと!
 
 もう1つ紹介しよう。久々にケンカ売られた気分になった。「声優になろう」(MOGURA GAMES)。…TDFさんの声優ゲーム「ANIMAKER」フルセットコンプしているF男の目の届くところで「声優ゲー」出すだぁ?方向性が全く違うので多分プレイしない(したとしても私はヘタクソ)と思うけど、ネタとして入手しなけりゃF男じゃない!マニアなめんな!
 
 はあはあ、少し落ち着こう。他にもなんか色々入手した。おかげで相変わらず荷物が重い。我ながら体力考えろよなと思うけど、「宅配便その他の利用は買い子として恥」って思想の持ち主なので仕方ない。昭和末期から平成を通してそーやってきたので、令和になっても変われない。貫いてきたスタイルとは、そーゆーモノだ。他人に理解されるとは思わないけど。そこまでやっても、誰にとは言わないけど「いやあ、いくら何でも今回は不参加じゃね?」とか言われちゃうのだ。
 
んなわけあるか!
 
 なお、帰宅途中に秋葉原で下車し、またもや即売会モドキに…だって土日で品揃え違うんだもの!こんなご時世のおかげで苦しんでいる同人の創り手の力になれるんなら、多少のアホはして当然でしょ。そーゆー無名戦士は私の他にも山ほどいる。それが文化ってモノだ。
 
 とはいえ、コロナは根性だけで勝負できる相手じゃ無いのも確か。なんつーか…とりあえず五輪は何とかして欲しい。アレのおかげで色々と迷走している感じがするので。終わるか中止になれば色んな意味で落ち着くのでは無いかと。それまで色々タイヘンだと思うけど、我々に出来る事は闘い続けることだけ。これからもアホやりまくりますよ私は。
 
 しっかし…実を言えば私が今日本に居るのは間違いって気が…2着の嵐ってのはどーゆーことだ。移動中だったおかげでまだ映像も見てないけれど、やはり現地に行って、罵声という名のムチ喰らわすべきだったか。ああ、何故私はドバイにいない…
 

11月24日2018/11/25 02:17

「隊長…我々は貴方を捕縛するよう命じられています。投降して下さい…」
「ひよっこめ。何を甘いことを。私はもう隊長ではない。それに、お前等が派遣された時点で説得できる段階ではないとわかっているはずだ。敵を見たら殲滅しろ。私はそう教えてきたはずだぞ。たとえ私が相手でもだ。」
「通信切れました!高速飛翔体接近中!おそらく…うわぁぁ!」
「くそ、何て速さだ。目が追いつかない!」
「あれがニケか。だが、やるしかない。新ヘルダイバー隊の誇りに賭けて、アレと隊長を止めるんだ!行くぞ!」
 
「ククク…かつての部下の名を持つ者を手にかけるか。落ちぶれたものだ。だが、それでいい。もう私には何もいらない。ただアイツに復讐できれば、それでいいのだ…必ず仕留めてやる。首を洗って待っているがいい、ロック…」
 
 …アツい、やっぱりアツいよ「超人ロック」。ヘルダイバー隊VSストロハイム(S)なんてゲーム的には無意味な戦闘だけど、脳内に自然と絵と台詞が思い浮かぶ。わかっていたことだけど、おそらくは誰よりもよくわかっていたことだけど、ゲーム「超人ロック」は最高だ。
 
 1967年、とある高校生(だったと聞いている)が描いた同人マンガが世に出た。それが「超人ロック」。その後色々あって様々な出版社を渡り歩き、今もって続いている伝説の作品だ。去年は「生誕50年」ってことで色々盛り上がっていた。だけど、その中にゲーム「超人ロック」再版って話は無かった。よって、私は「もう再版は無理かぁ…」なーんて思っていた。
 
 ところがだ。一体何がどうなったのかよくわからんけど、今年になって「再版します」って話が出て、このたびめでたく再版された。正式な発売はまだ少し先だけど、ゲームマーケット2018秋で先行発売されたんだな。
 
 この原稿を書いている時点ではまだ1日目が終了しただけであり、2日目にどうなるのかはわからない。けれども、なんつーか…初日はスゴかった。諸般の事情により頒布開始は13:00から。その30分ぐらい前にブースにたどり着いてみると、明らかに「超人ロック買うぞ!」って雰囲気を漂わせた人間が大量に。しかも、時間経過とともに着実に増えてゆく。「いかん!これは一時的にでも行列作らせなきゃ、ブースが崩壊する!」ってんでa-gameのスタッフに「行列作ってさばくしかない、最後尾札を準備しろ!」と声を掛けた…んだけど、ある意味遅かった。試遊卓を挟む形で2つの列ができるような形になってしまい、「最後尾列が2つある」という、よろしくない状態に。放置しておくと混乱を拡大すると判断したので、「ここは最後尾じゃない」札を急いで作らせ、片方の列に新たに並ぶことを(ちょっと強引に)停止。私がその札持って「最後尾はアチラです」ってアナウンスを行う羽目に。いくら私が「コミケで列には並び慣れている」とはいえ、流石に列を移動させるスキルは低い。でも、ヤバいようならそれをやらないとな~なんて考えているウチに頒布開始。流石に列は捌けていった。アレなら、ゲムマのスタッフから「多少混乱は生じたようだけど、大きな問題なく解決した」と認識されるはずだ。少なくとも私はそう思いたい。
 
 コミケその他の同人誌即売会では、ヘンに長い列が出来て人の流れが滞り始めると、スタッフがわらわらと寄ってきて行列の整理を始める。明らかに「即席で作りました」ってな最後尾札・列途中札なんてのもよく見かける。ゲムマスタッフも頑張っているとは思うけど、流石にこの手の混乱に対する感度は少し低めかな。a-gameのスタッフに至っては何をか言わんや。だからって一般参加者であるハズの私が「こちらは最後尾ではありません。最後尾はアチラになります。」なんて声張り上げて列整理しているのは、如何なモノかと。ぶっちゃけ、列に並んだ一般参加者の一部から「何だアイツ、デカい顔しやがって」と思われたかも知れない。
 
 ただ、私がどう思われようとも、「列の最後尾がドコにあるのかわからない」ってな混乱は絶対に避けるべきだ。経験上そこさえハッキリしてさえいれば、混乱は最小限で済むことが多い。逆に言うとこれがわからなくなると、混乱がドンドン加速してゆく。あげく「早く並んだはずなのに、後から並んだ奴より後回しにされて延々待たされたあげく、買いそびれた」なんて人間が出た日には…似たようなコトを何度もやられただけに、そんな時の気持ちは良くわかる。わかってんのかホ○ージャパン。お前の所のブーススタッフが最後尾カンバンを下ろして見えないようにして休んでいた恨みは忘れてねーぞ。
 
 必要性については痛いほどわかるけど、だからってオレがそれをやる必要は…あるんだろうなきっと。a-gameで混乱が心配されるほどの列なんて滅多に出来ない。よってスタッフに経験があるわけない。ゲムマスタッフはぶっちゃけ数が少ない。ボランティアって形で大量動員している「フツーの即売会」とは比較できるわけない。個々人の能力についてはともかく、全体としてみれば「最低限の仕事しかしてくれない」と思うべきでしょ。でもって、コミケスタッフ経験者ほどではないけど、その手の混乱に対して嗅覚があって曲がりなりにも対応策を知っていて、なおかつa-gameのために働く意欲を持ち、a-gameのスタッフもそれを承知している…なんて参加者がどれだけいるというのか。ついでに言えば、性格的にこーゆー混乱は見過ごせないし。まあ、今回の件でa-gameのスタッフはいい経験を積んだと思いたい。強いて言うなら、「超人ロック」入荷が遅れるとわかった時点で、「早くから来ていた奴+遅めに来た奴」がまとめて押し寄せてくるのは読めたはずなので、その時点でゲムマスタッフに「多少混雑が生じてご迷惑を掛けるかも知れません」ってな話を通しておくべきだったとは思う。そうすりゃあ私の出番はなかったと思われる。
 
 こんな混乱が生じるだけあって、「初日入荷分」は完売したらしい。それで完全完売だとしたら…まあ、私の立場としては「仕方ない」としか。「初日に完全完売」ってのはコミケ企業ブース買い子にとって「最大の敵」であり、その可能性があるかないかをシッカリ検討した上で回る順番を考えるのが「常識」。土曜に仕事その他で忙しい方には申し訳ないけれど、a-gameの活動規模とアイテムの人気度を考えれば、レッドシグナル級の危険度と考えるべきだと思う。あくまで先行発売なんだからもうしばらくお待ちください。
 
 ゲームについては、特に語ることは少ない。ほとんどの人にとっては「伝説」かもしれないけれど、私にとっては「日常」に近い。感覚としては「ロック?ああ、なんだか有名らしいね。オレにしてみれば、麦作っているお隣さんだけどな」ってなもんだ。今更何を語れと。「オレも衰えた。戦闘結果表を丸暗記してねえ。」などと愚痴るレベルなのだ。面白い面白くないとかいうレベルじゃない。プレイして楽しいのは大々々々前提なのだ。ただまあ、再版にあたって「ルールは基本的に全く変えてない。怖くて変えられない。」ってな話なので、一応簡単なルール解釈論はしておこうと思う。なにせ発売から30年以上経ち、継続的にプレイしている私の仲間内でさえ、つい最近になっても「ルール解釈論」の話が出る有様なのだ。ドコにどーゆー「曖昧な点」があり、ソレをどう解釈すべきか?みたいな話には慣れている。
 
 有名なのが「ニケとエネルギースーツ」問題。攻撃絶対命中のニケと、チェック次第で攻撃絶対反射のエネルギースーツ、ドッチが優先されるの?って話。コレは古くから有名な話で、旧シミュレイターに掲載された記事に言及がある。ここで「ニケ優先」って意見が示された関係上、ニケ優先って解釈をしている人が多数派かなという気がする。我々も「ニケの攻撃は殴る蹴る投げる締めるであり、原作の記述によるとエネルギースーツと言えどもこの手の攻撃は効くはず(でなきゃ社長は倒せなかった)なので、ニケ優先」としていた。
 
 ややこしいのが「ラフノールの鏡と亜空間フィールドはテレポートブロックに使えるか」問題。我々は「どっちもできない」としていたが、両方ともできるって解釈を聞いたことがある。再版されたルールブック…というよりキャラクターカードの記述によると、ラフノールの鏡は「攻撃を受け、テレポートする」という記述になっていて、出来る事が固定されているっぽい。それに対し亜空間フィールドは「テレポートカードが出されたものとしてプレイする」とあり、テレポートカードと同じ扱いをしてかまわないように見える。更に言うなら原作の記述では亜空間フィールドはテレポートブロックの対象になるコトは確実。なので、ブロックされうる以上ブロックも出来るのではないかという話はあった。更に言うならラフノールの鏡は「相手を強引に閉じ込める」ことが可能であり、そうすりゃあテレポートブロックできるだろ?って説も唱えられた。ただ、ゲームが出た当時だとラフノールの鏡に相手を閉じ込めるってワザは使われていない、少なくともフランシスとニアはそんなワザ使ってないって話も出た。結論としては「好きに解釈してください」以上のことは言えないかな。ただ、ブロックに使えるならただでさえ迷惑なウォン博士がより迷惑になる。しかもだ。フランorニアVSウォン博士の場合、ジオイド弾を確実に出せるワケじゃないのでウォン博士が不利だけど、勝利条件上ウォン博士は自分が死んでもそんなに痛くない(自分が死んでも勝利に近づくから)のに対し、フランとニアはそんなにいいコトがない(強いて言うなら殺されちゃイヤな相手がジオイド弾喰らう可能性を消せるという程度)のは取引としてどうよ?と思う程度かな。
 
 ルール解釈的には「我々のミス」なんだけど、個人的にはオススメしたいのが「宇宙港で戦闘できるか」。再販されたルールブックを確認した所、明確にできることが判明した。でも、我々は「できない」説を採用していた。言い訳するわけじゃないけれど、これは直接そう書いてあるワケじゃないので、ちょっと誤解しやすい。惑星編で戦闘可能な領域は「惑星ボックス内」と指定されていて、宇宙港は惑星ボックスじゃない、と勘違いしていたのだ。再販されたルールブックには「宇宙港も惑星ボックスとして扱う」という記述がある。よって戦闘可能なんだけど…ここで戦闘できるって話にすると、一部のバーサーク系キャラがここで他人を待ち伏せして虐殺し始める。これはあまりよろしくない気はするね。そもそも「宇宙港で戦闘できるの、おかしくね?」って話から始めて「出来ないってした方がいい」という結論を出したので、特別抵抗を感じないのなら採用してもいいんじゃないかと提唱はしておく。
 
 「変身によるアライメント変更」問題は…この部分は流石にルールの明確化したか?と感じた。我々の間で比較的最近問題になり、ルールブックその他ひっくり返して解釈論やらかした記憶があるので。カード&能力持ちの自発的な「変身」と作者の「顔書き換え」に違いがあったとは記憶してないんだけど…まあ、再版ルールに従って問題は無いと思う。ただ、我々は「自発的に変身する理由は一部の露骨に損がデカい顔(ロックと作者)の回避であり、選択肢は一杯ある以上、アライメント固定で問題は無い。一方作者の顔書き換えは強引に最終戦闘を発生させる手段であり、アライメントの指定を無視した方が面白い」という、再版ルールブックとは逆の解釈をしていたけれど。ついでに言うなら、作者が「お前はこの顔」と決めたら、ソレは作者特権で絶対だろ(笑)。
 
 他にも「ニケ2台持ちの場合の処理」「警官は変身するか否か」「クローンが使われた場合の処理」「暗黒騎士団がオーバーヒートする正確なタイミング」「死人苔の伝染チェックの詳細」なんてところでルールブックひっくり返して色々調べた記憶がある。書いてあったけど見落としていた場合、書いてないので解釈論になった場合など色々あった。ルールブックは基本変わっていないはずなので、まあこの辺が問題にされる場合もあるんだろうなとは思う。我々は「面白ければ、それで良し」を合い言葉に、故意に「ゲームが盛り上がる方向」で解釈してきた関係上、今更ルールブックがどうなったところで、今までの解釈を変えるつもりなど毛頭もない。ただそれは仲間内でのプレイの話であって、様々な人とプレイする以上、「共通見解」には従う。クセでヘンなことをしてしまう可能性はあるけれど、「対応不能だ!プレイできねえ!」な~んてコトを言うつもりはない。その程度で困るほど甘くはないつもりだ。34年闘い続けてきたというのは、そーゆーことである。
 
 昨年末、作者の聖先生が急病で倒れ、「こ、このまま終わってしまうのか!」と読者は泡を吹いたが、先日無事に連載が再開された。流石は耐久力7で精神力7(笑)。うんうん、やはり「超人ロック」はいい。当然ゲームもイイ。コレをキッカケにこのゲームを覚えたり、原作に興味を持って読んでくれる人が増えると嬉しいな。ゲームの方は今の目から見ると古い処理をしているなと感じる部分もあるけれど、それが問題だと感じないくらい、面白いと思うので。
 
 なお、私は言われるまで全く気がつかなかったけれど、再版されたモノにも「キャラクター一覧表」なるものはついてなかった。これは少し不親切だろう。私のように呼吸するがごとくキャラクター能力値を暗唱できる人間にとっては別になくても…ってモノではあるけれど、それが普通であるわきゃない。更に、追加キャラについては私もまだ対応不能だ。流石にあった方が便利なアイテムだろうから、「ウェブのどこかにでも転がしておいた方が良い」って提唱はしておいた。いつになるかはともかく、公式なモノが出るんじゃないかな。つーか、私が言うことじゃないけど、何故気がつかない再版スタッフ(苦笑)。

6月24日2018/06/25 01:18

 色々あって放置していたんだけど、4GAMERのサイトでウォーゲームの歴史をザックリ語る、なんて記事を見かけたので、反省して更新。もっとも、今回の記事は単なる言い訳の羅列になると思う。悪しからず。
 
 先日、某ゲーム会のアフターで、「ウォーゲームの古いアーカイブをどう残すか」ってな話題になった。文化として後世の人間のため残しておかないと、段々失われていくだろう…ってな話だ。まあ、そりゃそーだ。
 
 ただまあ、コレは時間と手間が掛かる割に実りが少ない。「文化の保全」ってのはそーゆーモノだ。ぶっちゃけ、伊達と酔狂のカタマリだけでどこまで突っ走れるのか次第って気はする。その場では酔っていたので景気良いこといった気もするけれど、実行するのは勇気がいるかなあ。寂しい話かも知れないけれど。
 
 そりゃあね、過去の記憶から色々とたぐることは出来る。けれども、細部を詰めるのはすごーくタイヘンだ。しかも、ただ集めりゃイイってモノじゃない。「どの範囲までが対象になるのか」で定義論争が発生するのは避けがたい。議論すればまとまらないし、誰かの独断と偏見で決めるとしても、いちいち判断を仰ぐのはタイヘンだろう。単なるリストを作るだけでも激しい頭痛を引き起こすような気がする。
 
 まあ、まずは国際通信社・GJ・サンセットの「完璧リスト」作りから入るんだろうな。ある程度は完成しているはずだし。ただ、「レキシモンシリーズ」は入るのか否か?同人時代のGJはどーする?サンセットのゲーム群の線引きは?なんて話がどうまとまるのかは、私には良くわからん。でもまあ、イザとなれば責任者と直接会話してどうこうできる分だけ、話は早いはずだ。
 
 ホビージャパンと翔企画は…多分、隔月刊時代の「タクテクス」全部・新シミュレイター全部くらいは何とかなる。必要ならば記事リストをネットにアップすることは出来るんじゃないかな。出版したゲームについても、ブツがあるかどうかはともかくリストは作れそう。「モンスターメーカーシリーズどうするの?」「APBAとザ☆ビッグプロ野球は含むよね?」みたいな論争はあるだろうけど。ただ、ホビージャパンが出した「訳付き輸入ゲーム」全リストってわかるかな?明らかにウォーゲームじゃないものが山ほどあったことは覚えている。それらの扱いは?あと、多分ホビージャパンを語ろうと思ったら、テーブルトークRPG絡みの話をどこまで集めるかって話が出てくる。ハードなSFウォーシミュレイションゲームの1つとして「第五次辺境戦争」を語る必要はあるとして、それをトラベラー絡みの記事抜きで語れとでも?まあこの辺は「全部集めて保存してしまえ!」で済むとは思うけど。なお、雑誌ホビージャパン時代のウォーゲーム関連記事は、おそらく何とかなる。国会図書館で。旧シミュレイターは…頑張れとしか言い様がない。今なら頑張れば何とかなるんじゃないか?
 
 色々と怪しいのがツクダとバンダイ。ツクダの「オペレーション」全部あたりは「何とかなりそう」って話を聞いたことがある。けど、アレが出なくなってから後にもゲーム出ているんだよね。この両社の出した「ウォーゲーム完全リスト」は欲しいんだけど、集まるかなあ。なお、「クァークス」「コズミックエンカウンター」「司政官」「スペースコブラ」の扱いは誰かに任せる。
 
 アドテクノスは…再版されているモノも多いし、何とかなりそうではあるかな。ヘンなゲームの扱いに困るだろうけど。クソ面倒なコマンドコントロールが印象的な「日米経済戦争」(タイトルうろ覚え)とかね。
 
 あえて後回しにしたエポック。EWEシリーズがあるからだ。アレはどーなのよ。完全リストって入手できるのか?ついでに言うと、デザイナーが誰だとか現在の版権がどうなってるとか、調べられるのだろうか?下手すると「失われた文化」だな。なお、コレに比べれば「作者が健康なウチに誰か再版作業を進めて欲しいぞ」超人ロックがどうこうって話は些細な問題である。アレは原作知らなくても面白いと思うんだけどなあ。アークライトあたりが作業やってくれないかなあ。
 
 大日本絵画の「ゲームグラフィックス」についても語る必要はあるだろう。ウォーゲーマーに必要な記事はおそらく存在しない…と思うんだけど、いつ何が必要になるのかわかったもんじゃない。流石に「ウォーロック」(出版元ドコだっけ?)はいらないよね?余談だけど、ゲームブックは同人としては今でも生き残っている文化です。
 
 飲み会の席で私が「おそらくは失われた文化」だと主張し、特に異論が出なかったのが喜屋通商(だと思ったけど、自信ない)が訳したゲームのリスト。何を訳して何を訳さなかったのか、リストが残っているとも思えない。記憶している奴もいないのでは。
 
 同人に関しては…えーとね、多分コミケカタログは初回分から閲覧可能だと思う。「米澤コレクション」があるからね。そこから存在を割り出すことはできると思う。つーか、「ゲーム(電源不要)ジャンルのサークル分析」してる同人誌なるものがこの世にあって、私の家を漁ればサークル数とザックリしたジャンル区分を第1回から最新に至るまでまとめたものがあるはずだ。ココの活動を支えてずーっとこの同人誌作らせるため、毎回新刊買っているんだから間違いない。似たようなコトをゲムマで行うことは可能でないかな。ただ、それ以外となるとどーしよーもないとは思うけど。
 
 つーか、同人を語ろうなんて考えたら、大学のサークルの会報をどーするって話が出てくる。まさか天下布武帝国の業績を抜きに「戦国大名」語るわけにもいくまい。同じ飲み会で某氏がアドテクの「戦国合戦絵巻」を、「武将要素のない戦国時代ゲーム」という珍しい存在だと語っていたけれど、「戦国時代=武将のキャラゲー」って図式がいつどんな形で成立したのか?を語る上で「戦国大名エクスパンションキット」は外せないだろう。なにせこの当時、PC・コンシューマーゲームが扱えるパラメーターは「ボードゲーム以下」であることが普通だったのだ。そのデザイナーである中澤氏を語る上で、「天下布武帝国」(確か日大の文理)抜きってワケにいくまい。まあ、消滅したサークルが多数ある上、現存してても過去の業績を後生大事に抱えているとも思えない以上、大半は「失われた文化」だろうね。
 
 ちなみにだ。私のコレクションの中には大量の同人ゲームその他があるはずだけど、全く整理されてねえ(苦笑)。ま、同人なんてそんなモンだ。昔の知人宅でゲームのついでに「嵐を呼べ!」「ダミーカウンター」といった同人誌を掘り出して読んだことが懐かしい。文字通り「掘ると出てくる」有様だった。アレはおそらく「失われた」んだろうな…そして、おそらくは私のコレクションも「大半が未整理のまま」ある日失われるんだろうなぁ。
 
 文化保全なんてものは、なんつーか…すごーくタイヘンなんだよね。ウォーゲームに当てはまるかどうかはビミョーだけど、私が遭遇した例を紹介しよう。法律家は「紙の本」が大好きである。今の法律がどうこうってだけじゃなく、昔はどうだったのかを知ることが大切だから。なので、法律関係の雑誌は古いモノから全部集めたがる。大学その他ならば尚更。最悪でも引き取り手はいくらでも居るってんで、寄贈されたモノは必死に場所確保して貯め込む。そんでもって、「欠落している号」のリストを着けて保管する。ここまではいい。
 
 諸般の事情により、私は寄贈された雑誌の欠落号リスト作っていた。そんでもって、新たに寄贈されたブツにより欠落が埋められるかどうかを調べていた。けれど、欠落は埋まらない。仕方ないこと…と思っていたんだけど、ある時気がついた。何かオカシイ。雑誌の号数から判断すると確かに欠落している。けれど、発売日から判断すると欠落しているようには見えないのだ。っってことは臨時号?でも、臨時号が出るってコトは「大事な事件」の判例が出たってとこになるわけで、ソレを入手しないなんて事があるか?「そーゆー号だけはある」って方がむしろ自然じゃね?何かを見落としているような気がする…ってんで色々調べた所、別雑誌扱いで保存していたブツが形式的には「その雑誌の別冊」扱いとしてナンバリングされていたことが判明した。欠落扱いしていた号はほとんどがコレ。つまり、私が気づくまでずっと「ありもしない欠落」を求めてリストの突き合わせを行っていたことになる。
 
 問題は、こんな間抜けなことをやらかしていたのが某法科大学院の研究支援部門だということにある。図書館部門とも連携しているので、そこの司書(いたはずである)も誰も気がつかずにリストをもてあそんでいたわけだ。下手すると大学の図書館でさえ同じバカやらかしていた可能性が高い。ぶっちゃけ、「専門家が寄ってたかってありもしない欠落を追い求めていた」と言っていい。そりゃあ実害はあんまりないよ。下っ端が無駄な作業強いられたぐらいで。けど、法律の世界でコレだよ?ましてやゲームの世界で「あるはずなのに存在しない」のか「あるはずないので存在しない」のか、見分けるのが楽だとでも?不在の証明が「悪魔の証明」と呼ばれているのは伊達じゃない。
 
 まあ、つーわけで滅茶苦茶タイヘンな作業になると思う。労力掛かるし神経使うし。けどまあ、できれば誰かがやった方が良いんだろうな。はあ。文化を守るってのは、そーゆー地道な作業を文句言わずやれる忍耐力の賜だと思います。わかっていてもなかなか出来ないから、世の文化はどんどん失われていくんだろうな。残す価値があるかどうかは全く別にして。

4月1日2018/04/02 00:17

 唐突だけど、私は「ただし!その腕前は日本じゃ二番目だ」と言われてみたいと思っている。「ボードSLG限定なら、どう考えてもオレが日本一の同人ゴロでしょ」な~んてうそぶいているトコロに、この台詞言われてみたいなと。ま、どう考えても無理だけどね。このジャンルで私に勝てる奴がいるとは、とても思えない。それぐらい、私はズバ抜けた馬鹿だ。
 
 関西でのゲームマーケットが大阪に戻ってきた。しかもインテックス大阪。ついにあそこに見合うだけの規模になったか…と感動しましたね。ソレを記念して、今回はガッツリ攻めようと、珍しく土曜から関西入りし、国際通信社主催のゲーム会「ウォーゲーム士官学校」に顔を出すことにしました。
 
 とはいえ、関西は遠く、私は朝に弱い。実質トークショウ&飲み会に参加するだけだろな~と思っていたら、まあそんな感じ。トークショウは、思いっきり要約すると「電脳ゲーム界や非SLG系ボドゲからウォーSLGに寄せられるアツい視線に対し、我々はどう応えてゆくのか」ってな感じかな。司会の徳岡氏が様々な知見から感じている「ボードウォーSLGに対する注目度」を紹介し、それを我々側が取り入れてゆくにはどーするこーするって意見を鹿内・中黒両氏が述べる…ってな感じかな。ためになりました。
 
 ちなみに、諸般の事情により私にも発言機会があった。「さいたまオフラインはどうやって萬印堂を見つけ、今も利用しているのか」って質問に現代表が「経緯を良く知らない」と回答したんじゃ、私が助け船出すしかないでしょ。普通の同人誌からゲーム付き同人誌にレベルアップしようって話が出た時、印刷所のチラシ集めていくつか候補見つけてきたのは私だからして。萬印堂さんに関しては、ゲームマーケットに「ボードゲームの印刷引き受けますよ」ってアピールのため出展してたので、チラシもらって推薦した記憶がある。元をただせばさいたまオフラインはボードゲーム色が濃いサークルで、コンポーネント面でも「やはりユニットは抜き打ちにしたい」って要望が強かった。でも、そこを何とかしてくれそうな印刷所なんてロクに知られてなかったのよね。そもそも、同人ゲーム全体のコンポーネントがまだ貧弱だった時代の話だし。同人ゲームのコンポーネントは近年急速に発展した分野であり、そうなったのは印刷所及び各サークルの各種努力の賜であると思う。いやホントに頭が下がります。
 
 その後飲んで馬鹿話して…宿泊先はマンガ喫茶(苦笑)。だってPCの前に貼り付く必要があったから。ドバイワールドカップデーだからだ!レース映像を香港ジョッキークラブのサイト(映像の配信が世界一早い。少なくともJRAより早い)で確認しなくてどーする。とりあえず、サトノクラウン全力で走ってないでしょ。あの行きっぷりの悪さ、最後直線での気合い不足は画質の粗いネット映像でもバッチリわかるレベル。モレイラ何やってんだ。自宅だったら思いっきり罵声浴びせてPC蹴飛ばしてただろうな。あまりの悔しさに目がさえて、ちーとも眠れなかった。
 
 懸命にアタマ切り替えて、ゲムマに向かう。いつものこととはいえ、「知り合い」のサークルだらけで困る。挨拶回りして新作買うだけでえらい荷物になるんだよな。ま、ソレが楽しくて同人ゴロやってんだからいいんだけど。金額?聞くな。入手したモノからいくつか紹介すると、まあ知り合い系ではSLGamer最新号か。ずいぶんと待たされたからなあ(苦笑)。付録ゲームは空戦モノ。ヘクス空戦ゲームは独特のロマンがある。これはわかる奴にはわかるんだけど、そんな奴は絶滅寸前だ。ただまあ私も絶滅危惧種の端くれではあるので、単純に嬉しいね。もう1つは、あえて知り合い以外から入手したモノを。
ゲーム紹介系同人誌「銃・ボードゲーム・鉄」。これはいわゆる「血生臭い」ボードゲームを紹介するってシロモノ。「トワイライト・ストラグル」はともかく、「ディプロマシー」紹介しているのは笑った。いやあ、こーゆー切り口の同人誌があるってのは、業界的には嬉しいね!そーゆージャンルの深淵に引きずり込んでやろうか?クケケ…ってのはさておき、前の日にウォーゲーマーの前でこーゆー切り口のことをアツく語っていた人がこの本の存在を知らないのは如何なモノかと!と思ったので、徳岡氏に「こーゆー本見つけた」と報告しておいた(笑)。真面目な話、徳岡氏が「ウォーゲーム士官学校」トークショウで語っていた説の正しさを補強する証拠の1つだと思う。氏があの場で提唱していた「理論」が正しければ、このような同人誌が「観測」されるのはむしろ当然だろう。惜しむらくは、この同人誌にa-game・サンセット・GJが出したゲームが紹介されていなかった点だな。ガチなウォーSLGは流石にまだ早いとしても、各社ココで紹介されてもおかしくない商品抱えているでしょ。アピール弱いよ!何やってんの!
 
 なお、この日同じインテックス大阪でフツーの同人誌即売会が開かれているとチェック済みだったので、そっちも偵察してみました。「腐女子向け」即売会だとわかっていたんだけどね。案の定、ほとんど用事はなかった。ちょっとイイ感じの便せん見つけたけど(苦笑)。けれども、ヘタリアのサークルもあった関係上、軍服っぽいカッコしたお姉ちゃんがいたのは笑った。「鉄十字章ですか。どんな武功が?」とか聞いてやろうかと(笑)。なお、この即売会の雰囲気は、私が仙台コミケで味わったモノと同じである。「こんな雰囲気の中でウォーゲーム同人誌を頒布し、しかもF男以外に入手した奴がいる」という事実がいかにトンデモネーのか、味わういいい機会だったかも。しまった、神保氏にカタログ押しつけて、「後学のため雰囲気味わってこい」と言うべきだったか(笑)。
 
 近年に限定すれば、私は疑いようもないってレベルで「日本一の男」である。だからどーした。ただ馬鹿なだけだ。それは間違いない。けれども、そんな馬鹿なコトであっても、貫き通すとたま~にご褒美があるらしい。こんな馬鹿だからこそできたこと、他の誰にもできそうもないことができたりする。ただ、もし日本のトップが私ごときじゃなくて、もっと色んな意味で優れた人物だったならば、この業界もう少し違っていたのかなと思うこともある。だから、いつの日か私の目の前にテンガロンハット被って白いギター持った怪しげなアンチャンが現れ、「ただし!その腕前は日本じゃ二番目だ!」なんて言い出し、全力の私を上回ってくれたら…なんて考えるわけですよ。
 
 なお、サトノクラウンの負けっぷりがあまりにも腹立たしかったので、腹いせも兼ねて大阪杯の馬券買って帰路につきました。ミルコ偉い。モレイラにもアレをやって欲しかったんだよ…

1月28日2018/01/28 20:18

 前略。久々にアホウな行動ぶちかましたので、レポートを。簡易版は出してあるので、ソレだけでいいかとも思ったけれど、まあ何となく。
 
 キッカケはコミケ初日。ウォーゲーム系の某サークル主催から、「仙台でウォーゲーム同人誌が出るらしい」と聞いた。普通ならば「へー、そりゃスゴい」で終わる話だろうけど、私はそうじゃない。とりあえず「重大極まりない挑発的行為」に認定した。
 
 帰宅後に調べてみた所、1/8(祝)に仙台の夢メッセみやぎとかいうトコロで仙台コミケとか言う即売会があり、ソコにウォーゲーム同人誌を持ち込む予定のサークルがあるらしい。何とかソコまではわかった。しかし、サークル名はわかっても参加サークルリストが公開されてない(公開されたのは12/31から)し、具体的な行き方も良くわからん。どーしろと?ってなもんだ。
 
 そこでまあ、「こんなこともあろうかと!」ってな手段を使うことにした。コミケ3日目・ジャンル「評論・情報」にある「地方の同人誌即売会のレポート」を出しているサークルのトコロに出向き、「すいません、仙台コミケってどう行けばいいんでしょうか?」と聞いてみたのだ。ココの新刊は毎回ゲットしているし。
 
 アホウな質問であるにもかかわらず、親切な回答をもらえた。交通手段としては「バス停がわかれば、仙台駅からバスが手っ取り早い」そうな。会場の最寄り駅はJR東・仙石線の**だけど、ここから徒歩はちと遠い。バス使うなら仙台駅からのバスと同一なので、仙台駅から乗る方が手間が少ないとのこと。この情報をヒントにまた色々と調べ、とりあえず行き方はわかった。素晴らしい。
 
 ちなみにだ。我が家の最寄り駅大宮から仙台までは早いと1時間程度。そこからバスで40分ぐらいかかるそうな。東京ビッグサイトは東京駅に40分強かかり、ソコからバスで40分(コミケの時は直行便が使えるのでもっと早い)くらいかな。「ビッグサイトとあんまり変わらない、幕張メッセと同程度」と自分を誤魔化し、行くことにしました。
 
 焦って仙台駅を降りたので、西口と東口を間違えそうになり、バス停に着いたのは出発予定時刻ギリギリ。コレを逃すと次のバスは1時間後(苦笑)。ただ、仙台駅始発ではないので、バスにありがちなことに少し遅れて到着したので助かった。バスはぶっちゃけガラガラ。でも、会場には参加者がそれなりにいた。仙台はクルマ社会だってコトを実感しましたね。
 
 開始を待つ一般参加者は、7~8割が女性。想定の範囲内である。私は地方の即売会はあまり行ったことがないけれど、そーゆーものだって情報は知っていた。基本的にはこーゆー即売会に用事はない(いわゆる男性系がどうこうってだけではなく、ゲーム・メカミリ・評論情報系も弱くなる。スポーツ系も「選手萌え」色が強くなり、データ解析系が弱い。)けれど、全く無いってワケでもない。そこは問題じゃないんだけど、「こんな即売会でウォーゲーム同人誌を売る」のはいかがなものかと。ぶっちゃけ、「売り上げゼロ」であっても何の驚きもない。そーゆーモノである。「ゲムマ・コミケ以外で頒布しても勝負にならない」ってのは、私だけじゃなく複数の関係者が証言していることだし。
 
 しかーし!私の予想は甘かった。私以外にこの同人誌を購入する奴がいたのである。ウォーゲームに興味なさそうな同行者が居た所から考えて、おそらく地元組。年齢はかなり若い。少なくともオッサンではない。持っていた荷物の量(少ない)やら何やらを考えると、おそらく他のどこかのサークルが主目的ではなく、この同人誌のために出現したようだ。ほぼ純粋な「ウォーゲーム初心者」ではないかと思われる。
 
 そりゃあね、そーゆー存在がまだ居るってのは知っている。ゲムマでa-gameの体験卓付近をうろついてりゃあ、見かけることは出来るし。けれども、絶滅危惧種であることは間違いない。まだまだいるんだこんな奴…と感動した。うんうん、正直この光景を見ただけでも、仙台まで遠征した甲斐はあった。
 
 とまあ、気分良く帰路についた…のだけど、ここでちょっとしたトラブルが。帰りの新幹線に空席がねえ…これだけで1時間待たされました。おまけに比較的律儀に停車する新幹線(コレが普通)に乗ったので、時間かかるかかる…当たり前だけど、仙台は遠いと実感させられました。
 
 その2週間程度後、私は大阪にいた。目的は即売会。コミックトレジャー。コミケで買い逃したブツを仕入れることが出来るので、行くと便利ではある。ここには私が「ウォーゲーム系」だと分類しているサークルが2つほどある。ソコに仙台で仕入れた同人誌を差し入れしてきました。実のところ、仙台まで遠征した最大の理由は、「コミトレでコレを差し入れたら喜ばれそうだ」だったりする。もちろん、とて~も喜んでもらえました。
 
 ウォーゲーム同人誌のためにこーゆー遠征をする馬鹿は、私の他にいない。いてたまるか。だからどうした、というのはある。けれども、まあその価値はあるんじゃないかな。少なくとも私はそう思う。「この業界、まだまだ捨てたもんじゃない」ってことを強く実感できるしね。ただまあ、そのために仙台やら大阪まで遠征するのは、費用的に見てどうなんだろ。あんまり考えない方がいいな(苦笑)。
 
 え?本の内容と感想?それは買え。買って自身で判断してくれ。通販やるはずだから。ココを見るようなウォーゲーマー相手にそーゆー容赦するほど、私は甘くないぞ。運が良ければコミケに出るって言ってたから、ソコで入手するのもありかもね。

特別2017/02/19 00:08

 諸般の事情により、とにかくひたすら前略。いきなり本題に。そーゆーモノだと思ってもらいたい。
 
 この文章は、ロベルト・ボラーニョ「第三帝国」に対する感想文というか何と言うか…である。文芸書に対するモノなので、あえてネタバレ上等とする。流石に一部伏せようとは思うけど。そこは覚悟してもらいたい。ではいくぞ。
 
 何故このようなモノを?それは、面白かったから…な~んて話ではない。いや、面白くはあったけど、それだけじゃこんな文は書かない。一応はスペイン語圏文学(スペインだけでなく、南米も含む)の研究をしている日本人向けに「言っておくべきコト」があると判断したからである。本書には「ウォーゲーマーでないとわからない部分」が山ほどある。にもかかわらず、大学その他でこの手の文学に真面目に取り組んでいながら、ウォーゲームのことかなり詳しく知っている日本人がいるか?とりあえず、訳者はあとがきで詳しくないことを白状している。それなりに学んで参考にした形跡は見受けられるけど、本書にはそれだけでは語りきれない部分があるのだ。なにせ「私はゲーマーだからわかるけど、普通の読者は置き去りなんじゃ」って記述だらけ。そこを語る人間がどれだけいるのかよくわからないので、私なりの雑感を書いておこうと考えた次第である。
 
 まず、本書のタイトルの「第三帝国」とは、古株ウォーゲーマーには良く知られた、アバロンヒル社の「第三帝国」から来ている。訳者は「同一のものと確かめられなかった」とのことだが、私の判断では間違いなくあの「第三帝国」である。相違点は作者のカン違いで片付けて問題ないってレベル。むしろルールの版を確認できるかどうかが問題になるくらいだ。残念ながら私は古い第三帝国には詳しくないので、流石にそれは特定できなかった。ただ、想定されている年代(80年代半ば?少なくとも89年より前)や英本土上陸作戦のやり方などから推定すると、どうも第5版っぽい。そんな知識どーでもいい…と言いたい気持ちはわかるんだけど、実は結構重要な意味を持っているのでは?と疑っていたりする。
 
 簡単なあらすじ紹介。主人公はドイツのウォーゲーマー。雑誌に記事を書くようなセミプロレベルであり、大会で「第三帝国」欧州チャンプになった。一応筋金入りだな。スペインの海に遊びに来た所、同行の友人が海難事故とおぼしき事情で行方不明になった。おそらくいずれ遺体が回収されるからとその地に残り、ヒマだから「第三帝国」に興味を持った現地の人物、「火傷」と第三帝国をプレイ。この「火傷」、最初はド素人と侮っていたけれど、なんかヤケに熱心で、急速に技量が向上してゆく。何で?何かヘンな思惑ある?ひょっとして「相手にしちゃイケナイ人」相手にしちゃった?もし負けたらオレどーなるんだ…ってな話。ホラーっぽい要素も含んでいる作品なので、最後どうなるのかは一応伏せる。後は読んで確認して下さい。
 
 古参ウォーゲーマー視点で読むと、昔懐かしいゲーマーライフが山ほど語られていて楽しい。GDW「アサルト」はブンデスヴェーアまで出ているとか、ASLはまだ出てないようだ、ってな部分から作中の年を特定できるかも。また、こう言っては何だけど「今の目から見るとため息が出ちゃうような記述」もある。「史実で大劣勢だった側はゲームでも勝ち目がない」などと思い込み、あげく「プレイする価値がない」と言いたげなところとか。この辺は「あの頃はオレ達みんな青かった」で済む話だけど、作品に重大な影を落としている要素が1つある。それは「初心者へのインスト」だ。ここは少し詳細に語っておきたい。
 
 主人公は「火傷」に第三帝国を教えてプレイする。しかし、そのインストは褒められたモノではない。なにせルールブックのコピーすら渡さない。最低限のルールだけ教え、聞かれないことは黙っている。「ゲームを買って自分でルール読まないお前が悪い」と言いたげな態度だ。あげく、中盤以降「火傷」の技量が向上したのは「誰かが勝手にルールブックのコピーを渡したからでは」と疑い、犯人捜しを始める有様。確かに昔はそんなプレイヤーが数多くいたんだよなあ…私は曲がりなりにも「そーゆー態度は止めよう、もっと初心者勧誘に興味を持とう」って趣旨のコトを言い続けてきた人間だけに、盛大なため息が出た。なお、この犯人捜しは作品中で結構重要な意味を持つコトだったりする。それが「昔のゲーマーの駄目な部分」から来た行動だ、ってのは泣けるね。
 
 ここで1つ、私が大いに気になっている部分の考察を行っておきたい。それは、「何故主人公は苦戦したのか」である。最終的な勝ち負けは伏せるけれど、主人公は「どちらが勝つかわからない」ってなトコロまで追い詰められる。何故そこまで追い詰められたのか?これは主人公の心象風景や作者が訴えたかったことに関係してくると思うのだが、作者はぼかして書いている。ここを詳細に読み取れるほど、私は「第三帝国」に詳しくないのだ。ぶっちゃけ、手元に昔の研究記事(タクテクスに掲載されたものでいいと思う)もしくは実物が欲しいけど、そんなものは…
 
 考えられる理由としては、いくつかある。まずは「「相手が強かったから」。対戦相手の「火傷」が、奇妙な情熱から恐ろしい勢いで技量向上していることは間違いない。しかし、それだけで足りるか?研究が進んでいない同士の対戦なら、そーゆーこともあるだろう。しかし、ある程度研究が進んだ段階になると、「ミスが少ない方が勝つ」って感じになるのが普通。将棋で言えば、プロ同士の対戦なら「飛車タダ取り」された場合、名人でもプロ成り立て(実力はピンキリって話はあるけど)に「勝ち目がない」ってな感じになる。序盤ド素人でミス連発した側が、中盤以降「実力が追いついた」としても盛り返すのは容易じゃないはず。この辺はゲーマーならばわかる感覚だと思う。この辺についてはフィクションゆえの…って部分とか、作者のゲーム歴(ウォーゲーム以外含む)などに依存すると思われるので、とりあえずは「疑問点」で留めておこう。
 
 理由その2。主人公の油断もしくは手抜き。これはゼロではないと思う。特に手抜きは「何かしらやらかした」っぽい。主人公は自身の開発した「ウクライナ捨て駒作戦」(訳がヘンなのではないかと疑っている。原著には何て書いてあるんだ)に相当な自信があるようなので、この作戦の流れに沿って初心者を嬲る気マンマンだと思われる。よって、この作戦に沿わない形で勝利が決まってしまうようなミス(大事な場所がカラッポとか)は故意に見逃した可能性があるのだ。昔はいたんだよこーゆー奴。個人的には「最上級の屈辱」であり、相手のことをちょっとでも考えるならやっちゃイケナイってレベルまであると思う。
 
 実を言うと、これをやらかしたのではないかとおぼしき記述がきちんとある。作中に仏のセットアップが「なってない」ことが記されている。まあ初心者だし。にもかかわらず、主人公は仏を39年秋に陥落させていない。これは手抜きか手心かは知らないが、「あえて見逃した」可能性があると思う。昔私が行った研究によると、仏のセットアップに手抜かりがあった場合、仏は「2:1攻撃を2回成功されると」39年秋に陥落するのだ。ただ、私の研究はココで止まっている。
 
 「第三帝国」のCRTを詳細に覚えてはいない(「反撃」って結果があるので、結構複雑)けれど、このゲームの2:1攻撃の成功率は確か35/36程度。「ほぼ成功」だ。ただし失敗する可能性は一応あるので、独は再建不能な空挺部隊を使った攻撃は3:1(絶対成功)にする、ってのが基本テクニック。とはいえ、こんな確率では「仏は守れていない」と判断するのが普通であり、故意にそんな配置をするプレイヤーはいない。だから独側としてもそんな場合のことを考える必要は無い…というのが私の判断であり、それ自体は大きく間違っていないと思う。ただ、そのおかげで「攻撃を工夫して3:1連発による絶対陥落に持ち込めるのか」とか、「2:1に失敗した場合どうなるのか」って部分がよくわからん。
 
 仮に「仏のセットアップにミスがあっても、絶対陥落に持ち込むのは無理」であり、かつ「低確率とはいえ攻撃失敗したらものすごい痛手」だとしたならば、自重する意味はある。ましてや「ド素人相手」だ。冒険しなくても確実に勝てると考え、攻撃しないって手は成り立つ。けれども、そうでない場合…ちなみに、仏が39年に降伏する影響は巨大である。投了しても問題ないレベルかな。私ならどーするか?多分攻撃する。相手が初心者もしくはこのゲームに不慣れなら、攻撃して「不備」を指摘し、やり直す。わかっているはずの人間がやってきたら、ある種の挑発行為と認定し、失敗したら負ける覚悟で攻撃する。あえて慎重策を採用する必要は感じない確率かな。まあ、この辺は好みの差もあるとは思うけど。
 
 理由その3。緊張やおびえから来るミス。たかがゲームに重たいモノ(自分の命?)背負わされ、しかも周囲には不吉な兆候(友人の行方不明とか)が山ほどあるって状況だ。これはあったと思う。ただ、程度問題を読み取るには知識が必要そうで…バルバロッサ作戦でモスクワ占領したっぽいのはいいとして、その後独軍側の動きが少なく感じるのはコレに該当するのか?相手はレンドリース大量に突っ込んで猛攻を加えているようなのに、反攻するでも大撤退するでもなく戦線整理に徹しているのはどうなのよ。そーゆーゲームだっけ?まあこの辺は次に説明する理由4と関連しそうなので、そちらを先に説明しよう。
 
 理由4。主人公ご自慢の「ウクライナ捨て駒作戦」に致命的ミスがある。この作戦、「普通にバルバロッサ作戦を行い、なおかつスペイン侵攻してジブラルタルを押さえ、伊艦隊を大西洋に送り込み、それも利用してゼーレーヴェを成功させ、ロンドン占領して勝つ」って流れのモノらしい。決まれば華麗だろうけど、いわゆる「攻め過ぎ」じゃね?無理攻めして戦線に薄い所ができ、そこを突かれて第6軍が包囲されちゃいました…という史実の悲劇をより大規模にやらかした可能性はあるな。意表を突かれて意気消沈し、やる気を喪失した相手になら通用したけれど、諦めずにシッカリ対応してくる相手には無茶のある作戦だったのかもしれない。
 
 私が「そーゆーコトかも」と疑った理由は、レンドリースにある。連合国側はガンガン赤軍にレンドリースしまくっている…って記述が出てくるのだ。妨害はどうした?と思っていたら、どうもゼーレーヴェ用に艦隊を温存していたらしい。思えば、スカンジナビアのスの字も出てこなかったしなあ。このヒネリに無理があった上、緊張やおびえから東部戦線の状況判断をミスったのだとしたら…でも、「そうに違いない」なんて断言できるほど、私はこのゲームに詳しくないんだよね。
 
 あと、理由3については補足したいことがある。この作品、なんかむやみやたらと「死の臭い」が強調されている。巻末にある「解説」でも「訳者あとがき」でもこの点が語られ、作者の病気(夭折したそうな)と絡めて論じていたりする。しかしだなあ。それは勘ぐりすぎではないかと真面目に思う。まず、この作品はホラー的な要素を含んでいる。「主人公の命はどうなる?」ってなドキドキを読者に感じてもらう必要はあるだろう。そのために「死を強調」するのは悪くない手法ではないかと。それに、この「死の臭い漂う雰囲気」は(程度問題はさておき)主人公の冷静さを奪い、ミスを誘発させる効果も兼ねているはず。異様な雰囲気に飲まれて正常な判断が難しくなってゆく…ってな記述は、基本じゃないかと思う。この作者の他の作品読んだことがないので断言はしにくいけれど、「この作品に死の臭いが充満しているのは、ホラー映画が何でもないシーンの時点で何か怖いのと同じくらい自然」じゃないかな。
 
 作者がこれらの理由のいずれを強調したいのかは、何とも言い難い。ただまあ、作品全体から判断すると理由3が軸なのかなって気はする。経歴などから判断するに、おそらく作者の視点は「火傷」寄りだ。当時のポップカルチャーに興じる西側先進国の若者の代表が主人公なのだろう。自由主義的な政治体制を謳歌し、東側や南米のような独裁的圧政に苦しむ人々に対し安易に「何故戦わない?」などと言ってしまうような存在。そーゆー存在に「お前、『逆らったら殺される』ってプレッシャーかけられてもそんなこと言えるの?」と言いたいんじゃなかろーか。そーゆーある種理不尽なプレッシャーを掛けられる対象として「ナチスドイツ軍をプレイするドイツ人」を選び、数あるナチスドイツが出てくるゲーム(ボードウォーゲームとは限らない)の中から「第二次欧州大戦戦略級」である「第三帝国」を選んだ…というのは、秀逸な目の付け所だと思う。強いて言うなら、主人公はそーゆーコトにノー天気過ぎると思う。日本人の我々でさえ「右翼と同一視されてないだろうな」って怯えと無縁じゃなかったのに(苦笑)。
 
 最後に、総合的な感想を。「こんな奴が欧州チャンプか」である。そーゆー意味ではとても残念まである。先ほどちらっと書いたけど、主人公は苦戦し始めると盤外にその理由を求め始める。その上で、個人的印象ではあるけれど「ただ淡々と事前の作戦研究に従ったプレイをするだけ」って存在になりはてているように感じる。ぶっちゃけ、盤上を直視できてない。違うだろ。ゲームは最後は盤上が全てだろ。「死の臭い」ってプレッシャー?「負けたら何されるかわからない」?だからどーした。勝てば良いんだ勝てば。キツいプレッシャーの前にミスが出るのは仕方ない。ミスのせいで劣勢になって「負けたらどうしよう」なんて弱気が顔を出すのも仕方ない。けれども、勝利はそーゆーものを乗り越えた先にある。ちょっと追い込まれただけで目が泳ぎ出すような奴が「第三帝国欧州チャンプ」だぁ?今現在私の周辺にいるウォーゲーマーの大半はそんな甘っちょろい存在じゃねーぞ。
 
 主人公に褒められる点があるとすれば、逃げなかったことかな。いやまあ、理性的な人間なら逃げて当然の状況だし、踏みとどまって迎え撃ったというより、単にすくんで動けなくなっただけって気がするけれど。この点について、私は「自分ならどーするか」って考えた。結論は「やっぱり逃げない」かな。だって…逃げたいかこの状況?相手はこの際どーでもいい。自分は欧州チャンプだ。そんなトコロに登れるほど習熟しているゲームを挑まれて、「負けたらヤバイ」からって逃げろと?じゃあいつどこで戦うんだよ。そんな自分になりたくはないね。「走れなくなった競走馬」以下だ。私は幸か不幸か「自分より大切なモノ」は存在しないので、ここで己の存在意義のために命を賭けの対象にしちゃうと思うな。
 
 私は「第三帝国」はそれほど詳しくはない。けれども、同じ第二次欧州大戦戦略級ゲームである「ヒトラー電撃戦」(奇しくもこのゲームはスペイン産)研究記事の執筆者。「日本に存在する、主人公と立場が似てる奴」の末席ぐらいは勤まるんじゃないか?だから…多分「火傷」にヒト電挑まれたら逃げられないし、「オレならあーする、こーする」って言う資格みたいなモノは一応あると思う。そこでまあ、色々語ってみました。
 
 オマケ。本書に出てくるウォーゲームのタイトルなどは、我々ゲーマーが使用しているモノが「正しい」訳で、違っているのは言語学的にどうであれ、「誤訳」に属すると思う。ほとんどは問題ないけど、「ブーツと鞍」は笑った。「ブーツアンドサドルズ」が正しい。他にも数点気になった記述はあったかな。あと、訳者が入手したというウォーゲーム「第三帝国の最期」は笑った。推測は混じるけれど、これはコマンド誌123号のことを指すと思われる。だとすると、「第三帝国の最期」はデザイナーが書いたヒストリガルノートの副題で、ゲームタイトルとしては「第三帝国最後の戦い」が正しい。読者がググる時のことを考えたら、こーゆーミスはあまりよろしくないとは思う。いちいち指摘する奴は他にいそうもないので、あえて触れてみました。

8月29日2015/08/30 02:54

 すげー色々あった。正直思い出したくない。よって、延び延びになっていたコミケ回顧。いやまあ、コミケだってある意味「思い出したくないコト」ではあるんだけど(苦笑)。
 
 今回のカタログ表紙は新谷かおる先生の「エリア88」モノ。冊子版がシンでロム版がミッキー。渋いねえ。いいねえ。私と似た年代のヲタクはみんな感動してた。非ヲタクの競馬仲間の某氏(年代は私と似てる)に「コレは理解できるでしょ」と言って冊子版の表紙見せたら、爆笑して作中の名言引用したくらいだ。「真昼になると、ビッグサイトの向こうは陽炎で何も見えなくなる…コミケ88、灼熱の戦場」う~ん、イイネ!
 
 …しかしまあ、実際戦っている私にしてみれば、シャレになってねえ。特に私の場合、「フル装備」(サークルチケット3日分)与えられているからなあ。基本的には「それが妥当」って戦場に叩き込まれる。流石にシンほどの腕(コミケのトップエースはホンモノだ)・ミッキーほどの装備(ミッキーが装備だけとは言わないけど、当時のトムキャットは強い)があるわけじゃないけど、クフィル支給組の末席ぐらいには相当するかも。でもって、ウルフパックと戦ってこいと言われるわけだ。おまけに、買い子は戦利品を届けるまでが仕事なので、戦場で倒れるなどという贅沢は許されない。更に、カネがありゃ入手できるってモノが対象じゃないので、貯めたカネ払ってアバヨってわけにもいかない。そーゆーものなのだ。
 
 過酷さを象徴するエピソードを1つ。知人がコミケ参加者向け格言付きの日めくりカレンダー入手し、そこに「外周を回るか、島中に突っ込むか、それが決断だ」みたいな格言を見て笑っていたんだけど、私に言わせれば「コミケ会場に決断などいらない」となる。決断が必要なのは、せいぜいカタログ発売直後。前日までは「情報収集と経験を元とした、緻密な計算」により回る予定が作られ、当日は「体調と列の進み具合を考慮した、瞬間的な状況判断」により修正をしてゆくだけ。空戦の最中に決断もクソもなく、あるのは瞬間的な判断のみ、ってのと同じである!本格的に「ヤバい」と感じた時にはもう遅い。ブッ倒れるか、目的のモノが完売しまくるか、どちらかだ。
 
 1日目。今回は私のお目当てのジャンルがこの日に集中し、サークル周りが忙しい。今回の「オーダー」が軽めだったこともあり、サークル周りを優先した計画を立てる。とはいえ、やはりオープニングは企業から。ココでアドバンテージを活かしておかないと、後々ヒドい目に遭うからね。狙いはまんがタイムきらら…だったんだけど、私が混成の待機列に並んだ後に専用列が出来たらしい。コレは混乱の予感…と警戒していたトコロ、どうも「先に並んでいたのはコチラなのに、専用列のケツに回されるかも」って移動を強いられたので、無理をせずに離脱した。多分専用待機列の前の方に回してもらえたと思うけど、確証がない。普通ならそれでも並んだと思うけど、この日はサークル優先モード。私は2日目もアドバンテージがある。ならば、並ぶのは今じゃない、2日目だ…という判断だ。コレが正しかったかどうかはあまり問題じゃない。大切なのはベストを選択することではなく、ワーストを避けることだから。
 
 この日のサークル周りは過酷だった。久々に計算が破綻しかけたくらいだ。サークル数も問題だったけど、「西にある企業を終えたら東に向かい、ソコでかなりの数のサークルを回った後で西に向かう」ってスケジュールを立てたのが…西にあった「ゲーム(電源不要)」は「混雑しないくせに完売が早い」ジャンルであり、普通はサッサと片付けて他に行く。けど、今回はソレだと計算が成り立たなかった。東西連絡通路が本格的に混雑する前に東へ移動をしておかないと、どーしよーもない…という計算がありまして。ついでに言うと今回、「無茶苦茶アシの早い電源不要ゲーム」は無い、というヨミもあった。冬だとそーゆーモノが存在する可能性が高い(野球SLGのデータカード)ので、違った決断をしたんじゃないかな。とはいえ、そこは初日。まだ体力に余裕がある。「想定外」も多少あった(私の計画では、無い方がオカシイ)けど、おおむね予定をこなして終了。
 
 2日目。実は用のあるサークルがほぼ無い。よって企業に専念できる。だからって思うようにブツを入手できるとは限らないのがコミケだけどな。案の定「完売」の嵐…計算の修正が遅かった。本来ならば初日に潰していたはずのまんがタイムきららをこの日に攻略したので、他に並ぶ時間が後ろにズレていた。これを計算に入れるのが遅かった。カンベンしてくれ。ただまあ、「今まで注文がなかったので実態を知らなかった」企業をいくつか体感できたのは(私個人としては)収穫ではある。コミケ参加歴も長いクセに、完売直前まで警報出さないというドアホウやらかすトコロとは知らなかったよ、ぱ○っとさんよお。やっぱり、実際並んでみなきゃわからんことは多い。
 
 3日目。私の中ではコミケ史上に残る敗北を喰らった。「A88」に配置された、新谷かおる先生のサークル攻略に失敗したのだ。いやね、ココは初手に組み込む必要は無い…って判断が間違っていたと言えばそれまで。ただ、初手に形成された列の長さはおおむね想定通りであり、これなら…と思っていた。しかし、列の消化速度が滅茶苦茶遅い。あり得ないほど遅い。「いかん、ここで死ぬわけにはいかない!」ってんで逃げ出した。「行くんならついでにオレの分も」という注文を出した上司に「行って死んでこい言うのならば当然行きます。けれど、私個人だけなら他を優先します」と報告し、指令が撤回された。なにしろ終了直前に偵察に行ってもなお長蛇の列があったくらい。普通外周の「行列が出来るようなサークル」は平均分速6~15人の消化が可能、って計算をするんだけど、聞いた所によると「1人平均2分ぐらい」って速度だったとか。そりゃあキツい。
 
 ちなみに、私のような「チケット組」は「そのアドバンテージ活かして買いまくり」と思っている人も多いと思う。実態はそうでもない。出足が肝心なのは事実だけど、ソレが活かせるのは1~5サークル程度。「完売を気にする必要がない」って部分が大きいのであって、量だけで考えたらソコまで差はない。量をこなすのはむしろ「完売が出始めてから」だ。グッズ系、抱き枕カバーやタペストリーが完売した後、何もかも売り尽くす前、というタイミングが狙い目である。私個人&私の上司は共に「抱き枕とタペはいらん」って主義なので、このタイミングを狙うことが多い。これは完全完売に遭遇する可能性も高い「冒険」だけど、ソコは割り切る。更に私の場合、「数週間後に大阪で」という裏技も使うし。この辺を考慮しつつ、緻密な計算が組み立ててあるのだ。それが買い子。
 
 今回は「コミケ40周年史」なる冊子も袖手した。本当は春のスペシャルで出ている予定だったんだけど、延期されていたモノだ。私の参加歴は30年弱だけど、まあ何と言うか…思い出したくないコトいっぱい思い出しましたね(苦笑)。コミケ雲が出た一昨年でさえ「まだマシ」だった晴海の暑さとか、発火事件とか、脅迫状とか。そんな時だけに、3日目に流れた迷子放送は少しだけビビった。香港から来た15歳と本土(上海だったかな?)から来た12歳(共に女子)が迷子になったってんで、日本語と広東語で迷子放送してた。広東語の迷子放送に対応できるってのがコミケだなあ…って感想とは別に、「出てきてくれよな…」って気持ちが普段より強かったかな。昔ヲタクが露骨に排除されるような事件があってだねえ。それを思い出しちゃっただけに、「幼女誘拐」に怯えたんだな。関西で痛ましい事件が発覚したように、そーゆー事件をゼロにすることは難しい。ソレは理屈としてはわかる。わかるけれど、コミケ会場でだけは止めてくれ。そーゆー気持ちがあるから、「見つかった」って放送があるたびに拍手が起きるんだな。反省会情報によれば共に見つかったとのことで、ほっと一安心。
 
 コミケに「お客様」はいない。いるのは参加者だけ。コレがコミケの基本理念である。同人誌即売会に参加する奴は大抵コミケにも参加しているので、ヲタクの集まる場所はこの理念が適用されていると考えて良い。正直、そーゆー場所は安心する。聞いた話ではコミケ2日目と同じ日に秋葉原で「刀剣乱舞」関連の限定グッズが発売され、その列が御茶ノ水の駅を越えるほどに伸びた(一説によれば東京ドーム近くに達したとか)ようなのだけど、大きなニュースになるほど巨大な迷惑を掛けたわけではないようだ。どんだけ統率取れているんだか。この理念、世間一般でも適用してくれないかねえ。「東京五輪に観客は居ない、いるのは一般参加者と競技参加者」とか(笑)。
 
 私にとって夏のコミケは、冬と比べればまだ余裕がある。暑さには比較的強い(逆に寒さに弱い)し、カレンダーがないし。次は冬だ。狂乱の冬だ。またもや苦しい戦いが予想されるけど、切り抜けないとね。はあ、色々アタマが痛い…

7月5日2015/07/05 21:18

 風邪引いた…気軽に休めるワケじゃないので、かなりヤバい。やらなきゃイケナイこと満載だというのに。まいった。
 
 かな~り遅ればせではあるけれど、やっとこさコマンド誌最新号を入手した。よって、時機を逸しているのを承知の上で、「コマンド誌は商業誌か同人誌か」問題を語ろうと思う。とはいえ、流石に詳しく語れない部分は触れないけれど。
 
 コマンド誌に対する、私個人の意見は明確である。アレは「ドコをどう見ても商業誌」だ。印刷や紙の質、文字組み・詰めの処理、そーいった部分は実に贅沢な作りをしている。ユニットやマップも含めれば何をか言わんや。アレは同人誌レベルにできることじゃない。あんなモノと一緒にされたんじゃ、ホンモノの同人誌は全部立つ瀬がない。これはコミケの「壁」サークルのそれであっても同じだ。以上証明終わり。
 
 いやまあ、そーゆー部分も大事だろうけどさあ、記事の中身の方が大事じゃね?という意見もあるだろう。そこについては、私個人から言うべき事は無い。「同人の方が安くて良い」と考えるなら黙って同人誌買うべきだし、「同人誌じゃあなあ」と思うならコマンド誌なりGJ誌なりを買えば良い。より内容を充実させてもらいたいから、あえて批判の声を挙げることを否定はしない…つか、私自身も相当吼えているわけだが…けれど、ありもしない「理想の本」との比較がどうこうより、現状でどう満足するか?の方がよほど大事なコトだ。
 
 いやまあ、それにしたって…言いたいコトはわかる。わかるから、あえて言おう。コマンド誌の中身を語る場合、避けて通れない論点がある。それは、「コマンド誌本誌は雑誌なのか、それともゲームのオマケなのか」だ。私が見た範囲ではこの点について論じた方がいなかったので、私が語ってみよう。
 
 私はコマンド誌を「ゲームが付いている雑誌」だと考え、毎号入手し、記事を丹念に読むようにしている。しかし、これは必ずしも一般的な態度ではない。付録ゲームの入手こそが重要であり、本誌の記事はそんなに気にしない…そーゆー態度を取る方が少なからず存在している。「邪魔だ」という意見を聞いたことさえある。流通の都合上やら何やら(詳細はあえて触れない)により雑誌が付くのは仕方ないにしても、もっとコスト削減して全体を安くした方がいいのでは?という意見にも、一理あると考えるべきではないかと。
 
 実際、「雑誌としての機能を削り取った」商業誌というものも存在していると思う。「シックスアングル」だ。アレは雑誌でも本でもない。一応ヒストリカルノートやリプレイがあったりするので、そーゆー機能がゼロとは言わない。けど、雑誌と呼ぶに値する分量・質ではない。これは単純に「6A=ジップロックゲーム」だからであって、余計な経費を掛けないと考えれば、これはこれで正しい姿だと言えるだろう。
 
 ならば、何故コマンド誌やGJ誌には「雑誌記事」が豊富にあるのか?この辺は色々考えがあるのだろう。今回はソコに踏み込むつもりはない。ただ、「本誌に経費を掛けるくらいなら…」という意見が無視できない以上、投入可能なリソース(カネや人員)には限界がある、と考えるべきなのでは。そう考えると、今回のカラー化は「オマケに経費かけ過ぎじゃね?」って意見が出ても不思議はないと思う。
 
 そりゃあね、リソースが豊富にあるのなら、付属ゲームだけじゃなくて雑誌も充実させるべきだと思う。けど、この業界のドコにそんな余裕が?むしろ「少ないリソースでよくもまあ」ってレベルだと思うけどね。書き手がプロとは言えない、というのは事実かも知れないけれど、「ゲームを知ってるけどライターとしてはアマ」って人間と、「ライターとしてはプロだけど、ゲームのことは何も知らない」って人間が書く記事にどんだけの差が期待できるというのだ。そのくせ、後者は原稿料が高いに決まっている。コストパフォーマンスを考えれば、現状はそう悪いモノじゃないとは思うけど。
 
 そりゃあね、現状を追認してばかりじゃ、発展がない。このままでは縮小がミエミエである以上、何か思いきった手を…って話はある。けれども、コマンド誌本誌でソレを実行すべきかどうかは…間違って失ってしまったら、取り返しが付かない。「使っちゃイケナイ金」投入してギャンブルするようなものだ。勝負するなら別方面で、という考えは成り立つと思う。私個人としては、失うモノに比べて得るモノが大きそうで、なおかつ人的リソースを豊富に投入可能ではないか…という理由から、ゲームマーケットでギャンブルすべきではないかと。つか、「やれ」って方向で私自身が動いているし。
 
 「あと○個師団あれば、目にモノ見せてやれるのに」などという嘆きは、古今東西を問わず山ほど転がっている。しかし、その大半は無意味なつぶやきだ。いつだって現有戦力で何が出来るのか考え、最善を尽くすのみ。他にロクな戦力が無いのなら、ヘッポコ戦車でも最前線にぶつけるしかない。業界全体が厳しいこの世界ならば、なおさらだ。流石に「自ら最前線で戦え」とまでは言わない。でも、安全な後方からあーだこーだ言うだけで「戦争指導」と思うなよ、とは言える。ココはそーゆー世界だ。
 
 まあ、とりあえず今回はこの程度言っておけばいいかな。後は酒の席でってことで。ブログやらMustattackやらで吼えるより、せめてライターに面と向かって言えば?多分その方が数倍効くから。その機会は結構あると思うぞ(苦笑)。