1月12日 ― 2009/01/13 01:29
本日の話題は、ある意味旧年中に消化できなかったネタ、別の意味では昨日のネタの続き、ということで、「新聞の将来像」を考えてみようかなと。ま、あくまで私見なので、目くじらたててもらっちゃ困ります。
私は活字中毒患者であり、紙メディア大好き人間である。ネット情報は、正直好きになれない。理由はいくつもあるけれど、代表的なのが「ネットより読みやすい」「いわゆる編集の手が入ってない情報が多すぎ」の2点だね。それゆえ、基本的には「新聞の味方」です。
にもかかわらず、新聞は…色んな意味でこの先難しいだろうな、って気がする。去年の段階で赤字決算って話が出ていたからねえ。確かに去年の中頃から景気はおかしくなりかけていたけど、本格的に厳しくなったのは年がかなり押し迫ってから。よって、今後発表される決算は、より厳しいでしょ。
しかもだ。新聞の決算が厳しいとなれば、その信用に傷が付く。「新聞って苦しいんだ。じゃあ、無理して新聞に広告出さなくてもいいや」って考える企業が、じわりと増えるだろう。それがまた新聞の決算を悪化させ…という、「デフレスパイラル」に突入する第一歩が始まったと言えるのでは。
新聞の決算なるものは、私にはよくわからない。そもそも、細部までは公開されてないような。それゆえ、赤字決算に陥った原因が、部数減なのか、発行コスト増大なのか、それとも広告収入激減なのか、さっぱりわからない。おそらくは広告収入激減が主要因であって、他はあんまり変化なさそうではあるんだけど。
発行部数については…「押し紙」なる存在があると推測されているけど、それがどれくらいの規模なのか、実態はまだ闇の中。新聞社が主張している「公式の数字」が大嘘なのは間違いなさそうだけど、実態として販売部数が激減しているかどうかは…少子高齢化傾向を考えれば、減っているのは間違いなさそうだけど、どれぐらいになるのかはよくわからん。まして、それが経営にどう影響を与えているのかなんて、さっぱりわからん。
発行コストは…多分、記者の給料なんて、影響は案外小さいのでは。ただ、タクシー・ハイヤー等の利用経費・夜中作業をするための光熱費といった要素(記者が優秀であってもなくても、結局似たような金額が必要になるモノ)まで含めると、それなりのものになるとは思うけど。それよりも、インク代及び紙代がどうこうって話の方が気になるのかな。ちょっと前に資源高の影響で印刷系の会社がギャアギャア騒いでいたからねえ。そのあおりを受けたか?だとしたら、原油価格が下がった今は多少楽になるはずだけど…
広告収入減。コレがやっぱり「主犯」かと。新聞なんて、「販売部数が増え、発行経費が節約できても、広告収入減れば大赤字」なんだろうからね。私はこのモデルにお世話になっている(新聞・雑誌は大好きだし)のは確かだけど、それでもこーゆービジネスモデルは好きになれない。「読み手」でも「書き手」でもない連中がデカい顔してるのは、正直気分が良くないので。
私がネットを「信用しきれない」のは、結局は「要は広告ビジネスに乗っかってどうこうって話でしょ?」って部分が大きいかなと。ごく一部の例外(中には重要な例外もあるけど)を除き、ネット上の情報なんて、「サイトの運用会社が広告ビジネスで儲けが出なくなりゃ、廃止される」だけって話があるからね。その意味では、私のブログと言えども「広告宣伝モデルから脱却できてない」のである。そーゆーアシストが便利なのは事実だけど、依存しすぎるとロクな目に遭わない。
新聞はどうか?まあ、当人達は「そんなものに依存しているワケではない!」と主張したいんだろうけど、実態は…まあ、「新聞を取り巻く環境」が変化している以上、今までと同じ商売ができないのは、むしろ当然である。ラジオ・TVが普及した頃と、状況は同じだ。しかも、ネットはラジオ・TV以上に新聞と競合要素が強い。これで「今まで同様広告出してもらえる」と考える方が間違っている。
ただ、新聞が消え去るコトはないと思う。ラジオを考えてみればいい。今現在ネット上で「ネットがあれば、新聞なんてイラネー」と主張してる人間が、ラジオなんて聞くか?多分、かなりの割合で「そんなもの聞かない」って回答が寄せられると思う。にもかかわらず、「じゃあ、ラジオって不要か?」って聞いて、「ラジオもイラネー」って答える奴は、むしろ少ないのでは。新聞だって、冷静に考えればそうだ。
ただ…今の新聞産業が、ラジオ並みに縮小するのはタイヘンだと思う。色々と。ネットに移行すると言っても、いわゆる「過去の遺産」が邪魔してうまくいきそうもないし。強引にそれを捨てちゃうと、新聞社以外にも「ものすごく困っちゃう」トコロがありそうなんだよね。ま、あえて細かく触れないけれど。
日本の新聞社ってのは相当特殊な存在なので、他の国の動向がそのまま当てはまるとは思えない。ただ、米国では「もう紙の新聞はヘロヘロだ」ってコトになっているのは確か。これから先、新聞がどんな手をうつのかは興味深いね。ま、少なくとも「新聞読まない馬鹿が増えた」なんて言っているようじゃ、ただ沈んでいくだけだろうけどね。本当、どうなるのかねえ。下手な対応すると、「壊滅的打撃被るまで下落が止まらない」ってコト、わかってんのかね。
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