6月18日2009/06/19 03:12

 とある事情により、ついにSleipnirってブラウザまでインストールしてしまった…7つ目ですよ。このブラウザの存在は前々から知っていたけど、要は「IE互換」に過ぎないと知っているので、だったらIEでいいじゃん!って理由により見向きもしてなかった。私は「ブラウザの機能はシンプルな方が良い」と思っている古い人間なので、「便利です!」って機能はいらん。邪魔だ。サクサク直感的に使えて、余計な機能が少なく、表示が正しくて、ある程度速ければそれでいい。実はSleipnirって、この嗜好に真っ向からケンカ売るようなブラウザだからなあ。
 
 ちなみに、Acid3表示テストの結果は「多分」6点。Peacekeeperの結果は最低。SunSpiderってベンチマークの結果もふるわず。HKJCのサイトは正しく表示するけど、これはすでにFirefoxでも対応済み。見た目・使い勝手共に「特に評価する部分ナシ」と、予想通り「いらんわこんなもの」って結果になった。どう頑張ってもIEほどの安心感を得られず、IE互換系ならLunascape(ちなみに、5.1.0ベータになった)って便利なモノがあり、正確にはブラウザじゃないけど、IETesterって「IEの表示を過去バージョン含めて再現する」ソフトまで使っている、私限定の話ではあるけど。
 
 ブラウザと言えば、私がチラ見してるIT系サイトに、街の人々(おそらくNY)に、「ブラウザとは何?」と質問したって話が出ていた。結果はほとんどの人間が「何だかよくわからない」と答えていたんだそうな。まあ、気持ちはわかる。
 
 その一方で、最近シェアをモーレツに落としているIE陣営の巻き返しも笑える。豪州では1万$が当たるキャンペーンをやってまで乗り換え促進を図っているとの話だし、欧州ではついに「Windows7ではIEをアンインストールできるようにしろ」って命令が下り、それに反発して(制作元がそーゆーコト訴えた)Operaボイコット運動があったり…いやあ、なんか必死だねって気がする。まあ、これまた言いたいコトはわかる。
 
 私は今のところ、どのブラウザでも「深刻な問題」に遭遇したことは…Safari4インストール問題くらいか?アレは「何もかも文字化けするので、ドコから手を付けて良いのかさえわからん」って状態に陥ったけど、幸い解決した。一時的クラッシュは結構体験しているけど、「アクセス不能だ」ってレベルじゃない。「表示が慢性的にヘン」も山ほど経験したけど、これまた「困ったね」ってレベルじゃない。何より、複数のブラウザをインストールしてあるので、「どーしよーもない時は別ブラウザで」ってワザが使える。もっとOSが不安定になるんじゃねえかって心配があったけど、とりあえずは大丈夫なようだ。後悔する時が来るとすれば、Vistaか7にアップグレードした時じゃないかと。
 
 ただまあ、世の中には「商売として」ブラウザの検証をやっている人間がいて、そのため色々と悪戦苦闘しているってのはわかる。IEが「ちょっとモッサリ動く」ブラウザなのは否定できないし、めでたく?Mac版がなくなったから、「IEで動作すれば文句は来ない」って時代じゃなくなりつつあるからなあ。遊びでいじっている私でさえ「バージョンアップ確認がタイヘンだ」と思っているくらいだから、商売でやっている人間は本当にタイヘンだと思う。
 
 ちなみにSleipnirをインストールした理由は、私が出入りしているサイトで不具合報告があったから。ふ~ん、面白そうだから私も試してみるか…と、インストールしてアクセスしてみたのだ。その結果、不具合は再現されず。とりあえず、ブラウザそのもののせいじゃなさそうだってコトはわかった。設定の問題かも知れないけれど、それは流石に検証しにくい。なお、私がインストールしたのは最新版(当たり前だ)なので、バージョン問題って可能性はある。
 
 こーゆー不具合の原因は?わかるかそんなもの。私のPC環境では発生しなかったってだけで、実はブラウザのせいかもしれない。OSやPCのせいかもしれないし、ネット接続環境(回線とかプロバイダとか…)のせいかもしれない。サイトの設計が怪しい可能性もゼロじゃない。サイトの設計が怪しいと「特定のブラウザでは、必ず不具合発生」となりそうなものだけど、流石に断言できるほど知識ないからなあ。
 
 ただまあ、可能性としてはプラグインかもな…って気がする。要は便利な機能を付け加えるためのモノだけど、何らかの相性問題を引き起こす可能性はあるからね。もちろん、断言は出来ないけど。デフォルトの機能は「ほぼ確実に大丈夫」だとしても、プラグインは必ずしもそのレベルとは限らないからなあ。フツーは大丈夫なんだろうけど、他は特別な疑いをかける理由が見つからない。
 
 私なら、とりあえず不具合のあるPCで別のブラウザを立ち上げてみて、それでマトモに表示するか検証してみる。よほど特殊な理由がない限り、IEは使えるはずだ。これでマトモに表示されるようなら、とりあえず接続環境やOSは無罪と思って良い。後はブラウザやプラグインのバージョン確かめて、古いようなら最新版に切り替えるとか。フツーは勝手にバージョンチェックしそうなものだけど、環境や設定次第ではやってくれないからなあ。
 
 しかし…何でまたSleipnirなんだろ。いや人には人の好みってモノがあり、そこに口出しするつもりはないけど、どちらかと言えばマイナーなブラウザだからなあ。便利と言えば便利なのかも知れないけれど、フツーは存在すら知らない(IE以外の全ブラウザに当てはまることだけど)からなあ。使う気になった理由を知りたいくらいだ。
 
 なお、ちょっと特別な理由から、私はこのブラウザのインストールを推奨しません。このブラウザ、インストール時にデフォルトで「普段使うブラウザ」に居座ろうとしたのだ。これはいけません。「知り合って三日で結婚」みたいな行為です。氏素性も性格もわからんうちから、そんな重要な地位に据えるワケないでしょーが。必要な知識がある方はともかく、「自他共に認めるPC音痴」の方は近寄らない方が無難です。
 
 とはいえ、インストールした以上はたまにテストで使用しようかなと。私はそーゆー趣味の人だからして。探してゆくうちに良い点が見つかるかも知れないし。まあ、だからって7つもブラウザをインストールしてあるPCって、どうかと思うんだけどね。

6月20日2009/06/21 00:56

 ちょっとした体調不良に陥り、予定の一部を消化できず。いけませんね。明日は復帰できるはずなので、大きな問題じゃないんだけど。
 
 本日の話題は、延期していたカレンダーネタ。最終回として、「日付部分のデザイン」を語る。あくまで私の中では重要なので、力は入る。他の方にとっては一番どーでもいい部分だけど。
 
 実は、今年私の部屋にある「2月めくり」のカレンダーで、一般的な配置のモノは存在しない。全部「ストレートタイプ」(全日付を1行で書くタイプ)である。これはたまたまと言えばたまたまだ。私は「月めくり」の方が好みなので、日付が見やすい「一般的な配置」のモノは全部月めくりにしちゃっただけの話だ。
 
 とはいえ、フツーに考えたらやはり「曜日ごとに行を変える」日付配置のモノを2つ並べるのが「2月めくりの場合、フツーの配置」でしょ。私の好みもそちらなので、このタイプを採用する。
 
 とはいえ、やはり「一度に2ヶ月分の日付が目に入る」のは、やはりちょっと五月蠅い。これを解消するため、日付部分はなるべくシンプルに仕上げるのが良い。月めくりなら「前月・来月を小さく添える」のもアリだけど、2月めくりの場合はシンプルにすべきだ。
 
 問題になるのは、行数である。普通カレンダーってのは5行必要である。けど、時々6行必要な月が出てくるんだよね。これをどーするか。フツーのカレンダーは、基本レイアウトを5行にしておき、6行必要な月は「日付の二重配置」で片付ける。コレがどーゆーコトなのかは、先月を確認すればわかるはず。24日と31日を「同じ欄に無理矢理詰め込んだ」感じになっているのが5行タイプで、31日が独立しているのが6行タイプ。
 
 一般には、壁掛けタイプの比較的大きなカレンダーには5行タイプが、卓上などの小型カレンダーには6行タイプが使われる。小型カレンダーの場合、5行タイプにすると露骨に日付が見にくくなるからね。というわけで、私が作るモノには…諸般の事情により、6行タイプを採用する。
 
 何故いちいち6行タイプ?いやね、その方が「各種記念日」を書き込みやすいから。ミリタリーカレンダーである以上、単に「たまに祝日の名前が書いてある」だけじゃ、寂しいでしょ。画のネタに合わせて選んだ記念日を書き込みたいモノだ。そう考えると、5行タイプより6行タイプの方が適切だと思う。
 
 6行タイプの場合、欠点として「普段は6行目を使用しないので、下側に間延び感が出る」ってのがある。これを解決するため、6行目は有効に使いたい。ここに日付がはみ出す場合、最大でも2日分に過ぎない。つーことは、残る5日分は事実上「空白」だ。このスペースを上手く使えば、間延び感は出ないことになる。具体的には、「ロゴマークを入れる」「月ごとの格言みたいなことを書く」って感じになるかな。
 
 悩ましいのは、「曜日名」をどう表記するか。漢字表記は地味に五月蠅いので、あえて英語表記を使うのも手。ここについては、「是非こうしたい!」ってこだわりはないので、逆に悩ましいかも。全体の見た目や画のネタによって判断するべきかな。
 
 私なりのこだわりは、やはり「週末集約タイプ」にすることかな。普通のカレンダーは日曜に始まり土曜に終わるけど、週末集約タイプってのは「月曜に始まり、日曜に終わる」って配置になる。あえて「異彩を放つ配置」にした方が買ってもらえそうな気がするし。
 
 数字のフォントは「細くてシンプル」なのが私の好み。可視性向上のため太めのモノが使われることも多いけど、2月めくりでは「見た目控えめ」を優先した方が綺麗に仕上がる気がするので。そんでもって空白部分は多めに取り、「特別な日」(祝日や記念日など)の表記は大きめとする。一般的なカレンダーより、「今日は何の日?」の確認が重要なので。
 
 ここまで概要が決まれば、後は腕の良いデザイナーに「こんな感じで」と発注すればいい。私?必要な道具がないので無理です(苦笑)。まあ、どーしてもやるってんならExcel使ってでも作るけどさ。正直、実は凝っても凝らなくても「まるで評価されない」部分なので、そーゆー「いい加減な作り方」でいいって話はあるよね。
 
 とまあ、これで語ることはオシマイ。結論だけ語るとこの程度なんだよね。私はこの部分にこだわりがあるので、この結論が出るまで結構時間がかかったわけだけど。世の中とはそーゆーモノだ。
 
 これでひととおり「どんなカレンダーが仕上がるのか」について語ってきたわけだけど、実物が完成する見込みはゼロです。私の妄想の産物なので。こだわりはあるけど、別にデザインの才能があるわけでも何でもないので、誰かが私にカレンダー制作を依頼してくるなんてコトはあり得ない。同人で作ろうかってアイデアは前々からあるんだけど、これも色々とタイヘンだからね。
 
 つーわけで、何の役にも立たない「カレンダー制作」の話はコレで終わり。役には立たないけど、私はこのネタ書いてて楽しかった。それだけでも良しとしよう。元々ココはそーゆーコト書くためのモノであり…って警告はしてあるはずなので。とはいえ、お付き合いいただき有り難うございました。カレンダー関連ネタはまたそのうちやると思うので、お楽しみに…って、誰が読むんだこんなネタ(苦笑)。

6月22日2009/06/23 00:01

 昨日はMiddle-Earth東京支部例会。私はただひたすら「武田騎馬軍団」やってました。お付き合いいただいたmiyomin殿、有り難うございました。
 
 前にも書いたと思うけど、私はこのゲームをよく知らない。遙か昔にちょろっとプレイしただけである。そのため、今回のプレイは「まずは私がどんなゲームなのか確認する」のが、最大の目的である。「ルールブックの穴を埋める」ってのは、ゲームそのものに詳しくなくても不可能じゃない(詳しい方が良いことは良いけど)けど、もはやそーゆー段階ではない。
 
 ルールの確認は時間をかけました。そもそもこのゲーム、「どんなルールでプレイされていたのか」がバラバラだって疑惑が…その昔私が再販作業に関わった「戦国大名」も「ローカルルール」の塊だった気がするけど、あれは言ってみれば「枝葉の部分」がそうなっているってだけ。「武田騎馬軍団」は、どうもゲームの根幹部分でローカルルールだらけではないかと。誰が正しいとか正しくないとかではなく、「とにかくどーゆールールでプレイしていたのか」を確認する必要があるんだよね。
 
 とりあえず今回はこんな感じのルールで…ってのをある程度確認した後、ゲームをプレイ。私は一応前回の例会で「少しだけプレイした」こともあり、戦い方は工夫してみました。つーか、工夫しないとゲームになりません。このゲーム、ものすご~く「独特の戦い方が必要」なので。
 
 独特の戦い方とは?このゲーム、移動の際に「追撃」と称してユニットが敵に「ついていって」しまう。コレを利用されてユニットをつり出されると、まさに各個撃破される。コレをある程度計算に入れてプレイしないと、お話にならないのだ。
 
 具体的にどうするかというと、まあ「予備は常に用意しておけ」となるかな。ユニットを単に一列に並べただけじゃ、うまく戦えないから。ただ、予備がいればいいってワケでもないので、あの「感覚」を掴むのは結構大変かも。私も「こんな感じなら戦えるかな?」って程度の理解に過ぎないので、偉そうなことは言えないんだけど。正直、発売当時「ワケわからん」と投げ出した奴は多かったかも知れない。今思えば、私もそうしちゃったような…
 
 まず第1戦はシナリオ1「瀬沢の合戦」を反武田方でプレイ。一応私が勝利した。でも、それは当然じゃないかと。なにせこのシナリオ、反武田方の方がユニット数が圧倒的に多い。ユニットの戦力は「ユニット引いてきて初めてわかる」システムなのでバラつきはあるんだろうけど、別に「圧倒的に武田有利」ってワケじゃない。武田方にしてみれば、「これでどーしろと!」ってレベルだと思う。
 
 そこでまあ、第2戦は陣営を入れ替え、戦い方を工夫してみた。武田方の私は思いきってユニットを集中してみたのだ。こうやって相手の戦列を食い破り…って構想はあったんだけど、コレはあっさり破綻。なにせ「主導権」が取れない。このゲーム、「主導権」って概念があり、コレがドチラにあるかで大きく話が変わってくる。主導権抜きでも戦えるけど、「受け身になっちゃう覚悟はしろ」って話だ。コレを失い続けたんじゃ、いくら何でも…仕方ないので逃げ回っていたところ、最後に「業を煮やして迂闊に近寄ってきた敵兵をちょろっと討ち取った」結果、勝利条件上は私の勝利となった。コレはかなり極端な例だと思うけど、どうも戦い方によっては武田が勝つこともあるらしい。
 
 「瀬沢の合戦」はバランスが悪い。じゃあ、もう少し遊べるシナリオを…ってんで、今度はシナリオ2「上田原の戦い」をプレイ。私は武田方。このシナリオ、ユニット数は武田方が少し多いけど、主導権を取りやすいのは反武田方。だって、相手は名将村上義清だからして。
 
 この勝負は一番「アツかった」と思う。武田方は相手の陣取る地形が悪い(そーゆーマップである)のを利用して相手を分断、優位に立つけど、敵の武将がやたら強いこともあり、アッチコッチで退却されまくり、戦意はむしろ武田方の方が下がりまくってピンチ。そのまま反武田方が逃げ切るのか、それとも武田方が数を利用して逆転するのか…って勝負となり、最後は武田方が逆転した。
 
 更にこのシナリオも陣営を変えてやってみたところ、私の「試しにやってみた博打的配置」が裏目に出て狭いところに押し込められ、うまく戦えないうちに総大将(村上義清)の首がすっ飛んで負けてしまった。ありゃまあ。まあ、こーゆーこともあるってことで。
 
 とまあ、とりあえず「武田騎馬軍団」ってゲームを楽しむことには成功した。確かにクセの強いゲームではあるけど、戦い方を工夫すればキチンと遊べるとわかった。コレは収穫だろう。でも…何と言うか、「コレで本当にいいのかよ」と思うような現象が多発した気がするのも、事実なんだよね。
 
 まず、miyomin殿と「ルール確認」した段階で、予想通り「重要な部分でのルール解釈違い」が発見された。これはつまり、このゲームは「似ている部分が多いけど、実際はハッキリ言って別ゲーム」がプレイ経験のある奴÷2(対戦型だから2で割る)くらいあるんじゃね?って状態だってコトだ。わかっちゃいたけどさあ。
 
 他にも「ゲームとして考えた場合、割り切ることは出来る。でも、シミュレーションゲームとして考えた場合、コレはどうなの?」と言いたくなるような事象がいくつか確認できたんだよね。コレを修正すべきかそのままにするべきなのか?決めるのは容易じゃないと思う。
 
 最初にこのゲームが出てから、相当な月日が経つ。よって、今更「デザイナーに聞く」なんてワザは使えない。ついでに言えば、過去にデザイナーが自ら出したQ&Aに対し、私とmiyomin殿が揃って「コレはオカシーのではないか。キチンとテストした結論なのか、正直疑問を感じてしまう。」と文句を付けたってモノもある。
 
 つまりこのゲーム、「ローカルルール」がプレイ経験のある奴÷2ぐらい存在しているにもかかわらず、「どういうルールに統合するべきなのか」決めるだけの根拠というか権威というか…が存在していないって状態に陥っているようだ。そのため、今現在の私は「このゲームが抱える問題点」について詳しい人間の1人だと思うけど、「じゃあどーしろと?」と聞かれたら沈黙するしかない。どーゆー方針に基づいてどう直していけば良いのか、確固たる方針がないからだ。
 
 そんなことは、再販を予定しているサンセットゲームズの責任者こかど殿のブログに「その方向性をしっかり見極めなくてはならないわけです。」と書いてあった時点でわかってはいた。わかってはいたけど、今回テストプレイしてみて、改めて途方に暮れたのは事実。正直言って、今の時点では先が全く見えない。
 
 これが「イチからデザインされたゲーム」だったら、話は早い。デザイナーなりデベロッパーなりに責任を背負ってもらえばいいのだから。それがわかっているからこそ、テストプレイヤーは好き勝手なことを言える。最終的な決定権を持つ奴がハッキリしているのならば、別に改善提案がいくらあっても悪いコトじゃないわけで。けど、「武田騎馬軍団」はそうじゃない。現時点で「誰が、どんな理屈に基づいて、このゲームのルールをまとめるのか」がボヤけている。普通なら頼りになる、「過去のプレイ経験から導き出された一般的なプレイ」なるものは、このゲームでは正直信用しにくい。この状況では、テストプレイヤーが改善提案をしたとしても、下手すれば混乱を拡大するだけだ。
 
 正直言って、私はこのゲームのルールがどんな形でまとまろうと、知ったコトではない。何だかよくわからんうちに巻き込まれた以上、「とにかくルールをまとめる」ことには責任感を感じるけど、そのための方針を決めるのは私の仕事とは思えないし、その義務も責任も権限もないはずだ。けど、誰かに方針を決めてもらわなければ、作業は進めにくい。
 
 そりゃあ、最終決定権はこかど殿にあるんだと思う。けど、だからって「こかど殿に丸投げ」できるとは限らない。最終的な決済が社長印だったからって、「わからなけりゃ社長に聞け」とはならないでしょ。社長は別に現場責任者じゃないんだから。中小企業では兼ねてる例もあると思うけど、この件についてこかど殿が「現場責任者を兼ねている」必要はまるでない。そして、今の私が聞きたいのは「現場責任者は誰なの?」って部分だ。
 
 普通の再販作業なら、「旧版のルールブック」がある程度責任を引き受けてくれる。「戦国大名」でさえそうだった。でも、「武田騎馬軍団」のルールブックは…正直言って、何でこんなモノの再販作業にクビ突っ込んでいるのか、アタマ抱えたくなったんですけど。
 
 ただまあ、だからって私に出来ることを放置してイイって話にはならないと思うし、とりあえず出来ることはやるつもりだ。けど、どーしたらいいのか、途方に暮れているのも事実でして。このゲームの再販を楽しみにしている方には申し訳ないけど、確かに作業は難航しそうです。どーしたらいいものやら。
 
 なお、最後にこれだけは言っておこう。「F男ごときが偉そうなコト言っているから、いつまで経っても再販されないんだ!」と思う方がいたのなら、遠慮無く作業お任せします。そりゃもう喜んで。つーか、そーゆー「強者」はいないのかよ…オレは別に戦国時代に詳しいワケでも、特別この時代のゲームが好きってワケでもないハズなんだけどなあ…

6月23日2009/06/23 23:56

 負けた…当然のように負けた。別に勝ち負けを争うような話じゃないし、相手を考えれば「負けて当然」ではあるんだけど、負けは負け。負けたことそのものは悔しくないけど、己の修行不足はちと悔しいかな。やはり私はまだまだだ…
 
 何の話かと言えば、先日添削をした「ウォーゲームの歴史」を語る文章のことである。これ自体の出来についてはさておき、先日似たようなテーマで「偉い人」が語っているってニュースを見て、その抜粋と比較したところ、「これは私の負け」だと悟らされちゃいました。
 
 もっとも、負けるのは当然である。だって「偉い人」って、鈴木銀一郎大佐だもの。シミュレーションゲーム業界…というより、日本のアナログゲーム業界の最高権威が相手じゃなあ。抜粋の内容などはこちらを参照して下さい。
 
 この色の話題について行ける方には、何で大佐が尊敬されているのかは説明不要でしょ。そうじゃない方向けの説明を簡単にすると、大佐は日本のウォーゲーム業界の基礎を作った1人であり、今もってプレイされている「傑作」ゲームのデザイナーであり、その姿勢・思想は今もなおこの業界に大きな影響を与えている…って方だ。この業界における「生き神」だね。
 
 私も当然大佐の影響は受けている。正直、「人間として」勝てるとは思えないほど大きな存在だ。そんな私が大佐と「似たようなテーマ」で物事語って、勝てるモノを語れるワケがない。真剣にそう思う。しかし、しかしである。戦う前に「勝てるワケないじゃないですか」と認めるのと、実際戦った後に負けを認めるのは少し違う。大佐に対する畏敬の念にはまるで変化はないけど、自分の至らなさを思い知らされるワケだからねえ。
 
 本当のところを言えば、私が簡単に負けを認めてしまうと、元となる文章を作ったこかど殿に対して申し訳が立たない。間接的には元の文章を非難していることになりかねないのだから。それはわかっているんだけど、でもでも、「文章のデベロップ」を担当した身として、「負けた…」という呻き声を出さざるを得ない。立場上簡単に負けを認めるわけにはいかないんだけど、それでも負けは負けだ。私が添削したモノは「最終的な発表版」とイコールとは限らない(そもそも文責が私にない)以上、実際発表されたモノが勝ったか負けたかはわからない。でも、私の手を離れた時点で比較すれば、立派に私の負けだ。
 
 私があの文章を添削した経緯、及び大佐が似たようなコトを語った状況を考えれば、本来勝ち負けは関係ない。要は大佐も私も「ゲーム界のため」に役立てばと思い、より経験の浅い人間に対して必要なことを語っているのであって、多少拙くても「語る言葉」は多い方が良いのだから。それでも、一応本気で「少しでも良い物を!」と気合い入れて作業した以上、及ばぬモノを作ってしまった自責の念と無関係ではいられませんねえ。
 
 一応の自己弁護をさせてもらうと、私の添削した文章が、大佐の言葉に「大きく負けている」とは思わない。元となる文章を作ったこかど殿も私も「この業界は長い」人間であり、最低限必要な大筋はある程度理解できているはずなので。でも、やはり細かく負けている。そして、その「細かい部分」こそが大事なのだ。細部の修正は私が担当した以上、個人的には「私の負け。こかど殿は悪くない」って気持ちが…
 
 それでも、私は幸せなんだと思う。理由については小一時間ほど愚痴る余地があるとはいえ、私は大佐と「真っ向勝負」できたんだから。そんなコトしたいかしたくないかはさておき、これが貴重な体験であることは言うまでもない。気分は「良き敵」求めて出撃したあげく、「考え得る限り最良の相手」と遭遇して討ち死にした騎士みたいなものだ。他の誰が何と言おうと、私は「結果はともかく、こういう勝負が出来て嬉しい」って気持ちはある。
 
 鈴木大佐は、ゲーム界の重鎮である。神様である。でも、だからって後に続く者が「乗り越えようと努力しなくてはならない」ことも確かだ。それこそが、大佐に対する最高の恩返しになるだろう。私は少なくとも、その機会を与えられた。それに対し、私は一応の全力を尽くした。でも、結果は敗北。これは独特の悔しさがあるねえ。「流石は大佐」と心底感心する面と、「だからって負けちゃ駄目だろ!せめて引き分けなきゃ」と自分を叱咤する面が入り混じって。
 
 しかしだねえ…タイミングが悪かったのは事実って気がするね。私がこの仕事を引き受けたのは、今月10日。〆切は「数日中に」とあったので、翌日夜に完成させて送付した。大佐の講演が行われたのは今月20日、その記事が発表されたのが22日、私がそれを見たのが本日。仮にコレが逆で、私が大佐の講演の抜粋を読んでから添削を行っていれば、もうちょっと改善できたのでは…って気がする。これはまあ「許される範囲ではあるけど、要はパクリ」であり、大佐とのガチンコ勝負にはなっていないけど、「良い物を作る」という観点からはその方が良かったような…「どーゆー陰謀だよ!」と言いたくなるほど、絶妙のスケジュールだったのは確かだ。
 
 そんなわけで、私に仕事頼んだこかど殿、及びその文章を実際読む方(具体的にドコにどう発表されるのかは聞いていないけど)には大変申し訳ない気がするんだけど、私は鈴木銀一郎大佐に負けました。単純に「どちらがタメになるか」だけ考えたら、私が添削した文章の方が価値が低いです。でも、あの文章を読むことにより、私の「負けっぷり」が具体的にわかるのは事実であり、そこを追求してゆくことはゲームデザインの参考になるはずです。そういう意味では、「無価値なモノ」を書いたとは思ってません。
 
 相手が誰であろうとも、急に降って湧いたような話の末だろうとも、私が「簡単に負けちゃイケナイ勝負」に負けたのは事実。ただ負けたワケではなく、一応は「明日に繋がる」負けって気はするんだけど、それでも歯ぎしりしたくなるほど「己の至らなさ」を痛感させられた。とはいえ、この悔しさは本来「大佐の後に続く」全ウォーゲーマーが共有するべき感情だと思う。「大佐に勝てるワケないじゃないですか」だけで片付けていたら、哀しむのは大佐だと思うから。なので、私の今の悔しさを思う存分吐露させてもらいました。
 
 とまあ、理屈ではわかるんだけど…だからぁ~!何でオレがこんなことせにゃいかんのだ。ある程度自業自得であるのはわかっていても、吼えたくなるんですが。

6月24日2009/06/25 00:49

 本日もゲームの話題。続くなあ。こーゆーのは避けたいと思っているんだけど、後回しにしにくい話が多くて…今回は、やっとこさ入手した「新・戦国大名」の話。
 
 「新・戦国大名」…正直言うと、期待と不安の入り混じったタイトルだった。期待の方は言うまでもない。私は「戦国大名」が好きだった。それを現代的にリファインしたゲームが出ると聞いて、期待するのは当然でしょ。ただ…なんつーか、私は「楽しみだなあ」だけじゃ片付けられない立場の人間って気がするんだよね。サンセット版「戦国大名」再販作業に深く関わった身としては。
 
 この「不安」を助長したのが、昨日のこの記事。コマンド誌編集長の中黒殿のブログだ。ここにある「『新・戦国大名』関連リンク」を見たところ、「ルールがわかりにくい」という感想がちらほら…それ見た途端、「戦国大名」ルールブックを格闘した日々がフラッシュバックしてきたんですが。「何がイケナイと言うんだ!」と大いに気になったので、「普及のため普通の書店で買う」という方針を撤回して、確実に入手できる店で買っちゃいました。
 
 そりゃまあ、私は直接も間接も「新・戦国大名」には関わってない。私や私の相手をしてくれそうな人間が「ルール理解できるか」は気になるけど、ルールブックが多少不親切だったからって気にする義務も義理もない…とはいえ、「戦国大名」のルールブックをマトモにすべく精神削り続けた人間としては、やはり気になるからなあ。
 
 とりあえずルールをさらっと一読してみた感想は…「あー、こりゃわかりにくいかも」かな。具体的にドコがどうって話はじ~っくり熟読してからになるんだろうけど、早くも「質問しないと」って部分が発見されたし。しかしだねえ。一番マズいのは、やっぱり「ルールブック全体に散らばったルールをいくつか読んで、初めてわかるコト」が多いってコトかなあ。
 
 それを言ったら「戦国大名」は…なんて話をしてはイケナイ。そんなコトは我々再版スタッフが一番よく知っている。複雑なルールに慣れてる人間はともかく、もっと「初心者」向けと思われる「新・戦国大名」の場合、「該当するルールを発見するのに手間取る」のは、やはりマズいと思うんだな。
 
 具体的な例としては、「大名が死亡した際の解決事項」かな。具体的に何がどうなってどう処理するのか、私も一読しただけじゃよくわからなかった。「多分こんな感じ」ってのはわかるけど、それで正しいかどうかはしっかり読み返す必要がある。
 
 何でそうなっちゃったのか?うーん…多分だけど、ルールブックを薄くしようとしすぎたのでは。大切なことは重複を恐れず、何度も書いた方が良いと思うんだけどなあ。「戦国大名」はそうしていた(のはいいんだけど、相互矛盾が山ほど…)わけで。あと、個人的には「ここはもっと細かく書いた方が」ってモノも見つけている。
 
 とはいえ、私は「ルールブックはとにかく細かく書け!簡潔にしようなんて考えるのは百年早い!」って意見の持ち主だからして、私の言い分に従ったルールブックにするのが正しいとは言い難い。でも、全体として「お世辞にも出来の良いルールブックとは言い難い」のではないかなあ。少なくとも公式に?そう断言した人間が、私以外にチャンといるのだからして。
 
 私がルールブックを読んだ限りでは、多少の疑問点はあるけれども、全体としての出来はキチンとしているような気がする。悪いのはルールがどうなっているかじゃなく、ルールブックじゃねえかって気はするね。
 
 ここで「だから国際通信社は…」と文句を言うのは簡単だ。でもねえ。言っちゃあ何だけど、国際通信社の「ルールブック編集能力」って、結構高いと思うよ?あくまで総合的に見ての話であって、個別にはヒドいものもあるのかもしれないけど。その国際通信社にしてコレ…ってことは、シミュレーションゲーム界…下手すればアナログゲーム界全体の「ルールブック記述能力」が低いってコトになるんじゃないかなあ。
 
 私は個人的にそーゆー現状を嘆いていて、何とか「ルールブックをマトモに出来ないか」と考えているけど、色んな意味で力及んでいないのも事実。そもそも能力も低いし、経験も少ないからねえ。
 
 ただまあ、「ルールブックが悪い」だけで片付けちゃいけませんね。その繰り返しだけで業界全体が良くなるとでも?文句言う前に質問は送るべきだし、「我こそは!」って強者は、「自分なりにリファインしたルールブック」を作っても良いんじゃない?それぐらいやらないと、いつ滅んでも文句言えない業界なんだから。
 
 ちなみに私は質問だけで我慢する予定です。私はルールブックのあら探しは出来ても、ルールブック編集能力なんてあるわきゃないので。「自らルールの翻訳」手がけている方々がゴロゴロしているこの世界で、私ごときがどうこう言っても無意味でしょ。ただまあ、今から「戦国大名」に対して私が行ったのと似たレベルで「あら探し」する予定なので、それでカンベンして下さい。この「あら探し」が楽な作業と思ったら、大間違いなんだぞ!ああ、狂乱の日々がフラッシュバックしてきた…

6月26日2009/06/26 23:21

 「新・戦国大名」ルール確認作業中。とりあえず私が質問した分の回答は受け取った。更に見つかるかどうかはわからないけど、妥協はしないつもりなので見つかる可能性の方が高いかな(苦笑)。回答をいただいたもののうち、「これは早めに告知しておいた方がよさそう」と思われるものは、ここで発表しよう。この週末に「プレイしてみるか」ってプレイヤーのために。
 
 まず、ルール訂正。中立勢力は、支配マーカーだけではなく「プレイヤーの駒」そのものに隣接する空白国にも発生することになりました。これにより、「わざと支配しないことにより、中立勢力の発生を防ぐ」なるウラワザが使えなくなりました。良かった良かった。
 
 あと、厳密にはルール訂正じゃないかも知れないけれど、それっぽいものを。同盟国の兵がいるエリアから駒を移動させる際、兵1を残す必要はありません。同盟国の兵が「残さなきゃイケナイ兵」の代用になるそうです。私はルールブック読んで「こうならなきゃオカシイのに、どう頑張ってもそう解釈できない」とアタマ抱えてました。
 
 それと、ものすげー注意事項が1つ。このゲーム、同盟に付帯できる「条件」は、カードの使用に関するモノのみだそうです。つまり、移動を片っ端から却下するとか、急に「ソコの支配権は、お互いの駒数で決めようじゃないか」と言い出すとか、出し抜けに山城を占領するとか、織田や上杉を攻めた攻めない、果ては北条(ほうじょう)じゃなくて北条(きたじょう)を攻める攻めないとか、そーいったコトをいくらやらかしても、「合法的同盟破棄理由」にはならないってコトです。まあ、フツーに裏切りブチかませばいいだけの話(コストかかるけど)なので、問題とは思いませんが。ただ、このことは勘定に入れておく必要があるのは間違いないので、ご注意を。なお、この点についてローカルルールを取り入れるのはかまわないと思います(編集部にそう許可された)けど、一応ソレは「ローカルルールだよ」って意識は持った方が良いかと。
 
 あと、このゲームでは希に「同盟を組んだことにより、1つのエリアに利用できる城が2つある」場合があります。この場合、2つともフツーに使用してかまわないそうです。戦闘修正が累積するワケじゃないけど、損害吸収が楽になります。やったね!
 
 なお、合法的同盟放棄を「自分の第3アクション終了時」に行えますが、これは厳密に「自分の第3アクション終了時」です。この後に「常備軍」の合戦アクションとか、「時は今」使ってもかまわないそうです。仏心?出して、変なタイミングで同盟解消しないように。無意味にコスト消費を要求されちゃいます。
 
 あと、各アクションは、厳密には「何かアクションする→同盟の変更→支配権の変更確認」って手順だと考えるのがよさそう。「同盟の変更があれば、その都度支配権の確認を行う」そうなので。そう言えば「戦国大名」でも「厳密な手順はどーなってるんだ!」って話があったよなあ…
 
 合戦の損害判定について。このゲーム、味方の数が多くて城を利用できる状況ではなくても、城に損害を割り振れます。これは地味に重要ですね。ただ、「純粋オーバーキル」(損害がないのにユニットを除去するなど)は禁じられているようです。
 
 セットアップについて。このゲーム、「本国の重複」は不許可です。ちょっとわかりにくいんですけど、セットアップの「本国の決定」に完全支配マーカーを配置する際にも、「支配の重複はない」というルールが適用されます。まあ、こんなコトする馬鹿はいないと思うけど。
 
 最後の「特別ラウンド」について。まず、これは「特別ターン」じゃなく、「特別ラウンド」であることに注意。「ラウンドごとに1回」って制限のある行動は、このラウンドを通して1回しか行えません。結構キツい制限があるので、注意が必要ですね。
 
 まあ、後は公式エラッタ待ちで問題ないと思います。私以外の方も山ほど送っているようなので、個別の対応に追われて発表に時間かかるかも知れないけれど。なお、付属のリプレイは「純粋な読み物」だと思って下さい。明らかに特別ラウンドのルール間違ってます。
 
 ルールの感想について少し述べよう。このゲームの同盟は、ハッキリ言って「裏切るための」ルールです。かなり特殊な例外を除き、何されても「同盟を合理的に放棄して良い理由にならない」以上、そう考えるのが正解ってコトですね。ただまあ、下手にもめ事抱え込むと「喜ぶのは他の国」で終わりだから、結局は「総合的に上手いプレイ」を心がける必要があるけど。
 
 あと、このゲームは「合戦」がショボい。「戦国大名」みたいに必ず合戦する必要がないので、「単に行軍してきて居座る」ってワザが効果的(これで部分支配は奪える)だから。もちろん邪魔な敵兵は除去もしくは撤退させた方が良いけど、そのためイチイチ1アクション使うのが…「戦闘より機動が大事」だと考えて良いような気がしますな。特に最後の特別ラウンドでは。
 
 後は実際やってみないと何とも。相手探すのがかったるいけど、まあソレは仕方ない。ついでに言うなら、どーせ人数集めるのなら「戦国大名」の方が…いやいや、機会を見つけてプレイしてみないとな!(と、誤魔化してみる)

6月27日2009/06/28 02:51

 本日の話題は、あえてロールプレイングゲームのシステム論を。最近プレイしてないのに、システム論もへったくれもないとは思うけど。一応コンシューマーのオフライン・オンラインにも関連する話題なので、基本この色で。
 
 RPGの基礎と言えばD&D。歴史的にそーなっているんだから仕方ない。現状のRPG(特にファンタジーもの)というのは、テーブルトーク・コンシューマーオフライン・オンラインを問わず、全て「D&Dのシステムを継承または発展させたもの」だと言っても過言じゃない。まあ、今現在だとほとんどが「間接的に」って話になるとは思うけど。
 
 そのD&Dは、「デスメイズ」っていうファンタジーボードゲームを「発展させる形で」出現したと言われている。「デスメイズ」はフツーのボードゲーム(当時のことなので、かなりシミョレーションゲームライク)なので、マップや敵味方はコンポーネントの制約があった。コレを取っ払って「迷宮管理側」が自由にダンジョンを作り、「攻略側」も1人1キャラクターを担当するってゲームにしたら…ってのが「D&D赤箱」である。ちなみに、赤箱しかない時代のダンジョンってのは、「諦めて途中で引き返す」「判断間違って全滅」なんてのがザラにあった。そーゆー時代だったのだ。
 
 これ以降のRPGの歴史は省略するけど、D&Dの「原型」は今なお色濃く残っている。キャラクターが種族だのクラス(職業)だのといった区分けをされ、それぞれ得意・不得意がある程度定められている…ってのは、要はこの頃からあった話だ。まあ、最近は職業固定とは限らないし、「上級職」なる概念が充実してきているようだけど。これとレベルアップシステムってのは、実のところ「ボードゲーム時代の産物」であり、ある意味では古臭い。だから駄目ってワケじゃないので、そこは誤解しないように。
 
 このD&Dが普及したことにより、PCやコンシューマーでもRPGをやってみようじゃないかって動きが出てきた。ウルティマとかウィザードリィだね。それが…って方向で話を進めるのがフツーだけど、ここで論じたい話はそうならない。あえて言おう。RPGの戦闘システムってのは、PCゲームになることにより「先祖返り」したのだと。
 
 これを一番実感できるのは、ウィザードリィだろうな。あのゲームを思い出してみてもらいたい。今で言うところの「シナリオ」は貧弱、プレイヤーが操るのは、単なる「戦闘マシーン」である。これを使って、迷宮の奥深くに潜む…ようにゲームデザイナーに配置された、ラスボスをブチ殺すのがゲームの目的。そのコンセプトは、ロールプレイングゲーム(今で言うテーブルトークRPG)より、「デスメイズ」のそれに近い。プレイヤーがパーティー全体を操る以上、そうなるのがむしろ当然なのだ。
 
 その後このジャンルは大発展を遂げて今に至っているんだけど、実は基本コンセプトにおいて「デスメイズの亜流」って部分は、オフラインのコンシューマーRPGに今も受け継がれている。そもそも変える必要がないし。将棋・囲碁が「古臭いけど面白い」のと同様の理屈により、この部分を変える必要性はあまりないと思われる。
 
 話がオフラインに留まっている限り、「コンシューマーRPGはD&Dの直径子孫か、デスメイズに先祖返りしたモノか」なんて話はどっちでもいい。ところがだ。オンラインゲームになると話は少し変わってくる。オフライン時代は「パーティー全体を管理する奴が1人」だったのに対し、オンラインは「1人1キャラクター」って時代になったからだ。つまり、オンライン化することにより、PC・コンシューマーゲームがやっと「D&Dに追いついた」わけだ。これは、「今までその必要性がなかったので追いついていなかったけど、システムの根幹部分が変化したので、追いつく必要性が出てきた」って話であり、別にドッチが善し悪しって話じゃない。
 
 ハッキリ言って、オンラインRPG黎明期に「PC・コンシューマーRPGのデスメイズ→D&D的変化」を気にした奴はあまりいないようだ。草分けの1つとされる「ウルティマオンライン」は戦闘中心のゲームじゃないからかもしれない。ただ、時が経ち色んなシステムが投入されてくるにつれ、段々と問題になっていったようだ。
 
 「デスメイズ」から「D&D」への変化って、何が問題になるのか?それはね、D&Dの抱えていた問題点を思い出すと、よくわかる。D&Dは「1人でパーティー全体を管理」から「1人1キャラを管理」という重要な進化を遂げていながら、「そこから生じる問題点」を解決してたとは言い難い(始祖とはそーゆーものだ)からね。
 
 昔のD&Dの魅力の1つに「キャラごとの役割分担」がある。キャラによりできること・できないことが異なり、できることは他人の分までやり、できないことは他人に頼るのが面白かったわけだ。しかし、これは問題もいくつか生み出した。「つまんない」役割の奴が出てくるのだ。そんでもって、D&D初版は最後までそれをうまく解決できなかったと思う。
 
 つまんない役割とは?たとえばだ。ほとんどの時間「何もしないか、ただ逃げ惑う」奴。初期のマジックユーザー(魔法使い)がこれに該当する。魔法は強いけど使用回数制限がキツいので、「肝心な時」以外は温存するしかない。魔法抜きではゴミのような戦闘能力しかないので、やれることがない。無理に参加しようものなら、「肝心の時」に魔法使えなくなる可能性が出るので、他の仲間から怒られる。
 
 マジックユーザーはまだいい。肝心の時には見せ場がもらえる。「回復役」であるクレリック(僧侶)は…魔法使いほど打たれ弱くないので、戦闘には普通に参加できる。でも打撃力は弱いので、さほど面白くない。仲間を回復させる時には感謝してもらえるけれど、正直地味である。
 
 じゃあ、ファイター(戦士)がいいのかと言うと…初期はともかく、後期になって皆のレベルが上がってくると、途端に「つまんない」存在に成り下がる。相手が強くなり、ついでに仲間の魔法も強くなるので、仕事が「生きた壁」になるから。
 
 私のように昔々テーブルトークRPGをやっていた人間は、これに対し「そんなものだ」と割り切っていた。それしか対処方がなかった時代の話なので。それに、テーブルトークRPGは「シナリオを進める」とか「怪しげな策を練る」といった、別方面の楽しみもあるので、割り切りやすかったからなあ。ただ、それでもこの「見せ場の不公平問題」ってのは、色々問題を引き起こしたモノよ。全部忘れたいけどな!
 
 もう1つの問題が、「パーティーバランス」だ。バランスの取れたパーティーのありがたさなんてのは、ウィザードリィでバランス悪い組み合わせでダンジョンに潜れば一発で悟る。「ドラクエ」でさえ、何の因果か特定の役割を担う奴が「全滅」した後のキツさって形で体験できる。けど、1人1キャラ制では、必ずしもバランスの取れた構成になるとは限らない。
 
 私の周囲の場合、D&Dでは「ファイターだらけ」だった。その理由は「パーティー人数が少なくても、何とか戦えるから」である。私個人の意見としては、1人だけで何とかしろと言われたら、やはり戦士が一番だ。2人でも戦士2人でいい。3人だと1人は他の職業を混ぜる余地が出てきて、4人以上だと「戦士ばかりじゃ弱い」となる。これは、相当レベルが上がって、マジックユーザーやクレリックが「バケモノじみた魔法を使える」ようになっても、ある程度言える話じゃないかな。
 
 テーブルトークRPGってのは「皆で一カ所に集まる」必要があったから、必ずしも「○○さんのキャラは必ずいる」とは言い難い。そういう「不完全なパーティー」が当たり前となると、自然と戦士が増える。しかも、出席率の良い奴が率先してそうする。出席率の良い奴だけで戦う日もあるんだから、そうなるのが自然でしょ。あげく、「そういや最近味方の僧侶って見ないなあ」って状態に陥った。これと「見せ場の不公平から来るキャラ選択の偏り」を組み合わせれば…
 
 総合的に見た場合、D&Dは名作だと思う。今の目から見てもそう思う。けど、弱点はあった。しかも、山ほど。テーブルトークRPGの世界では、そこを手直ししたシステムが色々生まれ、今に至っているんじゃないかな。そもそも、今のD&Dって「第二版以降」なので、かなり別物(共通部分は多いけど)だし。
 
 ところがだ。オフラインコンシューマーRPGでは、こういう問題を考えなくて良いまま今に至った。別の部分(演出面その他山ほど)は大発展を遂げた。それはいい。けど、それをそのままオンラインの世界に持ち込むのは、無茶がある。「役割分担の不公平とキャラの偏り」という、今まで考えなくて良かった部分を無視した発展をしてきたんだから、問題が起きる方が自然だ。
 
 私が仕入れた知識によると、どうやら初期の「FFXI」(オンラインのFF)はコレが問題になったらしい。そりゃまあ、基本コンセプトが「オンラインで遊べるFF」である以上、オフライン時代のシステムを引きずるのはむしろ当然だ。でないとプレイヤーが「別物じゃねえか!」と暴れかねない。でもその基本システムは「デスメイズのコンセプトを磨き上げたモノ」である以上、オフラインでは問題にならない(どころか、プラスだった)モノが脚を引っ張るコトになっても、文句は言えないわけで。ただ、そこを必死に手直しして今に至っているので、「今のFFオンラインが問題を抱えている」ワケではないらしい。いずれにせよ、詳しい話は知らないけど。ハマった時の被害が大きそうなので、この手のゲームには参加したくないのだ(苦笑)。
 
 FFは熱狂者が多いので、一応書いておこう。「初期に問題点を抱えていた」ことと、「今もって問題点を抱えている」は話が別だし、問題点がある=駄作、価値のないモノでもありません。問題点の性質によると「捨ててイチからやり直し」が早い場合もあるけれど、大抵の場合は地道な改善の方が勝ります。私は別にFFを「馬鹿にする」ようなことはしてません。この程度の指摘でそう感じるのは、「ゲームを改善・発展させる」上でかえってマイナスになる行為だと思います。そこはご了承の上お読みいただければと。
 
 私が言いたいのは、基本コンセプトに問題を抱えることと、FFXI及びFF全ての価値は別だってコト。基本コンセプトがデスメイズ互換の古いモノだとしても、FFとデスメイズは完全な別物です。ライトフライヤー1号(初の動力付き飛行機)と現在の飛行機が「基本コンセプトは同じだけど実際問題じゃ別物」なのと一緒ですがな。「どちらも宇宙は飛べない」けど、そう指摘されて「飛行機を馬鹿にするな!」とキレるのは間違いだ。FFXIは「飛行機の改良って形で宇宙に飛び出そうとして色々問題が見つかったので、改善して今に至りました」って話でしょ。
 
 閑話休題。私は総合的な「ゲームの進化」には興味があるので、あるゲームが抱えていた問題点と、その解決方法」なんて話は大いに興味がある。色々事情が違うので単純な当てはめはできないけど、「FFはD&Dと同じような問題を抱えた」って話は面白いと思うんだな。もちろん、解決方法は全く違うけど。
 
 そーゆーことを考えれば、実は「ボードゲーム」が抱えていた問題点とその解決方法ってなものは、案外「今のコンシューマーゲーム業界」の参考になるのかも。特に今は「オンラインゲーム」が流行りだし、「ソロプレイ」時代から「マルチプレイ」時代に移りつつあるわけで。マルチプレイ(広い意味では1:1の対戦型も含む)特有の問題点に関しては、ボードゲーマーは詳しいよ?昔も今もそーゆー問題点と付き合っているんだし。
 
 単にゲームをプレイして楽しんでいるだけなら、そんな話は関係ない。でも、世の中には開発者ってモノがいるわけで、こーゆー連中にとっては話が別でしょ。やはりゲーム開発者たるもの、ある程度は「ゲームの歴史」を、ボードゲームのことも含めて学ぶ価値がある(必ず学べ、って性質のモノではないと思うけど)のでは。ドコでそんなこと学ぶのかはともかくだ。
 
 ついでに言うなら、私に聞かないように。私は長いことボードウォーゲーマーやっているけど、この業界に詳しい人間じゃない。私より「この世界の歴史を語る」のに相応しい人間は山ほどいるはず。そんな話を振られても、対応不能だ。少なくとも、私本人はそう思っているんですけど、こかど殿(苦笑)。

6月29日2009/06/30 01:02

 ディープスカイ敗北…だから「タラレバ遠征」はロクなもんじゃないと。まあ、このパターンは「行ったところで駄目」ってオチがあるんだけどな。
 
 時事ニュースネタはあまりやらないのがこの私。けど、コレは流石に…一部で無茶苦茶盛り上がっているけど、新聞などでは大半スルーだからなあ。つーわけで、「児童ポルノ禁止法改選案が滅茶苦茶な件」について。色はあえてコレで。
 
 この法案、今国会で審議しています。下手するとマジ通ります。にもかかわらず、法案提出者の言い分がスゴすぎます。流石に呆れてしまうレベル。だって、ヤバいなんて甘いレベルじゃないですよ?
 
 児童ポルノ禁止法(以下「児ポ法」)改正案ってのは、要は「児童ポルノ」に対する規制。これ自体はあまり問題ない。児童の人権を守るのは大事なことだ。ただ、やはり「表現の自由」ってものは大切に…って話じゃないです。与党規制派の言い分はそんあレベルの話じゃなくなってます。
 
 与党の言い分は、「単純所持の禁止」。私に言わせると、この時点で「フザけるな!」だ。過去において合法的かつ普通に売り買いできたモノを、全部廃棄する必要があるんですよ。私の思想・理念によれば、「いくら何でももう少し緩やかな中間段階設けろよ!」である。
 
 でも、児童ポルノなんて持ってる奴は一部のヘン○イだけ…と言えるかな?日本の法律では、児童って「18歳未満」だよ?しかも、ヌードどころか水着でもセーフと断言できない。実年齢にかかわらず、「見た目が18歳未満」だったらアウトと明言している。答弁で宮沢りえの「サンタフェ」は多分アウトだ、必要なら確認する機関(天下りで作るのか?)に聞けと言っている。あと、どうも「明らかにババアだけど、セーラー服着ている」はアウトらしい。欧米人の基準を持ち出されたら、某新人最多勝ジョッキーと噂になった、競馬番組のキャスターやっているほしの○き方も「ロリ」なので駄目。「ヘンタイを捕まえる」のが目的なので、対象の実年齢はあまり問題じゃないらしい。
 
 しかも…18歳未満だったら「男性の乳首」もアウト。「コンサートなどで汗まみれになって歌っている18歳未満男性の写真」は駄目と明確に言っている。言っておくけど、男が男の写真持っていても関係ない。逆に女が女の写真持っていても同じ。趣旨から言って幼児は性別問わず論外なので、「昔の紙オムツのCM」が入っていそうなTV映像即アウト。
 
 この法律、実は「そーゆー法を作れ」って外圧がキッカケで作り始めた法だ。その外国では、「肉親でない子供の写真」は記念写真レベルでアウト、自分の子供の写真でさえ、疑われて取り調べられたって事例が…つまり、「オレは大丈夫!」と安心しようと思ったら、記念写真やら卒業アルバムは危険。「そんなものあったかもしれないけど、大丈夫じゃね?」だと「未必の故意」(必ずそうとは限らないけど、そうかもしれないってコトは承知している状態)でアウトなんだから、細かくチェックした上で「問題ない」と確認する(アウトの部分はもちろん捨てるしかない)か、全部捨てるかの二択。どう考えても規制対象が広すぎる。
 
 電子メールに関しては、もっと惨い。「1回でも開けたら所持」「届いたら開ける前に即座に削除しろ」「開けなくてもわかるはずだ」ときやがった。スパムフィルターかけていても、「スパムの疑いがあるメール」を一定期間保持してるようならアウトっぽい。HDDのアクセス回数を調べて、何回も見ているようなら逮捕ときたもんだ。その辺の情報なんて、悪質なウイルスにヤラれたらいくらでも書き換わる危険があるんですけど?だいたい、開かずにどーやって中身確認するんだよ。今時スパム送る連中が「エロ画像デース」なんて言って送りつけると思うのか?
 
 ちなみにこの法律、現状では二次元は対象外である。二次元は「実際被害を受ける児童」が存在しないので。ただ、規制推進派は「いずれ二次も」と明言している。この時、間違って「今議論しているレベル」適用されたら…エロ系どころの話じゃない。幼児向けからして危ない。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は確実にアウト、週刊少年誌連載作品は半分ぐらいヤバい。ヤング誌は9割無理。月刊誌系もダメダメでしょ。記憶が正しければ「ゴルゴ13」に昔「幼女に性的イタズラ」うんぬんって回があったので、この巻は探して捨てるべき。「釣りバカ日誌」は鯉太郎入浴シーンでアウト。「あぶさん」でさえ、息子の影虎が小さかった頃に入浴シーンがあったかどうか、記憶が定かじゃない…ってことは、イチイチ調べるか全部捨てるか。少女漫画は怖くて所有できません。アニメ?ゲーム?「聞くまでもない」ってレベルだな。
 
 あ、あと「アートだから」は通らないって言っている。現状では「これはアートだから」とヌード写真を認めたりしないよって意味だと思うけど、これが二次元にも適用されたら…ルネサンス時代の宗教画はほぼ駄目ですな。もちろん画集含めて。ルノアールやドガもかなり怪しい。美術館はセーフだとしても、個人所有は「資産運用目的」なる、胸くそ悪い理由のみが例外になるかも。
 
 一応、「性的好奇心を満たすため」じゃなければ所持していいコトになっているけど、どーやってソレを証明しろと?取り締まる側に立証責任があることは事実だけど、「証拠の王様」(規制派が本当にそう言った)である「自白強要」されたら…しかも、「逮捕」自体は「その疑いあり」でできるから、警察が「性的好奇心を満たすため持っていた疑いあり」と判断したら、とりあえず連行される。どう考えてもそうなる。
 
 つまりこの法律、「誰でも当てはまりかねない」ものを、警察の裁量1つでホントにどーとでもできちゃうのである。そりゃあね、画家(デッサン資料としてのヌード)だの医者(医学書)だのがが「資料だ!」と主張したら、セーフになるかもしれない。けど、「趣味で絵をやってます」「昔医者になりたかった頃の思い出です」なんてレベルだと、認めてもらえるかどうかは「お上次第」だ。判断基準が曖昧すぎる。
 
 隠し持っていれば大丈夫か?タレ込みされたらどーしよーもない。エロ画像が入った記録メディアを鞄に隠されていたら、「涙を呑んで全て処分した」場合でもアウトっぽい。ついでに言えば、泥棒に入られたからと言って警察呼ぶのも危険だ。「熱心な」警官がついでに何か見つけるかもしれない。「酔っぱらって全裸になり、駆けつけた警官を殴る」と家宅捜索されるって前例もありましたねえ。
 
 「昔合法だったモノを持っていたからって、逮捕されていいのかよ!」と抗議しても無駄。確かに日本憲法は「遡って罪に問うような法は作れない」と明言しているけど、今回処罰の対象は「単純所有」だ。これは自動的に現在進行形なので、過去から持っていたのか最近手に入れたのかはまるで関係がない。処罰対象にならないのは、「過去に山ほど持っていたけど、今は持ってない」場合だけ。
 
 日本国民の常識にそぐわない?この法律、外圧で作られたからなあ。要は「今まで良いと思っていたその常識を、変更して下さい」って趣旨の法律だ。裁判で「この法律はオカシーだろ」って判決を出してもらうつもりで戦わない限り、この点で反対しても駄目じゃないかと。
 
 私が思うに、この法律は「適用範囲が広すぎる」「判断基準が曖昧すぎる」という点で反対するしかない。けど、怖ろしいことに政府与党はこんな法案通そうとしているんだよ。「まず規制ありき」ってのがミエミエ。野党は多少ましな対案出しているけど、衆院の2/3が与党議員だって現状においてドコまで抵抗できるかは…
 
 そりゃあね、警察だって馬鹿じゃない。いくら何でも、いきなり一般人の反感買うような適用はしてこないと思う。けど、「その気になればいくらでも悪用できる」モノを放置しておこうモノなら、どうなるかはわかったものじゃない。ついでに言えば、「容疑者として逮捕=犯人」と決めつけるのが当たり前と思われている日本社会において、「逮捕されたけど不起訴だった」が救いになるのか?「ヘンタイ」のレッテル貼られて社会的に抹殺されかねない。警察に気に入らない行為をした、地元有力者とモメた、近くにマンション/スーパー/パチンコ店が出来ることに反対/賛成した…ってな理由で「警察に目を付けられた」ら、どうなることやら。
 
 こんな法案の行く末は…かなりの高確率で「恐怖の相互監視社会」だろうね。密告されるのがイヤなら密告しろって世界だ。日本は民主社会だから大丈夫?ナチスドイツは民主的に権力の座に着いたし、アフリカでは「民主的な手段でその地位に就いた」独裁者がウヨウヨ。アメリカにさえ「赤狩りの時代」があったのを忘れちゃ困る。こんな法律を認めるようでは、日本が「スターリン時代のソ連」「文革時代の中国」「現在の北朝鮮」並みの国になっても、文句は言えない。自慢じゃないけど、私はその状況で「笑っている側」にいるとは思えないね。正直、いたくもない。
 
 何でこうなっちゃったのか?まあ色々理由はあるんだと思う。あえて書かないけどね。児ポ法改正自体は悪いコトじゃないと思うけど、だからってコレはない。「地獄への道は善意で舗装されている」ってことわざを忘れちゃ駄目だろ。そんなこともわからんような愚かな奴を、国会に送ったつもりはないんだけどなあ…
 
 ちなみに今回の更新、私なりに度胸決めて書いてます。だって、「こーゆー思想」の持ち主である以上、「ああ、ヘンタイなのね。じゃあ摘発してやるか」と思われても、どーしよーもないわけで。そうなったら「こんな法律は憲法違反だ!そんな法律に違反して何が悪い!」って徹底抗戦したいけど、カネが持つかなあ…まあ、その覚悟だけは持っておこうかと。