5月24日2007/05/25 02:20

 ダービーの枠順が発表になった。うわあ、ヴィクトリーがまた8枠17番かよ…皐月賞と同じ枠順じゃん。これは、どう考えても怪しいサインなんですけど。私だけがこの情報でシビれているのは納得がいかないので、競馬わからない人にも説明しちゃる。
 
 その昔々…ってほど古い話じゃないけど、サニーブライアンって馬がいた。皐月賞で大激走ぶっこいて、人気無いのに勝利した馬だ。この時の枠順は8枠18番。そんでもって、ダービーの時も8枠18番。ちなみに、この年のダービー馬である。
 
 単にこれだけなら、「縁起が良いねえ」で終わりかも知れない。サニーブライアンの父は、ヴィクトリーと同じブライアンズタイム。両方とも「人気無いのに皐月賞を逃げて勝った馬」である。ね、なんか騙されそうになるでしょ(笑)。
 
 さらに言うなら、「ダービーを逃げ切りたければ、外枠が良い」って話がある。サニーブライアンの鞍上は、大外枠引いてガッツポーズしたって伝説があるからねえ。普通外枠は(コーナーとの関係で)前に行く馬には厳しいんだけど、府中2400は最初のコーナーが遠い関係上、それはさほど問題にならない。それよりは包まれない(逃げ馬は大抵性格に難があり、周囲に馬がいるのをいやがる)ことが大きいってことだね。
 
 ここまで揃った以上、歴史は繰り返すのか…うーん、どうだろ。一番の違いは、やはり鞍上ではないかと。サニーブライアンの鞍上は大西だったけど、ヴィクトリーの鞍上は勝春だからねえ(笑)。でも、この差は無視できないと思うんだよな。真面目な話。
 
 いや、別に大西の方が勝春より上手いなどと言うつもりは…言いたいけど(苦笑)。そゆーことではなく、「覚悟」が違うと思うんだな。あの時の大西にあって勝春にないものはこれでしょ。そして、これは勝負を分ける重要な要素になりかねないんだよね。
 
 サニーブライアンで皐月賞を勝つ前、大西のケツには火がついていた。それまでもビミョーな位置にいたジョッキーだったけど、あの年は特にそんな感じが漂っていた。下手するとこのままフェードアウト、そうでなくとも近いうちに…って状態だったのは間違いない。単なる1ファンの我々がそう思っていたくらいだ。本人もソレは意識してたはず。
 
 そんなジョッキーだけに、ダービーの時は鬼気迫るものがあった。「1番人気はいらない、1着が欲しい」と発言するわ、大外枠引いてガッツポーズするわ…以前から「とにかくシャイ」ってことを知ってた私から見れば、「誰だお前」ってなぐらい。ダービー後には元に戻っていたことを考えると、相当気合い入っていたんだろうな。
 
 単に気合い入っているだけなら、役に立つとは限らない。この年のダービーでは、そこまで気合いを入れる意味があったんだよ。それはサイレンススズカの存在だ。後に「史上最強馬」の1頭として扱われることもある、シャレにならん同型馬がいたんだよ。
 
 サニーブライアンは、はっきり言って「とにかく逃げなきゃ駄目」な馬だった。自分のペースで走れないと、ロクなことにならない。皐月賞馬だってのにさほど人気にならなかったのは、これが全てである。逃げれば目標にされる上、凶悪な同型馬がいるので逃げられるとも限らない…これじゃ買いにくいのは当然である。
 
 そこで大西は、「絶対逃げる、とにかく前に行く、4角先頭になる、ついでに1着でゴールする」と公言しまくった。サイレンススズカの鞍上だった上村(当時)に、「先に行くなら、一緒に最下位争いだ」ってなプレッシャーをかけたんだな。この作戦が当たったのかどうかはともかく、サイレンススズカはハナに立てず自滅したのは確かだ。
 
 この後の大西については、語ると長いのでパス(笑)。さて、これに対して勝春。ケツに火はついてますか?ついてません。一応それなりのジョッキーってコトになってるので、引退の危機は迎えてないし。気合い入ってますか?一般的な程度には。ダービーだもの、気合い入ってなかったらタダのバカだ。けど、あの時の大西と比べたら、ねえ…とりあえず中間の報道を見る限り、「いつもの姿」とまるで変わってないようですが。
 
 最大の違いとして、ヴィクトリーには「逃げなくても何とかなるかな」って思惑があることかな。いやまあ、確かにそういう馬ではあるんだけど。これは普通に考えれば利点だけど、ことダービーに関しては…「逃げなくても大丈夫かな」って気の緩み、「逃げなくても何とかなるよね」って逃げの気持ちが出ちゃう気がする。「気持ち逃がさずに馬を逃がせろ!」と言いたいね私は。
 
 ダービーの逃げ切りはあまり例がないんだけど、私が思うに「逃げるしかないんだぁ!」って気合い入れた方が好成績のような。サニーブライアンだけじゃなく、ミホノブルボンもそんな馬だったしね。アイネスフウジンも華麗だった記憶が。中途半端に小賢しいこと考えるのは、結局ダメな気がして仕方ない。
 
 そしてだなあ。勝春ってのは、どっちかと言えば小賢しいこと考えて自滅するタイプなんだよね…だからこそGⅠ連敗記録を達成しちゃったと思っているんですが。とにかく大舞台であればあるほど、勝ち目があればあるほど「信用できない」部分が大きくなるような。正直言って、何度殺したくなったか数える気もしない。
 
 強いて言うなら、師匠筋の岡部から「皐月と同じ結果にはならないんじゃない?」って駄目出しされてるのが頼もしいかな。性格的に「いける、勝てる」って言われたらズッコけそうだからねえ。岡部がソコまで考えて高度な援護射撃したのか、それとも単に「とにかく駄目出しから入る」という、いつもの辛口ぶりを発揮しただけなのかはわからんけど。
 
 他の馬にも触れておこう。アドマイヤオーラの鞍上岩田は、タスカータソルテを「捨てた」という小賢しさがどう出るか。伝え聞く岩田の性格からは「一応プラスでは」と思うけど…逆にタスカータソルテの武豊はマイナスでしょ。この馬に乗ってること自体がイモ引いてる証拠だから。本当はオースミダイドウに乗りたかったんだろうなあ…あと、プラテアードがミョーに気になる。ゴールデンダリアに2連敗してる時点で駄目じゃん!となるわけだけど、あの藤澤厩舎が「かなり強引な使い方でダービーに間に合わせた」ってのは…すでにフライングアップルが出走するのに。馬優先主義はどこいった。
 
 さて、これを受けて私の予想は…フサイチホウオー(笑)。いやわかりきったことではあるんだけど、さすがに逆らえないよ。世の中なんてそんなものでしょ。つーわけで、本日のネタは最終結論以外は忘れてかまいません。そんなことを語るのがここの趣旨なんだし。ただまあ、「ヒモは何だ」って悩んでる人は…これもウオッカが突っ込んで来るんじゃねえだろうなあ…ブツブツ…