12月5日2007/12/06 03:05

 まずは報告。週末は香港へ「天才見物」に行ってきます。よって、更新しません。できてもしません。いちいち<FONT COLOR="#808080"></FONT>(「文字を灰色にしろ」って命令)とか打ち込んでいたら大変なので(苦笑)。木曜も早く寝ないと大変だし。つーわけで、しばらくお休みです。悪しからず。
 
 本日の話題は軽く。ネットを徘徊していたら、「Wii Fitのヒットによって、コンシューマーRPGは廃れるのでは?」って記述を見かけた。面白い意見だと思うので、ココでツッコミを。無断引用のような気もするけど、単なるコメントじゃモノ足らないし、私如きが首を突っ込むのは憚られる場所だし。ま、似たような意見は他から聞いたことがあるんだけどね。
 
 何でWiiのヒットがコンシューマーRPGの衰退に繋がるのか?理屈はこうだ。コンシューマーRPGの楽しみの1つは「レベル上げ」だ。異論はあると思うけど。初期の弱っちいキャラが、成長して強くなるのを見るのは確かに楽しい。しかしだ。コンシューマーRPGが育てているのは、あくまで「ゲーム上のキャラ」に過ぎない。そんなものを育てるより、自分自身を鍛え、成長を確認した(Wii Fitならグラフなどで効率良く確認できる)方が楽しいのでは?というんだな。
 
 正直言おう。ツッコミどころ満載で、ドコから突っ込んで良いのやら。ただ、その半分ぐらいは理解してももらえないような気がする。私はWii Fitみたいなゲームは正直「嫌い」であり、おそらく会話がほとんどかみ合わないからなあ。
 
 ちなみに、何で私がWii Fitを評価しないのかと言えば、そりゃもう「そんなものやってるヒマがあるんなら、ホンモノのフィットネスクラブ行け!」って主義主張の持ち主だからである。ゲーセンのダンスダンスレヴォリューション(通称DDR)でさえ「理解できねえ」と公言した男だからなあ。だからこそ中山競馬場のメディアホールの映像なんぞに我慢できず、香港へすっ飛んでいく…ってのは置いといて。
 
 他にも「その気になれば実際に出来ることと、ひっくり返っても実行不可能なことの違い」(銃や剣振り回すことまでは可能だとしても、モンスターと戦うのは無理だ)だの、「ターゲット層の違い」(「現実よりゲームの方がいい」って馬鹿がどれだけいると思っているんだ)といった点で突っ込むことは出来る。出来るけど、まあ理解してもらえない。結局「ヲタクの論理」で片付けられそうだから。ヲタクをある程度理解できる一般人ってのがいることは認めるけど、そんなのはごく一部だからね。
 
 ただ…これなら「一般人でも理解できそうな」ツッコミポイントを1つ発見したので、それを細かく語ろう。「自分自身ってのは、ものすごーく成長が遅くて鍛え甲斐に乏しい」である。
 
 自分自身を鍛えるのがどれだけ大変か。これは「プロテイン飲んで運動して筋肉増量して体重増やす」って計画にイマイチ踏み切れない私より、「ビリーズブートキャンプに手を出したけど、結局長続きしなかった」って人の方が良く知っているような。そりゃあフツーの生活送っている奴(私も含めよう)は運動不足もいいところであり、ちょっと習慣替えて運動をすれば効果は出ると推測される。けど、「自分が成長する喜び」だけでグングン成長するほどストイックな奴は少数派では?そうでなければ、ある種の生活習慣病が蔓延する理由を説明できないと思うのだけど。
 
 そりゃあね、グラフだの何だのを使って上手くノセれば、その気になってある程度は続けられると思う。けど、そんな工夫はそこらのフィットネスクラブでもやっている。にもかかわらず、「最近自分の成長が楽しみでねえ!」ってなレベルの「鍛え方」してる奴は少数派。せいぜいが「じわじわ体重が落ちた」程度。ま、20台後半より年寄りを多少絞ったって、その程度の成長しか期待できないでしょ。
 
 もちろん、少数かも知れないけど「運動して成長する自分」を大いに楽しんでいる層がいることは事実だし、多少イヤイヤながらそうせざるを得ない奴が山ほどいることも認める。実を言えば私もその1人。普通と違って「体重増量」が目標ではあるけど。油断してるとオソロシイ勢いで減るからなあ…しかしだ。全般的に言って「もうちょっと劇的に数値が良くなって欲しい…」というムシのいいこと考えつつ、ささやかな成長にささやかな喜びを感じている人間が大半じゃないかな。
 
 これに対し、一般にコンシューマーRPGのキャラは成長が早い。当たり前だ。実生活の自分と同程度の成長じゃあ、やってられないでしょ。その程度の成長率じゃあ、スライムと五分の戦いしてる奴がドラゴン倒せるまでに何年かかると?そういうお手軽な成長は逆に白ける…って考えもあることはあるけどね。でも、「自分の成長速度こそが適正であって、それより早い成長は白けるだけ」なんて奴は滅多にいないと思うな。それじゃあ子供(オソロシイ速度で成長する)の成長は「早すぎてツマラナイ」ってことになるぞ。
 
 何?「自分の成長とRPGキャラの成長は一緒に出来ない」だあ?ソレを認めちゃったら、「自分を鍛える喜びとRPGキャラを鍛える喜びは別」ってことになる。最初の仮説からして無意味でしょ。
 
 実を言えば、私も最初の仮説は正しいと思う。Wii Fitのようなゲームのヒットによって、コンシューマーRPGのブームは下火になる(もうなっているって話はあるけど)という考えは一部当たっているんじゃないかな。ただ、理屈が違う。ディープな層は言うに及ばず、ミドルな層の「RPG好き」な連中も「Wii Fit との違いをわかっている」ので、コンシューマーRPGを見放したりはしない。けど、「大事」なのはライトなユーザー、極論を言えば「Wii FitもコンシューマーRPGも、本質的にはどーでもいいモノだと思っている連中」がどう思うか、だからだ。
 
 ある意味哀しいことに、世の中ディープなファン層だけではなかなか回らない。ボードシミュレイションゲーマーなるレアな連中が生き残っているところを見ると「衰退はしても簡単には絶滅しない」とは思うけど、そんな連中だけが生き残っている世界ってのは色々大変でねえ…マニアが嬉しい悲鳴を上げたくなるほど「栄えている」って状態に持ってゆくためには、「ライトなユーザーの取り込み」がある程度必要ではないかと。だからってヘビーユーザーを無視してまでライトユーザーを取り込むのはやりすぎとしてもだ。
 
 ライトなユーザーは…はっきり言って、私には理解不能である。私が何事につけてヘビーユーザーだから…ではない。どのジャンルにしても、私はちっともヘビーでコアじゃあないと思っているんですけど(苦笑)。いやそれは無関係だ。いわゆる「ライトなユーザーの動向」なるものは、その筋の専門家(広告代理店関係者など、「流行の仕掛け人」と呼ばれる人達)でもないと理解できないのが当然だからね。ただまあ、「流行してる」って情報に過敏であり、そうじゃない分野は平然と見放すのが一般的だってトコロまでは何とかわかる。この行動原則に従うと、Wii Fitを有り難がり、その影響(ユーザーのサイフや時間は有限なので、何かが育てば何かが不利を受ける)でコンシューマーRPGがさらに寂れる可能性は高い。
 
 とはいえ…データ不足なので私には何とも言い難いんだけど、コンシューマーRPGをある程度支持している層って、実は結構いるのでは?ライトな連中だけじゃなくミドル~ヘビーな連中までもがWii Fitに手を出し、多少そっちにカネやヒマが流れても、「無茶苦茶寂れる」って状態にはならないのでは…いわゆる「デフレスパイラル」が怖いってのはわかるけど、世の中には「2部に落ちようがアジアの片田舎で試合しようが、とにかく客が山ほど押し寄せる」モノも存在するわけで。多少の不景気風なんぞ気にしないディープな連中が山ほどいるのなら、業界全体としては一応安泰でしょ。コンシューマーRPGってのは「その領域」に突入してるんじゃないかなあ。なにせシミュレイションゲーム業界でさえ、一応は「超低空飛行ながらも安泰」なんだから(苦笑)。
 
 実際のトコロ、Wii FitのヒットとコンシューマーRPGの売れ行きがこの先どーなるのかはまだわからない。わからないだけに、冒頭の仮説のようなモノにも一定の意味はあると思う。けど、正直掘り下げ方が足らないかなあ。実はこのような「浅くしか掘らない」奴の意見こそが重要なのかもしれない…と言うより、重要でしょ(苦笑)。世の中そんな連中ばかりなんだから。ただまあ、そういう風潮なんぞ無視して「飛ばしまくる」のが私だ。その価値は、当人よりここを頻繁に見てる読者の方々の方がよくわかるのでは。
 
 ちなみに…元ネタの分量は今回の分量の1/3程度。しかも、これでも分量的に手加減してある。いくら私の「重要分野」に対する挑発的言動とはいえ、私もよくやるわ。ただ、これだけ「頑張って」いるのに、私の文章力はちっとも向上してない。この年齢にもなると、アタマも相当固くなっているからなあ。いくら自分自身だからって、こんな成長率の低いモノは鍛えても楽しくないぞ(笑)。

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