12月2日2009/12/03 02:56

 ここでは書けない「諸般の事情」の方が忙しくて、更新が疎かに。師走になると色々忙しいんですよ。色々とね。
 
 本日の話題は、あるデジタルガジェットがポシャった件について。私は特別期待していたワケじゃないけど、これはこれで悲しいニュースとして紹介する価値があるかなと。
 
 TechCrunchというサイトがある。主にネット関連のニュースを紹介するサイトだ。日本語版も存在しているので、私はたまに見ている。英語版にはいくつか関連サイトがあり、その中にはガジェット(わかりやすく言えばハードだな)を扱うモノもある。
 
 コトの始まりは、このサイトの人間が「タッチパネル使ったネット閲覧用のガジェットがあれば、便利なんじゃね?」と思ったコトにあるらしい。ちょっと大きめの画面にタッチパネルを付け、キーボードは付けない。文字を入力したい場合どーするのかは忘れたけど、これはまあ何とかなりそうだ。基本的には「ネットを見る」ためのものなので、文字入力なんてあまりやらない前提だし。
 
 ここから段々話が大きくなり、「実際作ってみよう」「それなりに売れるのではないか」って段階まで進んでいた。ちなみにこの話、Appleが類似品(要は「デカいiPhone」)を出すのではないか…って噂が本格的に流れるより前に、ある程度話が進んでいた。うまくいけば、先月には製品発表が行われる…ってトコロまでは行き着いた。「CrunchPad」って製品名も決まっていた。
 
 ところがだ。何だかよくわからんけど、実際の製造元と何かしらヤヤコしいトラブルが生じた結果、この製品はお蔵入りしてしまった。あくまでTechCrinch側の言い分によればだけど、どうやら製造元の株主の中に、「こんなもの作ったら面白いんじゃね?」と言っただけ(実際は色々やっているようだけど)の奴にカネ払う必要など無い!と考えた馬鹿がいたからだそうな。どちらの言い分が「筋が通っている」のかについては、そのうち開始されるであろう訴訟である程度解明するのでは。
 
 さてこのCrunchPad、どーゆー製品になるだったのか、より詳しく説明しよう。12インチのタッチスクリーン「だけ」のネット端末である。イメージとしては「デカいiPhone」が近いのでは。拡張性の有無(物理キーボードを付けられるのかどうかなど)についてはよく覚えてないけど、まあUSB端子の1つや2つは付いていたと思った。通信方式は…携帯電話回線を利用するモノではなかったはず。無線LANのホットスポット利用が前提だったような。より正確には、「デカいiPod Touch」の方が近いだろう。
 
 使用OSは、「とりあえず何でも」だそうな。実際にはWindows7もしくはGoogle Chrome OSのどちらかになったと思われるけど。狙いとしては「キーボードを取っ払ったネットブック」なので、専用OSなんて話にはしたくなかったんだろうと思われる。
 
 こういう製品は、とりあえず他にない。Appleが「似たような品」を出すんじゃねえかって話は根強いけど、どーせ「専用OS搭載で使い勝手は良いけど、その分高い」製品になりそうだ。当たり外れで考えればAppleの製品の方が「手堅い」のは間違いないけど、その代わりにそれなりの制約(気になるかどうかは別として)はありそうだ。ソレと比べて「安かろう悪かろう」になるのか、それとも「こんなもので十分」になるのかは、私の知識では何とも言い難い。
 
 ただまあ、いわゆる「ネット閲覧用端末」の選択肢として、それなりに面白い製品であったことは間違いない。私は「中途半端な製品だったら、ネットブックの方が便利なのでは」と思っていたけど、キーボードにどれだけこだわるかについては異論が分かれるところだろうし。最初から「そんなものだ」と割り切っていれば、キーボード無しでも問題にならないかもしれない。より小さいiPhoneなどと比較した場合、大きさ(持ち運びは不便になる)を我慢する価値があるのか…って話にはなるけれど、画面の大きさはやはり魅力的だ。「外出先でネットコミックや長文サイトを快適に閲覧できる」のであれば、あえてこのサイズの品を持ち歩く価値があるかも知れない。
 
 ただ…ビジネス面で考えた場合、ネックになりそうな点があったのは事実。コレがウケた場合、類似品が山ほど登場するのを防げそうにないのだ。Appleの場合は「似ている?だからどーした」で片付けるだけの裏付け(OSレベルからの最適化とか、ソフト販売チャンネルの充実とか)があるんだろうけど、この製品はそーゆーモノを狙ったワケじゃないからなあ。その辺が「よくわからんトラブル」の原因になったのかもしれない。
 
 あくまで私の予想としては、今後「ほとんど同等のモノ」が出てくる可能性は高い。Appleが似たような品を出すって噂が本当なら、真似しようとして「コレと同様の品」を出すメーカーが出そうなものだ。つーか、台湾のメーカーが「Appleのあれを真似しよう」と考えたら、そーゆーモノにしか行き着かないような。あえて冷酷なことを言わせてもらうなら、今回の件は「こういう製品の発売時期が遅れた」だけであり、いずれ出てくるに決まっている類似品を買えば何の問題もないと思う。
 
 でも、こういう「良さげな品」の開発がポシャったって話を聞くと、やはり残念ではあるよね。特に私は、こーゆー「オモチャ」の話は好きなので、その思いが強い。スペック表やレビューを見ていろいろ想像し、気になったら実物に触れ、自分のライフスタイルに当てはまる品なのか・価格性能比は購入するに足るのか…なんて色々考えるのは、楽しいからなあ。その意味では、「期待していたモノ」が製品化されもしないでお蔵入り、ってのはちょっと悲しい。
 
 もっとも…私がこの製品を買ってしまったら、「何も考えず大量にブラウザをインストールする」などというアホやらかし、それはそれでタイヘンなことになったかもしれない。PCのブラウザ群だけでも、管理に手を焼いている有様だってのに。えーと、Firefox3.6がβ4版で、Lunaccape6.0がRC1になったんだよな。いつになったらFirefox3.5とLunascape5.0をアンインストールできるのやら…