4月21日2008/04/22 00:18

 皐月賞の結果は、ある意味最低最悪だった。 馬券外れたとか、他人のPO馬が勝ったとか、まあ「良くない」理由はいくつも あるんだけど…
 
 今から思えば、「予感」はしてた。何とも名 状し難い、意味不明な不安感があったんだよ。間違いない、この感じは「魔 物」だ。魔物が蠢いている気配がする!そこまで見抜いていたんだけどねえ…
 
 一応、魔物の正体までは把握できた。「アス コットの魔物」である。コレに取り憑かれると、恐ろしいことに「決して使っ てはいけないお金」が、サイフの中から消失してしまうのだ…世界中の競馬場 にいる魔物の中でも、最上位の魔力を誇る存在だ。なにせ、わかっていても、 注意していても駄目なのだ。決して逃れ得ぬ悪夢…ソイツの気配が匂ったの だ。
 
 何故アスコットの魔物が中山に?私は強ばっ た顔で馬柱を見つめた。するとそこには、「魔物の手先」の姿が!橋口厩舎2 頭出し…これは怪しい!コイツらの背後に、アスコットの魔物の気配がする。 「アスコットへおいで」と囁く声が聞こえる…私はこの2頭を馬券に含めるこ とにした。ここでヤラれてアスコットでもヤラれてしまっては、「便せんマニアのユートピア(韓国のこと)」 にたどり着けない。慎重になったつもりだっ た。
 
 だか!ああ、だがしかし!魔物は別方向から 襲ってきたのだ。キャプテントゥーレという姿をして。お前、ここは距離長い んじゃなかったのか。ジャック・ル・マロワ賞だのムーラン・ド・ロンシャン 賞だのに行くんじゃなかったのか。「ここ負けて、次走はNHKマイルかシン ガポール(笑)」じゃなかったのか…
 
 正直に言おう。やっぱりこの馬に2400は長い と思う。よって、キングジョージどころか日本ダービーだって買えるかどうか 怪しい。そんな馬が皐月賞勝ったからって、普通は「アスコット行き」の心配 はしない。けど、それは普通ならの話。「アスコットの魔物に取り憑かれたモ ノ」に、そんな理屈が通用するとは思えない。そして、言うまでもなく、森調 教師はアスコットの魔物にヤラれている…もう駄目だ。
 
 一応、まだ森調教師はアスコット行きを表明 していない。しかし、時間の問題であろう。アスコットの魔物に取り憑かれた 奴に、理性なんて通用するワケがない。そんな甘っちょろい存在じゃないんだ よ、アスコットの魔物は。ダービー惨敗しても「アスコットアスコット…」 と、譫言のように呟き続けるに決まっている。おまけに、馬主(みたいなモ ノ)は吉田照哉。これまたアスコットに取り憑かれた男。ドコに逆らえる要素 があるんでしょ。できれば私に教えて欲しい…
 
 「そんな馬鹿な」と笑い飛ばせる奴は、アス コットの魔物の怖ろしさがわかってないだけだ。アレは本当にスゴいんだよ。 アタマの中でブツッて音がして、気がつくとサイフの中身が本当にカラッポな んだよ!「ルーザーズバーで飲むカネさえ残らない」ほどカネ突っ込んじゃう んだよ!あの強烈極まりない魔力は、マジに何物にも代え難い。恐ろしや恐ろ しや…
 
 つーわけで、今年は予定変更して、またもア スコット行きになりそう。韓国旅行は譲るつ もりはないから、凱旋門賞行きがキャンセル かな。何でこんなことに…正直、キャプテントゥーレだけは勝って欲しくなか った…だって、アスコットで勝てる血統とは思えないんだもの。
 
 しかしだ。私はアスコットへ行ってこの馬の 単勝を買うだろう。これを防ぐためには、ヴィヴァパタカにもアスコットに行 ってもらうか、私が欧州に持っているPO馬の1頭がキングジョージに来るか、 どちらかしかない。まあ、どっちも「期待するだけなら悪くない」って可能性 だけどさ。ただ、いずれの場合でも私のサイフの中から「使っちゃイケナイお 金」が消え去るのは間違いない。その後戻ってくるかどうかは…魔物の思し召 し次第だ。
 
 これは、逆らえないのである。私もまたアス コットの魔物の毒牙にかかった哀れな奴だからして。口ではこう言っていて も、「アスコット」のことを考えるたびに「どんなに負けてもいいから、勝ち たい!」って欲望がフツフツと沸き上がる。「ここで馬券ドーンと当てて、 『獲ったぞ!』と大声で吼えたら、どれだけ気持ちいいか」なんて野望が燃え さかる。それが魔物の罠だとわかっていても、逆らいようのない甘い誘惑が… かくして私は、欧州制覇の夢再びとワーテル ローの戦場に臨む皇帝陛下(ナポレオンのこと)のごとく、ウォータールー駅 (ワーテルロー駅。アスコット行きの列車が出る)に突進するのである。たと え帰りはセントヘレナ島に流されるのと同じ思いをするとわかっていても。
 
 立ち塞がる馬が何になるのかは、まだわから ない。できればモンジュー産駒が良いけど。この「ウェリントン公率いるシン・レッド・ライン」 に匹敵する難敵を撃破してこその、「アスコ ットでの勝利」だからね。もちろん天才もいるだろう。これらに勝つことがど れだけ難しいのか、よーく知っているんだけど、それでも必勝を期してアスコ ットに行ってしまうのだ。これこそがアスコットの怖ろしさ。この気持ちは、 アスコットのスタンドに向かって中指突き立てて、「I shall return!」って 叫んだことがないと、わかんないだろうなあ。もっとも、これをやっちゃうと もれなく「アスコットの魔物」に取り憑かれちゃうんだけど。
 
 実際のトコロはどうだか知らないけど、アス コットの魔物ってのはそれぐらいキョーレツなんだよ。皐月賞の表彰式で、森 調教師の目が怪しく輝いていたように燃えたのは、本当に気のせいなんだろう か。コッチもマジにアタマ抱えているのもかかわらず、早くも「それでも行く のがF男」って気分だからなあ。まさに「SANチェック失敗」(某ホラーゲ ームで要求されるチェック。失敗すると正気を失う)状態。まいったね。
 
 最後に、私の競馬関連の知り合いに告ぐ。皆 さん、全力で「キャプテントゥーレがアスコットに行かないように」祈って下 さい。マジに。無駄だろうけど。そうしないと、「凱旋門賞土産として、おチ ョコ様」が、「アスコット土産として、謎のカップ麺」に化けます(笑)。