11月21日 ― 2005/11/22 00:59
勝手に献辞シリーズ。有楽斎殿へ。「技量は負けても、熱意は負けない」をモットーとする私ですが、さすがに貴方には負けるかも。その熱意が「優勝」という形になる日は遠くないでしょう。願わくは、その時の決勝の相手が私でありますように。
トーナメントに敗退し、VaSはしばらくやらないかなと思っていたんだけど、20日のMiddle-Earth東京支部例会において、山桜隊3位で予選通過した有楽斎殿とオープン戦を行った。結果は僅差ながら私の勝利。一応決勝トーナメント用に温存していた「戦法」がハマってくれた。そこで、一応この秘策?を公開してみたい。実は大したことないんだけどね。
まずは連合軍側の作戦。これはリーグ戦でも使用していたモノの改良版。まず地中海に鈍足戦艦全部+空母アークロイヤルを送り込み、北海を捨てる。狙いはただ1つ。セットアップ時に給油艦サークルにいる、独ポケット戦艦を確実に独本国へ帰還させるため。まずは独艦隊の分散を封じる。
ここで地中海の伊艦隊が出撃してきた場合、提督使って出撃阻止を一応期待する。それでも決戦になったら…「巡洋艦を優先的に沈める」などという色気は出さず、とにかく少ない損失で勝つことを祈る。ここで消耗戦をやっちゃうと、後々苦しいので。なお、第1ターン終了時に地中海艦隊は大半が英本土に帰還する。地中海海戦の結果にかかわらず。
第2ターンには南北大西洋+北海を押さえる。実はここが気合いの入れ時。独艦隊が出撃してきた場合、「絶対撃破する!」という気合いを入れること。必要ならば体当たりしてでも相手を沈めるよう、各艦に指令を下す。そんなルールはないけどね(苦笑)。相手が出撃してこなかったら?それこそコッチの思うつぼ。第3ターン以降に北海-バレンツ海ラインを押さえ、後はここをガッチリ固めて独艦隊の出撃先を塞ぐ。そしてUボートの動向を注意しつつ、北大西洋-バレンツ海という「コンボイライン」を徹底維持する。そして、コンボイは片っ端からムルマンスクへ送り込む。そして、南大西洋は基本的にカラッポにしてしまう。
こんなことすると、伊巡洋艦が南大西洋を中心に暴れ回ることになる。けど、これはさほど気にせず、折を見て空母中心の艦隊で追い回すに留める。伊艦隊は連合軍より先に移動するため、追いつめるのはさほど難しくない…はず。本当はここに極意があるんだけど、さすがに一口では説明できない。悪しからず。
この戦略のポイントは、艦隊温存主義を取る枢軸プレイヤーを「戦わずして追いつめる」ことにある。相手がビスマルク・テルピッツという巨大艦の完成を待っている間に、出撃先の自由を奪うってのが理想。ま、実際はその前に独艦隊が出撃してきて、撃ち漏らした艦がどうこう…って展開になると思うけど。こうなった場合にまた「極意」があるんだけど、これまた一口じゃ語れない。
実を言うと、今現在Middle-Earth東京支部で主流となっている作戦は、この作戦と似たようなモノが多い。私の作戦はちょっと極端だけどね。「独ポケット戦艦の地中海突入はウザい」って評価があるので、対策として第1ターンだけ強力な地中海艦隊を派遣するのが流行してるのだ。とはいえ、あえてポケット戦艦を地中海に突入させる作戦も成立すると思うけどね。
連合軍側の作戦は以前も紹介したモノの変形だ。大切なのは枢軸側の作戦。とはいえ内容は単純。第1ターンに伊地中海艦隊が全力出撃する。相手がどれだけ艦隊を送り込んでも。それだけ。
連合軍側の作戦で述べたように、提督使われて「やっっぱ出撃やめた」などと勝手に帰還してしまう可能性もある。それは気にしない。出撃しない時と何も変わらないんだから。問題は決戦になったとき。ここで大切なのは、「海戦に勝つ」ことより、「敵艦を1隻でも多く沈める」ことを重視することだ。
この作戦は、はっきり言ってちょっと無謀である。間違ってここで大敗してしまうと、もう取り返しがつかないからだ。ボロ負けが視野に入る。だからリーグ戦じゃ使えなかったのだ。得失点を勘定することがわかっていたので、大敗はなるべく避ける必要がある。しかし、トーナメントなら話は別。僅差だろうと大差だろうと負けは負け。ならば、大敗というデメリットを覚悟の上でバクチを打つ価値が高まる。
こんなハイリスクなバクチを打つ意味はドコにあるか?すぐ後に予想される、独艦隊の決戦を支援するためだ。放置しておくと出撃先を封じられるため、独艦隊は早期出撃を検討することが多い。海域を支配するためではない。フランスか中立国に別働隊を送り込むためだ。これは連合軍にもわかっているので、普通は地中海艦隊の大半を本土に引き上げ、この決戦に備える。そこで、伊艦隊に決戦させて英艦隊の数を削るのが目的である。
こんなことやってしまうと、本来なら安定して稼げるはずだった地中海支配のPOCを連合軍に渡すことになりかねない。それを考えると、ハイリスクローリターンだって意見の方が主流でしょ。ただ、ソコは実を言うとポイントじゃない。真のポイントは、相手の意表を突いた作戦を使うことにより、相手のミスを誘うことである。な、なんてセコい…
VaSはどちらかと言えば単純なゲームだ。おまけに、研究も進みまくっている。多少想定外の作戦を採用されたからって、何とかなる…って考えるのは、よほど深く研究した人間か、人間相手にプレッシャーかかる勝負を経験したことのない奴だけである。技量と無関係の精神的プレッシャーで崩れるなんて、良くある話。作戦的裏付けのない「悪手」ならともかく、「作戦としては成り立つけど、ちょっと無謀」ぐらいなら、見たこと無い作戦の方がイヤってものだ。
こうした考えが成立するってのは、別の世界に好例がある。将棋だ。中原・米長といった大ベテランは、色んなところが衰えてきた関係上、「流行の戦法」じゃ若手に勝てない。忙しくて研究量が不足しがちだし、記憶力勝負でも衰えが見られる(あくまで棋士レベルの話)からね。しかし、だからって若手相手に負けてばかりではない。わざと研究の少ない力戦に持ち込み、相手のミスを誘って勝っている。この業界じゃ若手であるはずの私がそんな手を使う是非はさておき、これもまた立派な「勝負」である。
強いってのは、「実力がある」とイコールではない。力のある存在が、その持てる力を出し切れずに敗れ去るなんて良くある話。本当の強者は実力があり、なおかつその実力を常に発揮できる奴のことだ。これは口で言うのは簡単だけど、その領域に達するのがどれだけ大変なことか。反則やマナー違反でない「揺さぶり」なんて腐るほどあるし、それを効果的に使われて崩れないってのは、私の知る限りごく一部だけである。
有楽斎殿がトーナメント対策として積極的に対人対戦で調整しているってのは、かなり好感の持てるポイントだと思う。プレッシャーのかかる場面で思い出せない作戦なんて、ものの役には立たないからね。この辺を鍛えようと思ったら、対人対戦で得た経験ってのが役に立つ。まあ「戦えば戦うほど有利」って言えるほど世の中甘くはないんだけど、それでも無駄にはならないでしょ。トーナメント出場者は相当な強者揃いだけど、つけいる隙はあるはず。完全燃焼あるのみですよ!ただ…相手はみんな本当に強いけどね(苦笑)。
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