5月7日2007/05/08 01:55

 NHKマイルC、三連単900万円台ですかあ。これは色々と語るしかないでしょ!…と言いたいんだけど、諸般の事情によりこれは後回し。ここでバックれて何も語らなかったら、このブログが炎上してしまう(笑)。つーわけで、本日の話題は2日間かけてプレイした「ディプロマシー」について。記憶だけに頼って書いてるので、不正確な部分があってもお許し下さい。詳細発表は記録用紙を持ち帰った組織の手でやっていただけると嬉しいかな。
 
 「ディプロマシー」は恐ろしいゲームである。基本は単純なので誰でもプレイ可能だけど、内情を知る人間は「気楽にできるモノじゃない」と逃げ回る。各国3~4個ある軍隊を使って移動・支援・輸送・維持(何もしない)のいずれかをやるだけ。「勝ち負け」は純粋に数の多さで決まる。大雑把に語ればこれだけのルールに過ぎない。けど…全てがお互いの思惑だけで「決まる」ので、誰と手を組むか、信用するか裏切るか…で全てが決まってしまう。人間関係破壊しまくり、「サークル潰し」の異名を取った時代もある。
 
 本来なら、プレイ前に「毒マンジュウ」ばらまきまくるのが私のプレイスタイル。「毒マンジュウ」とは、「あの人は信用しちゃ駄目」とか、「きっとあの人が勝つ」とか、一般的ではあるけどプレイに影響しそうな情報のこと。これ自体は役に立たない(具体性がさほどないから)けど、色々余計なことを考え出すと効いてくることがある。実のところ、こういう情報をバラまくこと自体が自分に対する毒マンジュウ(信用されない可能性が高まる)ではあるんだけど、自分含めた周囲全てが毒マンジュウでシビれてる方がプレイしやすいので。ただ…「今回は不発だった」とだけしておく。
 
 プレイ当日。まずは担当国決定。このゲームに登場するのは7カ国。ズバリ、有利なのは土(トルコのこと)・仏・英・露。不利なのは独・墺・伊。理由は簡単。「盤端にいる」国とそうでない国。周辺他国なんて自動的にまるで信用できないので、「誰も来ないとわかってる領域」があるかないかは大きいんだよな。私はまず英国を入札してみたけど、運悪く?ここは競合あり。そこで…あえて独を選んでみた。正直勝ち目の薄い国だけど、勝つにしても負けるにしても楽しめる国である。ただまあ、多少自虐的すぎたかも(笑)。
 
 誰がドコを担当するか見渡して、私が考えたのは「西進策」である。東に進むのも悪くないけど、これは英・仏・露の三国で「独を仲良く分割」なるプランをまとめられやすい。それよりかは英仏を不仲とし、そこに付け入る策が勝ると決めた。ま、この案自体は良くある話である。成功率は低いけど、独の作戦なんてどれも「そんなレベル」だし。
 
 この計画に従って、まずはキョーレツな動きを見せてみる。本来なら独・仏・英のにらみ合いになるベルギーを、英国に「譲った」のだ。これにより、一気に英仏の仲が険悪になる。これは計算通り。後はこれを活用して…と思っていた。
 
 しかし、ここで巨大な計算違いが。せっかくベルギー奪取を手伝ったのに、英国が思ったより我が国に感謝してくれない。どう考えても我が国の生命線の1つである「デンマーク占領」を認めてくれないのだ。「中立にしましょう」と譲らない。最後は恫喝してまで占領したけど、なんか固執している。気持ちはわかるけど、これでは英国を信用できないではないか…そこで疑心暗鬼に陥り、つい海軍増強を優先してしまった。ま、これ自体は悪くない(英本土上陸の目はあったことだし)けどね。
 
 ただまあ、英本土上陸には色々と体制が整わない。まずは英と協調姿勢を見せつつ、隙を見て…と思っていたんだけど、どうも話がかみ合わない。あまりに話がかみ合わないので、土壇場で仏の味方をしようとしてプロットミスする有様。あの執着は今から思うと、露と独分割プランでも成立してたのかも。ただ、まだ時間はある…と甘く考えていた。
 
 この見通しが崩壊したのは、南方の動きである。有利であるはずの土が、早期に崩壊していたのだ。何故そうなったのか、私はほとんど関与してないので語れない。ただ、「南で大きな動きがあった」のは事実。にもかかわらず、私は南のことはすっかり忘れていた。というより、考えている余裕がなかった。これが痛恨の一撃。墺に余裕ができると、すぐ北の我が国は確かに邪魔だ。そのため、サクっとミュンヘン(我が領土)を奪われる。あああ、何てことを。我が勝利はコレで消え去った…
 
 にもかかわらず、我が国は防衛体制が整ってない。攻撃しか考えてないからね。うわ、こりゃあ一気に滅亡か…と青くなって集中力を欠いた関係上、露にベルリンまで占領される。どこをどう考えても滅亡の危機だ。
 
 しかし、英国はもっとヒドかった。ベルギーだのデンマークだのに軍隊を派遣してる隙に、仏に英本土上陸されたのだ!こうなりゃあ和睦なんて成立するわけがない。いくら海外植民地があっても、本国占領されたらゲーム脱落だ。結果的にはそうなった。正直、我が国と共倒れになったと思う。
 
 英本土に火がついた時点で傍観者である某氏から「こうなったら、英独協調して盛り返すしかないのでは」というアドバイスをもらったけど、それは無理だったと思う。理由は単純。生き残っている英国の軍隊は、独の周辺にしかいない。生き延びようと思ったら、これらを英本土に引き上げるしかない。しかし、そうすりゃその土地はがら空きになる。そこを守るとすれば、我が国が担当するしかない。けど、そうすりゃあ英国は干上がってしまう。こっちとしても英国が弱るのは不本意なんだけど、そういうルールなんだから仕方ない。我が国からそんなこと提案したって、まず飲めないのでは?このアドバイスを送る相手は英国ではなかったかと。飲んだかどうかはともかく。
 
 さて、ここでやっと1日終了。我が国はとりあえず生き延びた。けど、それだけ。2日目序盤に消え去るだろうなと覚悟はしていた。ま、残り軍隊2つじゃそう考えるのが普通だよな。後は義務的な動きをして終わりだろう…と覚悟していた。
 
 2日目。義務的な動きをしにきただけのつもりだったけど、世界情勢が少しだけ変わる。南方で墺の脅威を感じた露が、北での動きを止めて我が国を温存するような作戦に変更したのだ。へー、なるほどねえ。ならば我が国がやることは1つ。
 
 我が国がやることは、旧領奪回…ではない。それはもちろん狙うけど、それを許すほど他国は甘くはないでしょ。ここでの狙いは「いかに華麗に死ぬか」である。この時点で我が国に隣接してる、仏・墺・露のいずれかを「道連れ」にして滅ぶのが理想かな。勝ち目はどこにもないので、とりあえずゲームを楽しむことを優先した。そうすりゃあ、何か光が見えてくるかも知れないし。
 
 とはいえ、当面の目標は「単なる生存」である。哀しいけれど、これが戦争なのよね。仏も我が国を滅ぼす力はあるけど、やはり脅威はより強大国である露。そもそも我が国生存を言い出したのはこの国なので、思い切って強く出ることにした。「そちらの海軍がスエーデンより西に来たら、我が国は貴国を攻撃する!」と宣言したのだ。これは実は単に生存のためだけでなく、アホウな意図が込められていたりする。ま、そいつは後のお楽しみで。正直、守るとは思わなかった。守ってくれたけど。
 
 これでしばらくゲームが膠着するか…と思ったら、脅威の出来事が!何と、我が国よりはずっと優勢だったはずの伊が、墺の侵攻により本国全占領でゲームから脱落!多少移動ミスがあったかも知れないけど、まさかまさかの大事件である。我が国が生き延びて伊が脱落するとは、誰も予想してなかったでしょ。いやあ、長生きはするモンだ(苦笑)。
 
 これにより得をしたのは、伊に国土の一部を占領されていた仏である。正直苦しい位置にいたはずなのに、大国の仲間入りを果たした。我が国は相変わらずゴミなので、事実上の三つ巴である。さてどうなるか…と言いたいところだけど、ここで「ゲームを終わらせては」という提案がなされ、1908年(第16ターン)でゲーム終了。情勢は次の通り。露の生産都市が11。墺が10。仏が9。そして我が国が…3。これでも1つ盛り返したんだけどなあ(苦笑)。
 
 実のところ、私としてはあまり納得してない。ちょろちょろと動いていたのは事実だけど、「華麗に散る」ことができてない。せめてあと1年やって欲しかった。何故か?ゲーム終了時点で、私の国の軍隊は3つ。1つはキール(占領されたらゲームが終わる)、もう1つは要衝の北海、最後の1つは墺・露激突の地に近いシレジア。世界情勢を引っかき回す、とてーも重要な位置である。ある意味、そういう位置を占めるのをずーっと狙っていたのだ!ここで重要な動きを見せ、その「代償」として滅亡するつもりだったのだから。やっと「散り場所」を見つけたと思ったのに…
 
 実のところ、露は多少アタマを抱えていたんではないかと。あの局面でもし我が国が「昔年の恨みを晴らす」などという理由(言われても仕方ないはずだ)で露に敵対的な行動を取ったとしよう。膠着していた墺との戦線に亀裂が入るのは確実だし、海軍の展開で後れを取っている関係上、対仏戦でも後れを取りかねない。どんな顔で何を言いに来るのか、楽しみだったのになあ。
 
 とはいえ、それまでの関係を考えれば普通に露の味方をしたと思われる。一応「仏・墺VS露・独」って雰囲気の図式だったし。この場合でも我が国の存在感は小さくなかったはず。膠着していたバルカン戦線(墺・露激突の地)で墺が引くことになりかねなかったし、仏は北海経由の英本土(全部仏領)侵攻に怯えることになる。
 
 先ほどぼかした「露海軍の西進を認めない」と宣言した、もう1つの理由はここにある。私の軍隊が重要な位置をちょろちょろ蠢動することにより、「滅ぼすより味方に付けた方が…」と思わせ続けたかったのだ。そのためには、常に自分が最前線近くにいなくてはならない。デカい味方に先に立たれると、「協力してくれなくても大丈夫」と思われ、消されちゃうからね。ダメモトで常に動き続け、色んな意味で敵味方を悩ませ、小さいながらも存在感をアピールしなくては。だって、その方がコッチも面白いし(笑)。
 
 我ながら多いに不本意ではあるんだけど、実は私は「小さいけど存在感のある国」ってのが嫌いじゃないし、プレイしていて下手ではないらしい(苦笑)。「楽しいけど、絶対勝てない」から、意味ないんだけどね。今回は独と決まった段階から「華麗に散ってやる」って覚悟を持ってプレイしていたつもりだけど、どちらかと言えば勝ちが完全に消え去った2日目の方が「肝が据わった」分、楽しくプレイできたかも。
 
 最後に反省点。山ほど(苦笑)。ま、愚痴はさておくと、「派手な裏切りを結局やってない」のは問題かな。単にその前に計画が根底から瓦解しただけって話はあるけど。一応英と仏は私に「裏切られた」と思っているかも知れないけどね。ただ、英とは直前に話し合いが不調に終わってることはわかっていたはずだし、仏には「ベルギーは私のモノじゃない」と宣言はしたけど、仏にあげるとは一言も言ってない。終盤のミュンヘン突入だって土壇場にちゃんと「ミュンヘン奪回したいなあ」と周囲に公言したんだから、それを露が支援したからって裏切り扱いされてもねえ。あれは露が勝手に支援しただけでしょ(笑)。
 
 私は正直マルチは苦手(勝ったためしがない)なんだけど、プレイしていて楽しいのは事実。まあ「下手の横好き」なのは全てにおいてだから、コレでいいんだと思う。「いずれ強くなってやる」って野望は永遠に捨てるつもりはないんだし。また機会があったらやりたいな。ただ…次はもう少し有利な国で(苦笑)。