3月15日2010/03/16 00:08

 藤岡祐介君、後で職員室に来なさい。ここじゃ到底言えないコトを、た~っぷりと聞かせてあげるから。
 
 本日の話題は、放置していた競馬関連の話題。旧聞に属するけど、ウォッカとレッドディザイアについてだ。海外競馬ファンとしては、やはり語っておきたいネタだからね。
 
 競馬ファンなら、この2頭がドバイのアル・マクトゥームチャレンジ ラウンド3ってレースに挑み、レッドディザイアが勝ってウォッカが8着に沈み、ウォッカが鼻血出して引退に追い込まれた…ってことはご存じかと思う。久々の日本馬海外勝利と、ウォッカ引退という悲喜こもごもなニュースだな。
 
 競馬に詳しくない人向けに解説を1つ。馬の鼻血ってのは、人間のそれと違って「深刻なモノ」であることが多い。人間様で言えば「血痰吐いた」ぐらいの深刻さかな?この症状を出した馬は、しばらく「使い物にならない」コトが多い。必ずってワケじゃないけどね。私のようなオールドファン?だと、マチカネタンホイザとナリタタイシンが思い出されますね。ああそうだよ、ご丁寧に馬券買っていたよ。
 
 競走馬ってのは「過酷な生き様」を強いられる存在なので、鼻血出して引退…ってのは「哀しいけれど、良くある話」の1つと言える。それだけに、「ウォッカお疲れ様」で片付けてしまいがちだ。ただ、私はあえてここに深くツッコミたい。そんな綺麗な言葉で片付けちゃイケナイ問題があると思うんだな。
 
 私は「馬博愛主義者」ではないので、競走馬が過酷な生き様強いられたところで、気にしない。そもそも、今でも「稽古で壊れる馬は弱い馬だ。そんな馬は勝てないんだから、同情には値しない」と言い放った、故戸山調教師の信者だぞ?「鼻血で引退なんて、可哀想」なんて思考は持ち合わせていない。原則として、競走馬は勝ってナンボだと思う。
 
 しかしだねえ。ウォッカが鼻血出したのは「海外のレースで」ってトコロは引っかかる。私は海外遠征推進派でもあるから、「海外遠征なんてするから…」って意見に与しはしない。でも、海外遠征に伴うストレスが、こういう引退を強いられた大きな理由かも知れないって部分は認めるしかない。
 
 ということはだ。今から思えば、ウォッカって「海外遠征が苦手な馬」だったのでは…という疑惑がある。いやまあ、正直言って、今回こんな結果になる前から「コイツ単に海外遠征下手なだけでは?」とは思っていたんだけど。なにせ去年の安田記念で「ドバイでの敗因(去年も遠征している)は、海外遠征だけが理由じゃないのでは?」ってな仮説を無理矢理立てて、結果痛い目に遭っているんだから。
 
 こう書くと、「そんな馬を遠征に連れて行った角居調教師は…」って話になりがちだけど、流石にソレは言い過ぎか。国内の輸送は何の問題もなかった馬だし、あれだけの実績のある馬だからねえ。目が眩んで「大丈夫なはず」と思い込んでしまったところで、仕方ないとは思う。
 
 ただ…「仕方ない」で許して良いのか?って問題は残る。海外遠征経験豊富な調教師、すなわち英国のスタウト調教師とか、UAEのS・ビンスルール調教師がウォッカを管理していた場合、海外遠征させただろうか。この辺になるとウォッカのような馬でも「海外遠征OK」にしちゃうんじゃ…って話はあるけど、いずれにせよ「こういう形での引退」は避けられたのかもしれない。
 
 そりゃあね、世界的名門である、スタウト調教師だのビンスルール調教師だのと、角居調教師を比べるのは「酷な話」かもしれない。けど、同じ競馬ってジャンルで勝負している以上、「仕方ない」では済まされない気もするんだな。そんな「戦う前から負けている」ような発想をしてどーする。世界を相手にケンカ売ろうって以上、相手が世界的名門であれ、互角に戦えなきゃイカン。
 
 そーやって考えてゆくと…ウォッカがあんな形の引退を強いられたってところが、「日本競馬会の限界」なのかなあ…って気はするね。かなり前々から言われていることではあるんだけど。海外遠征推進派としてはとっても悔しいけど、そーゆー部分が「日本競馬もまだまだ」なのかな…
 
 レッドディザイアの勝利に見るように、単純な「競争能力」だけ考えたら、日本馬も世界相手に戦えるとは思う。けれど、まだ学ぶべきコトは多いんじゃないかな。ソコをクリアしてくれないと、私の見果てぬ夢「キングジョージで日本馬がモンジューの血を引く馬を破って優勝」を果たすのは難しいような。
 
 海外競馬で一番難しいのは、普段通りの実力を発揮させることだ…ってのは、それこそ昔々から言われてきたことである。大昔は「実力発揮できなかったのか、そもそも実力が足らなかったのか」よくわからなかったけど、フジヤマケンザンが香港国際カップ(香港カップの前身)を勝利することによって、「実力不足じゃねえ!」ってことを証明してくれたわけだ。あの時のフジヤマケンザンがいかに「普段通り」で、それがどれだけ頼もしかったのかは、私はよ~く知っている。
 
 あれから月日は流れ、海外で勝つ日本馬は何頭も出た。けれど、総合的に見れば日本馬は「まだまだ」なんだろうな。ただ、その差を埋めようと思ったら、とにかく遠征して経験積んで、それを次のチャレンジに活かすしかないと思う。言葉で言うのは簡単だけど、実行するのは大変どころの騒ぎじゃないけどな。今回のウォッカの件みたいなことを、何度も繰り返す羽目になりかねない。でも、ソレを承知で挑み続けるコトこそが、「ウォッカの無念」を晴らす唯一の道って気がする。
 
 海外遠征ってのは、勝った負けただけじゃない。そこから何を掴んできたかだ。勝利しないとわからないこともあるし、負けて初めてわかることもあるだろう。それが面白いからこそ、私は海外に行っちゃうんだな。ああ…やっぱり現地で見たかったなあ…何でオレは日本なんぞにいたんだ?
 
 ただまあ、今回のレッドディザイアの勝利については、「私が向こうに遠征しなかったからこそ」勝ったんじゃねえかって話はある。だって、鞍上魔神だもの(苦笑)。魔神は天才と並んで「人間じゃない」んだよ。「人智を越えた何か」なんだよ。「ココで勝てば、F男の奴が心底悔しがるな」ってのを察したに決まっている!本番では別の馬に騎乗する以上、「呪い」かけに行けない自分が悔しいぜ!もっとも、行っても馬券売ってないので、呪いかけられないような気もするけど…

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