11月1日 ― 2007/11/02 04:28
本日の話題は、本来なら写真が必要である。ネット上で探せば見つかったのかも知れないけど…そんなわけで、かなーり意味不明なモノになってしまうと思う。そんなのは元々だって話はあるけど。
昨日のサン○ポに、かなーり興味深いモノが掲載された。米国で撮影された、ビッグフット…かな?って写真。とりあえず、撮影者はビッグフットだと主張している。本日のネタはこれ。写真見ないとわかりにくいとは思うんだけど…
ビッグフットとは?かなり有名な未確認生物(略称UMA)である。目撃地は北米ロッキー山脈付近。直立歩行する2~3メートルの「何か」。大型の猿または猿人ではないかって言われている。手元にいい資料がないのでうろ覚えになるけど、確か元々ネイティブアメリカンの間に「そーゆー生物がいる」って伝承があり、白人が進出してからも目撃談がある。かなり怪しげな撮影ビデオもあったような。日本じゃツチノコの方が有名だけど、知名度はネッシーやヒマラヤの雪男イエティに匹敵する。
UMAの目撃談なんて腐るほどあり、大抵はガセもしくはカン違いっぽいわけだけど、写真が出たのは久々かな。もちろん捏造の可能性はあるんだけど、とりあえず単純なカン違いではない。ある意味、ワクワクするニュースである。この手の話が好きな人間にとっては。
UMAを信じているなんて、非科学的…と呼ぶのはどうかと。そりゃあ私も「現代に恐竜が生き残っている!」なんて話をストレートに信じたりはしない。ただ、この世界にまだ未確認の生物がいるのは間違いない。その大半は地味な奴だろうけど、ひょっとするとシーラカンス級の「新発見」があるかもしれないのは事実。私は生物学に多少興味があるので、「新種かも知れない」って聞いただけでワクワクするんだな。たとえそれが昆虫だの魚だのといった「地味な」連中でも。ましてや大型陸上動物だ。捕まえて学名に私の名前を付け、人類文明が存在する限り永遠にその名を残す…ってことをやってみたいものだ。
しかしだ。この「ビッグフットの写真?」ってものを見た私の感想は「ちょっとガッカリ…」である。「見間違えっぽい」からではない。これがビッグフットだとすると、私の期待していたモノと大きく異なりそうだ…ってんでガッカリしている。これがビッグフット?う~ん、何かの間違いであって欲しいなあ…
この写真をよく見ると、なんか黒っぽい、怪しげなモノが写っている。「ただのクマじゃねえか?」ってケチがついているようだけど、ぱっと見はクマっぽくない。むしろサルっぽい雰囲気がある。だから「ビッグフットだ!」って紹介されたのだろう。そこはわかる。私も「どちらかにカネ賭けろ」って言われたら「タダのクマ」に張るけど、「クマじゃない」と言われても納得は出来る。あの辺にいるクマ以外の「あーゆー生物」となると、近くの動物園から逃げ出したゴリラでなければビッグフットだろう。
ただ…あれがビッグフットだとすると、私の予想していたモノとは大きく違うことになる。そこにガッカリだ。たとえるならば、ネッシーは実在したんだけど、首長竜じゃなくて未知のデカい魚でした…ってなものだ。それは確かにスゴイ。スゴいんだけど、何かが違うだろ…その素晴らしさはよくわかるんだけど、どうしてもガッカリ感があるよね。
何でガッカリ感があるのかって?私は専門家ではないので、あれがクマかどうかはよくわからない。でも、背中~腰の辺りを見る限り、「直立歩行動物」には見えない…かなりひいき目に見て、ゴリラと似たような生物。おそらくはクマに近いのでは。私が期待した、「猿人」って可能性はゼロだね。
人間とサルを分ける、最も重要な要素は何か。それは「姿勢」である!人類の祖先は「直立2足歩行をする」以外の点はサル(チンパンジーの祖先と推定されている)とほとんど変わりがなかった…ってのが現在の定説。以前は「体がでかくなったので直立2足歩行を覚えた」説とか「アタマがでかくなったので直立2足歩行を…」説もあった(どちらもそれなりに説得力があった)けど、今のところ化石記録はそれらに否定的だ。
ビッグフットの正体が「デカい猿人」だとしたら、「完璧な直立2足歩行」ができなければいけない。これができなきゃ「猿人」じゃないから。にもかかわらず、今回撮影された「ビッグフットらしきモノ」は、どうもそんなことが出来るとは思えない。ということは、ビッグフットは猿人ではないか、今回撮影されたモノはビッグフットではない…ってことになる。これは、私に言わせればガッカリだ。
いやね、猿人じゃなくてゴリラみたいな生き物だったとしても、スゴいことはスゴい。それどころか、「新種のクマ」ってだけでもモーレツにスゴい。陸上大型哺乳類の新種なんて、それだけでコーフンものだからねえ。それでも…「猿人発見」って衝撃に比べたら劣ってしまうのはわかるでしょ。
私はこの手の「未確認生物」ネタが大好きではあるんだけど、それだけに「ある種の胡散臭さ」があるのもよくわかる。全部ではないだろうけど、その大半は「実につまらないモノ」がその正体のはず。でも、それを認める奴は少数だからねえ。大抵の場合、全否定か「いや、これは○○じゃない!」と主張するか。ツチノコについては、私は「特殊な状態のマムシかヤマカガシのことだろう」と思っているんだけど、この結論を認める奴はまずいない。「そんなものいるわけない」で片付けるか、「そうじゃない、ツチノコはいるんだ!」と主張するか、どちらかだ。その気持ちはわかるけど…
私が見た写真が、本当にビッグフットかどうかはわからない。これは証明するのがすごく難しいからねえ。ただまあ、私が出した結論はこうだ。あの写真に写っているものの正体はよくわからない。ただ、ビッグフットっぽいことは認める。よって、「ビッグフットだ!」と騒がれるモノは、この写真に写っているモノと同様のモノを指している可能性が高い。これが猿人ではなさそうな以上、ビッグフット=猿人って説は放棄した方が良さそうだ。
この写真により、世の中がまた1つ「つまらなく」なったのは間違いない。まあ、私も本気で「ビッグフットは猿人である可能性が高い」と思っていたワケではないんだけどさ。世の中なんてそんなものだよね。ただ、これだけは言っておこう。私はビッグフット=猿人説を事実上放棄した。でも、もし「ビッグフット捕獲計画に混ぜてやる」と言われたら、本気で参加を検討する。猿人じゃないのは心底残念だけど、だからってまだ「未知の生物」って可能性まで否定されたワケではない。類人猿だったら衝撃モノだし、新種のクマでもまだスゴい。それどころか、「実は普通のクマ」というつまらない結論だったとしても、「なるほど、コレは見間違える奴がいるのも当然だ」って結論を自分の中で出せるのなら、確認するため現地へ飛んでゆく価値があると思うな。未確認生物に燃えるってのは、そーゆーものだからね。まあ、「馬のため海外にすっ飛んでいく私のことだから、UMAのため海外にすっ飛んでいく」のも自然なことじゃないかと(苦笑)
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