12月3日2007/12/04 01:24

 やはりお払いが必要だ…ブツブツ…ってのはさておき。さておかせて下さいよ~!私だって突かれると困ることはある。
 
 本日の話題は、「世間に着想を丸投げしてみよう」ってことで、シミュレイションゲームのルールブック改善計画について。かなり前からある構想があったんだけど、まとまりが悪いので世間に放り投げてみようかと。
 
 シミュレイションゲームのルールはヤヤコシイ。そりゃもう、滅茶苦茶。一番の問題点は、ルールそのものと同じくらいルールブックがややこしいことにある。
 
 何でそうなるのか?ややこしいモノを解説しようとなると、そうなりやすいものだから。ゲームそのものに慣れてくると、ルールの理解よりルールブックの読解に手間がかかることさえある。ルールブック読解できないのにルール理解できるのか?できるんだなこれが。他人から教えてもらえばいい。ただ問題は、細部を自分で確認したくてもそれができない(ドコに書いてあるのかよくわからん)ってことかな。
 
 このようにややこしいルールブックだけど、実はまだ「ややこしさ」が足らない。かなりの分量があるにもかかわらず、一般に説明過剰ではなく説明不足だ。その証拠に、明らかに「揉め事の種となる」怪しい説明が満ちていることが多い。多少読みにくくても説明がしてあればいいんだけど、そうじゃない例が山ほどあるんだな。
 
 このようなルールブックを、いかに読みやすくするか…という工夫は、他人に任せる。私が興味を持っているのは、「どーやったら怪しい記述を減らせるのか」だ。読みにくいルールブックも大問題だけど、「読みこなした人同士で論争が起きちゃう」コトに比べれば、まだ問題は小さいと思うので。
 
 何でこんなコトが起きるのか?私が思うに、主要な元凶は3つ。まず1つが「使っている用語の定義不足」である。日常的に使っている単語ってのは、ほぼ自動的にいくつもの意味を持っている。これはこれで便利なんだけど、時に混同が生じて争いが生じるんだな。
 
 ゲームで例を出すと、「マップ」というのは多義的である。代表的なものだけで1)物理的な「マップと呼ばれている大きな紙」、2)ゲームで使用する領域、チェスや将棋における盤とほぼ同義」…の2つの意味がある。このことを理解しておかないと、「マップ上に自由配置」としてあるユニットを、マップ上に印刷してあるターントラックやCRT上に置いても良いのか?という質問にどう答えていいかわからなくなる。
 
 そんな間違いをする奴はいない?その通り。普通は直感的にわかる。しかしだ。これが「陸戦ゲームにおける全面海上ヘクス」「海戦ゲームにおける全面陸上ヘクス」だったら?実のところ、このような場所にユニット・マーカーを配置して良いのかどうか、明確に記載してあるゲームは少ない。確かに大抵の場合問題にならない。そんなコトしても意味がないから。けど、モノによっては意味があり、モメることがある。
 
 これに対する解決方法は単純。「省略するな。全部書け」である。ただ、これをやると分厚いことで有名なルールブックが、さらに分厚くなる。理屈としては解決可能だけど、実際問題として無茶があるのでは。
 
 もう1つが「無矛盾の不徹底」。これは…単純に言ってデザイナーサイドが悪い。プレイヤーが自発的に負けるような行動を取ろうとも、その行動はルールの枠内に収める必要がある。それゆえ、明白な矛盾(ルールに従いようがない状態)は決して作ってはならない。もし発見されたなら、それはデザイナーサイドの責任だ。これは簡単にわかることだけど、現実問題として徹底するのが難しい。ルール体系が複雑なので、矛盾を潰すのは簡単じゃないからねえ。
 
 最後の1つは、「意味の薄い複雑化」。これは…本当はプレイヤーサイドが悪い。ルールブックに厳密に従えば問題は生じないのに、勝手に他のルールと「混同」してしまうだけだから。ただ、ものすごーく似たようなコト(たとえば移動と機械化移動)なのに、同じ地形へ同じ部隊が移動しても移動力消費が異なる…なんて「違い」は、プレイヤーを混乱させるだけって言われても(ある程度は)仕方ないような。
 
 こういう話題を出すと、良く言われるのは「そんなことは常識に従えばいい」である。言いたいことはわかるし、実は私もそう思う。しかし、ゲーマーが考える「常識」には、結構差がある。おおむね一致してはいるんだけど、細かい点は相当差があると考えてイイ。さらにだ。もし初心者勧誘などというコトを考えた場合、どーやってこの「常識」を叩き込むのか…私が思うに、「常識」というモノはいざ「説明しろ」と言われたときに始末に負えないような。
 
 そこで私は考えた。どこかで「常識」の厳密な定義を行うべきではないかと。そうすれば、ルールブック上では「常識」に従ったものとして記述を省略できる。何かしら論争が起こって、常識って何なのかを調べたくなったとき、該当箇所だけ参照するのだ。
 
 たとえばだ。「移動力を消費して塹壕を掘る」という行動をしたユニットは、移動したユニットなのだろうか?これに対し、「常識」は何かしら解答を記しておく。ここでは仮に「移動力を消費することによって行われるもの全ては、移動と見なす」だとしておこう。
 
 いや、そりゃ移動じゃないでしょ!そう言いたくなるデザイナーもいるかも知れない。その気持ちもわかる。だったら、ルールブックにデカデカとわかりやすく「移動力消費して塹壕掘っても、そりゃあ移動じゃない」と書くべきだ。この「常識」は、ルールブックにいちいち書いていたらきりがないことを、特に何も書いてない場合どう判断すべきかという「指針」に過ぎない。個別のルールブックに具体的記述がある場合、そちらを優先する。
 
 移動力消費しての塹壕掘りが「移動の一種」かどうか。これは本質的には「どっちでもいい」のである。しかし、どちらかでなければならない。ここで言う「どちらかでなければならない」というのは、たとえば「移動妨害マーカーとの関係では移動と見なさないけど、補給消費では移動と見なす」などというルールと矛盾するモノではない。マズいのは「Aさんとの対戦では移動だけど、Bさんとの対戦だと移動じゃない」ってな場合だ。
 
 ここまで書けば、私が「挫折した」理由はわかりますね?まとめるのが大変なのだ。実を言うと試しに一部だけ作ってみようとして、「コンポーネントの説明」のトコロで堂々巡り。常識を定義するのは大変だろうなと思ったけど、これほどとは…
 
 さらに、これを世に問うた後、「どーやって世間の支持を取り付けるか」って問題もある。定義しようとしているのが「常識」である以上、世間一般、少なくともある程度権威を持った存在から「お墨付き」をもらわないと意味がない。
 
 そんなわけで挫折している企画なんだけど、言いたいことはわかってもらえるんじゃないかなあ。ただ…常識を定義するのは本当に大変でねえ。数学者が「1+1=2」を再定義する時も相当苦労したみたいだし。とりあえずユークリッド幾何学だけ相手にしていれば良さそう(丸い地球のかなりの部分を使う太平洋戦争キャンペーン物であってもだ)なので、数学の再定義に比べれば楽なはずなんだけど…
 
 最後は一般人でもわかる言葉で〆ましょう。常識を疑うのは大切なことなんだけど、実行するのは大変です。だから、「アナタも常識を疑いましょう」とは言いません。ただ、常識を疑うのは大切だけど大変だ…ってコトぐらいは意識して欲しいかな。「常識外れの男」である私は色々大変なんだよ(苦笑)。

12月5日2007/12/06 03:05

 まずは報告。週末は香港へ「天才見物」に行ってきます。よって、更新しません。できてもしません。いちいち<FONT COLOR="#808080"></FONT>(「文字を灰色にしろ」って命令)とか打ち込んでいたら大変なので(苦笑)。木曜も早く寝ないと大変だし。つーわけで、しばらくお休みです。悪しからず。
 
 本日の話題は軽く。ネットを徘徊していたら、「Wii Fitのヒットによって、コンシューマーRPGは廃れるのでは?」って記述を見かけた。面白い意見だと思うので、ココでツッコミを。無断引用のような気もするけど、単なるコメントじゃモノ足らないし、私如きが首を突っ込むのは憚られる場所だし。ま、似たような意見は他から聞いたことがあるんだけどね。
 
 何でWiiのヒットがコンシューマーRPGの衰退に繋がるのか?理屈はこうだ。コンシューマーRPGの楽しみの1つは「レベル上げ」だ。異論はあると思うけど。初期の弱っちいキャラが、成長して強くなるのを見るのは確かに楽しい。しかしだ。コンシューマーRPGが育てているのは、あくまで「ゲーム上のキャラ」に過ぎない。そんなものを育てるより、自分自身を鍛え、成長を確認した(Wii Fitならグラフなどで効率良く確認できる)方が楽しいのでは?というんだな。
 
 正直言おう。ツッコミどころ満載で、ドコから突っ込んで良いのやら。ただ、その半分ぐらいは理解してももらえないような気がする。私はWii Fitみたいなゲームは正直「嫌い」であり、おそらく会話がほとんどかみ合わないからなあ。
 
 ちなみに、何で私がWii Fitを評価しないのかと言えば、そりゃもう「そんなものやってるヒマがあるんなら、ホンモノのフィットネスクラブ行け!」って主義主張の持ち主だからである。ゲーセンのダンスダンスレヴォリューション(通称DDR)でさえ「理解できねえ」と公言した男だからなあ。だからこそ中山競馬場のメディアホールの映像なんぞに我慢できず、香港へすっ飛んでいく…ってのは置いといて。
 
 他にも「その気になれば実際に出来ることと、ひっくり返っても実行不可能なことの違い」(銃や剣振り回すことまでは可能だとしても、モンスターと戦うのは無理だ)だの、「ターゲット層の違い」(「現実よりゲームの方がいい」って馬鹿がどれだけいると思っているんだ)といった点で突っ込むことは出来る。出来るけど、まあ理解してもらえない。結局「ヲタクの論理」で片付けられそうだから。ヲタクをある程度理解できる一般人ってのがいることは認めるけど、そんなのはごく一部だからね。
 
 ただ…これなら「一般人でも理解できそうな」ツッコミポイントを1つ発見したので、それを細かく語ろう。「自分自身ってのは、ものすごーく成長が遅くて鍛え甲斐に乏しい」である。
 
 自分自身を鍛えるのがどれだけ大変か。これは「プロテイン飲んで運動して筋肉増量して体重増やす」って計画にイマイチ踏み切れない私より、「ビリーズブートキャンプに手を出したけど、結局長続きしなかった」って人の方が良く知っているような。そりゃあフツーの生活送っている奴(私も含めよう)は運動不足もいいところであり、ちょっと習慣替えて運動をすれば効果は出ると推測される。けど、「自分が成長する喜び」だけでグングン成長するほどストイックな奴は少数派では?そうでなければ、ある種の生活習慣病が蔓延する理由を説明できないと思うのだけど。
 
 そりゃあね、グラフだの何だのを使って上手くノセれば、その気になってある程度は続けられると思う。けど、そんな工夫はそこらのフィットネスクラブでもやっている。にもかかわらず、「最近自分の成長が楽しみでねえ!」ってなレベルの「鍛え方」してる奴は少数派。せいぜいが「じわじわ体重が落ちた」程度。ま、20台後半より年寄りを多少絞ったって、その程度の成長しか期待できないでしょ。
 
 もちろん、少数かも知れないけど「運動して成長する自分」を大いに楽しんでいる層がいることは事実だし、多少イヤイヤながらそうせざるを得ない奴が山ほどいることも認める。実を言えば私もその1人。普通と違って「体重増量」が目標ではあるけど。油断してるとオソロシイ勢いで減るからなあ…しかしだ。全般的に言って「もうちょっと劇的に数値が良くなって欲しい…」というムシのいいこと考えつつ、ささやかな成長にささやかな喜びを感じている人間が大半じゃないかな。
 
 これに対し、一般にコンシューマーRPGのキャラは成長が早い。当たり前だ。実生活の自分と同程度の成長じゃあ、やってられないでしょ。その程度の成長率じゃあ、スライムと五分の戦いしてる奴がドラゴン倒せるまでに何年かかると?そういうお手軽な成長は逆に白ける…って考えもあることはあるけどね。でも、「自分の成長速度こそが適正であって、それより早い成長は白けるだけ」なんて奴は滅多にいないと思うな。それじゃあ子供(オソロシイ速度で成長する)の成長は「早すぎてツマラナイ」ってことになるぞ。
 
 何?「自分の成長とRPGキャラの成長は一緒に出来ない」だあ?ソレを認めちゃったら、「自分を鍛える喜びとRPGキャラを鍛える喜びは別」ってことになる。最初の仮説からして無意味でしょ。
 
 実を言えば、私も最初の仮説は正しいと思う。Wii Fitのようなゲームのヒットによって、コンシューマーRPGのブームは下火になる(もうなっているって話はあるけど)という考えは一部当たっているんじゃないかな。ただ、理屈が違う。ディープな層は言うに及ばず、ミドルな層の「RPG好き」な連中も「Wii Fit との違いをわかっている」ので、コンシューマーRPGを見放したりはしない。けど、「大事」なのはライトなユーザー、極論を言えば「Wii FitもコンシューマーRPGも、本質的にはどーでもいいモノだと思っている連中」がどう思うか、だからだ。
 
 ある意味哀しいことに、世の中ディープなファン層だけではなかなか回らない。ボードシミュレイションゲーマーなるレアな連中が生き残っているところを見ると「衰退はしても簡単には絶滅しない」とは思うけど、そんな連中だけが生き残っている世界ってのは色々大変でねえ…マニアが嬉しい悲鳴を上げたくなるほど「栄えている」って状態に持ってゆくためには、「ライトなユーザーの取り込み」がある程度必要ではないかと。だからってヘビーユーザーを無視してまでライトユーザーを取り込むのはやりすぎとしてもだ。
 
 ライトなユーザーは…はっきり言って、私には理解不能である。私が何事につけてヘビーユーザーだから…ではない。どのジャンルにしても、私はちっともヘビーでコアじゃあないと思っているんですけど(苦笑)。いやそれは無関係だ。いわゆる「ライトなユーザーの動向」なるものは、その筋の専門家(広告代理店関係者など、「流行の仕掛け人」と呼ばれる人達)でもないと理解できないのが当然だからね。ただまあ、「流行してる」って情報に過敏であり、そうじゃない分野は平然と見放すのが一般的だってトコロまでは何とかわかる。この行動原則に従うと、Wii Fitを有り難がり、その影響(ユーザーのサイフや時間は有限なので、何かが育てば何かが不利を受ける)でコンシューマーRPGがさらに寂れる可能性は高い。
 
 とはいえ…データ不足なので私には何とも言い難いんだけど、コンシューマーRPGをある程度支持している層って、実は結構いるのでは?ライトな連中だけじゃなくミドル~ヘビーな連中までもがWii Fitに手を出し、多少そっちにカネやヒマが流れても、「無茶苦茶寂れる」って状態にはならないのでは…いわゆる「デフレスパイラル」が怖いってのはわかるけど、世の中には「2部に落ちようがアジアの片田舎で試合しようが、とにかく客が山ほど押し寄せる」モノも存在するわけで。多少の不景気風なんぞ気にしないディープな連中が山ほどいるのなら、業界全体としては一応安泰でしょ。コンシューマーRPGってのは「その領域」に突入してるんじゃないかなあ。なにせシミュレイションゲーム業界でさえ、一応は「超低空飛行ながらも安泰」なんだから(苦笑)。
 
 実際のトコロ、Wii FitのヒットとコンシューマーRPGの売れ行きがこの先どーなるのかはまだわからない。わからないだけに、冒頭の仮説のようなモノにも一定の意味はあると思う。けど、正直掘り下げ方が足らないかなあ。実はこのような「浅くしか掘らない」奴の意見こそが重要なのかもしれない…と言うより、重要でしょ(苦笑)。世の中そんな連中ばかりなんだから。ただまあ、そういう風潮なんぞ無視して「飛ばしまくる」のが私だ。その価値は、当人よりここを頻繁に見てる読者の方々の方がよくわかるのでは。
 
 ちなみに…元ネタの分量は今回の分量の1/3程度。しかも、これでも分量的に手加減してある。いくら私の「重要分野」に対する挑発的言動とはいえ、私もよくやるわ。ただ、これだけ「頑張って」いるのに、私の文章力はちっとも向上してない。この年齢にもなると、アタマも相当固くなっているからなあ。いくら自分自身だからって、こんな成長率の低いモノは鍛えても楽しくないぞ(笑)。

12月10日2007/12/11 00:11

12月10日
 さすがに疲れている。明日のことを考えれば、早く休まないと。よって、香港旅行記は後日に回します。悪しからず。ただまあ、とりあえず、
 
勝った!とにかく勝った!
 
 とだけ、宣言させてもらいます。わはは…

12月11日2007/12/12 02:08

 勝った!とにかく勝った!やっぱりサイコーだぜ香港!馬券だけじゃない、本当に色んな意味で勝ったぜ!ってなわけで、浮かれまくりの香港旅行記をお届けします。
 
 2007年はまだ一度も海外競馬旅行に行っていない。つーことは、ゴドルフィンブルーの天才を一度も拝んでいないわけだ。これはイカン。「年に一度はゴドルフィンブルーの天才を拝む」ってノルマを自分に課している私、香港に行くのは義務みたいなものだ。
 
 これとは別に、今回はもう1つ目的があった。スワローズがラミ&グラを失い、レッズは愛媛や横浜にまで負け…と、とにかく「哀しい」ニュースが続く昨今。ひょっとしてコレはオレのせい?魔神ペリエの来襲時期はとにかく運が悪いからなあ…ってんで、お祓いをすることにしたのだ。過去日本の神様に何度かお願いをしてきたんだけど、効き目ゼロ。ならば、香港の神様はどうだ…ってんで、関帝廟に出かけることに。「単なる観光じゃねえか!」って話はあるけど。
 
 ちなみにこの関帝廟、想像よりは小さい建物でした。けど、奉られているのは「ヒゲ殿」こと関羽。趣味が趣味だけに、すごーく頼もしく感じます。私に取り憑いた悪運をズンバラリンとブッタ斬っていただけるよう、「魔神退散」と熱心にお祈りしてきました(笑)。
 
 結論から言おう。これは効いた。すごーく効いた。霊験あらたかどころじゃない。どこぞのインチキ宗教のセールストーク並に効いた(苦笑)。「英雄三国志」(HJ)の関羽ユニット(暴力的に強い)並である!さすがとしか言いようがない。皆さんも機会があったらお参りしてみて下さい。
 
 もちろん、その効果は馬券に…活かされたわけでもないかな(苦笑)。確かに収支プラスであり、馬券代に加えて向こうでの食事代+お土産代その他諸々をHong Kong Jockey Clubにオゴってもらったけど、これぐらいの勝ちは当然だ当然!私は香港競馬得意なんだから!向こうに佐○洋一郎だの須○鷹雄だのと一緒に行った連中がいた(何故か遭遇した)けど、こと沙田の国際開催に関する限り、オレは負けねーぜ!ってなもんだ。最近の不運っぷりから、気持ちが少し守りに入ったね。勝ったことそのものよりも、勝ち方がスゴかった。
 
 細かく勝ちを重ね、ちょっとプラスで迎えた香港国際ヴァーズ。私の本命はクイジャノ。何故この馬?前日観た「広東語の馬券検討番組」の影響である。これは調教と過去のレース(直前のレースとは限らないのがポイント)を流した上で、歯に衣着せぬ批評をブチまけるという、なかなか「使える」番組である。ここで観た調教が、すごく良かったのだ。状態は良さそうだ。後は実力が足りるかどうか。なにせ今年のキングジョージ&凱旋門賞馬(ディラントーマス)やら、去年のブリーダーズカップターフ勝ち馬(レッドロックス)だのがいるからなあ…しかし、この馬もバーデン大賞を勝っている。「欧州の七夕賞」である!オレの知ってるバーデン大賞はレベル高かったぞ!ってことで買うことに。世界広しと言えども、こんな理由で馬券買うのはオレだけだ(苦笑)。
 
 しかし、正直レースっぷりはヒヤヒヤだった。好スタートを決めたまでは良かったんだけど、かなーり後ろに下げやがった。「そこから届くのか?」と不安になるほど。ドキドキしながら直線に入ると、伸びてくるのは…魔神の馬!わかっちゃいたけど、ここにも魔神がいやがる!まさかオレの軸を蹴飛ばすという、「いつもの」パターンじゃねえだろうな…しかし、クイジャノもいい感じで差してくる。魔神が先頭でゴールした後、2着はかろうじてクイジャノが確保。これで馬券的中。魔神で馬券当てたのって、何年ぶりだ(笑)。いや今だから笑っていられるけど、レース後は安堵で腰抜けました。
 
 そして迎えた本日のメインイベント、香港カップ。人気は断然ヴィヴァパタカ。地元では大人気だし、アドマイヤムーンに勝ったこともある馬だからねえ。しかーし!私の馬券はラモンティ単勝。鞍上は天才、しかもゴドルフィンブルーの勝負服だからだ。それだけじゃない。天才はココまで出遅れて負け、早仕掛けで負け、直前の香港マイルはハナ差競り負け…と、いいとこなし。しかし、徐々にリズムを取り戻しつつある。ならば次は勝つでしょ!ココで勝つから天才なんだ!と信じた。そもそも私は天才を観たくてココまで来たんだし。
 
 ところが、このレースもヒヤヒヤ。いや1番最初にゴールインしたのはラモンティだ。しかし、なんか審議くさい放送が…パトロールフィルム(審議用の映像。香港では何があろうが自動的に流れるんだけど)を観ると、確かに怪しげな動きが…あれぐらいは許容でしょ?と思いつつも、万が一を考えて心臓ドキドキ。競馬場全体が脂汗を流す中、最終的には「おとがめナシ」との結論が。いやもう、ず~っと「関羽様、助けて!」と祈ってました(笑)。
 
 先週までの「ツイてない」私だったら、こうはいかなかっただろう。それを考えれば、この勝ちは大きい。勝った金額はともかく、「こういう勝ち方をした」ことが大きいのだ。さらに、最終は「魔神との相性が変化したかどうか」を確かめるべく、複勝だけを買って眺めていたところ、着外でも1着でもなく2着。素晴らしい。私と魔神との間にあった、何だかよくわからない「宿命」を、関羽様が断ち切ってくれたようだ。なお、買ってくるよう頼まれた馬券の中に魔神の単勝があったにもかかわらず、つい「2着とはサイコーだね!」などと言ってしまったのはナイショだ(笑)。
 
 競馬での反省点を述べるなら、「時代の香港を担う」馬を見つけられなかったことか。いやまあ香港スプリントを勝ったセイクリッドキングダムが次代を担うのかもしれないけど、この馬は既に評価が高い。そうじゃないんだよ。オレが観た時点では無名だけど…って馬を探したかったんだよ。前回はフローラルペガサスを見出しているんだから。今回は香港マイルで4着に終わったけど、直線半ばで夢は見せてくれた。こういう馬を見つけたかったんだけどな。ま、これは次回の課題だな。ちなみに、前回の課題「地元の馬だけの一般レースを当てる」は達成。私は「して当然」だと思っていますが何か?
 
 「勝った」のは競馬だけじゃない。ワケのわからん分野でも勝ちました。話は10月末にさかのぼる。秋葉原某所のカレンダー発売予定を眺めながら、「今年はどのカレンダーを買おうかな…」と考えていたところ、いきなり「売り切れ」なる文字を見せられた。何と挑発的な。こういうナメた真似をされたら、欲しくなるのが人情でしょ。
 
 しかしだ。実質は入手不能と諦めていた。カレンダーってのは、年を越すと売れ行きが落ちる。はっきり言って再生産する価値がないのだ。どこにもそう書いてないけど、事実上の限定生産品である。まあ、希に再生産するけど。入荷量の多い秋葉原で売り切れたのなら、どこへ行っても売り切れの可能性は高い。コレは推定だけど、11月半ばには都内から消え去ったと思われる。
 
 そんなわけで、再生産されたら買ってもいいかな…などと思っていたんだけど、先日「秋葉原で逃した同人誌を大宮で購入」(11月24日参照)したこともあって、「むしろ地方ならば入手可能では」と気がついた。地方は人が少ない分、需給のバランスにバラツキがあるはず。ということは、瞬殺もしくは売れ残りアリのどちらかって期待が可能だ。しかし、このカレンダーは大宮でも売り切れ。
 
 大宮で駄目ならどうするか?そうだなあ…仙台や札幌に行けば何とかなったかも知れない。しかしだ。カレンダーのため「だけ」にそこまでの旅費払えるか!しかも、確実にあるワケじゃないのに。まあアイデアはいいかもしれないけど、実質手が出せない…そう思っていた。
 
 何故香港旅行の話題にこんな話が?ふっふっふ、仙台や札幌に用はなくとも、香港には用がある。そして香港には、名高き新和中心(香港ヲタク街)があるではないか!ここは私も同行者も「その筋の気がある」ので、足を踏み入れたんだな。そこで「ワケわからんモノ輸入してるココならば…」と気がつき、真剣に探してみました。その結果、あったんだよ。1つだけ。ちなみにお値段は日本とそう変わらず。
 
 いくら「競馬のついで」とはいえ、秋葉原で売り切れて入手困難になったモノを香港で見つけてくる…多分、こんなコトを体験した奴はほとんどいない。「日本じゃ入手不能」とか、「日本じゃ扱ってる店がごく一部」なんてモノならわかる。「量産は中国本土」って品物はその昔からあるからね。そうじゃない。理論上は日本で入手する方が簡単なハズのシロモノでこれをやったのだ。世の中アホがいっぱいいるけど、私も相当なものだ(笑)。
 
 アホではあるけど、これもまた勝利でしょ。何に勝ったのかよくわからないけど。とりあえず、秋葉原には勝ったような。日本に…いや、世界に冠たる「ヲタクの街」秋葉原にこの分野で勝ったんだから、相当なモノだな。さらに言うなら、私が見つけるまで「日本じゃ大人気の品」を売れ残らせていた、香港のヲタクにも勝った。ま、これは「勝って当然」かな。向こうのヲタクも相当なモノだけど、流石に相手が悪いでしょ(笑)。
 
 かくして大勝利に終わった香港旅行。お祓いのおかげで、流れは大きく変わった。その証拠に、戻ってきたらセパハン相手に浦和レッズ大勝。順当と言えば順当だけど、ついこの間までものすげーチームに負けていたくらいだ。私の流れが変わった効果はあったんじゃなかろーか(笑)。この流れで是非ACミランも撃破してもらいたいね!普通に考えれば無茶だと思うけど、私が魔神で馬券当てるくらいだ。それに比べればこれぐらい不思議じゃないぞ(苦笑)。

12月14日2007/12/15 02:01

 諸般の事情により、明日は仕事。せっかく…(以下略)だってのに。ま、先週遊んでいたわけだから、仕方ないか。
 
 浦和の敗退は…あれで満足していてはイケナイ。それだけ語れば充分でしょ。やはり本気の欧州強豪は違うなあ。親善試合じゃ見せない「顔」がチャンと出ていた。アレに勝たなきゃいけないのかと思うと、先が思いやられる…
 
 ま、この話題はココまで。本気で語り出すと、単なる愚痴が山ほど出てくるので…まあ、私の幸運はココまでってことかな。来週末有馬記念は注意しないと、魔神ポップロックに何かやられかねない…
 
 さて本日の話題。軽く流しましょう。先週の話題の落ち穂ってコトで、「香港の食」を語ろうかと。今回は私にしては珍しく、色々食べたので。
 
 香港は美食の街だ。基本的に何食べても「大丈夫」だと思う。もちろん香港内でも色々と「美味い・そうでもない」ってのはあるけど、大きくハズすのはむしろ難しい。まあ何カ所か「アソコは駄目だ」って場所聞いているけど(笑)。
 
 もちろん今回も美味しいモノをたらふく食べた。現地の競馬仲間(私の同行者にいるんだよ)と食べた中華鍋は、味はともかく「食い放題だからって注文しすぎた」って阿呆なことやらかしたけどね。向こうの人間は若いってコト忘れてた…いやあ、やはり若い者はこれぐらいガッついてないと。ただ、私のようなジジイにはついて行くのはキツい…
 
 とはいえ、「美味かった」を連発するだけじゃ芸がない。食い物の写真だけじゃなく、店の写真すらないわけで。つーわけで、むしろヘンな食い物をいくつか紹介しよう。マトモな食については同行者のサイトを参照してください。
 
 理解に苦しんだモノ筆頭は、何と言っても香港モスバーガーの「黒酢チキンバーガー」かな。いや、モノ自体はわかる。黒酢ソースのかかったチキンバーガーだ。日本のモスで販売されていてもおかしくないシロモノで、結論から言うと味も悪くない。問題は看板だ。ホントに「黒酢チキンバーガー」って書いてある。何故カタカナ。メニュー紹介にはひらがな使っていやがるし。日本人観光客目当てなのか?
 
 なお、モスバーガーの味はフツーにモスバーガー…と言いたいところだけど、フライドポテトの揚げがややキツめだった。そーゆー指導なのか?使っている野菜の味とか、チャンと調べなかったのは悔いが残るかな。なお、値段はおおむね日本並み。ってことは、正直やや割高感がある。香港は基本的に食い物安いから。そう考えると、強くオススメは出来ないかなあ。
 
 味が変わらないのは、バーガーキング。何度食べても、ドコで食べても相変わらずである。だからどーしたって話はあるけど。実は最近出来た日本の店に行ったことはないんだけど、どーせ「あの味」でしょ。コレ食って「さほど美味くないけど、なんか落ち着く」と感じるのが、海外旅行マニアへの第一歩かも(苦笑)。
 
 日本でよく見かけるのに、香港で見かけないのは「アイスティー」である。「午後の紅茶」も「リプトン」も見ない。なんでかね?リプトンのアイスティーはロンドンでも見かけた…どころか、喫茶店でアイスティー注文したら出てきたくらいだ。元英国領ってのは無関係ではないかと。「甘いお茶が苦手」ってワケでもない。だって向こうの緑茶は甘いもの。日本でも売ってる緑茶とよく似たペットボトルに、甘い緑茶が入っている。フツーの緑茶と間違えないように。普通の緑茶もあるけど、少し探す。ただ…紅茶は何でないのかねえ。
 
 あと、今回はインドカレーを食べた。おそらくインド人の店で。いやスリランカかパキスタンかもしれないけど。味はいい。最近は日本でもナンを見かけるようになったけど、本格的なモノは少し違うね。もっとも、おそらくあのランクのインドカレーは日本でも食える。ただ、値段は香港の方が安い。日本にあるインドカレーの店は「日本人に」食わせるための店だけど、他の国じゃ大抵「インド人が食う」ことも想定してるはず。香港もまたしかり。ただ、ビルは相当オンボロでした。安かった理由はコレだなと(笑)。
 
 海外旅行ってのは、ある意味ワケわからんメシを食うのも楽しみ。ただ、冒険ばかりしてると身が持たないのも事実。食は全ての基本だからね。その辺のバランスをどう取るかが重要なんだな。単に美味い・不味いだけじゃないんだよ。正直、実に悩ましい。ただ、こういうコトで悩むのが海外旅行の醍醐味であることもまた事実。特に私の場合、馬券にの当たり外れによって経済力が異なってくるからなあ(笑)。

12月17日2007/12/18 00:25

 土曜に仕事して、日曜は爆眠。やっとこさ香港旅行の疲れ(あまり意識してなかったけど、当然あった)を取りました。ふう。今年はこれから大変だってのに。
 
 本日のお題は、「私は何でブログを続けているのか」としよう。某サイトでそんなことを語っていたので。ま、自分のモチベーションがどの辺にあるのか、確認するのは悪いコトじゃないと思うな。
 
 今まで何度も書いてきていることだけど、ここの目標は「ついて行けない」話題をいかに読ませるか、ってトコロにある。何だかわからないけど面白い…と思ってもらうのが「主目標」であり、たまに展開されるであろう「ついて行ける話題」ってのは、ある意味「オトリ」である。ま、成功しているとは言い難いけど。
 
 何でこんな目標を?特別な理由はない。強いて言うなら、私は多彩な趣味を浅くかじっている(ツッコミ不許可)関係上、話題を絞りたくなかったから…って話はある。書きたいことを何も気にせず書き殴っていれば、どうしたって「ワケわからん」話題が多くなる。かといって話題を絞れば、どうしても「更新できない日」が増える。それだったらいっそ「ついて行けない話題」を読ませることを主眼に置いてやれ…と思ったのだ。
 
 私のような年代の人間は、正直かなーり保守的である。もちろん、この私もしかり。古代戦や南北戦争モノには若干尻込みするし、ばんえい競馬を覚えようって意欲も乏しいし、新作アニメをチェックする意欲を失って久しいし、競馬以外の理由で海外旅行に出かけるのはかったるいし、Linuxに触ってみようって気分にはなれない。ラグビーやバスケの贔屓球団を作るつもりもない(アメフトにはあるんだけど。サイトで甲子園ボウルの結果観てひっくり返っていた…)なあ。どれもこれもチャレンジしてみたらそこに新たな楽しみが発見できそうな分野ではあるけど、どうにも腰が重くて…その上更に「新しい趣味」を覚えようなんて、とてもとても…
 
 それでもだ。私はまだ「マシ」な方かもしれない。時々よくわからない発作を起こし、知らない間に「趣味が拡張」することがあるから。世の中には私の知らない趣味が山ほどあり、私がそれを「良く知らない」のは、その趣味がツマラナイからではなく私がアホウだから…って意識があるので、たまーに意味不明な好奇心を起こして「体験」し、趣味の拡張を引き起こすんだな。
 
 もっとも、いかにこの私と言えども、「今まで知らなかった世界に飛び込んでみよう」って意識だけで新しい趣味を会得することはない。大抵は今までの趣味の「ついで」部分が拡張したものだ。超人ロック~ボードゲーム~シミュレイションゲームって流れがそうだし、競馬~海外競馬って流れもそう。最近では「麻雀鍛え直そう」と何気なく購入した脱衣麻雀ソフトから波及して、オーディオにカネ掛けることを覚えるに至っている。多分私本人以外には「何でそうなるのか」ワケわからんと思うけど。
 
 正直言って、私は「自分の趣味が広がった瞬間」が大好きである。他人の目からすれば当たり前だったり、下らなすぎることでも、私にとっては「新世界」だ。そういうものに遭遇した嬉しさってのは独特だからねえ。ただ…私は可能な限り「昔からやっていたこと」を捨てないようにしている関係上、趣味の拡張には巨大な問題があるんだけど。それゆえ、流行とやらに流され、次々と趣味を替えることができる奴は「もったいない」と思う反面、多少羨ましくもある。
 
 確かに、一心不乱に1つの趣味に打ち込む姿は尊い。本来ならばそうあるべきなんだとは思う。しかしだ。自分が今いる世界だけが全てだと信じて突っ走る…ってのは、尊いかも知れないけど美しくない。ま、だからって「まだ見ぬ何か」を求めて趣味をとっかえひっかえ…ってのはどうかとも思うけど。これは美しいかも知れないけど、尊くないなあ。じゃあ、美しくて尊い道とは?これは私にはよくわからん。
 
 ただまあ、「自分の知らない世界」なるものを覗いてみて、何だかよくわからないけど面白そうだ…って気持ちを持つのは、悪いコトじゃないと思う。私の場合その手の誘惑が山のように落ちていて、いかにソレを避けるかが課題のような気もするんだけど。このサイトは、そういう「若々しい感性」の大切さを感じてもらうために、あえてワケわからん話題を提供するのが目的の1つなんじゃないかなあ。
 
 何度も言うけど、私のこの目標は全くもって達成できていない。文才がないのだ。少なくとも、この目標を達成するほどは。そのジャンルに全く興味を持たない人間にも「面白く読める文章」なんて、相当の文才がないと書けないと思う。この点に多少なりとも自信が持てるようになったら、私は文章でメシ食うことにチャレンジしますよ(苦笑)。とはいえ、ここはカネ取ってるワケじゃないし、広告でさえ可能な範囲で排除してある。駄目な私が駄目なりにあがいていたからって、文句が出る筋合いはない。最低でも「話題限定で」読んでいただけていると確認済みなので、特に止める理由はないわけだ。
 
 こうやって言葉にしてみると、ヘンなトコロにモチベーションがあるコトがよくわかる。まあ、それが私ってコトで。以前「オチで自分を落としていると指摘された」ってコトを書き、それは大いに当たっている(オチがないと不安になるのだ)のは事実だけど、自分が「フツーである」と卑下したことはあまりない。この点は取り繕いようがないからなあ。してみると、ここは作者である私の意図とは無関係に、「F男という珍獣の生態を観察する」ために存在してるのかも知れない…うーむ、それでいいのかオレ。ま、いいか。読んでくれる人がいれば。

12月18日2007/12/19 02:11

 野球はとっくの昔に、サッカーもやっとこさ「ストーブリーグ」に突入(したってことにしておいてくれ…)。つーわけで、温存企画の1つ「浦和と巨人の比較」をお届けしようかと。この2つを「似たり寄ったり」と言う奴は少なくないと思うので。ま、私の周囲には…(以下略)
 
 この両球団、とにかく「金持ちである」ってことは共通している。あくまで同じリーグ所属の他球団と比べての話だけど。そのため、補強にやたらカネを遣う。いわゆる「生え抜き至上主義」に立てば、両球団ともカチンと来る存在だろう。
 
 私?浦和は寵愛の対象。巨人は好きでも嫌いでもない。スワローズと同じリーグに所属している敵である以上、そりゃあ好きにはなれない。ただ、ドラゴンズだのタイガースなどと比べて特にムカつくわけでは…強いて言うなら、「尾花コーチは反則だ。中継ぎとして投げさせるから返せ」かな(笑)。
 
 そんな私の言うことだけに、話半分で聞いてもらいたいのだけど、正直巨人と浦和を比較するのは間違いだ。まず、移籍に関するルールが違う。野球は球団側にかなり強力な保有権があるけど、サッカーは…実質的に複数年契約ぐらいしか選手を縛る手段がないからなあ。それに、サッカーには「悪夢の二部落ち」がある。下に落ちると経営的に苦しくなるのが普通であり、高額な選手を多数雇うのが難しくなる。いくら忠誠心があっても、「正当なる評価」すら難しい球団でプレイするのは辛いでしょ。それを考えれば、移籍市場で上手く立ち回るのは「強豪球団の義務」とさえ言える。浦和の補強はすさまじいけど、野球の移籍ルールで「あそこまで」やる巨人と比較して良いのかどうかは、ちと難しい問題だ。
 
 ついでに言えば、浦和の補強っぷりは単に「報道量が多いだけ」って説はある。今年は名古屋だの大宮だのも相当補強したハズなんだけどなあ。ただ、結果が伴ってない気がするけど。特に大宮には言いたいことがあるぞ(苦笑)。それはさておき、移籍のルールが全然違うサッカーと野球の単純比較は意味が薄いってコトは主張しておこうと思う。
 
 それを承知で言わせてもらえばだ。実は浦和はケチだと言っていいかもしれない。プロ野球の場合、親会社からの補填金を「収入」扱いすれば、実は体力差はたかが知れている。そりゃあ巨人とどこぞのビンボー球団との差は大きいけど、浦和とJ1の他のチームほどの差があるとは…野球の財務体質は闇に隠されているので何とも言い難いけど、巨人と12球団サイテーのチーム(あえてドコとは言わない)の差は、浦和と鹿島や磐田や横浜といった「浦和に続くチーム」との差より小さいような。それでいてあの程度の補強なのだ。逆に言えば、巨人は他球団と「その程度の差」しかないのに、あんなに補強している。来年J2から昇格予定の某チームの天下が続いていたら、どうなったんでしょうね(笑)。
 
 とまあ、ありきたりな「浦和擁護」を展開したわけだけど、実はコレは本題ではない。浦和を非難する奴は、これらを承知の上で非難しているんだろうし。私が真に言いたいコトもここにはない。それをズバリ言えばこうなる。「浦和は、ひょっとしたら巨人のようにならなくてはイケナイのかもしれない」だ。
 
 日本国内にだけ目を向ければ、巨人も浦和も金持ちで…って話になる。しかし、野球でさえメジャー移籍を視野に入れなければ話が進まない時代。ましてやサッカーに至っては。どちらも「世界の中の位置づけ」ってものを考える必要がある。好む好まざるに関わらず。
 
 世界の中の位置づけを考えた場合、正直浦和は巨人の足元に及ばない。だってそうでしょが。浦和はしょせん「Jリーグトップチームの1つ」に過ぎない。どう考えてもサッカー後進地域アジアの、特別強くもないリーグで最強を争っている…ってなレベルだ。そりゃあ今年浦和はACL優勝、川崎も決勝トーナメントまで進んだ。けど、それまでは決勝トーナメントにロクにたどり着けなかったリーグである。将来はどうだか知らないけど、現時点では特別スゴいとは言えないでしょ。しかも、アジアレベルで。
 
 それに比べて、日本の野球はどうか。上にメジャーがいるのは間違いないけど、おそらくその次に入ってくる。キューバを含む中南米や韓国・台湾を侮るワケではないけどね。時差だの移動の手間だの細かなルール・用具の違いだのを考慮しなければ、メジャー相手に「全く歯が立たない」ってことはないと思われる。
 
 そう考えると、世界レベルで見たら浦和は巨人に遠く及ばない。サッカーで「巨人レベル」の球団はどこかと考えたら…ボカやフルミネンセといった南米の強豪クラスよりはちと弱い、て程度になるのでは。世界的に見たら野球なんてドマイナーなスポーツだ、ってことを勘定に入れてすら、これはスゴいことじゃないかなあ。
 
 とりあえず、浦和の理想は「欧州の強豪と並び称されるようなチーム」である。あくまで理想だけど。今の浦和はその理想からほど遠い存在に過ぎないので、どんどんレベルを上げなければならない。それはいい。問題はその「過程」にある。一足飛びに欧州と肩を並べるような球団になるなんて不可能である以上、何かしら過程を踏んで強くなるわけだ。その時、浦和はどんな道を歩むのか、どんな道を目指すべきなのか…そこが「問題」なのだ。
 
 サッカーの場合、欧州の強豪に続くのは「南米の強豪」だ。しかし、南米の強豪の実態と言えば、「欧州強豪への選手供給源」。母国の経済力が段違いなので仕方ないって話はあるけどね。諸般の事情からクラブW杯みたいな舞台では欧州の強豪にヒケを取らないのは事実だけど、総合的に「欧州の強豪に追いつき、追い越す」のはかなーり難しいのでは。そもそも、連中は最初からそんなこと考えてなさそうだし。
 
 それに対し、巨人は一応「メジャーに本気で対抗する」意欲を持っている。それでもゴジラ松井をヤンキースに持って行かれ、福留獲得に失敗する程度ではあるけど。ただ上原や李承燁(どちらもメジャー熱高めと言われている)を日本球界に留めるコトには成功しているわけだ。それが正しいかどうか、成功してるかどうかはともかく、とりあえず「メジャーへの供給源扱いされてたまるか」って意欲だけはある。
 
 現状浦和は「しょせんJ強豪レベル」であり、欧州強豪への供給源にすらなってない。「全力で引き留める」どころか、「どうぞ持って行ってください」とアピールしても見向きもされない程度。まあ、小野はよくやった方だと思うけど…日本サッカーの実力なんて、現時点ではその程度だ。
 
 ただ、時代ってのは色々変わる。この先日本サッカーが強くならないなんて、断言するのは危険でしょ。何と言っても我々は競馬という例を見ている。今から10年ちょっと前、日本競馬のレベルなんてそれこそ「(今の)Jリーグレベル」だと誰もが思っていた。それが今では…少なくとも私は、凱旋門賞だろーがキングジョージだろーが、日本馬が負ければ本気で「悔しい」と言える。まだまだ差は大きいけど、それでも「世界相手に本気のケンカ挑める」レベルにはあると思うな。
 
 そこのところを考えると、この先仮に浦和がドンドン強くなっていった場合、欧州の強豪と「どんな付き合い方をするのか」は興味深い。育てたのかカネでかき集めたかはともかく、配下の良い選手を片っ端から欧州にかっさらわれるようになるのか、「身の程知らず」と呼ばれようとも金積んで抱え込むのか…現時点では心配するレベルじゃないけど、こういうコトは強くなってから考えたんじゃ間に合わない気がするのも事実。
 
 現状浦和はJ屈指の…どころか飛び抜けた金持ち球団であり、好むと好まざるとに関わらず、ある種の義務を背負っている。それはある意味巨人が背負い続けてきたモノでもあるんだな。だとしたら、「巨人という球団の姿勢」に学ぶべきコトは少なくないはず。反面教師として…って部分が多いような気もするんだけど(笑)。ただ、世界を相手に戦うってのはすごーく大変なのは間違いない。日本サッカー界が日本野球界並みに「世界相手に戦える」ようになった時、浦和はどうするべきなのか?巨人のようになるのが正しいとまでは言わないけど、あの姿勢に学ぶべきモノは多いと思う。
 
 もっともだ。うまくやれば毎年1回必ず「本気の欧州強豪」と戦う舞台があるサッカーと、「どーやったら本気のメジャーと戦えるのか」さっぱりわからん野球を一緒にするのは問題かもしれないけどね。案外「流出阻止だ!」と突っぱねるより、バカスカ引き抜かせた方がかえって強くなれるかもしれないし。「巨人に学べ」とは思うけど、「巨人のようになれ」までは言ってない(ならなきゃイケナイかもしれないのは事実なんだけど)のだから。サッカー界としては、とりあえず野球界のお手並み拝見ってところでは?しっかしこの「先輩」、ホントどーするつもりなんだろね。「福留の代わりはラミレスでいいや」は何かが違うだろ(涙)。アレはスワローズが悪いような気もするんだけどさぁ…

12月25日2007/12/26 02:15

 2日連続の忘年会はかなりキツかった…ま、年齢が年齢なので仕方のないことだけど。ついでに言えば、有馬記念をハズしたのも仕方ないでしょ(苦笑)。これでも年末に控える「コミケ+α3連発」よりはマシ、ってことにしておこう。
 
 本日のお題は、その年末のイベント「コミケ」絡みで。まあ一応語っておかないと私の気が…くそう、聞いてないぞ!どーゆーこと?予定崩壊じゃねえか!ただでさえ大変だってのに!
 
 何を騒いでいるのかって?カレンダーである。コミケの企業ブースで売られているモノをある程度チェックし、「アレとアレを買うから…」と計画を立てていたんだけど、「ココはカレンダーなんて売らない」と思っていたトコロがカレンダー出してきやがった。入手優先順位は極めて高い。おかげでコミケの予定が全部パー。どーしましょ。
 
 今回のコミケは、実に忙しい。なにせ初日にゲームと競馬とメカ・ミリタリーがある。それに加えて午後には東京大賞典が。正直、企業ブースは2日目以降に後回し…ってプランもアタマにあった。前回は「実は初日が一番の地獄だった」ってオチがついたし。ちなみに、今回は2日目(どちらかと言えば女性向きジャンルが揃った)が空いているのでは…という推測が成り立つ。ただ、それを見越して…というより、「だからこそ企業ブース行くか」って野郎が山ほどいそうではあるんだけど。
 
 とはいえ、やはり「売り切れ」は怖い。そこで今回は事前にネットで丹念に「売ってるモノ」をチェックすることにした。普通のヲタクはとっくの昔にやってることだけど、私の場合コレをやると「買いたいモノ」が無制限に増殖する恐れがあるので、あえて「現場での判断に一任」してたのだ。けど、これだと現場で時間を使う。時間だけじゃない。アタマが「ヲタクグッズ吟味モード」になるので、切り換えるのが大変なんだよ。そうすると東京大賞典の予想がグダグダに…
 
 そんなこんなで少しずつ予定を立てつつあったんだけど…いきなり「入手優先順位Max」な品が登場したおかげで、全部吹き飛んだ。せめて早く言ってくれよ…と言いたいけど、諸般の事情からソレは無理。そもそも「売り物無し、無料配布のチラシだけ」って可能性まであったからなあ。つい先日新製品出して、ココでもチャンと売り物用意するとは、相変わらず仕事熱心というか頑張りどころを間違っているというか…と思ったらコレ。どーしましょ。
 
 予定が吹き飛んだのは、コミケ関連だけじゃない。カレンダーの張り場所も練り直しだ。コッチは元から滅茶苦茶だけど。なにせ先月の同人誌即売会では「不作」だったので、最後まで不作だろうと読んでいたのだ。なのに…お参りが効き過ぎたか?
 
 だいたいだなあ。今年は予定外に入手できたモノがやたら多い。JRAの無料配布版カレンダーは一応「予定通りの入手」(自分は香港にいて入手不能なので、香港の馬券とバーター取引した)だけど、香港ジョッキークラブカレンダー(買ってきた)は予定には入ってなかった。さらに予定外のヲタクな品まで買ってきてるし…予定していた品はほぼ入手できただけに、見事なまでの供給過剰。まいったね。
 
 普通に考えるなら、予定の品を一部諦めるんだけど…そーゆーコトしないのが私。予定の品は予定の品。本来ならば「衝動買い枠」も含めて計算されているだけに、多少増えたくらいじゃ問題にはならないハズなんだけど…ある意味、「カレンダー買い占め計画」に挫折した去年よりヒドい。
 
 ちなみにだ。「予定の品」は予定の品で不満アリ。JRAカレンダーの12月が、JCダートなのだ…それは違うだろ。別にヴァーミリアンに恨みはないけど、JC目当てでこのカレンダー入手してるだけにねえ。競馬カレンダーは他にもあるけど、発売時期の関係からJCを扱えないものが大半。だからこそJRAカレンダーなんだけどなあ。これは何かの陰謀でしょうか?そーゆーコトしてるからJCは世界の大レースとは…(以下略)。
 
 そんなわけで、色々と計画が狂っている「来年のカレンダー」。文句の1つも言いたくなるのは当然。でもまあ、こーゆー愚痴をブツクサ言いまくっているのが楽しいのも事実…というより、これが楽しくてやっているって話はある。ヲタクとは本来そーゆー生物だ。その意味では一般人とは隔絶した…存在かぁ?一般人だって楽しげに愚痴っているネタは多いと思うんだけどなあ。健康ネタとか(笑)。

12月28日2007/12/29 01:02

 これが今年最後の更新になるのは間違いない。明日からの3日間で「燃え尽きる」ので、年明けの更新もいつになるやら。つーわけで、これを語っておかないと年越しできそうもない…ってものを。なに、つまらんネタです。そーゆーものほど語らないと年越せない気がするので。
 
 先日忘年会の連チャンがあり、そこで色んな話が出た。重要な話、そうでない話色々取り混ぜて。その中の1つに、「大阪冬の陣のゲーム」って話があった。これについては、ちと考えるところがあったので追加して語っておこう。
 
 この時の話は、私の記憶が正しければ「大阪冬の陣のゲームは面白くなるか?」という話だった。私は酔っていたこともあり、あまり深く考えず「難しいのでは」と返答したんだけど…ちょっと浅い考えで返事したかなと。正直結論は変わらないかも知れないけど、ド真正面から取り組んでみよう。
 
 大阪冬の陣。豊臣家が滅亡するに至った戦いである。豊臣方は大阪城に籠もって徳川方を撃退した…んだけど、淀君が「大砲が五月蠅くて仕方がない」とゴネたので和睦を結ぶに至る。この時「外堀だけは埋めさせてやる」って約束だったのに内堀まで埋められ、大阪城が城として役に立たなくなったところを再度攻められ、豊臣家滅亡。ま、大まかな流れはこんなものだ。
 
 正直、「何故冬の陣をゲーム化?」って気はする。城に籠もる大阪方を徳川方が攻めて撃退され…ってだけじゃ、あまり面白くなさそうだ。その点、むしろヤケクソ気味に野戦を行い、案の定散った(当たり前だ)夏の陣の方が、まだゲームとして面白いような。私が返事をした時点での考察ってのは、このレベルに留まっている。
 
 実際「大阪冬の陣のゲームを作れ」って言われたら…まず思いつくのが、攻城戦ゲーム。思い切って開き直って、城攻め「だけ」のゲームにしてしまう。今までにないテーマのゲームだし、こーゆーモノを作るなら、他の戦いじゃ難しいような気がするので。戦国時代では、案外馬鹿正直な攻城戦って少ないし。作戦級ではなくて戦術級だな。ただまあ、戦国時代をテーマにした戦術級ってのは独特の難しさがある。相当ヒネらないと「なんかオカシイ」ゲームになるような。
 
 作戦級で作るとしたら、攻城戦だけじゃ面白くない。それは間違いないんだけど、だったら何で冬の陣?大阪城がマトモな状態なのに、野戦をする必然性は薄い。いずれにせよ勝てないのは間違いないとしても、城を頼った方がまだ「戦える」わけで。実際冬の陣だけ考えたら守りきっている。あの結果を「大阪方敗北」(内堀を埋められるから)と位置づけ、出陣を強要することは出来る。でも、だったら「最初から出陣するしかない」夏の陣でいいじゃん。
 
 そもそも、大阪方に勝ちはあったのか?「ない」ってのが模範的解答だけど、それだと工夫の余地もない。何かしらないものか…って考えていたら、一応思いつきました。正直、マトモな解答ではないけど。記憶の底に封印したまま墓場まで持って行く方が、世のため人のためになるんでないかってくらい。ただまあ、ここは「そんなモノを書き散らす場所」なので、あえて書いちゃう。
 
 大阪方が勝つためには何が必要なのか?私の出した答えは1つ。「家康の死」だ。だから野戦で家康の首を獲れば…ってのは「マトモな」考えだ。そうじゃない。戦場で首獲られようが鯛の天ぷら食い過ぎだろうが、とにかく豊臣家が滅亡する前に徳川家康があの世に行けば「豊臣方の勝ち」じゃなかろーか。
 
 実際、家康抜きの徳川家が豊臣家を「征伐」できたかどうか、そもそもする気になったかどうかは微妙だ。とりあえず問題を先送りしておいて、じっくり時間を掛けて弱らせて…という選択肢もあったはずなので。まあいずれにせよ先があるとは思えない豊臣家の勝ちと言えるかどうかはともかく、徳川家にしてみれば敗北気分でしょ。
 
 そこで思いついたのが、「事前の戦力決定」と「家康の寿命」の連動だ。大阪方の戦力ってのは、関ヶ原の戦い以後に生じた大量の浪人が重要。真田幸村も後藤又兵衛もコレだし。これを活用しちゃう。アホな話だけど。
 
 私のアイデアはこうだ。まず、「家康の寿命」ポイントを設定する。東軍は、これを使って「取り潰さない」大名家を決定する。家康にしてみれば上杉家だの毛利家だの島津家だの…って連中は「できればとっとと滅ぼしたい」大名家だ。そこを我慢するのでストレスで寿命が縮まると(笑)。もちろん福島正則だの加藤清正だの浅野長政だの…といった「関ヶ原では東軍だったけど、元々は豊臣家の連中」も滅ぼしたい。
 
 そうやって「枕を高くして眠れる」ようにしまくると…大阪方に山のような軍勢と優秀な武将が集結するわけだ。かといって浪人が発生しないように色々と恩情をかけ、真田幸村を大名にしてやったりすると、家康がストレスで憤死する。その辺のバランスをどう取るのか…ってトコロからゲームにするのだ。アホなアイデアでしょ。ただ、これぐらい盛り込まないとゲームとして面白くなりそうもないんですが。
 
 むろんこれだけだと単なる「ゲーム前の余計な作業」だ。そこで、カード引きだのダイス振りだのを上手く盛り込み、「ここだけプレイしてもある程度楽しめる」ものにする必要がある。なんか本末転倒っぽいって?ただ、個人的にはむしろコレが「正しい姿」ではないかと思うのも事実。天下の帰趨なんてものは関ヶ原の時点で決まっていて、大阪の陣なんてしょせん「戦後処理の一環」じゃないかと思うので。大阪方に誰が参加したかどうかなんて、結局は徳川幕府の「どの大名家は生き残らせてやるか」という都合の副産物に過ぎないのでは?
 
 まあ、実際この着想に従ってゲームを作ったとして、面白いモノに仕上がるかどうかは未知数。駄目じゃないかって気がするけど(苦笑)。ただこれだけは言っておきたい。あえて「大阪冬の陣」をゲーム化する以上、そこには何かしら「冬の陣である必然性」が欲しい。直後に夏の陣という同じ「どーしよーもない戦い」があり、こちらは開き直って野戦するしかない。「籠城していたら駄目だ!」と言いたいのならこちらをゲーム化すべきだし、「適当に野戦して、駄目なら籠城していればOK」って形でバランスを取るぐらいなら、最初から単に籠城すべきだ。
 
 ゲームバランスがどうこうというのは大事だ。誰も「負けが決まっている」ゲームなんてやりたくない。しかし、実はこの世界、大事なのは「過程」である。我々は職業軍人ではないので、別に「単なる作業に終始する、つまらない戦い」をプレイする必要はない。あえてゲーム化する以上、そこには「プレイするだけの面白さ」が存在しているべきだと思う。これは「一方的と思われている戦いから、面白い要素を見出す」のとはまた別だろう。攻城戦に終始した大阪冬の陣をゲーム化するのなら、攻城戦そのものに面白さを(何とかして)見出すか、あるいは最初から「城をアテにしてはいけない」って状況を作り出すかであり、「だって夏の陣と違って大阪城が健在だから、ゲームバランスは取れるじゃん」って発想でゲームを作るのは不毛だと私は考える。
 
 余談だけど、コマンドマガジン最新号付録となった関ヶ原テーマのゲームの題名が「天下強奪」なのは、これが家康主役の関ヶ原ゲームだからだと思う。もちろん家康が討ち取られたり豊臣秀頼が出陣して西軍の勝利と言うことも考えられる。しかし、基本的には東軍が「関ヶ原を越え、畿内の城をどれだけ獲ったか」で勝敗が決まる。この状況のドコが西軍の勝利だと?あれは「家康が勝つか、黒田如水が勝つか」を争うのが基本だと言わざるを得ない。小早川が裏切ること確定で毛利や島津にやる気がない(自発的に接敵出来ない)のでは、西軍にはその程度のコトしかできないだろう。ただ、「どーせそれが精一杯ですよ」という開き直りのある西軍ってのは、独特の違和感があるのも事実。その点では、似たような発想に基づいて遅滞戦術に徹してると黒田如水に九州席巻されて本州に上陸される(その姿が目に見える)ので、駄目を承知で大合戦に全てを賭けたくなる「戦国の一番長い日」の方が、ゲームとして好みに合っているかなあ…って気がする。「天下強奪」は、三成の苦労は描けても苦悩は描けていない。ただまあ、それでもかなり楽しめるのは事実。ゲームってのは「全てを再現できるワケじゃない」のだから、あれはあれでいいのだ。
 
 冬の陣なら大阪城が健在だから…と考えるのは、別にものすごくマズいワケではない。そーゆー方向でデザインするのもアリだと思う。ただし、その方向で行くなら、私に意見を求めるのは間違いかな。私は「大阪城が健在だからこそデザインすべきじゃない」って発想の持ち主なので。プレイして楽しめないとは言わないけど、ゲームをデザインするためには「その上の段階」が必要だからねえ。「JCで醜態を見せたモンジューにオゴってもらうくらいなら、エアシャカールで玉砕する!」「恨み重なるモンジューの息子にオゴってもらうくらいなら、ハーツクライと心中だ!」と叫んで使っちゃイケナイお金投入するような奴にしてみれば、大阪城があるからこそ冬の陣をデザインすべきじゃないって結論になるのは当然でしょ(苦笑)。
 
 とまあ、「大阪冬の陣」ゲーム化について色々語ったわけだけど…心底役に立たない内容である(苦笑)。ある意味わかりきったことを羅列してるだけだからなあ。ただまあ、一応は私なりのデザイン哲学(デザイン経験があるワケじゃないけど)みたいなものも語られているので、無価値ではないような。ただ、「そのデザイン哲学こそが一番無価値だ!」って気がする(偉そうなこと言う前にデザインすべき)んだけどね。