7月2日2009/07/03 00:56

 7月である。カレンダーめくりは流石に忙しかった。まあ、それが醍醐味なんだから仕方ないけど。
 
 ネタに入る前に、緊急連絡を1つ。「ウォーゲーム日本史」エラッタ(公式のモノが発表中)に、訂正が入った模様。私が言及した「同盟国の支配地域から移動する際には、兵1を残さなくて良い」が再度訂正され、兵1を残す義務が生じるようです。なんかヘンと思うかも知れないけど、ルールに従えばこーゆー義務があり、ルール訂正は行われないようです。
 
 本日のネタは、いくつかのエロゲーメーカーが外国からのアクセスを遮断している件について。どーでもいい話と言えばどーでもいい話なんだけど…
 
 ネタがネタなので、18歳未満のアクセスも考慮し、あえてドコとは書かない。某エロゲーメーカーが自社Webサイトに対し、外国からのアクセスを遮断した。理由は、「そーゆー圧力があったから」となるのかね。
 
 いわゆるエロ規制については、このところまた五月蠅く言われている。ヲタク歴の長い私にしてみれば「またか」ってなもんだけど。その「口実」は毎回手を変え品を変え…って感じではあるんだけど、今回はどうやら「外圧」が大きな理由らしい。
 
 エロに外圧とは…事情知らない人間は「?」かもしれないけれど、自国のこと棚に上げて色々言って来る国があるんだよ。余計なお世話だと言いたいところではあるんだけど、まあ何と言うか…外圧には弱い国だからなあ。そこで、「外国から圧力受けにくくするため」海外アクセスを遮断したわけだ。これで何かが解決するとはカケラも思わないけど。
 
 これ自体は「ふ~ん」で済む問題だ。けど、どうも海外でアクセス遮断された外国人が「オレ達を排斥するのか!」と怒っているらしい。その騒ぎが伝えられて、日本でも話題になった。「外国人を怒らせないため」やったことで怒られるとは…ただまあ、外国人にも色々いるわけで。
 
 このアクセス制限、理屈の上では私も被害者予備軍である。海外旅行の際にそーゆーサイトにアクセスできなくなったので。私が強いこだわりを持つ「キングジョージ」は夏のコミケ前に英国で開催されるレースなので、シャレじゃ済まない。旅行中に「何を売るのか」発表された場合、向こうでサイトにかじりついても「アクセス禁止」じゃあねえ。
 
 ただまあ、エロゲーメーカーにしてみれば、「他にどーしろと」って話だろうな。そもそも、日本国内で売ることしか想定してないのは確実、当然のように日本語サイトしかない。よほどヒマで馬鹿か、あるいはある種の悪意(一般には善意扱いされるだろうけど)がある連中しかアクセスしそうもないサイトだからなあ。むしろ今まで放置していたことの方が意外かも。
 
 この問題については、「単なるコストカットじゃね?」って意見も出ているんだけど、違うと思う。「やってみたらコストカットになりました」って可能性はあるけど、ソコまで深く考えてサイトの設定やってないと思う。そもそも、特別な時(新製品発表直前とか、コミケ前とか)でもない限り、アクセス数なんてたかが知れてる存在に過ぎないんだから。いわゆる「IT系企業」のサイトと一緒には出来ない。宣伝とアフターサービスにちょっと便利だから…って理由で開設され、深く考えず運用されているだけでしょ。
 
 そもそも、エロゲーメーカーってのは「弱小だらけ」である。大手もあることはあるけれど、大半は吹けば飛ぶような企業規模。ハッキリ言って、家内制手工業の世界である。ボードウォーゲーム業界よりは景気良さそうだけど…って話だ。そんな存在が「海外からケチ付けられそうだ」となった時、他にどんな対応が出来ると?
 
 エロゲーメーカーって、実は案外「親切」である。「エロゲー愛好家」はそれなりにいそうだけど、メーカー数も結構あるので、自然と「1社辺りの客数」はあまり多くない。そんな業界で「客をぞんざいに扱った」なんて評判が流れるのは、思いっきり損だからね。限界は低いけど、一応ファンサービスなるモノにはソコソコ気を遣っているトコロが多い。まあ、先日復活した某ソフトは「サービスしすぎだ、オカシーだろ!」ってレベルだったけど。
 
 そーゆー連中の意識からして、「海外からのアクセス禁止」ってのは、特別理由がなければ実行しない行為だと思う。「海外からのアクセスなんて知るか、面倒だからアクセス禁止にしてやれ」とは、考えてないんじゃない?そーゆー方面で「邪悪なこと」考えるような人種じゃないのだ。別方面で「邪悪」なのは大いに認めるけど。
 
 エロって、全体的に見れば「いくら叩いても滅びない存在」ではある。けど、決してメジャーになることはない。更に、「会社単位」「人単位」で見た場合、実はかなり弱い。どっか滅んでも代わりに何かしら現れるから「いくら叩いても消えないように見える」だけで、実際は叩かれるとボコボコ倒れてゆく。そんな存在なのよ。色んな意味でリスクは大きい業界だと思うな。リターンがどれくらいかはともかく。
 
 そんな事情を多少は知っているから、私は「海外からのアクセス禁止も、仕方ないんだろうな」とは思う。ただまあ、実際アクセス禁止された連中が騒ぐのも、何となくわかる。日本のエロゲーって「ものすげー独特」な存在だからなあ。日本以外で作っている「類似品」なんて…えーと、確かタイで「エロ無しのギャルゲー」が確認されたのかな?他も丹念に探せばあるのかも知れないけれど、正直「探す気になれない」レベル。あんなモノにハマってしまった海外の馬鹿が「オレ達に売らないつもりかぁ!」と騒ぐ気持ちもわかる。ついでに言えば、サイトにアクセスしてパッチ(修正プログラム。ウォーゲームで言えばエラッタ)当てないとプレイできないことも多いシロモノだからなあ。私が海外生活してたら、騒ぐと思う。
 
 とはいえ、騒いでもどーしよーもないのは事実。今海外で騒いでいる連中の力なんて、日本に「エロ垂れ流しとはどーゆーコトだ!」と圧力かけてくる連中と比べたら、ゴミ程度でしかないから。でなけりゃ、そもそもこんな圧力が日本に来ない。ヲタクの数が多く、それなりに抵抗力が高いはずの日本でさえ「何を言っても聞いてもらえない」のが現状だってのに、海外の連中に何が期待でき、何が出来ると?日本人が「規制に弱い」ことを差し引いて考えてすら、その程度の連中でしょ。気持ちはむしろ有り難い。できれば連帯して戦いたい。けど、規制派がそれを遮断しようと動いている以上、見捨てる以外に手がない。
 
 規制なんてモノは「強化されればされるほど都合が良い」人間が必ずいて、そーゆー連中が機会と口実見つけ次第ドンドン強化したがっている。そこに上手く歯止めをかけないと、行き着く先は恐怖政治だ。でも、だからって「正面切って戦うべき」とは言い難いんだよな。どーしても「反対した方が得するはずの人間」の足並みが揃わないので。コミケが幕張メッセから「叩き出された」経緯を考えれば、エロゲーがある程度規制に屈するのも当然なんだよね。
 
 この問題に関しては、私は事実を伝えてボヤく程度の支援しか行えない。いやまあ、コミケに行けば何らかの「活動」やっていそうなので、それに協力する(署名程度だけどな)とは思うけど。ただ、これだけは言っておこうと思う。「自分が好きなモノ」のためだけにしか戦えない奴は、結局負け続けるだけだぞと。エロの次の規制に引っかかりたくなかったら、ある程度エロも支援して下さいよ。これでも歴史と伝統があり、理論武装もかなりされていて、「勝ち目が見いだせる」戦いなんだから。

7月13日2009/07/14 00:03

 諸般の事情により先週は気力不足で更新できず。すいません。色々私が悪いのさ…来年頑張らないと。
 
 本日のネタは、珍しく?麻雀ネタ。私の知っている戦術というか何と言うか…が、今も有効なのかどうか、少し気になる話があったので。
 
 キッカケはすご~く下らない。某麻雀マンガアニメにおいて、ある打ち筋がネット上で「どーなのよ!」と盛り上がった話を見たので。ちなみに私は原作の方で「その局面で何捨てたのか」知っていたんだけど。
 
 状況は結構単純。確か「競技麻雀の団体戦」の話。流石に細かいルール(実は重要なんだけど)は忘れた。リーチ一発・裏・赤は入っていたんじゃないかな。半荘勝負ではあった。ここで、早い順目にドラポンしてタンヤオドラ4のリャンシャンテン。でも、リーチがかかる。ここで一発目に西を引いてきた。相手の川はド真ん中ばっかりで、手の内にはリーチ者の現物1枚アリ。さて、何を切る?
 
 アニメ・漫画では現物切ってオリ、それが大正解。相手の待ちは西単騎(役は七対子)だった…というもの。これに対し、「あそこで西切らないなんて信じられない!」と騒いでいる奴がいたのだ。いやまあ、気持ちはわかることはわかるけど…とりあえず落ち着け。
 
 ちなみに、私だったらどーするかって?うーん…基本は突っ張ると思う。流石に点棒状況は考慮するけど、それ以外の理由では「全ツッパ」である程度勝負できるからね。「ヒマ潰し」としての麻雀だったら、この程度の戦い方で問題がないわけで。この場合、どんなド危険牌でも無視して捨てる。こんな戦術でも、「何を捨てれば和了りやすいか」の選択がある程度適切で、なおかつソコソコ運があれば勝てる。相手がシャレじゃ済まないくらい強くない限り。
 
 ただ、これはいわゆる「ゲーセン脱衣麻雀戦術」である。いわゆる脱衣麻雀って、ヘコんだ時の損失はまるで考える必要がない。よって、打ち込み恐れてオリる理由はほぼ皆無。あるのは、ただひたすらに「和了の速さ勝負」だ。コレはコレで「麻雀の勉強」にはなるんだけど、言ってみれば「粗い」打ち筋になる。もう数年以上そーゆー勝負してないけど、「相手が強い」「レートが高い」「とにかく負けたくない」って勝負だったら、もう少し丁寧に打つことを考えるね。もう相当忘れていると思うけど。
 
 この作品、実は「高校生の競技麻雀」勝負である。この時点で言いたいコトはいっぱいあるけど、それは放置しよう。よって、言ってみれば「とにかく負けたくない」勝負に該当する。ドカンと負けても「次で取り返してやる」って勝負じゃない。よって、「丁寧に打つ」価値が高めである。これは重要な話だね。フリーで勝負しているのとは、状況が違うのだ。
 
 さて、この状況で私はどう打つかって?うーん…ビミョーだけど、一応オリることも考慮する。だって、ドラ4あるとはいえリャンシャンテンだよ?確率計算とかしてみるとわかるんだけど、実は「好形イーシャンテンVS愚形テンパイ」だと、相当形に差がないとテンパイの方が有利だ。ましてリャンシャンテン、「この局は駄目」と判断しても、別に臆病とは思わない。しかも手は喰いタン・ドラ4。多少状況に左右されるけど、まあマンガンだろう。半荘勝負なら、マンガン程度で突っ張る価値があるかどうかは、ビミョーとしか言いようがない。
 
 そんでもって、オリると決めたのなら、まずは現物からってのがキホンでしょ。そりゃあね、世の中には「回す」って手もあり、この手を採用するのなら西切っても悪くない。でもなあ。あくまで私の好みに従えば、「リャンシャンテンの時にリーチかけられた」って理由でオリるのなら、ヘンに回すよりオリ優先でいいと思う。オリ優先なら、ド真ん中の現物から勝負でしょ。そんな牌、リーチ者には安全でも他の奴に対して安全とは限らない(回してゆくうちにそーゆー牌がアタリ牌になるなんて良くある話)けど、西は「通るのなら、後で切っても安全度は高い」んだから。特に、「オリ打ち」(オリてるのに放銃すること)を気にしない打ち手なら、こう考えるのがフツーだと思うんだけど。ついでに言うなら、1つ晒しただけで「オリたっていずれ捕まる」なんて言ってる奴は、もっと麻雀勉強しろ。苦しいのは事実だけど、まるで駄目ってコトはねーだろ。
 
 私は最近麻雀打ってないけど、麻雀マンガは比較的熱心に読んでいる。そのため、無意味に「戦術論」を知っている。最近の流行である「デジタル派」「オカルト派」についても多少は知っている。その観点から言えば、ここで「現物切り」は、「デジタル派ならアリ」ではないかと。デジタル派ってのは「ツキの流れなんて認めない」って思想に基づいているので、「テンパったらそこで最終形」「先手打たれたら、好形イーチャンテンでもオリることを考慮する」「オリ打ちを厭わない」(私が親しんだ常識に従えば、「ツキを落とす打ち筋」として嫌われていた)なんてコトを平然とやるんじゃないかと。そーゆー打ち手が強いのかどうかは対戦したことないのでわからんけど、理論面では納得がいく。
 
 ただ、私のこの意見、言ってみれば「勝つことより負けないことを優先した麻雀」用の理論である。この話は競技麻雀(高校生がカネかけられるワケねーだろ)であり、いわゆる「ウマ・オカ」の存在を考慮してさえ、おそらくは「負けない」打ち筋の有効度が増すはずだ。つまり、フリーで勝てる戦術とは限らない。
 
 仮に東風戦のフリーだったら…うーん、よくわかんないけど突っ張るのが正解かも。東風戦って短期決戦だから、マンガン級の手だけで「勝負決まった」って状況に持ち込みやすい。半荘勝負なら「マンガン級なんてそのうちまた…」って割り切りやすいだろうけど、東風戦でそんな悠長な考えが通用するかどうかは…そんでもって、ここで「西切りはあり得ない!」と主張している人間って、要はそんな感じのルールに慣れてる連中なんだろうなと思われる。
 
 麻雀ってのは実は色んなルールがあり、ホントに強い奴はルールによって多少打ち方を変えることが出来る。私の知人に「あえて色んなルールで打って雀力鍛える」なるコトやってた奴がいるので、それはよーく知っている。基本からしてブレてるようじゃ話にならないけど、基本フォームはしっかり保ちつつ、状況によって細部を変更できる奴って、ホントに強いからなあ。おかげで、私は一応「シャレじゃ済まないぐらい強い奴」は見分けることが出来る。そのため、そーゆー奴が本気でかかってきそうな時は逃げることが可能だ。余計な勝負根性出さない限りだけど。
 
 ただし、私は正直そこまで「応用力」は高くない。そもそもそんなに強くないし。よって、正直「赤入りの東風戦」では相当弱いと推定される。赤ナシの半荘勝負でさえそう強くなかったのに、対応力が低いと推定される赤入り東風戦でどーにかなるとは…よって、このルールだと「イキがってるだけのそこらのアンチャン」にも勝てないかもね。チャンと修行していれば何とかなったかもしれないけど、私は「ゲームはボードシミュレーション、ギャンブルは競馬」が基本と決めて久しいので、修行不足だから。ということは、「別にここで西切らなくてもイイでしょ」と言っている時点で、私は負け組確定なのかも知れない。
 
 でも、「ルール次第で打ち筋は変えるべき」ってのは的外れじゃないはずなので、これは覚えておく価値があると思うな。ソコは覚えて、「実際どーする」って部分は話半分に聞いていただければ、今回の話はある程度価値があるのではないかと。とりあえず、「絶対」西切りだとヌカしている奴は、少しだけでイイから考え直した方が良いと思うぞ。世の中には「リーチ一発チップ」がベラボーに高いルールだってあるんだから。

7月15日2009/07/16 00:01

 本日の話題は、SONYの話。この際誰も読まない話であっても、なんか言っておいた方がいいような気がして。うーむ、ううむ…
 
 先日、私は「PSP2は発売されないかも?」って予想を立てた。予想根拠を要約すると、Android機器(携帯電話や新ウォークマンがコレになるとかならないとか)と露骨に被るモノになりそうな現状において、開発する意味が薄れてきているんじゃ…となる。
 
 ところがだ。この予想、少なくとも一部は外れていたのかも知れない。何でも、ソニーエリクソン(SONY系列の携帯電話メーカー)が、「PSP携帯」を開発中らしいってニュースが流れてきたのだ。ただ、ボソっとそーゆー話が出た後、続報が何もないんだけど。
 
 確かに、「携帯電子機器」を山ほど持ち歩くのは無意味だ。ある程度はまとめた方が色々と都合は良い。そのため、「任天堂のDS携帯」だの「PSP携帯」だのといった構想が昔々から出ていたのは知っている。それを考えれば、「やっと出す気になったか、めでたい!」で片付けることも可能だ。
 
 ただなあ…「何故今更こんな話が」って気がするのは事実。iPhoneやAndroid携帯がまだ発売されていない時代ならわかる。iPhoneが(少なくとも米国などでは)覇権を握りつつあり、それへの有力な対抗馬としてAndroid機器が登場している今、あえて「同じコトをやる別規格の商品」を投入する意義はドコに?
 
 しかもだ。PSPって、世界レベルで見たらかなり売り上げが厳しい。ゲーヲタが多い日本でさえ「DSの方が売れている」くらいだからねえ。PSPユーザーの全てが「PSP携帯」に乗り換えるとは考えにくい以上、「マイナー規格に甘んじる」覚悟は必要だろうね。
 
 とはいえ、iPhoneがブレイクしきれてない国内市場においては、一定のインパクトが見込めるだろうね。ただ、問題は「日本国内の携帯電話市場」ってのは、諸般の事情からイジョーなことになっている。「製品寿命」が怖ろしく短いのだ。少なくとも、「長くコツコツ売ってどうこう」って市場になってない。その辺をどうにかして…ってコトはiPhoneが始めているけど、既得権益がバカでかいキャリアの意識改革があまり進んでない(としか思えない)現状で、iPhoneと同じことが出来るのかねえ?
 
 そもそもだ。日本の携帯電話とゲーム機は「売り方」がまるで異なる。どちらもハッキリ言って「製造原価とは無関係のところで値段が決められている」商品だけど、その「値段の決め方」が全く違うのだ。にもかかわらず「同じソフトが動くモノ」作ろうなんて考えたら、下手すると初期は「携帯電話機能が付くだけでバカ高い」、後の方になると「0円PSP」なるものが登場しかねない。もちろんコレはマズいので何とかして価格調整するんだろうけど…
 
 ついでに言えば、噂の内容が「PSP携帯」ってのも色々アヤしい。何故「PSP2携帯」じゃない?PSPは登場して5年以上経つので、プラットフォームとしては「そろそろ代替わり」が予想される。今年中にPSP2発売ってコトはなさそうだけど、来年には噂が流れ始め、どこぞのゲームショーで発表が行われ…って「手順」が踏まれても何の不思議もない。にもかかわらず、何故PSPベース?おまけに噂が継続して流れないってコトは、「開発順調で、正式発表の機会を狙っている」って可能性は低そうな気が。そんな「将来性が低い」モノのためカネ出す奴いるか?「PSP携帯があったら買いたい」と思う奴の大半がすでに携帯&PSPを持っていると思われるのに。
 
 Android機器との競合はどーする?って話もある。次期ウォークマンが「Android機器ではないか」って噂が根強い以上、SONYはグループとしてAndroid機器にある程度力を入れるのだと思われる。それはいい。ただ、それと平行して「同じようなことをやるための、別企画の品」も力を入れるってのは…なんつーか、BDとHD DVDを「両方とも生産します」って言っているようなモノじゃないかと。
 
 私が思うに、PSP携帯ってのはAppleやGoogle、Microsoftといった「壮大な構想」を持つ会社と肩を並べたい…って理由から出てきた発想ではないかと。これ自体はわかる。わかるけど、PS3の売上総数がムニャムニャってレベルで、BDはHD DVD陣営に勝ったは良いけど普及率が…で、主力商品が韓国製の安いモノに押されている現状において、どーゆー裏付けから「壮大な構想」を実現しようとしているのか、そこが見えない。無根拠に「SONYの科学力は世界一ィィィィ!」と言うだけなら誰にでも出来るし、本気でそう言いたいのなら、「Android機器?うちの技術と比べたらクソだから、うちじゃ作らない」と公言すべきでしょ。
 
 私はPS3・PSPは「しばらくは日本のゲーヲタに特化した道を行く」方が良いと思っているんだけど、流石にSONY全体としてソレはマズいと思っているような。ただ…ある意味、そーゆー「覚悟」がないと、結局は中途半端なモノを出し続け、会社経営は迷走、ついでにユーザーに迷惑かけまくり…となりそうな気がするんだよね。その点では、苦しい時期にも「コアな信者は何を欲しているのか」を決して忘れなかった任天堂やAppleを見習った方が良くない?
 
 この噂、それなりに影響力がありそうな割に、最初出た後フォローがない。よってガセネタである可能性も高めだ。下手すると「PSP2を作りたがっている連中に『そんなもの作ったって駄目なんだよ、時代はAndroidなんだよ』ってことを吹き込むためのリーク」だったりしてね(苦笑)。しかしまあ、いずれにせよ「SONYが現状打破のためどうするつもりなのか」はサッパリわからん。しかも、「次は何をするんだろう、ワクワク」ってニュアンスではなく、「次は何をしでかすやら、ハラハラ」ってニュアンスで。PSP携帯が本当に出るのかどうか、出るとしてPSP2との関係はどうなる…ってのは、今後も何気なく注目だと思いますね。ゲーヲタの1人としては。

7月16日2009/07/17 03:31

 なんか、YouTubeがついに「IE6」を見捨てるらしい。IEの正式バージョンは7どころか8にまでなっているので、「いい加減にしろ」ってことなんだろう。サイト制作している技術者は「いい加減IE6はサポートしたくない」が本音と思われるので、気持ちは大いにわかる。
 
 とはいえ、世の中にはまだ「IE6じゃないと駄目」なサイトが山ほどある。ほとんどの場合「管理人の怠惰」って気もするんだけど、だからって駄目なモノは駄目、諸般の事情により見捨てるワケには…って方々も多いはず。そこでまあ、一応は私なりに「対策」紹介しようかなと。
 
 一番手っ取り早い対策は、やはり「IEのバージョンアップ」だろうね。IEって、一応は「バージョン変更による表示崩れ」に気を遣っているので。過去何度か「アップグレードします?」ってメッセージを送っているはずなので、「実はIE6は使っていない」って人も多いのでは。こーゆー人は特に問題ない。
 
 ついでに言うと、「IE6で動作確認」ってサイトであっても、かなりの確率でIE6以外でも問題なく表示される。せいぜいが「ビミョーに表示が変わった」くらいで。下手すると…どころか、かなりの確率で「実はバージョンアップしたから確認作業にIE6なんて使っていないんだけど、訂正するの忘れているだけ」ってサイトもあるはず。
 
 問題は、何らかの理由で「頑ななまでにIE6を使わざるを得ない」人。そーゆー人間がまだ山ほどいるのは確実なんだよね。こんな人へのオススメは「複数のブラウザを運用する」だな。とりあえず何かしら「新しいブラウザ」を導入し、徐々に移行作業を進めるのが良いと思われる。
 
 この手を使う場合、実はIEシリーズは使えない。当たり前と言えば当たり前なんだけど、IEを複数バージョン運用するのは難しいのだ。私は「IE Tester」という「古いIEエミュレーター」使ってまでIE6環境を維持しているけど、特別使い勝手が良いワケではないので、やはり「表示テスト用ブラウザ」と考えた方が良いだろうな。IE6をどーしても捨てられないというのなら、「YouTubeはIE以外のブラウザを使う」って手を使うしかないと思う。
 
 今回見捨てられるのはあくまで「IE6」なので、IE7以降と互換性のあるブラウザは問題なく使用できる。この代表はSleipnirとLunascapeかな。どちらも「おおむねIE7互換」だと考えて良いようだ。よって、これらを「なんちゃってIE7」として導入し、IE6を切り捨てたサイトに対応するって手はある。
 
 ただ…あくまで個人的感想だけど、特にSleipnirは「IEシリーズが色々不便だと感じている人向け」であり、結構クセが強い。使い勝手の問題でIEシリーズに見切りを付けたいって人にはいいかもしれないけど、「IE6は絶対捨てられない」って人にイチ押しできるブラウザじゃないような気がする。
 
 そこでオススメするのは、思い切って「IEとはかけ離れた」ブラウザを導入すること。IE6を残すのは「確定」なんだから、むしろIE6と似てないモノを導入した方がいいと思う。そんでもって、最初は「その必要がある」サイトにのみこのブラウザを使い、慣れてきたら「IE6じゃなきゃ駄目」ってサイト以外にも使い始め、最後(いつになるかはサイト次第だけど)は完全に乗り換えちゃえばいい。
 
 そういうブラウザを新規導入するとして、オススメは何か?う~ん…私はFirefox3.5を「愛用」しているけど、ものすごくオススメってほどでもない。とりあえず基本動作はものすごくシンプルなので、IE6に慣れている人にとっては「むしろ使いやすい」かもね。保守的な人にはオススメとしておこう。
 
 とりあえずYouTube専用に…というのなら、Google Chromeでいいのでは。テストしてないけど、どうもYouTubeにIE6でアクセスすると、このブラウザを「強力プッシュ」してくるみたいだし。私は「速いだけで特別使い勝手が良いワケでも、表示が綺麗なわけでも、信用度が高いわけでもない」と判断しているけど、特別大きな弱点がないのも事実。ブラウザ乗り換えに「心理的抵抗」が強いってだけで乗り換えを躊躇している方には、むしろ「こーゆー厚かましい宣伝」が効果的かも。
 
 複数ブラウザを運用する場合、要注意なのが「メインブラウザを何にするのか」かな。油断していると勝手に「メインブラウザ」に居座ろうとするからなあ。これはインストール作業もしくはその直後の「最初の起動」の際、どこかで「メインブラウザにする」ってチェック項目が出てくるはずなので、これをオフにしておけばいい。最初からオフになっている場合もあるけど、念のため注意しておいた方が良いかな。
 
 使い始めは何かと戸惑うと思う。私も新規ブラウザ導入するたびに「あり?」ってコトに遭遇してきたし。ただまあ、焦らずじっくりいじっていけば、そのうち何とかなるとは思う。要は慣れの問題に過ぎないんだから。ただ、明らかに「そーゆー仕様なんだから諦めろ」ってモノもあるので、やたらクセの強いシロモノ(個人的には、Sleipnir・Safari・Operaがクセの強いブラウザだと思う)よりは大人しいブラウザを選んだ方が良いかも。
 
 速度に関しては、何を導入しても「速い!」と感じると思う。IE8でさえ、IE6と比べると「体感で少し速くなった気がする」し。おそらく通信速度が遅くても色々と実感は出来ると思うので、試してみても良いのでは?
 
 ハッキリ言って、ブラウザ移行は結構面倒くさい。トラブルがせいぜい「急に落ちる」程度なので、OS移行よりはマシだけど。ただまあ、Windows7発売を控え、そろそろOS乗り換えないとマズいかも…って時代が到来しつつあることも含めて考えれば、あらかじめブラウザ移行は済ませておいた方が良いかもね。PCのトラブルは「ブッ壊れてから何もかも新しくする」より、「少しずつ移行して、ある程度トラブルを分散する」方が良いと思う。単純なダメージだけ考えたら白物家電(代表は冷蔵庫)関連の方がデカいだろうけど、PCの場合は「移行後のトラブル」ってものがあって、コレが厄介だからね。
 
 どう考えてもこの先「IE6追放運動」は続くので、対応はある程度考えておいた方が良いと思う。「IE6だと表示がオカシイ!」って事態に遭遇してから騒ぐより、その前にゆっくりじっくり移行作業を進めておいた方が色々安心だからして。
 
 ただまあ、色々試してみたあげく、なんか「複数ブラウザの運用」に慣れ親しんじゃうってのも問題かな。最近は私自身もバージョン情報がワケわかんなくなってきている(β版を愛用しているので、実は自動アップデートするとは限らないから)くらいで。今現在もLunascapeが5.1.2(正式版らしい)に、Operaが10.00のβ2にアップデート。そーいや最近Google Chromeのバージョンチェックサボってるなあ…

7月17日2009/07/17 22:02

 IEは8.0で、Firefoxは3.5.1、Safariは4.0.2、Lunascapeは5.1.2、Operaは10.00のβ2、Google Chromeは3.0.193.1(β版)、Sleipnirは2.8.5、IE Testerが0.3.3…多分これが「最新バージョン」だと思う。流石にバージョン管理が面倒になってきた…
 
 本日の話題は、先日私が「PSP携帯」を語った記事へのコメントに対する返信を。文中に「苦しい時期にも『コアな信者は何を欲しているのか』を決して忘れなかった任天堂やAppleを見習った方が良くない?」と書いたところ、sin殿から「これ、ウォーゲームメーカーにも見習ってほしいです。」というコメントが寄せられたので、私なりの「見解」を語ろうかと。普通にコメント欄で対応しなかったのは、当然「長くなりそうだから」です。
 
 sin殿がこのような感想を抱くに至ったのは、「初心者向けゲームの連発」が理由となっている。初心者勧誘の必要性はわかるけど、コアユーザーが置き去りにされていないか?それに、初心者向けゲームを連発したところで、需要を作り出すことにはならないのでは?という、鋭い問いかけだ。正直言おう。私も「最近ヌルいゲームの割合が増えたような…」って感触は持っていた。ぶっちゃけ、「ゲームメーカーさんよ、もっと頑張ってよ」と言いたいわけだ。
 
 しかし…話がこれだけで終わりなら、コメントで対応すればいいだけ。この問題、それだけに留まらない「この業界全体の大きな問題」があるような気がして仕方がない。そこで、あえて業界全体にケンカ売りかねないのを承知の上で、「なんでこうなってきているのか」を語ってみたい。私自身少し欝気味なので、あえて「すげーシニカル」な内容にする予定なので、ある程度覚悟してお読み下さい。
 
 何故初心者向けゲームが増えたように感じるのか?まず考えられるのが、デザイナーの限界。たとえばGJ。あそこの付録ゲームは「自社スタッフ製造か、投稿作品」である。これでは、広い意味でのデザイナー(デヴェロッパーなどを含む)の数・動くカネなどを考えれば、「ハードなゲーム連発」なんて期待しにくい。「シックスアングルズ」はかなり頑張っているけど、刊行は不定期、おまけに旧作リメイク中心。「デザイナーサイドの限界」を考えると、両者ともむしろ「苦しい中で頑張っている」と言わざるを得ない。この問題は、少なくとも一部はCMJやサンセットゲームズにも当てはまる。私がもっとキリキリ仕事すれば、「武田騎馬軍団」再販がちっとは早まるような気もするんだけど…
 
 もう1つ重要なのが、海外メーカーの存在。よ~く考えて欲しい。この業界の中堅以上であれば、当人もしくは周囲の人が「海外メーカーから直接ゲームを買って、和訳ルールを手配する」ってな行動が可能である。つまり、「ハードなゲーム」がどうこうって部分になると海外メーカーが「立派な商売敵」になるし、逆に言えば「そういう層の相手は海外にお任せ」することができる。しかし、初心者・初級者にこんな行動はまるで期待できない。それゆえ、国内メーカーとしては初心者を放置しにくい。
 
 余談だけど、この部分は私が「最近の週刊少年誌はつまらん」と公言している人間にまるで同情しない事情と似ている部分がある。週刊少年誌は「どちらかと言えば子供向け」である以上、人間的成長に従って物足りなく感じるモノがあっても不思議じゃない。それを嘆くヒマがあるなら、「面白いマンガ」探せばいいだけの話でしょ?そーゆーモノがないって言うなら同情する。けど、この私でさえ「目を通せない雑誌が多くて困る」と嘆いているくらいなのだ。必要なら、別のところで面白いマンガを探せばイイだけの話だ。
 
 とまあ、この辺までなら別に「業界にケンカ売っている」話じゃない。それに、こーゆー事情はsin殿もある程度わかっていると思われる。にもかかわらず…と言いたい気持ちは私にもわかる。わかるけど…もう1つ、あんまり語りたくなかった「最近初心者用ゲームが増えたように感じる事情」があるような気がするんだよね。
 
 その事情とは、ズバリ「コアユーザーの、広い意味での老化」である。確かに、「最近ルールを忘れちゃって困る」だの「老眼で細かい文字が読みにくい」などという、「肉体的老化」に悩まされている方はまだ少数派だと思われる。けど、ここで言う「老化」はそれに留まらない。「仕事が忙しくなった」「家族サービスの必要性が増えた」などという「社会的要因」も、これに含まれる。ついでに言えば、「斬新な手法のモノは覚えることが多すぎてやる気にならない」といった「精神的老化」も含めて良いと思われる。
 
 こういった「老化した」ユーザーが好むゲームとは?ややこしいルールより覚えやすい簡単なルール、短いプレイ時間、わかりやすい展開…といったところか。これのどこが「初心者向けゲーム」と違うというのだ。理屈から言えば、コアユーザーが「広い意味で老化」してゆけば、結局は「初心者向け」と思われているようなゲームが売れ筋になってくるはずだ。正直言って、特に「精神的老化」が著しい人間ほど、こういう傾向が強くなるような気がする。
 
 こういう「老化」は、ものすご~く個人差が激しい。それゆえ、「オレはまだまだ元気」だという方が「最近ヌルいぞ!」と感じるのは当然だろう。けど、周囲はどうか?ヘビーなゲームに対し、「口ではやるやる言っていながら、実行する段になると尻込みする」人間が増えたと感じないだろうか。もちろん、自分含めて。ただ、私は「色んな意味で未だケツの青いコゾー」なので、程度問題としては相当軽いけど。
 
 いや…もっと率直になろう。私も立派に「老化」している。社会的なモノは極めて軽い(それでも、色々ある)し、血糖値・血圧・肝機能はマトモなので肉体的なモノも軽め(でも徹夜は厳しくなった)だけど、精神的老化は確実に深刻化しつつある。新しいことに取り組む意欲が減退したし、ちょっと複雑なゲームは「面倒だな」と感じるようになった。今のゲーム界に対して「ヌルい初心者向けが増えてないか?」と感じることは感じるけど、いざメーカーが「歯ごたえのある」ゲームを連発してきた場合、対応できない自分を発見する可能性の方が高い。
 
 私が例に出した「任天堂やAppleのコアユーザー」と、「シミュレーションゲームのコアユーザー」の違いはここにある。任天堂を例にしよう。コアな「任天堂フリーク」なる存在は、「スーファミブーム終焉」から「Wii発売直前」まで存在し続けていた。けど、それを構成していたメンツは大きく異なっているはずだ。「その間もずっと、任天堂のゲーム好きでした」って奴もいることはいるけど、少なからぬ数の人間が「ゲームは卒業」し、同じく少なからぬ数の人間が「任天堂ゲームに魅せられて加入した」結果としてこういう層が形成され続けたのは間違いない。「誰と誰が」が変化し続けた結果として、「どんな人間が」って部分が変化しにくかったのだと言ってもいい。
 
 これに対し、ウォーゲーマーは「誰と誰が」って部分の変化に乏しい。新規参入者が皆無に近く、「1年ごとに平均年齢が1上昇する」って集団だからなあ。こういう世界では、「脂の乗った」ユーザーが減少してゆくのを食い止められない。他の世界であれば、「老化した」人間がセミリタイアしてゆく中、「3年前は新参者でした」って連中が成長してその穴を埋める。けど、この業界はそうなってない。
 
 何でこうなっちゃったのか?まあ、一番の理由は「初心者が参入しなかった」だろうけど、もう1つ「初心者のステップアップ」もサボっていたからとなるかもね。初心者用のゲームうんぬんって話は結構聞くけど、「そうやって取り込んだ初心者を、いかにステップアップさせるか」って部分に関する話はほとんど聞いたことがないからねえ。あえて言うなら、今現在声高に「初心者対策」を主張する人間(実は私も含む)の全てに、この視点が欠けてる…とまで言わないけど、弱い気がするね。
 
 人間、どうしたって自分中心に物事を考える。その上「昨日と今日の違い」には鈍感なのが当然だから、こういう「変化」を察するのは難しい。私も、今までぼんやりと感じてはいたけど、「何でヌルいゲームが増えたのか」を真剣に考えてこなかった。sin殿の指摘をキッカケに色々考えてゆくうちに、「少なくとも理論上はこうなるんじゃなかろーか」と思い至った次第である。
 
 これはどう考えても「悪い流れ」である。ではどうすれば良いのか?これは今のところ答えようがない。確かに「今まで色々サボってきたツケ」と誰か(自分自身含む)を非難したり、「時の流れには逆らえない、祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と無常観に浸って諦めたり…といった、「対策になってないコト」はわかる。でも、「今何が出来るのか、何をすべきなのか」は、私個人でどうこうって領域じゃないでしょ。今現在この業界を形成している皆で考え、皆で答えを出すべきだ。
 
 そういう問題である以上、国内のゲームメーカーが「この問題にどう取り組み、どんな答えを出してゆくのか」は重要なはずだ。そういう意味では、ここでぐるっと話が回って「ゲームメーカーさんよ、もっと頑張ってくれなきゃ困るんですけど」となるわけだ。思いっきり他人事じゃないんだけどね。私はどう考えても「平均的ゲーマーよりは、多少メーカー寄りの立場」の人間のはずだからして。いや、だから「武田騎馬軍団」再版関連作業については、やる気は色々あるんですけど、こちらにも都合ってものがありまして…

7月18日2009/07/19 01:19

 米国の話だけど、面白いサービス(こちら参照)見つけたので紹介しようかと。日本でもこーゆーサービスが成り立つかどうかはビミョーだけど、検討はしてみていいんじゃないでしょうか。
 
 コミケ関連は後日。カタログ入手したばかりで「消化」できるようなネタじゃないでしょ。タイヘンなんだから。
 
 Firefox3.6がダウンロードできるようになっているらしい。でも、α版ですらないような感じ。流石に怖いので、もうしばらくは「待ち」だな。今現在「IEに次いで冒険したくないブラウザ」だし。
 
 本日は夏バテ&コミケカタログチェックによりここまで。すいませんね、小幅な更新で。

7月21日2009/07/21 23:38

 衆院解散。コレに伴い、児ポ法改正案が廃案扱いに。とりあえずは「最悪の事態」は避けられたようだ。ただまあ、いずれ蒸し返される話題なのは間違いないので、引き続き注意が必要ですね。とりあえず、トンデモネー提案をした議員は反省するか落選して欲しい。
 
 本日の話題は、久々に競馬。夏バテで延び延びになってしまったけど、今期のPOGで私に初勝利をもたらしてくれたカリビアンペガサス号と、その父Fusaichi Pegasus、そして私が勝手に「Fusaichi Pegasusの代表産駒」扱いしているFloral Pagasusについてちょろっと語ってみようかと。
 
 Fusaichi Pagasusってのは外国の馬である。米国で今も種牡馬やっているはずだ。カリビアンペガサスの父がコレなのは、外国から買ってきた馬だからである。いわゆるマル外だ。最近影が薄いけど、相変わらず輸入されてソコソコ活躍はしている。
 
 私がカリビアンペガサスを指名したのは、つまるところ「Fusaichi Pegasus産駒だから」に尽きる。私の中では評価高いので。本当はゴッソリ指名できる予定だったんだけど、何故か何頭か「先に指名」されてしまった。この馬の産駒を評価している奴なんて他にいないと油断していただけに、ちょっと悔しい。
 
 何故私はFusaichi Pegasus産駒を評価しているのか?Floral Pegasusという「いい馬」の親父だからだ。当たればあれぐらい走るとすれば、積極的に指名する価値がある。これ自体はごくありがちな理由ではないかな。ちなみにFusaichi Pegasusの現役時代については「知識として知ってはいるけど、特別感心した覚えはない」という程度に留まる。
 
 ありがちじゃないのは、Floral Pegasusが日本馬でも欧米の馬でもなく、香港馬ってコトか。いくら同じ極東とはいえ、香港の馬場と日本の馬場はそれなりに違いがある。香港で強いからって日本で強いとは限らない。けどまあ、私は「香港で強い馬は日本でもある程度走る」と思っているし、香港馬の過去の実績はそれをある程度裏付けている。個人的には、そこまで的外れではないと思っているんだけどなあ。
 
 Floral Pegasusは香港馬の中では出世した部類に属するので、私が「注目」しているのはさほど不思議な話じゃない。とはいえ、私が初めてこの馬に注目したのは、まだあまり名前が売れていない時代の話。香港競馬の「1班時代」だから、日本で言えば「1勝している2~3歳馬」ってクラスかな。この時点で強い勝ち方したので、「コイツ走るな。いずれ出世するに違いない」と判断したのだ。
 
 日本にも「香港競馬フリーク」が増えてきた昨今ではあるけど、流石に「出世しそうな香港馬を本気で探す」奴は流石にそう多くないと思われる。私はコレをやる。それがFairy King Prawnが香港スプリント勝ったのを目撃した時点で「左回りさえこなすなら、安田記念で勝負できる馬」と決めつけたって実績を持つ私の「習性」だ。
 
 Floral Pegasusは一口に言って「ゴツい馬」だった。なんつーか…「芝よりもダート向きじゃね?」って感じるくらい、ゴツかった。血統見たら親父がFusaichi Pegasus。米国のダート馬。「これで香港の芝をこなすのかぁ?」と感じたことを思い出す。でも、結果は圧勝。ゴツい体に似合わぬ軽快な動きに「コイツ走るな」と感じた。だから、今の私のPCはこの馬の名前が付けられている。
 
 しかし、とりあえず今のところ、「日本で大きな実績を残したFusaichi Pegasus産駒」はいない。最近外国産馬や持ち込み馬は影が薄いことだし。そこでまあ、「他に指名する奴なんているわきゃない」と決めつけていたんだけど…どうも読みが甘かったようだ。馬体がどうとか牧場での評判がこうとかって話になれば指名に踏み切る理由になるのだから、油断しちゃいけなかったんだけどねえ。
 
 カリビアンペガサスが勝った新馬戦は相手も結構強く、「流石にいきなり勝利は難しいかな?」と思っていたんだけど、何を考えたのかしっかり勝ちやがった。正直、意外と言えば意外だ。指名順位も低く、「コンスタントに使ってコンスタントに稼いでくれれば御の字」って馬だったのに。Floral Pegasusを「パドックの時点では正直ソコまで評価してなかった」のと似ているって言えば似ている。まだこの先のことはわからないけど、少なくとも中アタリの馬を獲得できたんでないかなあ。今後に期待したいですね。
 
 しかしだねえ。何で私は「沙田で仕入れた知識を日本競馬に応用」することにより実績を出しているんだ?しかも馬券ならまだしも、POGで。そもそも「そんなコト試みているんじゃねーよ!」ってのはあるんだけど、まさか本当に結果が出るとはね。色んな意味で「間違った」競馬ライフを送っていると思う。でもまあ、それが「沙田はオレの貯金箱」と豪語する(そう言うだけの実績はあると思う)私に相応しいと言えば相応しいんだけど。
 
 何はともあれ、カリビアンペガサス号には頑張ってもらいたい。比較的牝馬と相性が悪い私にとって、シーキングザパール以来空白だった「相性が良い牝馬」の座に納まってくれる可能性がある。まあ、まだ1勝しただけなので「この先も期待できる」とは限らないわけだけど。とりあえず次走は頑張ってもらいたい。そこも勝てるようなら「ホンモノ」だと思う。現時点でどーなるのかはわからんけど。
 
 しかしだなあ。今年は「思い切って指名基準変えてみた」にもかかわらず、最初の勝利は「いつもの指名基準で選んだ馬」とはね。こういう馬は結局重賞勝てない(何故か勝てない。オープンはそれなりに勝っているのに)と相場が決まっているんだけど、この馬はどうかねえ。カリビアンペガサスが「オープン勝つのに、重賞勝てない」馬になっちゃった場合、私の呪いってコトになるんだろうか。それは色んな意味でカンベンしてもらいたいんだけどなあ…

7月22日2009/07/22 23:50

 前半戦最後の試合は勝利!今年のスワローズはいい感じだねえ。ただ、何故こうも勝てるのかはよくわからん。色々ボロボロだってのに。
 
 まあ、強いて理由を探すとするなら、勝ちパターン時のリリーフがイイからでしょ。筆頭は何と言っても林昌勇。昨年も凄かったけど、今期は更に凄い。こういう「信頼できるクローザー」がいるってのは本当に有り難いです。
 
 この林昌勇、基本2年契約だったので「来期はドコへ?」って話が流れていた。一応契約では「3年目の契約は球団が選択権を持つ」となっていたようだけど、外国人選手の契約なんて信用できないからなあ。私も気をもんでいたんだけど、来期も残留が決定。有り難い話です。
 
 彼が残ってくれるかどうかは、正直すご~く不安だった。カネで勝負されたら、メジャーどころか国内某球団にも絶対勝てないわけで。スワローズは選手の性格を重視する傾向があり、「仮に出て行くとしても、一定の筋は通す」選手が多い。よって普通ならそういう行動を期待できるんだけど、林昌勇はそーゆー選手かどうか、自信はなかった。
 
 ちょっと前に出た雑誌(ナンバーだったかな?)によると、昔の林昌勇は相当「ワガママ」な選手だったようだ。実績はあるけど、態度もデカい選手だったようで。何でも、韓国球界時代に何度か「年俸トラブル」やらかしていたそうな。
 
 ハッキリ言おう。普通に考えたら、スワローズって球団はこういう選手を嫌う。それがチームの伝統なんだよ。かなり払拭されてきたとはいえ、「お気楽仲良し集団」だった時代が長いわけで。まあ、私はこーゆー雰囲気のチームだからこそ、このチームを応援しているワケではあるんだけど。
 
 そんな選手を何で獲得したのか?一番の要因は「スカウトが感心したから」だそうな。あれは絶対通用すると。ただ、そーゆー選手なんて世界中を探せば山ほどいる。いくら球団が「欲しいなあ」と思っても、年俸だ契約だといった理由で獲得できない選手は山ほどいる。それでも獲得できたのは、やはり故障があったからだろうね。
 
 林昌勇は来日前、右肩だったか何かに故障があった。正直、「ロクに投げられなくても文句は言えない」状態だったのだ。私も当時「投げられるのか?」と思ったもの。ただ、スワローズって球団は「選手の故障回復をじっくり待つ」ことに関しては定評があってだねえ。ファンの私も「じっくり待つ」ことは慣れている。なにせ今でも石井弘の回復を信じているのだからして。
 
 林昌勇が残留を決意してくれたのは、やはり「球団の姿勢」が大きいと思う。他が「故障持ちだ」ってんでソッポ向く中で「基本年俸は安いけど、2年までは回復待ちます」と言ってくれたというのは、やはり有り難かったんじゃないかと。良くも悪くも、「基本的には良くなると信じて待つ」のが基本スタイルの球団だからなあ。今期頑張っているガイエルだって、他の球団ならクビになっても不思議はなかったと思うし、デントナだって故障上がりだもの。そーゆー球団なんだよ。
 
 余談だけど、これが「失敗」したのが今年のゴンザレスかな。当然ヒジおかしくなる前から知っている選手だけど、ああも化けるとは…「冷たい」球団なら去年のオフを待たずしてとっとと放り出しただろうから、ジャイが拾う可能性も低かったはずなんだけど。まあ、同じリーグだけに色々複雑ではあるけど、彼の活躍はちょっと嬉しかったりするのも事実かな。
 
 私はスワローズのファンを長く続けてきた関係上、「選手が故障に苦しんでいる時期に、復活を信じて待ち続ける」ことに慣れている。つーか、コレが出来ないとスワローズのファンはオススメできません(苦笑)。林昌勇に関しても、「故障回復すればやってくれそうな実績だから、我慢してみますか」と気楽に構えていました。それだけに、去年クローザーとして文句なしの実績を残してくれたのは、本当に有り難かった。
 
 今期に関しては、開幕直前は不安持ってました。だって…体はともかく、精神面が大丈夫なのかは気にする方がフツーでしょ。日本代表を応援していた私でさえ、DVDの宣伝で「イチローのあの一打」のシーンが流れるたび、今でも心がチクチクするぐらいだ。チームの守護神が打たれるシーンってのは、やはり辛いからなあ。韓国代表のユニフォーム着ていてもだ。
 
 ところが、蓋を開けてみればあの活躍っぷり。元々の実力だけじゃなく、あの対決で得たモノは大きかったってことかねえ。言われてみれば、「あれよりシビれる勝負」なんて考えにくいからね。そう考えると、あの場面でイチロー相手に真っ向勝負を選んでくれたのは、スワローズファンとしてみると「ものすごく有り難かった」ってことになるのかな。
 
 もっとも、韓国では今でも「あそこで勝負するとは何事だ」なんて論調がまかり通っているんだとか。そりゃあ結果がアレなだけに、文句を言いたい気持ちはわかる。けどなあ。私は「そりゃあ違うだろ!」と言いたい。監督や捕手が何ヌカそうとも、マウンドにいる「守護神」が勝負と決めたら勝負だろ!それで打たれたら悶絶モノだけど、それを「仕方ない、他に手はない」と割り切らせるのが守護神ってモノだし、そう思って悔しさに耐えるのがファンってモノじゃねーのか。私はそれを高津全盛期に叩き込まれているので、余計そう思いますね。
 
 そーやって考えてゆくと、実は林昌勇にとってスワローズって球団は「働きやすい」場所なのでは。故障回復は比較的気長に待つし、クローザーって地位に就けば絶対の信頼を寄せる…ってのが「ファンの気質」だからして。なんか色々騒がれた割にあっさり契約更新を発表した背景には、そーゆー事情があったかも知れない。再来年以降はまた別の話としても、少なくとも「後足で砂かける」ような真似はしないよと。
 
 こういう球団の姿勢は、必ずしもいいことばかりじゃない。それはよーく知っている。けど、それを承知の上で私はこの球団のファンやっているんだから、仕方ない。「惚れる」ってのは、そーゆーことじゃないのかね?欠点があるのを承知の上で、ソコも含めて「好きなんだから、仕方がない」と言い切ってこそのファンってものでしょーが。
 
 とりあえず、林昌勇の来期契約については、チームカラーというか何と言うかがプラスに働いたのだと思いたい。うんうん、ファンとしては有り難い話だ。まだ「五十嵐はどーするつもりだ」って問題があるから、来期のことは気になるけどね。とりあえず今期はまだ半分強を過ぎただけなので、せめて現状死守、できれば逆転優勝を…今の戦力じゃ苦しい気はする(青木がアノ打率じゃなあ)けど、それでもチームを信じるのがファンの仕事だからね。しかし、何故あの戦力であんないい順位にいるんだ?飯が美味いからいいんだけどさあ…

7月24日2009/07/25 00:25

 わはははは、久々に大笑いしてしまった。いるんだろなとは思っていたけど、改めて目にすると笑ってしまいますね。つーわけで、今回の話題は「同人誌で儲ける方法」について。アレが儲かると思っている奴がいるとはね。
 
 同人誌とは、要は「自費出版」の一種である。自分で本を作り、まあ普通は印刷所に持ち込み、自分で売るってのが基本。このうち、「目に見える経費」として一番重要なのは印刷代だ。そのため、時々「ちょっと印刷に関わりました」って人間が、「1冊あたりの単価がコレなら、ボロ儲けじゃね?」と思うことがある。まあ、こーゆー奴は大抵同人誌即売会に足を踏み入れたこともない奴だけど。
 
 印刷経費ってのは、確かに思ったよりは高くない…大量に刷れば。コンビニのコピーなどと異なり、印刷ってのは「部数にかかわらず、ほぼ固定で発生する経費」が高いので、理論上は大量に刷れば刷るほど単価が安くなる。1,000部ほど刷ればかなり割安感が出ると思う。「同人誌って儲かる」と思っている奴は大抵が「企業絡みの印刷物発注」からそんな判断を下しているので、「これぐらい売れるだろ」などと考える。
 
 現実はどうか?同人誌印刷に手慣れている印刷所が「基本」として勧めてくる部数は、おそらく100部。少部数向きのオンデマンド印刷でも30部からかなあ。こんな少部数だと単価は高くなるけど、だからって「不良在庫」抱えまくるよりはマシだ。この程度の部数だと、印刷単価は300~800円程度が「1つの目安」かな。本のサイズ・頁数・カラーの有無や割合などによって大きく変化するけど。
 
 仮に100部刷って印刷単価が400円だとしよう。これだと…B5、表紙・裏表紙カラー、本文48頁いけるかなあ。ちなみに、私の知っている印刷社だとオンデマンド印刷で36頁が限界だった。料金以外の色んなトコロ(〆切とか仕上がりとか搬入手段とか)に妥協できるのなら、何とか達成できる数値ではないかと。なお、本気で同人誌作る奴は大抵「色んなトコロ」の方が基本料金よりも大事だと感じるはずだけどね。「〆切1日遅らせてくれるのなら、印刷代1万オーバーなんて余裕!」ってのがフツーなので(苦笑)。
 
 ちなみに、頁数を減らすと単価は節約できる。けど、これまた「薄さに比例して単価が減る」なんてことはない。厚い方が強気の値段付けやすいことを考えれば、あんまりペラペラなものは作りにくいでしょ。ただ、原稿制作の手間を考えれば「可能な限り薄くしたくなる」と思うけど(苦笑)。
 
 100部刷って印刷単価が400円。これを500円で売るとしよう。表紙のみカラーの同人誌じゃ、500円が相場ってトコロだし。これで全部売れると1万円の儲け。ここから即売会の参加費だの交通費だの何だかんだを引いてゆけば…まあ、赤字だわな。しかもこれ、「全部売れたと仮定して」の話だ。売れ残りが出れば、それだけ赤字幅が拡大する。「平均的な」同人誌サークルの経営感覚?なんて、こんなものよ。
 
 もっと刷って売れば…なんて考えていないだろうな?言っておくけど、100部売るのはすご~く大変だよ?コミケだと開催時間は6時間。この間に100部売るとしたら、平均3分36秒に1冊売る計算になる。最近のコミケは閉館間際はかなり閑散とする(その分売り上げも落ちる)ので、もっと厳しい数字を想定する必要があるだろうね。「5分に1冊」じゃ間に合わないのだ。ごくごく一部のベストセラーを除き、都内の巨大書店でさえ「この本は5分に1冊売れてます」なんて本はないと思われる。そうだなあ、「IQ84」なら、都内の大型書店で達成できたんじゃない?「売ってる場所が腐るほどある」一般書物と一緒にされちゃ困る。
 
 しかも、同人誌ってのは結構陳腐化が速い。普通は「瞬間風速」上げるため、「最初に売り出した時点でウケてるネタ」を扱うことが多いので。かな~り普遍的なネタ扱ったとしても、1年もすれば「内容が古いなあ…」などと言われても文句は言えない。長くコツコツ売れるモノを作るのがどれだけタイヘンなのかは、「やってみれば即わかる」ことだ。
 
 単価を1,000円にすればいい?確かに最近は「表紙だけカラーで頁数ペラペラなのにこの値段」って同人誌も増えた。けど、この値段はハッキリ言って「割安感」が出ない。少なくとも「試しに買ってみるか」で買う奴が露骨に減る金額だと思う。これはチャンと理由がある。いわゆる「売れ筋」の同人誌であっても、おおむねこの値段だからだ。過去の経緯とかオツリの有無といった理由により、同人誌即売会では「単品で千円を越えるモノ」はかなり高いモノってイメージが出ちゃうのだ。更に言うなら、600円とか800円とかいう半端な値段は、「オツリがうぜえ」って理由から売り上げが落ちるとも言われている。
 
 確かに、いわゆる「大手同人誌」の販売冊数はこんなモノじゃない。1万部ってトコロもチラホラあるって話だし。こーゆーサークルは確かに相当儲かっているとは思う。でも…正直言って、「名の知れた週刊雑誌で、ソコソコの人気がある作品描いている漫画家」の作品でさえ、非エロだと普通はそんなに売れない。アニメ化すれば大化けもあり得るかな。大手サークルってのは本当の意味で「怪物」レベルであり、なんつーか…並大抵の努力で何とかなるような世界じゃない。それこそ「人生賭ける」必要が出てくる。
 
 印刷費用から計算して「同人誌はボロ儲けだ」などとヌカしている奴は、要は「それだけの数を買ってもらう」のがどれほどタイヘンなのか、理解できてないのだ。100部ってのは「コミケでは弱気な数字」だと思うけど、それでもド新人だったら達成するのはタイヘンな数字だ。ジャンルによっては「ベラボーな強気、まず達成できない」って数字だし。収支トントン、もしくはちょっと黒字って言えるのは「200部売れる」サークルからってのが目安であり、これだけ売るのは「売れ筋」と推測されるエロ系でも楽じゃない。
 
 確かにコミケには1開催あたり50万人近くの人間がやってくる。けど、その「お目当ての品」はものすご~く分散している。その中で「売れ筋」に入るのがどれだけ難しいかは…そうだなあ、従業員千人規模の会社の社長になる方よりよっぽど難しいと思うけど。要は「一番上の目立つ部分」だけ見て物事考えているから「ボロ儲け」なんて発想が出てくるだけ。底辺はすごくタイヘンだし、誰だって最初は底辺から始める必要がある。
 
 なお、各種データによると、コミケで「確定申告が必要」な20万以上の黒字があったと予想されるサークルは、全体の5%程度だとか。これは「実際申告した数」から割り出した数字じゃないので、脱税云々とは無関係。アナタ、3万5千サークル(去年の冬コミの参加サークル数)の上位5%に入り込むのが簡単だとでも?しかも、残り95%の半分くらいは実質赤字だろう。それでも同人誌作っているのは、「それが好きだから」である。どう考えても「儲かるから」ではない。
 
 最近は一部書店で同人誌扱うようになったし、同人誌即売会の数も増えた。そのため、上手くやればソコソコの儲けを出せるとは思う。ただ、そのためにはとにかく「売れる本」を作らなければならない。結局はココに落ち着く。同人誌で儲ける方法とは、要は「売れる本を作る」だ。そのための手法はいくつか考えられるけど、どれも「マトモな手法」とは言い難い。ちょっとヲタク文化に知識があり、ちょっと絵が上手い…ってだけの人間がたどり着けるような領域だと思うなよ。それこそ「人生の大切な部分を、なんかヤバいトコロに売り飛ばして」やっと達成できる。しかも、そうまでしたからって「必ず」売れる物を作れるワケじゃねえ。
 
 私が自前の同人誌作っていたのは相当前の話なので、「同人誌の経済論」も多少は変化していると思われる。けど、基本はこんな感じのはずだ。ちょっとエロいネーチャンの絵が描けるってだけでボロ儲けできるなんて、コミケの客を甘く見ているとしか言いようがない。現実はもっとシビアだ。コミケはたまに戦場にたとえられるけど、それも当然と思うほど「売り手にとっても買い手にとっても過酷な場所」なんですよ。
 
 なお、本気で「同人で金儲けしたい」と考えるのなら、むしろ立体系(フィギュアやドール。要は「お人形」)の方が手っ取り早いかも。どう考えても大量生産できないけど、その分利益率を高く取りやすいので。コミケよりワンフェス(ワンダーフェスティバル。立体モノの祭典)の方が儲かるってコトだ。ただ、「競争時代が到来したので、フィギュアでボロ儲けできた時代はもう終わった」って説が流れているんだけどね。言うまでもないことだけど、「売れる同人フィギュアを作る」ことは、「売れる同人誌を作る」より更にタイヘンだ。
 
 そーゆーわけで、「マトモな」人生送りたいのなら、同人誌で儲けようとは考えないことです。同人誌で儲けるコツ、それは「人生を思いっきり踏み外す」ですから。しかも、そこまでやっても必ず儲かるとは限りません。色々覚悟して下さい。つーか、何でこんな「基本のキ」も知らないような奴が同人誌語っているのやら。それだけ同人誌が身近になったってことなんだろうな。外から見てどうこう言ってる分には、何だって簡単に見える(実際がどうかについては言うに及ばず)ってことがわかんないのかねえ。
 
 なお、「ブラックな手法を使って同人誌で儲ける」方法が「以下略」ってマンガ(平野耕太/ソフトバンククリエイティブ)で提唱されています。コレを実行したがっている奴がいるのは確実なので、そーゆー勢力と戦うこともヲタクには必要ですね。ちなみに具体的にどんな手法なのかは、このマンガ読んで自分で調べて下さい。ものすごく読み手を選ぶマンガだったりするけど。
 
 ちなみに、私は一応自作同人誌を作る野望を捨ててはいません。捨ててないだけで、実現する可能性は低いけど。「文字だけ同人誌」がどれだけキツいのかは、私の買う同人誌の8割程度がそーゆー品(それが私の趣味だ)だけに、よく知ってます。売れないのは承知の上で作って売りたいんだけど、やっぱそれだけでもタイヘンなんだよな。ましてや儲けようだなんて考えたら…

7月25日2009/07/25 23:07

 「しゅみのしみゅれーしょんげーむ」というブログの中で、プロデザイナーから「誰がプレイしても同じになる選択肢は排除しましょう。」「失敗するとゲームが崩壊するオプションは排除しましょう。」ってなアドバイスが寄せられた…という話があった。うんうん、わかる。わかるけど…個人的見解としては「取り扱い要注意」って性質のアドバイスかなと思ったので、ここで長々語ってみようかと。
 
 「誰がプレイしても同じになる選択肢は排除しましょう。」ってのは、要は「選択の余地がないのなら、選択肢でなく必然にしてあげた方が親切だ。」ってことだと思われる。片方が選択されないのであれば、「選択肢」である必然性が薄い。にもかかわらず、そこに選択の余地がある以上、ある程度は「この道を選ぶとどうなるのか」検討する必要がある。これは「結果としては無駄な思考」だ。こういうものは、可能な限り排除してあげた方がプレイヤーにとって親切である。特に初心者にとっては。
 
 ただ…実際問題として考えてゆくと、「とにかく削り落としてしまえばいい」って話にはならないと思われる。理由その1は「結構プレイヤーの自由度を奪いかねないから」かな。一見冗長な選択肢に見えても、実は「それがあるからこそ、多彩な作戦を展開できる」ってモノは多いので。両立不能とは言わないけど、「やりすぎ」の可能性は(プレイヤーやデザイナー予備軍が思っているより)高いと思われるので。たとえとしては「日露戦争」(EP/CMJ)のセットアップ。作戦研究が進んだ今では、大半の人間が「全部1カ所にスタックさせて終わり」ってセットアップを選ぶと思うけど、「騎兵1部隊だけアサッテの方向に置いて、確実に逃がす」って手段を採用する人間もわずかながら残っている。改訂版を作る際にはこの点に注意が必要でしょ。もっとも、あのゲームを改訂しよう(ルール明確化は除く)なんて奴はいないと思うけどね。
 
 もう1つの問題は、「儀式として意味がある場合」かな。たとえばだ。私が原稿書いた「ヒトラー電撃戦」のポーランド戦。ハッキリ言って、これ自体に選択の余地はあまりない。「誰がプレイしても同じになる選択肢」として削除してもいいくらいだ。ただ、流石にそれは寂しいと思われる。先の長いゲームのオープニングセレモニーとして考えるなら、こーゆーものがあっても「害は小さく、益は大きい」だろう。なお、「ヒト電」におけるこの戦いは、「選択肢」としての意味は限りなく薄いけど、逆にそれがゆえに「戦術会得のチュートリアル」として便利な存在であり、私が喜んで長々と記事にしたって話もある。
 
 ついでに言うなら、第二次欧州大戦モノのポーランド戦は、「それ自体は選択肢とは言い難いけど、付随するモノに重要な選択肢が含まれている」戦いでもある。どーゆーことかって?確かにポーランド戦そのものは「独軍が速やかに勝つ」戦いであり、選択もへったくれもない。でも、「その裏で連合軍が何をするのか」とか、「ポーランド占領後の独軍の動き」ってな部分になると、選択の余地が出てくる。「ヒト電」の場合、第1ターンの連合軍が何をするのかは地味に重要であり、「ノルウェイに手を出す」「英の大陸派遣軍を増強する/引き抜く」「特別動かない」「独に逆侵攻する」などといった選択肢がある。これらはポーランド戦を省略しても選択させることが出来るけど、中途半端な形で盛り込むよりは「独に選択肢とは言い難いポーランド戦をやらせ、その裏で連合軍に選択肢を選ばせる」って形にした方が、かえってわかりやすいと思われる。
 
 「失敗するとゲームが崩壊する選択肢は、排除しましょう。」ってのは、上記とほぼ同義語である。要は「失敗するとゲームが壊れるので、結果として誰がプレイしても同じ選択をする→だったら排除する」って方向に誘導することになるわけで。発見するための方向が違うだけで、排除する理由は同じと見なして良さそうだ。なお、たま~に「成功するとゲームが崩壊する選択肢」なるものがあったりするけど、コレも本来ならば排除すべきだろうね。
 
 ただ…実はコチラの場合、より排除が難しいと思われる。理由は簡単。「ゲームを崩壊させる選択肢だけ」排除することが難しい場合があるからだ。たとえばだ。どこぞの包囲している要塞都市のことを考えてみる。ここにいきなり強襲をかけると、失敗したらゲームが終わっちゃうとする。ただ、だからって強襲を禁止して良いとはならないでしょ。ルールにもよるけど、「包囲継続していればそのうち弱る」コトもあり得るのだから、その時点で攻撃すれば、失敗してもゲームが壊れるほどではないかもしれない。この辺のバランス調整?は決して楽じゃない。実のところ、「どんな確率でどの程度の部隊が吹っ飛んだら、ゲームが壊れたと見なすのか」は、プレイヤーの個性によってかなり差があると思われるし。
 
 この話を読んで真っ先に思い出したのは、昔読んだMacの記事。MacはUI(ユ-ザーインターフェイス。要は見た目や入力方法などの「使い方」)をデザインする際、意識的に「冗長な選択肢」を排除しているんだそうな。例としてあげられていたのが、「見ただけでは押せば開くのか、引けば開くのかわからないドア」だ。こーゆードアに「押す」「引く」という表示を付けるのが「親切設計」…ではない!押す側のドアには、引くことが出来ないよう取っ手を外してしまえばいい。そうすれば、パッと見ただけで、言葉がわからなくても「ドアを引く」馬鹿はいない。こういう思想が行き渡れば、引く側も「取っ手があるってコトは、引くんだな」とわかるようになる…ってものだ。Appleって会社の最も大きな企業価値が「洗練されたUI」にあるコトを考えれば、コレがどれだけ重要なのかわかると思う。
 
 こうやって余計な選択肢を排除すれば、「選択肢がある=どちらを選ぶかはプレイヤーの決断次第」となる。これは大抵の場合、ゲームデザイナーが「プレイヤーはこういう部分で悩んで欲しい」ってポイントと一致するだろう。これぞ典型的な「省略と誇張」って手法だ。余計な選択肢をバッサリ省略することにより、重要な選択肢を際だたせることが可能になるのだ。ゲームデザインをする上で「省略と誇張」がすごく重要だってコトは、鈴木銀一郎大佐だけでなく、こかど殿と私のタッグ(これとかこれを参照)でも指摘できることだ。
 
 かように、「余計な選択肢の排除」というのは大事である。様々な理由から「上手く取り除けない」場合が考えられるのだけど、だからってその価値は変わらない。後はこの原理原則と「取り除いてしまうとマズい理由」を天秤にかけ、どちらを重視すべきかデザイナーが決断してゆけばいい…というか、しなくちゃイケナイ。「アレもいらない、コレもいらない」といった感じで機械的に削り落とすのではなく、逆に「アレも必要、コレも必要」と盛り込むのでもなく、「何故そのような選択肢があるのか」をしっかり意識した上で、注意深く削ってゆく必要があるのだと思われる。私が冒頭で「取り扱い注意」だと言った理由がコレだ。原理原則をわきまえないで大ナタふるえばいいって話じゃないと思われる。
 
 ついでに言うなら、「余計な選択肢の排除」それ自体は良いとしても、「具体的に排除する手法」も大切だ。特別ルールで「アレしなさい、コレするな」なんて縛るのは、どう考えても良くない。それぐらいだったら「多少余計な選択肢」が残る方がマシかもしれないぐらいだ。ただまあ、「じゃあどーしろと!」って部分は、ゲームデザイン&ゲームデヴェロップ経験がロクにない私が語るべき問題じゃないと思う。デザイナー各位で悩んで下さいませ。
 
 まあ、実際ゲームをデザインした経験がある方なら、こういうコトは経験や勘によりわかっていることだと思う。ただ、このブログは「よろず評論ブログ」であり、言葉にしにくい「経験や勘」でどうこうってモノを、そーゆーモノを持たない人間に説明するため言葉に代えてゆくのが「存在価値の1つ」だからして、いちいち説明しているわけだ。「そんなことして、具体的に何の役に立つのか」なんて考えてはイケナイ。とりあえず、ある日いきなりこかど殿から「ゲームデザイン論についての原稿を添削して下さい」って趣旨のメールが送られてきても、対応しやすくなると思われる(苦笑)。そーゆー人間が増えれば、そんなメールが私に送られてくる確率は減るんじゃないかなあ…