5月13日 ― 2009/05/14 01:14
深夜やってるアニメ「けいおん!」のおかげで、AKGのK701(ド高級ヘッドホン)が売れているんだとか。K701と言えば、その昔私が秋葉原のビックカメラに置いてあったヘッドホンを試聴しまくり、「群を抜いてこれが一番だな」と衝動買いしようとして、値段見て泡吹いたってシロモノ。その後更に色々試聴しまくり、「この値段この音なら…」と選んだのが、今使っているK501。K701は確かにすご~くイイと思うけど、オープンタイプなので、外の音拾うし音漏れも激しい(その代わり、音のヌケがイイ)ので要注意だ。なお、某IT系サイトに「装着するとかなり重いと思う」などと書かれていたけど、重さを感じさせない装着感もこのヘッドホンの魅力。私もオススメします。高いけど。
本日の話題は、昨日の続き。「国立メディア芸術総合センター(仮称)に収蔵されるべきアナログゲームとは」を論じてみたい。あくまで私個人の意見だけど。とりあえず、議論を盛り上げるキッカケになればと思って。
現時点では、この「メディア芸術センター」とやらが、どんな方針でどんなモノを集めるつもりなのか、公開されているワケじゃない。ひょっとするとアナログゲームも積極的に集めるつもりなのかもしれないし。ただ、おそらくはそんなコトはしないはず。何でもかんでも収蔵しようとしたら、ルーブル美術館並みのスペースでも足らなくなる。とはいえ、コンシューマーゲームの歴史ってモノを考えた場合、アナログゲームのことは紹介して欲しいのも確か。
そこでまあ、この場ではとりあえず「コンシューマーゲーム業界に影響を与えたと推定される」アナログゲームに限って採り上げる、という方針を設けたい。これは何も直接的影響とは限らない。一部コンシューマーゲームにも使われている「ヘクスマップ」が具体的にどういう経緯で採用されたのかはクリエイターの経歴次第としても、「ヘクスマップの元祖」(ブリッツクリークだっけ?)の影響下にあるのは間違いないわけで。
また、「歴史の古さ」を追求するだけではなく、ある程度は「そのゲームの完成度や売れ行き」も考慮するべきだと思う。アナログゲーム研究の専門家(そんなのいるのか?)向けにどうこうって話ならともかく、大半の客はそこまで詳しい話を求めているワケじゃないからね。ゲームクリエイターの卵が「過去のゲームを参考にしよう」と考えた場合、どんなものを参照すればよいのか、その参考になる程度でいいと思われるので。
あと、客の大半は日本人だろうってコトで、「日本語版・国産品」にある程度こだわる。大半のゲームクリエイターにとって、英語版のみってのは敷居が高かったはずだし。もちろん、一部に「日本人ゲーマーは電源無かったらオシマイだと思うなよ!」ってな、アナログゲーマーの意地が混じるんだけど(苦笑)。
まずはRPG部門からいこう。日本のコンシューマーゲームを語る上で、このジャンルは重要だろうからね。このジャンルの「元祖」を語る上で、絶対外せないのはやはりD&D。英語版を収蔵するか日本語版にするのかは悩ましいけど、私は日本語版に1票かな。ただし、ボックスアートその他が英語版に忠実な新和版で。流石にコレは外せない。問題は、こんなものの「未開封美品」がこの世に残っているかどうかだ。
テーブルトークRPGは、日本でも一時期多少流行った。この事実は、ゲーム史を語る上で結構重要な気がする。そのため、「Traveller」(HJ)と「Roads to Lord」(ツクダ)も収蔵して欲しいかな。後者は特に「国産」だからねえ。初の国産RPGは、タクテクス3号付録?の「ドンキーコマンド」ってのが一応の定説だと思うけど、これは「ドコがRPGだ!」ってシロモノだからねえ。「スペースコブラ」(バンダイ…だっけ?)「クラッシャージョウ」(ツクダ)も忘れるワケにはいかないと思うけど、黎明期における代表的なモノを1つ紹介しろと言われたら、「RtoL」になるような。
もちろん、アナログゲーム史を考えるのであれば、この3つ以外にも重要な作品はあると思う。ただまあ、アナログゲーム史を語るのは本筋じゃないので、この3つまでになるのかな。強いて言うなら、「テーブルトークRPGは今も生き残っている」って事実を示すために、最近の作品を入れるぐらいか。もっとも、じゃあ具体的に何を収蔵する…って話は、私がやるべきではないような。最近は全くプレイできてないからねえ。
シミュレーションゲーム部門は…語る価値あるのかどうかビミョーだな(苦笑)。とはいえ、実はウォーシミュレーションゲームの「技法」を使ったコンシューマーゲームってのは結構あったりするので、無視されると寂しい。となると、タクテクス(雑誌じゃなくてゲームの方)とブリッツクリーク(両方ともAH)か?国産の、ヘクス使ったウォーゲームから選ぶとすれば…難しいなあ。単なる歴史的価値以上のモノがあるってコトも考慮して、「独ソ電撃戦」(EP)になるのか?
個人的に「絶対ハズして欲しくない」のは、「戦国大名」(EP)…いやまあ、私が再版に関わったからじゃなくて、「日本の戦国時代は、ゲームのネタとなりうる」ということを決定的に証明した作品として。「信長の野望」(光栄)がこの作品に影響を受けた可能性はむしろ低いのかもしれないけれど、その後のこのシリーズ発展を語る際、影響はあったと思われるわけで。日本アナログゲーム史に燦然と輝く傑作でもあるので、是非収蔵してもらいたい。つーか、そんなゲームのルールを手直しして、追加武将まで作らされた私の気持ちもわかって欲しい。ミケランジェロの壁画修復しろって言われた方が、なんぼか気楽だったんですけど。
ファミリーゲーム系についても、少し語っておこう。囲碁・将棋・双六・トランプといった「辞書に載っていそうなモノ」は収蔵しない(価値がないからではなく、別のところで扱うべきものだから)として、モノポリー・アクワイヤ・ディプロマシーは紹介して欲しいかな。アナログゲームの歴史において多大なる影響を与えたモノとして有名だし、これらのテイストを多少なりとも取り込んだコンシューマーゲームって、結構ありそうなので。「戦国大名」はこの流れで紹介すべきかもね。あと、「野球盤」と「人生ゲーム」は収蔵する意義があるかも。
カードゲーム部門は…実はあんまり詳しくないんだよな。とりあえず、ポケモンを語る上でトレーディングカードゲームを語る必要があり、そうなると「マジック・ザ・ギャザリング」を語る必要があるってところまではわかる。ただ、このジャンルの国産ゲームでどこまで紹介すべきかまでは…このジャンルに詳しい人間はどこかにいるはずなので、その人の意見を参照すべきかと。
マンガやアニメとの連動も重視すべきだろうな。「アニメ・漫画を題材としたゲーム」ってものは、ファミコン以前にもあったんだよってコトを示すためにも。これについては、発売時期こそやや遅いけど、「ガンダムヒストリー」(ツクダ)を紹介すべきかと。このジャンルのゲームとしては「決定版」だと思うので。
番外として、私はあまり詳しくない「パチンコ・パチスロ」にも言及すべきかと。これら単体としてみるならば、今回論じている施設に収蔵すべきモノじゃない(価値がないからではなく、ジャンルが違うから)とは思う。でも、「マンガ・アニメが社会に与えた影響」を語る際、これらをモチーフとしたパチンコ・パチスロを語る必要もあると思われる。平たく言えば、「エヴァ」と「北斗」の初代は展示すべきだろってコトだね。
とまあ、色々好き勝手に作品名を挙げてみたけれど、当然異論はあると思う。しょせん私は「この道に多少詳しい」程度であり、権威ってレベルじゃないからね。実際に「何を収蔵すべきか」決める際には、鈴木銀一郎大佐や安田均先生のような「アナログゲーム界の権威」に相談すべきかと。こんなことは「アナログゲーム業界では常識レベル」なんだけど、それを文化庁の役人が知っているとは思えないんだよな。困るよね(違う)。
コトの是非はともかく、国がマンガ・アニメ・ゲームといった「メディアアート」を収蔵しようって言うんだから、単に「客が喜びそうなモノだけ集めりゃいいんでしょ」という底浅いモノではなく、歴史的経緯とか社会的影響と言った「真面目な視点」も欲しい。それが国の仕事ってモノではないかと。完璧を目指せとは言わないけれど、ある程度は「その道の通さえも唸らせる」ようにしなくては。そのためには、ココに挙げた作品のうち、少なくともいくつかは収蔵する必要があると思うんだけど、どうかね。
本当のことを言えば、アナログゲーム専門ののコーナーを作って、そんじょそこらのコレクターには不可能なレベルの収蔵品を見せてもらいたい(苦笑)。その時には、アレとコレは欠かせないはず…ああ、どこかで「日本シミュレーションゲーム博物館」造ってくれないかな(無理)。
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