4月30日2008/05/01 01:11

 ちょっとした体調不良(寝不足)とネタ総ボツのコンビネーション攻撃により、しばらく更新滞りました。申し訳ない。
 
 本日のネタは…未消化なネタが色々溜まってきているので、1つ決着を付けることにしよう。「広告コメント」撲滅について。まだ色んな意味で油断禁物なんだけど…
 
 ここに「広告コメント」がつけられて困るって話は以前した。その後しばらくして、予告していた「対策」も実行した。その結果、少なくとも「毎日コメント削除に追われる」ってな事態からは脱却した。やはり野球の順位予想は危険だってコトだね。まだ釈然としない部分があるんだけど、平和が戻ってきて嬉しいのは事実。
 
 この結果、「このサイトの18禁計画」はかなり後退した。まだ最大の導入理由である「青少年ネット規制法案」の行く末がわからない以上、油断は禁物だけど。ただこの法案、かなりの有力筋から「やりすぎだ」って批判がすっ飛んできているので、少なくとも私が危惧した方向でまとまることはなさそうだ。そうなってくれると、一応ここが「18禁宣言」する必然性はなくなる。
 
 とはいえ、「良かった良かった、めでたしめでたし」とはならない。代償は(私の中では)デッカイのだ。なにせネタ1本削除だからねえ…基本的に世のため人のためにならず、毒にも薬にもならないコトばかり書いてきたつもりだけど、それでもネタ削除は手痛い打撃だ。ある意味、「炎上して手が付けられなくなった」に匹敵するショックである。
 
 なんでこんなことになったのか?うーん…個人的には、「ブログってメディアが持つ本質的欠陥」だと思う。怪しげな意図を持つ連中(ココの理念からは、広告目的=怪しげな意図)を排除しようがないし、コメントもつけ放題だからねえ。もちろんこれはメリットと表裏一体なので、「だからブログは駄目なんだ」って結論にはならないけど。ブログのアップ先は何かしら「対策」するつもりがあるようだけど、ココの理念はモーレツにハードルが高い(原則として広告は不可だから)以上、私にとってはさほど役に立たないかもしれない。
 
 そもそも、だ。真に悪いのは、私の「広告お断り」って方針かも知れない。なにせネット上では「右を向いても左を向いても」広告だらけ。「いいじゃん、少しぐらい広告があっても。気に入らなければ無視すりゃいいんだし」って意見こそが正しいような気がしてくるのは確かだ。それに、「何かを書いてメシを食う」ことを目指すのだとしたら、広告を許容しないと無理って気もするし。私のこの方針は、過度のアマチュアイズムを追究した結果苦境に陥った、ブランデージ会長時代のオリンピック(古い話だなあ)と同じ愚を犯しているだけかも知れない。
 
 これに対する私の答えは、「それでもこの方針は貫く」である。理由?私がそうしたいから。馬鹿なことかも知れないけど、だからどーした。今の私の文章力だと、「広告置いてどうこう」なんてコトを考えるのは、間違っていると思うので。その理由は色々あるけど、わかりやすいモノとしては「文章が広告に勝てない」から、かな。
 
 昨今のTVは「広告見ているのか、番組見ているのかワカラン」状態である。何かあるごとに自社の宣伝含めた番組を連発しやがるからねえ。これはこれで「正しい」態度ではあると思う。連中は別にカスミ食っているワケじゃないんだから。けど、それは「作り手として大切な何かを見失っている」ような気がしちゃうんだな。少なくとも私には。
 
 ものの作り手としての理想を言えば、やはり「作品が主で広告が従」であるべきだ。けど、まだ作り手として力を付けてない段階で「広告を導入する」のは、この原則を崩すような気がして仕方がない。「杞憂だ」と言えばそれまでだけど。コトは「書き手としての私のプライド」の問題に過ぎないので、ここの読者にとっては心底「だからどーした」状態だとは思うけど。
 
 ただ、このブログは「私が更新したいから更新されている」ものであり、私のやる気を削ぐようなシロモノを自発的に導入することはあり得ない。その代表が「広告」だ。そして、自発的に広告を設置しない以上、他人から「勝手に」つけられた広告もまた削除対象である。内容と関連性が深いモノはまだしも、内容と無関係なモノは「私のサイトで無意味に存在感を放つモノ」であり、なんかブログを乗っ取られたような気がしちゃうんだな。JRAの「内国産馬保護策」並に「無用な保護」って気もするんだけど…
 
 モノ書きとしての私のプライドは、ある意味とても軽い。私はプロじゃないから。しょせんアマである以上、限界はとてつもなく低い。しかし、考えようによってはすごく重いモノでもある。不本意な形で筆を折るようなコトがあった場合、私は生命や社会的立場を投げ出す危険性を承知の上で抗議行動に出るかもしれないので。世間的には下らないモノであっても、一応は「私が生み出したモノ」だ。そう覚悟するのは不自然なことではないでしょ?
 
 とまあ、カッコつけて書いてきたワケだけど、ぶっちゃけた話ココは「私の、私による、私のためのブログ」であって欲しいわけで、「広告のための」ブログになるのはイヤだとワガママを言っているだけだ(苦笑)。読者の方?ついて来たい方はついて来て下さい。ここはそーゆートコロだと常日頃から警告してあるし、そのためのアシスト機能として「ネタの色分け」やってんだから。
 
 つーわけで、とりあえず「私と広告の戦い:第1弾」は終了したようだ。損害は大きかったけど。とはいえ撲滅したワケではないし、いずれ「第2弾」が始まるかもしれない。さらに、場合によると「広告禁止」って方針が変更されることも考えられる。いずれにせよ、私と広告の戦いは始まったばかりであり、この先延々と(形を変えつつ)繰り返されるんだろなって気がするのは確か。基本的に「理解されない孤独な戦い」ではあるけど、この先も戦い続けることでしょ。それが私なりに「このブログに誇りを持つ」ってことだから。

5月2日2008/05/03 01:43

 5月である。カレンダーめくった結果、また部屋の様子が一変した。ま、「同じだ同じ」って意見に反対はしないけど。
 
 昨日は「イケるか?」と思ったネタがスベり、総ボツ。うーん…少し切り口考えよう。まとまりが悪ければ、良くなるまで温存する。それがココだからして。
 
 本日のネタは、比較的マジメに「ヲタクとは」を語ってみよう。知人が似たようなネタ扱おうとして「失敗」したので、リベンジしようと思って。それに、先日立ち読みで「オタクはもう死んでいる」(新潮新書・著者岡田斗司夫)を読んで感じたこともあるし。
 
 ヲタクとはなんぞや?この問いへの「世間一般向けの」回答は単純。「マンガ・アニメ・ゲームと言った、子供向けとされるモノを大人になっても熱心に追究する奴」だ。この世界に脚を踏み入れる必要のない人々に対しては、こう説明しておけばいい。大きな嘘は言ってない。実を言えば、このブログで言う「ヲタクネタ」とは、これを指している。
 
 ただ…実は、この定義には致命的欠陥がある。「浦安ネズミの国」にハマっている方々も該当しちゃうのだ。だってそうでしょーが。あそこのホストは米国アニメーションの産物。原理原則論から言えば、「日本アニメ以上に子供向け」だ。それに遊園地ってのも、原則論で言えば子供向け。お互いに「一緒にするな!」と言いそうだけど、この定義からは区別不能だ。
 
 じゃあ、その辺を区別できる精密な定義はどうなるのか?これは簡単に答えにくい。感覚的にはわかってもらえると思うけど、言葉にすると結構大変なのよ。ま、本日はあえてソコにチャレンジするんだけどさ。
 
 そもそも、「ヲタク」の語源は、単なる「マンガ・アニメマニア」ではない。そういうものを趣味としてる連中の中でも「社交性がやたら低い奴」に対する蔑称だったのだ。こういう連中は、他人のことを「おたく」と呼びかけることが多かったので。
 
 当時は携帯もインターネットもない時代だ。クラスメートなどと話が合わない場合、即時に「コミュニケーション不全」に陥る。今の「ネットだけで人間関係構築してる連中」もどうかと思うのは確かだけど、当時の「真性ヲタク」に比べれば百倍マシじゃないかなあ。とにかくスゴかったんだから。私も他人のことは言えないけど。
 
 それから時が流れて今現在。「ヲタク」は当時に比べればよほど市民権を得ている。理由は単純。まず、「いい年してマンガ・アニメ・ゲームにハマっている奴」の絶対数が増えた。次に、裾野が広がった。コンシューマーで「ファンタジーRPGの大作」をプレイするのはフツーのことだし、ついにパチンコも「染まった」からねえ。最後に、携帯電話やネットのおかげで、相互にコミュニケーションを取る機会が増えた。
 
 これらの結果として登場したのが、「ライトなヲタク」である。一昔前の「同族とさえ話が出来ない」ヲタクではなく、ヘンな趣味を持っている以外はフツーの人、ってのが増えたのだ。もちろん古いタイプのヲタクもまだいるはずだけど、露骨に目立たなくなった。数が減ったからというより、他が増えた関係で。その結果、今現在は「昔だったらヲタクと呼ばれなかった」レベルの連中もヲタク扱いされている…というより、ヲタクを自称する(信じがたい現象である)ようになった。つまり、ヲタクは一般化した。
 
 これゆえ、今現在のヲタクを定義するなら、「その昔ヲタクと呼ばれていた人種と好みのジャンルが似ている奴」となる。似たようなモノを好む以上共通点は多いけど、それでも「昔で言うヲタク」と「今のヲタク」は別物だ。でも、「昔のヲタク」を解説しないと、何言ってるのかわからないんだよねえ…これが「言葉で説明するのが難しい」理由だ。
 
 昔のヲタクってのは、ある意味では筋金が入っていた。そりゃそーだ。周囲と話が合わない→好きな世界に閉じこもる→一般的な話題に疎くなる→周囲と話が合わない…ってスパイラル起こして、行き着くところまで行っちゃった連中だからねえ。基本的に欠陥だらけの人種ではあったけど、「求道的」って良いトコロがあったのは事実だ。
 
 それに対し、今のヲタクはどうか?さすがに求道的な奴は減ったね。絶対的にはさほど減ってない気がする(簡単に脚洗う人種じゃないから)けど、相対的な減少はデカイ。その昔はコミケに来る連中なんて「日頃の行いが悪いので、コミケという生き地獄(ホントに地獄だった…)に堕とされた」って言葉がお似合いだったのに、今の参加者にはそこまで言ったら可哀想かな。ま、生きたまま地獄に堕とされた方がいい連中も相変わらずいるけど。
 
 ただ…どんなジャンルであれ、「意味不明なまでに求道的」な奴は今も昔も存在する。目立つかどうかは、そのジャンルにいる「ヌルい連中」の数次第って気がするけど。その意味では「ヲタクは死んだ」って言葉は正しくないような。むしろ、「ヲタクは死なず、ただ目立たなくなるのみ」なんじゃないかな。
 
 ちなみに、求道的なのが「良いこと」なのかは…まずは皆さん自身で考えてみて下さい。だって、ここの読者の皆様は、大抵が「何かしらに無用なレベルにまで詳しい奴」だからして。そうでなければ、ここの話題に何1つとしてついて行けないはず。私としては手加減しているつもりなんだけど、それでも、ねえ…
 
 私自身の見解を言えば、「いいことなんてあるわきゃない」ってなるかなあ。良いか悪いかで言ったら、そうなるんじゃないかと。とはいえ、「じゃあ止めよう」ってコトはあり得ない。良いか悪いかじゃないんだよ。私がF男であり続けるためには、自然とそうなっちゃう。悪いことだろーが何だろーが、「だからどうした、関係ないね」で片付けるしかない。
 
 まあ、私は何にせよレベルが浅い(広く浅くがモットーだ)けど、余計な領域にまで踏み込むクセがあるのは事実。そういう生き方は決して他人に勧めないけど、否定する気もない。そもそも、「他人に勧められたから」どうこうなんて言ってる時点で、「旧来型ヲタク」とは言い難い。他人を気にせず突っ走りまくるトコロに意義があるのだからして。
 
 つーわけで、私はとにかく突っ走っているわけです。その割には底浅いけど、これは「広く浅く」って主義だから仕方がない。要は何事につけ半端物に過ぎないんだけど、だからどーした。そんなことさほど気にせず「我が道を行く」のが私。結果なんて気にしていられるか。とりあえずネタになって笑いが取れれば、それでいいんだよ…って、これが真性ヲタクの「いいこと」だな(苦笑)。

5月5日2008/05/06 03:31

 5/3・4の2日間は「ヒトラー電撃戦」プレイ。諸般の事情により「通しで1プレイ」ではなく「2日で2プレイ」になったけど。なお、私は赤軍担当。一番ヒマなはずなのに、何故か「一番ゲームを堪能したで賞」なるものを受賞してしまった。何故かって?いやそれは…(笑)。
 
 つーわけで、本日は「ヒトラー電撃戦」解説・作戦研究を、プレイ時の経験を踏まえてお届けします。ちなみに、ノリが良いので予定変更して「語れる範囲は何でも語る」ことに。分量膨大(今回は特にスゴイ)・説明省略(ルールブック一読以上が前提)なので、この色の話題に付いていけない人は読まないように!なお、GW明けにまたもルール大改訂がありそう(特に海軍絡み)なので、あくまで「我々がプレイした時のルール解釈(少なくとも海軍ルールは英文版を採用)に従った」ものです。ご注意下さい。
 
 まずはゲーム自体の感想から。このテーマのゲームとしては悪くないです。どうしてもプレイ時間がかかるけど、2日間あれば何とか通しでプレイ可能でしょう。自由度が高い割には史実通りの戦略に落ち着きやすいトコロに好感が持てます。ただまあ、「何度かプレイして痛い目に遭わないと、理解できない約束事」が多いのは事実。今回は主にそーゆー「バルバロッサ以前の奇手奇策と、その対策の紹介」に焦点を当ててお届けしたいかなと。
 
 まずはポーランド戦。「完全に放置する」ってプランもあり得ることは事実(さすがに研究は進んでない)だけど、普通に考えるなら消し去るべき。さらに、補給ptの関係から「潰すつもりなら最初に一撃で消すのが吉」でしょ。
 
 ポーランドのセットアップはフリーなので、配置を悩む余地がある。我々の結論としては、「ワルシャワに3つ積み、後は適宜散らすのが良いのでは」となった。どう配置しても一撃で消されるのは間違いないんだけど、こう配置すると「独軍に損害が出る確率をゼロに出来ない」のだ。さらに、独軍は「補給を節約した攻め」をするわけにいかない。ユニットを散らすセットアップの場合、「他の作戦に使用するため、あえて損失が出る可能性を我慢して攻める」ことも可能だけど、ワルシャワに積まれると「手抜き=ワルシャワ攻略失敗の可能性が残る」となってしまう。失敗した場合、許容できない補給の無駄遣いになってしまう。なお、ポーランド軍のこの配置をどう攻めるのかは、各自悩んでみて下さい。さほど難しくはないと思うので。コツは、「補給を節約できるように部隊をうまく統合しておく」こと。なお、「補給ptを全部使い果たすと、全軍補給切れ」なので注意。
 
 ポーランド降伏後の課題は、独軍の対仏戦…ではない!その前に「ルール防衛」って問題がある。ここは1戦力しかセットアップされていないので、連合軍がベルギーを敵に回してでも占領してくる可能性がある。ポーランド戦と平行して、補給抽出して部隊を送る必要があるのだ。
 
 先日のプレイでは2戦力で防衛していたけど、今から考えると「やや疑問手」である。理屈はこうだ。西側連合軍が全力でルールを攻撃した場合、ランスの歩兵+戦車&ナンシーの歩兵の計6戦力で攻撃が可能。戦闘比は戦車攻撃の1シフトを独軍防御で打ち消して、3:1。CRTを一見すると「1/3で失敗」のように見えるけど、それは間違い。このゲームは仏軍であっても電撃戦を宣言できるので、通常攻撃と併せて二度攻撃されて絶対陥落する。仏軍の損失は最大でも戦車1戦力。
 
 これを防ごうと思ったら…もう1戦力送り込むのが一番かなあ。実は可能なので。それでもルール陥落の可能性をゼロには出来ないんだけど、失敗の可能性がある時にはさすがに作戦自体を見送ってくる可能性が高い。あるいは空軍を1つ防御支援に使うか。もっとも、この作戦は連合軍の貴重な補給を3ptも使用する。これは他の作戦に深刻な悪化が出る数字であり、なおかつベルギーを敵に回すってマイナスもあるので、「それでもやるならやれば?」って態度に出る価値はあるかも。この辺の得失は私も読み切れてない。
 
 ポーランドは陥落。ルールは守った。さて次は…「対仏戦」及び「ノルウェイ戦」だ。この2つを「いつどういう形で実行するか」は、大いに悩みどころである。まずはノルウェイについて。ここは独軍にしてみれば「いつか行かなくてはイケナイ土地」である。独軍の国家戦略ptが無防備に放置されているのだから。それに、大戦後半になって西側に占領されると、ストックホルム経由で米軍がバルト海沿岸に上陸作戦を仕掛けてくる危険もある。ただ、実は「いずれにせよトロンヘイムに先手を打つのは連合軍」である。独軍はどう頑張っても、一発ではトロンヘイムに届かないので。よって、連合軍が上陸してくるか、余裕が出来るまでは放置しておくって考えが成り立つ。
 
 もっとも、連合軍は早期にトロンヘイム上陸作戦を行ってくると推測される。早ければ早いほど効果的なイヤガラセなので。このため、対仏戦に先だって上陸作戦なりスェーデン通過作戦の準備をしておく必要がありそう。この辺は「連合軍が何を優先してくるか」によると思われる。
 
 対仏戦をいつどんな形で始めるのか。これは悩ましいどころの騒ぎではない。この辺から「生産内容も含めた、戦争全体のグランドデザイン」が大きく関与してくるのだ。Uボートを多めに生産して連合軍経済を疲弊させるのか、それとも陸軍部隊を素早く増産するのかによって事情が変わってくる。それこそ「最後は好みの差としか言いようがない」のでは。
 
 とりあえず着目すべきは、「天候状態」でしょ。泥濘季及び冬季は電撃戦が出来ない。冬季に至っては空軍も飛ばない。これは戦術上重要な意味を持つ。対仏戦開始後3ターンまでは仏軍相手の攻撃に+1シフトであり、できれば電撃戦と組み合わせたい。よって、コマンドリプレイにある「第4ターンからの侵攻」はちょっと効率が悪い。奇襲期間中に1度も電撃戦が出来ないから。「フランス戦の運びに瑕疵があったのだ」との感想もわかる気がする。かといって、電撃戦を効率良く使える7ターンまで待つのがベストとは言い切れない。バルバロッサへの準備を考えれば、対仏戦は1ターンでも早く終えたいので。
 
 対仏戦絡みの心配事項として、「連合軍のベルギー侵入」がある。ルール逆襲は第1ターン以降心配無用(じゃなかったら独軍のミス)だろうけど、防御ラインを1ゾーン押し上げるため、連合軍がアルデンヌに侵攻してくる可能性がある。これの得失は複雑だね。独軍にしてみればベルギー軍を攻撃に加えられるって利点があるけど、どうせ攻撃補給は独軍の支払い。おまけにコイツらは国外に出ないので、ブリュッセルからカレーやランスを攻撃したはいいけど、戦闘後前進できる部隊が1部隊しかないので反撃されて痛い目に遭った…なんてコトも考えられる。もちろん、連合軍の補給が潤沢ならブリュッセル攻略も可能だ。
 
 これに対する私の意見は、「ルールまたはザール逆襲ってオマケが付かないのなら、やる価値ナシ」かな。アルデンヌ前進やブリュッセル攻撃のための補給ptがあるのなら、仏国内に前進してきた独軍への反撃に使った方が効率が良さそうだ。よほど補給が潤沢なら話は別だけど、Uボートによる通商破壊を考えれば、普通連合軍にそんな余裕はない。あったとしても、将来(アフリカ作戦やレンドリースなど)のため温存しておきたいくらいだ。ただ、コレはあくまで私の意見…というより感想に過ぎないので、研究する価値はある。
 
 対仏戦が終了すると、独軍に「頼もしい味方」伊軍が味方になる。私の知る限り、このゲームの伊軍は「この手の戦略ゲームで一番頼もしい伊軍」だろう。なにせ2ターンに1回、補給ptを4ptも「供給」してくれるのだ!ベルリンとローマに山と積まれた補給をまとめて東部戦線に使われた時には、赤軍担当として「いつか伊半島を赤化してやる!」って復讐心がメラメラと…(笑)。おまけに41年までは絶対降伏せず、仮に降伏しても43年までは「大軍を伊半島に拘束してないと」再起してきやがる。これはつまり、「伊の再起が無くなる44年まで、ノルマンジーはお預け」ってことじゃないかな。ジョンブルが苦手って弱点があるのは事実だけど、何故かヤンキー相手にはまるで関係なし。最初のプレイが終了した理由が「伊があまりにも早期に降伏しちゃったから、独軍が投了した」なのもよくわかる。それぐらい頼もしいのだ!コマンドには「仏軍で伊軍を叩く」って作戦が紹介されていて、私も一応「なるほど」と思ったけど、結論は「そんな馬鹿なことをしてはイケナイ」だ!ミラノの一時的喪失よりオイシイ特典を独軍に与えるだけだ。
 
 とはいえ、副産物として悩ましきアフリカ戦が開始される。これをどうするのかは、大いに悩みどころだね。伊軍だけでは守りきれない。やはりある程度独軍を送って防御の手助けをしてあげた方が良い…どころか、「バルバロッサ放置して進撃し続ける」のも1つの手である!2度目のプレイではバルバロッサ放置して枢軸軍がアフリカを進撃し、スエズを越えてバスラに迫る有様。時間稼ぎのため赤軍がバクー経由でバクダッドに駆けつけて、やっと進撃が停止したぐらいだ。状況次第ではあるけど、戦略として充分成立します。
 
 バルバロッサ前に「やるべきこと」の1つ、バルカン半島作戦。ユーゴスラビアは「ダイス判定で宥和する」ルールがあるのは事実だけど、独軍担当は「使う価値ナシ」と断言しておられた。理由は1つ。このタイミング(14ターン)にユーゴを片付けたのでは、バルバロッサを「史実通り、少し遅いタイミングで」始めることになるから。この時間は極めてもったいない。「どうせ成功しない」と割り切って、バルバロッサ前に滅ぼしておくのが吉だそうな。ついでにギリシアは独軍が侵入可能になった瞬間に滅ぼす。この辺から西側連合軍がチョッカイを出されると、色々対処に困りそうなので。
 
 バルバロッサを受けて立つ、赤軍側の事情も説明しておこう。まず触れるべきは「赤軍側からの対独戦」をやるべきか?これは…私はその勇気が出なかった(苦笑)。理屈はこうだ。赤軍は、「軍の近代化」を推し進める必要がある。しかし、これをやっていると補給と部隊配備に不安が…最初に増援カードを投入する瞬間から「軍の近代化を捨てて突っ込む覚悟」を決めておく必要があるのでは。それに、赤軍が独またはルーマニアに突っ込んだ瞬間から、独の増援カードが総力戦に移行する。トドメに、赤軍から突っ込んだところで「バルバロッサの奇襲効果」が消えるわけではない。「突っ込むべきでは?」と考えるたびに、「タンネンベルグの二の舞」って言葉が…
 
 それでは、赤軍はバルバロッサまで大人しくしているべきか?いやいや、ソ・フィン戦争があるじゃありませんか。これには「上手い手」が発見されました。開発者(あくまで私の身近では、だけど)として、独軍の対策も含めて細かく説明しちゃいましょう。タリンからの上陸作戦だ。赤軍は海軍持ってないけど、ルールには上陸作戦やっちゃイケナイとは一言も書いてない。プランその1はヘルシンキ直撃。フィンランド軍はここに1部隊もいないので、上陸されただけで陥落する。
 
 ヘルシンキが陥ちたらどうなるのかは、実はルール不備でよくわからない。どう考えてもフィンランドの首都なんだけど、ゾーンの地形が赤くないのだ。これは「マップのミス」なのか、それとも「フィンランドに首都はなく、全土を占領されるまで降伏しない」のか、ハッキリしないのだ。我々はとりあえず「マップのミス」として解釈したけど。ただ、首都じゃなくてもこの作戦を実施する価値はある。退路を断たれた上に要塞線も利用できなくなるので、前線のフィンランド軍を楽に叩き潰せるから。
 
 ただ、この手は独軍に対応策がある。空軍の迎撃はルール上攻撃じゃないので、やったからって「バルバロッサ作戦開始・赤軍総力戦移行」なんて事態にはならない。バルト海沿いの独空軍で迎撃してやればいいのだ。そこで編み出されたのが、プランその2。赤軍装甲部隊をコウヴォラに上陸させ、ヘルシンキに「戦闘後前進」させる。コウヴォラはフィンランド湾にしか隣接していないので、独空軍は事実上迎撃不能である!
 
 この作戦を防ぐには?もしヘルシンキがフィンランドの首都なら、打つ手はない。ただ、もし「ヘルシンキが落ちても徹底抗戦する」のなら、一応手はある。フィンランド湾とバルト海に独海軍(Uボートは不可)を浮かべ、制海権を獲るのだ。これでも作戦実施は防げられない(赤軍がフィンランド湾に空軍を出せば、制海権は打ち消せるので)けど、ヘルシンキの赤軍戦車部隊が補給切れになってしまう。退路もないので、「フィンランド領内では補給切れにならない」フィンランド軍で踏み潰すのは容易だ。こうやって高コストな作戦にしてしまえば、赤軍は実行をためらう…けどさあ。さすがに独軍が払うコストも結構馬鹿にならないような。赤軍が「じゃあ普通に攻めるか」って言ったら無意味なのに。
 
 ただ、「フィンランド湾に独艦隊を浮かべ、イヤガラセをする」のは悪くない。デフォルトで1艦隊持っているので、「無駄な生産を強いられる」ことにはならない。艦隊出撃のコストは1補給pt。序盤の赤色空軍は貴重なので、「制海権を獲るために空軍を出す」のはかなり手痛い。作戦自体は防げない(この程度のコストなら、それでも実行してくる)けど、取引としては相当効率が良い。この作戦を知らないと「何でそんなことを?」って動きだけど、実は深い意味があるんだよ。
 
 赤軍の防衛準備についても語っておきましょ。前線配備するのか、後方に逃がしておくのが勝るのかは、正直何とも言えない。私の経験を言えば、まず1戦目は前線配備を採用した。苦労しながらも何とか「史実程度の損失」(レニングラードは陥ちたけど、南方が無事)で済んだのは確か(実はモスクワ占領されたけど、即時奪回できたので被害無し)だけど、これはバルバロッサ開始スケジュールがやや遅かったから。第2戦は「独軍担当が手慣れた分、バルバロッサ開始が早そうだ」ってこともあり、後方配置を選択。多分、防御を考えたらコッチが正解だったと思う。しかーし!「それならやーめた!」とバルバロッサ放棄してアフリカに注力されてしまった…こうなると後方配備はマイナスだ。攻撃準備だけで時間と補給を食ったおかげもあって、東部戦線いきなり膠着。開戦時のラインでニラメッコしているんだから、赤軍としては「悪くはない」って考えもあるけどさあ…しかもだ。独軍は攻撃してこない(してくれない)ので、「バルバロッサ奇襲修正」が温存されたまま。うかつな攻撃して消耗したところに満を持して攻撃されたら、それこそ「タンネンベルグの再来」確定。前線の将兵は油断しっぱなしだ。おまけに上層部は「総力戦移行?そんな必要ない」と、これまた油断してる…これでどーしろと!つーわけで、私の経験は「バルバロッサ対策」にはあまり役立たないかと。赤軍担当だったのに、何やってんだか…
 
 ここまでクリアした末に、やっと待望のバルバロッサだ。これだけでもやるべきことがいっぱいあり、ケアするべき奇手奇策が山のようにある。「単なる下準備」で片付けるのはもったいない。バルバロッサ開始以降こそが本番って気がするのは確かだけど、そのための準備は両軍とも大変であり、面白いんじゃないかな。今回は一応「バルバロッサ開始前」を中心に語ったので、「アフリカの攻め方・守り方」とか、「バルバロッサが始まったら」については詳しく触れることができてない。ま、この分野については「私の研究不足」だって話があるけど。
 
 とにかくこのゲーム、テーマがテーマだけに「研究して楽しい」ことは間違いない。タクテクスに何度か掲載された「『第三帝国』研究記事」を読んで唸った頃を思い出します。「プレイする時間なんて無い」ことは認めるけど、それでも色々研究して怪しげな作戦生み出して、「いつか世界に息を呑ませてやる」とほくそ笑んで欲しいですね。私も一生懸命研究しますので。今度赤軍担当でプレイする時には、第1次大戦よろしく早期に独・ルーマニアに侵攻しちゃおうかな。「世界に息を呑ます」のは、我が赤軍じゃ!

5月8日2008/05/09 02:28

 おお、何たることだ!「ヒトラー電撃戦」のルールを勘違いしていました。さり気なく赤軍の強襲上陸は禁じてあるではないか!いけませんねえ。せっかく「上手い手」見つけたと思ったのに…
 
 というわけで、その罰として?「赤軍のフィンランド攻め(以下ソ・フィン戦)」について、クドいほど語ってみよう。何?「こんな戦場に作戦もクソもない」だあ?それは確かに。けど、「ココをどう攻めるか」をキッチリ抑えておけば、他の戦線に応用が利くはず。つーわけで、クドクド語ります。
 
 この戦場は「作戦もクソもない」場所である。相手のフィンランド軍(以下フ軍)は最初中立であり、従ってこちらが手を出すまで何もしない。セットアップは完全固定。よって、攻めるなら真正面から殴ってどうこう…ってだけ。この上もなく単純な戦場だ。それは大いに認める。しかしだ。このゲームでは、こんな単純な戦場1つにも「色々考える必要がある」のだ。今回は、「私ならどう攻める」ではなく、「どう攻めるか決断するための材料」を紹介していきたい。
 
 まずはソ・フィン戦の意義。直接的利点は3つ。まず、フ軍が消えれば、枢軸軍はその分弱くなる。当たり前の話だ。次に、カレリアを赤軍が抑えておくことにより、レニングラードがより安全になる。赤軍はここ獲られたら負けってワケではないけど、ここと南方都市群を同時に失うのは相当痛い。少なくとも「簡単に失わない」ようにしておく価値はある。最後に、カレリア占領は赤軍の混成軍ユニットを使うための条件だ。
 
 最後の利点は、細かい解説が必要だろう。混成軍ユニットは、戦車と歩兵により構成されるにもかかわらず、移動・戦闘に関してはフツーの戦車と同等。おまけに「戦力3の戦車ユニット」は混成軍しか存在しない。さらに、使用できるユニットが増えるコトは、戦場に投入できる戦力が増えるコトになる。私のプレイ経験から言えば、「必ず必要」とまでは言わないけど、できれば欲しい。もっとも、早い段階から使えるワケではない(いずれにせよ42年から)ので、焦ってカレリアを占領する必要が薄いことも事実。一応私の見解としては、熾烈なる独ソ戦の最中にカレリア攻めの戦力と補給を捻出する手間を考えたら、ヒマなウチに占領しておく方が勝ると思われる。
 
 欠点は、何と言っても「戦力と補給を失う」に尽きる。どちらも不足しがちな赤軍にとって、フィンランドと正面から渡り合うのは楽ではない。もっとも、多少手慣れてきた赤軍が適切に増援カードを回せば、ある程度の技術革新をした上で「独ソ戦の前に補給量が上限になる」と思われる。こんな備蓄は独ソ戦開始と同時にあっさり吹き飛ぶ(供給以上に消費したくなるので)はずだけど、「とりあえず補給は余っている」と考えることは出来る。むしろ問題は戦力の消費だろう。これは「42年になれば楽になるはず」と考えて割り切るか、あるいは「初期が大事」と考えてフィンランド攻めを諦めるかのどちらかだ。
 
 そもそも、ソ・フィン戦にはどれくらいの補給が必要なのか?これは、コマンドのリプレイに「補給8ポイントと1戦力」という、参考データが掲載されている。しかーし!これは残念ながらさほど役に立たないデータだ。私の見積もりでは、補給消費がこんなに少ないワケがない。これはおそらく…というより、間違いなく「部隊をソコに持って行くための補給量」を計算に入れてない。このゲームは部隊を移動させるだけで補給が必要だ。戦略移動なんて、涙が出るほど(通常移動の倍。戦闘できないのに)補給を食う。このことはシッカリ意識しておきたいね。言うまでもなく、進撃した部隊を「必要な場所」に再展開するためにも補給は必要だ。
 
 そこでまあ、あえて大雑把な試算をしてみよう。カレリアを攻撃できるのは、レニングラードとペテロザヴォツクの2ゾーン。レニングラードには1部隊(2戦力)配置されているから、スタック制限一杯の部隊を戦略移動で展開すると10補給pt 必要。さらに最初の攻撃に6pt必要で、戦闘比は、フィンランド軍が補充を受けていると仮定して基本が3:1。「フィンランド軍の防御」1シフトを戦車で打ち消し、地形(湿地)で2:1。CRTを見ればわかるけど、これはちょっと「ダイスを振るのに勇気のいる」コラムである。相手が後退してくれる確率は1/2でしかなく、失敗すれば再攻撃のためのコストがかかるのだから。
 
 深く考えず、単に「いずれ補給が余るんだから、戦ってみるか」ってだけで作戦立案すると、こうなってしまう。これはどう考えてもよろしくない。いくら「赤軍の補給は最終的には余りがち」と言っても、この補給消費量はちょっと許容しがたい。よって、攻撃などせずに…ってのも一案だ。けど、その前にできることがないか、もう少し細かく考えてみよう。
 
 考慮するべきポイントは3点。そのうち1つは「なるべく戦術移動で部隊を送り込む」だ。ぱっと見カレリア周辺にいる部隊はレニングラードの歩兵だけで、「そんな部隊いるのか?」と考えがち。しかしだ。どうせ攻撃するには部隊を活性化する必要がある。よって、「戦略移動して敵に隣接させてから攻撃のため活性化」するより、「戦術移動2回で敵を攻撃」する方が補給ptの消費が少ない。そう考えると、歩兵で4ゾーン・装甲だと8ゾーン先までの範囲にいる部隊は「戦略移動ではなく、戦術移動で部隊を呼べる」のだ。この考え方は、独軍をプレイする際には特に重要なので注意。そうでないと、ポーランド~フランス~バルカン半島~バルバロッサという「転進」の際に補給を無駄遣いしてしまうから。
 
 これを考慮した上でマップを見渡すと…実は、ミンスク・ヴィテブスク・モジャイスクにセットアップされた歩兵及びキエフ・クイビシェフの装甲は、戦術移動で攻撃準備が出来る。42年になるまではこれ以上部隊を呼んでも無駄なので、「攻撃準備」にかかる補給は5pt以下って計算が成り立つ。
 
 これだけでは「補給の節約」に過ぎない。攻撃の成功率を上げるには?打てる手は2つ。「飛行機を使う」か、「1~3ターンの、フ軍に増援が来る前に攻める」かだ。つまり、飛行機使って早いうちから攻めろということだ。でも、これは口で言うほど楽ではない。赤軍は初期に航空機をまるで持っていないので、増援カードで技術革新して航空機を生産する必要がある。しかし、航空機が生産可能になる増援カードは、補給がロクに入ってこないのだ。ってことは、早いうちからの攻撃が難しくなる…
 
 そうやって考えてゆくと、選択肢はおおむね2つに限定される。第1案は「第2ターンから攻める」もの。第1ターンに補給3ptを使い、ヴィテブスク(歩兵)→レニングラード、キエフ(装甲)→ノヴゴロド、クイビシェフ(装甲)→カリーニンと移動させる。第2ターンに増援カード限定7をオープンし、飛行機と補給3ptを使って戦車を含む3ユニットを活性化、最終戦闘比3:1で攻撃する。失敗の可能性もあるけど、第3ターンは増援カード限定2(補給量が多く、使った空軍を再使用できる)をオープンし、追撃すればカレリアは占領可能だ。
 
 第2案は、「第3ターンから攻める」もの。第2ターンには増援に補給量が多めのカード(技術革新する限定1がオススメ)をオープンし、とにかく攻撃位置に6部隊かき集める。第3ターンに増援カード限定7をオープンし、空軍使って攻撃する。最終戦闘比は5:1になるので、相手はまず後退するだろう。
 
 この2つの作戦案のどちらが良いのか?第1案は補給消費量が少ない(運が良ければ6pt、最大でも9pt)けど、一撃でカレリアを占領できない可能性があるので、自軍の損害が増えるかもしれない。それと、技術革新と無関係な増援カードを早期にオープンするって欠陥もある。「補給6」のユニットは最優先で生産したいのに。ただ、それでも第1案がオススメかなあ。理由は単純。第1案の方がフィンランド全土を占領しやすいから。理屈はこうだ。第1案の攻撃では、第2ターンに最悪でも相手に1打撃を与える。相手がカレリアに居座れば第3ターンに4:1攻撃が行われ、ここでも最悪1打撃与える。残りは1戦力。第4ターンに増援が来るけど、コウヴォラの要塞にいるのは2戦力。これは春以降に空軍付き攻撃をぶちかませば、まあ楽勝である。仮に相手が退却もしくは移動で下がったとしても、3ターンにコウヴォラに3:1攻撃を行える(そのためにいちいちキエフから装甲を運んでいる)ので、結果は似たり寄ったり。いずれ独軍の強襲上陸でフィンランド軍が再生するとしても、再生スピードの遅さ(半年に1戦力)を考えれば、潰しておいて損は少なそうだ。そのための補給は馬鹿にならないけど。
 
 ただまあ、第1案はやや損害が大きい。わずかな優位を活かして相手をすりつぶす前提なので、どうしてもそうなる。独ソ戦開始前に貴重な戦力は失いたくない…って考えは大切だ。そこで第2案を採用して確実にカレリアだけ占領し、後はカレリアに4戦力ほど置いて守りに徹するのも悪くない。どーせ独軍が強襲上陸してくれば、これぐらいの戦力がここで守備する必要に迫られるんだし。要はカレリアを奪ってここで守っていれば、目的の大半は果たせる。そういう割り切りもアリでしょ。補給消費が気になるなら、戦力削って4:1で攻めればいい。この比率なら、相手は絶対一撃で後退するはず。
 
 それと…第1案にはもう1つ欠陥がある。ソ・フィン戦に文字通り全力投球するので、他のことが何も出来ないのだ。独がケンカ売ってくる可能性は考えなくていい(仏が片付く前にバルバロッサやってくれるのなら、ミンスクとキエフをタダでくれてやってオツリが来る)けど、赤軍側から独になだれ込む作戦は採用しにくいかも。これをどう考えるかは、現時点では何とも…
 
 とまあ、色々語ってきたわけだけど、これがこのゲームにおける「単純極まりない戦闘」である。部隊の捻出・戦闘比と補給消費のバランス調整・生産計画と盤上の作戦の連動って要素がどうしたってつきまとうので、これぐらい考えることがあるんだよ。ま、慣れれば感覚的に処理できると思うけど。今回私が「いったい何を言っているのか」理解できるようになれば、チャンとした作戦を立てられるんじゃないかな。「バルバロッサ以前なんて、単なる前哨戦」と言えるようになるためには、少なくともその領域には達さないと。
 
 しかし…ソ・フィン戦争だけでこの分量では、「バルバロッサ」だの「ノルマンジー」だの、果ては「対仏戦最中の赤軍西進」だのといった「重要かつ壮大な作戦」の研究はどうなるんだ…今でも「ユニット切らずにマップだけ見てうんうん唸っている」段階から脱却できない(考えることが多すぎる)からなあ…やっぱ戦略級ゲームはいいね!アホな作戦考える余地がいっぱいあって。次回以降もおそらく阿呆な作戦案を語りますので、見捨てないで(苦笑)。

5月11日2008/05/12 00:15

 金曜・土曜に更新できなかったのは、我ながら意外。ま、色々あったとだけしておきます。大したことじゃないけどね。
 
 本日の話題は、何だかワケわかんなくなっている「ダビング10」について。色は…悩ましいけど、この色なのかなあ。とりあえず、開始時期の延期は間違いないようです。
 
 ダビング10とは?デジタル放送にかけられるコピー制限のことである。とりあえず、9個までコピー作って良く、10回目はムーブになるんだとか。ただし、孫は一切作れないらしい。今現在デジタル放送はコピーワンス(ムーブしかできない)なので、一応便利になるのは間違いない。
 
 私はTV番組に対してすごーく冷淡(あんまり見ないからねえ)なので、このダビング10が「本当に便利なのか」「9個もコピー作らせて良いのか」といった論議は、あえてパス。これについては、かなり時間をかけてギャアギャア大騒ぎしたあげく、妥協の産物として登場したのがこの規格なので。私如きがどうこう言っても意味はない。
 
 問題は、この規格に向けて「最終合意」するはずの会議で話がまとまらなかったこと。理由は一応メーカー側にある。ダビング10の代償として、「私的録音録画保証金」の拡大を飲むよう言われていたんだけど、最後まで「賛成できない」と突っぱねたのだ。
 
 私的録音録画保証金とは?まあ、「複製作るんならお金払ってね」って名目で、機器1台ごとに科せられてる「税金」である。これについての説明も割愛。細かく語り出したら、どこまで行っても止まらないこと確定なので。
 
 とまあ、事実だけを簡単に紹介したわけだけど…私が気にしているのは、「これからどーなる?」だ。色々考えてゆくと、かなりトンデもない結論が出てきそうで面白い(当事者にはたまったものじゃないだろうけど)ので、そこをつれつれと書いてみようかと。
 
 一番可能性が高いのは、「メーカー側が折れる」かな。このダビング10って規格は「誰の目から見てもその場しのぎ」ってシロモノだとか。でも、とにかく何かしら「コレで行く」って制度を決めないとマズい時期に来ているのは間違いない。もうすぐアナログ停波の予定だからねえ。北京五輪前に決着しておかないと、「買い換えのタイミング逃してずるずるアナログ使い続け、土壇場になって大騒ぎする連中」が山ほど出現する危険性がある。それを考えれば、この土壇場で反対する奴は何であれ圧力かけまくり、「とにかくコレで行くんだ!」って決める価値はあるでしょ。ま、役人の考える「平和な世の中」とはこーゆーものだし。
 
 ただ…メーカー側が突っ張り続けたらどーなる?保証金拡大により最も被害を受けると予測されているApple(iPodが対象になるので)は、ちょっと前に「文化庁如きが著作権問題を扱うのは不適切。こんな役所はぶっ潰せ」ってな意見を表明している(あくまで「らしい」だけど)ぐらいだし。また、一部消費者団体もこの姿勢を歓迎しているようだ。私も「その気持ちはわかる」としておこう。
 
 メーカー側に勝算はあるのか?私が思うに、ありそうな気がする。考えようによっては、「現行のコピーワンスでいいじゃん」って結論が出ても困らないので。確かに、「ダビング10になりそうだ」って話をいつまでも放置しておくと、消費者は買い控えする。これはメーカーにとって痛い。しかしだ。よく考えてみれば「新しい規格になりそうだ」から買い控えするのだ。そんな話そのものをぶっ飛ばしてしまえば、買い換えを先送りする理由が無くなる。
 
 それじゃあ消費者が困る…のかは、ビミョー。確かに、現行のコピーワンスは色々使い勝手が悪い。それは認めよう。でも、ダビング10に移行すれば便利になるのか?これは何とも…クソが多少まともなクソに変わった程度で大幅値上げ…なんて感覚もたれたら、アウトだからねえ。
 
 それに、メーカー側には「人質」がある。北京五輪だ。これを機に機器を買い換えようって層は、確実に存在する。特にいわゆる「団塊の世代」はそういう行動を取りそうな世代だ。この世代が日本の消費構造の中心であり続けたことを考えれば、連中に「現行規格の品を売る」ことに成功した場合、ダビング10を通すこと自体に意義が薄れる可能性が出る。
 
 そうやって考えてゆくと、最後は究極の結論が出るかもしれない。「アナログ停波の中止」だ。正直言おう。私はその結論が出てくれないかなと、密かに期待しているのだ。
 
 そもそもだ。TVがデジタル化して、便利になるのか?「画質が良くなる」のは確かだけど、それを皆が望んでいるかどうかはビミョー。これは音の世界を考えてみればよくわかる。カネかければいい音が手に入るのは確かだけど、だからってカネかける奴はどちらかと言えば少数派。ちょっと高めのヘッドホンPCに直結した「だけ」の私でさえ、カネかけた部類に属するからなあ。「ある程度」(具体的なことはわからないけど)が保障されるのであれば、消費者は「画質が良くなるけど、ソコまでカネ出すのは馬鹿だ」と思い始める。
 
 そんでもって、デジタル化最大の恩恵である「コピーに伴う劣化がない」については、とにかく皆が押さえ込もうとしている。結果、アナログ放送より確実に不便になってしまう。その理屈はわかるけど、「だったらアナログのままでいいじゃん」って極論を吐かれた場合、何て答えるべきなのかは誰も知らない。
 
 結局のトコロ、現状では「アナログ放送が駄目」な根拠は「近いうちに停波するから」だと言っていい。いやそうじゃなくて…って理屈が存在することは私も認める。しかし、「他に意義を見いだせない」層が山ほど存在するのもまた事実。最近増加中と言われる「TVなんてあんまり見ない」連中を加えれば、こういう層は案外多いかも知れない。
 
 実際のトコロを考えると、この「究極のちゃぶ台返し」が決まる可能性は低い。国は最後はどんな手を使ってでも阻止しようとするはずだし。ただ、「ダビング10」導入計画に遅れが出たってことは、そういう動きに繋がる可能性がある。相手が降りることを期待してチキンレースで双方突っ張りまくった結果、どっちもクラッシュする可能性はあるのだからして。
 
 ちなみに、私が何で「アナログ停波反対」してるのかと言えば、実にしょーもない理由である。私はTV音声をラジオで聴く習慣があるからだ。愛用のラジオが4バンド対応(AM・FM・短波・TV)だからね。音声だけじゃ困るような番組は見ない(ニュースかスポーツ中継しか見ない)ので、これで充分なのだ。しかしまあ、アナログ停波したらTV音声が聞けなくなるのは間違いない。だから反対しているのだ。
 
 そりゃあね、世の中にはワンセグってシロモノがあるのは知っている。しかしだ。私の知る限り、「短波・AM受信可能な」携帯電話が開発されたって話は聞かない。私にこの両者は必要不可欠なので、結局ラジオは捨てられない。だったら気軽に「ドコで聞くのが一番なのか」比較できる、「TV音声ももラジオで」って方が便利である。
 
 世の中色んな人間がいるけど、こんな理由で「アナログ停波したら困る」なんて人間は少数派であり、おそらく完全に無視されている。それはわかる。でも、だからって自分が「切り捨てられて当然」とまでは思わない。自分に有利になるような動きがあったならば、それを拡大すべく意見を述べる価値はあるはず。最終的に話が通る可能性は低いけど、諦めなければ活路があるかもしれないからね。
 
 TVがどうなる、って話はアチコチで行われていて、本来ならば私如きが首を突っ込むべき話題じゃない。けどまあ、こーゆー立場からのこーゆー意見もあるんだぞと主張しておくのも悪くはないと思ったので、ネタにしてみました。これを機に、皆様も「TVと自分の関係」を見直してみると良いのでは?観るなら観るなりに、観ないなら観ないなりに必要なことだと思うので。
 
 ただ…上記論点には1つ欠点がある。私のラジオは、諸般の事情から「タイマーが付いてる会社」の製品なのだ。2011年まで故障せずに持つのだろうか…そして、買い換えたくなった時に「そーゆー機能を持つ」製品があるのだろうか…

5月12日2008/05/13 00:35

 カジノドライヴ、ピーターパンS快勝。これはめでたい話だ。いわゆる「アメリカンダート」で日本馬が勝ったのは、これが最初では?私は「克服しがたい壁」だと認識していたんだけど、この予想が覆るとは。まさに嬉しい誤算である。
 
 …とまあ、これぐらい褒めておけば、後は愚痴だらけでもいいでしょ(苦笑)。正直言おう。上記感想は嘘じゃないけど、どっか「余所余所しさ」があるんだよね。正直言って、思ったより嬉しくないんですが。
 
 嬉しくない理由は簡単。「日本馬が勝った」って気がちっともしないから。国内1戦1勝の馬が「遠征して勝ちました」って言ってもねえ。おまけにこの馬は米国生まれの外国産馬。日本で積んだ調教が大事だってのは認めるけど、それでも…
 
 そもそもだ。こういう使い方されると、「米国で走らせていれば米三冠(ケンタッキーダービー・プリークネスS・ベルモントS)有力候補だったのに、日本なんぞに持って行ったおかげで一冠しか獲れなかった」んじゃねえかって気がするんだよな…しかも、この馬は「米国で走らすことを考えたら」超良血。カネさえ持っていれば、誰でも買いたくなる馬。これじゃあ、感心はしても感動はしないんですけど。
 
 まあ、このコトについては「何を言っても無駄」である。だって藤澤調教師だもの。この人はねえ…正直、「馬券買う人間の気持ちがわからん調教師筆頭」って気がするんだな。こーゆー人がいることそれ自体は否定しないけど、「誰もかも同じ路線」を目指されると困っちゃうような。
 
 身も蓋もない言い方をすれば、競馬の目的ってのは「大レースを勝つこと」ではない。まず馬券買う連中から金を搾り取るコトが目的であり、それが馬主に還元されて…って流れである。調教師の言う「ファン優先」って発言が胡散臭いのはわかるけど、それでも基本は「馬券買う馬鹿に、いかに馬券にカネ突っ込ませるか」だ。
 
 それを踏まえて今回の遠征を考えてみると、正直「日本の馬が勝った」って気が全くしない。外国産だからではない。日本で1回しか使ってないからだ。それだけで愛着持てるんなら、私がモンジューとその息子をあれほど敵視する理由が無くなる。こいつも日本で1回走っているから。ま、負けてるけど。
 
 あらかじめ断っておくけど、実は私、「愛国心」なるものは極めて薄い。日本馬を海外で罵倒するという狼藉を働いたこともあるくらいだ。しかも、勝ったのに。「海外遠征に出かける馬鹿な日本人」は山ほどいるけど、日本馬斬り飛ばしてヤラれて大騒ぎするほどの馬鹿はあんまりいないと思う。
 
 でも、こんな私でも、やはり基本は日本馬だ。何だかんだ言って、つい買ってしまう。その理由は単純。「日本馬だ」ってレッテルがあるからではなく、「良く知ってる馬だから」だ。普段から目の前で走り、勝ったところ・負けたところを眺めている馬だからこそ、つい海外で応援して馬券を買うのである。
 
 良く知ってる馬ってのは、それほど大事なことなのか?大事です。特に海外では。「得体の知れない馬を買う」恐怖ってのは、遠征慣れしたはずの私でも無縁じゃない。香港ではその恐怖を克服している…のではなく、単に「香港馬は得体の知れない馬ではない」って領域に移行しただけ。「知らない馬・親しみを持てない馬」の馬券を買う怖さってのは、今でも根強くある。ま、慣れるとそれが楽しくなるのは事実だけど。
 
 そうやって考えると、カジノドライヴは正直「得体の知れない馬」から脱却できてない。「日本の馬だ」ってしみじみ感じ入るほど、「付き合いが深くない」のだ。これはこの馬の新馬戦を見逃したからそう感じるだけって話はあるけどね。でも、とりあえず私はそう感じる。アタマでは感心しても、心が震えないのだ。
 
 私は別に金持ちではないし、競馬関連の仕事をしてるワケでもない。にもかかわらず海外遠征に出かけてしまうのは、やはり「心震える勝負」を観たいからだ。そのためには、モノサシとなる「よく知ってる馬」がいると便利なんだよ。知っているが故に「あえて斬る」こともあるけど、やはり基本は「知ってる馬から」じゃないかな。
 
 そうやって考えると…その昔々、タイキシャトルって馬がムーラン・ド・ロンシャン使ってくれなかった時から、どうも藤澤調教師はねえ…私と波長が合わないんだな。日本馬が海外遠征すると「何でオレは日本なんかに!」と思うのが私の基本なのに、今回は正直ソコまで感じなかった。これは次走の予定であるベルモントSも同じ。「ま、行く必要ないよね」などと思っているんだな。それに、そもそも本当にベルモントS使うのか?タイキシャトルにすっぽかされた経験を持つ私としては、真剣に疑っているんですけど。あの時のトラウマはまだ癒えてないので…
 
 つーわけで、別に今回は「急遽米国へ遠征」なんてコトはしません。別の予定があるんだからさあ。どう考えてもソッチが優先でしょ。キングジョージだけは話が別なんだって。あそこは心底特別な土地だから。米国はいずれ行くつもりだけど、行くとしたらまずBCからでしょ。私はどちらかと言えば「古馬好き」だからして。
 
 ちなみにだ。カジノドライヴに思い入れが持てないのは、POGで使命し損ねたからではない。それを言うなら、ロクな戦果を出してない「私の指名馬」が何故か帯同馬として連れて行かれたことの方が…特にスパークキャンドル。「何がやりたいのか」よくわからん使い方して、あげく帯同馬ですか。藤澤センセが「駄目にした」んじゃねえかって疑っていいと思うんですけど!さらに、シャンパンスコールに至っては…もう金輪際この厩舎の馬は指名しない!相性悪いんだもの。そういやあそろそろ今年もPOGドラフトの時期だな。カジノドライヴがどうこうより、ソッチの方が気になるとしておこう。フンだ!(苦笑)

5月16日2008/05/17 02:05

 昨日は急に眠くなりダウン。本日は明日の準備のため、ロクに更新できず。いけませんねえ。ただ、明日は年2回の「神聖な日」なので、勘弁して下さいませ。ではでは。

5月19日2008/05/20 00:46

 日曜はまたも「ヒトラー電撃戦」プレイ。ここでは、今回は私も独軍をプレイし、そこでいくつか「確認できたこと」があったので、書いておこう。専門家向け話題ではあるけど、まあ仕方ない。
 
 まずは簡単なトコロから。ソ・フィン戦争に関しては、「私が提唱したプラン」がほぼ最適だろうって共通見解が得られた。ま、そうなるようキッチリ考えたつもりなので、ある意味当然なんだけど。重要なのは、「3ターンにも空軍を使う」こと。ココをケチると、ダイス運次第でかなーりヒドい目に遭う。そのリスクを考えたら、「空軍使ってキッチリ潰しておいた方が、結局お得」ではないかと。もちろんこれは「どうせやるなら」って話なので、あえて「やらない」って選択肢もある。これで「ポーランド戦」に続き、「ソ・フィン戦争」についても「常識」が確立された。やっとかい。
 
 もう1つは、「ゼーレーヴェ」こと英本土上陸作戦について。このゲームでこの作戦を実行するのは「すごく大変」だで片付けられていた。独軍及び西側連合担当者が口を揃えて言っていたので。私も漠然と「大変なので、実行できない」と思っていた。しかし、あえて言おう。不可能ではない。
 
 根拠?そりゃもう、私がもう少し注意していれば、実行できたはずなのだ!実行できないとされていた最大の根拠は、「そんなに空軍集まるワケがない」である。ルール上ものすごく効率の悪い航空消耗戦をやる必要があるので、空軍は山ほど必要。そんなにたくさん空軍を集めるなんて…と思っていたんだけど、不可能ではなかった。だって、空軍の数だけなら、ほぼ必要な数が揃っていた。
 
 部隊を動かすための燃料も、一応必要な数があった。私は「とにかく燃料だ!」って強迫観念があり?バカスカ燃料を生産してたからねえ。この2点をクリアできれば、何の問題も無い…はずだった。なのに、なのに…
 
 足らなかったのは、「陸軍」である。独軍の陸軍が足らない?そんな馬鹿なことがあるはずが…と思うでしょ。理屈はこうだ。私が「今ならやれるのでは?」と気がついたのは、対仏戦の真っ最中だったのだ!一応の目処が付き、後はパリ攻略すればいい…って段階ではあった。とはいえまだ仏軍は一応健在。陸軍に余裕がなかったんだな。
 
 いやね、色々考えたんだよ。パリ攻略を後回しにして…とか。でも、下手に陸軍を引き抜くと、仏軍に港奪回されて上陸部隊が孤立してしまう。いくらヘロヘロの仏軍相手とはいえ、まさか戦線崩壊させるワケにはいかない。そのために必要な部隊数考えたら、上陸するための部隊が足らなかった…上陸しちゃえば、後は何とでもなったはずなのにぃ…
 
 ある意味ムカつくことに、「陸軍の生産量が不足していた」からこうなったのではない。その頃の東部戦線には「赤軍にニラミを効かせるため」ちょっと多めの陸軍がいたのだ!こいつらを計画的に動かしていれば、何とかなったような気も…ああ悔しい。
 
 実を言えば、「後先考えずに実行していれば」何とかなったかも知れない。ただ…ごくわずかとはいえ、「全部パー」になる可能性があったからねえ。それと、上陸したらどーなる、って分析もやってなかった。ブリテン島を全部占領されても、英国は降伏しない。それでも無茶苦茶な痛手だろうけど、その具体的効果が読めなくて…推定では、バルバロッサを放棄する覚悟が必要だった。
 
 今にして思えば、「何でやらなかったんだ…」と、自分を責めたい。勝ち負けがどうこうって話じゃないでしょ。後に続くプレイのためにも、ここは「上陸したらどうなるのか」例を示すべきだった。あんな好機、もう二度と巡って来ない気が…「ナポレオニック・ウォー」で不可能と思われていた「仏軍の英本土上陸」を成功させた私だというのに!ここでゼーレーヴェを成功させていれば、「ブリテン島はオレに占領されるためにある!」と主張できたんだけどなあ(苦笑)。
 
 最後は、バルバロッサについて。これは「私の防衛方針は間違っていたかも?」って意味で振り返っておきたい。英本土上陸を諦めた私は、バルバロッサの準備をした。その結果発見したのは、「赤軍の山」である。私が赤軍をプレイしていた時より、明らかに部隊の数が多い。
 
 そのカラクリは単純。燃料だ。私の見積もりよりも、かなり少なかった。明らかに「燃料より部隊優先」で生産計画立てていたはず。私は「それだとキツい」と思っていたけど、コッチの方が守りやすいかもしれない。とりあえず、私が少し困ったのは間違いない。
 
 ただ…正直、悲観的になるほどではなかった。燃料不足は相当キツいはずなので。包囲されるプレッシャーを与えつつ着実に前進してゆけば、相手は下がらざるを得ない。つーか、多少部隊が潤沢でも「それなりに部隊生産してある」独軍相手に、赤軍が国境付近で戦えるとでも?そうやって部隊を動かしていけば、燃料が足らなくなったはず。私の見積もりでは、どっかで燃料不足からうまく後退できなくなり、包囲が狙えたはずなのだ。
 
 ただ、これはあくまで私の大雑把な見積もり。実際どうなのかは、何とも言い難い。私は一応自信を持っていたけど、これは「そうでも考えないと、やってられない」ってな理由が大きい。赤軍がどう守るのかは、まだスタンダードが確立してないからねえ。でもまあ、参考にはなった。「部隊を多めに生産して、少ない燃料でジワジワ下がってゆく」ってな防御方法もアリかなと。今度本気で研究してみよう。ただ…私ならもっと燃料生産するなあ。我が独軍は燃料備蓄大量にあったので、史実よろしく「燃料不足で動けません」って状態に陥りにくかったはずなので。
 
 つーわけで、そろそろ「盛り上がる局面」の作戦研究に着手しようと思う。ズバリ、「ゼーレーヴェを視野に入れた対仏戦」及び「バルバロッサ」だ。今までやってなかったのかよ!と言ってはイケナイ。その代わりに怪しい奇手奇策を練っていたんだから(苦笑)。ふっ、何でオレがゲーム弱いのか、なんかわかってきた気がするぜ…

5月21日2008/05/22 00:48

 諸般の事情により、本日は更新。水曜に更新するとは、珍しい。ま、代償もあるんだけどね。
 
 本日はまたも「ヒトラー電撃戦」の話題。いやまあ、最近コレのことで頭がいっぱいなので。本日は、「強襲上陸からの戦闘後前進」のルール解釈論を展開し、そのついでに「ルールブックの書き方」論に触れようと思う。
 
 このゲーム、テーマがテーマなので当然強襲上陸のルールがある。しかし、そのルールに関しては曖昧なところが多い。はっきり言って説明不足。よって、比較的詳しい「ルール解釈のやり方」を展開した上で、「具体的にどう処理すりゃいいのか」を考察してみる。なんでこんなことをするのか?そりゃもう、このゲームのルールブックが…(以下略)。
 
 ルールブックを読むと、強襲上陸についてのルールが少ないことに気がつく。ルールが簡単だから…ではない!明らかに省略しまくっている。このゲームの強襲上陸は「空軍を飛ばして橋頭堡を作る」「橋頭堡に部隊を海輸する」「海輸された部隊で戦闘する」の3ステップを踏んで行う。にもかかわらず、この3ステップを1つにまとめて説明している箇所がない。橋頭堡の作り方は空軍の項、部隊の輸送は海輸の項に説明があり、最後の上陸戦闘に関しては戦闘のところで軽く触れてある。
 
 この説明のドコが悪いのか?いやね、確かにコレでも説明にはなっている。しかしながら、「通した」説明がないので、色々と説明不足なんだよ。特に最後の戦闘の部分がヒドい。読みやすさを優先したんだろうけど、やりすぎだ。
 
 文句はこれぐらいにして、問題を示そう。具体的に問題になっているのは、要は「敵がいない場所に強襲上陸した部隊は、何歩戦闘後前進できるか?」だ。港のある平野に上陸した場合・港のある山地に上陸した場合・港のある湿地に上陸した場合・港のない場所に上陸した場合、それぞれ何歩戦闘後前進できるのか?これが不明確なんである。
 
 戦闘関連のルール(電撃戦及び一般戦闘)を読むと、「強襲上陸のみの特別処理」は戦闘比修正に関するものと、「港があり、なおかつ山地ではないゾーンに上陸した装甲部隊は、平野に対して追加の戦闘後前進が出来る」って特典を説明したものがあるとわかる。逆に言えば、これしかない。この「ルールがない」ことが重要。
 
 余談だけど、私が思うに「ルールがない時どう処理する」ってのは論争を産みやすい。要は一般的な処理に従えばいいハズなんだけど、「本当かぁ?」って話になりがちなので。よって、「読みやすい」ルールを意識するならば「冗長なルールは削るべき」なんだろうけど、私はあえて「全部書け。重複は当然と思え。同じコトを何度も説明しろ」と言いたい。そう意識してやっと「必要なルールが揃っている」ものに仕上がるんじゃないかな。
 
 さて、このルールから解釈すると…って、ちょっと待て。「強襲上陸時の戦闘後前進」のルール、ちゃんとあるじゃん。これに従えばいいのであって、ヤヤコシイ解釈論はいらないでしょ!…と思ったアナタ、鋭い。その通りだ。ただし、「だから」問題なのである。結論から言えば、私の解釈に従うと「港のある山地や港のない場所に上陸した場合でも、その先に一歩戦闘後前進できる」となるのだ。ルールに従っているにもかかわらず。
 
 どういうことか?理屈はこうだ。まず、装甲部隊を含めて強襲上陸部隊を編成する。そして電撃戦フェイズに強襲上陸攻撃を宣言する。敵がいないので、目標となった海岸に前進する。追加の戦闘後前進はできないので、ここで停止する。しかし、この次に一般戦闘フェイズがある。ここで隣接ゾーンに「カラ攻撃」を宣言し、そこに戦闘後前進する。こうすれば、「ルールに従っているにもかかわらず、上陸海岸の先に前進できる」ことになる。以上証明終わり。
 
 この理屈を読んで、「当たり前じゃん」と思った方はいい。問題は「そんな魔法みたいなコトできるのか?」と思った方。ルールにシッカリ「できねえ!」と書いてあることを実行に移したんだから、そう感じるのは無理もない。私も「できるんだろうな」と思いつつ、確信までは得られなかった。そこで、本当にこんなことができるのか、検証してみよう。
 
 まず問題になりそうなのが、「カラ攻撃」だろう。このゲームは敵のいない場所に攻撃して良いのか?結論は「できる」となる。日本語ルールでは、一般戦闘の時には「敵のユニットを攻撃」しなきゃイケナイように書いてあるけど、これは誤訳。原文では、「攻撃対象は隣接ゾーン」となっている。
 
 そもそもだ。カラ攻撃不能とすると、マズいコトが発生する。このゲームの強襲上陸は、「戦闘の一種」である。橋頭堡に海輸された部隊が目標の海岸に上陸されるためには、戦闘の手順を踏む必要がある。ということはだ。カラ攻撃不能なら、敵のいない海岸に上陸は出来なくなる。「強襲上陸の時にはカラ攻撃していい」ってルールがない以上、そう考えるしかない。なお、強襲上陸が絡まない場合、カラ戦闘はあまり意味がない。詳細は省略するけど、そういうルールになっている。
 
 強襲上陸した部隊が、電撃戦やって良いのか?これは「プレイの例」にあるとおり、やって良い。装甲部隊を含み、電撃戦可能な季節であり、なおかつ目標が電撃戦不能な土地でなければ、強襲上陸部隊でも電撃戦を宣言できる。そんでもって、電撃戦を行った部隊であっても、条件を満たせば続く一般戦闘フェイズに戦闘できる。「強襲上陸したら一般戦闘行えない」なんてルールはない。
 
 それじゃあ、「強襲上陸の時の戦闘後前進」に制限がある意味ないじゃん!いや、チャンと意味あります。「ル・アーブルに上陸~パリに前進」と、「スタヴァンゲルに上陸~オスロに前進」という場合を比較してみよう。私の解釈に従えば、上陸地点に敵がいない場合、両方とも戦闘後前進できます。しかし、上陸海岸に敵がいて、電撃戦だけで排除できなかった場合を考えてみよう。ル・アーブル~パリの場合、それでも装甲部隊は戦闘後前進できる。しかし、スタヴァンゲル~オスロの場合、スタヴァンゲルで停止する必要がある。この差は決して小さくないはず。上陸海岸に張り付いていると、反撃されたら後退不能の可能性が高いので余計な損害喰らうからね。
 
 私はこの解釈でいいのでは…と思っているけど、実は反論の余地がある。「港があり、なおかつ山地ではないゾーンに上陸した装甲部隊は、平野に対して追加の戦闘後前進が出来る」という制限は、電撃戦・一般戦闘通しての戦闘後前進制限では?というものだ。こう考えると、「電撃戦で上陸、一般戦闘でさらに前進」ってことはできなくなる。
 
 私が「ルールが足らない!」と吼えている理由はコレである。日本語・英文ルールブックを詳細に眺めて出た結論は、「この戦闘後前進の制限が、電撃戦・一般戦闘を通しての制限」である根拠はなかった。しかし、その逆、つまり「電撃戦で上陸しちゃえば、一般戦闘で戦闘後前進できる」って根拠も特別発見できない。この場合、現状のルールブックに従うなら、一般的な戦闘後前進の規定に従って「海岸の先に進める」と判断するのが正しい気がする。ただ、これがデザイナーの意図に従うモノなのか、ゲームバランスなどをオカシクしないのかと聞かれると…
 
 実は、さらに問題がある。先ほど私は「カラ戦闘はアリだろう」とした。これはいいんだけど、じゃあ具体的にどう処理するのか…って部分がオカシイ。ルールブックに厳密に従うとこうなる。防御側戦力はゼロなので、戦闘比が成立しない。仮に∞:1が成立するとしよう。これは明らかに7:1以上なので、7:1の欄で戦闘を解決する。よって、サイの目5・6が出ると攻撃側に損害が出る。ただし、8:1以上でもあるので、歩兵は装甲部隊同様の戦闘後前進が出来る…なんだそりゃ。
 
 上記処理はどう考えてもオカシイ。防御側の戦力が1の場合、「攻撃側1損害・防御側2損害」って戦闘結果は「防御側1損害」に読み替えるのに。戦力ゼロの場合、このような読み替えの規定がないのだ。これはルールがオカシイだろ。また、8:1以上の比率が成立した場合に認められる、「歩兵の特別な戦闘後前進」が可能かどうかもよくわからん。「常識」で考えたら攻撃側に損害は出ないわけだけど、歩兵が特別な戦闘後前進できるかどうかは「常識」じゃない。私は一応「できる」んじゃないかと思うけど…
 
 ルールがないだけならいい。矛盾までありやがる。「港があり、なおかつ山地ではないゾーンに上陸した装甲部隊は、平野に対して追加の戦闘後前進が出来る」ってことは、港のある湿地に上陸しても追加の戦闘後前進が出来ることになる。これは明らかに「湿地に侵入した装甲部隊は、それ以上戦闘後前進する権利を失う」ってルールと矛盾する。
 
 これについては、やや苦しい解釈を行った。このような矛盾がある場合、普通は「特別性の高いルールは、一般的なルールに優先する」って法則に従って考えた方がいい。しかし、この法則を当てはめると、「通常戦闘では湿地から先に戦闘後前進できないけど、強襲上陸なら可能」ってことになる。これは何かヘンだ。そこでまあ、「港のある湿地に上陸しようとした装甲部隊は、一応その先の平野に戦闘後前進する権利があるけど、実際に湿地に前進した(目標なので必ずソコに前進する)時点でその権利を失う」と解釈してみた。正直、苦しい解釈だ。
 
 なお、「港のない場所に上陸しても1歩前進できちゃうなら、港の意味が薄れる」という意見もあるけど、そんなことはないと思われる。結局港を占領しないと補給が来ないので。港をガッチリ守っていさえすれば、敵が上陸してきたところで意味は薄い。港がら空きなんて馬鹿な配置は、セットアップ時のフィンランド軍ぐらいしかやらない。
 
 ただ…私の解釈に従うと、イタリア半島を守るのが大変かも。「ナポリに電撃戦で上陸、ペスカーラに一般戦闘で戦闘後前進」ってコトをやられると、タラントを守っている部隊が補給切れに追い込まれるかもしれない。要は上陸されうる地点は「ある程度強い部隊で守れ」ってことなんだけどさ。
 
 正直言って、今回の解釈が「正しい」と主張するつもりはない。何かしら間違えている可能性は高い…ってのは認めるけど、そういう問題じゃない。解釈ってのは「多彩にできちゃうのが当然」であり、そのうちどれを採用すべきかは場合による…って性質のモノだから。本来ゲームのルールはそういう「解釈論」が展開不能なレベルにまで厳密に規定すべきである。だ・か・ら・私は常々「ルールブックには全部書け!」って主張しているのだ。削るべき冗長な記述が山ほどあるコトは認めても、必要な「一見冗長に見える記述」の方がもっと多いんだぞと。それを書き漏らすような奴が「読みやすいルール」語るのは早い。
 
 「ヒトラー電撃戦」に関して言えば、ルールブックはダメダメだと言わざるを得ない。日本語版が誤訳の嵐ってだけでなく、原文からしてダメだ。ゲーム自体は面白いし、興味深いんだけどね。つーわけで、私から何かしら救済措置をとれないか、考慮中だったりします。あまり期待しないで欲しいけど。

5月23日2008/05/24 02:18

 明日も仕事。まいったね。せめて雨はカンベンしてもらいたいんだけど、期待できそうもない。日曜は重馬場かぁ…
 
 本日の話題は、「Macの自作」といこうか。可能になったって噂は前々からあったけど、どうやら「私レベルでもチャレンジ可能」らしいって情報が出てきたので。実行するかどうかはビミョーではあるんだけど。
 
 Macの自作は、ある意味「自作マニアの夢」だった。強気の価格で知られたMacを、自分の手で安く作れたら痛快だ…ってのはあったからね。ただし、従来そんなことは不可能だった。普通に自作市場を彷徨いてるだけじゃ、必要な部品が入手できないので。
 
 ところがだ。Macも時代には勝てなかったのか、IntelのCPUを搭載するようになった。その結果、使っている部品の大半は「自作PCと同じ規格の品」になり、理屈の上では自作が可能になった。ただし、あくまで理屈の上では。
 
 使っている部品は同じなのに、何でMac OSは動かせないのか?ここには「ちょっとしたカラクリ」がある。ただ、そこさえクリアできれば…実際、MacのCPUがIntel製になった直後から、インストールを試みた連中がいるらしいって話はあった。
 
 自作マシンにMac OSをインストールするカラクリについては、「どうやら存在するらしい」って話だけの存在だった。ただ、ここに来て何故かその存在が大きく浮上してきた。その代表が「無許可Macクローン販売メーカー登場」だろう。いかにも「ありきたりの部品で作ってみました」って感じのマシンにMac OS積んで売るという、無謀というか大胆というか…ってメーカーがついに登場したのだ。
 
 その後しばらく注意してニュースを眺めていたんだけど、Appleがこのメーカーを訴えて叩き潰したって話は聞かない。とりあえずは黙認するようだ。そのためか、「どうやったら普通のPCにMac OSをインストールできるのか」って情報がちょろちょろと出てきた。これを利用すれば、私でもMacを作れる…かもしれない。
 
 Macを自作する意味はあるのか?これはビミョーな質問だね。昔々と異なり、今のMacは「性能の割に安い」って話がある。同程度の性能のWindowsマシンと比べた場合、やや値頃感があるからねえ。今のMacはWindowsがフツーにインストールできちゃうので、「iMac買ってWindows使う」ことが現実的な選択肢に入る。その必要性がある人間や一部マニアだけがそうするのではなく、「一般人に推奨できる」レベルで。なにしろApple自身が自ら推奨してるんだから。それを考えれば、「価格面での優位はあまりない」と言われる最近の自作機に苦労してMac OS突っ込むくらいなら、素直にiMac買った方がいいような気がする。
 
 ただ…「それでも」自分の手で作ってみたくなるのは確か。問題は価格じゃないんだよ。まず、「自分の手で組む」ことそれ自体が楽しいってのがある。プラモデル作るのが楽しい、ってのと理屈はあまり変わらない。それともう1つ。「自分の手でアップグレードできる」のが大きい。iMacはいいマシンだと思うけど、拡張性がカケラもなく、自分の手で強化する気にはならない。Macでこの手の拡張性を求めようと思ったら、PowerMacに手を出す必要がある。これは明らかにオーバースペックだ。Xeon(速くて高いCPU)搭載がデフォルトだからねえ。性能の割には割安って言っても、「だからどーした」レベル。個人で所有するにはちょっと勇気が必要なシロモノだ。
 
 とはいえ、PC1台作るのは大変だ。単に「Mac OS動かしてみたい」だけで組むのは、ちょっと勇気が必要でしょ。でも、私は元々「そろそろ新PC導入を考えなくてはイケナイ」状態にある。今のPCにWindows Vistaをインストールしない予定なので。Vistaに必要なスペック考えたら、単に導入しただけだと「モサモサ動く」こと確定。多少いじってやればちゃんと動くはずだけど、限界はミエミエ。だったらそのためのカネを新PCに使った方がいい。そのための準備は整っているのだ。
 
 問題は3つ。まず、「自作機は割安じゃない」ってこと。正直、新PC導入に当たっては「自作ではなく、ショップブランドの格安PC」って選択肢も考慮してたので。そういうPC買ってMac OS突っ込むことも理屈の上では可能だけど、これはちと危険。話によると「AMD製CPUでもMac OSを動かせる」そうだけど、だからって無意味な冒険はしたくない。するってえと部品が全部確認できる自作がむしろ安全ってことになり、選択肢が無くなる。部品の価格はともかく、自分の人件費考えたら自作は高いんだよねえ…
 
 もう1つの問題は、権利問題。自作PCにMac OS突っ込むのは、一応違法だからねえ。まあ訴えられることはまずないので、逮捕だ罰金だ…って心配はいらない。「良心が咎める」ってのも、この際無視しよう。ただ、この状態ではOSがトラブっても完全自己責任。しかも、無料アップグレードに上手く対応できるかさえ疑問。動かしてみて遊んでみる…って程度ならともかく、本格的運用を視野に入れるのなら、やはり我慢して正規のMacを買う方が勝る。アウトローってのは楽じゃないんだよ。
 
 最後の問題は、やはり私自身の技術力。自作テクだの何だのが高いワケじゃないからねえ。昔懐かしい「相性問題」で動きませんと言われちゃったら対応不能。普通にWindowsインストールするのなら相性問題なんて気にならないけど、そーゆー平和なことやりたいワケじゃない。Windowsだって「Mac OS導入→BootcampでWindows Vista運用」なんて阿呆な使い方することになりそうなので、普通の使い方では遭遇しないトラブルに襲われる可能性が極めて高い。そんな時、私は対応可能かぁ?
 
 そんなわけで、一応現段階では「苦悩している」としておこう。せめて先人の知恵が借りられるといいんだけど、こんな馬鹿なことヤル奴がたくさんいるとは思えないからなあ。PC自作ってのも昔に比べれば下火になったので、こういう「怪しげなコト」にチャレンジしてどうこう…って情報は入手しにくくなったし。ただ、「やってみたくなる」ことであるのは確か。マジに悩んでいるんだよね…
 
 つーわけで、もし「自作PCにMac OSインストールしてみました」って情報があったら、私に教えてもらいたい。つーか、誰かやってくれ。Core2アーキテクチャーにIntelマザーって構成のマシンなら、多少古いマシンでも成功する可能性が高いって話だし。ウチのマシンがこの構成なら「新規PCにメイン環境移行して、今のPCで実験」するんだけど、我がFKPはそれ以前の規格だからなあ。「人柱」がいれば、私もやる気が増すんだけど…って、今の流れだと人柱になるのは私か?