5月12日2008/05/13 00:35

 カジノドライヴ、ピーターパンS快勝。これはめでたい話だ。いわゆる「アメリカンダート」で日本馬が勝ったのは、これが最初では?私は「克服しがたい壁」だと認識していたんだけど、この予想が覆るとは。まさに嬉しい誤算である。
 
 …とまあ、これぐらい褒めておけば、後は愚痴だらけでもいいでしょ(苦笑)。正直言おう。上記感想は嘘じゃないけど、どっか「余所余所しさ」があるんだよね。正直言って、思ったより嬉しくないんですが。
 
 嬉しくない理由は簡単。「日本馬が勝った」って気がちっともしないから。国内1戦1勝の馬が「遠征して勝ちました」って言ってもねえ。おまけにこの馬は米国生まれの外国産馬。日本で積んだ調教が大事だってのは認めるけど、それでも…
 
 そもそもだ。こういう使い方されると、「米国で走らせていれば米三冠(ケンタッキーダービー・プリークネスS・ベルモントS)有力候補だったのに、日本なんぞに持って行ったおかげで一冠しか獲れなかった」んじゃねえかって気がするんだよな…しかも、この馬は「米国で走らすことを考えたら」超良血。カネさえ持っていれば、誰でも買いたくなる馬。これじゃあ、感心はしても感動はしないんですけど。
 
 まあ、このコトについては「何を言っても無駄」である。だって藤澤調教師だもの。この人はねえ…正直、「馬券買う人間の気持ちがわからん調教師筆頭」って気がするんだな。こーゆー人がいることそれ自体は否定しないけど、「誰もかも同じ路線」を目指されると困っちゃうような。
 
 身も蓋もない言い方をすれば、競馬の目的ってのは「大レースを勝つこと」ではない。まず馬券買う連中から金を搾り取るコトが目的であり、それが馬主に還元されて…って流れである。調教師の言う「ファン優先」って発言が胡散臭いのはわかるけど、それでも基本は「馬券買う馬鹿に、いかに馬券にカネ突っ込ませるか」だ。
 
 それを踏まえて今回の遠征を考えてみると、正直「日本の馬が勝った」って気が全くしない。外国産だからではない。日本で1回しか使ってないからだ。それだけで愛着持てるんなら、私がモンジューとその息子をあれほど敵視する理由が無くなる。こいつも日本で1回走っているから。ま、負けてるけど。
 
 あらかじめ断っておくけど、実は私、「愛国心」なるものは極めて薄い。日本馬を海外で罵倒するという狼藉を働いたこともあるくらいだ。しかも、勝ったのに。「海外遠征に出かける馬鹿な日本人」は山ほどいるけど、日本馬斬り飛ばしてヤラれて大騒ぎするほどの馬鹿はあんまりいないと思う。
 
 でも、こんな私でも、やはり基本は日本馬だ。何だかんだ言って、つい買ってしまう。その理由は単純。「日本馬だ」ってレッテルがあるからではなく、「良く知ってる馬だから」だ。普段から目の前で走り、勝ったところ・負けたところを眺めている馬だからこそ、つい海外で応援して馬券を買うのである。
 
 良く知ってる馬ってのは、それほど大事なことなのか?大事です。特に海外では。「得体の知れない馬を買う」恐怖ってのは、遠征慣れしたはずの私でも無縁じゃない。香港ではその恐怖を克服している…のではなく、単に「香港馬は得体の知れない馬ではない」って領域に移行しただけ。「知らない馬・親しみを持てない馬」の馬券を買う怖さってのは、今でも根強くある。ま、慣れるとそれが楽しくなるのは事実だけど。
 
 そうやって考えると、カジノドライヴは正直「得体の知れない馬」から脱却できてない。「日本の馬だ」ってしみじみ感じ入るほど、「付き合いが深くない」のだ。これはこの馬の新馬戦を見逃したからそう感じるだけって話はあるけどね。でも、とりあえず私はそう感じる。アタマでは感心しても、心が震えないのだ。
 
 私は別に金持ちではないし、競馬関連の仕事をしてるワケでもない。にもかかわらず海外遠征に出かけてしまうのは、やはり「心震える勝負」を観たいからだ。そのためには、モノサシとなる「よく知ってる馬」がいると便利なんだよ。知っているが故に「あえて斬る」こともあるけど、やはり基本は「知ってる馬から」じゃないかな。
 
 そうやって考えると…その昔々、タイキシャトルって馬がムーラン・ド・ロンシャン使ってくれなかった時から、どうも藤澤調教師はねえ…私と波長が合わないんだな。日本馬が海外遠征すると「何でオレは日本なんかに!」と思うのが私の基本なのに、今回は正直ソコまで感じなかった。これは次走の予定であるベルモントSも同じ。「ま、行く必要ないよね」などと思っているんだな。それに、そもそも本当にベルモントS使うのか?タイキシャトルにすっぽかされた経験を持つ私としては、真剣に疑っているんですけど。あの時のトラウマはまだ癒えてないので…
 
 つーわけで、別に今回は「急遽米国へ遠征」なんてコトはしません。別の予定があるんだからさあ。どう考えてもソッチが優先でしょ。キングジョージだけは話が別なんだって。あそこは心底特別な土地だから。米国はいずれ行くつもりだけど、行くとしたらまずBCからでしょ。私はどちらかと言えば「古馬好き」だからして。
 
 ちなみにだ。カジノドライヴに思い入れが持てないのは、POGで使命し損ねたからではない。それを言うなら、ロクな戦果を出してない「私の指名馬」が何故か帯同馬として連れて行かれたことの方が…特にスパークキャンドル。「何がやりたいのか」よくわからん使い方して、あげく帯同馬ですか。藤澤センセが「駄目にした」んじゃねえかって疑っていいと思うんですけど!さらに、シャンパンスコールに至っては…もう金輪際この厩舎の馬は指名しない!相性悪いんだもの。そういやあそろそろ今年もPOGドラフトの時期だな。カジノドライヴがどうこうより、ソッチの方が気になるとしておこう。フンだ!(苦笑)

コメント

_ BS ― 2008/05/13 06:15

フェスティバルのダリアH(ぼそっ

ダート変更だけど馬場状態はFast。

_ F男 ― 2008/05/14 01:01

ああ、そういやそんな実績があったなあ。なんだ、カジノドライヴなんてやっぱり大したことないじゃん(苦笑)
ちなみに、今年の「エレクトロキューショニストの下」をどうしてくれようか、アタマ抱えてます。藤澤じゃ絶対駄目だと思うんだけど…

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