11月11日2006/11/11 22:49

 諸般の事情により、少し更新間隔が開いた。ま、良くある話だと思ってもらいたい。色々あるんだよコッチにも。
 
 本日は唐突に「Ukraine'44」作戦紹介。作戦研究ではなく、単なる紹介である。このゲームは両軍共に様々な作戦があり、どの作戦を採るかによって展開がまるで違う。少なくとも「どんな作戦があるのか」ある程度知っていないと、ソロプレイすらうまくいかない。そこでまあ、自分のためにも少し整理しておこうかと。
 
 最初に作戦の選択権を持っているのは、赤軍である。具体的には、10個いる装甲軍団をどう振り分けるか。これによって独軍の取り得る作戦が決まることになる。独軍は実は大方針については選択肢が少ない…どころか、全く悩まなくてもいいって話はあるんだけど。これについては後述しましょ。
 
 まず重要なのは、北西にいる8個の装甲軍団をどう動かすか。投入箇所としては3つ。包囲網の締め付けに使うか、Ternopol攻撃に使うか、Dniester川の南に送り込むか。包囲網の締め付けに使わないってコトは考えにくいけど、後の2つはゼロって選択肢もある。
 
 今のところ有力な「赤軍の方針」は3つ。一番オーソドックスなのは、川の南に装甲を送り込み、その後歩兵と入れ替えで包囲網締め付けに使うってモノ。この場合、Ternopol攻略にはさほど装甲を割かない傾向がある。この作戦の狙いは、脱出阻止。サドンデス対象都市の占領(得点にもなる)は重視せず、独軍増援の到着を遅らせる。最後は脱出部隊の補給線を遮断する位置に装甲軍団を置き、脱出失敗させて勝利するってもの。
 
 もう1つは、その変形。川の南に送り込んだ装甲軍団を使って、Stanislauへ圧力をかける。この場合、Ternopolにも多めに戦力を割き、早期占領を目指す。主な狙いはサドンデスだけど、うまくいかない場合は脱出阻止に切り替える。戦力的に苦しくなる前にサドンデスで勝つってのは魅力的。難点としては、方針を切り替えるタイミングが掴みにくいこと。なまじ途中までサドンデスを目指してるため、おそらく独軍増援の到着が早まる。そのため、タイミングを間違うとあっさり脱出を許すことになりかねない。どちらかと言えば上級者向きの作戦かな。
 
 3つめは、川の南に装甲軍団を送らないもの。この時大切なのは、Ternopolに多めに部隊を送っておくこと。これだとあっさり南方脱出されるけど、その時はTernopolを抜いてサドンデスを狙う。独軍がそれでも西方脱出を選択してきた時については、脱出阻止重視して守備的に戦ってもいいし、豪快に殴り合うのも手。とりあえず、半端はイケナイ。
 
 南東にいる2個については、川の南で運用するのが一般的。ただ、方針によっては直接包囲網の攻撃に使うのも悪くない。実は工夫の余地があるので、様々な組み合わせを試してもらいたい。
 
 独軍の大方針は、実は赤軍が何をしてきても直接関係がなかったりする。基本となるのは西方脱出(包囲網を力で食い破って脱出)であり、この手は赤軍の作戦にかかわらず成立するから。ただまあ、赤軍が南下しないのに西方脱出を選ぶのは、若干分が悪いと思う。南方脱出する場合は、早めに決断すること。装甲部隊はともかく、歩兵の脱出は印象以上に大変だ。歩兵の脱出がゼロだと、点数的に負けになる。
 
 赤軍の作戦に対応する必要があるのは、実は東側の包囲されない部隊。部隊数こそ少ないけど、重要度は包囲されてる部隊に劣らない。赤軍がサドンデス狙いなら、上手く防衛しなくてはいけない。そうでないなら、うまく戦線を押し上げ、増援による反撃の手助けをする必要がある。この方面の用兵は、じっくり研究する価値があると思うな。
 
 包囲されてる部隊の運用では、「どこまで下がるのか」が重要。意識的に引き気味にする作戦と、逆にあまり引かないよう努める作戦がある。引いた方が部隊運用が楽になるのは確かだけど、やりすぎると赤軍の運用も楽になる。正直、損得については今のところ定説がないと思うな。ただまあ、引いた方が破滅しにくいのは確か。その代償として、最後の脱出が困難になるけど。
 
 このゲームは、作戦方針だけでなく状況判断が重要である。攻勢継続すべきか守りに回るか、引いて守るか留まって守るか、攻撃すべきは装甲か歩兵か…これらは一般的な解があるわけではなく、敵味方の作戦方針によって異なってくる。漫然と戦っているだけじゃ、まず駄目だろう。
 
 この他にも、「成立しうる」作戦はあるかも知れないけど、現時点で私が考え得るものはチャンと紹介できたと思う。「その手は成立しない」とかいう意見もあるだろうけど、私の経験では「そこまで言うほど悪くない」と思うな。最後は個人の好み・得手不得手の問題だし。
 
 このゲームは展開の幅が広く、おまけに作戦ごとに細部の判断が異なるので、実にソロプレイしにくい。「対戦相手が自分と同じ考え」だと、対応の幅が狭くなりがちだから。それを防ぐために作戦研究ではなく作戦紹介をしてみたんですが、いかがでしょう。そうすれば、現行のトーナメントで勝ち残ってるため、このゲームをまるで研究してない某氏の研究が進めやすくなり、トーナメント開始が早まるんじゃないかと(笑)。この人抜きのトーナメントなんて、考えられませんからね。そう思いません?有楽斎殿。