9月1日 ― 2008/09/02 04:45
福田首相、辞任ですか…補正予算通す前に投げ出すのは、どうかと思うけどね。まあ本予算をブン投げるよりはマシだけどさあ。正直、同じ辞めるならサミット直後か臨時国会会期末のどちらかにしてもらいたかったね。
原稿のやり取りはひととおり終了し、「ヒトラー電撃戦作戦研究・第一部」の原稿はおおむね確定した。まだ訂正が入るかも知れない(実は「場合によると訂正される」って部分が含まれている)けど、大きな作業にはならないはず。ふう、良かった良かった。
しかし、私の作業は当然まだ終わらない。当たり前だ。次回以降に向けた作戦研究がある。これがアタマの痛いシロモノでねえ…わかっちゃいたけど、アタマ爆発しそうです。つーわけで、本日はその愚痴なんぞ。
「ヒト電」の作戦研究はタイヘンだ。なにせこのゲーム、ゲームの流れは「好きにしなさい」とプレイヤーに丸投げに近い。史実を知っているが故に史実通り行動したがらないプレイヤーを史実通りに行動させるためのルール、いわゆる「陰謀ルール」がほとんどない(ゼロではない)。そのため、「自分が採り得る戦略」が山のようにあり、相手の対応も山のようにある。それを組み合わせて「どうプレイすりゃいいんだ」って方針を見つけるんだから、検討事項がアホみたいに多いのだ。
正直言って、当初私は「必勝法」がどっかにあるんじゃないかと疑っていた。必勝まで行かなくても、必殺技クラス…つまり、「史実の流れより、コッチの方が断然上」ってワザが山のようにあり、「ドコの戦いだよこれ」って流れが当然になるんじゃないかと。だって、陰謀ルール抜きでこの手の戦略級ゲームが「成立」するなんて、誰が考える?
ただ…今のところの私の結論は、「そんなワザは発見されてない」である。それどころか、「おおむね史実通りの流れ」こそがベストっぽい有様。多少いじくる余地がありそうだけど、「ユーゴはいちいち懐柔するより事前に踏み潰せ」とか「バルバロッサ始めたのなら、北アフリカで攻勢する意味は薄い」といった程度。こんなものは、この世界じゃ常識に毛が生えたモノだね。対応不能だとか始末に負えないってワザでもなさそうだ。
史実と異なる作戦が全部駄目ってワケではない。たとえて言うなら、将棋の居飛車と振り飛車みたいなものだ。史実通りの流れが「居飛車同士の矢倉戦」だとした場合、色々いじるのは「居飛車対振り飛車」「相振り飛車」みたいな戦いになるだけ。有利不利は「対抗不能」ってレベルでもなく、最後はお互いの研究と実際のユニット捌きで決まるのではないかと。
もっとも、現状での有利不利を聞かれたら、私はためらいなく「枢軸有利」と答える。理由は枢軸の方が強いから…ではない!枢軸側は最初攻撃側だ。よって、ある程度主体的に流れを決めることができる。対する連合軍は最初防御側なので、それに的確な対応をするよう心がけなければならない。これは当たり前の話だ。問題は、この場合キツいのは「相手が繰り出す多彩な作戦案に、常に的確な対応を強いられる」連合軍側だってことにある。今のところ「枢軸がどんな手を打ってきても、これさえやっていれば連合軍は勝てる」って戦略・作戦は発見されていないし、発見できるとはまるで思えない。
正直言って、私の作戦研究は「枢軸軍の怪しげな新作戦を開発する」→「連合軍に対策はあるか調べる」の繰り返し。その結論として、一応枢軸がどんな手を繰り出そうとも、連合軍がなすすべなくものすごい不利な状態に陥ることはなさそうだ…となっている。ただ、的確な対策を打ち出せなければ、ボロボロにされても文句は言えない。その可能性を秘めた作戦なんて、山ほどあるんですけど。そういう怪しげな手を事前に練っておける枢軸側と、それを見た瞬間から対策を考えなきゃいけない連合側のどちらが有利だって?
しかもだ。今なお「枢軸の怪しげな作戦」は増え続け、その都度対策が必要とされている。つい先日も自分で怪しげな手を考えつき、連合軍はそれに対抗可能ではあるけど、この手をブラフにされたら相当キビシーのでは…と不安になった。これは今までやっていた「マップとPCをにらみ、ユニットを並べない作戦研究」では結論を出せず、ゲーム会場でマップ広げてユニット並べた作戦研究をする有様。結論としては「巨大な問題は生じないけど、多少枢軸が有利になった」気がする。
何だかんだ言って私はこのゲームを相当研究している方だと思うけど、それでも枢軸軍のあらゆる作戦に対し「それは対策を研究済みだ!」と言える自信なんてない。狼狽えてしまって的確な対応が出来ず、そのままズルズルと負けてしまう可能性はある。ただまあ、一応は「新手を見せつけられても、その場で対策を練れる」よう努力しているつもりだ。次回の第二部では、「最低限これだけは覚えておいてもらいたいこと」をいくつか紹介すると同時に、対策を考えるヒントはどこにあるのかを紹介したいと思っている。どちらかと言えば抽象的な話が中心になりそうな。ただ、それを具体化するにはどーすりゃいいのかって部分は第一部である程度語ったつもりなので、これで大丈夫なのではと思っているんですが。つーか、山ほどある怪しげな手を全部紹介できるわけがないので、他に何を語れと?
しかしだなあ…これだけ作戦練りまくったのに、結局は史実っぽい作戦がオススメってのは、我ながらどうかと。要は私の戦略を練る能力が「ヒトラー以下」ってことだからねえ。私は史実を知ってる分、相当有利な立場のハズなのに。もし私がヒトラーに代わって独第三帝国の指導者になったりしたら、独はもっと手ひどく負けただろう。ま、それを実感できるのが、この手の趣味の醍醐味ではあるんだけどね。
9月2日 ― 2008/09/03 02:28
本日の話題は、延び延びになっていた「コミケ総括・ゲーム編」を。ただし、とりあえずはスポーツゲーム編から。よって、あえてこの色で。
カタログ見た時点で期待していたとおり、今回は野球ゲームを2種類3つ入手できた。何故2種類3つ?これにはちょっとした事情がある。
ゲームの野球と言えばファミコンの…って路線が一般的なんだろうけど、私は何と言っても「APBA」と「ザ☆ビッグ野球」(以下BIG野球)である。そんなもの知らないって人間のため、少し細かく説明しよう。
この2つのゲームは、今だとカードゲームに分類されるんだろう。12球団の実名入り選手カードがあり、コレを使って野球をやる。大事な特徴としては、1球単位でプレイを解決するのではなく、1打席ごとに解決するってコト。
このシステムを初めて知った時には「乱暴だなあ」と思ったんだけど、プレイしてみると案外違和感はない。1球ごとの駆け引きは味わえないけど、監督の視点に立てばそれがむしろ当然ではないかと。何より、サクサク進むのが楽しい。慣れればコンシューマー系の野球ゲームより早く1試合終わるし。
APBAってのはより古くからあるシステム。原型は米国にあったもので、それのNPB版である。日本だと83~91まで出ていたのかな?色違いの6面ダイス2つを使用する。カードには11~66(普通「イチイチ」「ロクロク」と読む)の36個の「打撃結果(1~40の数字のどれか)」がある。片方のダイスを1の位・もう片方を10の位としてダイスを振り、出た目をカードに当てはめて打撃結果の数値を求める。その数字をランナーの数ごとに分類されたチャートに当てはめ、具体的に何が起きたのか結果を出す。言葉にするとややこしいけど、慣れればすげー単純なシステムだ。
それじゃあ投手の良し悪しが表現できない?投手はグレードってものがあり、それに従ってヒットをアウトに変えることが出来る。他に四球が少なかったり多かったり、三振が多い、ホームランが多い少ない…といった特徴がある。
このゲームの特徴は、「単純」ってコトに尽きる。慣れればゲーム進行が早い…どころか、数字の意味をあっさり覚えることが出来るので、普通の人には意味不明な数字の羅列を見ただけで「良い選手」なのか「駄目な選手」なのかわかる。「今年の落合はニーニーも3かよ」「松永はサンゴーも24かぁ。相変わらずだなあ」なる、部外者には意味不明な呪文を毎年のように唱えていたものだ。
BIG野球は、一応その「続き」として出た。基本的な考えはAPBAと似ているんだけど、APBAがダイス一振りだけで1打席解決だったのに対し、こちらはまず投手のダイスを振り、「絶好球」「打ち頃の球」「打ち取れる球」「ボール球」「三振捕れる球」のいずれかを求める。次に打者カードの「該当する球が来た時の打撃欄」を見て、ダイス振って打撃結果を求める。ちなみに使用するダイスは20面。普通の人間は見たこと無いと思うけど、私はたくさん持ってます(苦笑)。
実は野球ボードゲームってのは他にもあったんだけど、メジャーなもの(あくまでこの世界でだけど)となるとこの2つになる。何故なのかは、正直よくわからん。ちなみに発売元はホビージャパンって会社。この会社が野球ゲームから手を引いたことは、先日の一件(8/17参照)に匹敵する「恨み」である(苦笑)。ま、当時と違って今だと選手会に払うカネがタイヘンだろうから、出し続けるのは無理があるとは思うけど。
私は、コミケでこの手の野球ゲームを扱っているサークルを発見した場合、原則として買う。他人とプレイする機会は正直無いけど、それでもね。ソロプレイはできるし、何より「観賞」してるだけで楽しいから。それに、こういう存在は「絶滅させてはいけない」と思うんだな。多少なりとも「次もコミケで売ろう」って気持ちを強くしてもらうため、とにかく買う。
私がコミケで「2種類3つ」購入した理由はココにある。APBAの方はともかく、BIG野球は2サークルが出していたのだ。しかも、すぐ隣で。ドコをどう考えてもどちらか一方だけ、安い方を買えば良かったんだろうけど、サークル保護という観点からすれば両方買わないと。そーゆーことやるのが私である。
さて、せっかく2つ買ったんだから、この両者を比べてみよう。理屈から言えば、両者はほとんど同じハズである。だってそうでしょうが。NPBの打撃成績なんてものは年度ごとに1種類しかない。それを同じゲームに「落とし込んで」いるんだから、大きな違いが生じたらオカシイことになる。まあ端数処理の問題はあるだろうし、守備力(実はさほど重要ではないけど)や投手のスタミナ(かなり重要)なんかは製作者の主観が色濃く出るので、まるきり同じとは思えないけど。
ところがだ。比べてみると結構違う。いやまあ全体としては一致している部分が多いんだけど、細かく違うのだ。一番目立つのは、「右対右」「左対左」に関する処理かな。オリジナルのこのゲームは右対右・左対左は「とにかく投手が有利」になるよう設計されていたはず(デザイナー殿が力説してたのを聞いたことがある)だけど、これが片方は緩和されているようだ。
私は「自前のBIG野球カードを制作可能」なほど、このゲームに詳しくはない。よって、オリジナルに近い求め方をしてるのがどちらなのかはわからない。基本概念自体は簡単なので、多少のズレを覚悟すれば「自前のカード」を作れるはず。よって、片方が「オリジナルに近い左対左の概念を持っている」からって、全部オリジナルに忠実とは限らないのだ。
こうしてみると、やっぱりこの手の野球ゲームって「職人芸」なんだなと思う。基本部分は単純な数値処理だとしても、細かい部分はやはり製作者の個性が反映されるのでは。理想を言えば「コレこそが正規版だ!」ってモノが欲しいけど、選手会にゼニ払えそうもない現状では無い物ねだりでしょ。だとしたら、どれが正規版に近いかはあまり気にせず、とにかく「今いる職人」を大切に保護するしかないのでは。乱立は乱立で困るけど、どーせ「山ほどいて困る」って状態じゃないんだから。
ちなみにだ。APBAやBIG野球の需要ってのは「少ないが、ゼロではない」はずであり、別に私が保護意識を持たなくてもやっていけると思われる。買う奴は何だかんだ言って毎年欲しがるはずなので。でも、そういう馬鹿が増えてくれると有り難いのも事実。この話題に「完璧について行ける」人間には、保護活動に加わって欲しいですね。ただ、「そのためにコミケという名の地獄へ堕ちろと?」って聞かれたら困っちゃうんだけど(苦笑)。
9月3日 ― 2008/09/04 02:18
単に「PC系のネタになりそうだ」って理由だけで、Googleの出したブラウザをダウンロードしてみました。つーわけで、感想をいくつか。
現在私がメインで使っているブラウザは、IE7.0。どことは言わないけど、「これじゃないとチャンと表示しそうもない」サイトを見る関係上。動作の速い遅いより、マトモに表示するかどうかの方が大事なので。
ただ、コイツに言いたいことは山ほどある。遅いのはまだしも、画像がイマイチなことがあってだねえ。つーわけで、Safariも併用している。デガい画像(1,600×1,200とか)を見ても画像が荒れないし、フォントが綺麗だ。
つーわけで、正直この2つがあればそれで足りると思っていた。用事のあるサイトを全部「真っ当に表示する」ものと、ごく一部の「綺麗な文字・画像で見たい」サイト用のブラウザを用意してあるんだから。この2つの長所を兼ね備えたブラウザがあれば問題はないけど、それはおそらく無い物ねだり。IEに特化したサイトが完全駆逐されるか、IEが「過去のIE特化サイトを全部見捨てる」までは、これで問題ないはずなので。
ただまあ、何事も経験なのは事実。つーわけで、勢いに乗ってGoogle Chromeに加え、FirefoxとOperaまでダウンロードしてみました。アホですなあ。ま、どーせ全部無料だし、気に入らなければ使わないだけの話。良い機会だから、まとめて私なりのテストをしてみました。
まずは本題のGoogle Chrome。どうもブックマークのインポートがおかしい。この時点で「失格」だな。何が哀しくてIEのブックマークをFirefox経由でインポートせにゃアカンのだ。まあ、Googleお得意のベータ版だからだろうな。ブックマークの編集もロクに出来ないし。正直、完成度は低いです。
使い勝手は…うーん、確かに動作は速いし、画像も綺麗だ。これで細かい完成度が上がって、「私が見るサイト全てで挙動に問題なし」となれば、乗り換えも視野に入れて良いかも。ただ、ベータ版なので「ある種の不安」があるのも事実。正直、信用できない。もう少しバージョンが上がってから乗り換え対象になりうるか…ってトコロかな。
Firefoxは想像以上に良かった。速いし、画像も綺麗。独特の良さがあるSafariは手放せないけど、IEと交換してもいいかもしれない。ただまあ、やっぱり「IEじゃないと表示がオカシイ」サイトがあるようなので、しばらくは様子見か。
Operaは、可もなく不可もなく。Firefoxを先にダウンロードしたおかげで、印象弱まっちゃったかも。これはこれで悪くないけれど、もう少し積極的に選ばせる理由が欲しかったかな。
使い慣れてるIEについて補足すると、存在価値は「安心感」だけである。諸般の事情から「コレじゃないとマトモに表示しないサイトがある」のは確実なので、表示崩れを嫌うとこれになる。ただ、正直遅い。この点、Firefox・Opera・Chromeといったブラウザの方が勝る。私は速度より安心感を選択するけど、他の選択もアリではないかと。
この話題に詳しい人なら、ここに登場する資格のある「あるブラウザ」が登場していないことに気がつくはず。そう、IE8.0のベータ版である。そういうモノが存在しているのは知っていたけど、さすがに怖くてインストールする気になれなかった。
何故怖いのか?IEは旧バージョンと新バージョンが混在できない。インストールしたら、IE7.0とは「お別れ」である。もちろん復元は出来るけど、だからってこういう「重大なる変更」を軽々しく実行は出来ない。しかも正規リリースならともかく、ベータ版なんだもの。IEは他のブラウザと違って「OSの一部」なのだ。一応は。正直、単なる遊びでインストールすべきシロモノじゃない。
しかも、IE8.0からは今までと異なり、「web標準に合わせます」って話だ。…って、今まで標準じゃなかったのか。さすがMS。つまり、IEに特化したサイトの表示が崩れるかもしれないのだ。散々好き勝手やってきてソレはねーだろ…と思うけど、この調子だと「IEだと表示がオカシイ」ってサイトが山ほど登場しかねないんだから、仕方ない。とはいえ、使っている側としては「なるべくIE7.0を捨てたくない」のも事実だね。ただ、伝え聞く情報によると「あんまり速くない」らしいので、OSの一部として更新してブラウザは狐にするかも。
ちなみに、検証はまだ終わってません。簡単に終わるモノじゃないし。一般的なサイトはとりあえず問題ないだろうけど、だからって油断は出来ない。実はまだHKJCのサイトを検証していないのだ。ここが「最大の難物」だろうな。世界一の競馬サイト(F男認定)なので、ここをマトモに表示しないブラウザを認めるワケにはいかない。香港のPC事情を考えれば、IE限定サイトじゃないかと疑っているんだけど…ちなみにSafariは駄目でした。
なお、このブログはどのブラウザでも問題なく表示されるようです。つーか、こんだけ「寂しい」ブログで問題が生じるワケがない…と言いつつ、実は「スタイルシートの設定は適切なんだろうな…」と怯えていたりしたんだけどね。強いて言うなら、デフォルトのフォントが見やすくて綺麗なので、Safariが一番見栄えが良いと思う。
「ブラウザなんてIEで充分」と思っている人が多いと思うけど、比べてみると意外なほど違う気がしますね。試してみたいというのなら、とりあえずのオススメはChromeかな。ベータ版だけあってアンインストールアイコンがスタートアップに登録されるので、削除しやすい。そんでもって「速さは気に入ったけど、色々使い勝手が…」と思ったなら、FirefoxかOperaを試してみると良いのでは。ただ、検証は慎重に。私も今後長い時間を掛けて検証してゆくつもりですので。ま、次のバージョンが出る前に終わると良いんだけど(苦笑)。
9月4日 ― 2008/09/05 02:45
諸般の事情から「ヒト電」ばかり語ってきたので、他が疎かになっている気がしてきた。つーわけで、やや唐突だけど「太平洋モノの戦略級ゲームが難しい理由」を語ってみようかと。
我々は日本人である。そのため、親近感を抱くのは「日本が関わった」ものである。それはこの世界でも大きくは変わらない。そりゃあ独軍・赤軍・英米、果ては大陸軍(ナポレオン時代の仏軍)や南軍(米南北戦争)ファンが山ほどいるのは確かだけど、やはり日本が関与してる戦いへのニーズはある。私だって戦国時代物には特別な興味があるわけだし。それを考えると、太平洋戦争全体を扱ったゲームは売れるのでは…って推測は成り立つ。零戦だの戦艦大和だのはシロートでも知っているわけで、そういうモノを使って「鬼畜米英」と戦うゲームはウケそうな気がする。
ただ、現状この業界ではそうなってない。好んでプレイする層がいるのは確かだし、決してマイナーテーマではない。けど、おそらくは欧州での戦い全体を扱った作品の方がメジャーである。ここでは、あえて「何でそうなるのか」を整理してみたい。「だからこのテーマのゲームは駄目なんだ」と主張するためではなく、問題点を解決したゲームをデザインしようとしている方々への参照ということで。正直、私も「手軽で何度もプレイする気になる太平洋戦争モノの戦略級ゲーム」って、プレイしてみたいんですよ。
まず思いつく理由は、「ルールが複雑になりがち」かな。欧州の戦いでは、主役は陸であり、海軍・空軍はオマケにできる。けど、太平洋戦争では海軍が主役だ。そして、海軍が主役になると、どうしてもルールが複雑になりがちなのだ。
何故そうなるのか?「人間は陸の上に住む存在だから」かな。原理原則論で言えば、海の上ってのは「しょせん移動経路としてだけ重要」なのである。ましてや第二次大戦当時、まだ原子力船は存在していない。戦艦だの空母だのを使ってある海域を支配したとしても、いずれそう遠くないうちにどこかの港へ帰る必要がある。そうやって考えてゆくと、拠点としての陸地(たとえ小さな島でも)の占領がすごく重要なのだ。
欧州の戦いのように「陸が主役」ならば、海軍に関するルールは相当削除できる。おそらく「ルール3行ですか!」ってモノでも機能するし、それに文句を付ける奴はさほどいない。しかし、太平洋戦争における陸戦はそうなりにくい。いやね、文句を言う奴は少ないかもしれない。けど、ここのルールを簡略化しすぎると、戦いそのものがオカシくなりかねないのだ。人間の生態を考えれば「陸戦のルールが緻密で海・空のルールはオマケ同然」ってルールの方がむしろ自然なんだろうけど、そんな太平洋戦争のゲームを評価する奴はまずいない。「零戦はどうした、大和はどうした!」って文句を言うに決まっている。
こんなわけで、太平洋戦争物の戦略級は「キチンと機能する程度に複雑な」陸戦ルールと、「主役扱いするため、かなり複雑な」海・空戦ルールが備えられる。言ってみれば「本質的には脇役のはずの存在を主役にしなければならない」ので、凝った演出が必要になるのだ。これはつまり、ルールが複雑になるってコトを意味する。
この欠点は、理論的な意味での解決は不可能に近い。このテーマのゲームをデザインしていて、「陸・海・空の戦いをどう組み合わせるのか」を悩まない奴はあり得ないってコトだ。打てる手としては、全てのルールを簡単にして「構造は複雑でも、全体としてルールは軽くしました」とするしかないのでは。ただ、簡単なルールはそれだけで「上手く機能させるのが難しい」って側面もある。
もう1つの理由は…これを言うのは多少心苦しいけど、あえて言ってしまおう。太平洋戦争って、戦略級ゲームの題材として見た場合、かなり「つまらない」戦いなのだ。
零戦・大和・空母機動部隊・酸素魚雷を使った夜間雷撃・特攻に玉砕…といった「細かいエピソード」を抜きにして、太平洋戦争を眺めてみよう。まず最初、日本軍が快進撃する。はっきり言って、負けるワケがない…というより、デザイナーにしてみれば「苦戦程度ならともかく、負けてもらっては困る」レベルである。それぐらい日本軍は強かった…というより、米英が日本をナメてただけって話はあるけど。
しかしまあ、そうやって進撃し続けられるほど世の中甘くない。戦力的に互角になるのがミッドウエーやガタルカナルで激突する頃。どっちも最後は日本軍がヒドい目に遭ったけど、独軍だってモスクワは陥とせず、スターリングラードではヒドい目に遭わされたのだ。これ自体は問題ではない。この辺りで日本軍が史実より頑張れるかが「プレイヤーの腕の見せ所」だろう。
問題はその後。はっきり言って、日本軍にいいところはない。ボロ負けの連続である。なにせ物量が違う。独軍に対した赤軍のように「大軍投入しても撃破されうる」ような相手ならともかく、米軍はそう弱くない…と言うより、日本軍が自分達の期待ほどは強くなかった。戦略級で扱われるような大きな視点で見たら、結局日本軍はロクに抵抗できていない。
これを戦略級のゲームに当てはめると、太平洋戦争ってのは「日本軍が勝って当然の戦いを勝ち続け、しばらく五分の戦いが続き、その結果にかかわらず後は日本軍がひたすら負け続ける」ことになる。勝って当然・ひたすら負け続けって戦いは、言ってみれば「作業」って意味合いが強い。一方的な戦いは面白くないからね。この流れはプレイヤーの技量でどうこうってレベルじゃない。
何でそうなるのかと言えば…うーん、やはり両軍に「壮大な誤解」があったからだろうなあ。開戦当初、英米はフィリピンやマレー半島で「粘れるんじゃないか」と期待していたフシがある。日本軍相手なら、それぐらい何とか…と、ある程度ナメていたんじゃないかと。実際は、「この辺で粘れるようじゃ、ゲームとしてオカシイ」と評価せざるを得ないほど負けたんだけど。
日本軍も英米をナメていた。米国が本気になったらどうなるのか、よくわかってなかったようだ。理屈としては「かなわない」と思っていたようなんだけど、実感が伴っていたようには…正直言って、今この時点で日本が米国にケンカ売るのと同じくらい無謀だったはずなんだけどねえ。
こういう「壮大な誤解に基づいた判断」が無視できない戦いってのは、ゲームにするのが難しい。まあ、太平洋戦争の場合は多少マシだけどね。連合軍の誤解は「マニラもシンガポールも守れません」ってなるだけ(おそらく戦力温存の余裕すらない)だし、日本軍が後半ボロボロにされても、諦めがつく(そもそもどーしよーもない)だろうから。ただ、どーしても流れが単調になる。プレイヤーが「自分なりの戦略」を試そうにも、「勝って当然」「負けて当然」の戦い中心では、「何やっても同じだ…」って無力感がつきまとってしまう。面白い時期はあるんだけど、その期間は結構短い。
これも「本質的には解決不能な問題」なんだろうなって気がする。戦いの流れそのものに注目した場合、確かに太平洋戦争はつまらない。しかも、流れそのものだけ考えるのなら、工夫の余地がない…というより、あったらかえってマズい。初期の日本軍の強さ・後期の米軍の物量はそれぐらい圧倒的だし、「別の戦略を導入して…」となると、中国大陸で派手な攻勢を取る(それでらちがあかなくなったから開戦したんだけど…)か、ウラジオストックになだれ込む(シャレじゃ済まない敵を増やしいる場合か?)か…インド侵攻ぐらいならば、「意義や勝ち目はともかく、やろうと思えば出来る」だろうけど。
過去のゲームはこの問題にどう向き合ってきたのか?実は、一番多いのはルールがえらく複雑で、戦略面ではあまり工夫の余地がないビッグゲームに逃げてきたってパターンではないかと。ビッグゲームにすれば細かい部分に目が届くので、戦略を練る余地が少なくてもプレイヤーはあまり気にしなくなる。何度もプレイできるワケじゃないし、研究するのも大変だから、「史実に囚われない謎の戦略」使ってゲームをブッ壊そうとする馬鹿も少ないし。ルールが複雑なのも「ビッグゲームだから」ってことで許してもらえるわけだ。
逆に言うなら、ルール簡単で手軽にプレイできるものを目指そうとすると、この2つの問題が目立ってくる。あくまで一般的な話をすると、ルールを簡単にすると「結果がまるで先読みできないか、あるいはなるようにしかならない」ってことになりがち。その上で戦いの推移が「なるようにしかならない」ようだと、「どっかオカシイ」って批判を受けるか、本当になるようにしかならなくて「すぐ飽きる」ものができてしまう。コレを防ぐためルールをちょっと複雑にしようと考えると、途端に全体が複雑になる。
このように、太平洋戦争は「ルールが簡単で、何度も楽しめる戦略級ゲーム」をデザインしにくい。人気の出そうなテーマだけに、この結論はちょっと厳しい。でも、だからって「そういうゲームをデザインするのは不可能」だとは思わない。正面切っての解決が難しい問題があるのは確かだけど、それを承知の上でどう工夫するかによって、良いゲームが出来るかもしれない。少なくとも私は大いに期待しています。
なお、「思っていたより複雑そうだ」と敬遠していた「Empire of the Sun」(GMT、カードドリブンの太平洋戦争)が、このテーマにしては手軽で面白いって話がある。他にも「やってみたら面白そうな」モノは少なくない。その意味では、私ももう少し積極的にプレイしてみたいかなあ。ただ、やっぱり戦略級ゲームって「怪しげな手を開発してナンボ」って気がするんだよね。太平洋戦争だと、工夫の余地が少ない気がするんだよな。もっとも、そんなこと気にする馬鹿は私だけでしょ(笑)。
9月5日 ― 2008/09/06 03:02
まずはブラウザ検証の追加情報から。Chrome・Firefox・Opera共々HKJCのサイトはマトモに表示できず。この調子だとIE8の通常モードも駄目だろう。これはおそらくHKJCが何らかの対応を取らない限り、どーしよーもない。ただ、IE6系列を「切れない」と推定されるHKJCの対応がいつになるかは…
それともう1点。先日書き忘れたんだけど、Google Chromeは「ユーザーがどのサイトにアクセスしたのか」Googleに報告している(オフにすることは出来る)らしい。ま、この会社の考えそうなことだな。完成度が高いのならともかく、出来が悪いのにそんな機能があるのは生意気と判断、削除しました。その結果、メイン:Firefox、観賞用:Safari、HKJCなど一部特化サイト:IE、って使用パターンになりそうです。
とまあ気がかりを解消した上で、本日もこの色の話題でいこうかと。面白いサイト見つけたので、紹介しようかなと思って。
いつものよーにネット上をテキトーに彷徨い歩いていた(Firefoxのテストも兼ねて)ところ、GamerTrainerってサイトを紹介しているのを見つけた。ちなみにリンク貼ってないのは「仕様」です。英語サイトなので。ちなみに、私はアクセスすらしてない。
このサイト、要は「初心者ゲーマーにトレーナーを紹介する」サイトである。対象のゲームはいわゆるオンラインもの。私も「タイトルは聞いたことがある」ってものが中心かなあ。ただ、私はこの手のゲームはプレイしないので、詳細は不明。
トレーナー紹介されてどーすんのか?オンラインゲームなので、ネットでトレーニングを受けるらしい。トレーナーは全員公認トレーナーだそうな。料金は1時間30$(回数券があるらしい)。これ以上のことは私にはわからない。調べればわかるんだろうけど、特別そうする必要は感じなかった。
まあ、この話のツッコミどころは山ほどある。トレーニングならAI相手に1人でやれよとか、「公認」トレーナーって何だよとか、1時間30$って高い/安いとか。ただ、私は「これはこれで面白いサービスだ」と思ったので、あえて肯定的に深くほじくり返してみよう。しかも、「日本での展開」を視野に入れて(笑)。
日本人ってのは、ヘンなところケチである。最初に思い切ってカネ使って素早く上達した方が、トータルでは安上がり…って局面であっても、投資に金をケチるのがむしろ普通。ケチというより、カネの遣い方が本質的に下手なだけって話もあるんだけど。それゆえ、「たかが遊び」に、こういった形でカネ使うのは抵抗が大きそうな気がする。
ただ、モノによっては「最初にキチンと教わった方が、上達が早い」のも確か。この手のオンラインゲームがそうなのかは知らないけど。それを考えれば、カネ取るかどうかは別にして「ティーチングシステム」を作る意味・意義はあるのかもしれない。
カネ取らないでどーやってティーチングシステムを?まあ、ゲームメーカー側が「サービスの一環として」始めるんだろうな。ここで「最初にシッカリ教わると、上達が早い」って評判が広まれば、カネ払ってまで教わりたいって奴が出てきそうなモノ。特に最近は「大きな子供」に遊んでもらってナンボってゲームも増えているわけで、こういう「経済力はあるけどヒマが少ない」連中のニーズを考えたら、「上達に必要な時間を節約できる」トレーナーの存在は、もっと注目されて良いのかも。
もちろん、ここで問題になるのが「トレーナーの育成方法」。単にゲームが上手ってだけじゃ、トレーナーとは呼べないでしょ。ある程度は指導能力がないと。ただ、これも「トレーナーを育成しよう!」って目的意識を持って取り組めば、ある程度までは何とかなりそうな気がする。
もっとも、ゲームメーカー側は「そんな話は検討済み」なのかもね。オンラインゲームには「管理権限持った奴を送り込むのが当たり前」みたいなので、その延長としてトレーナーってアイデアを検討したことがあってもおかしくない。ただ、今の日本での流行は「特別トレーナーを必要としない」システムが主力(MMORPGは多分そうなるよう設計されてるのでは?)じゃないかって気がするのも事実。その辺も含めた実務上の話となると、当然のことながら私の手には余る。
ティーチングシステムの話となると、この色の話も少しは考えてみたいかな。現状、この世界にはロクなティーチングシステムが存在しないからねえ。「そんなもの必要ない」って意見が大半だろうけど、それじゃ話が膨らまないので、ここであえて「ティーチングシステム導入論」を展開してみたい。
実を言えば、この世界では「他人にゲームを教える」というのは良くある話である。ただ、対象が「対戦相手になってくれそうな奴」に限定されてるだけだ。了見の狭いゲーマーの話なんて良く聞くけど、「このゲームをプレイした経験がある奴しか相手にしないよ」なんてのは、むしろ希。普通は「ルール?教えますよ」と言って簡単なルール解説して、インストプレイに誘うことを視野に入れる。誘う相手は「業界の常識」(ZOCとか戦闘比計算とか)を知っているので、とりあえずプレイはできるわけだ。ま、まともなプレイになるとは限らないけど。
それを考えれば、「他人にゲームを教えるテクニック」ってのは、もう少し注目する価値があるのではないかなあ。まず最初は「普通のゲーマーに、特定のゲームのルールを教えるコツ」(比較的確立してるはずだ)をまとめるとか。そこから話を膨らませてゆけば、長年放置されてる「初心者育成」のためには…ってトコロに行き着く気がするんだけど。
この問題は、雑誌にとっては「実はかなり重要」ではないかと。毎号付録ゲームがあるんだから。「このゲーム面白いよ!」って評価を定着させようと思ったら、やっぱりプレイしてもらうのが一番。そのためには、「興味を持ってゲーム買って熱心にルール読み込んだ奴が、どうやって対戦相手にゲームのルールを教えるか」も重要ではないかと。現状でもそれなりに機能しているとは思うけど、「他人に何かを教える」のはそう簡単なモノじゃないだけに、「こうやって教えるとわかってもらいやすい」って小技を紹介するのは、プラスが大きい気もするんだな。
ま…これを言い出すと、私も「偉そうに語っているだけ」じゃ済まされない。「ヒト電」の記事を書く時に、編集側から「プレイしたことない奴が、プレイしたくなるモノを!」って趣旨の注意をされているわけで。これって結局「ある種のティーチング」も含むと思うんだな。「まずはすげー単純な戦場をあえて詳細に語ることから始める」ってのが私の採用した「手法」だけど、もっと他にいい手法があったかも。
他人に何かを教えるってのは難しいけど、ある意味避けて通れない。その割には、案外おざなりにされてる分野じゃないかって気がする。「たかがゲームでトレーナー?」と感じるのは、むしろ間違ったことなのかも。そんな考えに至ったので、話題にしてみたんだな。ま、だからって「試しにトレーナーをつけてもらうか」ってなりゃしないけどね。私はオンラインゲームプレイしないから(苦笑)。
9月8日 ― 2008/09/08 22:47
先週土曜に、都市対抗野球を観に行ってきました。つーわけで、本日はその感想をお届けしましょう。
何故都市対抗を?芝尾殿に誘われたからである。お互い「好きな球団」が真っ向から対立する存在(私は燕であちらはベイ)なので、お互い冷静に野球観戦しようと思ったらコッチの方が適切だって話があったので。
それに、私は最近「レベルの低い勝負」に対する好奇心が強まっている。上手下手をキチンと論じようと思ったら、上から下まで色々な勝負を見るべきだろうって気がするんだよね。これは当たり前の話だけど、実際色々観戦してみると色々な発見があって楽しい。正直、これを実感させてくれたってだけで香港サッカー界には感謝したい(苦笑)。
馬券を買って(ハズしたけど)向かうは東京ドーム。まずは昼にやっていた松下電器(大阪門真市代表)と熊本ゴールデンラークス(熊本市代表)の試合を観戦しました。席はバルコニー席。内野は応援団で埋まっていたし。外野で良かったって話はあるけど、ちょっとは良い席で見ようって話になったので。なお、この試合は「普通なら絶対入りたいと思わない側で見よう」と、1塁側に陣取りました。
1塁側は熊本。正直、応援がショボい…地元が遠いし、相手が大企業だからそう感じたのかもしれないけど。応援曲のパターンは少ないし、応援団長の指揮も「もうちょっと…」と感じちゃいましたね。まあ、比較対象がプロ野球になるので、仕方ないのかもしれないけど。ただ、私の記憶が正しければ大学の応援団ってもっと上手かったような…って、当たり前かそれは。
試合は投手戦模様。本塁打2本で先行した熊本だけど、野球見てると松下の方が上手いような気がした。これはいつか捕まえる…と思っていたところ、案の定8回に逆転喰らってそのまま。別に熊本を応援する義理はないけど、あまり気分は良くありませんな。
つーわけで?夕方の試合も観ることに。今度は横浜代表日本ENEOSと千葉代表JFE東日本。先ほどと違い、準々決勝である。「トーナメント戦では一番面白い」と言われる戦いですね。今度は芝尾殿の地元の関係から、横浜代表のいる3塁側へ。
日本ENEOSと言えば、私も知ってる社会人野球の名門。プロフィールに掲載された「出身のプロ野球選手」には、結構豪華な名前が並びます。それだけに応援には期待したんだけど…つーか、JFE東日本の応援がすごすぎ。人数が多かったから。ま、ドームで野球見るなら「ごく見慣れた光景」だけどね。ただ、「普段の習慣」から、さっきより少し応援に力入ったかな。
試合はこれまた投手戦。ただ、押しているのはJFE。ENEOSもランナー出すけど、四球中心でなんか点取れるニオイに乏しい。それに対しJFEは惜しいトコロで点を逃している印象があり、「これはまた応援してる側が負け?」と思わされた。
7回にJFEは1死満塁の大チャンス。ENEOSに大量点のニオイは感じられなかったので、正直キツい局面。ここでENEOSはたまらずエース投入。「メジャー行きか?」という噂さえある田澤投手だ。先々を考えたら休ませたかったんだろうけど、トーナメントでそんなことは言ってられない。評判が高いだけあって、ここをピシャリと抑えた。その裏ついにENEOSが1点先制、そのまま押し切った。
2試合観た感想としては、「高校生よりは野球上手いけど、プロに比べるとまだまだ」かなあ。投球直前の野手の動き(TVじゃわかりにくい)なんかを見ていると、やはりプロ野球の方が連携取れていてレベル高い気がする。ただ、「一部のレベルの高い選手以外、なっちゃいねえ」ってほどじゃない。このレベルで活躍した選手がプロで即戦力扱いされるのも、わかる気がする。たった2試合観ただけだけど、学習したことは多かったと思っています。
あとは応援かな。ある意味では社会人野球ならではの面白さがあるからね。ただ、「応援を目当て」にするなら、大学野球の方がいいかも。私の知る限りでは、連中は「青春賭けて」応援しているからねえ。社会人の場合、気合いは認めるけど、ワザというか技術面ではやや劣るような。特に、打者交代に応援が付いて行けず、前の打者の応援続けてる場合が何度かあったのは気になった。チームが若い(創設3年目だとか)熊本はともかく、名門日本ENEOSでもあったからなあ。それを考えると、プロ野球の応援団ってレベル高いんだね。普段意識しないけど、改めてそれを感じさせてもらった。野球の応援に鳴り物が必要かどうかはともかく、「あれも立派な日本文化だ」と主張する価値はあるんじゃないかな。
なお、「応援の華」チアガールに関しては、相当なレベルじゃないかと思われる。ただ、ありゃあ「チームへの愛」があるのではなく、カネ出してプロ・セミプロのネーチャン雇っているからでは?それを否定するワケではないけど、そういう存在を語るのは「私の守備範囲外」じゃないかと。私に候補生も含めた「タレント」を語る資格はないからねえ。コスプレイヤーならまだしも(苦笑)。
なんか細かいことばかり書いてきたような気がするけど、こういう「細かい点」を味わえるのが、ライブの良さ。「何事も生観戦」を唱える私としては、むしろこういう点を多くの人に味わってもらいたいと思う。難しいコトじゃない、球場に足を運んで真剣に観察すれば、誰にでもわかる「面白さ」だと思う。
しかし…「冷静に野球見た」のは、かなり久々だって気がする。野球なんて、ドコをどう考えても冷静に観るモノじゃないからなあ。今回冷静に野球観て、逆に改めて「イレ込んで野球観る魅力」を感じた気がします。つーわけで、気合い入れて赤ヘルとドラをブチ破ってシリーズ出場を期待したいですね!気迫で何とかせんかい!!
9月9日 ― 2008/09/10 01:19
ううむ…日曜のことをココで書くべきか、大いに悩んだ。その結果、一応書いちゃおうと判断した。ただ、まだ迷いはあります。相当微妙なネタなので、表現には注意するつもりですけど…
こうまで悩んだネタとは?日曜に行ったMiddle-Earth東京支部での話。いやね、私がプレイしたゲームのことはネタにして問題はない。ドイツ戦車軍団の「スモレンスク」プレイしてダイス目で勝ち、「日露戦争」プレイして作戦で負けただけ。そうじゃなくて、この時の別のことを書くかどうか、悩んだのだ。
つーことは庭猟師殿と西新宿鮫殿の「パットン第三軍」…も、問題はないでしょ。米軍担当の庭猟師殿はヒーヒー言いながらプレイしていたけど、私の記憶が正しければ「あれは元々そーゆーゲーム」だ。米軍の敵は、独軍ではなくて泥と河と陣地だもの。
するってえと…そう、金吾殿と志乃殿の「モスクワ攻防戦」(Six Angles)だ。ここで思わず首をかしげちゃうようなコトが発見されちゃったんですよ。この問題、私が普段から言ってることと一応関係があるコトだったりするので、あえて書いちゃいます。
まずは言い訳から。コトはゲームの本質とは全く関係ありません。完璧に枝葉です。また、金吾殿や志乃殿も「悪く」はないと思います。悪い奴がいるとするならば、こんなところでネタにした私だけです。関係各位の方々、その点はよーく承知の上、この先をお読み下さい。
更に言うなら、私はこのゲームをまだ買ってない。私が買わなくても誰か買いそうなゲームなので、それを見てから買おうと思って。それゆえ、これから先の記述はルールブックを参照せずに書いています。本当ならば「実際ゲームを買って、ルールを参照しながら」書かなくてはイケナイんですけど、それだと「肝心の部分を忘れちゃう」怖れがあるので、あえて本日ネタにしました。私の誤解・曲解が大量に入り込んでいる可能性は極めて高いです。この点もご了承下さい。
ここまで書けば、勘のいい人は「なんか批判めいたことを書く気だな」「おそらくルールに関する部分で…」とわかるのでは。そのとおりです。これは推定だけど、私が普段主張している「ルールブックは冗長なぐらい書け、省略するな」って主張と反するのでは…って部分が発見されちゃいました。
まずは、事実関係の説明から。金吾殿と志乃殿がこのゲームをプレイすることになりました。私も興味はあったので、横で見てました。発売されたばかりなので、お互いルール確認しながらのプレイ。私に至っては、ルール確認の合間を縫ってルールをざっとナナメ読みしただけ。正直、何らかの誤解が生じている可能性は極めて高いです。
問題その1は、戦闘(正確にはオーバーラン)を解決途中に発見された。このゲームの戦闘結果は、数字と強制損害を組み合わせたもの。数字の戦闘結果が出た場合、ステップロスと退却を組み合わせて処理する…という、よくあるルールだ。ところが、金吾殿が、「このゲームの退却は、ユニットごとに割り当てるのでは?」と発言したのだ。
私の知る限り、古典的名作「PGG」や、同じデザイナーの作品である「パウルス第6軍」では、数字の戦闘結果は「参加した全ユニットの中から数字のステップだけ損害を受ける」か、「参加した全ユニットを数字の数だけ退却させる」ものであり、退却までユニットごとに割り当てってルールではない。まさかそんな、どう考えても違うでしょう…と思ってルールブックを眺めてみたんだけど、確かに退却させる対象は「ユニット」になっている…え、ええ~!そんな馬鹿な…正直に告白しよう。私はその後、「絶対そんなはずはない!」と思ってルールをある程度細かく読んでみたんだけど、反論材料が発見できなかった。
言葉だけでは、「いったい何が問題になっているのか」わかりにくいかもしれないので、例を出そう。ここで仮に2ユニットがスタックしているヘクスに攻撃して、「-/3」という戦闘結果が得られたとしよう。攻撃側の損害・退却なし、防御側の損害・退却3って結果だ。全部ステップロスで消化するなら、攻撃を受けたスタックが3ステップの損害を受ける。この点は問題ない。問題は、退却を選んだ場合だ。PGGなどでは、スタック全体を3ヘクス後退させる。ところがだ。「モスクワ攻防戦」では、1ユニットを3ヘクス退却させるか、あるいはスタックのうち片方を1ヘクス、もう片方を2ヘクス退却させるのでは…ってことだ。
ヘンなルール解釈じゃないかって?その通り。言い出しっぺの金吾殿でさえ、「本当にこれでいいのかなあ?」と言っていた。ただ、一度そう主張されると、「ドコに反論材料があるのか」、私・金吾殿・志乃殿の三者がそれなりにルールを細かく眺め、発見できなかったのは事実である。
この作業の最中、私は無性に「英文ルール」が欲しくなっていた。何故英文?英語なら複数形があるからだ。問題となっている言葉は「ユニット」。これが英文ルールで「unit」または「a unit」となっているのなら、金吾殿の言うとおりのルール解釈となる。でも、英文ルールで「units」と複数形なら、「結果の対象となったユニット全体」を意味するんじゃない?と主張できたはず。けど、日本語に複数形はない…それっぽく表現することは可能だけど、はっきり言って一般的ではない。とりあえずこのゲームのルールにそんな表現は発見できなかった。
私がゲームの当事者だったなら、もっと色々理屈を付けて「いーや、退却させるのは攻撃/防御に参加したユニット全てだ!」と主張した気がする。ただ、単なる観戦者がソコまでしないでしょ。ルールにハッキリした根拠を発見したのならともかく。私が発見したのは、「この『ユニット』って単語は英語だと『units』じゃないの?」ってだけ。一応はリプレイさえも探してみたんだけどねえ。
この問題に関しては、「動揺しながらルール探していたから、目的の記述を発見できなかっただけ」ではないかと思っているし、正直そうあって欲しい。ただ…現在の私には、1)元からそーゆールールである。PGGと一緒にしてはイケナイ、2)デザイナーとしてはそんなつもりはなかったけど、ルールの書き方が甘くてそう受け取られかねないモノにしてしまった、のどちらかである可能性を否定できない。ホントのところはどうなんだろ。すごく気になってます。
問題その2にいこう。これはものすごく悩ましい問題であり、なおかつ類似の問題はドコにでもあるような気がする。しかも、私には解決方法が見つからなかった。実はささやかなものに過ぎず、正直「騒ぐ価値はない」とさえ思う。ただ、私はかなり気になった。
このゲームには天候のルールがある。41年のモスクワ攻防がテーマのゲームで、この手のルールがあるのは当然でしょ。それはいい。そのルールを確認している時に、「雪が降っても独軍はオーバーランできるのか?」が問題になったのだ。
これに対する「答え」は簡単である。それはルールで禁じられている。これは比較的簡単に発見できた。よって、プレイの障害になったワケではない。ただ、「何故そんな疑問が出てきたのか」が問題である。その理由は、戦闘結果表の修正一覧に「(独軍が)雪の時に戦闘またはオーバーランを行う場合は、左(不利な方)に2シフト…」といった趣旨のことが書いてあったからだ。
この時は「できもしないオーバーランの場合が書いてあるのは、余計だなあ」って笑い話で終わったんだけど、後で考えてみたら、話はそう単純じゃない気がしてきた。もしここで「オーバーランなんてできないんだから、その説明は不要だ」と削ってしまったら、「オーバーランだと不利な修正受けないんだ、ふーん」ってな調子で、オーバーランしまくる奴が出るような気がしてきたのだ。赤軍プレイヤーが「いや、確か独軍は雪だとオーバーランできないはず…」と主張しても、「不利な修正受けないくらいだから、それはない」で押し切られ、後でルール確認して気まずいことになるような…
原理原則論で言えば、ルールを完璧に理解してからプレイすべきである。それは間違いない。ただ、実際問題としてそうも言ってられないのが現状だろう。そのため、誤解を招くような記述は、可能な限り減らした方がいいに決まっている。「戦国大名」の場合、私はそういう「誤解の元となりそうな記述」を片っ端から潰すよう主張した。中には杞憂レベルのモノもあったけど。「武将は、登用によってのみ登場する」なんて大嘘(大名の跡取りっていう例外がある)は削除すべし!ってのが代表例かな。
その観点に立った場合、この「独軍が雪の時にオーバーランを行う場合の修正」はどうすべきなんだろう。あってもなくても誤解を招きかねない気がする…一番親切なのは、「オーバーランは不可、戦闘は2シフト不利」と書くことだけど、そうまでする意味あるのか?私の普段の主張に従えば「そうしなければならない」となるんだけど、実際問題としてどうなのかを考えると、ねえ…とりあえず私としては、「こういうトコロに誤解のタネが」と指摘するに留め、業界全体としてちょっとした注意を払ってもらうきっかけにしてもらいたい、としておこう。
問題その3。これは心底どーでもいい話。この日の対戦は「あと少し」ってところで途中で時間切れになった。そのため、とりあえず現状でどれぐらい勝利条件を満たしているのか、確認しようとなった。良くある話だ。お互いサドンデス条件は満たしてないし、大勝利の条件もまあ満たせそうにない。そんでもって…と手順を追ってゆくうちに、ヘンな謎が残った。
ヘンな謎とは?このゲーム、赤軍は「ドコまで頑張るのか」、事前にランダムに決められる。極端な話、モスクワが陥落しなくても「ああ、もう駄目だ」と降伏するかもしれないし、モスクワが落ちても「まだまだ!」と戦うかもしれない…ってものだ。この数字は独軍がある条件を満たした場合にのみ、確認できる。「あとどれぐらいで勝てるのか」確認できるわけだ。ここまではいい。
最後の勝利条件確認の時、この数字がいくつだったのか、お互いに確認するよう指示がある。いかにも重要な手順であるかのように、独立した項目になっているくらいだ。だから、この数字は「最後の勝利条件確認の際にも、何かしら影響があるんだろうな」と思っていた。ところが、そんなルールは発見できなかった。どうも、この数字は「サドンデスが達成できたかどうか」を確認するためだけのモノで、最後の判定には全く関係がないらしいのだ。もちろん、例によって我々が誤解している可能性はあるわけだけど。
ヘンな謎とは、これである。最後の勝利判定と無関係なら、いつめくって確認したって良さそうなものだ。極端な話、全く確認しなくたってかまわない。なのに、いかにも重要なことのように「確認する手順」がある。何故?正直言って、「きっと何か見落としてる!」と、無駄に混乱させられたくらいだ。
何でこんなルールがあるのかは、様々な推理が成り立つ。たとえば、「元々は勝利条件と関係があったんだけど、調整してゆくうちに無関係になった。そのため本当はめくる手順は不要になったんだけど、削り忘れた」とか。単純に「どーでもいいルールなんだけど、あえて入れてみただけ」かもしれない。そうだとしたら、遊び心のあるルールだとして評価しても良いかな。
ただ…もし遊び心半分で入れたのなら、チャンとフォローが欲しかったかな。どこかに「この数字は、サドンデス以外の勝利条件判定には全く使用しない」と明記して欲しかった。一応それっぽいコトが書いてあるけど、「まるで無関係ではないかも…」って誤解を受けやすい気がする。「冗談がスベったスベらない」ってレベルの話ではあるんだけど、それだけに、私はあえて「ちょっとスベってません?」と提唱しておこう(苦笑)。
「ルールブックをどう書くか」は、まだ研究が必要な分野だと思う。これはゲームの本質と直接関係はないんだけど、デザイナー側としては大いに悩まされる部分だ。プレイヤーは「完璧であって当たり前」と考えがちだけど、実際問題としてそんなのは不可能だってのが私の意見。ま、これは私が「ルールチェッカー」としては未熟もいいところだから感じるのかもしれないけれど。「モスクワ攻防戦」のデザイナーである山崎氏はデザイン経験豊富で、ルールブックの記述も相当手慣れているはず。にもかかわらず、「万人がルールを誤解しない」なんて領域には達していない…そういうことじゃないかと思う。
つーわけで、ここで再び強く主張しておこう。デザイナーの山崎氏は、ちっとも悪くないです。仮に「ルールブックの書き方に問題がある」ってのがコトの真相だとしても、言ってみれば「弘法も筆の誤り」レベルの話だと思います。また、プレイしていた金吾殿も志乃殿も悪くないです。強いて言うなら「ルールうろ覚えのプレイは…」だけど、発売したばかりのゲームなんだし、それぐらいは悪いコトじゃありません。強いて悪人を捜すなら、こんなコトをデカデカと書いた私です。それは認めます。ただ…色々気になって、このままじゃ安眠できそうもないんです。その鬱屈を晴らすためってコトで、カンベンしていただければと…
9月10日 ― 2008/09/11 01:01
「怖いくらい通じるカタカナ英語の法則」(池谷祐二/講談社ブルーバックス)という本をパラ読みした。ぶっちゃけ言えば「英語は要は発音だ」として、正確な発音に近いカタカナに置き換えて覚えよう!ってもの。なるほどねえ。英語については私も思うところがあるので、少し語ってみようかと。
私は多少英語を話せる…としておこう。学生時代の成績は「聞くな」ってレベルではあるんだけど、少なくとも1人で海外に短期間出かけて、無事戻って来る程度には話せる。学生時代の成績などに関わらず、「実践じゃからきし駄目」って人間が少なくないことを考えれば、多少話せると主張してもいいんじゃないかなあ。正直、難しいコトじゃない気がするんだけど。ただし、慣れさえすれば。
英語習得最大の問題は、やはり「慣れ」だとは思う。高校卒業程度の英語力があれば、私のように「1人で海外に飛び出し、無事帰ってくる」ぐらいなら何とかなるはずなんだけど、だからってこれを実践するのは度胸がいる。でも、こうやって「活きた英語」使わないと、確かに「英語話せません」ってなるのは仕方ない気がする。
あくまで私の見解で言えば、実は英語は発音じゃない。確かに、日本人の話す英語はヒドいと思う。私もLとRの発音は滅茶苦茶だし、他にも「ホントにこれでいいのかぁ?」って発音は山ほどあると思う。けど、だからどーした?世界には、「ヘンな発音の英語」なんて山ほどある。
私が考える「最悪の英語」は、フランス人の話す英語。イントネーションやら発音(特にR)はまんま仏語で、単に使っている単語だけが英語って奴がゴロゴロしてる。おかげで、ぼんやり聞いていると仏語にしか聞こえない。日本語で言えば、外国人の話すカタコト日本語よりヒドいんじゃないかと思う。まあ、フランス人は「仏語最高!」と信じて疑ってない民族なので、アレでいいと思っているんじゃないかと(苦笑)。ちなみに、魔神ペリエはあれでもフランス人にしては「英語っぽい英語」を話す方。最近だとサルコジ首相がヒドかった。
英語を母国語とする連中でも、発音は必ずしも一致しない。オーストラリア人(オージー)の英語はヒドいって聞くし。そもそも、実は英国人の英語と米国人の英語はかなーり違う。日本人が学校で教わるのは、おおむね米語だ。そのため、私は米国人の言ってることはわかる時があるんだけど、英国人になるとチンプンカンプン。代表例はJCや香港国際開催の時の調教コメント(笑)。
香港人と英会話するのも厳しい。私は「日本語なまりの米国英語」を使い、向こうは「広東語なまりの英国英語」を使うからだろう。ただ、それでも頑張ればコミュニケーション可能だ。発音は重要だけど、どうもそれが全てってわけじゃなさそうだ。
ちなみに、発音は英語で会話しまくっていると「伝染」する。この辺、たとえば東京モノが関西人と会話してると「関西弁が一部伝染する」のと変わらない。私は何故か「イエス」の代わりに「イヤァ」を使うというヘンなクセがあるんだけど、これはどっかで伝染したからだと思われる。私の英語は習い覚えた米国英語がベースだけど、多分他にも意味不明なクセが染みついているはずだ。でもまあ、通じる分にはそれでいいんだけど。
私の考える「日本人が英語を苦手なわけ」は、発音でも文法でもない。それ以前の問題がデッカイと思う。説明不足だ。要は「言葉が足らない」から話からして通じていないのであって、英語がどうとかいう問題じゃないと思うんだな。
私が英会話の際に心がけていることに、「常に理由を説明する」ってのがある。たとえばだ。「最寄りのバス停はドコですか?」(Where's the nearest bus stop?)と言うだけではなく、「駅へ行こうと思っているんですが、バス停はドコですか?」(I'd like to go to a station. Where's the nearest bus stop?)と言うようにしている。これは結構重要なことだと思っているんですが。
こういう習慣を身につけようと思った動機は、実は単純なもの。こう聞くと「聞き返される」可能性が多少減るのだ。この可能性を減らせば、相手が「何て返事をしてくるのか」予想しやすくなる。そうすると、相手の言ってることが理解しやすくなるんだよ。英語で会話してて予想外の返事が返ってくると、やっぱりまごつくからねえ。
この習慣は、自分が思っていた以上に効果があったと思う。「What?」って聞き返される回数が露骨に減ったのだ。理屈はわかるでしょ。あえてクドクド語ることにより、怪しい発音が一部あっても「コイツは何を言いたいのか、何をしてもらいたいのか」理解してもらいやすくなったのだ。言ってみれば、「質が駄目なら、量で勝負」ってわけだ。
これは、正直言って「自力で気がつく」のは多少難しい気がする。私も当初そうだったんだけど、「英語は苦手だ」って思いがあると、つい「話す言葉を減らそう」と考えてしまう。でも、よく考えればこれは間違いだ。英語が苦手なら、その分「たくさん話す」よう努力すべきなのだ。そうすりゃあ「コイツの発音は滅茶苦茶だけど、かろうじてわかる単語から推理してゆくと、多分こう言いたいんだろう」とわかってもらいやすくなる。身振り手振りを加え、クドいくらい知ってる単語を並べて説明しまくれば、よほど複雑なことでもない限りわかってもらえるはず。でも、そこに気がつかない日本人は多いんじゃないかなあ。
確かに、必要最小限の単語だけ並べて会話を成立させようと思ったら、正しい発音が欠かせない。それは事実だ。けど、実は会話ってモノは「相手の話す単語が意味不明でも、場合によっては何とかなっちゃう」のだ。事実、私は「英語も日本語もわかりません」って相手と会話する必要に迫られたことが何度かあったけど、その都度かろうじて何とかしてきた。大変だったけどね。それを考えれば、発音の正しさを気にするよりは、発音のことあまり気にせずしゃべりまくる方がいいような。
なお、ヒアリングの場合もコツは一緒。わからなければ、とにかく色んな言葉を並べてもらう。一般市民ならともかく、ホテルマンなどは「わかるまで根気よく説明してくれる」はずだ。言葉1つ1つを追いかけるのではなく、「いったい何を言わんとしているのか」を掴むよう努力する。ビジネスなどの複雑な会話ならともかく、単なる観光旅行なら、「単語わかんなくてまるで話が通じない」なんてコトはないはずだ。
「英語は度胸」というのは、真実だと思う。これは何も「的外れな過信を持つ」ことを意味しない。経験がないとわかりにくいかもしれないけど、「自分の話したことが通じない」って、すごーくキツい精神的打撃である。そこで腰が引けて話す言葉が少なくなると、余計話が通じない。間違いやら怪しげな発音は承知の上で、とにかく「わかってもらえるまで話しまくる」必要があるんだけど、これは結構度胸が必要だ。「間違えたらどうしよう」「わかってもらえなかったら大変だ」なんて気持ちを打ち破らないといけないからね。
もっとも私の場合、海外旅行の目的はまず競馬であり、馬券さえ買えれば後はどうとでも…ってのが大きいと思われる。私の知る限り、馬体の良し悪しや調教診断なんて万国共通(当たり前だ)だからねえ。競馬新聞が意味不明で、走っている馬を一度も見たことなくても、予想は出来る。競馬場の見つけ方?これは「馬券オヤジ」を見つけて尾行すればOK。実は言葉が通じなくてもかなり何とかなるんだな。それがわかっているだけに、開き直りしやすかったのが「勝因」だろう。つーわけで、競馬目的で海外に行くのは大いにオススメしたいですね!(おい)
9月12日 ― 2008/09/13 00:43
うーむ、ここに来ての連敗街道は痛すぎる…しかも、頑張ってきた中継ぎ・抑えが打ち込まれての負けだからねえ。まだ試合数は残っているけど、正直CS進出は苦しいな。やはり若い投手がもっと頑張ってくれないと…
というわけで、本日は野球の話題。田澤投手のメジャー挑戦について。先日投球を見てきただけに、やはり気になるものですから。どーなるんだろうね。
まずは、かなーりどーでもいい話題から。どの新聞を見ても「田沢投手」と表記されているんだけど、正式には「田澤投手」らしい。ENEOS野球部のプロフィールにこう表記してあるし、東京ドームの電光掲示板でも「田澤」と表記されていた。これって「気にする奴は大いに気にする」はずなんだけど、何故「田沢」表記なんだろ?NPB拒否の理由が「こーゆーところに無神経な日本のスポーツマスコミが腹立たしい」だったらどーすんだ(苦笑)。冗談はさておき、ここでは「田澤投手」としておきます。
日本のプロ野球を経由しないで、メジャーに行く。実は過去に例はあるけれど、「ドラフトの目玉」クラスとなると初めて。それだけにNPBはギャアギャア騒いでいるわけだ。まあ、アマを管轄する日本野球連盟が容認って方針らしいので、いくら騒いでもどーしよーもないと思うけどね。
田澤投手は通用するのか?うーん…正直、「難しい」とは言っておこう。コトは「いい球投げるかどうか」だけじゃないからねえ。生活などの問題はやはり大きい。なにせ言葉の壁があるし、メシの問題もある。人によっては飛行機移動はかなり苦痛(精神面はともかく、「あの薄い空気がイヤ」って奴はきっといる)だし、時差だって馬鹿には出来ない。メジャーならまだいい。マイナー落ちしようものなら、キツいどころの話じゃないでしょ。田澤投手がこんな環境で力を出せるかどうかは、私には何とも…
実力面ではどうか?うーん…私が観た試合では、球速は確かに速かった。ただ、それだけで通用するわけはない。日本のプロでさえ、「球速だけで抑えられるほど甘くはない」んだし。球のキレとか細かいコントロールについては、さすがに私ごときが球場で1試合観ただけではわからない。ただまあ、「ここぞ!」ってポイントでファールはそれなりに打たれていた(ファールにするだけでスゴいんだけど)ので、おそらくは野茂・伊藤智クラスではない。せいぜいが松阪・ダルビッシュ級だろう…って、それだけやれば充分だろうけど。
単に待遇やゼニだけ考えるのなら、メジャー行きはオススメできない。その辺も含めて考えるのなら、「日本でプロ入り~ポスティングでメジャー」が堅いだろう。まあ、それはおそらくわかっているんだと思う。夢に賭けるのなら、いきなりメジャーがベストってことになるだろうし。そもそも、現在の風潮だとポスティングでメジャーって話は信用できない。スカウトが何言おうとも、結局無かったことにされる可能性が高いからね。ファンもそれを望んでいるフシがあるし。
田澤投手個人のことだけ考えるのなら、「メジャー行きたい!」というのなら、黙って送り出すのが正解のような気がする。仮に通用しなくてマイナー暮らしってことになったとしても、それは本人の決断。周囲がどうこう言う問題じゃないでしょ。同じ日本人としては、メジャーで活躍することを信じて送り出すべきでは?まあ、エアシャカールのキングジョージ挑戦よりは成功する可能性高そうだし(苦笑)。
ただまあ、日本球界…どころか、世界全体の球界を考えた場合、「これで本当に良いのか」悩む余地があると思う。メジャーによるこの手の青田刈りを放置した場合、日本球界が本当に「米球団のマイナー組織」になってしまう危険性がある。そうなれば日本における野球人気が衰退し、結果としてメジャーで活躍する日本人も減ってゆき、最後は野球がマイナー化する…って可能性もあるからねえ。これはメジャー全体にとってもためにならない。「日本市場」を失うことになるので。
また、「メジャーの戦力均衡」って観点からも歓迎しにくい。メジャーはどちらかと言えば「金持ち球団が強くて何が悪い」って主義で運営されているけど、戦力均衡をまるで無視しているワケでもない。好例はレイズ。あのクソ球団が今季優勝争いしているのは、ドラフト順で優遇されるのを利用して有望新人選手を指名して育ててきたのが大きい。どう考えても「岩村のバカが多少治ってきたから」だけじゃないでしょ。でも、金持ち球団が「海外から有望新人引っ張ってくる」ことが当然になってくれば、ドラフト順の意味が薄くなってしまう。
いわゆる「海外への門戸開放」と「国内の保護育成」をどーするかってのは、頭の痛い問題である。何でもかんでも自由にすりゃあいいってものでもないし、逆に鎖国しまくって保護するのが正しいってワケでもない。私は、この点について「ホントーに色々あった」日本競馬界を知っているだけに、余計そう思いますね。多分今の日本球界って、JC開始前の日本競馬界並に「遅れている」んじゃなかろーか。
ただまあ、この問題はいずれにせよ「海外とマトモに向き合う」必要があるんだけど、NPBがそれをサボり続けてきたのは間違いないかな。改革は痛みを伴うのが普通だから、考えたくなかった気持ちは大いにわかるけどね。それに、「何とかしないと!」って部分は一致していたとしても、「具体的にどうする」って部分が一致するとは限らない…どころか、一致しないのが当たり前。しかも、おそらく短期的には不利益も大きい。「どっちへ行っても地獄」ってわかっている中で、「先に繋がる地獄と、滅亡に至る地獄」を見分けるのは、楽じゃないだろうね。「その場に留まり続ける」という、滅亡に至る楽な道があるだけに。
繰り返しになるけど、コトはNPBだけの問題じゃない。「メジャーの横暴」を放置しておくことは、世界全体の野球界のためになりゃしない。野球が五輪から追放されたのは、その一環と考えることもできるんじゃないかな。それどころか、米国球界のためにもならないかもしれない。「素質のある若い奴をバスケやアメフトに取られっぱなし」って話は聞いたことあるし。そう考えると、プロアマ含めた世界的視野で野球を語る必要性が高まっている気がするんだけど、そんなもの語れる奴がいるのかぁ?
日本国内では、野球はまだ人気のあるスポーツだ。よって、色んな意味でまだ時間的余裕はあると思う。ここはとりあえず「人材の育成」から始めるべきじゃないかなあ。プロアマ含めた世界の野球を語れる人物を育成して、日本野球界のお偉いさんに意見具申できるようにする。そこから始めないと、どーしよーもないような。なにせ今の球界には「日本国内限定でも、プロアマ両方語れる」人間が少ないってのが現状だからして。
9月16日 ― 2008/09/17 02:55
連休中は競馬にも行かず(中山に馬が戻ってきたから、予定してたんだけど)、「ヒト電」原稿第二部の執筆に打ち込んでいた。何となく興が乗ったので。まだ未完成ではあるんだけど、とりあえず「こういうものを書けばいいのかな?」ってところまではいった。
ただまあ、出来上がったのは「当初の予定とはずいぶん違った」モノになった。最初に「原稿書きたいんですが」と言い出した時点、つまり最初期の構想と違うのはもちろんとしても、今月初めに「こうなるのでは…」と想定していたモノとも大きく異なる。本当にコレでいいのか、多少考えてしまうくらい。まあ、とりあえずは「こんなものでどうでしょう?」とコマンド編集部に見てもらう予定ではあるんだけど。
さて、本日の本題に行こう。本日は、あえて「ウォーゲーム水戸黄門仮説に反論を加える」としておこう。ちなみに、「反対する」じゃなくて「反論を加える」です。これ重要ですので。
ウォーゲーム水戸黄門仮説とは?西新宿鮫殿が最近提唱した仮説である。多少私なりに要約して説明すると、「プレイヤーの技量が問われる、ルールがスッキリしたゲーム」より、「なるようにしかならないけど、見所はきちっと表現できてるゲーム」の方が潜在的にウケるのでは…って仮説である。うーむ、ちっとも要約になってないなあ(苦笑)。まあ、正確なところは提唱者のブログ(こちら)を確認して下さい。
「プレイヤーの技量が問われる、ルールがスッキリしたゲーム」というのは、今現在「良いゲームとはどんなゲームか?」という問いかけに対し、良くある解答だと思われる。ただ、こういうゲームは魅力を引き出すのが大変だったりする。はっきり言って、「何をすればいいのかよくわからない」って状態になりがちなんだな。それを見抜くのがプレイヤーの戦略眼(平たく言えば技量)であり、「自分のやるべきことを達成し、相手のやるべきことを妨害する」と、ゲームに勝てる。ただ、ソコに至るまでが大変だったりするわけだ。
これに対し、「なるようにしかならないけど、見所はきちっと表現できてるゲーム」というのは、ルールがプレイをアシストする効果が高い。これは親切と言えば親切なんだけど、おかげで「道をそれる」ことが難しくなりがち。結果として「なるようにしかならない」って結論が出る。ただし、プレイ方向が強力にアシストされているので、「ここがこの戦いの見所だ!」ってモノをきちっと描きやすい。
西新宿鮫殿の仮説は、「実は後者の方が潜在的ニーズがある」と主張されているわけだ。従来、我々ゲーマーは前者が理想だと教えられ、何となくそれを信じてきたような気がするけど、実はそーゆーものを求めている人間は案外少ないのでは?むしろ、後者を求める人間…すなわち、「ゲームそのものとしての面白さ」より、「演出の面白さ」を求める人間が多いのでは?ってことになる…んじゃないかな。
正直言おう。結論については、私もほぼ同意見だ。「最後に水戸黄門が印籠出して、悪人がへへぇーと平伏して終わり」といった、いわゆるお約束ごとがあってこそウォーゲームだという意見は根強い…というより、「それこそウォーゲーム」だと思っている人間は多数いると思う。むしろ主流派はそちらではないか…という意見は納得がいくし、私もそう思う。
ただ…これって「それを言っちゃおしめえよ!」(by車寅次郎)って意見なんじゃ…ってのが私の「反論」。あくまで私が思うにだけど、この意見を認めて肯定的方向に拡大してゆくのは、マジに「業界の死」を意味するような気がするんだな。現状は現状として認めるのはいい。おおむね現状のまま留まるのも問題はない。ただ、「そういう人間を強くアテこんだ方向に話を持ってゆくのは、危険じゃないか?」ってことだね。
何故ウォーゲームを好むのか?という問いに対する答えは、まあ色々あって当然だと思う。私自身、「技量を問われるモノを好むのか」と聞かれると、少し考えてしまうし。西新宿鮫殿の意見ってのは、実はこの問いかけが出発点ではないだろうか。この点については私本人がつついて調べたワケじゃない(機会設けてつついてみたいけど)ので、断言は出来ないけど。この問いに対する解答として、「戦略眼が問われるから」(なるようにしかならないのはイヤ)って趣旨を答える奴と「名場面を再現できる(体感できる)から」(なるようにしかならないのはかまわない)って趣旨を答える奴のどちらが多いのか?後者ではないか?ってことだね。
私は、この図式には「ちょっとした欠陥」があると考える。それは、「ウォーゲーム」って形態が大前提となっていることだ。ぶっちゃけて言おう。「なるようにしかならない、でも史実の名場面をドラマチックに再現できる」ものを好む人間が、ゲームって形態のモノを選ぶ必然性はあるのか?私はないと思う。そのため、この方向をアテこんで話を拡大してゆくことは、最終的には「ゲームという形態を捨てた何か」を創造するって話になることも含めて考えるべきでは?つまり、「ウォーゲーマーにとって都合の悪いパラダイムシフト」を見落としているか軽視しているのでは…ってことだ。
こうしたパラダイムシフトは、黙っていてもいずれ発生するのかも知れない。メカミリ系だか歴史系だか知らないけど、「似てるモノに興味を持っているけど、ゲーマーじゃない」人間が何か開発するかもしれないわけで。そのため、私は「ウォーゲームって趣味は、いずれプレイヤーが激減して滅びる」可能性を否定できない。ただでさえ小さい今の業界で、半数以上が「ゲームなんかより、コッチの方が面白い」って別のモノに流れたらどうする?正直言って、私は「自分が10年後もゲーマーか?」って聞かれたら、五分五分だと答える。これは、「今現在、私がウォーゲームに向けている情熱が薄れるから」ではない!「今現在、私がウォーゲームって形で満足させている情熱を、別手段でより満足させられるようになるかもしれないから」である。
そんな手段が考えられるのかって?まあ、理論上は。このご時世だし、PC・IT系の何かだろうね。「PCの思考ルーチンなんて…」って意見は、残念ながら的外れ。ゲームじゃないんだから、思考ルーチンの弱さは問題にならない。たとえば、「電子戦況図」なんてどうだ?両軍の部隊が、史実の動きに従って地図上を動き回る。地図の縮尺を変えれば、表示される部隊規模も変わる。もちろん、最小縮尺なら人間1人、車両1両の動きもバッチリわかる(戦闘データは多分結果からのでっち上げだが)。時間の進み方も、リアルタイムから1秒=1時間まである程度自在に変えられる。これなら下手な戦争映画より面白いし、歴史的興味も大いに満たしてくれる。これと「なるようにしかならないけど、見所は押さえてあるゲーム」って、ドコが違うって?
まあ、この電子戦況図が登場するのは、まだちょっと先だと思う。データ量がものすげーから。PCソフトや供給メディアがそれだけのデータ量を扱うことは簡単でも、データを入力するのが大変そうだ。何とかして半自動化する必要はあるだろうね。ただまあ、10年後ぐらいには登場する可能性はある。その他、現在のオンライン系ゲームの考えを応用して…って路線で、「なるようにしかならないけど…(以下略)」って考えに沿った情熱を満足させる品が登場するかも。
これらと比べて、ウォーゲームの「良いところ」は何か?駒を自分で動かせる、作戦を自分で考える、対戦相手がいる…ってところか。しかし、これはよく考えてみると「弱点」と考えることも可能だ。駒を動かさなくて良い、作戦なんて考えなくて良い、対戦相手なんて不要だ、だからこそ面白い!って主張されたら、どうする?
ゲームって手法は、この電子戦況図と比べると「能動的な」趣味である。プレイヤーが働きかけを行う余地ってのが重要だ。これに対し、電子戦況図や小説とか映画なんてのは「受動的な」ものだろう。楽しんでる(観ている・読んでいる)人間の意志・能力が関与する余地が小さい。まあ、ゼロではないんだろうけど。私なりに水戸黄門仮説を大幅に加工させてもらうと、「ゲーマーは能動的に楽しんでる奴と受動的に楽しんでる奴がいて、実は受動的な奴が多い」となる。だったら、「受動的な奴はゲームなんて手法より、別にいい手法があればソッチに飛びつく」ってことになりそうな。
まあ、これは言い過ぎだとも思う。西新宿鮫殿の仮説で言う「実は多数派」にしたって、ゲームって枠から飛び出るほど受動的なモノは、「行き過ぎ」と感じるかも知れないわけで。ただまあ、たまーに「これをゲームと呼んでイイのかぁ?」って言いたくなるほど「なるようにしかならない」ゲームが見受けられるこの世界において、「実はゲームである必然性ないんじゃない?」って意見が出てくる危険性は、あると思うんだけどなあ。
我々現役ゲーマーとしては、こういった「パラダイムシフトに繋がりかねないアイデア」を検討している余裕はあるのか?むしろだなあ、少しでも多くのゲーマーに「ソコまで受動的になっちゃうのは、ちょっと…」と言わせるよう、努力するべきじゃないのかなあ。そのために必要なのは、やはり「能動的な部分の強調」じゃないかと。どちらかといえば受動的な、なるようにしかならないゲームを否定しろとはこの際言わない。ただ、そういうゲームであっても「プレイヤーの能動的努力」によってどうこう…って部分を少しでも多く盛り込むようにしてもらいたいし、批判・批評・意見もそういう面を積極的に強調すべきでは?
もっとも、私がこう思うのも、「私自身の好み」が影響してるからだろうな。私は「勝ち方を見つける過程を楽しむ」ってタイプだから。勝敗にはこだわる(その意味では、なるようにしかならないのはあまり…)けど、「どーやったら勝てるのかな、こーすりゃいいのかな、あーしたらどうだろう…」って考えることそのものが楽しいので、負ける時は平然と負ける。大切なことは「何度負けてもいい、最後は勝つ」だからね。勝敗にこだわる割には弱いから、こんな性格に行き着いただけって話はあるけど。それはともかく、私は「ゲームって枠組み」を否定されると、困ってしまう人である。まあ、少なくとも今は。それゆえ、ここをブチ壊しかねない意見には、やや過剰反応するんだろうな。
つーわけで、西新宿鮫殿には、機会を設けて「その考えは、業界の死に至る考えではないか?」って疑問をぶつけてみようかと。仮説を修正してくるのか、それとも私の意見が反論で叩き潰されるのかはともかくだ。おそらく後者だとは思うけど、それはそれで楽しみだとしておこう。ワクワク…
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