11月20日2006/11/21 00:24

 本日は、話題の色に悩んだ末この色に。適切ではない気もするんだけど。話題の色は地味に悩みの種なのよ。ま、自分で考えたアイデアなんだから、自業自得だけど。
 
 金曜に友人とヲタクっぽい話題をしてる時に、ふと「女性の将棋の実力」ってのが話題になった。あえて細かくは語らないけど、「将棋指す女性」のマンガがあるので。こーゆー話題で盛り上がれる友人ってのは、貴重だよね。ヘンだってのは認めるけど。
 
 私は将棋にはさほど詳しくない。棋力だって低い。新聞などに掲載されてる詰め将棋が「解ける時もある」って程度。ただまあ、一般常識として?名人だの竜王だの王将だのといった重要タイトルホルダーの顔ぶれぐらいは知ってる。その程度。
 
 諸般の事情により将棋に詳しい友人によると、現在の「将棋の強い女性」は、正直さほど強くないそうな。どれぐらいかと言えば…男性と混じると、まず間違いなくプロになれない程度。将棋はプロになるのがすごーく難しいコトで有名で、年齢制限に引っかかる前に奨励会ってのを「抜け」なくちゃいけない。これがいかにすさまじいかは、ちょっと調べればすぐわかる。
 
 詳しく調べると、女流が男性のプロに勝った例ってのがいくつか発見できる。けど、これは主に制限時間の短い、「軽い」大会でのこと。将棋界で最も重要な「順位戦」(この頂点が名人)のような、時間多めの真剣勝負だと相当分が悪い。これが将棋界の「現実」である。
 
 囲碁はどうか?囲碁は女性のプロも存在する。けど、囲碁は将棋と違い、プロになるのは楽なのだ。その後は大変だけど。ちなみに、重要なタイトルに女性が絡んだって話は聞かない。ここにもまた大きな差が存在する。
 
 この時は別の話題に話が移ったんだけど、後で考えてみたら少し気になった。いわゆる頭脳遊戯において、男女の差はものすごく大きい。権利平等を訴える女性が何と言おうと、これは冷厳な事実である。でも、何でだろ?
 
 まず考えられるのが、体力の差。いやマジに。「集中して真面目に物事考える」ってのは、モーレツに疲れることだからね。私がやってるシミュレイションゲームもまた頭脳遊戯の一環であり、一応私もアタマから火吹きかねない勢いで考えている。大抵無駄なんだけど(笑)。ゲームの最中は別にカラダ動かしてるワケじゃない(当たり前だ)けど、正直すごーく疲れる。そりゃあいわゆるスポーツとは要求されるモノが微妙に違うかも知れないけど、体力は重要だ。
 
 伝統と環境ってのも重要でしょ。実は頭脳遊戯ってのは、ある種偏見の目で見られてる分野でもあるし。どこがって?結局は「遊び」って目で見られるし、その割に健康的とは言えない。軽く楽しむ分にはともかく、深入りするとヘンな目で見られ始める。将棋や囲碁ならともかく、TVゲームになるとモーレツに(笑)。まあ、男はまだいい。開き直る奴は山ほどいる。けど、女性の場合は…あくまで私の印象だけど、「ヘンな男」より「ヘンな女」の方が、世間の目は冷たいと思うな。まあ、私ぐらいヘンだと男女差なんて無意味かも知れないけど(笑)。
 
 でも、この2つだけでは説明として弱い気がする。これで「いくらかの」差があることは説明できそうな気がするけど、現実問題として生じてる差はもっと大きいような気が…私の印象では、もっと別に理由があるような気がするんだな。ただし、その理由は全くわからない。今のところ見当も付かない。
 
 たとえばだ。「結局女の方がアタマが悪い」って仮定をしてみよう。これは明確に否定できる。確かに、平均学力や学者の数の差を持ち出して「女の方が…」と言うこともできる。しかし、男女の社会環境の差を考えれば、「アタマの善し悪しとは別の理由で生じてるに過ぎない」って意見を否定するのは難しいレベル。なのに、頭脳遊戯において生じてる差は、そんなものよりずっとデッカイ。
 
 「本質的に、女性には向いてない」って仮定は、一応の説得力がある。頭脳遊戯は「勝負事」が多い。ある意味では格闘技以上に「己の強さを追求する」ことより「目の前の相手をやっつける」ことに主眼が置かれてるかも。それだけにいわゆる闘争本能はある程度必要であり、これに男女差があるのは当然だから。けど、いわゆる「女性ギャンブラー」の闘争心?をある程度知ってる身としては、「ソコまで差があるかぁ?」って思うなあ。
 
 面白いことに、私の知る限りでは、この理由を真剣に研究した奴はいない。本当にいない。棋士なんかが「何でだろ?」みたいなことを書いたところを見たことはあるけど、それだけ。この手のワケわかんない研究大好き人間で、本屋のムシである私が見たこと無いんだから、多分和書でこの手の理由を研究した本は存在しない。少なくとも、この十数年に限っては出版されたことないと思うな。
 
 強いて近い論調を採り上げてる本を探せば、「地図が読めない女、話を聞かない男」かな。この本によれば、男は空間把握能力が高い。これが囲碁・将棋などに影響を与えてるのかも。もっとも、この本はここについて深く掘り下げてるワケじゃないので、チャンとした説明になってるとは言い難い。
 
 今のところの説明としては、こうした細かい違いが積もり積もって…ってなことになるのかなあ。けど、それにしてはベラボーな差がある気がするのも事実。普通トップオブオップってのは「理屈を超越した、ベラボーな存在」であり、ささやかな違いが積もり積もったモノなんてのは克服しちゃうものだと思う。それを考えれば、「男性にある程度太刀打ちできる」女流が全くいないのはヘンと言えばヘンだ。
 
 この事実は、男女同権論者だろうが性差別論者だろうが、採り上げる価値がありそうなモノである。なのに、誰も研究してない。最近になってやっと「女性にウケるゲームとは」って視点から分析が始まったぐらいじゃないかぁ?
 
 まあ、私程度の分析じゃ答えが出せる問題じゃないでしょ。どっかの誰かに本気で研究してもらいたいんだけど…色んな意味で難しいのかな。面白いテーマだと思うんだけどね。私自身の印象だと、「何かしら理由はあるんだろうけど、克服不能なモノとは思えない」ので、いつの日か強い女性棋士が出る気がするんだけど、どうなのかなあ。
 
 なお、上記感想は、私が小学生女子によりによってシミュレイションゲームで負けた経験を持つから言ってるワケではない…としておいて欲しいなあ。いくら「両方間違えなければ、こちらが不利」なゲームとはいえ…ふ、私のゲームの実力なんて、そんなもんよ。