1月3日2009/01/03 22:35

 うーん…一部の記憶に自信がないので、世間一般に公表していいコトなのかどうか迷ったんだけど、モーレツに腹立たしかったのであえて書いちゃおう。ミシュランガイド香港・マカオ版に異議を発見しました。しかも、具体的な。
 
 何でそんなもの持っているのかって?香港に行ってきた知人に「買ってきてくれ」って頼んだから。香港で非難ごうごうって話を聞いたので、話のタネとして面白そうだったので。
 
 私は美食家ではないので、ミシュランガイド東京版はチンプンカンプンである。紹介されそうな店で食事したことないからねえ。実際立ち読みで店の名前だけ確認したけど、実際食ったことのある店は皆無。ま、「地元民」ってのはそんなモノじゃないかと。
 
 ただ…これは本来ヘンな話でもある。ミシュランガイドって、別に「美食家御用達」じゃないハズだからねえ。少なくとも、当初の理念(クルマで旅行中に立ち寄った先で、メシ食うためのガイド)からすれば、ソコソコのランクって店も紹介してあっておかしくない。多分、欧州以外の場所(最初はニューヨークだったっけ?)を紹介した時点で話がヘンな方向に行ってしまったと思われる。
 
 そういう、「存在意義・存在価値」に関するケチは、いくらでも言える。でも、まあ「ケチつけても仕方ないじゃん」って話題でもあるわけだ。そーゆーモノを有り難がる客がいて、そーゆーモノに紹介されるコトに意義を感じる店がある以上は。単に「私とは関係がない」モノだってコトに過ぎない。ミシュランガイド東京版ってのは、そーゆーモノだと決めつけていた。
 
 ただ…香港だと話が少しだけ別になる。私は香港在住じゃない。香港には観光客として行っている。そりゃあ競馬絡みでは、「地元の馬券マニアとドコが違うのか」我ながら考えちゃうような存在だったりするけど、チャンと観光客っぽいコトもしている。つまり、私にとっては東京版より香港・マカオ版の方が、ミシュランガイドのターゲットになっているわけだ。
 
 とはいえ、香港で高級レストランに行くかと聞かれたら…安くて美味いモノが大量に転がっている中、あえてカネ出す意義はドコに?香港は「ハズレを引く方が難しい」トコロだと思っているんだけどなあ。それでもあえてハズレを引きたければ…って店をいくつか知っているのは事実だけど(苦笑)。
 
 そんなワケで、どちらかと言えば「将来自分が香港に行く時の参考用」としておねだりしたハズなんだけど…1件、「確かこの店で食ったことがある」ってな店を見つけました。かなーり前に行った店なので、本当に同じ店かどうか自信はないんだけど。
 
 しかもだ。ご丁寧なことに、私はその店に「イマイチ」と駄目出ししている…これは私だけじゃなく、同行者もそう言っていた。いやね、不味かったワケじゃない。相当なランクではあった。でも、その前に「もっと美味い店」で似たようなモノを食べた関係上、こういう感想になったのだ。
 
 店の名前出しても意味はないので、場所とジャンルだけ出そう。ハッピーバレー競馬場の近くにある、飲茶の店である。「美味い店」って評判だ…ってんでいちいち出かけていき、食べたのだ。記憶が正しければ似たような位置にあったハズだし、店の入り口(ガイドに写真がある)に何となく記憶があるんですけど…記憶違いの可能性は否定できないけど、おそらくは「私が知っている店」だ。
 
 確かにね、あの店の飲茶は美味かった。フツーに考えたら、相当なレベルだと思う。でもでも、「もっと美味い飲茶を出す店」を知っているからねえ…あれから時が経っているので、ひょっとしたらもっと美味くなったのかもしれない。けど、私の知っているあの味じゃあ、「香港一」ってコトはあり得ない。少なくとも1件、「より上の飲茶」知っているからだ。
 
 ちなみに、私の知っている「より上の店」は、カケラも紹介してない。本業であるレストランの味が「紹介するに及ばず」ってコトだと思うけど。その店のレストランも食ったこともあるんだけど、確かに「傑出して美味かったのか」と聞かれると考えちゃう(充分美味かったけど)からなあ。もし飲茶の味も含めてそーゆー評価になったんだとしたら、「舌が壊れている」と言っちゃうけどね。コッチの味が落ちてないのは、何度か確認している。
 
 あきれたコトに、「飲茶」ってジャンルで紹介している店は、ココだけ。そりゃあね、実は飲茶専門店って、思ったよりは少ない(本業はレストランで、昼に飲茶って店が多い)関係上、そうなったのかも知れないけど…他のジャンルで(例えば「広東料理」)紹介しているモノもありそうではあるんだけど、区別はちょっと難しい。よって、私の舌や記憶がどうこうって話とは無関係に、ミシュランガイド香港・マカオ版は「飲茶の紹介がなってない」と断言していい。香港の食文化を飲茶抜きで語る?それって「和食抜きで東京の食文化を語る」のと同程度に無価値だと思うんですが。
 
 正直言おう。フツーに考えたら、香港・マカオ版と言えども、ミシュランガイドで紹介している店で食事なんかしない。高いんだもの。でも、飲茶なら多少話が異なる。香港の飲茶は、日本の「サービスランチ」と似たような位置づけでもあるので、私のような「バックパッカーに近い観光客」でも手が出る。本業は無理でも、飲茶なら…って期待も含めてガイド眺めているわけだ。にもかかわらず、「飲茶のことなんて知りません」って態度とられてもねえ。
 
 これは、マジにシャレじゃ済まない「欠陥」だと思う。香港へ観光に行く日本人に「何が楽しみですか?」って聞いて、「飲茶」が含まれない奴は、あんまりいないと思う。その紹介が全くもってなってないガイドブックですよ?調査員の舌がどうこうって問題じゃない。それ以前に、編集方針決めた奴のアタマが壊れているでしょ。役立たずとまでは言わないけれど、欠陥商品呼ばわりされても、文句は言えないと思うな。
 
 なお、香港のレストランで「昼は飲茶」って店は結構あるはずなんだけど、ミシュランを見ても「昼も普通の営業なのか、それとも飲茶なのか」は、さっぱりわかりません。つ、使えない…そーゆー営業している中華料理屋なんて、パリやロンドンにも転がっているハズなんだけど。何も他の都市の中華料理屋で「そーゆー営業しているかどうか」調べて掲載しろとは言わないけど、香港だけは対応して欲しかった…
 
 つーわけで、ミシュランガイド香港・マカオ版は駄目です。調査員の舌がどうこう以前の問題で。正直言って、まさかココまで駄目だとは思ってなかった。編集が香港の食文化を全く理解してません。私のような特殊な人間だけに留まらず、一般的な日本人観光客相手にも「ちょっと問題あり」って話になるのでは。
 
 まあ、編集のアタマについてはともかく、調査員の舌については、曖昧な記憶だけでどうこうってのは問題でしょ。そこで、機会があったら実地調査をやってもいいかなと。安い店なら。あえて3つ星店の飲茶確かめに行ってもいいんだけど、どうもアホみたいに値段が高いらしい。普通の食事ならともかく、飲茶でその値段はボッタクリじゃねえかって思うほど。ただまあ、その結果に関わらず、「ミシュランガイド香港・マカオ版」が実用書としては失格レベルであることは間違いない。「どの店の点心が美味いのか」さっぱりわからん香港食のガイドブックに、何の価値があると?