12月12日2009/12/13 02:13

 おお、コーツィーが来てるじゃないか。コレは有り難いね。スミヨンもコッチか。おまけに天才まで。やっぱり天才はいいよなあ…とはいえ、魔神もいるけどな。ファロンのボケは何しに来たんだか…という話については、また後日。
 
 色々悩んだけど、とりあえずは「感想ぐらいなら、多少勝手に書いても問題は無かろう」と判断した。つーわけで、コミケ絡みで病んだ心をさらに病ませてくれた、フリーゲーム「zero-answers」通称「ゼロアン」について、書いてしまおう。作者の承諾とってないけど(苦笑)。
 
 正直「宣伝」と取られるとイヤなので、ダウンロード先は間接的に示す。ここに詳しい紹介と作者のサイトが示されているので、興味がある方はどーぞ。
 
 何故私はこのゲームを知ったのか?実のところ、同じ作者の前作が「そこそこ良かった」から。何気なく作者のサイトに行ったら新作が公開されていたので、軽い気持ちでダウンロードしてみたのだ。その結果、結構ハマった。
 
 ゼロアンは、「戦闘メインのRPG」である。ストーリーもあってそれなりに重要ではあるけれど、基本は「ひたすら戦っていくと、勝手に話が進む」ようなもの。その戦闘も、基本的には「ターンバトル」であり、ややこしいワケではない。「そーゆー単純なモノはつまらん」って声が聞こえてきそうなシロモノではあるかな。おまけに、「スロットが重要」だと紹介されていて、「目押しできないからオレには向かない」と思う奴もいると思う。
 
 正直言おう。上記感想は、私が当初考えたモノだったりする。ソコソコ軽く楽しめればいいや…ぐらいに考えていたのだ。私も目押しなんてできないので、「全く合わない」かもしれないとまで考えていた。けど、実際やってみたら、期待以上にハマってしまった。一応、なんでソコまでハマったのかを紹介しよう。
 
 まずこのゲーム、いわゆる「ターン制のコマンド式バトル」なんだけど、最大の特徴として「フルオート」なのだ。つまり、キャラは事前に設定した行動しかしてくれない。おまけに、原則として通常攻撃でもMPを消費する。MPが切れると完全な木偶だ。
 
 この手のRPGにありがちなことに、「回復呪文」だの「特別な攻撃」(魔法攻撃)だのもチャンとある。ただしフルオートなので、「用もないの時にも使い続ける」か、「どんなピンチでも使わない」かの二択。しかも戦闘にはターン制限があり、これまでに相手を倒しきれないと「敗北」扱い。このため、「どーゆーワザをセットして戦闘に挑むのか」をひたすら考えなければならない。ワザを節約しすぎれば時間オーバー、使いすぎればMP切れに泣かされる。
 
 しかもだ。戦闘に参加するキャラは、原則8人からランダムに選ばれた3人。どいつもこいつも特徴的で、いちいちワザの性質が異なる。特徴を理解するのは当然として、MPやらHPやらの減り具合を確認しつつ、「この組み合わせならイケる」「使うワザをいじれば何とか…」「駄目だこりゃ」ってなコトを判断しなくてはならないのだ。漫然と戦っていると、心が折れる。
 
 おまけにこいつら、レベルが上がっても打撃力はさほど強化されない。じゃあどーすんのかというと、カネ出して「味方の士気が上がるアイテム」買う必要があるのだ。こうすると攻撃力が上がる。しかも、原則士気に比例して。また、「相手の士気を低下させるアイテム」もあり、これらをうまく使わないと即詰みだ。なにせ相手の士気が高いと、ザコから即死攻撃が飛んでくる。カネの使い方もかな~り考える必要があるんだな。
 
 スロットはどう利用するのか?実はこのゲームのスロット、いわゆる「エンカウント」の内容を決める手段である。敵と遭遇するか、カネ拾うか、MPが回復するか…の三択。目押しは出来た方がいいけれど、出来なきゃ出来ないで何とかなる。それに、ゲーム進めてゆくと段々スロットが早くなるので、超人でもなきゃ目押しできない状態になるし。
 
 スロットには、もう1つ重要な要素がある。スロットの近くにはタイマーのような数字が出ていて、「スロットを回している時間」の合計が1分(だと思う)を超えると、ゲーム内での「1日」が終了する。してしまう。1日が終了すると、攻撃力アップ&ダウンアイテムの効果が切れ、また翌日改めて使い直し。さらに、手持ちのカネは自動的に全額上納。カネで買ったアイテムまでは没収されないので「買い物」に励むことになるんだけど、「何を買うのか」はかなり悩ましい。先を考えないと泣きの涙だ。
 
 いわゆる「マップ」はごく単純。1本道のマスを7歩進み、各階のボスと戦って勝てば次の階に進むだけ。ただ…1歩進むためには、パーティーの「先生」(言い忘れたけど、このゲームの主要キャラは「生徒」だ)のMPを消費して進む。そんでもって、先生のMPは「生徒が戦闘すると回復」なのだ。調子に乗ってカネの出目ばかり目押しで揃えていても、ゲームが進まない。なおこの先生、各階のボスと戦う時には戦闘に参加してくれる。コイツはフルオートではなく、プレイヤーが操れる。
 
 うまくプレイを進めるコツは、生徒を大切にすること。特に序盤は。HPゼロになった生徒が出なければ「ご褒美」として士気上昇&士気低下のアイテムがもらえるのだ。序盤は金欠で「そんな高いモノ買えない」ので、取り逃がすと大損になる。中盤以降も経済状況は楽じゃないので、いざとなったら「途中で1日を切り上げる」(選択できる)覚悟も必要になってくる。
 
 15階層あるダンジョンを突破するか、15日が経過すると、ゲームエンド…ではない。ここで担当教員が代わり、「ラスボス」と戦わされる。この時、アイテムの持ち越しは原則不可。買い物は「今まで上納したカネ」で行う必要がある。上納金をケチっていると思いっきり詰む。このラスボスは「どこまで進んだのか」によって相手の強さが変わる。ラスボスは中ボス4人+ボス1人が原則。中ボスはお供を連れている。いきなりボスに挑むと中ボスがお供に付くので、普通は中ボス倒してからボスに挑むことになる。この戦闘の時は、生徒もプレイヤーが操れる。
 
 
 このゲームには、やりこみ要素として「実績」ってものがある。様々な条件を満たしてゲームクリアすると、実績として表彰されるのだ。それをある程度貯めた時点で挑める(実績不足でも挑むことは出来るけど、自殺行為である)のが、隠しボス。ルールは基本ラスボスとの戦いと同じだけど、この時の買い物に必要なカネは「実績」の数に比例する。ちなみにこの隠しボス、滅茶苦茶強い。死ぬほど強い。心が折れるほど強い。実際何度も心が折れた。
 
 このゲームの特徴は、「スロット使うという運またはテクニックのゲームに見せかけて、実は戦略を考えるのが重要なゲーム」だってトコロにある。戦い方がわかってくると、真面目に「上達した」って実感が得られるのだ。実際、最初の頃は「できるワケねーだろ」と思っていたキツい実績も、最近は比較的楽にクリアできるようになった。目押し絡みは相変わらず運任せだってのに。ここ最近では、一番「自分の成長」を実感させてくれるモノだったな。
 
 ゲームに限らないけど、やはり「自分の成長が自分でわかる」ってのは楽しい。体重や血圧のように「器具で計って初めてわかる」のも悪くないけど、やはり基本は「以前出来なかったことが、どんどん出来るようになる」ことじゃないかなあ。RPGの戦闘なんて「強くなったのはキャラであって、操るプレイヤーは成長してない」のが当たり前だったりするけれど、まさかターン制のコマンドバトルをいじったモノでそういう実感を得られるとは。そこが新鮮で良かった。
 
 正直言ってものすご~くクセの強いゲームなので、万人にオススメできるってゲームではないと思う。ただまあ、私は気に入った。特に「スロットの目押しは重要ではあるんだけど、もっと大事なモノがある」ってトコロが。私は目押しはまるで駄目だけど、それがかえって「目押し抜きでドコまでイケるのか」ってなチャレンジ精神をかき立ててくれるんだな。そういう精神構造している人にはオススメかも。
 
 なお、このゲーム地味に音楽が良い。前作も「最も気に入ったのは何か」と聞かれたら、ためらいなしに「音楽」と即答できるレベルだったからなあ。もっとも、だからって「BGM代わりにサウンドテスト聴きまくっている」のはどうかと…