1月6日2009/01/07 01:56

 はっはっは、昨日も一昨日も更新失敗してしまった…色んな意味で疲れが溜まっていたのか?それともスランプ?いけませんねえ。
 
 本日の話題は、「モスクワ'41」作戦研究。なんか一部で「装甲部隊を南方に集中配備すれば、楽勝」って意見があるらしいので、私なりに検証してみようかと。「冬コミ1日目作戦」を提唱した身として。
 
 確かに、装甲部隊の南方集中配備は、ある程度理にかなっている。ここは平地続きで都市・町も点在しており、言ってみれば「電撃戦向き」の土地だ。ここに主攻勢を持ってくるというアイデアは、悪くないとは思う。
 
 ただ…難点として、目標がミエミエになってしまう。基本はヴォロネジに真っ直ぐ突っ込んでくるか、モスクワ南方に回り込んで…って作戦のどちらかだ。兵力を分割して「両取り」を見せてくるかも知れないけど、いずれにせよ「ドコを守るべきか」は、比較的簡単に割り出せる。そうなれば、後は増援を適切に送ってやればいい。
 
 問題があるとするならば、この「増援を適切に送る」コトが、案外難しい点にあると思う。他から事実上切り離されている、ヴォロネジ方面はまだいい。問題はモスクワ南方だ。赤軍が最前線で粘っていると、ここに巨大な穴が開きかねないのだ。特に赤軍歩兵はとにかく足が遅いので、ちょっとでも後退をサボると、モスクワ南方と最前線の間に巨大な隙間ができかねない。この隙間に独軍装甲部隊が突っ込んできたら、多分モスクワは占領される。
 
 特に要注意なのが、赤軍の反撃である。反撃と言っても、チットを引いて判定される反撃ターンのことじゃなく、純粋な反撃、つまり「突出してきた独軍装甲部隊を包囲攻撃する」コトの方である。確かに、この手の反撃は大いにやるべきだ。「隙あらば反撃する」って意識を持っていても、大きな間違いじゃない。ただ、1)独軍装甲部隊があまりいないトコロで、2)増援を投入して初めて包囲攻撃が成立する、の2点を満たしている場合、ちょっと待って冷静に考え直すべきだと思う。
 
 理由?赤軍は機動力不足だ。一度増援として登場させた兵隊は、別方面に転用しにくい。そのため、「反撃したはいいけれど、おかげで危ない場所に部隊がいない」ってコトが考えられるのだ。あらかじめ独軍の脅威に応じてバランス良く守れているのならともかく、単に「隙があった、反撃しよう」では、下手すると独軍の誘いに引っかかっているだけかもしれない。
 
 このハメ手は…すいません、前回使いました。北方でかなーり無理矢理突出していたのは、「ちょっと無理しないとカリーニンが獲れないから」だけではなく、「ここに反撃用の戦力を惹き付ければ、大事な地点(モスクワ南方)の守備が薄くなる」って思惑がありました。最初から「南方からモスクワを占領する」ってイメージがあったので、他での攻撃は全て「肝心なトコロから目をそらすためのオトリ」だったのだ。
 
 ただまあ、こんな手はベテラン相手には通用しないでしょ。最初からある程度バランス良く守っていれば、「反撃したら別の場所が薄くなっちゃいました」ってコトにはならないハズなので。そんな相手を崩すために私が開発したのが、「冬コミ1日目作戦」なのだ。うまくいくかどうかは別にしての話だけど。
 
 先ほどから赤軍の守りについて「バランス良く」と書いているけど、これは「独軍の脅威に応じた」バランスである。単純に「どの戦線にもある程度兵力がいる」って状態は、独軍の思うつぼでもある。どっかに兵力を集中して突破しちゃえばいいからだ。機動力が違いすぎるので、赤軍は一度分散した兵力を集結させることはできない。この「アッチコッチ守らせて、どこかを集中して突破」ってのが、独軍の主要課題だろう。
 
 ただまあ、軽くソロプレイしてみた感想としては、赤軍は「バランス良く守る」段階からしてタイヘンである。とにかく移動力がないから。戦車や騎兵ならそれなりに移動力があるけど、どーせ狙い撃ちされる可能性が高い。とにかく救えるモノは救わないと…と考えるのは正しいけど、やりすぎてもイケナイ。下手に増援投入してまで救おうとすると、結局増援ごと「肝心の場所から離れた場所にいる」兵力になってしまう怖れがある。どう頑張っても大事な場所にたどり着けそうもない部隊は、大胆に見捨てる必要もあるだろう。
 
 私自身は今のところ悪戦苦闘しているけど、こうやって致命的な隙のない戦線をうまく張れるようになってからが、「赤軍初心者卒業」だろう。機動力でいくらでも誤魔化しが効く独軍と異なり、赤軍がこの領域に行くのはちょっとだけタイヘンかも。そんでもって、この領域に達してない赤軍プレイヤーがドコに隙を作りやすいか…と考えてゆくと、装甲部隊南方集中が正解になるのでは。
 
 ただ、だからといって「装甲部隊南方集中策」は「初心者いじめの作戦」ってだけではないと思う。うまく「ヴォロネジに来るのか、モスクワ南方に来るのか」迷わすことに成功すれば、かなりの手練れでも苦戦してくれるんじゃないかなあ。この戦法が主流になるかどうかは、今後の研究次第だと思うけど。
 
 なお、私の考える「最南端突破策」(冬コミ1日作戦もこの1つ)の弱点は、ギャンブル性が強いこと。ダイス目やアントライドユニットの戦力によって、「圧勝か惨敗か」ってな結果になりやすそうなのだ。そのため、明白に勝率が良いという結論(正直、出そうもない)が出ない限り、より手堅い作戦が主流になるんじゃないかなあ。私の周囲では「五分五分だったら、手堅くいく」人が多い気がするので。なお、私は「五分五分だったら、一発勝負に賭ける」けど。
 
 ちなみに、冬コミ1日目作戦は、私が当初思っていたよりは「いい作戦」のようである。あくまで私自身の研究によればだけど、案外「専用の対策」が見あたらないのだ。「ヴォロネジとモスクワにバランスを取って兵力を配分する」じゃあ、フツーの作戦と変わらないわけで。攻撃順がモスクワ周辺(ブラフ)→ヴォロネジではなく、ヴォロネジ(ブラフ)→モスクワなので、転進してくれなかった時のことを考え、ヴォロネジ周辺を厚めにする必要はあるだろうけど。強いて言うなら「マップエッジからの反撃が効く」んだけど、これはフツーにモスクワ正面を経由して南方にシフトした場合にも言えること。現時点では「フツーに成立する作戦」ではないかと。ただまあ、ちょっとギャンブル性が強いので、いずれにせよ主流にはならないと思われる。とりあえず細かく研究してみたいので、私が独軍をプレイする時は、基本的にこの作戦を使ってみようかと。
 
 いずれにせよ、シンプルなルールの割に考えることは多そうなので、末永くプレイされるゲームじゃないかと思われる。次は赤軍もプレイしてみたいですね。その前に、この「冬コミ1日目作戦」なる、恥ずかしい名前をどうにかした方がいいのかも知れないけど(苦笑)。