11月6日2007/11/07 01:39

 本日は、唐突に「戦国の一番長い日」作戦研究。何故?挑戦されたからである。私はこのゲームを挑まれたら、逃げるワケにはいかないのだ!だって、私の名前がルールブックに書いてあるんだもの。
 
 何でルールブックに私の名前が?テストプレイに参加したからだ。昔懐かしTAC-CON軽井沢合宿に申込期限ギリギリで申し込んだところ、ちっとも連絡来ないので「参加認められなかったかぁ…」とギリギリまで肉体労働のバイトを入れた私。前日になっていきなり「参加OK」って言われてもねえ…深く考えず普通列車で横川までたどり着き、「軽井沢行きの電車は…」と時刻表を見たら、遅刻確定の時間に特急が来るだけ…ブチ切れて碓氷峠を歩いて越え、サルに襲われかけた(連中は「エサをくれない」って理由だけで襲ってくる)もの。ヌルく「ライブRPGにでも参加するか…」と考えていたけど、「テストプレイヤー募集します」と聞かれたら、返事は1つでしょ!そのバージョンでは三成の戦闘能力が2だったことに衝撃を受け、デザイナー相手に「三成の戦闘能力は3にして欲しい!島左近を単なる武将ユニットにしてでも!」と強硬に主張したのが懐かしい。いやあ、若かったなオレ。
 
 本題に行こう。まず重要なのは、「東軍が西に行くか北に行くか」。小山評定からゲームが始まるので、上杉討伐を行うって選択肢もあるのだ。ただ…私の経験では、やはり素直に西へ向かった方が良いようだ。上杉勢は強いので、会津を占領するのにかなーり時間がかかるのだ。私が参加した過去のプレイでは、東軍が会津を占領した頃には西軍主力が小田原に達し、「こんなデカい城(大阪城並み)陥とせるかぁ!」とブチ切れていた。しかも、多人数プレイ故の連携の悪さをついて上杉勢は残らず日本海方面に脱出、「越後奪回だ!」などと吼えている有様。ココで時間切れ終了となったけど、得点上はともかく気分は「東軍の負け」でしょ。
 
 東軍が西進を選択したとしよう。西軍がやるべきコトは、とにかく戦線を東へ押し上げることである。とりあえずの目標は清洲城。行動力3以上の連中を何とか抽出して、清洲城の東側に送り込む。こいつらが東軍主隊の福島らを抑えている間に、伏見城攻略隊を清洲城に送り込むのだ。こうすると後方の伊勢路などの城攻略が遅れるけど、その価値はある。「快速部隊は進める間は東進し、後方の拠点は足の遅い連中に任せる」と、グデーリアンも語っているでしょ(笑)。
 
 東軍としては、別に焦る必要はない。確かに清洲城を獲られるのは痛い。けど、だからどうした?家康が到着すれば、いずれ戦線がジワジワと西に進むので奪回可能だ。無理はせず、西軍とぶつかった地点で相手の動きを妨害すればいい。そして家康の到着を待つ。時間は基本的に東軍の味方だ。
 
 他の戦線の動きも少し述べておこう。まず東北方面。家康が上杉征伐を行わないのなら、上杉勢には逆らえません。伊達は途中で和睦しちゃうし。後は最上がいつ昇天するか…ってことになるかな。ただ、その後上杉には目標がない。佐竹が動かないと関東平野に進出できないからねえ。テスト段階では越後経由で前田をブチ殺しに行くって選択肢があったんだけど、記憶が正しければこの手はルールで封じられたはず。
 
 実は悩ましい中山道方面。真田昌幸は遊ばせておくのはもったいない。けど、徳川秀忠は「付き合って」くれない…どうせ東海道方面に行っちゃうから。越後に侵入して越後一揆の支援を行う(一揆勢を統率は出来ないけど、それでも手伝うことは山ほどある)のも一案だけど、まあ中山道を西に抜けて主力と合流するのが一般的かな。ただ、そうすると中山道がフリーパスになり、かなりどーでもいい連中がここを通過しようとしてくる。これはこれでウザい…
 
 九州方面?これはもう、一方的。西軍に出来ることは1つ。登場した武将をとにかく薩摩に逃がすことだけ。季刊タクテクスのルール改訂ではこれすら禁じられたけど。なお、黒田如水と加藤清正は滅茶苦茶強いので、あえて薩摩へ突っ込んで島津と雌雄を決するのも一興。
 
 問題は佐竹の調略が終了し、家康が動き出してからだけど…実は、私の作戦研究はここで留まっている。正直、損得がよくわかってない。西軍の方針としては「合戦を覚悟する」「合戦を回避しまくる」の2つがあるんだけど、どちらを採用すべきか計算できてないんだな。おそらくは決戦を覚悟すべきだと思うんだけど…そうしないと、九州での失点が多すぎて多分負ける。けど、合戦を覚悟するのは滅茶苦茶不利だ。なにせ主導権は東軍にある。家康としては毛利や小早川の調略状態を見極め、有利になるまでじっと我慢すればいい。それどころか、単にニラメッコしていればいずれ九州で山ほど点が入ってくる。おそらく最上が消滅して失った点以上に。それに、時間が経てば前田勢もかなり前進できる。この得点と戦力もバカにならない。
 
 西軍が辛いのは、小早川や吉川といった「行動力に難のある連中」を合戦に加えなければイケナイこと。そうじゃないとまず負ける。けど、コイツらを合戦に参加させようとすれば、事実上行動力に大きな制約を受ける。こうなるとジワジワと東軍に押し込まれ、有利とは言い難い局面で合戦…ってことになりかねない。行動力の関係から、自発的に合戦挑めないからねえ。
 
 しかもだ。毛利の戦意が旺盛だったとしても、合戦に勝てるかどうかはビミョーである。徳川秀忠が家康のケツを追いかける形で合流してくるからねえ。私はその昔関ヶ原で家康を待ち受けて合戦したことがあるけど、この時は毛利勢が動いたにもかかわらず苦しくなり、ヤケクソ気味に投入しようとした小早川のクソガキが東軍について敗北した。
 
 これを考えれば、「合戦を回避しまくる」って選択肢も有力ではある。戦国群雄伝システムでは、どちらかが合戦を回避しようと考えれば、まず合戦は起きない。総大将の行動力が劣っていても、避ける手はあるのだ。実際、上杉征伐が行われたプレイで行動力4の総大将徳川家康を擁する東軍は行動力3の総大将上杉景勝を補足できず、モーレツに時間をロスしたあげく上杉勢を取り逃がしている。まして西軍主力が、ある程度損害を被ることを覚悟して時間を稼げば、ゲーム終了まで優勢を保てるかもしれない。ただ…九州どーすんだよ。九州では武将能力に差がありすぎて、遅滞戦術すらロクに出来ない。家康に勝っても黒田如水に負けては、意味がないではないか。
 
 このゲームはとにかくデカいのでプレイ回数を増やしようが無く、ある意味研究もへったくれもない。よって、バランスがどうだの勝利得点がこうだのといったことを考えず、「オレは三成だ!」「オレが家康だ!」ってな雰囲気だけを味わいつつプレイするのが正しいような気がする。あのクソでかい(1ヘクス6kmの日本列島だもの)マップの上を大軍が駆け回る様は、確かにスゴいからねえ。TAC-CON軽井沢であのマップを目にしたテストプレイ参加者各位の、目の輝きは今でも思い出せる。オレもやっぱりそーゆー目をしていたんだろうなあ。しみじみ。
 
 こーゆーゲームだけに、挑まれたら絶対断れない。先日調子に乗って「発掘」してしまっただけに、なおさらだ。あれはイイ…すごくいい。あれをプレイしてこそ、石田三成の苦悩・徳川家康の偉大さがわかるんじゃないかなあ。セットアップにものすげー手間がかかるので、数人でワイワイやった方がいいかもしれないけど、タイマンでも受けて立ちますよ!もちろん、東軍西軍どちらでもOK。なんかシャレじゃ済まない相手にシャレじゃ済まないケンカ売ってる気がするけど、石田三成や直江兼継が家康にケンカ売った度胸に比べたらカワイイものだ。「戦国の一番長い日」を挑まれたら逃げない。それは、その昔倒れる思いをして(TAC-CON終了後にホントに熱出して倒れた)このゲームを拝みに行った、若き日の私に対する神聖なる誓いなのだ。