2月28日2007/03/01 02:32

 「新雑誌を読んでみよう」キャンペーンは停滞中。いやね、物理的に苦しいことが判明したモノで。予定のモノを全部買い、さらにいつもの雑誌も買うと、持ち帰るのが大変なんですけど。ま、少しずつ消化はしているんだけど。
 
 本日のネタはこれとは無関係に、競馬ネタ。何でも、日本ダービーはGIじゃなくなるかもしれないとか。これは競馬ファンにとってはかなりデカいニュースだと思うので、多数ネタ承知の上で語っておこうかと。
 
 日本ダービーがGIじゃなくなる?何で?そりゃあ興行のこと考えたら、JRAがそんな自殺行為をやるわけない。問題は今年達成した「パートI国入り」である。これにより、名目上も日本は競馬一流国となった。それはいい。けど、「だったら国内馬限定レースにGIなんて称号付けるな」ってイチャモンが入ったのだ。国際社会(正確には国際セリ名簿基準委員会)から。
 
 日本はパートI国入りしたとはいえ、実は全グレードレース(いわゆる重賞)が国際グレードを獲得したワケではない。外国馬に出走枠を用意したレース(結構多い。活用されるかどうかはともかく)だけである。内国産馬保護を目的として外国馬に解放しなかったレースはことごとく駄目。それが当たり前なんだけどね。
 
 問題なのは、この「解放しなかった」レースに日本ダービーが含まれていること。それどころか、クラシック(桜花賞・皐月賞・オークス・ダービー・菊花賞)全滅である。これらは国際解放する予定がないので、認定される見込みなんてありゃしない。大ピンチである。さてどうするJRA。
 
 実はこの問題、とっくの昔にわかっていたことである。今までは二流国扱いされていたので、国内にだけ通用する基準でレースの格を決めても、誰も文句言わなかった。けど、これからは違う。一流国の仲間入りをしちゃったのだ。それに伴う責任ってモノを考えれば、こういう指摘を受けるのは当然ではないかと。
 
 私に言わせれば、この問題に「いい解決策」なんてありゃしない。次の3つのうちいずれかを受け入れるしかないと思われる。すなわち、1)日本ダービーはローカルなレースだと認める、2)内国産馬保護を諦め、日本ダービーを外国馬に解放する、3)今更ではあるけど、パートI国入りを返上する、である。どれも厳しいって?そりゃそーだ。けど、世の中ってのはそーゆーものでしょ。
 
 この3つのうち、どれを採用するべきか?私の推奨度は書いた順である。常日頃からこういう問題があるってコトは知っていたので、結論出すのは簡単である。むしろ「寝耳に水」みたいな論調の新聞に対し、「わかっていたくせに、白々しい」って言いたいくらいだ。まあ、私の見解が一般の理解を得るかどうかは別問題なんだけど。
 
 実は世間が求めそうな解決策は、「そうなるんだったら、パートI国入りなんて称号はいらない」じゃないかと。ごく普通の競馬ファンにしてみれば、メリットがよくわからないのにデメリットはデッカイからねえ。日本のパートI国入りなんて、「JRAの自己満足に過ぎない」って意見があるくらいだし。
 
 けど、他の誰が何を言おうとも、私だけはそれを認めるわけにはいかない。日本がパートI入りしたのは、JRAの各種働きかけのおかげだってのは認める。JRAの都合と努力で獲得したモノを、JRAの都合で返上するのは勝手じゃないか?って言いたくなる気持ちもわかる。けど、そうした「国内事情」だけで日本がパートI国入りしたワケじゃないでしょ。
 
 私に言わせると、パートI国返上は、日本馬の海外遠征全てにミソをつけるようなものである。その昔は、「日本馬?しょせんローカルな存在でしょ?」と言われても全く反論できなかったのだ。日本のパートI国入りは、果敢に海外へ挑戦してきた日本馬があってこその称号だ。それを応援すべく何度も現地に出掛けた私にしてみれば、絶対認められない。軽々しく「返上しちゃいましょう。それじゃ海外からナメられる?別にいいじゃん」なんて言えちゃうようなら、あの日フジヤマケンザン様があれだけ頑張ったのは何だったんだ。
 
 ダービーを外国馬に解放するってのは、決して悪いことではないと思う。どーせ挑戦してくる馬なんてそんなにいるわけないし、出たからって簡単に勝てるようなレベルのレースじゃないでしょ。とはいえ、来るからにはそれなりに勝算あってのことだろうから、レース自体は面白くなるだろうし。
 
 けど、色々と痛手を受けてる生産者の心情なんかを考えると、手放しで賛成しにくいのも事実かなあ。それに、贅沢かも知れないけど、日本ダービー馬ってのは「自分が良く知ってる」馬の中から出て欲しい。ウイナーズサークルで誇らしげにしてる馬を見て、過去その馬に負けた連中(ダービーより前に戦った連中も含む)の姿が山のように思い浮かぶ(大抵、外れた馬券とセットになって)からこそ、ダービーは美しいと思うので。
 
 というわけで、私のイチオシは「ダービーをローカルレースだと認める」ことである。そんなもの認めたら、興行的にマイナスになるのは間違いない。「GIだから」って理由だけで馬券買ってる奴は少なくないと思うので。こういう称号を失う意味は、私にもよくわかる。
 
 それでも私がこれを推す理由は単純。「日本ダービーは日本ダービーだから偉大なのであって、GIだから偉大なのではない」と思うから。競馬やる人間にとって、やっぱりダービーってのは特別なレースだ。別にGIって称号がなくなったって、やっぱりダービー馬は偉大だと思う。「GIじゃないダービーなんて…」などとヌカすような奴がいたら、「お前は競馬の何を見てるんだ」と言いたいね。GIであろうがなかろうが、日本ダービーは日本ダービー。これを「偉大なレース」と呼ぶか「しょせんローカルレース」と呼ぶかは勝手だけど、それはGIなんて称号と直接は関係ないでしょ。
 
 とか言いつつ、私もGIって称号には弱い。私が観に行ったレースは大レースばかりなんだし。けど、日本馬が参加するようなレースってのはそんなのばっかりだから、仕方ないでしょ。思えば、「大レースだから」って理由で観に行ったのは、本当ならなかなか行けない時期にやってるドバイだけ。後は「日本馬が行くから」とか、「原居民様が行くから」とか、「モンジューに復讐するチャンスだから」といった、それ以外の動機がメインだった気がするなあ。GIかどうかは大切かも知れないけれど、別に一番大切ってワケではない。それが私の意見かな。
 
 そりゃあ確かに、ダービーがGIじゃなくなったら寂しい。けど、それで即座にレースのレベルが下がるワケじゃない以上、「されど日本ダービーは変わらず」と、堂々としてりゃいいと思うな。ダービーを勝った馬が「日本を代表する名馬」であることに変わりはないんだから。「日本馬を信じる」ってのは、そーゆーことじゃないのかね。
 
 なお、このニュースを報道したサンスポは、「七冠馬ディープインパクトも二冠馬扱いされてしまう!」と騒いでいたけど、そりゃあ勧告前からの話であり、すでに確定してる。パートII国のローカルGIレースなんて、しょせんその程度にしか扱われてないんだから。それを間違ってると言いたいのなら、色々と手順踏んで代償払わないと。
 
 実際にJRAがどう対応するのか、競馬関係者や私以外のファンがどう騒ぐのかはわからない。結果として私が「論外だ!」と決めつけた「パートI国落ち」を選ぶ可能性もある。けど、その程度じゃ日本競馬を見捨てられないね。私にはその程度の覚悟はあるから。この問題はいずれにせよ「シャレじゃ済まない痛み」を伴いそうなので、いずれにせよ覚悟を決める必要があるんじゃないかな。少なくとも、「外国で使っちゃイケナイ金まで日本馬に突っ込んで丸損して、それでも日本馬の応援を止めない」程度には。いやマジに。

3月1日2007/03/02 02:08

 3月である。カレンダーめくるのが大変だった。全部めくったかどうか、自信ないぐらい(苦笑)。ま、そのうち気がつくと思うけど。
 
 本日のネタは、何となくこの色で。そのうち書こう書こうと思っていた、PS3ネタにしよう。いやあ、まさかこうなるとはね。
 
 以前書いたように、私はPS3に少し否定的な見方をしていた。余計な機能充実させて、高いカネふんだくってんじゃねーよと。それでも、まさか大ハズシはしないと思っていた。にもかかわらず、ここ最近聞こえるのはネガティブな情報ばかり。どうも、「やっちゃった」んじゃないかって疑問まである。今回は、その辺を少し整理してみよう。
 
 まず、供給体制がマズかった。最初思いっきり品薄で、その後ダブついてたみたいだからねえ。このパターンは、一般客相手には極めてマズイ。初期は「並んでまで買いたくない」と買い控え、気がつくとダブついてる=「なーんだ、売れてないのか」と判断され、先送りにされるからねえ。ライバルがいないのならコレもありだろうけど、フツーの奴はWiiをライバルと見なすからねえ。出鼻をくじかれたのは間違いない。
 
 それよりも驚いたのは、遠い将来とはいえ、「心臓部分」(CELLとか言ったなあ)の石を外部委託生産するかも…ってニュースだな。この石はPS3の売り上げとはまた別に、Sonyグループの中核を担うことが期待されていたはず。値下げしたときから「野心を引っ込めたな」とは思っていたけど、ここまでとは。
 
 何で外部委託生産だけでこうなるのか?Sonyの勝手な構想によると、このCELLって石は、IntelのCPUに取って代わって…ってなシロモノだ。別にPS3自体がPCに取って代わるワケじゃないけど、将来の進化を考えたら…って意見はあったらしい。純粋にチップの実力だけ考えたら、あながち夢物語じゃないそうな。それだけの野心を込めたシロモノを、外部に生産委託するか?普通しない。どうやら、何かとてつもないモノを諦めたんじゃないかと思えるんだけど。
 
 まあ、この2つのニュースだけなら「愛嬌」で誤魔化せる気もする。個人的に一番マズいと思うのは、「欧州で発売するPS3」でしょ。これのどこがヤバいのかって?報道によると、欧州版はPS2のソフトがあんまり動かないんだと。しかも、欧州版と同じ作りのPS3を、そのうち日本でも販売予定なんだと。ふーん…
 
 いやね、Sonyの言い分はわかる。今のPS3は、一応「PS2のソフトを動かすためのチップ」を積んでいる。その割には「動かねえ!」って話が山ほど出てた気もするけど。欧州版は、このチップを省略するそうな。ただ、その代わりにOS(ゲーム機にも一応ある。Windowsと一緒にはできないけど)をバージョンアップさせるので、埋め合わせができるはずだった。
 
 ただ、コレはあくまで理屈。現状専用チップ積んで「互換性が低め」なんて叩かれてるくらいだ。もっとOSの完成度を上げないと、「動かねーぞ」って文句は間違いなく出るでしょ。いずれこういう製品が出回るのはわかっていたことだけど、どうも予定を繰り上げちゃったらしい。
 
 この決断の何がマズいって、PS3はこれから先、PS2を「敵に回す」ことになりかねないことだ。だってそうでしょ。下位互換性に重大な疑問が付く以上、「PS2ソフトじゃなくPS3ソフトがプレイしたい」と思わせなけりゃ、TVに接続してもらえない。そりゃあね、PS3の性能考えれば、仮に下位互換ゼロでもやっていけるのは間違いない。けど…今はタイミング悪いよ。まだPS2の新作が出てるってのに。これではWiiに対する優位が減ってしまう。
 
 何でこんなコトになったのか?私にはよくわからない。その昔、サクラローレルって馬が秋の天皇賞ってレース負けた時を思い出す。この時の鞍上は「出遅れて、内に包まれて、強引に外ブン回して届かない」という、「どーやったらサクラローレルで秋の天皇賞を負けられるか」って見本を演じてくれたモノよ。Sonyがどうもコレに匹敵するコトをやらかしたってところまではわかるんだけど、何でそんなコトする気になったのかは…「経営手腕がこの時の鞍上(無意味だけど、あえて名は伏せる)並」ってことなのかぁ?
 
 ただまあ、強いて思いつく点を挙げるとするならば、「PS3は結局ゲーム機」ってことをカン違いしたんじゃねえか?ってのがある。「PC様にケンカ売るなんて身の程知らず」って意味ではない。ゲーム機だからこその利点が、デッカイ野望の足を思いっきり引っ張ったあげく迷走したんじゃないかってことだ。
 
 ゲーム機だからこその利点とは、「本体価格赤字でかまわない」である。対応ソフトが売れれば、そこから回収できるから。これがあるからこそ、PS3のような高性能マシンをあの値段で売れるのだ。普通に考えるなら、高性能PC並の価格で売られててもおかしくないのに。
 
 多分Sonyの野望は、「高性能のハードを安売りできる」ってところから始まっているんだと思う。価格安くて高性能、おまけにTVに接続されていて、ネット接続もしてもらえそう。この立場を活かせばリビングを乗っ取って、情報家電とやらのコントロール権握れる。そうなりゃウハウハだ…ってなことを考えたんじゃないかなあ。
 
 けど、この構想にはやはり無理があるような。ゲーム機ってのは、「ソフト売るための道具」なのだ。言ってみれば、「黒子」の立場である。そんな存在が自己主張始めれば、肝心のゲームが売れない。ゲーム売れないと、ソフトメーカーだけじゃなく自分自身も困ってしまう。だったら最初からゲーム機として売らなければ…そうすると、「絶対性能は高いけど、対応ソフトのないPCモドキ」になってしまう。おまけに価格も高い。そういうものが売れるとでも?
 
 おそらくSonyは、値下げを発表した辺りでこのことに気がついたと思われる。だからこそ、野心的な生産計画縮小したんじゃないかなあ。性能の高さだけで「脱ゲーム機」なんて無理がある。しょせん黒子なら、そんなもののために高いカネ払って生産工場作る意味ないよ…ってことでしょ。けど、基本部分は当初の野心を引きずったまま。無駄に高性能だ。そのため生産に色々問題があるので、「PS2ソフト動かないバージョン」を繰り上げ投入しちゃったのでは。まあ、実際はもっとフクザツで、私なんぞには理解できない理由がいっぱいあるんだと思う。とはいえ、おおむねこんな感じの迷走やらかしてるんじゃないかなあ。
 
 この先PS3がどーなるのかはわからない。ビッグタイトルも出たことだし、そのうちちゃんと売れるんじゃないかと思うけど…ただ、PS2の時のようなウハウハ時代は来ないかも。それはそれで困るような気がするんだけど、Wiiがあるからいいのかな。
 
 なお、最後に耳が腐る情報を。おそらくそう遠くない将来、日本でも「PS2ソフトが動かないPS3」が発売されます。このことを考えた場合、PS3は今こそ買いじゃないかなあ。そうじゃないと、「Sonyタイマー」が発動してPS2が壊れた場合、困っちゃうからね(苦笑)。

3月5日2007/03/06 01:18

 日曜日、Middle-Earth東京支部の一角で、私を含む数人が沈鬱な表情でゲームのマップを呆然と眺めていた。別に金曜飲み過ぎたワケではない。「F男にウイスキー」(過去にぶっ倒れた組み合わせ)であっても、「徐々に濃くしてゆく」なんて小技使われなきゃ、美味しく楽しくスマートに飲める(笑)。もっと別の理由である。この顛末は興味深いので、少し語ってみよう。
 
 眺めていたのは、現在テストプレイ中のあるゲームのマップ。売り上げなどに影響出るのは不本意なので、あえて詳細は伏せる。ま、わかる人にはわかるけど、そーゆ人にはバレたって問題ないと見なす。
 
 何で呆然と眺めていたのかって?そりゃもう、問題点が発見されたから。しかも、深刻な。ルールの穴だったら、いくら手ひどくてもこうはならない。いきなり「こういうプレイになっちゃうんだよね」ってモノが発見されちゃったのだ。
 
 これのどこがマズいのか?基本やヒントとか、ガイドラインが発見されたって程度なら喜ばしいことだ。それを飛び越して、「結論」が出ちゃマズいでしょ。犯人がわかってる推理小説みたいなものだ。う、ううむ…
 
 元々このゲーム、持ち込まれた時点で「ちょっと展開固定されてるかも…」って話があったようだ。まあ、その程度なら別に悪くはない。作戦を工夫してみれば別の手が発見されるかもしれないし、それでも駄目なら適度に手を加えてやればいい。その辺を探ろうとテストしてみた結果、出てきたのがよりによって「最終結論」。これはちとマズい。
 
 もう少しだけ細かく語ろう。このゲーム、攻撃側にはゲーム中1度だけ使える「必殺技」がある。まあ本当に「必殺」だったらゲームにはならないんだけど、ニュアンスはわかるでしょ。こういうゲームの場合、この必殺技をいつどういうタイミングで使うのかによって勝敗が決まる…ってのが1つの理想だと思う。
 
 ところがだ。これが上手く機能しない。理屈はこうである。この技はかなりの大技なので、ちゃんと対策してないと本当に必殺技になるし、対策していても相手はヘロヘロになる。ここまではいい。問題は、「こういう技を使うのは、どのタイミングが一番か」って問題に対し、答えが出ている点である。
 
 その昔、「何でウルトラマンは、スペシウム光線を最初から使わないのか」って議論をした奴は少なくないと思う。実はこのゲームの必殺技、最初に使うのが効果的なのだ。そりゃそうだ。この技喰らえば、相手はヘロヘロ。余裕なんてモノは失われる。もう二度と必殺技喰らわないって利点はあるけど、やられるのを防ぐのはそこそこ大変だ。
 
 それに対し、技の発動を起こらせればどうなるか?技が発動されるまでの間、守る側には余裕ができる。そのため、「必殺技のダメージを減らす」とか、「余計なちょっかいをかける」といった行動を取ることが可能になる。技の出し惜しみをする利益は一応あるけど、そんなものより「とっとと使った時の利益」が多いに勝ってしまうのだ。
 
 これは、ゲームとしてみたらちょっとマズい。わかってるのが「最後に使った方が効果的」ってな場合はまだいい。それまでの過程を楽しめるし、具体的に発動させるタイミングを見計らうスリルも味わえる。けど、「最初に使った方が効果的」では、露骨に展開が固定されてしまう。エンターテイメントとしては失格モノだ。「最初にスペシウム光線使って、弱った怪獣ボテくり回して勝つウルトラマン」のどこが美しいと?
 
 実は、このことは最初からある程度わかっていた。そいつはちょっと問題だから、少し工夫して「出し惜しみをした利益」を拡大できないか、テストしてみたのだ。その結果開発されたのは…確かに、最初から大技が炸裂することはなくなった。けどそれは、「最初限定で大技をスカす方策」が発見されたから。そ、それは…
 
 「とにかく早い段階から使った方がいいに決まってる」って性質変わらないまま、最初に大技をスカされてしまうと、どうなるか。それだけ防御側に余裕ができる。それだけ。元々攻撃側がベラボーに有利だったっていうのなら、コレも悪くない。元が少し防御側有利だっただけに、いきなり「相当運が良くないと、防御側の勝ち」って結論になってしまったのだ。これはマズい。相当マズイ。
 
 そりゃあ、この「大技をスカす方策」を禁じるのは簡単だ。そんなものは瞬時に開発できる。けど、それをやると「最初に大技飛ばすのが常識」っていう、最初の問題を拡大するだけ。目先の問題解決にはなっても、「ゲームを面白くする」という重要命題に対する解答としては不十分だ。だから、みーんな沈鬱な表情でマップ眺めていたのである。
 
 誤解して欲しくないんだけど、このゲーム良く出来てはいる。「究極の結論」が出るまでの間は楽しめるはずだ。けど、さほどフクザツなゲームではないので、結論を見つけると覆しようがない。結論が出ていても「そこに至るまでの仮定が面白い」ってんならまだ救われる。枢軸軍が相当厳しいとわかっていても「Victory at Sea」が楽しいように。けど、「序盤に大技出して、ヘロヘロの防御側を押しまくるけど、攻めきれない」って展開が「結論」じゃあ、それも期待できない…なまじ良く出来てるだけに、何かありそうなだけに、「どーしたらいいんだろ…」って考え込んでしまったんだな。
 
 とりあえず、私が発見した「問題点」は1つ。勝利条件である。攻撃側が「まあ普通にやれば獲得できる」得点源と、防御側が「まあ普通にやれば守りきれる」得点源の間に、かなり距離があるのだ。そのため、多少どちらかが有利な展開になっても、それが得点って形にならない。また、「あえて1方面は捨て、別方面で大きく前進する」って奇策も使いにくい。一応「うまくやるか、強引に前進すれば取れるかも」って得点源があるんだけど、点数が安い。攻撃側の損害が失点になるシステムなので、無理してソコまで前進する価値があるかどうかビミョーである。
 
 ゲームのことだけ考えたら、この「無理すれば取れそうな得点源」の価値を上げた方が面白くなりそうだ。けど、歴史的には「何でソコが重要なのか」全くもって説明できない。ゲーム的必然性だけでそんなモノを「重要だ」ってしちゃうのは、このホビーの場合避けたいよね。けど、他は何もない。ホントに何もない。
 
 もう1つの問題があるとすれば、「必殺技」の副次効果かなあ。必殺技は、使い方を間違えると失点になりかねない。これはいい。もう1つ、攻撃側にとって「良いこと」が発生するはずなんだけど、誰もそれを活用しない。「だからどーした」って程度の効果しかないから。正直言って、活用しようと考える価値がない。一応は「華麗に決まれば絶大な効果」なんだけど、それが決まるような相手ならそれ以前に勝敗は決している…というより、ゲームにならない。もう少し別の使い方はないものか。まあ、現状のままで問題はないんだけど、「見直しをしてみる」のなら、ここをいじることも考えた方がいいかも。
 
 こうしてみると、「面白いゲームを作る」ことの難しさがよくわかる。基本押さえて、破綻が無くて、面白くなりそうなギミック組み込んで、舞台も興味深そうなモノを選んで、それで出た結論が「イマイチ」である。具体的に何がどう悪いのか、正直私にはわからない。一応私なりに「この辺が問題かも…」って箇所は発見したけど、じゃあそこをどういじればいいのか、見当もつかない。もっと別のトコロに面白くするポイントがあるかもしれないけど、当然私ごときにそんなものはわかりゃしない。
 
 そりゃあね、私も基本的にはプレイヤーだ。プレイして面白いかどうかが全てであって、デザイナーの苦悩なんて知ったことではない。「作品」ってのはそんなものだと思う。でも、デザイナーの苦悩に触れるのが無駄とは思わない。そうすれば「ココはこうした方が」とか、「こーゆー感じのモノが面白いと思う」といった、建設的な意見を出しやすくなるから。狭い業界なだけに、こういう姿勢は大切じゃないかと思うんですけど。
 
 このゲームがこの先どうなるのか、私にはわからない。今の形のまま発表されても、一定水準の評価は受けると思うけど…かといって、この先何か良い手が見つかる保障もない。まあ、「少し手直しして、細部煮詰めて微調整」するんだと思われる。これだと本質的な問題点は解決しないかもしれないけど、プレイする緊張感は維持できるかも。それだけでもかなり違うでしょ。
 
 私ごときヘタレゲーマーが何を言っても空しいって側面があるので、今回の経験は「貴重な体験だった」ってことでお茶を濁しておきたい。ここで「こうすればいいのさ!」って解決策を示し、周囲から賞賛を浴びる…ってのが理想ではあるんだろうけど、現実はそんな簡単なモノじゃない。ただ、「そーゆーもの」を求められてるデザイナーの方々は大変ですねえ。いやあ、デザイナーじゃなくて良かった(おい)。

3月7日2007/03/08 02:59

 「新しい雑誌を読んでみよう」キャンペーンは停滞中。2月は「28日」と「月末」が同時に襲ってくるので、すげー数の雑誌が同時に出る。おかげで「いつも買ってる本」の処理に追われまくって…思いっきり「計画倒れ」になりそうだ。とか言いつつ、しっかり「撃墜されて購読決定」した本があるってのが…
 
 その辺を語るのも悪くないけど、本日はそのうち廃刊予定の「月刊ジャンプの現状」を軽く語ろうかと。重く語る意味は…ないと判断した。
 
 時間が無くて過去を調べてない(記憶でそれなりのことは書けるけど…)ので、とりあえず現状中心に語る。昨日発売の最新号。私が「知ってる」作家は4名。うち1人は鳥山明。作品は読み切りの「Dr.スランプ」。相変わらず「読ませる」けど、気合いは抜けている。旬を過ぎた作家なんてこんなものでしょ。私に言わせれば、「この状態でどれだけ読ませるモノを描けるか」が重要なんだけど(笑)。
 
 もう1人は柴田亜美。私の記憶が正しければ「ドラクエ4コマ」で名を売り、その後色々書いていたはず。アニメ化作品もあったかな。私の中の評価は「普通」といったところ。今回読んだ作品の感想も「普通」だね。
 
 もう1人はみずしな孝之。「大魔神」佐々木がベイスターズにいた頃、「ササキ様に願いを」って4コマ書いていた。そこそこ面白いんだけど、映画紹介してる時点で大きな期待は出来ない。ま、ストーリー漫画の人じゃないから一定の限界はあると思うけど。
 
 最後の1人は門馬もとき。その昔私がまだこの雑誌を読んでいた頃に「かっとび一斗」(当時はこの表記だったと思う)ってサッカー漫画連載していて、相変わらずそれが続いていた。より正確には続編らしい(タイトルが「風飛び一斗」になってた)けど。
 
 私が知ってる作家が4人。これは…確かに苦しい気がする。いやね、普通の漫画月刊誌なら、こんな数字はごくフツーだ。私はお気に入りの作家が1人でも連載持てば、その雑誌を読み始めるんだから。ただ、月刊ジャンプは「過去に読んでいた雑誌」である。にもかかわらず知ってる作家が4名。うち1人は完全なゲスト、もう1人は小ネタ…つまり、「作家が安定してない」ってことになる。
 
 そりゃあね、私は大河連載には否定的だ。「長々と連載するぐらいなら、とっとと終わらせて次を描け」てなことを常日頃から主張している。とはいえ、メリットがあるのは確か。ある程度そういう作品があるのも仕方ないかな…と思う。比較のために買った月刊マガジンの場合、そーゆー作品だらけ(コレは言い過ぎか?)。月刊漫画誌の利点は「じっくり読ませる」ことにある(一度に掲載される頁数が多い)ことを考えれば、大河連載へと育った作品が少ないのは…
 
 私がよく知らない作家の作品にいこう。まとまりはある。完成度は高い。けど、グッとはこなかった。正直「面白い作品を見逃してたなあ」とは思わない。もっとも私の趣味は一般的とは呼べないので、私にウケたからって「だからどーした」って話はあるけど。
 
 あえてまとめてブッタ斬ると、「まとまりはあるけど破天荒さがない」ってことになるかな。もっと「好きな奴は好きだけど、そうじゃない奴にはまるでウケない」って作品が増えてもいいような。ま、こういう作品はどんな雑誌にもゴロゴロしてるので、存在自体が悪いわけではないんだけど。
 
 総じて見ると、「水準はクリアしてるけど、過去の栄光を知る人間にはキツい」ってことになるかな。まあ、良くある感想だ。つまらん見解と言ってもいい。これで終わりなら、「本日のネタはつまんないからボツ」としてもおかしくない。
 
 なのにココまで書き続けてきたのは、何となくだけど「廃刊にした理由」じゃねえかってモノを見つけたからだ。それは、「水準はクリアしてるけど、過去の栄光を知る人間にはキツい」ってところである。そんな理由で?私自身も「多分違うんだろうな」とは思うんだけど…
 
 仮に私が、廃刊のニュースを知らずに「久々に手に取ってみた」としよう。その感想は「そこそこ読ませるけど、どこが月刊ジャンプなんだ?」ってなモノになったはずだ。正直、「どこぞの新雑誌を間違えて手に取った」のかと思ったくらいだ。歴史の蓄積が感じ取れる作家陣じゃないし、雑誌のカラーも伝統を感じにくいし。そのくせ、よーく読むと「老舗ゆえの弱点」が目に付く。破天荒さが足らないのだ。結果としてイマイチ新鮮さを感じない。新路線で行くにはカンバンが邪魔で、老舗路線で行くには商品が新しい…こういう店が流行るとは思えない。
 
 こうなると道は2つ。老舗なんだからと歴史・伝統をウリにした路線に戻るか、老舗ってコトは忘れて新鮮味を前面に出すか。ただ…現状を考えると、前者は難しそうだ。となると、過去を斬り捨てるしかない。そうすれば、少なくとも流通上の問題(過去の栄光と現在のギャップを考えれば、色々負担があったと思われる)を減らせる。この辺が理由じゃないかなあ。
 
 現在、マンガ雑誌界は不況である。そりゃそーだ。少子高齢化・ネットや携帯電話の発達・趣味の多様化…といった世相を考えたら、苦しいのはむしろ当然でしょ。けど、これはイコール「マンガ雑誌が完全に駄目」ってことではない。細々とながらやってゆくことは可能なはずだ。それを考えたら、無理に踏ん張って完全に倒れるより、後退を受け入れて立ち続けることも必要じゃないかな。
 
 月刊ジャンプの場合、無理して「月刊ジャンプ」ってカンバン背負うより、それを降ろして新雑誌に切り換えた方が…って判断が働いたのかも知れない。少なくとも私はそんな印象を持った。実際はもっとドライにビジネスライクな判断が下っただけって可能性が高いんだけど…そんな判断だけが全てとは、信じたくない。
 
 この予想が当たっているのなら、そのうちに月刊ジャンプの魂「だけ」受け継いだ雑誌が創刊されるだろう。これはおそらく私の趣味には合わないと思われるけど、それは私の趣味の問題であり、どっちが悪いって性質のモノじゃないでしょ。マンガ文化にお世話になってる身としては、「月刊ジャンプの魂」は何かに受け継がれて欲しいもの。たとえ趣味が合わなくても。とりあえずはその日を期待して待ちたいですね。
 
 しかし…こんなこと書いた以上、集英社が「月刊ジャンプ後継誌とおぼしきモノ」出したら、買って読んで批評しろってことかぁ?だからさあ、新雑誌読むのは大変なんだって。今でさえパンクしかけてるのに…しかも、そこで「面白い作品」見つけたらどーしてくれるんだ。ブツブツ…

3月9日2007/03/10 03:01

 金曜である。明日は休みだ。おまけに、本日キッつくて無茶苦茶重要な〆切を乗り越えた。つーわけで、大ネタいきます。ただし、本日は読み手を思いっきり選ぶネタです。覚悟して下さい(苦笑)。
 
 ゲーム仲間である西新宿鮫氏…とよく似た人である鮫形鐘一郎氏が、「芸夢人生」なるブログを立ち上げた。3つめとは偉いなあ。私なんかここだけでヒイヒイ言ってるのに…ってな愚痴はさておき、なかなか興味深いことを書いているので、この場で思いっきりツッコミます。なにせ向こうにはレス機能がないので。
 
 氏の主張を要約すると、こうなる。「ゲームルールは冗長な文章が多い。」うん。その通り。もっとすっきりした日本語にできないか…ってのは私も感じていたことだ。そうならない理由が色々あるんだろうけど。
 
 そのためには「~することができる」って表現を、「~できる」って表現に替えるべきだと主張しておられる。なるほど。単純ではあるけど、有効だと私も思う。この考え方は毎回下らないネタで長々文章を書いている私も見習うべきだ…ってのはさておき、本当にそれで良いのか?これはきちんと検証するべきだと判断した。
 
 シミュレイションゲームのルールにおいて一番重要なのは「読みやすい・ルールを理解しやすい」ことではない。いくら読みやすくても、矛盾したことが書いてあったり、多彩な解釈が可能なのは困る。まずは全てのルールがきちんと説明されていることが重要であって、その範囲内で読みやすさを追求してもらう必要がある。これはゲーマーなら誰でも賛同してもらえる意見だと思う。
 
 そう考えると、「~することができる」と「~できる」は本当にイコールなのか、違いがあるとしてその違いは重要なのか、きちんと検証する必要があるのでは。こんなことは西新宿鮫氏もちゃんとわかっていて、検証の末出た結論だと思う。けど、ブログではその検証部分には触れていない。よって、私なりの検証をここで長々と書きます。とりあえずは例として挙げている「移動することができる」と「移動できる」は本当にイコールか?
 
 中間的な結論から述べよう。私には、「移動することができる」と、「移動できる」には立派な違いがあると思える。「~することができる」と「~できる」って表記すると違いはなさそうに見えるけど、これは区分けの仕方が適切でない。本来は、「移動すること」と「移動」の違いを追求すべきではないかと思う。ここには一応違いがある。
 
 どう違うのか?それを論じる前に、こちらから質問しよう。「移動」って何ですか?
 
 移動って言葉の意味は、まあ大抵直感的にわかると思う。ここではあえて「座標変更」って言葉に変換しておこう。後で説明するけど、そうする必要があるので。実は大抵のシミュレイションゲームでは、座標変更を行う方法が複数ある。主に移動フェイズに行う「移動」って奴と、主に戦闘フェイズに行う「退却」「戦闘後前進」ってものだ。他にもあったりするんだけど、今はちょっと放置。
 
 実のところ、ルールブックに出てくる「移動」って言葉は、これ自体が困りものである。意味を複数持った、多義的な言葉なのだ。1つは、さっき「座標変更」と変更したもの。「ユニットが、今存在するヘクスから別のヘクスへと動く行為全体」である。もう1つは、「座標変更のうち、移動フェイズに移動力を消費して行うものだけ」。よって、退却は「座標変更」だけど「移動」じゃない。平たく言えば、退却は移動だけど移動じゃない…ワケわからん。「座標変更」って言葉を導入した理由がわかってもらえたと思う。
 
 移動って言葉は多義的なので、使い方を間違うと大変なことになる。海上ヘクスサイドを超えて退却されても、「海上ヘクスサイドは移動できない」としか書いていない場合、「退却は移動と別でしょ?」って言われると反論材料に乏しい。「移動する代わりに塹壕が掘れる」などと書いてあった時、「じゃあ、退却する代わりに塹壕掘ります」と言われて反論できるか?ルールブックの字面からは難しい。
 
 実際問題で言えば、上記のようなことは起こらないのが普通である。ルールブックにはこういうことが発生しないよう、より慎重かつ厳密に定義してあるのが普通だから。ついでに言えば、ゲーマー間の「常識」も、そーゆーことはできないとなってる(はずだ)。
 
 とはいえ、私は「常識に頼るな」って意見の持ち主である。常識で判断してくれるでしょ…ってな考えに基づき、上記のような解釈が可能なルールブックを書いて欲しくない。これを防ごうと思ったら、移動って言葉の取り扱いは慎重になる必要がある。間違いなく。
 
 慎重に扱うって、どんな風に?まあ具体的方法論は色々あると思うけど、一般原則だけで考えた場合、「移動」って言葉の意味を狭く取るよう心がけるのが手っ取り早い。移動ってのは、移動フェイズに移動力を消費して行うモノだけだと。「移動」だけでなく退却や戦闘後前進も含まれる場合は、「移動も退却も戦闘後前進も行えない」と書くか、別の用語(進入とか通過とか)を使うぞと。こうすれば、混同による混乱から逃れることができる。
 
 しかしながら、ここには1つ問題がある。直感的に考えた場合、やはり退却も戦闘後前進もやはり「移動」なのだ。座標変更しているからね。正直に告白すると、ゲーマー同士の会話で「戦闘後前進でココに移動できる」などという言葉を何度も使ってきた記憶がある。ここで「戦闘後前進と移動は別だ」って反論された覚えはないなあ。「移動って言葉は移動フェイズに移動力消費してやるモノだけ」って概念は、ゲーマー同士に限定してさえ相当特殊なものと言えるのでは。
 
 ここで再び「移動することができる」と「移動できる」って言葉を見てみよう。単純に「移動できる」とした場合、どちらかと言えばだけど「直感的に思い浮かべる移動」ができるんだなと解釈されやすくないか?「移動すること」というフクザツでヤヤコシイ表現を使うことによって、「定義のややこしい、狭い意味の移動なんだよ」という警鐘を与えることができるのでは?そう考えると、「移動すること」って表現には意味があることになる。
 
 た・だ・し、私の最終的な結論は「でもやっぱり『移動できる』でいい」である。移動って単語は多義的であり、慎重な扱いを要する。「移動することができる」などという、私が偏執狂的な考察を行ってやっと違いを発見できた…などという表現を使ったからって、この問題は解決したと見なせない。もっと別のところできちんと厳密な定義を与えるべきだ。極論を言えば、「移動することができる」という表現を「移動でき、退却でき、戦闘後前進できる」とか、「移動できる。退却や戦闘後前進は無関係。」といった表現に差し替えるべき。ま、実際にはソコまでやらなくてもいいはずだけど。そして、別の部分でしっかりと混同を防いである以上、「移動することができる」なんて表現でなく、「移動できる」って表現で用が足りるはずだ。少なくとも理想はそうあるべきではないかと。
 
 余談だけど、一般的なシミュレイションゲームの「移動」に関するルールは、完成度が高めだと思う。最近のゲームは「このルールに従うと、海に戦闘後前進できちゃう」とか、「退却がキャンセルできちゃう」なんてコトはまずないからね。とはいえ、それでも解釈に悩むコトはある。移動妨害(航空機マーカーとか)と「移動力を消費するけど、マップ上の座標変更を伴わない行動」(塹壕掘りや隊形変更など)やオーバーラン後の攻撃側退却や戦闘後前進との関係なんかは、ややこしい解釈問題が発生しそうな気が。
 
 なお、多義的で扱いが難しい単語ってのは、「移動」だけじゃない…というか、ルールブックに登場するかなりの単語がそうだ。「マップ」だって悩ましいし、「ユニット」もよーく考えてみる価値がある。「戦闘」「突撃」「活性化」「回復」って、より具体的な意味は何なの?これらの用語の詳細な定義を常に明確にできるようにしたならば、解釈論争の一部は解決するんじゃないかと思うんだけど。ただ、それをやるのは大変だけどね。
 
 ゲーマーの大半は「プレイするだけ」の人なので、「ルールブックをどう解釈するか」ってことだけを問題にする。けど、本来は「どういうルールブックを書くべきか」ってなところ、つまり「ルール表現論」ってところも追求してゆくべきだと思うな。エラッタやらQ&Aなんてものは、少ない方がいいに決まっている。にもかかわらず、「それを減らすためにはどうすればいいのか」語っている人は少ない。まあ、語れる人が少ないだけって話はあるけど。ちなみに私は「語れない人」である。
 
 私が思うに、鮫形氏は「語れる人」に分類できる。だから、多いにこういうものを語ってもらいたい。こういう積み重ねこそが大切だと思うので。そんなわけで、長々とツッコミつつ紹介してみました。これからも建設的にツッコんでいきたいと思っているので、よろしくお願いします。返される覚悟はできてますよ(笑)。

3月12日2007/03/12 23:52

 多数ネタではあるけど、やはり触れずにはいられまい。西武の裏金が発覚した、プロ野球ドラフト制度について。正直、語っても仕方ない気もするんだけどね。
 
 キタナイ真似しやがってとか、プロ野球の自浄作用がどうこう、なんて言うのは他人に任せる。そーゆー内容に終始したら、ココらしくないし。それに、個人的にはむしろ「報道されない影の部分」の方が気になるかなあ。
 
 まず気になるのは、何でこのタイミングで発覚したのかである。ありがちなのは「週刊誌なんかにシッポ捕まれそうになったので、自発的に発表した」ってものだけど。ただ、それにしては「どこそこがスッパ抜こうとしてた」って話が出てない。丹念に調べたワケじゃないので、見落としてるだけかもしれないけどね。
 
 ドラフト制度改革絡みで押さえきれなくなった…ってのも、少しヘンだ。制度見直しの話し合いはとっくにスタートしていて、とりあえず「今の制度そのままって内容で選手会と相談」って結論が出ていたはず。押さえきれないほどヤバい話だとしたら、この前に行ったはずの内部実態調査でわかったのでは。
 
 ただまあ、感づいてはいたけどコトがコトなので態度保留し、「選手会と相談した後でこんなコトが発覚したら大騒ぎだ」と判断して暴露した…って可能性はある。変なタイミングでバレたりしたら、「制度改革求めてのスト」をやられても文句言えないからなあ。単に態度保留の限界に達したと判断したのかもしれない。
 
 それ以外となると…まあ、西武グループ内で何かあったのかなと。あえて深入りはしないけど。やや唐突に発覚した感があるので、この線も捨てられないねえ。いわゆる「内部告発」ってのは、要は社内での「ゴタゴタ」絡みばかりって話があるし。生臭くて不愉快な話ではあるけど、世の中なんてそんなものでしょ。
 
 その辺の事情はともかく、発覚した以上「あっそ」で済ませられる問題じゃない。ライオンズ内部がどう責任取るのかはともかく、コトは球界全体の信用問題に関わる。「あれは西武だけの問題」で片付けるワケにはいかないでしょ。それは間違いないんだけど、じゃあどうするべきか…ってのは、結構アタマの痛い問題だね。
 
 選手会や一部マスコミは「完全ウエーバー制」を強く唱えているようだ。これしかないだろうと。確かに、これはこれで悪くない。ただ、私が思うに「この制度を導入すれば、全て問題は解決」みたいな言い方はどうかと思うなあ。それはそれで無責任な幻想が入っていると思うんだけど。
 
 ウエーバー制の問題点とは?そりゃもう、プロ野球選手って職業の魅力が減る点である。球団ごとに色々と「格差」があるのは間違いない。「プロ野球に就職するのであって、球団の違いは部署の違いに過ぎない」なんて、どう考えても大ウソだ。そうなると、また入団するしないで大騒ぎが起きる。
 
 特に大変なのが、高校生かな。曲がりなりにも将来のことを考えた場合、就職先の球団については色々調べて、その中で好条件のトコロを…って考えるのが普通だ。どーせ契約金だの初年度年俸なんてものは、指名順位ごとにほぼ横並びなんだし。でも、今現在はそんな情報を得る手段に乏しい。球団関係者との接触が相当厳しいからね。明るくさわやかに「全球団OKです」って言わせたい気持ちはわかるけど、そんなものの「犠牲」になりかねない選手のことを考えたら、「その価値があることなのかぁ?」と言いたくなるね。
 
 もっとも、じゃあどうすりゃいいと聞かれても困る。実は、この際だから完全自由競争に…ってのも1つの考え方だと思う。そうすりゃ「裏金」ではなく「表の金」で勝負することになるので。サッカーがこれでそれなりにうまくいってるコトを考えれば、少なくとも検討する価値はある。
 
 ただ…サッカーはとにかく球団数が多い。球団ごとの体力差ってのは「あって当然」って考えで成り立っている。それに、サッカーは試合数が少ないので、「ジャイアントキリング」の影響がデカい。マグレだろーが何だろーが勝てば大きいのだ。けど、年間試合数がベラボーに多いプロ野球の場合、実力差ってモノがはっきりと出ちゃう。サッカーと同じシステムってのは、色々と無理があるよね。
 
 正直言うと、私の考える理想は「獲得自由競争、さらにFA期間大幅短縮。でも、キツいサラリーキャップ制」だったりするんだけど、こんな考えが一般に支持されるとはとても…さらに言うなら、球団持ってる親会社もイヤがることが予想される。サラリーキャップ制って経営が透明なことが前提だけど、そんなものを受け入れるとでも?
 
 プロ野球制度改革が難しいのは、本来ならば「アマも含めた野球界全体、いやマスコミやファンも含めた日本社会全体」が改革しなきゃいけないのに、問題が起きればそれに対処すりゃいいって態度に終始してるトコロから来てる気がする。色んな意味で大改革が必要なんだろうけど、しがらみが多すぎてそれが実行できるとは思えない。そもそも、本気で「変わらなくちゃ」と思っていたのなら、例の一場問題の時にそうなっているのでは?
 
 ただまあ、愚痴ばかり言っても仕方ない。「変わらなくちゃ」って意欲は山ほどあると思うので、そのうち色々良くなるんじゃないかなと信じることにしよう。この問題ぐらい解決できないようじゃ、他にも山ほど問題抱えているはずの「日本の将来」は真っ暗ってコトになるような。そんなはずはない。ないんじゃないかな。まあ、ちょっとは覚悟しとけ…(byさだまさし)

3月14日2007/03/15 02:17

 実は、このブログのデザインを変更しようか…ってアイデアがある。他に良いネタがない(とにかくまとまりが悪い)ので、たまにはこの辺を語ってみようかと。
 
 今のデザインに大きな不満があるワケではない。デフォルトのデザインの中で最も「白い」モノを選び、そこにちょっとした改良(主に文字間隔調整)しただけではあるんだけど。とりあえず、飽きが来ないデザインだとは思う。
 
 ただまあ、細かいところでは色々不満もある。特に大きいのは、「ブラウザのサイズ変えても、本体表示領域の大きさは何も変わらない」ってところかねえ。また、このおかげで余白領域もうまく調整できない。この点は多いに気にしていた。
 
 これは元々の設定がそうなっているからであって、不満なら根本から直せばいい。それはわかっているんだけど、スタイルシートいじるのはそれなりに時間と手間がかかる。細かい調整ならともかく、ごっそり直すとやはり大変でねえ。今まではメンドーだから放置していた。
 
 ところがだ。このブログの管理先が、先日新しいデザインを追加した。あまり期待しないで吟味してみたところ、そこそこ使えそうなモノを発見した。そのため、乗り換えるべきかどうか少し悩んでいたりする。
 
 でもねえ。これはこれで問題がある。やっぱりデフォルトじゃ使えないのだ。まあ、当たり前である。ここは写真も図版もなく、文章量はベラボー。おまけに文字色は多彩。どこをどう考えても「平均的な」ブログとは呼べない。専用の調整を施さないと、可読性に深刻な影響が出る。
 
 まあ、全ては「ネタごとの色分け」が元凶である。こんなことを開発した結果、ネタの統一性なんぞ気にせず、好き勝手なことを書きやすくなった。その分調子に乗って分量が増え、今に至っているわけで。こんなブログがあってもいいのは間違いない(一応、知人の間では一定の評価をされてる)んだけど、これはこれで運用面に苦悩はあるんですよ。
 
 実は「いつか誰か真似しないかな」って期待を一応持っていたんだけど、案の定誰も真似しない。少なくとも私は知らない。そりゃそーだ。更新の際、それなりに面倒だからね。慣れれば簡単だとは思うんだけど、そんなこと覚えようって奴はいないでしょ。そんなわけで、他人様の知恵を拝借…もとい、参考にしにくい。オリジナル路線を突っ走っている以上、基本的なことは全部自分で考えなきゃイケナイのだ。これはこれで大変だよ。
 
 とはいえ、実はデザインで悩む必然性は薄い。どーでもいいから…ってのは理由の1つだけど、もっと大事なモノもある。「文字本体がド派手なので、周囲は地味な方がいい」って原則があるから。極端な話、周囲のデザインは白くてシンプルであるほどいい。本文の文字色が「大事な情報」である以上、それを目立たせる必要があるからね。時々「寂しいデザインだ」とも思うけど、だからって凝る余地がない。
 
 このことは最初からわかっていたんだけど、おかげで「たまにはデザイン変更してみるか」ってなことができない。何度か考えたことはあるんだけど、最後は全部熟考の末ボツにした。全体の印象が「だからどーした」って程度しか変わらない(変えられない)ので、なんか間違い探しみたいな気がして。「背景色を真っ黒にして、文字色を明るくする」ってのも考えたけど…
 
 ただ、今回検討している基本デザインは、珍しくこのサイトと相性が良さそうな雰囲気を受ける。この方向で大々的に改造を施してみたら…って期待はあるんだよね。そんなわけで、ダメモトでしばらくいじってみようかと考えています。
 
 ただ…デザインいじりはじめると、更新の方に負担がかかりそう。細かく調整するのも結構大変でねえ。それにかかる時間考えたら、更新してる意欲とヒマが無くなりそうなんだよな。ついでに言えば、最近仕事忙しいし。まあ、深刻な影響が出ないようにするつもりだけど。
 
 つーわけで、ここしばらく「開いてみたらワケわからんデザインになっていて、ロクに読めなかった」ってなことがあるかもしれません。そんな時は少し待ってから再度読み込めば、状態は回復するはずですが。そんなわけでご迷惑をおかけするかも知れませんが、ご理解とご協力をお願いいたします。以上、事務連絡でした…それにしちゃ長いけど。とはいえ、いつもに比べると短い。こーゆー中途半端なネタが一番イカンのだけど…(以下略)
 
 追伸:ここが導入を検討してるデザインのサンプルです。ご意見があればお知らせ下さい。

3月17日2007/03/18 01:15

 岩手もアウトですか…しかも今年度限り?そりゃまた急ですなあ。廃止に伴う諸々を考えれば、相当無理が伴うと思うんだけど。正直、真意を疑いたくなる話ですな。
 
 単に廃止を嘆くだけじゃ意味がないので、この件はココまで。本日のネタは、月刊ジャンプ廃刊絡みで名前の出た「ガンガン」の分析にしよう。ふ、ここまでやるとは誰も思ってなかったはず。そういうネタをやることにココの意義があるのだよ!(こうでも思わんと、「何でココまでやらなくちゃ」って後悔が…)
 
 とりあえずの感想は「ブ厚い」である。何故かは知らないけど、特大号だそうな。それにしてもこの厚さは尋常じゃない。800頁強ある。月刊誌でこの厚さってのは、少し珍しいかな。本屋の苦労が忍ばれる。
 
 私が「知ってる」作家は、とりあえず3名。ただし、うち1名(大高忍)は宣伝絡みで「ヤングガンガン」からやってきた読み切り。もう1人は柴田亜美。詳細は以前の日記参照。残る1人は藤原カムイ。わたしの評価は「そこそこ」かな。他の作家は、読んだことあるかも知れないけど覚えてない。ま、初めて読む雑誌なんてこんなもんだ。
 
 全体の作風は…どっちかと言えば若者向けってことになるのかぁ?どちらかと言えば私のような「いつまで経ってもマンガ読んでる馬鹿」向けではないような。ひねりのないストレートな作品が多い気がする。最近の傾向ってコトで言えば、週刊誌の方がむしろヒネた作品が多いかもね。ま、コレはコレで悪くない。
 
 路線的には「ヒロイックなファンタジーもの」が主軸だと思われる(目玉の「鋼の錬金術師」がまさしくそうだし)けど、それ一辺倒ってワケでもない。強いて言うならギャグ系が弱いか。実はコレが「ヒネてない」感がある理由か?私のように「オチをつけないと何も語れなくなってる」奴から見れば、そう感じるのかも。
 
 全体的な絵柄は…フツーの一言かなあ。特に意識して追求してる路線があるワケではなさそう。ある意味「月刊少年誌」なるものの王道を突っ走っている気がする。コレに比べれば、月ジャン・月マガの方がどこかヒネてるかもね。
 
 まだ細かく分析したワケじゃないけど、ゲームとのメディアミックス作品は多いような。ま、発行元がスクエア・エニックスだから当然か。むしろ印象よりは少ないのかも。そーゆー作品「しか」なくても不思議はないからね。当初のイメージよりは他のメディアに振り回されてる感じがしない。漫画系ヲタクとしては、この点には好感を受けたと評価すべきかな。
 
 しかし…この雑誌のドコが月ジャンのライバルなのかは、よくわからない。むしろ読者層被らない気がするんだけど。月ジャンに比べれば歴史が浅くて手垢が付いてないので、「古くからの読者」が離れることを心配せずに思いっきりやれるのは確か。いくら内容が良くても、誰も読まなきゃ意味がないけど、ゲーム連動絡みでその辺は誤魔化せる。そういった分析はできるんだけど…普通に考えるなら、「棲み分け」されるだけじゃないかと。やはり、私のうかがい知れないところで何かありやがったな(笑)。
 
 問題は、私が今後継続してこの雑誌を購読するかだけど…とりあえずは「保留」ってところかな。ガツンと来る作品はなかったけど、まあそこそこ面白い。ただ…その程度のモノなら、いちいち読み始めるには弱い。本来ならプラスαが必要だ。しかし、私はある意味尋常じゃない人なので、「つい何となく」とかいうタワケた理由で読み続けるかも。来月の発売日になって、なーんとなく読みたい気持ちになったら継続ってコトになるのかな。
 
 正直、期待ほどは面白くはなかった「ガンガン」。スマッシュヒット1発で「はい、毎月購読決定」ってなるかと思っていたのに。「ヤングガンガン」にはヤラれてるから、期待したんだけどなあ。もっとも、コッチにヤラれたのは相当特殊な事情が絡んでいるんだけど。その辺はまた機会があったら語りましょ。本日は短くココまで。やらなきゃイケナイネタではあったけど、「大当たりでも大ハズシでもない」では深く書きようがない…

3月19日2007/03/19 22:55

 こ…腰をやってもうた…幸い動けるけど、ちょっとキツい。明日以降動けなくなっても困るので、本日はココまで。「腰は男の生命線」だってのに…
 

3月21日2007/03/21 23:50

 とりあえず、腰は何とかなった。完治じゃないけど。一応大事なことだと思われるので、一連の事態をリポートしようかと。皆さん、真面目に「腰は男の命」(by「フルーツバスケット」、草魔ハツ春)(注:ハツはサンズイに發)(さらに注:何のことかわからなくて良し)ですよ!
 
 重いモノを持って無茶な姿勢を取る。腰をヤル理由の大半がコレ。私もやっちゃいました。注意してたつもりだったんだけど、つい足の運びサボって腰に無理かけちゃいました。これが月曜の昼の話。
 
 はじめは単にひねっただけかと思っていた。昔似たようなことをやったことあるので。けど、どうも違う。痛みを我慢してると下半身にシビレが走る。こ、これはやっちゃった?まあ、何とか我慢可能だから仕事続けましたけど。ただ…真似しちゃいけません。多分多少悪化したと思う。
 
 この時点でまだ事態を甘く見ていた私は、一晩寝れば何とかなると思っていた。前にひねった時はそれで何とかなったし。しかし、朝になっても痛みは変わらない。これはヤバい。ここで無理する手もあったと思うけど、翌日は休日。休みなのは良いことかも知れないけど、医者も休み。下手に悪化させるとマズいと判断し、仕事休んで医者に向かうことにしました。
 
 とはいえ、腰やったらどの医者にかかればいいのか?案外悩ましいでしょ。とりあえず、整形外科じゃねえかってんで向かってみました。そしたら、問診だけで即「ぎっくり腰」であると診断され、即座に転院指令。治療云々より、痛み何とかするのが先決だ!ってんで、気休めの痛み止め飲ませただけでペインクリニック(麻酔科)へ紹介されました。
 
 ペインクリニックでも、やはり問診だけで一発診断。考えてみれば、以前ひねったときは「慢性的に痛く、姿勢変えると少し痛みが増す」だったけど、今回は「姿勢安定してると痛くないけど、姿勢変えたら激痛、おまけにシビレ有り」だからなあ。そりゃあぎっくり腰だわ。念のためレントゲン撮って、後は結果も見ずに硬膜外麻酔注射。とにかく痛み止めて、後はそれで様子見ることに。
 
 この麻酔注射の結果、痛みは消えた。まあ、強めの麻酔だから当然だけど。それはいいんだけど、下半身全体の感覚がオカシイ。普通の感覚で歩けない。「雲の上でも歩いてるような感じ」がすると説明されていたけど、まさにそんな感じ。腰から下、膝から上にあるもの全てがマヒしてるような。ま、麻酔ってのはそんなものだけど。醒めなかったら色んな意味でヤバいなあ…と思った。だってそうでしょ。あえて細かく触れないけどさあ。
 
 一時的に痛み止めただけで治るのか?これが一応治るんだなあ。理屈も聞かせてもらった。ぎっくり腰ってのは、骨の一部が神経を挟んで痛めつけちゃうことから生じる。「痛い」って感覚が走ると、反射的に周囲の筋肉が緊張する。そうなると、神経を挟んでる骨がより締め付けられ、痛みが増す…って悪循環起こすそうな。
 
 麻酔が覚めると、痛みはずいぶんと引いた。けど、まだ完治ではない。モヤモヤとした違和感がある。この程度なら「良くある話」なので、後は無理しないで日常生活送って直そうかと思うけど…完治する日は来ないかもね。腰ってのはそんなものだから。
 
 ちなみにレントゲンの結果だけど、特に異常はなかったそうな。一時的な現象だってことらしい。別段何も言ってなかったので、良くある話なんでしょ。不幸中の幸いだね。慢性化なんかしたら、たまったもんじゃない。
 
 とはいえ、これで私もおそらく「腰痛持ち」の仲間入り…って、実は以前からだけど。元々腰は強くないんだよね。ちょっと無理すると鈍い痛みが走るんだよな。血統的に「腰が甘い」からなあ。それだけにかなーり気をつけていたつもりだけど、今回ちょっとした油断から…いけませんねえ。
 
 ついでに言えば、私が痩せ形だってのも腰に良くない。そりゃあ太ってると腰に良くない…って話も聞くけど、痩せればいいってモノでもない。痩せてる奴が重いモノ持つと、重量バランスが大きく狂う。それを筋力で強引に修正しようとすると、しわ寄せは支点となる腰にいきがちだ。普段から「余分な肉でいいから、も少し体重欲しい」ってボヤいてるのは、ちゃんと意味があるんだよ!くそう…
 
 腰が治るまでは不便でねえ…低い椅子には座れない。寝るのも一苦労。その上、一度寝ると起きあがるのが大変。立ち続けてると結構楽なんだけど、ちょっと姿勢動かしただけで痛い。結局一番長時間耐えられる姿勢は、「平らな道をゆっくり歩く」ではないかと。ただ、ちょっとした起伏にさしかかっただけで腰がふらついて痛むけど。
 
 痛みの程度は…基本的にモーレツ。ガツンと来ると我慢できない。ただ、腰を動かさなければ痛まないので、「身動きもできない」ってことはなかったけど。それでも、「腰の動きを完全に固定する」なんて無理でしょ。痛い部位が骨盤に囲まれた領域なので、コルセットで固定するのも難しいのでは。医者もまるで言及しなかったくらいで。
 
 腰は大切である。ココを痛めると、何をするのもキビしい。普段の腰痛からわかっていたことではあるけど、激しく痛めると改めてそう思いますね。皆さんも腰のケアは大切に。痛めてからじゃ遅いからなあ。冒頭の引用句は、ホント冗談じゃないですよ。「痛感させられた」ってのはこのことですな。