1月31日2011/02/01 01:03

 私が色々言ったことと関係は無さそうだけど、いちねんせいブログにコミックガムの紹介が。良かった良かった。こーゆーコトはこまめにやって欲しいですね。
 
 今月は「そーゆー月」にしちゃおう。今月最後の話題は、昨日のMiddle-Earth東京支部例会で「肝心な方」に語りそびれた、「同人ゲームの発表方式」について。一応は龍虎殿が制作中の「河越合戦」完成記念である。まだ少し勝利条件をいじるって話だけど。
 
 ウォーゲームをデザインしたい。その気持ちはわかる。頑張ってデザインして、完成形にこぎ着けた。偉い。しかし、それで話は終わりではない。「それをどうやって世に問うのか」という問題がある。せめてココはクリアしたいモノだ。よって、そのための手法について考えてみよう。一般原則についても語るけど、ここはあえて「河越合戦」を世に問うことを前提に話を進めてみたい。
 
 現在のところ、最も手っ取り早い手段は「即売会で頒布する」ではないかと。コレはコレでタイヘンではあるんだけど、その気があるなら個人レベルでも解決可能という点が大きい。手に取ってくれる方がどれぐらいいるかは不明だけど、よほどヘンなコトをやらかさない限り、ゼロってことは無いと思う。少なくとも、どこぞの「即売会レポーター」がレポート用に買う。それが「仕事」だからね。
 
 とはいえ、これを実現するのは結構大変だ。特に「河越合戦」の場合、作者の龍虎殿が「同人誌即売会に出入りする人じゃない」のが痛い。いわゆる「ヲタッキーアイテム」に興味をあまり示さない方でも、同人誌即売会に出入りする方っていたりする。「何故?」ってのは個人個人の事情によるけど。ゲーマーの場合、ゲーム関連(非ウォーゲーム含む)に興味があるとか、メカの設定資料や写真に興味があるとかいった理由が多いのではないかと。龍虎殿は、そういう方ですらない。
 
 そんな「即売会に足を踏み入れたことがない」人間が同人ゲーム頒布したらイケナイのか?そんなコトはない。ただまあ、色々苦しいのは間違いないな。先達の支援抜きで申込書を書き、当日の「店番」やると言ってもだなあ…そもそも、「ソコまでして世に問いたくない」って可能性すらある。
 
 この辺を解決する手段として、「委託販売を依頼する」って手がある。既に即売会にサークル参加している友人・知人に売ってもらうとか、友人・知人にサークルの運営面はほぼ完全に任せちゃうとか。ただまあ、コレは必然的に金銭的やりとりが発生するので、その辺をどうにかできるだけの相手を選んで組む必要がある。
 
 この辺を上手く解決したとして、どの即売会に申し込むべきか?う~ん…多分今だとゲームマーケットかなあ。選択肢がコレかコミケだからなあ。あえてコミケって選択肢もあるけれど、ヲタク入っていない方が同人ゲーム売るのなら、むしろこちらの方がオススメかなあ。コミケはコミケで良い点もあるんだけど、やはり「当選確率が低いので、必ずサークル参加できるとは限らない」のが…
 
 即売会はちょっと…というのなら、ネット通販は?これは…正直言って、現状では通販オンリーは苦しいと思う。ゲーマーの平均年齢は高めなので、通販に対する「抵抗感」は高めだと考えて良さそうだ。ある程度モノを信頼できる「海外のゲームメーカー」の品ならともかく、同人のものを「自分の目でものを確認できないのに」買う奴は少ないんじゃないかなあ。多分、「身内の希望者にだけ頒布」って手法と変わらない程度しか売れないような。
 
 もちろん、宣伝手法を上手く工夫すれば、通販オンリーでもやっていけると思う。しかし、コレは結構厳しいと思うよ?先例がないので、自分で「どうすれば宣伝になるのか」という手法を開発していかなくてはならない。それができるというのなら、今すぐ職を変更するべきではないかと。ネット通販でモノ売る手法については、まだ色々と試行錯誤中なので、良いノウハウ開発できるのなら一財産築ける可能性がある。
 
 「同人はイヤじゃぁ~、メジャーデザイナーになるんじゃ~!」というのなら、商業誌に投稿することになる。この場合、オススメはGJかな。コマンド誌と比べた場合、投稿ゲームの採用率が高いから。難点は「それでも、必ず鈴木銀一郎杯入選作品に選ばれるとは限らない」ことかなあ。これ以上のことは、投稿経験もないし選考過程も全く知らないので、何とも言い難い。
 
 「ウォーゲーム日本史」は?モノによってはコッチの方がイケるかも。ソレは認めよう。でも、あの雑誌の付録ゲームって、かなり「軽い」んだよなぁ…昔懐かし翔企画の「SSシリーズ」よりも軽いモノ中心になるので、「本格的ウォーゲーム」は厳しいんじゃないかと。ちなみに「河越合戦」はどう考えても本格的ウォーゲームです。
 
 他の手法ねえ…実は一応ある。国際通信社の通販サイト「a-game 」には、同人部門があるのだ。ここで言う同人とは、基本的には「即売会で売っていたモノをa-gameで通販する」ものではなく、印刷・販売までやってくれるモノだ。過去の実績から行って、通販オンリーではなく一部ゲームショップでも販売してくれるかも知れない。同人とは言え本格的じゃないか!でも、素晴らしいとは言い難い。コレを利用して出されたゲームって、かなり昔に出たモノばかりで全部絶版。このシステムが「今も活きている」のかさえアヤシイ。
 
 a-gameの同人部門については、そのうちキチンと調べてみたいと思っている。活用方法によっては、即売会で同人ゲーム頒布している方々にとって、役立つモノになるんじゃないかと思って。自分が即売会で頒布しているゲームの「デラックス版」、つまりユニットやらルールブックやらを充実させる代わりにお値段高め…ってシロモノを「作ってみたい」と思っているサークルは、案外多いんじゃないかと思う。そーゆー手段としてこの制度が活用できるとしたら、利用者は増えるのでは。コマンド誌でコミケレポートなんぞ掲載している以上、こんな形で「同人活動支援」するのもアリじゃないかなあ。
 
 以前龍虎殿に「河越合戦」が完成したらどうするのかを聞いてみたことがある。その返事は…ありがちなことだけど、特別明確なビジョンをお持ちではないように感じられた。それが悪いというワケではない。ただ、「そろそろ完成」という宣言を出した以上、この問題をどうするのか、深く考える段階に来ているとは思う。単に身内だけが遊ぶモノに留めるのか、同人で即売会に出すのか、商業誌掲載を目指して投稿するのか。私は必要ならばある程度協力できるような気はする(特に即売会絡み)けれど、全ては龍虎殿の決断次第。どんな決断を示すのか、とても楽しみである。
 
 なお、私のオススメは「同人として即売会で売る」だけど、これは私個人の利害が大きく絡むので、あまり真剣に聞かない方が良いかも。なにせこの私は即売会取材ライターだから、即売会に新顔が増えてくれることは大きな利益になる(記事が書きやすい)からね。そんなわけで私の意見なんぞ気にせず、どう発表するのか考えてみて下さい。