12月3日 ― 2009/12/04 01:12
Google日本語入力、私も試しにインストールしてみました。結果は見事なまでに不合格。ローマ字カスタマイズ機能のないIMEじゃあね。私には昔懐かしPC88時代に身につけたクセがあるので、これができなきゃ使う気がしない。あくまで私にとっては、現時点では完全な役立たずです。
本日の話題は、あえて藪をつつくような話をしてみようかと。お世話になっているサイト「しゅみのしみゅれーしょんげーむ」に、「何故NATO兵科マークが嫌いなのか」を掲載してもらうため、まずは擁護派の私の方から書いてみようと思って。ただまあ、擁護になっているのかどうかは疑問だったりするけど。
NATO兵科マークとは?軍事組織である北大西洋条約機構(略称はNATO)において、ある部隊が「どーゆー部隊なのよ?」ってのを示すための記号である。歩兵・装甲(機甲・戦車って呼ぶことも多い)・騎兵(今じゃ馬に乗ってないけど)などの記号があり、ウォーシミュレーションゲームではよく使われている。
一部ではこよなく嫌われているこの記号、嫌う気持ちはわかる。長方形にナナメのバッテンで「歩兵」なんだけど、これのドコが歩兵なのか、わからん奴にはサッパリわからん。一応は昔々の「歩兵の制服」から来た記号って話だけど、私も昔は「何でコレが歩兵なんだろ?」とは考えた。
とはいえ、慣れればアレが歩兵だってのはすぐわかる。私も慣れた。その結果、逆にイラスト使ったユニットが嫌いになった。いやね、全く許せないワケではない。戦術級ではソレが正解だとさえ思う。けど、作戦級ではなるべく使って欲しくない。戦車・装甲だけがイラストならまだ我慢できても、戦車も歩兵もイラストってのは、ちょっとイヤだ。
コレには理由がある。作戦級のゲームをやっていると、様々な理由から「ちょっと引いた位置から全体を見渡す」って作業をしたくなる時がある。こうすると、余計な場所で遊んでいるユニットが見つかったり、敵の攻勢予備が投入されそうな位置が特定できたりするわけだ。この作業の際、イラストのユニットは「細部が良くわからない」ので、見ていてかえってイライラしてくるのだ。
「歩兵のイラスト」と「戦車のイラスト」はかなり違うので、引いた位置から見たところで見間違えないとは思う。けど、問題は「見間違えるかどうか」じゃない。イラストは細部まで描いてあるので、無意識のうちに目が細部まで確認しようとするのだ。これが結構目の負担になる。私の場合、それが「イライラしてくる」って形になるんだな。ごく一部の人間にわかるように説明すると、「凄く汚れたメガネをかけている」のと同じような感覚になるのだ。
「戦車だけイラスト」だってのなら、「ゴチャゴチャしてるモノ=戦車」だから、まだいい。歩兵も戦車も…ってゲームだと、無意識のうちに目が細部を確認しようとする。これは、おそらく人間の本能に根ざした行動だと思う。それゆえ、多少慣れたからってやはり「つい細部を目で追う」だろうし、その結果として私がある種のイライラを感じるのは間違いない。
不思議なことに、同じゴチャゴチャしていても、「兵科記号をゴテゴテ飾ったモノ」は、思ったより目の負担にならない。私がプレイした「Napoleon at Leipzig」はそーゆーユニットだらけのゲームだけど、気にならなかった。これは、アタマのどこかで「細部なんてどーでもいいんだ」って処理されていたからだと思う。行書・草書を見るようなモノじゃないかな。
私が思うに、NATO兵科マークってのは「表意文字の一種」である。アレをイラストのような意味で捉えると「覚える必要がある」「ドコが歩兵だ」なんて言いたくなると思うけど、それは西洋人が漢字に対して「何でこんなに文字の種類があるんだ」「どいつもこいつもゴチャゴチャしやがって」と感じるのと同じではなかろーか。NATO語?で「歩兵」ってのはあーゆー文字だと定められていて、それを母国語と同レベルで習得したか、そうでないかの差があるだけだと思う。作戦級メインの人間なら母国語レベルでもおかしくないし、そうでないゲーマーも結構いるとは思う。
ゲーマーたるもの、NATO語を母国語レベルまで習得するべきか?多分その必要はない。昔はともかく、最近は印刷技術が発達し、イラストのユニットが増えてきた。こちらを好むゲーマーは、作戦級愛好者でも結構いる。流石に「いずれ廃れる」とは思わないけど、重要度は昔ほどじゃない。そもそも、ほとんどのゲーマーはアレを会得しようと意識したわけではなく、作戦級ゲームに慣れ親しんでいるうちに勝手に馴染んでいっただけだろう。戦術級主体にプレイする人間が「馴染めない」と発言するのは、むしろ自然であると思うな。なお、NATO語は事実上「作戦級シミュレーションゲーム語」なので、馴染む必要はなくても覚えた方が良いのは否定しない。
ちなみに戦術級がユニットイラストにこだわるのは、作戦級よりも「細部の違いが重要」だからだ。作戦級の場合、とりあえず歩兵か装甲かが識別できれば用は足りる…って場合が多いけど、戦術級の場合は「細部までじっくり見て、相手の性能をキチンと把握」しないと役に立たないコトが多いからなあ。ついでに言えば、作戦級ほどは「引いた位置から見る」メリットはない(あくまで比較問題)と思うし。
とりあえず私の場合、ナポレオン以前(日本の戦国時代含む)のゲームにまでNATO兵科マークを要求はしない。アレはアレで目がくらくらするんだけど、まだ我慢できる。ただ、NATO兵科マークを使っても違和感のないテーマのゲームで使わないのは、「わざわざ不便な方を使いやがって」とは思う。私はド乱視(メガネいらない奴が私のメガネかけたら、間違いなくモノが二重に見えるレベル)なので、さしたる理由もナシに「目に優しくない」ユニットは許容したくないのだ。まあ、あくまで「好みの差」の範疇での話だけど。
文字には文字の、イラストにはイラストの良さがある。シミュレーションゲームのユニットの「表記方法」として、文字とイラストどちらが優秀か…ってのは、ある程度「考え方による」と思う。一般に文字の方がシンプルだから、ごちゃごちゃ~っとたくさん並んでいる場合は文字の方が見やすい。逆に密度が低ければ、シンプルすぎて面白味に欠ける文字よりも、イラストの方が勝るというのが一般論かな。あえて私がどちらを好むのかって話をするなら、このブログがどんな有様なのかを見れば、明らかでしょ。
私は「目に優しいから」という理由で、NATO兵科マークを好む。別の方は、別の理由でイラストの方を好む。ま、ユニットの表記方法に関する限り、優劣と言うよりは好みの問題だとは思う。ただまあ、イラスト派の人間に「なんであんなに目に厳しいモノを好むのか」聞いてみたいとは思うかな。何言われたって「目に優しいのはどちらか」は言うまでもない以上、私が考えを変える可能性はゼロだ。ただ、「イラスト推進派は何を重視しているのか」をより深く知ることは、無駄じゃないはずだ。
最後に、あえて今まで触れずにいた話題に言及しよう。いくら「より目に優しいぞ!」と言われても、私が「ドイツ参謀本部式ユニット表記」(AH「LONGEST DAY」で使われた奴。最近ではVPG「BULGE20」の独軍側だけコレだった)を支持するとは思えないんですが…
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