5月15日2007/05/16 01:52

 珍しく火曜更新。ちょっとばかし「プロローグ」を語っておこうと思ったので。つーわけで、本日の話は必ず後日に続きます。いつになるのか知らないけど(笑)。
 
 世の中にはペーパーオーナーゲームって言うものがあって…って原則論はすっ飛ばします。興味があったら自分で調べてください。何についての話題かは、色でわかるんだし。そのPOGの資料が、この2日間に大量に出た。詳細な検討はまだだけど。本日はその前に、「今現在自分がやろうとしてること」を語っておこう。
 
 私が思うに、POG関連資料というのはそれ自体が「面白い図式」のモノだと思う。「IT時代の今、旧来型メディアはどこへ向かうのか?」ってなことを考える際、結構参考になりそうなのだ。よって、本日は「何故そう考えるのか」を語り、後日分析結果をお届けしようかと。アホバカな企画だが、そーゆーのをやるのがここの価値だ。
 
 まずは私なりの、POG情報の性質分析を。POG情報ってのは、大きく3つに分類可能だと思う。まず、「クラシカルな」もの。POGって概念が一般向けに登場した頃からある情報である。平たく言えば血統情報だね。父が何で母が何…ってものだ。
 
 この情報は、今も必要不可欠である。せめて父と母がわからなければ、馬の存在自体がわからん。しかし、その価値は多いに薄れた。その昔はこの情報が「ほとんど全て」だったのに対し、他の情報が充実して重視されるようになってきたからね。今も私は「父名と母名だけで馬を選ぶのが本当のPOG」って意識が残っていたりする。だから勝てないんだけど。ま、昔からある基本的な情報なので「クラシカル」と名付けてみた。
 
 これに対するのが、「モダンな」情報である。豊富な馬体写真、入厩したかどうか、調教時計なんかが代表だね。こういう情報は昔々から「重要だろうな」と思われていたけど、簡単に入手できるモノじゃなかった。POGで遊ぶ奴が限られていたので、そんな連中のために専用の取材なんてやってられないから。けど、今ではそれなりにポピュラーな遊びになったので、こういう情報が充実してきた。豊富に出回りだしたのは比較的新しいので、「モダン」としてみたんですけど。
 
 命名は「世間に出回った順番」を活用したけど、具体的に「何がクラシカルで何がモダンか」を分ける基準は別のトコロに置きたい。それは、「静的か動的か」だ。クラシカルな情報は、静的である。一度決まるとまず動かない。血統は産まれた時…どころか、受胎確認した段階で決まる。後は不幸にして死亡した馬を取り除くだけ。馬主とか馬名もここに含めて良いかもしれない。
 
 これに対し、モダンな情報は動的である。2歳馬なんて成長期だから、馬体なんて下手すりゃ日ごとに変化する。調教もこれに同じ。ましてや入厩情報だの、「レース前調教」に至っては。管理調教師は本来「静的な」情報だけど、世間へ発表されるのは「POGドラフト時期前後」だったりするので、「最新情報が欲しくなる」って意味でモダンなモノの1つと見なして良いかも。
 
 こうしたモダンな情報の「上」に来るのが、ポストモダン。本質的にはモダンな情報の一種だけど、供給手段が紙媒体ではなくネット情報。取り柄は言うまでもなく即応性。モダンな情報ってのは動的なので、即応性が高い情報ほど価値が高い。よって、ここを追求したネット情報を特別扱いする意義は大きいと思う。
 
 POGで勝ち組に入りたければ、ポストモダンな情報は欠かせない。それだけで勝てるほど甘くはない(考えることはみんな一緒だから)けど、勝ち組の中でネット情報無視してる奴はいないんじゃないかな。そう考えると、実はかなーりカゲキなまでにネットがもてはやされている分野ではないかと。だから、「ネット社会のこれから」ってことを考える場合、モデルケースの1つになるんでないかな。
 
 とはいえ、POGマニアが「ネット社会の最先端を突っ走りまくっている」わけではない。当たり前だ。だから、「ネット社会の最先端はドコへ向かうのか」が知りたいのなら、このジャンルを分析しても無価値だろう。注目が必要なのはそこじゃない。ネット依存度が高くなった社会で、旧来型メディアである「本や雑誌」がどう扱われるのか…ここに注目してみると面白いと思うんだな。
 
 私はネットも利用してるけど、本質的には旧来型メディア大好き人間だ。手元に形として残るものが好きなのよ。それだけに、「ネット時代で本や雑誌がどうなるか」は興味深い。そこで、ネット依存度が高いこのジャンルの情報がどうなるのか、ちゃんと分析してみようかと。詳細に。時間をかけて。私の指名馬を決めるより(笑)。
 
 現時点での結論を言えば、「それでも従来型メディアは重要である」となる。理由は単純。ネット情報はインフラ設備に問題を抱えているから。現状では、ネット上で詳細で綺麗な写真だの動画を扱うのは大変だ。それには送信側・受信側にそれなりの設備が必要になるからね。さらに言うなら、「じっくり読ます文章」を扱うことさえ得意ではない。私の怪しげな推測によると、携帯電話の狭い画面でオーバーフローを起こすような情報は、「ネットでなくて紙媒体でやれ」と思われるんじゃないかと。
 
 そこで登場するのが、「現代的な」POG本である。豊富な馬体写真&詳細なコラムは今でも価値が高く、しかもネットでは扱いにくい。DVDを付録にすれば動画さえ扱える。即応性で劣るのは事実だけど、他の部分で価値を見出すことができるのでは。つーことは、一般社会もそういう方向に進む「気がする」わけで、旧来型メディア関係者は枕を高くして眠れる…で片付けるわけにはいきませんね。残念ながら。
 
 ネット異存の高いこのジャンルでも、旧来型メディアの価値は高い。それは認める。しかしだ。この手の資料を毎年欠かさず入手してきた私がにらんだところ、「なんかどの資料も扱うネタが似てきた…」って気がして仕方ない。こう感じているのは、多分私だけではないと思う。
 
 ある意味、これは当然である。結局扱うネタは同じなんだし、誰だって考えることは結局似てるんだから。ただ、それだけで片付けて良いのかどうかは別。「似たようなモノしか出せない」んであれば、まだいい。「同じモノしか出せない」のは大問題ではないかね?なにしろ、冊数だけならそれなりの数(今年はとりあえず4冊)が出ているのだ。ソレが全部「同じだ同じ」となったら、「4冊出てる意味はドコに!」って問いかける必要があると思うぞ。
 
 そこで必要になるのは、まず「本当にどの本も似ているのか」を比較すること。できれば数値で表してみたいね。結局同じネタを扱ってる本なのだから、似てるのはある意味当然である。それゆえに、「似てるのは当然の範囲に留まるのか、そうでないのか」を詳しく調べる価値があるはず。
 
 次のステップは、その結果を受けて仮説を立て、それを探求すること。「似てるのは当然の範囲に過ぎない」のなら、「じゃあ何ですごーく似てる気がするのか、具体的にはどの辺が違いなのか」を調べる価値がある。「当然とは言えない」って状態なら、もちろん「何でそうなるのか」を分析しないと。この辺すでにいくつか仮説は立ててあるんだけど、それは続編のお楽しみとしておきましょ。
 
 ここで出た研究結果がいかなるものであれ、他のジャンルに応用可能かどうかはわからない。当たり前だけど。ただ、いずれにせよ「笑える」というか「読ませる」結論は引き出したいかなと。どうせ私の予言なんて当たるはずがないし、信じる奴もいない。
 
 というわけで、気楽かつお手軽に結論出して、近日中にお届けします。無責任だって?いいじゃん、これぐらい。だいたいだなあ、「POG本を分析して、これからのメディアがバッチリわかる!」なんてことが当たるくらいなら、NHKマイルCだのヴィクトリアマイルだのの馬券取れるはずだってーの。あんなの買えるか…