2月18日2011/02/19 00:16

 コマンド誌が届いた。色々読んで、最後に自分の原稿を見たところ…えーと、多分コレは「私が悪い」んだと思う。どーするのか悩んだけど、とりあえずココで謝罪しておくことにした。TGF2010で紹介したゲームの画像が丸々ありません。「ページの都合」というものです。申し訳ない。
 
 私にとって見れば、由々しき事態である。正直、自分にオカンムリ。対策は深く深く脳裏に刻まれました。TGF改めゲームマーケット(秋)&冬のコミケを同時に扱うことになりそうな来年は、こんなことにならない予定です。うへぇ…実は凄く落ち込んだ。
 
 気を取り直して、他のゲームの話でもしよう。本日のお題は、「過去にあった、初心者用シミュレーションゲームっぽいモノ」を語ってみようかと。最近ホットな話題ではあるし、過去の失敗(総合的にはそうなるんだと思う)を振り返るのも、悪くないと思って。私が直接知っているのは一握りだけど。同人や商品化されなかったモノについては、話を聞いたことあっても割愛。なお、いわゆる「エポッククラシックス」は本格的なシミュレーションゲームに分類されるモノであり、原則としてここで語りたいモノとは一線を画すモノとさせてもらう。
 
 ここで言う「初心者向けシミュレーションゲーム」を最初に出した日本のメーカーって、やはりバンダイになるんじゃないかな。その代表は、今でも「最も売れたシミュレーションゲームらしい」とされている「連合艦隊」か。他にもいくつか作品を出していましたね。
 
 正直、私はごく一部を除き、バンダイのゲームは良く知らない。プレイしたこと無いからなあ。簡単なレビューのたぐいは「シミュレーター」だの「コマンド」だのでいくつか読んだ気もするけど、それだけ。ある意味「忘れ去られた」アイテムと言える。これはよく考えると哀しい話だ。業界で最も売れたとされているモノが、忘れ去られてしまっているのだから。「その程度の品が最も売れたのか」と考えると…思えば、この当時から「小さな」業界だったのね。今よりは遙かにマシだと言われているんだけどさ。
 
 あくまで推測だけど、多分バンダイゲームの大半は、今プレイしても「駄目だこりゃ」となるような気がする。ただ、それはあくまで「シミュレーションゲームとして見た場合」の話。アレはシミュレーションゲームじゃない、ドイツゲームのたぐいなんだ!と強引に考えてプレイしたらどんな評価になるのか、ちょっと興味深いかも。もちろん、「やっぱり駄目だ」となる可能性は高い。でも、「どの辺が駄目なのか、どの辺を駄目と感じるのか」は、ウォーゲーマーとそうじゃないゲーマーの間でビミョーに異なるんじゃないかと。
 
 ちなみに、バンダイゲームの全てが駄目とは思わない。シミュレーションゲームとしてはどうかと思うけど、「ゴジラ対モスラ」「ウルトラマン」「宇宙戦艦ヤマト」は面白かった。これらを復刻?させた同人ゲームがあるくらいだから、少なくとも私1人の感想じゃないと思う。「零戦」の復刻も紹介したなあ。この辺のゲームを引っ張り出して、イマドキのボードゲーマーとやらにプレイさせたら何て言うのか、聞いてみたい気はする。
 
 発想は入門者向けだけど、実はそれなりに難しいゲームじゃなかったか?と思うのが、ツクダが出していた一連の版権モノ。「ガンダムヒストリー」を初心者にプレイしろと言うのは、それなりに難しいじゃないかと。ただ、当時はコンシューマーゲーム機やPCの性能が低かったので、実質「アレしかなかった」んだよな。「題材への興味があれば、難しいルールでも付いてくる奴はいるはず」ってな理由から「初心者用ゲーム不要論」を唱える方がいるけれど、実はこの当時のツクダゲームは「そういう主張の根拠として」数えて良いのかも。この辺、私個人の研究は進んでいないけれどね。
 
 今の視点だと、マルチゲームの大半(全てじゃない)は「ドイツゲーム」扱いされるんだと思う。「フンタ」「タイタン」なんかはそう思われているみたいだし。だとすると、「上海トレーダー」「Kings and Things」「超人ロック」「銀河帝国の興亡」「魔法帝国の興亡」なんかは、「ドイツゲームだ」と言って紹介してもいいんじゃないか?こういうゲームは「ウォーゲーマーは懐かしさから、ボードゲーマーは目新しさから」仲良く一緒にプレイできそうな気がするので、両者を融和させたい場合に引っ張り出してくると良いのかも。
 
 「エポッククラシックスは本格的シミュレーション」としたけれど、「シミュレーションゲーム入門」のゲームはどうなのかなあ。「本格の下限」と分類すべきか、「入門向け」とするべきか、何とも言い難い。ただ…「入門1」は何も語られないんだよな。「入門2」はまだ語る人がいるんだけど。とりあえず、「F-16ファイティングファルコン」はいいゲームだと思う。
 
 「APBA」「ザ☆ビッグプロ野球」といったスポーツシミュレーションゲームは、もっと見直されてもいいんじゃないか?個人的には、他にない独特の楽しさがあると思っているんだけど。とはいえ、一般的な意見に従うと「コンシューマーに勝てない」となっちゃうのかな。
 
 この手の話題となると、SSシリーズを忘れるワケにはいきませんね。ただ、アレは「本当の意味での初心者用」って、実は案外少ないような。色んな意味で再検証が必要な気はするかな。
 
 鈴木大佐の「ハンドレッドデイズ・キャンペーン」はプレイしたことがある。アレはアレで面白かったと思うけど、正直「戦場の風が感じられない」ゲームって気がした。私個人の意見としては、「ゲームの駒じゃなく、軍隊を率いているんだって気分」に浸れるかどうかは重要だと思う。とはいえ、コレを言い出すと「どこまでがそういう気分に浸れるモノなのか」ってなっちゃう(意見は千差万別)ので、話がややこしくなるけれど。
 
 今現在、こういう「境界的な」ゲームを精力的に出しているのは、「ウォーゲーム日本史」だと思う。個々に見ると良いモノ・駄目なモノがあるんだろうけど、全体的には悪くないって気がする。やってることはSSシリーズとそんなに変わらない気がするのに、初心者受けも良さそうだ。やはりSSシリーズは、どこかで「初心者向け」ってコンセプトが軽視されちゃったのかも。
 
 他にもあるとは思うけど、以上が私の思いつく「過去に出た初心者向けゲーム」かな。こうしてみると、案外バラエティーに富んでいる気がする。どれもこれも「大成功」には至っていない(だからこの業界は…)けど、決してクズばかりってワケでもない。個別に見ると玉石混淆だとしても、全体としてみたら「一定の価値はあった」としていいんじゃないかな。
 
 スタージョンの法則に従えば、どんなものも、その9割はカスである。シミュレーションゲームも多分そうで、入門者用に限定してもそうなると思われる。まあ、多少のバラツキは当然予想されるわけだけれども。それゆえ、「カスばっかりだから不要」なんて議論は不毛だと思う。ソレを言い出したら、何もかも不要ってコトになるからなあ。私は基本単なるウォッチャーなので、今後もどんな作品が出るのか、生暖かく見守ることにしようと思う。