9月30日2006/10/01 02:04

 本日はスプリンターズSを語る。さすがに凱旋門賞には負けそうだけど、これはこれで大事なレースだ。さすがに、「このレースがあるから日本にいた」ってのは負け惜しみだけど。
 
 今年のスプリンターズSは、外国馬が数多くやってきた。日本国内ではそう格上と見られてないGIではあるけど、やはり「グローバルスプリントチャレンジ」に組み込まれているからでしょ。宣伝ってのは大事ってコトだね。「外国馬はよくわからん」と嫌う人もいるけど、私はいいことだと思うな。
 
 シリーズチャンピオンを狙っているのは、豪州のテイクオーバーターゲット。前走日本で2着しており、ここも侮れない。遠征馬はどうしても体調管理が難しいので、「上がり目」は少し期待しにくいんだけど、前走だけ走れば足りそうなのも事実。1番人気になるかもしれないってぐらいだ。
 
 欧州から遠征してきたのが、レザークとベンバウン。「欧州のスプリンターが日本の芝で通用するかぁ?」ってのは問題だったりするんだけど、侮れないことも事実。レザークの実績はかなりのものだし、ベンバウンも香港遠征経験がある分、多少信用度が増す。
 
 しかーし!何と言っても素晴らしいのは、「香港の至宝」サイレントウィットネス様が再来日してくれたことでしょ。勝ち負けがどうこうって問題じゃない。遠征してきた、その心意気が素晴らしいのだ。さすがだね。
 
 精英大師(現地名)様は、去年ここを快勝したまでは良かったけど、その後体調を崩してしまった。他にも色々あったおかげで、あれから結局未勝利。また年齢も年齢(7歳)であり、「衰えはあるのでは…」って意見がある。現地…どころか馬主にさえ、「無理して走らすより、引退させた方がいいかも…」って意見があるくらいだそうな。私も、まさか日本で会えるとは思ってなかったね。
 
 それでも、精英大師様は来日した。色々思惑はあるんだろうけど、嬉しい誤算だね。多分、単純な勝ち負けではないと思う。「引退の花道」ってのも違うと思うな。自らの進退を賭けるレースとして、一番シビれる舞台を選んだのでは。アツいねえ。シビれるねえ。さすが香港馬。
 
 確かに、相手としては最悪の部類である。日本馬は何だかんだ言って強いし、地元の利もある。おまけに豪州と欧州から「最強の称号」を求めて遠征してきた馬がいる。さらに加えて、体調不安の原因となった遠征。避けたいと感じても何の不思議もない。でも、精英大師様は再び日本にやってきた。
 
 香港馬は、たとえ相手がどんなに強くても臆してはいけない。私は原居民様のそんな姿を見続けたので、心底そう思う。私が香港競馬にハマった理由の1つが、そんなアツい魂にあるのは間違いない。そんな原居民様から香港代表を受け継いだだけあって、やはり精英大師様もアツい姿を見せてくれた。嬉しいねえ。
 
 もちろん、「世界一強いスプリンターと呼ばれた馬」ってプライドのことも、忘れてはいけない。世界一を名乗るのなら、自分を負かしてからにしろと。これは挑戦者にとっても嬉しいコトじゃないかな。やはりチャンピオンを倒してこその挑戦者だからねえ。勝ったときの重みが違うでしょ。これを喜ばないようなら、世界一を名乗る資格なんて無い。そんな馬に負けるような精英大師様じゃないと信じる。
 
 そして最後に1つ。精英大師様が「それでも」来日したって姿は、香港の競馬ファンに大きなモノをもたらしてくれると思う。何と言っても精英大師様。来日した奴は多いと思われるし、そうでなくとも現地で馬券売ってる。単純に「遠征した、応援した」だけじゃ済まされないでしょ。今年未勝利。現地でやった、実践形式の調教でも敗北。そして、遠征の不利。「果たして馬券買えるのか…」って苦悩は、去年とは比べものにならないほど大きいはずだ。
 
 しかし、海外競馬ってのは、そういう苦悩と戦ってこそ面白い。それでも精英大師様を信じるのか、それとも別の馬を買うのかは問題じゃない。その答えを出すまでが大事なのだ。そのことは、私がよーく知っている。フジヤマケンザン様の馬券を、震えずに買えたとでも?あれから遠征経験積んだ今でさえ、ハーツクライの馬券買った時は独特の「震え」があった。あの感じを味わいたくて、私は何度も海外へ出掛けるのだ。
 
 海外競馬を知る身としては、「あの感じ」を味わう人が増えて欲しいと思う。国籍を問わず。香港人はもちろん、英国人や豪州人にもこうした苦悩を抱えて来日した奴がいて欲しいもの。海外競馬ファンとしては、凱旋門賞に行けないのは哀しいけど、それでもスプリンターズSをナマで見られるのは素晴らしいことだと思う。これは負け惜しみでも何でもなく。
 
 しかし…せめて香港に行きたかったのは事実だねえ。向こうじゃスプリンターズSも、凱旋門賞も「買える」から。しかも、控除率の関係でオッズは自動的に「オイシイ」はずなんだよな。それだけで遠征するのは何だけど、どーせ向こう行けば他も楽しいし。やはり私は、こんな時に日本にいちゃ駄目だな(笑)。

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