6月3日2008/06/03 23:52

 えー、月曜は体調不良により更新できませんでした。体調不良と言っても、単に猛烈な眠気に襲われただけ。このところ気温の変化が激しいので、少し体が弱っているようです。大変申し訳ない。
 
 本日はこれまで。ネタはあるんだけど、体力が…

6月5日2008/06/06 01:56

 悩んだ末、本日のネタは「ヤングサンデー休刊」としよう。いやまあ、他にもネタが溜まっちゃって困ってはいるんだけど。ネタが無い時は、いくらアタマ振り絞っても出てこないってのに…ブツブツ…
 
 出版業界は全体的に不況が続いているようだ。よって、雑誌の休刊自体は驚くべきコトではない。哀しい話ではあるけどね。それを考えれば、むしろ問題になるのは「何でヤングサンデーなのか」でしょ。そこのところを私なりに分析してみよう。なお、私は業界裏話に疎いので、その方面は(仮に何か知っていても)触れないよう努力する。
 
 ヤングサンデーは、小学館が発行しているヤング系週刊漫画雑誌。毎週木曜発行。とりあえず、ドラマ化された作品がいくつかある。アニメ化はあったかなあ…忘れた(苦笑)。ま、それなりにメジャーな雑誌と言っていい。なにせコンビニに普遍的に置いてある。
 
 ヤング系のマンガ雑誌ってのは、主な対象年齢は中学生以上、メインは大学生ぐらい。対象性別はモロ男性。なにせこの系列の雑誌は、表紙の大半が水着のねーちゃん。ヤングサンデーも同様。エロ描写も多い。「本番行為シーン」すら普遍的に見かける。ある意味表現規制の限界に挑戦してる存在である。
 
 ヤングコミック誌ってのは、結構種類が多い。週刊がヤングマガジン(ヤンマガ)・ヤングジャンプ(ヤンジャン)・ヤングサンデー(ヤンサン)の3つ。隔週でヤングキング・ヤングチャンピオン・ヤングアニマル・ヤングガンガンがある。他に月刊で「この系列に入れて良いのでは?」って雑誌がいくつかあるけど、私が中身確認してないモノも含まれるので割愛する。
 
 この手の雑誌の特徴は、まずグラビアページか。必ずあるからなあ。これを足がかりに芸能界進出って例もあったはず。漫画の傾向としては、エロと格闘が充実ってトコロか?ヲタク度の高い奴より、むしろ低めの奴に焦点が合っている感じ。なお、「ヤンキー」の方々も重要なターゲットのようだ。特にヤンマガとヤングキングは「ヤンキー系」でくくってもいいくらい。
 
 このヤング漫画誌の中で、ヤングサンデーがどういう位置づけにあったかと言えば…苦戦はしてたのかぁ?言われてみると、週刊3誌の中では少しだけマイナー感があった気がする。コンビニに置いてはあるんだけど、扱ってる数が少な目だった気が…ただ、木曜ってのは週刊漫画雑誌だけでヤンジャン・モーニング・ヤンサン・少年チャンピオンがあり、さらに週刊新潮と週刊文春が…という「雑誌激戦区」なので、単なる気のせいかもしれないんだけど。
 
 むしろ気になったのは、「掲載作品の傾向」かなあ。あくまで比率の問題だけど、ヤング漫画誌にしては「社会派の作品」が多めの気が。言ってみれば「ちょっとお堅い」のだ。コミックスの売り上げがどうとか、ドラマの原作としてどうとか言うのなら話は別だけど、ヤング向けの雑誌として考えたら、「どうなのよ!」って気がするね。
 
 あと、グラビアページにも問題があったかもしれない。私はこのジャンルには疎いので、断言は出来ないんだけど。「元ミスヤンジャン」「元ミスヤンマガ」ってネーチャンの話は聞いたことがあるような気がするんだけど、「元ミスヤンサン」って聞いたことがないような…更に、「他の雑誌でも普遍的に出てくるモデルの登場率及びその扱い」がどーだの、「カメラマンの質」がこーだのといった話をすると、そういう結論が出てくるのかもね。私にはよくわからない世界だけど。
 
 ただまあ、雑誌として大きく見劣りしたのかと言われると…一読して「コレじゃ苦しそうだなあ」と感じた月刊ジャンプやコミックヨシモトとは話が違う気がする。むしろ、「総合的な雑誌整理の流れに巻き込まれた」結果ではないかと思われる。ヤンサンが悪いと言うよりは、他も含めた全体を見直した結果、しわ寄せにされただけじゃないかなあ。
 
 小学館ってのは、とにかく漫画雑誌を数多く抱えている。「サンデー系列」と「ビッグコミック系列」があるってのは、ヲタク度低くても知っていそうなモノだ。その辺を含めて考えた場合、「ヤング誌のはずなのに、ヤング以外にウケが良かった」のではないかと推測されるヤンサンは、整理・解体してしまった方が資産の有効利用が出来ると思われたのでは。現時点で詳細は知らないけど、「主な連載作品は掲載誌を移すし、新雑誌も出す」みたいだし。
 
 こういう形の「雑誌廃刊」(私は「休刊」って欺瞞は嫌いだ)は…正直、私は好きになれない。ある意味前向きな解散であり、「良い作品」が巻き込まれて読めなくなるわけでもなさそう。そう考えれば、「読者の被害は少なく、痛みの少ない雑誌廃刊」って気がするのは確か。でもねえ。要は「雑誌自体にダメ出しが出たわけでもないのに、廃刊にされた」わけで…私は、いわゆる「大人の事情」は嫌いなんだよ。
 
 こういう「大人の事情」で廃刊する雑誌が出るってコトは、多分「出版業界の不況」が深刻だからではないかな。普通に考えれば「駄目な雑誌は潰す、いい雑誌はそのまま」ってなるはずだけど、「全体が悪いから、さほど悪くなくても潰して、その資産を他に流用する」ってことでしょ?私は経営論とかよく知らないけれど、なんか「攻めの発想」ではなく、「守りの発想」って気がして仕方がない。天下の小学館がこういう発想をするってコトは、やはりマンガ界全体がヤバいのでは…
 
 まあ、コトの真相はともかく、ヤンサンが無くなることは決定した。ついでに言えば女性向け雑誌も1つ消滅するようだけど、こちらは読んだことがない。本当ならコッチについても語るべきだった気がするけど。とりあえず、「今後漫画界がどーなるのか」は、注目が必要でしょ。なにせ週刊漫画雑誌が1つ消滅だ。これはかなりデカい話だからねえ…

6月6日2008/06/07 06:45

 諸般の事情により、本日は簡素なモノに。重要だけど、書くべきことは結構少ないので。
 
 「ヒトラー電撃戦」のルールが二度にわたり「改訂」された。新ルールブックがPDFで公開されているので、「81号も買わないとプレイできない!」ってことはなさそう。場合によっては「F男版ルール.PDF」を発表する予定だったけど、その必要はないようだ。
 
 このゲームを何度かプレイし、コマンドマガジン編集部に山のように質問・意見・文句を送りつけ、トドメに英文ルールも熟読した(語学力の関係から理解度は低いけど)ものとして、この改訂版ルールについて「解説・意見」を書いておこう。大原則として、現状私はこのルールに賛同しているけど、そこに至る経緯はある程度説明しておいた方がいいと思うので。なお、当たり前だけど私が「重要だ」と思った事項についてのみ語ります。
 
 まず、「補給ptを使い果たしても、補給切れになるとは限らない」となった。これは英文版準拠。おかげで序盤は多少楽になった。第1ターンの独軍は「ギリギリまで補給使わないと、ポーランド戦に不安が残る」状態だったからなあ。後々取り返しが付く他の戦いと異なり、「1ターンで踏み潰す」ことが前提だけに。なお、陣営を問わず「補給pt使い切りは、あまり良い手ではない」(非常時に備えるため)ので、序盤以外に巨大な影響がある改訂ではない。ただ、対仏戦・ノルウェイ戦にささやかな影響が出るのは確実。「独軍第1ターンベストムーブ」を再研究しないと。
 
 ある意味謎の改訂が、「フィンランド・ルーマニア・ブルガリア・ハンガリーが枢軸に攻撃されたら、赤軍として参戦」ってルール。これは日本版オリジナル。これは、「枢軸がルーマニアをあえて攻撃することにより、赤軍の侵攻を防ぐ」というアホな手を封じる目的で導入された。従来のルールだと、これらの国が枢軸から攻撃された場合、「西側連合国として」参戦する。枢軸にとっては西側だろうが赤軍だろうが「敵は敵」かもしれないけど、赤軍にとっては大問題。なにせ西側連合国領は「占領できないくせに、通過するため余計な補給を使う」土地なので。
 
 もし枢軸がポーランドを攻めず、さらにルーマニアをあえて攻撃した場合、赤軍は西側連合国を通過しない限り、東プロシア以外の枢軸領に攻め込むためには西側連合国領を通過する必要がある。これをやられると、赤軍は前線に補給ptを輸送してやる必要が出てくる。この時点で「補給の無駄」が生じるわけだ。オマケに、もし間違って運び込んだ補給を破壊されたら、前線の赤軍はデクノボー(防御は出来るけど)。枢軸がバルバロッサ放棄して西側イジメに徹する場合、これは「有効な作戦かも?」って提唱があったんだな。アホな裏技ではあるけど。
 
 これは正直「ヒドい」作戦だ。まあ最初から参戦していて、なおかつ「どう考えても赤軍は敵」であるポーランドは仕方ない。けど、「かなりマイナスが生じるにもかかわらず、枢軸はルーマニア的に回した方がお得」ってのは、どうなのよ。そこでこの改訂が導入されたわけだ。これにより、枢軸がルーマニアを敵に回す利点がゼロになり、ついでにポーランドを温存する意味が多少薄れたはず。良かった良かった。これに関しては、最初から「マズい」と気がつかなかった原版スタッフが悪い。
 
 増援関係では、赤軍の3戦力歩兵及び独軍エリートの扱いが明確化された。要は「補給源ゾーン以外では、両替で登場させてはイケナイ」ってことだ。赤軍3戦力歩兵ってのは要は打撃軍もしくは親衛赤軍だから、「両替を使った神出鬼没の部隊展開」はマズいよね。これは英文ルールが「いったい何を言ってるのか、サッパリわからん」って表記だった関係で混乱があったようだけど、スッキリした解釈が示された。なお、独軍エリートは「アフリカでは両替で登場させていい」となっている。これはロンメル効果だろうな。
 
 あと、「カレリア占領しないと使えない」とされていた赤軍の混成軍(白い戦車ユニット)だけど、このくびきから解放された。これは誤訳。おかげで赤軍のカレリア占領は重要課題ではなくなった。とはいえ、ここがレニングラード防衛に重大な意味を持つことに代わりはないので、私が開発した「ソ・フィン戦争ベストプラン」が無意味ってことにはならない。
 
 海戦のルールについては、ちょっとした説明が必要かな。これは英文版と日本語改訂版でルールが異なっている。ただし、英文ルールが「なんかヘンだ」ってのも事実。英文ルールを私なりに意訳するとこうなる。「攻撃側はダイス振って戦闘解決する。もしそのサイの目が防御側の総戦力以下だったら、再度攻撃を実行してもいい」。おそらく「小戦力の艦隊は、なかなか発見されない」ってことを再現したいルールなんだろうけど、攻撃側の戦力があまり考慮されてない(大艦隊で捜索しても見つけにくいのかよ)点については疑問符が付く。英文版ルールでのプレイを否定するつもりはないけど、現時点では「日本語改訂版ルールでプレイして良いのでは」としておこう。なお、海戦の検証については現在も色々考察中なので、また何か書くかも知れない。
 
 攻撃&強襲上陸については、「カラ攻撃」が禁止されるという明確化があった。ただし、強襲上陸は例外。これは英文ルールブックに従っているとは言い難いけど、英文ルール自体が意味不明なことヌカしていやがるので、制作スタッフの意向に反しているかどうかはよくわからない。これについての私の考察は、先日長々と書いた。
 
 この明確化について、私は反対しない。「英文ルールブックの解釈論に徹するなら、アリだろう」って意見を変える気はないけど、この態度が正しいとは限らないので。これはその昔、私が「戦国大名」(EP/SS)の再版作業に参加した際、痛いほど思い知らされた教訓だ。EP版のルールブックを徹底検証した結果私が導き出した「重税と不穏」のルールはスゴかったからなあ…
 
 そこでまあ、「このルールブックが言わんとしていること」ではなくて、「デザイナーサイドはこのゲームをどうしたかったのか」を推理する方向でルールブックを読んでいくと…これまたよくわからん。強襲上陸のルールに特例がないのは「カラ攻撃はありだから、特例なんていらないよね」って意図の可能性があるんだけど、戦力ゼロのゾーンに対する戦闘結果処理が欠落しているのは「カラ攻撃なんて無いんだから、説明する必要なし」って意図とも読み取れるし。何かしら混乱があったことは間違いない。そもそも何も考えてなかったんじゃねえかって疑惑まである。ただまあ、「何も考えてなかった」なる失礼な前提に立って考えてゆくと、「カラ攻撃は原則禁止」が正しくなるんでないかな。そもそも、カラ攻撃ってテクニック自体について何も考えていないわけだから。
 
 もう1つ重要な改訂は、「電撃戦フェイズに戦闘して2歩戦闘後前進したユニットも、通常戦闘フェイズに戦闘できるようになった」ことだろう。ただし、戦闘後前進できないけど。これは結構重要な改訂なので、注意が必要だね。英文では元々禁じられていなかった。これとカラ攻撃禁止の組み合わせにより、防御側は「うかつなユニット配置は命取り」って要素が強くなった。ユニットがいて戦闘されてしまうことから生じる不利益がデッカくなったから。戦術色が強くなったと言えるだろう。この点には注意が必要じゃないかな。私が考察中の「バルバロッサ防衛プラン」だの「ノルマンジー対策」だのに影響が出ないか、ちゃんと検証しないとなあ。
 
 とまあ、考察が必要な改訂は以上だ。どちらかといえばプレイする人向けと言うより、ゲームデザインに興味を持つ人向けの説明が多かった気がするけど。ただまあ、「完成度が低いバージョンのルール」を知っている人間が多い以上、こういう説明も無駄ではないと思う。ルールの穴を埋めるのは大変なんだよ。この業界に首を突っ込んでいる奴の大半は「ベテラン」なんだから、このことは理解した上でケチをつけるようにしてもらいたいものですね。私も偉そうなこと言えないけどさあ。

6月9日2008/06/10 01:00

 土曜に競馬のことを書く予定だったんだけど、諸般の事情から更新できなかった。すいません。その代わりってワケじゃないけど、本日は競馬の話題です。ただし、ダービー・安田記念の結果とはあまり関係ない方向で。
 
 日曜は安田記念。香港馬が3頭もやってくる。当然、出迎えるのが私の義務ってモノでしょ。そんなわけで、府中へ出かけました。
 
 ウォッカ圧勝に酔いしれた(馬券は聞かないように)後、競馬仲間と府中駅前の居酒屋へ。ここまでは良くある話。「いつもの」ビルについてテキトーに店を選び、入ろうとしたトコロ、なんか無意味に混んでいる。おかしいなあ。ダービーならともかく、メインが安田記念ってだけで「居酒屋満員御礼」ってことはないと思うんだけど…
 
 とりあえず待っていたんだけど、どうも様子がおかしい。とりあえず、大人数の集団が並んでいるようだ。それはわかるけど、動かない。店に入るでもなく、「満員だから」と移動するでもなく、ただ動きがない。店員の姿が見えるので、「店員が出てこない」って状態でもない。何やってんだ?
 
 ボーっと待っていたところ、目の前のアンチャンが口を開いて何が話した。この時点で理由がわかりました。日本人じゃない。おそらく香港人。動かないのは、語学の問題で交渉に手間取っていたからか…疑問は解けました。なるほどね。
 
 普通の日本人なら、この時点で笑い話にして終わりだろう。しかしだ。香港競馬ってモノを知ってる人間にしてみれば、これは「ちょっと待て」って話である。香港人が安田記念の後に府中の居酒屋で飲んでる…日本人だったら「当たり前」のことだけど、香港人がコレをやるってのは、オカシイのだ。
 
 何で香港人だとオカシイのか?私の知る限り、香港人に「競馬場の近くの飲み屋で飲み食いする」って習慣はないから。新宿辺りで飲むってんならわかるけど、府中駅まで歩けば飲めるなんて、ドコで仕入れた知識だよ。
 
 香港沙田競馬場の付近ってのは、繁華街ではない。付近をうろついたことはあるけど、飲み屋や食い物屋は発見できなかった。競馬帰りに飲み食いしようと思ったら、九龍に出るのが手っ取り早い…というより、他にロクな選択肢がない。
 
 ハッピーバレーは確かに繁華街の近く…どころか、日本で言えば銀座にあたるタイムズスクエアのすぐ近くだ。しかし、ハッピーバレーはほぼナイター競馬。競馬が終わった後は、さすがに飲み食いするような時間じゃない。よって、ここでもやはり「競馬が終わった後に居酒屋で飲み食い」みたいな行動とは縁が薄い。
 
 そうやって考えてゆくと、「香港馬の応援のため、初来日しました」って集団がとる行動ではない。ネット使って調べるって言っても、限度はあるだろ。集団の中に相当な日本通がいるか、あるいは日本人から怪しげな知識仕入れたのか、どちらかに違いない。
 
 日本じゃ当たり前のことが、海外では当たり前じゃない。これは良くある話。「競馬が終わった後、歩いて飲み屋に行って飲む」ってのは、実はこれに該当するのだ。私が知ってる海外の競馬場はそう多くないけど、ドコも「飲み屋なんて見当たらない」トコロばかり。日本独自とは言わないまでも、世界レベルで見た場合、「そんなことは考えもしない」のがむしろ普通じゃないかな。
 
 なのに、府中駅前の居酒屋で店に入る交渉してるってのは…正直、大したものだと思う。海外の「日本行きツアー」なるものの実態は知らないけど、そーゆーモノを利用しているだけでは、何度来日してもわからないことだろうからねえ。この私が香港人だとして、日本にやってきた時に「こんな行動」できるかどうか、自信ないんですけど。さすが香港人。「競馬バカ」ってことに関しては、日本に負けてないね。
 
 しかもだ。よりによって「我々が愛用してるビルの店」ってのが大ギャグである。その昔、このビルの店に「競馬開催中だというのに、開店時間を早めにしない」という大たわけな店があった。居酒屋なんて「17時開店」ってな店が普通だと思うけど、最終レースが終わって換金して、「じゃあ、行きますか」と府中駅付近まで普通に歩いてゆくと、季節によってはもっと早い時間に店に着くんだよね。よって、「開店前なので、しばらくお待ち下さい」などと言われたもの。これに対し、我々は「ちょっと待て。早く店開けないとは、どういう了見だ。ここをドコだと思っているんだ。」って説教したものよ。そのおかげかどーか知らないけど、今現在このビルの店は全部が全部「開店前とはぬかさない」状態。つまり、我々が「鍛えた」店なのだ。ま、鍛えたのは我々だけじゃないと思うけど。
 
 常日頃から「馬券は世界の共通言語」なる意味不明な主張をしている私にしてみれば、こういう形で「日本の競馬文化が海外に伝わる」のは喜ばしい話である。喜ばしい話であるはずなんだけど…何でこんなこと学習するかなあ。正直、恥ずかしいんですけど(笑)。しかも、連中が香港戻ったら、「ジャパンのトーキョーレースコースの近くには、こーゆー店があって…」って話をバラまくんだろうな。うーむ、何か間違っているような…
 
 なお、このビルの中には実は「地雷」がある。注文を受けてからゴーヤチャンプルを沖縄まで採取しに行く店があるのだ(苦笑)。それを考えたら、香港人がその店に踏み込まなくて本当に良かった。危うく国際問題になるところだった。そーゆーことはちゃんとレクチャーしといた方が良かったかな?ついでに「二次会用のカラオケ店」とか、果ては「飲み過ぎで倒れた奴が出た時の搬送先」も。

6月12日2008/06/13 00:59

 小言を言いたいことは多いんだけど、あまり生産的でない小言はどうよってんで自粛。つーわけで本日は、ノー天気に「スピード社の水着が速い理由」をお届けしましょ。なお、思いっきり不真面目なので、本気にしないように。
 
 「着ると速く泳げる」と評判だった、スピード社の水着。先日日本選手が試着した結果を見ると、どうやら本当にスゴいようだ。国際水連が「インチキではない」と公認しているところを見ると、水着自体に浮力があるといった仕組みではなさそう。まさに魔法だね。そこで今回は、その速さの秘密に迫ってみたい。ただし、私なりに。
 
 私が導き出した答えはこうなる。「説明不能」。当たり前のことを…と言ってはイケナイ。私に説明不能ってだけじゃなく、多分駄目にも説明できねーだろうなって意味だ。これは推測だけど、スピード社の開発担当でさえ「何であんなに速いんですか?」って質問の答えは「よくわからない」ではないかと思われる。実際にはもう少し気の利いたこと答えると思うけど。
 
 何故説明不能なのか?流体力学ってのは「そーゆー」世界だから。水着自体に浮力がないにもかかわらず、「体が浮くような感じがする」ってことは、まず間違いなく流体力学絡みだ。ここまではわかる。けど、そっから先は「よくわかんない」世界なのだ。流体力学ってのは、色んな分野の色んな組織が山のようなカネ使って研究してるにもかかわらず、未だによくわかんないことだらけ。それが流体力学である。
 
 流体力学にカネ使っている組織の代表は、飛行機会社だろうな。特に軍用機絡みは。飛行機が軍用に使われて以来、あーでもないこーでもないといじくり回しているけど、それでも謎は多い。「同じエンジン使っているからあんまり性能変わらないはずなのに、何故かやたら高性能」って機体が存在するからなあ。第二次大戦当時の米軍の傑作P-51は、「なんであんなに速度出るのか、実はよくわかってない」そうだし。もちろん、「何故かやたら低性能」って機体も山ほどある。
 
 流体力学はよくわかってない部分が大きいので、「凡人がカネと手間を大量に使って導き出した線より、天才が何気なく引いた線の方が上」って世界でもある。これを象徴するのはF1かなあ。自動車メーカーが威信と宣言効果を掛けて大金つぎ込んでいるのに、「空力性能クソ」ってマシンが平気で出てくるからねえ…フェラーリ・マクラーレン並にカネ使っていると推測され、なおかつシーズン前に「今年は表彰台の真ん中に!」というお約束を吼える某メーカーのマシンなんか、同じエンジン使っているはずのフランクおじさんの個人チームと比べて特別速くなさそーな気がするんですが。
 
 まして、今回問題になっているのは水中。水中での流体力学ってのは、より謎が大きい。空気より明らかに「粘りがある」のは間違いないんだけど、その粘りがどんな影響を与えるのかはよくわかってない。空中だと「ブレーキになる」流れにより気泡が生じれば、浮力になりそうなので得失がビミョー…などなど。にもかかわらず、水着開発にカネかけているとはいえ、まさか戦闘機開発やF1マシンほどじゃあるまい。スピード社の水着があんな素材であんな形状になったのは、つまるところ「色々試してみたら、たまたま良い結果が出た」だけだってことは賭けてもいいね。
 
 ちなみにこの流体力学、実はイグノーベル賞(笑える研究を表彰するモノ)でもおなじみの研究分野である。2005年の化学賞に輝いた「人間はシロップの中と水の中ではどちらが速く泳げるか?」って研究に至っては、そのものズバリ。まさかスピード社の開発陣はこの論文を応用したんじゃあるまいな(笑)。他にも「タイトルだけ読むと脱力ものだけど、実はよくわかってなかった分野の研究」がいくつかあり、流体力学ってモノがいかに「ワケわからん分野」なのかを思い知らせてくれる。
 
 こうして見てゆくと、私が「スピード社の水着が速い理由は説明不能」と言った理由がわかってもらえるのでは。その理由をズバっと説明するためには、流体力学を「極めて」いる必要がある。でも、そんな奴はこの世にいない。最強ステルス戦闘機F-22を開発したマグドネル・ダグラス社の開発者でも、ロシア戦闘機の空力設計をやっているTsAGI(世界最大の流体力学研究所だそうな)の人間でも、そんなことは無理だろう。そーゆー世界のシロモノだからねえ。
 
 まして対抗しようなんて考えた日には…日本水連と契約してるメーカーの努力は認めるけど、「頑張れば何とかなる」世界じゃないと思うんですが。あんな短期間でどうこうするなんて考えたら、それこそ、ジョン・バーナード、ロリー・バーン、エドリアン・ニューウェイ(F1マシンの名デザイナー)並の才能を持つ奴をどこかから引き抜いてこないと。あるいは…何かヒントが転がってないか、「人はシロップの中と水の中ではどちらが速く泳げるか」とか、「ペンギンがうんこする際に生じる圧力:鳥類の排便における計算」といった論文を熟読するか。こう言っては何だけど、ミズノ・デサント・アシックスの考えるところの「頑張って何とかする」には、含まれそうもない方向への努力だな。ただ、他にどーしろと?
 
 北京で誰がメダルを獲るかどうかはさておき、水着開発競争では明らかにスピード社の勝利で間違いないでしょ。これに対して「日本のメーカーは何やってんだ」と言うのは簡単だけど、だからってどーしよーもなさそうだってことは理解してあげていいのでは。なにせ、努力・根性が才能・偶然にあっさり負けちゃう世界の勝負になっちゃったんだから。流体力学なんて、そんなものよ。だから面白いんだけどね。

6月13日2008/06/14 01:25

 ガッカリ。期待させといてそれはねーだろ!購入意欲モーレツにダウン。これではしばらく様子見かもね。つーわけで、本日の話題はiPhone。深く深く失望してしまいました。
 
 私はiPhoneには期待していた。つーか、購入意欲満々。確かに、「新しい携帯」入手したのはつい先日であり、電話切り換える必然性はない。でも、実は元から電話として使うつもりはなく、ネット端末兼iPodとして使うつもりだった。iPhone入手と同時に今の携帯からネット機能切り離して…ってな予定まで立てていたくらいだ。
 
 それゆえ、ガッカリしたのは「キャリアがソフトバンクだから」ではない。au使いなので、「まず駄目」って予想してたし。そもそも現状のiPhoneは「そのまま世界中で使える」モノではないので、電話としては失格。いずれにせよもう1台携帯が必要なので、キャリアはどこでも良かったのだ。
 
 じゃあ、ドコにガッカリしたのかって?追加された機能を聞いて、思いっきり盛り上がったんだけど、実は期待外れだったってオチがついたので。その新機能とは?3G対応でもGPS対応でもない。各種アプリですらない。手書き文字認識である!
 
 今度のiPhoneには、手書き文字認識がある…コレを知った私のカンドーは、どう説明したらいいのかなあ。とりあえず、鼻血出そうになりました。ただ、どうも中国語専門っぽい…必死になって調べたところ、本日正式に「中国語にのみ対応」ってことが判明しました。ああ、そりゃねーだろ!何で日本語対応しない!不可能じゃないはずなのにぃ…
 
 フツーの方々にとっては、かなりどーでもいい機能だと思う。巷ではそれよりも「おサイフケータイに対応してない…」だの、「デコメール対応は…」といった「欠点」を指摘する声に満ちている。おそらく日本人で「日本語の手書き文字認識対応してない」ことを欠陥だと騒ぐ馬鹿は、ごくごく少数ではないかな。けど、痛いんだよ。期待してただけに、裏切られた感が強いんだよ。
 
 何故にこうも騒ぐのかって?IT関連に相当強い奴でも、わかんねーだろうなあ。実は私、Newtonいじったことがあるんだよ。あの時の感触が忘れられなくてねえ。せっかく「帰ってきたのかNewton!」って期待したのに…やはり無理なのかなあ。
 
 Newtonって何か?その昔Appleが出していたPDAである。ジョブズがAppleを去ってから企画され、いくつか関連製品が出ていたんだけど、ジョブズ復帰と同時に葬り去られた。ま、確かに中途半端なトコロがあったのは否定しない。
 
 Newtonのウリは、今や懐かしい手書き文字認識。ザウルスなんかでも実現してましたね。携帯電話の普及に伴い、「通信機能のないPDAなんて邪魔なだけ」って風潮が強まり、今や忘れられたアイテムになってしまいました。
 
 そんな機能を何故求めるのかって?そりゃもう、Appleの手書き文字認識ならば、Newtonライクな使い勝手じゃないかと思って。確かに手書き文字認識するPDAは他にもあった。けど、Newtonは少し「違った」んだよ。細かい使い勝手とかが。あれはあれでよく考えられた、いいハードだったと思う。当時のAppleにNewtonを抱える余裕がなかったのは間違いないけど、「斬り捨てられた」のは悔しかったモノよ。
 
 その後PDAそのものが携帯に駆逐されてレアアイテムとなり、私もNewtonのことは思い出さないようにしていたつもりだった。けど、iPhoneの手書き文字認識見たら…ザウルス覚えている奴はどうだか知らないけど、Newton覚えている奴なら期待したんじゃないかなあ。
 
 なのに、この機能は中国語限定。ひらがな・カタカナに対応してないのは痛すぎる!いずれ対応してくれるのかも知れないけど、何で現段階で対応してない!繁体中国語(香港で売る予定があるらしい。すでに売ってるけど)に対応できるのなら、日本語にも対応できるはずでしょ!アップルストア銀座店で店員を小一時間ほど問い詰め、何で日本語対応しなかったのか説明させたいくらいだ。
 
 とまあ、個人的には盛り下がっているiPhoneだけど、「欲しいアイテム」であることに大きな変化はないかな。足らない部分は「今現在持ち歩いているアイテム」で補完できるので。純粋な電話としては今使っている「ついに欧州にも対応した携帯」があるし、ワンセグがないってのは携帯ラジオ(私には画面のあることより、短波受信できることの方が大事)があれば問題ない。おサイフケータイはSuicaとオクトパスカード(香港版Suica。極めて重要アイテム)があるから不要だ。そもそも私の要求は一般人と大いに異なるので、「全部入り」携帯とやらでも不満が必ず出てくる。だったらiPhoneでしょ。
 
 唯一欠けているのが「Newtonライクな手書き文字認識」である。そんなものを実現しうる携帯電話なんて、iPhoneしかないでしょ。実際、惜しいところまで実現しているのだ。なのに、日本語は駄目…9回ツーアウトでパーフェクト崩された投手並みに悔しい。なまじ希望があっただけに、落胆もデカイ。そんなわけでヘコんでいるんですよ。
 
 ただまあ、中国語対応してるってコトは、日本語対応もそう難しくはないはず。近いうちに対応するって希望はあるね。ファームウェアのアップデートで何とかなるレベルだろうから、「古いバージョン買っちゃって大後悔」ってなことにはならないと思う。そういう理屈はわかるんだけど、だからってこの失望感が消えるワケじゃないんだよね。
 
 つーわけで、とりあえず現状では「iPhoneは保留」です。衝動買いする可能性はあるけど。これで手書き日本語認識さえすれば、速攻で予約(受け付けてくれる店があるらしい。値段も決まってないのに)したんだけどなあ…

6月16日2008/06/17 01:25

 昨日はゲームの日。プレイしたゲーム自体は「面白かったけど、ネタとしてはやや弱い」のでパス。つーわけで、ここで扱うのはその後メシ食ってる時に出た話題、「最近のゲーム雑誌論」かな。
 
 まず「私の立場の説明」から。私は、現状維持でOKって意識が強い。理由はちゃんとある。下手にいじくって「ヒドいダイス目を出してしまう」より、現状維持の方が遙かにマシだから。ゲームにおいては「まず実行して痛い目に遭わないと学習しない」私だけど、ゲーム雑誌がこれをやるのは困る。
 
 何でそんな意識を持っているのかと言えば、やはり「ゲーム雑誌がなかった、暗黒時代のトラウマ」だろうねえ。実は私、この業界から「足を洗っていた」時期がない。誰も相手してくれない時期でさえ、「秘密結社サクセンQ下っ端戦闘員」として、いつの日かやってくるであろう(と勝手に信じていた)ブーム再来を信じていた。
 
 とはいえ、具体的な行動と言えば、たまーに古いゲーム引っ張り出して作戦研究…と言っても大半はソロプレイではなく、マップ眺めているだけ。後は同人版のゲームジャーナル(あまり人気のない号ばかり持っている。人気の号は売り切れが早くて…)を買ったり、コマンドマガジンを買ったり。対戦相手に恵まれている現在とは比べものにならないほど貧弱な活動ではあるね。
 
 こんな時期が長かった関係上、やはり雑誌は「心の拠り所」なんですよ。だって、他に自分が「ゲーマーである」って証明が得られなかったから。よって私はゲーム雑誌に対する依存度が高い。よく「無くなっても困らない」と公言する人がいるけど、私はそれじゃイヤなのだ。どんなにつまらなくても、どんなに高くても、ゲーム雑誌が無くなるよりずっといい。
 
 とまあ、そんな「甘い読者」の私から見ても、最近のゲーム雑誌は「値段の割に内容が薄い」気がするのは確かかな。正直、「私が読みたい」記事が少ないように感じてしまう。この点については、より辛い意見を吐く人のブログでも参照して下さい。
 
 ただ…問題は「じゃあどうすればいいか?」って部分かな。良く聞く意見「発行ペースを落とす」ってのは、私は反対だなあ。自分の「雑誌依存症」をさておいても。正直、それで質が向上するってのは、幻想だと思う。内容今のままで単に発行ペースが落ちただけでは、意味が薄いでしょ。それどころか、総売上が落ちる分経費も削られ、結果として内容が悪化する可能性まである。
 
 こんなこと書くと、「発行ペース落として質重視で…」って路線の雑誌から文句が来そうなので、先手を打っておこう。この世界には確かに「質重視の不定期雑誌」なるものが存在する。その理念は私も認めるけれど、明白に限界はあるよね。この雑誌が「目指しているモノ」を実現するためには、あの質で定期刊行物(最低でも季刊)にしないとイケナイと思う。それができて、初めて「この雑誌が作り出そうとしているようなゲーマー」が本当の意味で育成されるんだと思うな。
 
 「新しいライター」を導入するってのは、いいアイデアだと思う。けど、これまた難しいだろうねえ。あえて皮肉なことを言おう。「ゲーマーの中にも文才がある奴や、意欲のある奴はいる。けど、文才のあるゲーマーは意欲が無く、意欲のあるゲーマーは文才が無く、文才と意欲がある奴はゲーマーじゃない」ってのが現実って気がする。
 
 ただ、これはゲーマー全体を卑下しているワケではない。他の趣味にハマっている人間と比べた場合、ゲーマーは平均的に文才があって意欲がある奴が多いと思う。ブログ書いてる人間なんかを見る限りでは。けど、層が薄すぎる。商業誌のように「縁もゆかりもない人間に読んでもらうことを前提とした場所で、定期的に記事を書く」ことを考えた場合、何かしら足りない人間しかいない。「ある程度突き抜けた奴」が登場するかどうかは確率論的に考えることが可能だから、やはり層が厚い世界の方が有利だからね。
 
 それにだねえ。ある意味品のない話だけど、意欲ってのはつまるところカネで何とかなる。というか、愛だけじゃメシは食えないからねえ。キリストでさえ「パン抜きで何とかなる」とまでは言ってない。でも、この業界層が狭いからカネが出ない。少なくとも、ゲームライターって肩書きだけで生活できる奴はいない。よって、「その程度の」意欲しか引き出せない。それじゃあ才能は他の方面に使われちゃうよね。
 
 そうやって考えてゆくと、むしろゲーム雑誌は「よくあれだけの質を維持できているなあ」って気がする。「昔は良かった」みたいな声もあるけど、日本ゲーム界の「実力」なんてこんなものでは?むしろ良かった時代の方が異常ではないかと。そんな「あぶく銭」みたいなものを懐かしんでも、不毛なだけでは。
 
 なんか夢のない話になってしまったけど、これが「私の考える、冷徹なる真実」って気がして仕方ないんだよね。マイナーな趣味なんて、結局こんなレベルだって。それがイヤだって言うのなら…ゲーム同人誌でも作ってみれば?あの「独特の辛さ」を知ってしまったら、今のゲーム雑誌に文句は言えなくなるような気がするので(苦笑)。

6月17日(特別更新)2008/06/18 02:49

 普通火曜日は更新不能なんだけど、衝撃受けたので緊急更新。昨日の記事に、「とてつもない」コメントがついたので、宣伝?しようと思いまして。色は引き続いてこの色で。
 
 何がどう「とてつもない」のかって?コメントつけて下さったのが、柿崎さんだから。いやまあ、ネットだけに「偽名使った他人」である可能性はさすがに否定できない。しかし、おそらくご本人だ。あれだけの内容の文章を書ける方が、他にいるとも思えないので。
 
 この色の話題について行ける方には説明不要だろうけど、そうじゃない方向けの説明をしておこう。柿崎さんというのは、この世界における「大先輩」の1人。私にしてみれば、尊敬の対象である。こんな方にコメントもらったというのは、「競馬のこと書いたら井崎周五郎先生からコメントが来た」ってのと同じくらい衝撃的だ。
 
 このコメントは、皆様是非読んで下さいませ。はっきり言って、私が書いた本編よりずっと「価値の高い」文章であり、やや目立ちにくいコメント欄にあるのはもったいない。全文をコピペで本編の方に引用した方がいいんじゃないかとも思ったけど、さすがにそれはご本人の意志に反する危険性がある。よってまあ、「皆さん読んで下さい!」って宣伝をしているわけだ。
 
 正直言って、昨日の記事は「あまり出来が良くないなあ」と自己分析していた。ネタの重要性の割に歯切れが悪いし、分量も私にしては少な目。おまけに結論は正直シニカル。もうちょっと色々と工夫する余地があったかも…などと思っていたんですよ。それゆえ、ちょっと気の利いたコメントつけられたら「コメントに負けちゃうなあ」って思いが多少あった。
 
 しかし…よりによって柿崎さんから、本編を上回る長文コメントをいただくとは。まるで「シディ・バラニを占領してひと息ついたところを、ウェーベル攻勢かけられてキレナイカから叩き出された」イタリア軍のようだ。もちろん、私の文章が「グラツィアーニ」で、柿崎さんの文章が「ウェーベル」だ。ウェーベルどころか、ロンメルだな。読む価値が高いのはどちらか、言うまでもない。ブログってメディアの性質上、私の文章の方が文字がデッカイのが申し訳ないくらいだ…
 
 一番の衝撃は、柿崎さんが「私の文章を読んでいた」ことでしょ。何でどーしてこんなものが目にとまる?たまたまググって今回の文章を見つけたのか?それとも…まさか以前から読んでいたとか…それこそ何故どうして?「ゲームの記事は半分にも満たない」ブログだってのに!
 
 内容については、私ごときがどうこう言うような話じゃない。強いて言うなら私の意見に反対ってわけではなく、おおまかな論点については賛同していただけたってところかと。ただまあ、説得力は段違いだし、細かい補足説明も充実しているし、トドメに結論は前向きだ。ごくごく当たり前のことだけど、「やはりかなわないなあ」って素直に思いますね。
 
 しかーし!ここで単に「かないません、以上終わり」で片付けるワケにはいかない。なにせ〆のお言葉が「みんなで支えるしかない世界なのです、多分。」なのだから。ここにある「みんな」とは、当然のことながら私も含まれる。含まれてしまう。層の薄い世界なのだから。非力非才な私であっても、「戦力」になるべく努力しなくてはならない。かなわないのは当然かつ仕方ないとしても、それでも私なりに頑張らないと。
 
 考えてみれば、私は今回「柿崎さんから価値の高いコメントを引き出すことに成功した」わけだ。これはこれで立派なことじゃないかな。箸にも棒にもかからないシロモノだったら、無視されて終わりなのだから。「ブログ上で好き勝手なことを書き散らしているだけのド素人」という今の私の立場を考えれば、素晴らしい成果ではないかと。ものすごい励みになりましたね。
 
 ま、今回は私のことはさておこう。今のゲーム雑誌に不満を持っている人は、柿崎さんのコメントをよーく読んでもらいたい。「現場の第一線」にいる方の発言ってだけで尊重に値するし、さらにボリュームもあって内容も深い。惜しむらくは掲載先が私のブログであり、ツッコミ・意見を書き込んでも返答がもらえるとは限らない(私が書いても意味ないでしょ)ところか。しかし、何で私のブログなんだろ…これだけは謎だ…
 
追伸:柿崎さんへ。コメント冒頭に「初めまして」とありますが、実は私、柿崎さんとお会いしたことがあります。覚えてはいらっしゃらないと思いますが。それだけに、より感慨深いです。

6月18日(特別更新・続)2008/06/19 03:03

 いやはや、何と言って良いのか…一昨日の柿 崎さんに続き、昨日のネタには「太平記システム」で有名な中嶋さんからコメ ントをいただいてしまった…どーゆーこと?正直、混乱してます。よって、本 日も特別更新。
 
 柿崎さんは「スゴい人」ですけど、中嶋さん も負けてはいない。SSシリーズ「太平記」でデザインデビューして以来、 「似たようなシステム」のゲームを多数発表しておられる。毎回似たようなシ ステムというのは、「手抜きではないか」って批判が可能なことは事実だけ ど、中嶋さんの場合はそんなことはない。題材の選び方及びアレンジは見事で あり、これまた尊敬に値する。
 
 いただいたコメントは「普通に考えたら長 め」のもの。さすがに柿崎さんの分量には及ばないけれど、充分「アツい」も のだ。このようなコメントをいただけるとは、私は幸せ者です。それは間違い ないんだけど…
 
 ここで問題になるのは、やはり「何故私のブ ログなのか」でしょ。柿崎さんだけなら、まあ「ググった結果偶然引っかかっ たのでは」って推測が成立する。しかし、中嶋さんまでもが訪問して下さるよ うでは、「たまたまだ」で片付けるわけにはいかないような…本日は、あえて この点を少し掘り下げてみよう。
 
 ここを継続して読んでいる方はすぐわかるけ ど、このブログは話題が安定してない。ゲームは主要なテーマの1つではある けれど、それでも全体の1/3以下の割合でしか登場しない。ゲームのみ (あるいは競馬のみ)のブログとして考えた場合、「更新頻度の低いブログ」に過 ぎないってことになる。これはこのブログの欠陥ではあるけれど、そんなこと は百も承知。このブログの設置目的は「いかについて行けない話題を読ませる か」であり、ついて行ける話題ってのはそのためのエサなのだから。このこと は折に触れて語っていることだ。それに成功しているかどうかはさておき。
 
 それゆえ、私自身はここを「ゲームのブログ として考えた場合、さほど大したことはない」ものだと思ってきた。一応「こ のブログ故の味」はあるだろうから、愛読しているゲーマーがいること自体は 不思議ではない。しかし、「現実の私を知らないゲーマーの間で大いに広ま る」とか、「この世界の有名人が多数愛読している」なんてことは夢物語…だ と思っていたんですが。
 
 いやまあ、これは多少言い過ぎかも知れな い。私は一応「年季だけは長い奴」であり、なおかつ「著名なゲーマーと対戦 する機会がある」って立場にある。それゆえ、自分自身の印象よりは名前が売 れているらしい…って推測はあった。気持ちは今でも「下っ端戦闘員」なんだ けどね(苦笑)。
 
 しかし、だからって「面識の薄い有名人」か らコメントが飛んでくるとは、普通思わないでしょ。柿崎さんは昔々お会いし たことあるけど、面識あるうちに入らないレベル。中嶋さんに至っては、確か 一度もお会いしたことがないはず…正直言って、「常日頃から私のブログを読 んでいる」なんてコトは、想定したこともない。仮に何かの拍子で訪れていた だいたとしても、継続して読んでいただけるなどとは…
 
 ただ、とりあえず「どうも注目されているら しい」のは確か。これをどう解釈するべきなんでしょうね。光栄な話ではある けれども、プレッシャーもデカいんですけど…まあ、とりあえずは「今まで通 り」運営してゆくつもりではあるんだけど。プレッシャー感じたからって、私 の文章力が急に向上するワケないのだからして。
 
 それにしても、不思議だよなあ。どうやって ここの存在探り当てたんだろ。いつ頃からどういう読み方していらっしゃるの かな?正直アクセス解析には興味がないんだけど、さすがにこのお二方は気に なるよねえ…

6月19日2008/06/20 00:29

 て、天津老師まで…デザイナーお三方の連続攻撃ですか。PGGの「オーバーラン~通常攻撃~オーバーラン」ってコンボ、一般人にもわかりやすく言えば、「ジェットストリームアタック」みたいなものです。このブログって、私の想像以上に影響あったのね。しかも、老師のコメントは、私が逃げ回っていた「核心部分」をグサリと…コトがコトなので軽々しく断言できるものではないけど、「商業誌にゲームの原稿を書く」ことを前向きに検討しないとなあ…それが「私に楽しい時間を与えてくれた方々から、暖かくも厳しい指摘を受けた時の礼儀」ってものでしょ。
 
 とはいえ、本日の話題は競馬ネタ。ここはそーゆー場所なので…というより、私がそーゆー人間だから。趣味は広く浅くがモットーなので。つーわけで今回は、「私が提出した今期のPOGリスト解説」といこう。かなり前から今日はこのネタと決めていたので。
 
 私が参加しているPOGは、とてつもない特徴がある。毎回何かしら「ヘンな」ルールがあるのだ。主催が「フツーの」POGでは飽き足らなくなってやってるからなあ。もっとも、付き合ってワケわからん実績出している参加者も参加者だけど。今年の3歳は、英・愛2000ギニー連覇とかやらかしやがった。なんじゃそりゃ。
 
 今年のルールは、それほどヘンではない。地方・海外の実績がカウントされるのはヘンだけど、それぐらいならまだフツーでしょ。問題は獲得頭数。何と1人100頭持ち…おいおい。
 
 これがどれだけトンデモネーかと言うと…JRA所属のサラブレッドが、おおむね二千頭ぐらい。これを10人で100頭ずつ分けるから、約半数のサラブレッドが「誰かの持ち馬」である…参加人数多数の雑誌POGならともかく、草POGでこの数字はスゴい。
 
 こんなことやると集計が大変だ…って話はさておこう。主催が決めたルールで主催が苦しむだけの話だ(苦笑)。問題は指名である。100頭獲得するためのリストをどーやって作れと?これはもう拷問ですね。その昔やった「ネット入札型指名」に比べればまだマトモ(これは参加者全員にトラウマ残すほど大変だった)だと思うけど。
 
 私も当初、マジメに悩んでいた。資料はひととおり揃えていたので、まあやろうと思えば「指名したい馬」を100頭以上集めることは出来る。けど、それじゃ足らないのだ…競合ゼロってコトはあり得ないからなあ。もっとたくさん「指名したい馬」をピックアップして、それに順位を付ける必要がある。この順位付けがまた大変でねえ…
 
 とりあえず「欲しい馬」をピックアップする作業に飽きてきたので、「先に下位指名用の馬のリストを作るか」って気分になった。どっかからリスト引っ張ってきて、ランダムに並べようと。まあ、下位指名なんて露骨に「人数合わせ」だから、これで大きな不満は出ないからねえ。
 
 私のアタマの中に、怪しげな声が囁いたのはこの時だ。どうせランダムに並べるだけって馬が多数出るなら、全部ランダムでもいいんじゃね?それはやりすぎだとしても、ほとんどランダムでも用は足せる。どーせ私の指名馬なんてロクに走らない(過去期間中に重賞を勝ったためしがない。毎回本気だしチャンと競合もするのに…)のだ。ここは「下手の考え休むに似たり」ってことで…
 
 そこでまあ、「とにかくデッカいリストを扱っていそうなサイト」から1200頭オーバーのリスト持ってきて、ランダムに並べました。これは、ほぼ「現時点で中央競馬に登録のある2歳馬全部」に等しい。これなら、何があっても100頭指名可能。競合しまくったとしても、何の問題も無い。う~ん、素晴らしい。
 
 これだけじゃ味気ないので、上位20頭だけは「自分で考えた馬」並べました。チャンと考えたリストから盛大に削って作ったので、おそらく10頭はここから指名されるはず。でもって、残りは完全ランダム。運を天に任せました。
 
 このリストが「邪悪」なのは、思いっきり手抜きだってことだ。労力だけを考えたら、全参加者の中で私が一番「苦労が少なかった」はず。「アンタそれで楽しいのか!」って言われても、キチンとした反論は不能である。ただまあ、このPOG参加者はほぼ全員「ネタ優先主義者」なので、「ウケればいいんだよ」って反論は可能だけどね(苦笑)。
 
 おまけに、このリストは心臓に良くない。ワケわからん馬が上位に書いてあるので、「私の30位指名により、他の人の250位ぐらいが消える」なんてことが発生する。走る走らないを考えたらどうってことはないけれど、私以外の参加者は「100頭指名できるのか?」って怯えが先に来る。「競合しそうもない」と思っていたトコロに指名の手が及べば、これはこれで怯えるでしょ。
 
 ちなみに、今年の1位はキングカメハメハ産駒…と言うより、「松山調教師の馬の中で、一番走りそうな奴」である。まあ、私としてはフツーだね。ちなみに、エレクトロキューショニストの弟にしてモンジュー産駒…って馬は、悩んだ末に上位指名しました。ハーツクライに代わって呪いかけるため(笑)。
 
 去年・今年と、ダービーの結果は「POGフリークにケンカ売ってるような」結果が続いている気がする。去年勝ったのは牝馬のウオッカ。指名した奴は山ほどいそうな気がするけど、まさかダービーを夢見て…ってことはあるまい。今年はディープスカイが勝ったってのはともかく、なんか「夢のない戦績の馬」同士の争い…って気がしたのは事実。馬券的興味はともかく、POG的には「なんかショボい」って気がするんですが。
 
 これはやはり、「サンデーサイレンスという、わかりやすい軸が消えた」影響と言えるのでは。少なくとも、そう感じる奴は結構いたんじゃないかなあ。個人的な印象に過ぎないけれど、やはりPOGは「難解でわかりにくい」ものになったんじゃないかと。
 
 これがPOG人気にいい影響を与えるとは思えない。私たちのように「いきついちゃった連中」はともかく、世の大多数はそんな奴じゃない。勝つにせよ負けるにせよ、「わかりやすい」ものを好むと思うなあ。それが私の考える「世間」だ。
 
 POG人気が冷めるのは、我々にとっても有り難くない。この遊びに活気があるからこそ出回る情報ってものがあるので。ただ、困ることは困るけど、「どうしようもない」とか、「つまんないから足洗う」なんてことはなさそうだ。そういう領域は突き抜けちゃったと思う。なにせ乏しい情報を活かして海外の馬を指名して喜んでいるような連中だからなあ。
 
 正直言って、ココまで突き抜けてもいいことはない。何かしら大切なモノを「売り飛ばして」いないと到達できない領域だからなあ。ただ、この領域に達して初めてわかることがあるのも事実。ここをお読みの方には、賛同してもらえることだと思うけどね(苦笑)。
 
 つーわけで、今年もワケのワカラン戦いが開始されるわけだ。今年もよくわからないトコロでよくわかんない盛り上がりを見せるんだろうな。そーゆー集団によるPOGだからして。イヒヒ、やっぱりこの季節は楽しいな。とりあえず、この季節だけはね…頼むから今年こそ重賞1つ勝ってくれ…