12月13日2005/12/14 01:51

 悩んだ末に、本日の献辞はたくさま。に。今回偉かったのは、私じゃなくて貴方です。おかげでフジヤマケンザン様への「借り」を、少しだけ返せたような気がします。
 
 うわははは、やっぱ香港最高!沙田はオレの庭だぜ!行ってきました香港国際レース。本日は競馬中心にお届けします。他の話は後日にでも。
 
 今年はフジヤマケンザン様が香港国際カップ(当時)を征して10周年。こんな記念すべき年なんだから、香港に行きたい!ってんで行くことに。ほとんど気分は国内旅行。旅行準備なんて全くしてない。先週の日記に「行く」って書くのを忘れたぐらいだ(笑)。
 
 香港のレースは相対的に予想しやすい。前日にやってる競馬予想番組が親切だから。もちろん何言ってるのかさっぱりわからない(広東語だから)けど、調教や前走の映像がしこたま流れるからねえ。今回もバッチリ予想して競馬場へ突撃しました。
 
 1R。一般戦。とはいえ、サイレントウィットネス様の弟だのフジキセキ産駒(豪州産)だのが出走しており、さり気なく注目レース。しかし、1着馬はともかく2着が抜けてハズレ。いきなり穴馬券の登場。これで「今日は荒れるのか?」と思ったんだけどねえ。
 
 2R。「今日は荒れる!」と読んで穴っぽく攻めたところ、単勝1倍台の馬があっさり勝つ。勝ったのはフサイチペガサス産駒で、「なんかダート向きの走りだなあ」と思っていたのに。何かの間違いでJCダートにやってきた場合、注目が必要かも。
 
 3R。香港ヴァーズ。私の狙いは天才騎乗のチェリーミックス。「単勝勝負だ!」と思っていたんだけど、直前で急に弱気が襲ってきた。ウエスターナーの鞍上は魔神ペリエ。呪いをかけないのは極めてマズい。さらに、ウィジャボードの名前を見た瞬間、ボルジアって馬(JC負けて香港で勝った馬)のこと思い出してねえ…ついでに日本馬シックスセンスも「オレが買わないと来るってギャグぶちかますつもりじゃ…」って予感がしてきた。そこで馬連Boxに切り替えたところ、これが大的中。1着ウィジャボード、2着は接戦の末シックスセンスときたもんだ。あ、危なかった…
 
 4Rはお休みの予定だったけど、つい調子に乗って馬券買ってしまう。ここも穴を狙ったんだけど、1番人気が突っ込んできてパー。この時点で今日は「穴-本命の繰り返しでは?」ってことに気がつく。こういうヨミは大切だよね。
 
 5R。香港スプリント。サイレントウィットネス様不在でいきなり混戦模様。しかし、私は考えた。実は簡単じゃねえかと。このレースのトライアルの上位3頭と、別路線組としてケープオブグットホープ(香港馬)とアドマイヤマックス(日本馬)の5頭に絞れるんだもの。強気に3連複で攻めたところ、予想通りトライアルの3・1・2着の順で決まる。勝ったナチュラルブリッツは元マカオの馬(今は香港馬)で、去年このレース3着。言っては何だけど、単純なレースでしたな。わはは。
 
 6Rはお休み…のはずが、また馬券を買ってしまう。本当なら1番人気が勝つ順番だけど、なんか流れ変わってきそうな気がして。これは気のせいでした。うむむ、こうなると次は…
 
 7R。香港マイル。流れから言えば1番人気が負けるはず。私の本命は前日売りで1番人気だった日本馬アサクサデンエン。これはマズいかぁ?と思ったところ、当日の1番人気は地元のブリッシュラック。じゃあ安心して…とアサクサデンエンと心中するつもりで馬券買ったところ、勝ったのは日本馬は日本馬でもハットトリックの方。鞍上はおなじみ魔神。日本語で「魔神やめろぉ~!」と叫んだバカは私だけだろ。もっとも2着は地元の人気薄で、他の日本人もハズした奴が多かったと思われる。
 
 8R。本日のメインイベント、香港カップ。今年はメンバーが揃わず、人気は地元期待のヴェンジャンスオブレイン。単勝1倍台と、絶大な人気を背負ってました。私も「こいつは堅い」と思ってましたね。問題はヒモ。熟考の末、人気の馬2頭を斬って少し穴っぽいところで勝負。コレが大正解。フランス牝馬のプライドが2着に突っ込んできて、これまた的中。やはりメインレース的中は嬉しいね!
 
 最終。やっぱり買ってしまう。流れから言えば1番人気は来ない…と読んだけど、勝ったのは1番人気。あちゃー。これで一般戦は全滅だ。いかんなあ。香港競馬初心者じゃないんだから、やはり一般戦を的中させないと。これはこれで不満だな。「仕方ない」で片付けるわけにはいかない課題である。
 
 とはいえ、トータルで勝ったのは間違いない。やはり香港沙田は相性がいいぜ!世界で一番「ヤル気出てくる競馬場」だからなあ。普段から「沙田なら負ける気がしない」と豪語し、競馬場に着けば「絶対儲ける!」と自分を追い込んで予想してるだけのことはある。観光気分で馬券買ってる輩は多いと思うけど、少なくとも私は違う。「世界一アツい」と言われる地元民に負けない気合いで馬券買ってる。それが礼儀だと思うんだけどな。
 
 「十年一昔」と言うけれど、この10年で競馬はかなり変わったと思う。当時日本馬は海外遠征未勝利で、それよりさらに格下なのが香港競馬だと信じられていた。今では日本馬の海外勝利は「良くある話」で、香港馬はそのライバルとされている。この香港国際デーも、「東洋の地方イベント」から「世界の重要レース」にまで出世した。この10年は、アジアの競馬が昇竜のごとき出世を遂げた期間だと言ってもいいだろう。
 
 それでもね、やっぱり変わらないものもある。競馬の楽しさだ。あれから色々と経験積んできたわけだけど、やっぱり香港競馬は楽しいよ。アツいスタンドの雰囲気、レベルの高い競馬、そして馬券的中の嬉しさ…こういったものは、10年前と何1つ変わっちゃいない気がするね。変わったもの、変わらないもの。それら全部ひっくるめて楽しめるのが、私にとっての香港競馬だ。
 
 実は今回、ある意味とてつもないイベントに遭遇した。同行者のたくさま。のサイトに、香港地元民から書き込みがあり、「当日逢って競馬の話を聞かせてくれ」って要請があったのだ。そ、そりゃあ「競馬は世界の共通言語!」って豪語してる私だけどさあ…正直ビビりましたよ。
 
 詳細はたくさま。の香港旅行記を読んでもらうとしてだなあ。私自身の感想を言うと、「やっぱり英語鍛えなきゃ駄目だ」だね。主にこちら側の英語力に問題があり、思ったように会話できなかった気が…向こうのイントネーションがネイティブスピーカーと微妙に違ったのは事実だけど、たったそれだけで会話が成立しないってのは、コッチの問題が大きいでしょ。この点だけは本当に申し訳なかった。この時ほど、自らの語学力の低さを呪ったことはないね。
 
 現地で出会ったloi君はとても若く、競馬歴も1年だとか。その割にはヤケに日本競馬に詳しいなと思ったら、何でもゲームの「ギャロップレーサー」で競馬を覚えたとか…唖然呆然愕然である。「ゲームで競馬覚えました」なんて奴がゴロゴロいるのは知ってたけど、そんなの生息してるのは日本だけだと思っていた…香港の競馬文化は、日本のそれを追いかけているんだなあ。なんか猛烈に感動してしまいました。
 
 遠征してくる日本人にいちいち連絡を取り、逢おうとする…これはなかなか出来ることじゃない。勇者と呼ぶに値すると心底思う。10年前、フジヤマケンザン様と共に香港遠征をした私は、勇者だった。それから10年経って、香港で私を超える勇者と遭遇したわけだ。素晴らしい。「超えられる嬉しさ」ってものを初めて味わった気がするね。これは簡単に味わえるモノじゃないと思うぞ。
 
 たくさま。に香港競馬を教えたのは、疑いようもなく私だ。彼は私以上に香港競馬にハマり、そのおかげでloi君と遭遇した。私が切り開いた道が、こんな形で後へと伝わったことになる。うーむ、これが文化交流ってものなのかねえ。私自身は何も考えずバカやってただけなんだけど。バカも飛び抜けると、思わぬ実りがあるってことなんだろうな。これもこの10年間の副産物だろう。
 
 とまあ、今回はしみじみと10年って歳月の重みを感じる旅になりました。とはいえ、私だってまだまだ老け込むような年じゃない。それはそれ、これはこれだ。これからもバカやって、ワケわからん伝説?を築いていかなくては。これからも「ワールドクラスの海外競馬バカ」として邁進していかないと。部分部分はともかく、トータルでは若い者には負けないぜ!…って、力一杯断言することなんだろーか(笑)。