3月7日 ― 2007/03/08 02:59
「新しい雑誌を読んでみよう」キャンペーンは停滞中。2月は「28日」と「月末」が同時に襲ってくるので、すげー数の雑誌が同時に出る。おかげで「いつも買ってる本」の処理に追われまくって…思いっきり「計画倒れ」になりそうだ。とか言いつつ、しっかり「撃墜されて購読決定」した本があるってのが…
その辺を語るのも悪くないけど、本日はそのうち廃刊予定の「月刊ジャンプの現状」を軽く語ろうかと。重く語る意味は…ないと判断した。
時間が無くて過去を調べてない(記憶でそれなりのことは書けるけど…)ので、とりあえず現状中心に語る。昨日発売の最新号。私が「知ってる」作家は4名。うち1人は鳥山明。作品は読み切りの「Dr.スランプ」。相変わらず「読ませる」けど、気合いは抜けている。旬を過ぎた作家なんてこんなものでしょ。私に言わせれば、「この状態でどれだけ読ませるモノを描けるか」が重要なんだけど(笑)。
もう1人は柴田亜美。私の記憶が正しければ「ドラクエ4コマ」で名を売り、その後色々書いていたはず。アニメ化作品もあったかな。私の中の評価は「普通」といったところ。今回読んだ作品の感想も「普通」だね。
もう1人はみずしな孝之。「大魔神」佐々木がベイスターズにいた頃、「ササキ様に願いを」って4コマ書いていた。そこそこ面白いんだけど、映画紹介してる時点で大きな期待は出来ない。ま、ストーリー漫画の人じゃないから一定の限界はあると思うけど。
最後の1人は門馬もとき。その昔私がまだこの雑誌を読んでいた頃に「かっとび一斗」(当時はこの表記だったと思う)ってサッカー漫画連載していて、相変わらずそれが続いていた。より正確には続編らしい(タイトルが「風飛び一斗」になってた)けど。
私が知ってる作家が4人。これは…確かに苦しい気がする。いやね、普通の漫画月刊誌なら、こんな数字はごくフツーだ。私はお気に入りの作家が1人でも連載持てば、その雑誌を読み始めるんだから。ただ、月刊ジャンプは「過去に読んでいた雑誌」である。にもかかわらず知ってる作家が4名。うち1人は完全なゲスト、もう1人は小ネタ…つまり、「作家が安定してない」ってことになる。
そりゃあね、私は大河連載には否定的だ。「長々と連載するぐらいなら、とっとと終わらせて次を描け」てなことを常日頃から主張している。とはいえ、メリットがあるのは確か。ある程度そういう作品があるのも仕方ないかな…と思う。比較のために買った月刊マガジンの場合、そーゆー作品だらけ(コレは言い過ぎか?)。月刊漫画誌の利点は「じっくり読ませる」ことにある(一度に掲載される頁数が多い)ことを考えれば、大河連載へと育った作品が少ないのは…
私がよく知らない作家の作品にいこう。まとまりはある。完成度は高い。けど、グッとはこなかった。正直「面白い作品を見逃してたなあ」とは思わない。もっとも私の趣味は一般的とは呼べないので、私にウケたからって「だからどーした」って話はあるけど。
あえてまとめてブッタ斬ると、「まとまりはあるけど破天荒さがない」ってことになるかな。もっと「好きな奴は好きだけど、そうじゃない奴にはまるでウケない」って作品が増えてもいいような。ま、こういう作品はどんな雑誌にもゴロゴロしてるので、存在自体が悪いわけではないんだけど。
総じて見ると、「水準はクリアしてるけど、過去の栄光を知る人間にはキツい」ってことになるかな。まあ、良くある感想だ。つまらん見解と言ってもいい。これで終わりなら、「本日のネタはつまんないからボツ」としてもおかしくない。
なのにココまで書き続けてきたのは、何となくだけど「廃刊にした理由」じゃねえかってモノを見つけたからだ。それは、「水準はクリアしてるけど、過去の栄光を知る人間にはキツい」ってところである。そんな理由で?私自身も「多分違うんだろうな」とは思うんだけど…
仮に私が、廃刊のニュースを知らずに「久々に手に取ってみた」としよう。その感想は「そこそこ読ませるけど、どこが月刊ジャンプなんだ?」ってなモノになったはずだ。正直、「どこぞの新雑誌を間違えて手に取った」のかと思ったくらいだ。歴史の蓄積が感じ取れる作家陣じゃないし、雑誌のカラーも伝統を感じにくいし。そのくせ、よーく読むと「老舗ゆえの弱点」が目に付く。破天荒さが足らないのだ。結果としてイマイチ新鮮さを感じない。新路線で行くにはカンバンが邪魔で、老舗路線で行くには商品が新しい…こういう店が流行るとは思えない。
こうなると道は2つ。老舗なんだからと歴史・伝統をウリにした路線に戻るか、老舗ってコトは忘れて新鮮味を前面に出すか。ただ…現状を考えると、前者は難しそうだ。となると、過去を斬り捨てるしかない。そうすれば、少なくとも流通上の問題(過去の栄光と現在のギャップを考えれば、色々負担があったと思われる)を減らせる。この辺が理由じゃないかなあ。
現在、マンガ雑誌界は不況である。そりゃそーだ。少子高齢化・ネットや携帯電話の発達・趣味の多様化…といった世相を考えたら、苦しいのはむしろ当然でしょ。けど、これはイコール「マンガ雑誌が完全に駄目」ってことではない。細々とながらやってゆくことは可能なはずだ。それを考えたら、無理に踏ん張って完全に倒れるより、後退を受け入れて立ち続けることも必要じゃないかな。
月刊ジャンプの場合、無理して「月刊ジャンプ」ってカンバン背負うより、それを降ろして新雑誌に切り換えた方が…って判断が働いたのかも知れない。少なくとも私はそんな印象を持った。実際はもっとドライにビジネスライクな判断が下っただけって可能性が高いんだけど…そんな判断だけが全てとは、信じたくない。
この予想が当たっているのなら、そのうちに月刊ジャンプの魂「だけ」受け継いだ雑誌が創刊されるだろう。これはおそらく私の趣味には合わないと思われるけど、それは私の趣味の問題であり、どっちが悪いって性質のモノじゃないでしょ。マンガ文化にお世話になってる身としては、「月刊ジャンプの魂」は何かに受け継がれて欲しいもの。たとえ趣味が合わなくても。とりあえずはその日を期待して待ちたいですね。
しかし…こんなこと書いた以上、集英社が「月刊ジャンプ後継誌とおぼしきモノ」出したら、買って読んで批評しろってことかぁ?だからさあ、新雑誌読むのは大変なんだって。今でさえパンクしかけてるのに…しかも、そこで「面白い作品」見つけたらどーしてくれるんだ。ブツブツ…
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