4月1日2009/04/02 03:23

 諸般の事情から更新が遅れてしまった。申し訳ない。特別な事情があったワケじゃないんだけど…
 
 本日の話題は、ふと気になったコトを書いてみようかと。一応はここの読者の方への「依頼」ではあるんだけど、まあ形式的なモノだと考えて下さいな。
 
 きっかけは、「ウォーゲーム日本史」誌である。先日書泉グランデでめでたく入手できた。ブックタワーにも置いてあったんだけど、それを確認したのは買った後の話(水道橋で馬券とPOG資料買い、その後神保町経由で秋葉原に至ったから)だったのだ。これを読んでいるうちに、ふと「過去のウォーゲーム雑誌全てにその記事が掲載されたライターって、いるのかな?」ってのが気になった。
 
 そもそも、ゲーム雑誌の対象とは?うーん…正しいか自信ないけど、列挙してみよう。対象は商業誌のみとする。私が思いついた順なので、事実上順不同。面倒なので、発行元はとりあえず省略します。ホビージャパン(タクテクス創刊前)・タクテクス・シミュレーター(旧)・シミュレーター(新)・オペレーション・コマンドマガジン(コマンドマガジン日本語版含む)・ゲームジャーナル(同人時代はあえて除く)・プランサンセット、とりあえず以上だ。
 
 シックスアングルはどーしたのかって?あれは「ゲーム雑誌」ではなく、「ゲーム単体」とみなした。形式的には雑誌なのかも知れないけれど、「ライター」って立場から見たら雑誌とは呼べないでしょ。なお、言うまでもなく、だからってこの雑誌?の価値がどうこうって話にはなりません。
 
 余談だけど、上記の雑誌のいくつかは「正式な発行元がよくわからん」状態だ。旧シミュレーターって、発行元どこになっていたっけ?オペレーションもツクダでいいのかどうか、未確認。これらについては、もし知っていたら教えて下さい。マジに。
 
 これら全てに原稿を書いたライターなんて…多分いない。推測ではあるけれど、それなりに有力だと思う。かなーり譲って「ゲーム関連であれば、ハガキ投稿採用でもOK」としても、駄目じゃないかなあ。
 
 難関その1は、言うまでもなくホビージャパン。ウォーゲーム黎明期の産物だから、かなりの古参兵でないとリアルタイムで読んですらいない。当然私もリアルタイムでは読んでない。そもそも、タクテクスだってリアルタイムに読んだのは「月刊化直前」なのだ。
 
 難関その2はプランサンセット。「ゲームサークルMiddle-Earthの機関誌」に限りなく近い存在だからなあ。ライターの大半が「この世界じゃ中堅程度」までなので、ゲーム雑誌時代のホビージャパンをリアルタイムで読んでいたかどうかすら怪しい人間ばかり。よって、この2つに原稿が採用された人間は、おそらくいない。まあ、この2つはあえて除外して考えてもいいとは思うけど。
 
 難関その3は、オペレーション。実は私、その昔ちらっと読んだことがあるくらいで…中身がどーなっているのか、詳しくは知らない。知らないけれど、とりあえず「ツクダのゲームに関する記事がメインのハズなので、それなりにハードルが高いような。
 
 逆に楽なところとなると、実はコマンドマガジンが筆頭に来るような。単純に号数の問題である。どこかの時点で総頁数がタクテクスを超えていると思われる。それだけ記事があれば、ライターの数も多いはず。また、現在も発行中なので「いずれ採用される」可能性もある。
 
 総頁数は多いタクテクスだけど、案外「この雑誌専門の」ライター率が高いような気もする。この雑誌が消えた後、ゲーム界からは少し距離を置いている(完全に足ヌケしたかどうかはさておき)人が多いように感じるんですが。風の噂によると、「歴史群像」(学習研究社)などに「昔タクテクスに書いていました」ってライターの方を見かけるとか。
 
 今度は視点を変えて、私が思いつく有名ライターの方から「推定採用実績」を考察してみよう。日本で最も多くのゲーム雑誌に記事が掲載された方は、私の推定では高梨俊一先生。つーか、他の方は「オペレーション」に記事掲載されたがどうかが怪しい。高梨先生だって怪しいけれど、まだ可能性はある。
 
 では、難関3つを除くとどうなる?高梨先生はほぼ確実。鈴木銀一郎大佐や大木毅先生はどうだっけ?むしろ可能性があるのは柿崎唯先生かも…とまあ、何名がお名前は思いつくけれど、正直記憶に頼っているので、かなーり怪しい。もし「調べてみました」って奇特な方(流石にそう呼ばざるを得ない)がいましたら、ご一報いただければと。
 
 色んな雑誌に記事が掲載されたからって、別に偉いワケじゃない。大切なのは「どこに」掲載されたかではなく、「どんな」記事が採用されたかどうかだ。でもまあ、新創刊されたゲーム雑誌を入手できたので、ふとそーゆーコトが気になったってだけの話だ。
 
 他人のことばかり語るとツッコミが入りそうなので、私のことも白状しておこう。私は一応新シミュレーター・プランサンセット・コマンドマガジン(掲載年月順)に掲載されたことがあります。何気に多いな。でも、タクテクスには投稿すら採用されなかったんだよな。この雑誌が消え失せた今から思えば、ちょっとだけ悔しいかも。旧シミュレーターは一応リアルタイムに知っているけど、初めて自分で買った号が最終号だった記憶が…
 
 「ウォーゲーム日本史」がどんな雑誌に育っていくのかは、これからの話だ。しかし、これが「ウォーゲーム史に新たな頁を刻んだ」ことは間違いない。それを記念して過去を振り返ってみようと思ったんだけど…なんかグダグダになっちゃいましたねえ。より役に立って面白い話は、手元に古い雑誌を持っている方々に丸投げします(苦笑)。

4月2日2009/04/03 03:02

 本日の話題は、「だからどーした」系の話題。一応鉄道ネタだけど、かなりどーでもいいものです。普段とは逆の意味でご注意を。
 
 きっかけは、ちょっと前の週刊文春に掲載された「ホリイのずんずん調査」って記事。筆者が宮崎に行った際、「鉄道を使って宮崎市から隣接する熊本県の熊本市まで行くのに、他の県を通過する必要がある」ことを発見し、ついでに「鉄道を使った場合、隣接している県なのに、他県を通過しないとお互いの県庁所在地に行けない間柄」がないか調べている。
 
 これ自体も興味深いけど、詳細は雑誌の方に当たって下さい。私が気になったのは、末尾の方でボソっと意外そうに「さいたま(浦和駅)と水戸(水戸駅)って、繋がってないんだ…」って趣旨の発言があったこと。私も埼玉県人だけに少し気になったので、この辺に限定して掘り下げてみます。
 
 埼玉県は内陸にあるので、地味に隣接する県が多い。わかりやすそうな順として南から反時計回りで紹介すると、東京都・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・長野県・山梨県と接している。そのうち、「鉄道を使い、他県を経由しないで」県庁所在地に行けるのは、東京都・千葉県・群馬県のみ。半数以上が他県を経由する必要がある。
 
 山間部でのみ接している、山梨と長野はわからなくもない。栃木って直通できなかったっけ?という方がいるかもしれない。浦和駅には宇都宮線(東北本線)が通っているわけで。もっとも、コレは「埼玉県と栃木県が接している部分って、実は凄く短い(実質渡瀬遊水池だけ)」から生じる現象に過ぎない。群馬と茨城がかなり張り出しているからねえ。そもそも、「埼玉と栃木が接しているのか、群馬と茨城が接しているのか」って問題は、地理のクイズでは定番だったりする。
 
 問題は茨城県である。確かに、水戸駅へは他県を通過しないと行くことが出来ない。最も一般的なのは…多分一度東京(日暮里か上野)に出るパターン(苦笑)。事前に時刻表調べておけば、大宮から新幹線使って小山へ行き、そこから水戸線への乗り換えの方が早いかもしれない。
 
 ところが。意外なことに、浦和駅から「他県を経由せずに茨城県へ行く」ことはカンタンだ。JR宇都宮線に乗り、そのまましばらく北上するだけだ。そうすると茨城県の古河に着く。しかし古河から水戸へは、鉄道で他県を経由せずに行くことが出来ないのだ。少し調べてみたんだけど、古河から水戸へ行こうと思ったら、栃木県の小山を経由する必要がある。ドマイナーなローカル鉄道含め、他の路線は発見できなかった。
 
 私は茨城県についてさほど詳しくないけれど、古河と言えばそこそこ栄えている土地ってイメージがある。そこと水戸を「茨城県だけを通過する」鉄道で結んでいないってのは、少しだけ意外かな。もっとも、古河よりすぐ近くの小山(栃木県)の方が栄えているイメージがあるので、「別に直結する必要はない」ってことなんだと思うけど。
 
 とりあえず「メインの」調査は以上だ。後は、調べてゆくついでにわかった「だからどーした」情報を少しだけ追加する。私は長年「東武線を使って埼玉県(春日部辺り)から日光や宇都宮(東武宇都宮)に行こうとすると、埼玉-茨城-群馬を経由して栃木県に入る」と思っていたんだけど、これは大きな間違いでした。東武線の新古河って、埼玉県内(北川辺町)だったのね。
 
 最後は最もどーでもいい情報を。古河市のサイトによると、何故か三郷が東京都扱いにされていました。どーゆーミスだよ。なんか東京都が茨城県と接しているんじゃねえかって勢いで北に拡大されていたので、なんがのミスまたはバグ絡みだとは思うけど、「八潮や三郷や…(以下略)を東京都に組み込んでくれれば、俺たちも東京連接県なのに」という妄想の産物なのかもしれない(苦笑)。
 
 というわけで、普段以上にどーでもいい話をしてみました。だからどーしたって話は気にしないで欲しい。私自身がそう思っているんだから。でも、いちいち調べた以上、なんか発表したくて…

4月3日2009/04/04 01:12

 諸般の事情により開幕後になってしまったけど、一応はセ・パ両リーグの順位予想なんぞやってみようかと。
 
 まずはパリーグ。今年は混戦が予想されますね。獅子が最下位に転落しても、そんなに不思議な話ではない。でもまあ、6位は「去年が出来すぎ」牛かな。清原引退がミョーな形で悪影響を及ぼすと見た。5位は鷹。監督交代効果が限定的にしか働かないと予想。4位は黄金鷲。監督がなりふりかわまず上位を目指す効果が出ると予想。ちなみに、あの監督の「なりふり構わない采配」とは、自分のストレスが溜まるのを承知の上で、余計なコト言わないように注意することを指す。
 
 3位にハム。地力はあるけど、監督の目指す野球と実際の戦力がかみ合ってない。2位がガム。最後の最後に「監督今年限りだから」ってのがプラスに働き、この順位まで押し上げそうな。1位はあえて獅子。何となくだけど、去年よりマシじゃねえかって気がするので。去年よりよければ、連覇でしょ。
 
 セリーグ。最下位はやはり星かなあ…打線はともかく、投手陣に改善の兆しがなさそうで…5位は、あえて竜。ベテランが不足してきたので、どっかで大失速があると読んだ。4位は鯉。新球場効果とやらで少しはプラスがあると思うんだけど…
 
 思い切って、3位に燕。開幕は負けたけど、去年からの上積みを考えるとこの辺に滑り込めそうな…まあ、希望的観測入りまくりなコトは否定しない。2位に虎。「伝説のカーネルサンダース人形」発見のご祝儀である(苦笑)。1位はジャイでしょ。落ちる要素が見あたらない。
 
 正直言ってこの順位予想、あんまり当たる気はしない。一応オープン戦も結果だけはまめにチェックしてたけど…とりあえず、燕のオープン戦2位は「あまりアテにはならない」とは思う。でもまあ、希望的観測含めてなら3位予想してもいいとは思われる。
 
 燕3位予想の理由は、投手より打線かな。投手はオープン戦前の予想より、「期待ほどは良くなってなさそう」ってなっちゃう。もう少しピリッとして欲しかったんだけどなあ。ただまあ、打線は元気だ。去年よりは得点力が上がっていると思われる。色んな意味で「惜しい」選手ではあったんだけど、宮出を放出する余裕があるくらいだからねえ。もっとも、その代償として得たのが一場ってのは、どうかとも思うんだけど。某監督は「投手コーチが欲しいと言ってきた」などと毒ガスばらまいているけど、本当のところは監督の学閥絡みじゃないかって疑惑が…
 
 先発投手は、石川(今日は打たれたけど)&館山は、ある程度なら信用できる。問題はその次。川島亮はまあいい。新外国人の李もあえて良しとしよう。由規はどうなのかねえ。モノは悪くなさそうだけど、本当に1年先発として乗り切れるのか?先発6番手は、どうも木田か一場…下に落とされた連中の奮起を期待するしかないのかなあ(苦笑)。
 
 中継ぎ・押さえは「多分」大丈夫。林昌勇の精神面が多少(どころじゃなく)心配と言えば心配だけど、WBC決勝でイチローに打たれた後、崩れかけたところをキチンと立て直していたので、あえて大丈夫だと信じたい。でも、あの一打というか一球はなあ…思わず「あっ!」って声出しそうになってしまった。日本代表勝利は嬉しいんだけど、あの勝負だけはちょっと切なかった…燕ファンなら、わかってもらえると思うんだ。
 
 まあ、だからって燕が3位になれるかどうかは…どうなのかねえ。私は可能性はあると見たけど。ただ、正直「優勝できる!」って感じはないなあ。もっと先発投手に手応えがないと。
 
 WBC&春の甲子園の余韻が冷め切らぬうちに開幕した両リーグ。今年も色んな意味で「胃の痛い」日々が始まるわけだ。でもまあ、野球はやっぱりいいよ。今年も熱い戦いを期待したいですね…とまあ、綺麗にまとめて終わろう。そうでないと、我慢している今日の愚痴が…

4月4日2009/04/05 00:40

 本来ならばそろそろカレンダーネタをやるべきなんだけど、諸般の事情から後日に回す。本日のネタは、数週間前から考察し続けてきた「私の考える初心者用ゲームとは:ギブアップ宣言編」をお届けする。何故ギブアップ宣言編?そりゃもう、考えが上手くまとまらなかったから。つーわけで、本日のネタは練り込み不足です。少なくとも私はそう思っています。ご了承下さい。
 
 初心者用のウォーゲームってのは、たまに話題にはなるけれど、決定版と言えるモノがない。「コレで覚えるのが一番!」と言われるモノはいくつかあるんだけど、ソレを使って上手く勧誘できたって話が伴わない。ハッキリ言って、どんなゲームが初心者にふさわしいのかさえ、よくわかってないのでは…ってくらいだ。
 
 世の中そんなモノだ。初心者育成なんて考えるだけ無駄って意見もある。私も正直「育成」された気はしない。ルールを恥も外聞もなく聞きまくり、負けに負けを重ねて何とか覚えてきたのであり、そーゆー世界に飛び込むだけの覚悟というか根性というか…がない人間に向いてる趣味じゃない、って話はある。
 
 ただまあ、レベルの差ってのは色んな意味でいかんともし難いものであり、せめて何かしら「初心者でもうんぬん」ってゲームがあってもいいような気はする。この世界、基本を覚えているのといないのとでは雲泥の差があるので、「とにかく基本を叩き込むには」って部分を何とかした方が良さそうなのは間違いない。将棋にだって「駒落ち」って手法があるのだからして。
 
 そんなコトは色々と語り尽くされているワケではあるんだけど、どうも良い結論が出ない。いやまあ、単に語るだけでなく、より具体的に「こうしてみたらどうだろう」って提唱がされていたり、実際ソレを当て込んだゲームがあったりするんだけどね。でも、正直「結局期待したほどでもない」のが、この世界の悲しい現実って気がするのは確か。
 
 そこでだ。ふと思いついて、「我々は何かカン違いをしていたのではないか?」って仮説に従って、このテーマに取り組んでみた。これはあくまで「仮説」である。この仮説に従って色々考えてゆくうちに、矛盾だとか無理だとかにぶつかるようなら、仮説が否定できる。あえて別方面から考えてみることにより、なんかいいアイデアに繋がったりしないかなって色気を持って考えてみたわけだ。
 
 我々中堅ゲーマーが、初心者に求めることは単純だ。「基本を覚えてくれ」である。基本を覚えてくれれば、ルールの説明がかなり簡単になる。確かにウォーゲームのルールブックは厚いけど、我々は必ずしも全ルールを丹念に読んでいるワケじゃない。基本は覚えているので、ポイントとなる部分にだけ目を通せばそれで足りるのだ。別にアタマの出来がどうこうって話じゃない。
 
 それゆえ、「初心者用ゲームとは」って話になると、「とにかく基本だけ」を抽出したゲームを…ってところに落ち着きやすい。もっとも、「ドコまでが基本なのか」「それで面白いゲームになるのか」を細かく追求してゆくと話がややこしいので、語り尽くされたようなテーマであるにもかかわらず、未だ結論っぽいモノが出ていないんだけど。この見解が間違っているとは思わないけど、ここでは「あえて」無視して話を進める。
 
 あくまで「仮説」なので、あえて大胆な表現をしてみよう。中堅以上のゲーマーは、中堅以上のゲーマーの理屈に従って、「初心者用とは」を語ってきた。これが実は「大きな間違い」だとしたらどうなる?むしろ、「初心者にはルールが簡単なゲームを勧めてはイケナイ」って理屈はあるのだろうか?
 
 屁理屈に限りなく近い(つーか、そのもの)のを承知の上で、私の出した結論は、「ひょっとするとそうかもしれない」である…この結論を認めたくなくて、色々考えてみたんだけど、うまく否定できなくて…どこかが間違っているような気はするんだけどねえ。以下、しばらく「屁理屈」にお付き合い下さい。
 
 「戦争」をテーマにしたゲームってのは、我々のよく知っている「ウォーシミュレイションゲーム」以外にもいくつかある。その代表の1つが「チェス・将棋」だ。将棋には異論もあるらしい(獲ったコマを使えるのは、戦争とは別概念が入り込んだ結果ではないかって説がある)けど、チェスはまず間違いなく「戦争・戦い」をモチーフにしている。でも、チェスから「戦場の臭い」を感じ取るのは、ちょっと難しい。抽象化がかなり進んでいるからだ。だからってゲームとして劣っているワケじゃないのだけど。
 
 それでは、ウォーゲームは「戦場の臭い」がするのかと言われると…とりあえず、私はそれを嗅ぎ取ることが出来る。まあ、中堅以上のゲーマーなら大抵がそうだと思われる。もちろん、「現実の戦場の臭い」とは全く別物だとは思うけど、それはここでは問題にはならない。少なくとも、小説や映画から感じ取れる「戦場の臭い」と同等のモノ(場合によればそれ以上)を味わっている。普通はコレで充分でしょ。
 
 しかしだ。初心者から見たウォーゲームは「戦場の臭い」がするものなのか?おそらくそうではない。なんかワケわかんねー、で終わりだろう。仮にルールを完璧に理解し、それに従ってユニットを動かすことが出来たとしてもだ。ビジュアル面が弱いから…ってのは重要な要素かも知れないけれど、おそらくそれだけじゃない。初心者は、ウォーゲームの盤上から「戦場の臭い」を嗅ぎ取る力、言ってみれば「読解力」が低いからだ。経験がない以上、高いわけがない。
 
 こういう「読解力」は、受け手に読み取ろうという意欲がないと、まるで感じ取ることが出来ない。よってまあ、最低限「読み取ろうと努力してくれる」としよう。それでも、読解力が低い以上、我々ほどはそれを感じ取りにくい。それは仕方ないことだ。ならば、我々がすべきこととして、「戦場の臭いを感じ取ってもらいやすい」ゲームを勧めるのが得策とならないか?
 
 それでは、読解力の低い初心者でも、「戦場の臭い」を感じ取ってもらいやすいゲームってどんなものだろう?ここで、チェスのたとえを思い出してもらいたい。当たり前の話だけど、抽象化が進んでいるモノの方がより高度な読解力を必要とする。そんでもって、あくまで一般論で言えば、ルールを簡単にしようとすればするほど、ドンドン抽象化の度合いが大きくなる。その分、より「戦場の臭い」を嗅ぎ取るための技量が要求されるってことにならないか?よって、初心者には「初心者でも戦争の雰囲気を味わえる程度に、ルールが具象的なモノ(大抵複雑なルールになる)を勧めるべき」って結論も出せるのだ。
 
 この結論、実は私にとっては意外だった。どっかで「初心者はそんなモノ求めていないに決まっている。だから、やはり簡単なルールのゲームをプレイさせるべきなのだ」って結論にこぎ着けると思っていたので。ただ、こうやって形にしてみると、なんとな~くわかるような気もする。「初心者用=ルール簡単なモノ」って図式には、「うまく言えないんだけど、なんか違う気もする」って意見が根強くあったわけで。その、「うまく言えない」理由は、案外この辺にあるんじゃなかろうか。あくまで推測ではあるけれど。
 
 かといって、直接ルールが複雑なモノを…って話にはならないとは思う。ウォーゲームのルールってのは、「上手く活用して」初めて戦場の臭いを感じ取ることが出来る。初心者にそれを要求するのはタイヘンでしょ。ルールが複雑なゲームになると、我々でさえヒイヒイ言っているようなモノも多いんだし。よって、できれば「ある程度ルールが簡単で、それでありながら戦場の臭いが嗅ぎ取りやすい」モノを探してくるって話になる。
 
 そんなテーマって、何かあるのか?ビジュアル面含めて考えた場合、実は作戦級より戦術級じゃねえかって話はある。単純に馴染みやすそうだから。KGパイパーの進撃路がどうこうなんて話は、よほどの歴史マニアかウォーゲーマーしか気にしないことだからして。でも、「歩兵が出てこない」戦術級って、ある意味なんか「戦場らしくない」気もするんだよね…してみると、「歩兵というややこしいモノを出す必要がないのでルールを簡略化でき、それでいながら戦場の臭いを感じ取れるだけの説得力を持たせることが可能な」ガン○ムに代表されるアニメウォーゲームって、実は初心者獲得手段としてそれなりに優秀だったような…まあ、色々限界はあったと思うけど。
 
 とまあ、とりあえず結論っぽいものが出たことは確かなんだけど、この結論は必ずしも「真っ当な」ものではないと思われる。我ながら結構(どころじゃなく)「論理の飛躍」があるような気がするから。それは何となくわかるんだけど、具体的にどこがどうマズくて、ソレを直すと結論はどうなる…ってところまで、考えがまとまらなかったのだ。よってこの段階で世間一般に公表し、読者の皆様の「添削」にお任せしようと思う。理路整然としていれば、反論大いに結構。つーか、私はまだこの結論に「納得」できてないので、誰かに反論して欲しいくらいだ。
 
 とはいえ、我々中堅以上のウォーゲーマーが、ウォーゲームから「戦場の風」を感じ取る能力に長けていること、初心者はおそらくその能力が我々より低めなこと、「戦場の風」を感じ取ってもらえなければ、そのゲームをプレイする価値が低いであろうこと…なんて部分は、あまり間違っていないような気がする。それを多少なりとも明確化できたってのは、あくまで私の中では大きかったかな。まあ、「常識でしょ」と言われそうな話ではあるんだけど。
 
 初心者用ウォーゲームってのは興味深い話題ではあるんだけど、より具体的にどうこうって話になると、「やっぱり難しい」となりがち。ただまあ、酒の席やこーゆー場所でグダグダ語る価値はあるんでないかな。そんなわけで、あえてまとまりの悪いこの話を発表してみました。しかし…何度読み返してもヘンな結論って気がするんだけど、具体的にドコがオカシーのか、うまく特定できない…何故だ。

4月5日2009/04/05 23:27

 本日もこの色で。軍モノonly同人誌即売会「INSIGHT」に行ってきたので。ものすごーく意味不明な体験含め、報告しようかと。
 
 記憶が正しければ、確かこの即売会は今回が2回目。去年よりやや人が少なかった気がする…うーん、これは「2回目」だからか、ブーム?が去ったからか…心配するホドじゃないとは思うけど、ちょっと気になった。
 
 お目当てはゲーム関連。コマンド誌編集部が同人ゲームひっさげていらっしゃるとわかっていたことだし。「バトルアクス作戦」「ガザラの戦い」はわかる。「ブルー○ア」があるのは何故?もっとも、個人的に一番楽しみだったのはこの「ブルーノ○」(苦笑)。
 
 「バトルアクス作戦」「ガザラの戦い」は、エクスペリメントシリーズなるものに属している。要は「試験発売」だな。いずれコマンド本誌の付録になるのかもしれないってわけだ。とはいえ、デザイナーは本誌編集長中黒殿。試作品とはいえ、「ゲームになってない」なんて事態は考えにくい。安心して買える品ですね。
 
 まだルール確認&作戦研究段階なので、ユニットは切ってない(私はこの段階ではユニット切らないことが多い)けど、まあそれなりに遊べそうだ。試作品と言いつつ、使っているのは手堅く「ドイツ装甲軍団」システムだからねえ。とりあえずの印象としては、「2つまとめても、本誌付録ゲームにするにはちょっと軽いかな」って気はするけど、バラしてもう少し重いゲームのオマケにするとか、やりようはあると思われる。
 
 私としては、むしろ大きく紹介したいのは「ブ○ーノア」(正式なタイトルは「海底からの一撃」)の方。いやね、これがゲームとして面白いかどうかはよくわからん。まだプレイしてないし。けど、「こういうモノをデザインする」心意気は、大きく賞賛する価値があると思っているので。この手の「遊び心」は、失われて久しいモノだからねえ…
 
 中黒編集長もおっしゃっていたけれど、今現在、この手の「版権モノ」ゲームが制作・販売される可能性はかなり低くなっている。その昔と違い、版権使用料が高くなっているからだ。版権持ってる側にしてみれば、コンシューマーゲームが「基準」になるわけだから、軽々しく権利渡せないのだとは思うけど。その辺の事情は私もよくわかるけど、でもでも、その昔アニメを題材としたゲームで遊んだ記憶がある…どころか、今でも「超○ロック」を喜んでプレイしている身としては、寂しさを禁じ得なかったわけだ。
 
 こーゆーゲームが面白いのかと問われれば、実は答えは「大抵イマイチ」となる。これはキチンと理由がある。いわゆるアニメの主人公キャラって、ベラボーに強いのだ。そうでなきゃ話として盛り上がらないから、それ自体を攻撃しても意味がない。ただ、結果として「少数のベラボーに強いユニットが、雲霞のごとき敵をバッタバッタと倒してゆく」って展開になりがちだ。
 
 そのまま主人公側が勝ち続けるのなら、アニメのストーリーにはなってもゲームにはならない。そこで、フツーはザコ敵役にも「主人公を倒す」可能性を持たせることになる。可能性は低いけど。ところがだ。その結果として、ザコが序盤に「ラッキーヒット」を出してしまった場合、今度は逆に敵役側が一方的に勝利することになる。結果として「ダイス運次第の、大味なゲーム」になりがちなのだ。これは、「主人公キャラがベラボーに強い」という、アニメ等でありがちな約束事に従う限り、どうしたってある程度はついて回る問題である。
 
 もっとも、最近はアニメの主人公と言えども「ベラボーに強い」とは限らなくなってきたし、それを前提としていながらゲームとして成立させる手法も進んできた。それを考えれば、「むしろ今こそアニメを題材に!」って意見も成り立つとは思うけど、結局は版権がねえ…
 
 ただまあ、昔のアニメゲームに「ゲームとしての面白さ」が必要なのかと言われれば、必ずしもその必要はないと思われる。要は「アニメで感じた雰囲気」をゲームって形で再現できればいいのであって、ある種のロールプレイングゲームだと考えれば腹も立たない。そもそも、ヒストリカルウォーシミュレイションゲームだって「将軍・最高指揮官のロールプレイ」だから面白いって側面もあるんだから。
 
 ルールを読む限り、「○ルーノア」は、どちらかと言えば「主人公強い、ザコはただひたすらやられるだけ」の、大味テイスト主体のゲームのようだ。まあ、あの頃のアニメ作品を題材にすると、どうしたってこんな手法中心にならざるを得ないんだけど。ただ、そこはそれ。キチンとヒネリは効いているようだ。この辺が「デザイナーのセンス」じゃないかな。ルール読んでいて、思わずニヤリとさせられました。
 
 ちなみにこのゲームは、「エクスペリメントシリーズ」ではなく、「誰得」シリーズなるものに属する。「こんなゲーム、一体誰が得をするんだ?」というコンセプトに基づいているからだそうな。まあ私は大いに得をしているので、多少事実と異なる気もするけど(苦笑)。同人誌即売会限定だからこそできたウラワザなんだろうけど、この路線は大いに支持したいですね。私と同意見を持つ人間は他にもいるようで、早くもシリーズ存続に向けた動きが見られる。注目だな。
 
 いや、単に「注目だな」で片付けてはイケナイ。私も「こんなゲームはどうだ?」とか、「○○さんの作品も見てみたい」とか、果ては「ゲーム作っちゃいました」に至るまで、より積極的支援を行うつもりで頑張らねば!こんなモノ支援されても困るだけだろとか、そんなしょーもない支援をしてどーすんだ、なんて考えたら負けだ。
 
 他の買い物についても、少しは語っておかないと。まず、今年デビュー予定のロシア新型戦闘機PAK-FAについての情報をまとめた、「プロペラvol4」(サークル名「ひこうきの会」)を。怪しげな情報が飛び交っているのは知っていたけど、こうやってある程度まとめてくれると助かります。冷戦が終わった今でも、ロシア軍の情報は掴みにくい(昔に比べればだいぶマシだけど)からねえ。ちなみにこのサークルさんとは、帰り道でバッタリ遭って向こうから挨拶された。こういう交流も即売会の醍醐味だね。
 
 もう1つは、「日露戦争」(EP/国際通信社)を使って日露戦争の図上演習を試みたという、「日露戦争ケーススタディーズ」(サークル名「第六兵器廠」)って本。日露戦争当時に考え得た「IF」を、ゲームを使って検証するって試みをまとめたものだ。ウォーゲームをネタに使ったモノとしては、斬新な切り口だと思う。冒頭部分に「ゲームデザイナーの主観に沿った作戦展開しか可能ではないのではないか」との疑問をあえて書き、それを検討した結果「検証に耐える結果であると判断した」と書いてあるところが偉い。この手の検証には賛否両論あるような気もするけど、私はあえて評価したい。
 
 買ったワケではないけど、「南京陥落」(サークル名「2015年紀解読委員会」)ってゲームのルールブックも手に入れた。このゲームは以前入手していたんだけど、ルールブックの版が新しくなったということでいただいた。まあ、「知り合いの」サークルだからね。まだドコが変わったかチェックしてないけれど、こういう「こまめなディベロップ」は評価しても良いんじゃないかな。
 
 この日はコマンド編集部の方々だけでなく、様々な方とお話をした。特筆すべきはコマンド誌最長期連載「空科学想盤上遊技の世界」の著者のいしだたかし殿かな。到着が遅く、おかげで「ブルーノア」が売り切れてしまっていたのが…正直、私ごときよりも「このゲームを買うべきだった」方かなと。私は悪くないんだろうけど、なんか申し訳ない気が…
 
 最後に、ある意味最も驚いた出来事を。会場の外にある喫煙スペースで煙草を吸おうとしたところ、箱を見てないはずの方に銘柄を一発的中された。「よくご存じですね」と驚いて問いかけたところ、何と「昔は吸っていた」のだとか…私の「いつもの」煙草だよ?こういう方と遭遇するのは、もちろん初めて。しかも、女性。「私1人のために輸入してるワケじゃあるまい」とは思っていたけど、こんなトコロで遭遇するとは。
 
 つーわけで、なんだか「濃い」1日でした。おかげでMiddle-Earth東京支部例会に参加できなかったけど、体が2つない以上、仕方ないでしょ。時々「私の体が1つしかないのは、世の中間違っている」と思うんだよな…ブツブツ

4月6日2009/04/07 03:11

 本当はゲーム関連でもう1つネタがあるんだけど、これは後日に回す。つーわけで、本日はカレンダーネタだ。いよいよもって具体的絵柄の話になる。今回は「具体的絵柄その1」として、テーマと季節感を語ってみようと思う。
 
 私に言わせれば、カレンダーってのは「写真・イラスト集」の一種である。よって、何かしら「共通性」が欲しい。それが風景写真なのかヲタク絵ネーチャンなのかはさておきだ。よって、単に「ミリタリーカレンダー」としただけでは、テーマがぼやけていると思われる。
 
 テーマをどの程度絞るべきかについては、特に答えはない。あまり絞りすぎると代わり映えが無くなってつまらないし、広げすぎると印象が変わりすぎて「なんかイヤ」となる。その辺のバランスをどーするのかは、結構難しい問題だと思われる。「気にしない奴は気にしない」って話は無視。そんな奴はカネ出してカレンダーなんて買わないんだから、アウトオブ眼中だ。
 
 テーマの絞り方については、普通の写真集・画集と考え方は一緒。モデルで絞ったり、絵なら作者で絞ったりする。競馬カレンダーは大抵「大レースのゴール前写真」で絞っているし、ヲタク絵ならば作品ごとだったり、単一キャラでまとめてみたり。
 
 では、ミリタリーカレンダーのテーマとしては、どんなモノが考えられるのか?まあ、比較的すぐ考えつくのが「ある兵器の写真・イラストでまとめる」もの。具体的には「零戦カレンダー」とか、「ティーガーカレンダー」となる。こういう形で「主役」が決まっているのなら、あえて「当時の写真・現在(博物館などで撮影)の写真・イラスト(リアル)・イラスト(コミカル)・線画(三面図など)・識別用イラスト」といった、手法の異なる画像を用意するってワザも考えられる。メカフェチかモデラーなら、どんな画像のことを言っているかわかるはずだ。
 
 もう少し幅広く「戦車カレンダー」とか「戦闘機カレンダー」とするならば、別方向の共通性を持たせたい。写真なら写真、イラストならイラストで統一するだけでなく、「全部博物館で写しました」とか、「全イラスト作者同じです」とか。
 
 写真の場合、「撮影場所が共通です」って手法を使うのもアリか。「○○軍事博物館収蔵品カレンダー」とか、「××エアショーカレンダー」とかね。ヒネったトコロでは、「△△さんが作ったプラモデルカレンダー」とかも考えられる。
 
 この手のテーマはほぼ無限に考えられるので、これだけ考えてもあまり意味がない。そこでまあ、1つ縛りを設けよう。「カケラ程度でいいから、季節感を考慮する」だ。これでぐっと難しくなる。
 
 カレンダーの絵柄に季節感は必要か?私に言わせると、「必ずしも必要じゃない」となる。私の部屋には、「カケラも考慮してないモノ」「多少の考慮が伺えるモノ」「かなり考慮しているモノ」のいずれもある。この辺のバリエーションにはこだわってなかった(日付配置のバリエーションの方が重要なので)けど、結果としてある程度ばらついている。
 
 ちなみにだ。「見る奴が見れば考慮していると思うけど、わからん奴にはサッパリわからん」ものもこの世にはある。代表は競馬カレンダー。競馬ファンなら、桜花賞・宝塚記念・秋天・JCといったレース名を見るだけで季節感を感じるけど、ぱっと見は違いがわからないでしょ。ミリタリー系では、たとえば「ノルマンディ上陸作戦」と言えば6月だし、「アルデンヌ反攻」と言えば12月(何故そうなのかは、この色の話題について行ける人ならわかる)だ。暑い太陽や雪が描いてなくても、それだけで季節感を感じさせることが出来る。
 
 ただ…今回はこの手法は避けようかと。「マニアしかわからない」からではない。むしろマニア受けは狙うべきなのだ。いちいちカレンダーをカネ出して売ろうって時点で、マニア向けなんだから。でも、「夏だな~」「冬だな~」って実感を得られるかを考えた場合、やはり「視覚効果」が欲しい。「真珠湾奇襲と言えば12月」だとアタマではわかっていても、その舞台は常夏のハワイ、「冬らしい」絵柄にならない。よって避けるってのが「季節感を考慮したテーマの選び方」だ。
 
 ミリタリーネタで季節感を重視すると、写真がかなり不利になる。これは説明が必要でしょ。大抵の場合、兵器そのものは季節感に乏しい。歩兵の軍装だと季節感が出てくるけど、戦車や航空機は「夏期装備」「冬期装備」があるとは限らない。迷彩塗装してあれば話は別だけど。よって、季節感があるかどうかは背景で出すのが基本だ。つまり、博物館などで撮影した写真は「縛りに反するので使えない」となってしまう。
 
 季節感に大きくこだわると、ミリタリーネタはやりにくい。不可能じゃないとは思うけど。そこでまあ、「夏だから海」、「冬だから雪」程度に季節感があれば良しとする。異論はあるかも知れないけど、「見た目の季節感」重視としようかな。つまりだ。「零戦カレンダー」を作成する場合、「真珠湾攻撃のため空母赤城から飛び立つ姿」は、あえて12月じゃなくて夏に持ってくる(冬は満州か?)…といった工夫をするわけだ。
 
 こういう「カケラ程度だけ季節感を考慮」ってのは、案外センスが問われるとは思う。俳句の季語がどうこう…って話と似ているからねえ。説明するのも案外難しいので、とりあえず「仮想試作品」を例として出し、「こんな感じで考慮すればいい」って例を示してみよう。
 
 栄えある?試作第1号は「ティーガーカレンダー」にしよう。お題となる戦場で活躍している姿をイラスト化してもらう。あくまで試作なので、「そんなモノ用意できるか!」ってのを無視して、タ○ヤなどのスケールモデルのイラストを流用したような品を想像してもらいたい。
1・2月…雪の降るブダペスト解放作戦(冬=雪)
3・4月…レニングラード包囲戦に投入された直後(入学シーズン=デビュー戦)
5・6月…ノルマンディ戦(コレは流石にハズせない)
7・8月…チュニジア戦(夏=暑い=北アフリカ)
9・10月…ドニエプル渡河阻止(他に当てはめる場所がないから)
11・12月…ドイツ国内での市街戦(12月=年の終わり=末期戦)
とまあ、こんな感じに当てはめればいい。編集責任者次第ではまた別の解釈もあるんだろうけど。そもそも、私も深く考えて当てはめたワケじゃないので、「このネタで行こう!」となったら、多分全面的に見直す。
 
 今回は妄想バリバリに話を進めたので、調子に乗って仮想試作品まで作ってしまった。うむうむ、やはりカレンダーはイイ…と言いたいところだけど、「実現を目指して」話を進めてゆくのであれば、もっと地に足つけた話をする必要がある。今回の話はあくまで「私はこんなモノが欲しいと思うんですが」って例を提示したってトコロにだけ、価値があるのだからして。よって次回は、「私に入手できそうな画像とは」を中心に話を進めてみたい。

4月8日2009/04/09 02:01

 多少迷ったけど、覚え書きも兼ねて書いちゃおう。心底「誰が得するんだ」ってゲームのネタを見つけてしまいました。ハッキリ言って、完成させるのもためらわれるほど「需要があるとは思えない」ものです。とりあえずの仮題は「ペーパーオーナーゲームのゲーム」。この色について行ける人には説明が楽だけど、あえて基本の色はこちらで。
 
 ペーパーオーナーゲームとは?以前説明したことがあるかも知れないけれど、要は「仲間内だけの約束事として、何頭かの競走馬を所有したことにして、その成績を競う」ってゲーム。その大半は「新馬戦の始まる時期から日本ダービーまでの約1年」を期間としている。競馬の世界じゃ結構メジャーな遊びであり、競馬雑誌を読んでいるって人ならまず知っている。
 
 何でこんなモノのゲームを?いやね、本当はこんなネタでゲーム作るつもりはなかった。中黒コマンド誌編集長の「誰得」シリーズに刺激を受け、なんかオレでも作れるゲームってないかなあ…と考えているうちに、ふと「ドラフトさせるゲームって面白いのでは?」などと思いついてしまったのだ。
 
 ドラフトの面白さは、プロ野球ファンならある程度わかってもらえると思う。贔屓の球団がいい選手を指名できるかどうか、ドキドキしたことがきっとあるはずだ。これをうまく取り込めば、その時点で「そこそこ楽しめる」ゲームになるはず。これが出発点だった。
 
 そこでまあ、最初は野球で考えてみたんだけど、これが難しい。ドラフトさせること自体は簡単でも、「その後チャンと活躍したのか」を判定するのが難しくて…単純に「新人王を獲得したら勝ち」ってのは、何か違うでしょ。かといって軽々しく「球界を代表する名選手になりました」ってのも…ここで色々悩んでいるうちに、「ペーパーオーナーゲームなら話が早そうだ」などと思ってしまったのが、運の尽き。何と、あっさり「基本部分」が完成してしまいました。
 
 どんなゲームなのか、思い切って簡単に書いてしまおう。パクられたって気にしない。むしろ、「本当に発売までこぎ着けられるというのなら、パクってくれ」ってなもんだ。基本はカードゲーム。ドラフトの対象になるのは、当然子馬。「基本ルール」では、性別などは考慮しない。基本となる「子馬カード」(大きいカード)に、「種牡馬カード」(以下「種牡馬」)と「繁殖牝馬・牧場カード」(以下「繁殖」)を乗せたものをドラフトにかけてゆく。
 
 各カードの裏にはそれぞれ数値が書いてあり、基本的にはその合計が高ければ「良い馬」だとする。ゲームの肝となるのは、子馬カードの裏の数値は全く予測できないけど、「種牡馬」と「繁殖」はある程度数値が予想できるようにしておく。たとえば「クズは少ないけど、上はあまり期待できない」とか、「大半はクズだけど、当たれば大きい」とか。これにより、各プレイヤーは「能力の優劣がある程度予想できるけど、実際どうなのかは獲得してみるまでわからない」って状態になるわけだ。
 
 基本ゲームについては、単にこれだけ。「上級ゲーム」になると、「各種資料やネットに流れる情報」のルールが加わったり、性別による出走レースの違いやデビュー時期が遅い・早いって概念をふまえ、「いくら稼いだか」を判定したり…といったルールが加わる。流石にそこまで紹介するのは、誌面が足らないので割愛。
 
 このゲーム、本当に面白いのか?うーん…私の経験から言って、「ドラフト会議」ってのはそれだけで楽しい。さらに、他人と競合してまで獲得した馬が全く走らなかったり、あまり期待せずに下位で獲った馬が走ったりしても、それはそれで楽しい。「予想できる部分」と「予想できない部分」のバランスを上手くとることに成功すれば、そこそこ遊べるゲームにはなると思う。おそらくは「運の要素が大きい、運のしゲー」になっちゃうと思うけど、実を言えばPOGってそういう側面も強い(「安定して好成績」は考えられても、「毎回1位」は考えにくい)ものなので、大きな問題ではないと思う。
 
 制作のため必要なデータ収集も、おそらく問題はない。私個人が自由に利用できるデータだけで「POGっぽくするには」どんな数値を付ければよいのか…って参考データは山ほど集まるし、それで足らなければ友人知人に土下座して頼み込めばいい。私は実際POGをやっているので、この辺がネックになることは考えにくい。
 
 難点は2つ。1つは、私のセンス。基礎データは収集可能でも、それをどうゲームって形に落とし込むかは、センスや経験が問われるからねえ。私はゲームデザインの経験がないので、その辺は自信がない。とはいえ、何事にも「初めて」はつきものだから、大きな問題ではないと思うけど。
 
 しかし…1番の問題は、何と言っても「こんなゲーム、誰の得になるのか」でしょ(苦笑)。実際POGをやっている層に売るのか?そんな連中がカードゲームなんてプレイするとはとても思えないんですが。そんでもって、カードゲームを楽しむ層はおそらく「POG?何ソレ?」状態だろう。はっきり言って、どんなに面白いゲームを作ったとしても、評価してもらえるとは思えない。売るとすればコミケだろうけど、「ゲーム(電源不要)」で売ろうが、「スポーツ・ギャンブル」で売ろうが、結局あまり売れないと思われる。
 
 つーわけで、現時点では「結構細かい部分までアイデアを完成させちゃったけど、正直形にする価値があるとは思えない」状態。実際制作するとなれば結構手間がかかるので、発売するアテもないのに着手する気には…せめてテストプレイその他必要な作業の協力者がいればともかく、現状ソコまで頼める人間は思いつかない。競馬関連の友人知人はあくまで「競馬の人」だからして。よって、おそらくは未来永劫、少なくともしば~らくお蔵入りすることになる。
 
 とまあ、結局は「お蔵入り=役に立たない」企画について語るだけになってしまったけど、「何かをドラフトさせる」ゲームって立派に成り立つんじゃないかと思う。案外プレイ時間は長いと思う(ドラフトってタイヘンなんだよ)けど。私は「ドイツゲーム」(ちょっと高度なファミリーゲーム。ドイツで盛んなのでこの名がある)にはそこまで詳しくないので、ひょっとしたすでにそーゆーゲームがあるのかもしれないけれど…いつかいいネタ発見して、そういうゲームに取り組んでみたい気もする。ただ、「ペーパーオーナーゲームのゲーム」は駄目だろうなあ…どう考えても売れそうもない(苦笑)。

4月10日2009/04/11 03:38

 本日の話題は、現用戦闘機の話。どうやらF-22ラプターの製造が終了しそうってトコロと、ロシアの新型戦闘機の話を絡めてお届けします。
 
 航空関連雑誌を丹念に読んでいる人間にとっては、ラプターの生産終了はさほど驚くニュースじゃない。ちょっと前から「オバマ政権が誕生した場合、どんな影響が出そうか」って話の中で、「ラプターは生産縮小の可能性が高い」って話があったから。その理由としては、民主党政権だから…ってだけじゃなく、生産工場のある州の選出議員がどうこうって話も絡んでいるようだ。
 
 とはいえ、防衛省にとって「予想はしてたけど、あまり聞きたくなかった」ニュースであることは間違いなさそう。「ファントム代替機はラプターであって欲しい」ってのが本音だったと思われるし。「日本の国防方針に変化はない」などという談話が発表されていたけれど、ただの強がりに過ぎないような。
 
 日本にラプターが必要かどうかは、何とも言い難い。私は「F-35ライトニングⅡでいいじゃん」とは思うけど、英国は「空戦性能だけ考えたら、ユーロファイター・タイフーンの方が上だ!」などと主張している。英国は両方の開発に関係していて、どちらも運用する予定なので、あながちハッタリとも思えないんだよな。
 
 更に言うなら、ライトニングⅡの開発がどうなるのかも、予断を許さない。何だかんだ言って「駄作機できちゃいました!」って可能性もあるからねえ。その昔と違って「とりあえず作ってみたら駄作でした」ってコトが許される時代じゃないので、可能性が低いことは間違いない。でも、「空軍機と空母艦載機を兼ねる機体として開発された」モノって、駄作が多いんだよな。ラプターがある米軍なら「駄作とわかった時点で、ラプター生産再開」ってワザが使えると思うけど、空自はソコまで待てるのか?
 
 その一方で、ロシアが開発中の新型戦闘機「PAK-FA」が、今年中に発表される見通しである。おそらく、夏のモスクワ航空ショーで「試作機かモックアップ(要は模型)が一般公開」されるんじゃないかと。共同開発と称してインドから開発費の一部を引っ張ってきているので、冷戦時代よろしく「大嘘」は言えないはず。かなりマズいことでも生じない限り、夏には新型戦闘機公開となるのでは。
 
 このPAK-FA、色々ワケわからん情報が飛び交っている。冷戦が終わって久しいとはいえ、ロシア軍人の秘密主義が完全に直ったワケではないらしい。まあ、だからこそ「赤軍航空機ウオッチング」は楽しかったんだけど。ただ、現状有力視されているのは「外見はラプターをパクりました」って感じの機体になるんじゃねえかって説だ。
 
 外見も重要だけど、肝心の性能はどうか?わかるかそんなもの。まあ、どうせ「世界最大の流体力学研究所」TsAGIが基本設計したんだろうから、飛行性能はそれなりに高いとは思う。エンジンもSu-27フランカーの時点で「ほんの少しなら、真後ろに飛べます」ってレベルの性能(普通は空気の取り込み量不足で出力低下して墜落する)を達成しているので、ラプター並かもしれない。けど、ある意味肝心の「ステルス性」については、航空雑誌眺めているレベルじゃさっぱりだ。
 
 耳が腐る情報としては、「プラズマを使ったレーダー欺瞞機能がある」なんて話があるけれど、この手の情報が正しかったためしはほとんどない。冷戦時代、東側戦闘機の情報ってのは「過大評価した方が得な奴」「過小評価した方が得な奴」が、それぞれ好き勝手怪しい情報流しまくるのが当たり前だったわけで。たまに東側の方が本当に西側より優れたモノを開発して驚かされるけど、この機能については「眉唾」ってのが私の評価かな。
 
 私の推測としては、おそらくラプターよりはステルス性が低いはず。強化プラスチックとかカーボンファイバー(炭素繊維)といった「非金属複合素材」に関しては西側の方が技術的に勝っていると思われるので、その分「見つけやすい」気はする。ただ、それが「重大な違い」なのか、「厳密に比べると差が見つかるレベル」なのかはわからない。この手の情報は実戦配備された後でも「素人にはよくわからん」のが普通(ラプターのステルス性もよくわかってないレベルなのだ)なので、アレコレ言っても仕方ない気はするけど。
 
 ただまあ、空自関係者が色んな意味で「気にしている」のは間違いない。おそらくは「ロシアと本気の戦争」って可能性は低そうだけど、連中は何かにつけて日本領空付近に無断で飛行機飛ばしてくる存在だからして。
 
 ついでに言えば、中国にもステルス機開発の話がある。ただ…本当に開発できるのかは、ハッキリ言って眉唾。ステルスに関する技術については何とかできたとしても、マトモに飛ぶのかどうかが問題だ。いや、これは決して笑い話でも中国をケナしているわけでもない。マトモに飛ぶ戦闘機を開発するのはタイヘンなんだよ。英国でさえ「単独開発は諦めました」って状態で、我が国も「F-2は日本独自の複合素材翼が強度不足でした」って有様だ。最近開発した機体が「MIG-17を改良しました」「イスラエル(航空機開発能力はそこそこ高いけど、米ロにはとても及ばない)に協力してもらいました」って程度では、ちょっと背伸びしすぎでは…。ただまあ、カネ出してロシアから買うって可能性はあるね。
 
 私は一応これらを踏まえた上で、それでも「無理してラプター買わなくても」とは思うけど、空自が「ラプター以外は単なる当て馬」と考えていたとしても、「その気持ちはわかる」かな。ただまあ、生産中止になりそうな現状において、輸出やライセンス生産を許可してもらえるとはとても思えない。どうするつもりなのか、実に興味深いですね。
 
 ちなみにだ。ラプターとPAK-FAが空戦を行った場合、どうなるのかは全くわからん。「お互い発見できない」という、シャレじゃ済まない状態に陥る可能性も否定できない。するってえと、結局ラプターを買えたとしても、「気がついたら函館空港に着陸してました」って悪夢(MIG-25亡命事件)を再現される危険性があるわけだ。「気にいらねえ奴には先制攻撃」って米国はともかく、空自がこれでいいのかどうかは…どーすんでしょうね、ホントに。

4月16日2009/04/17 03:18

 諸般の事情により、更新が滞ってしまった。いけませんね。まあ、大した事情じゃないので、ご心配なく。
 
 本日の話題は、間近に迫った皐月賞の話題。やっぱりこの話題は書いておかないと。リーチザクラウンについてである。ああ…色んな意味で、ああ…
 
 以前私は「リーチザクラウンは皐月賞スキップするかも」などと書いたことがある。この予想は当たらなかった。ただ…きさらぎ賞から「予定通り」ここに直行というヘンなステップからの挑戦だけど。
 
 何故きさらぎ賞から直行なのか?普通に考えるなら、「体調・脚部不安などの関係で、使い込めないから」ってのが多い。リーチザクラウンはそーゆー馬なのかもね。ただ、ただ…「そうじゃないのに、こんなローテーションにした」可能性はある。
 
 橋口調教師ってのは、噂によると「ダービー当日に府中にいないなんて、我慢できない」そうな。だから、とにかく何が何でもダービーに出走できる馬を出そうとする。それが駄目だった時、ダービー当日の最終レース(目黒記念)に無理矢理出走馬を確保したくらいだ。そーゆー調教師が、こんな「ちょっとした勝負のアヤで賞金稼げないかもしれない」ローテーションを選ぶからには、それなりの事情がありそうだ。
 
 まあ、フツーの人は「脚部不安か馬体減が気になるんだろ」で片付けると思う。でもでも、私は別の理由があるんじゃないかと。それは何か?言うまでもない気がするけど、「ダービー後にキングジョージに行きたいから」でしょ(苦笑)。
 
 日本ダービー後にキングジョージに挑戦した馬と言えば、エアシャカール。この馬は弥生賞で2着して皐月賞に挑んで勝利。その後日本ダービーで2着となり、キングジョージに挑んだ。結果はモンジューの前にクソ負け。この時のゴール前は、今でも時々思い出す。
 
 この時のエアシャカールは、まあ全く勝負になってなかった。最大の要因は英国の芝への適性だとは思うけど、まあ他にも色々敗因はあっただろう。その1つとして、「輸送も含めて考えた場合、ローテーションがきつかったから」って話があったのは事実。
 
 弥生賞~皐月賞~日本ダービーというのは、牡馬クラシックの王道ローテーションとされている。少なくとも、「皐月賞で人気になりそうな馬」というのは、これと似たローテーションを採用することが多い。今年で言えばロジユニヴァースが弥生賞から、アンライバルドがスプリングSから皐月賞に挑戦している。日本ダービー制覇後に「秋は菊花賞へ向かいます!」と宣言する(つまり、この後しばらく休みますって意味)のなら、これが正しいやり方でしょ。
 
 しかし、キングジョージで好走することも含めて考えるのなら、このローテーションじゃ駄目である。少なくともエアシャカールは駄目だった。そこで橋口調教師が考えたローテーションが、「きさらぎ賞~皐月賞~日本ダービー~キングジョージ」ってモノではないかと。これは一応納得できる話である。キングジョージに出走するってコトを大前提とするならば。私としては「弥生賞~日本ダービー~キングジョージ」の方が妥当ではないかと思うんだけど。
 
 今のところ、橋口調教師が「リーチザクラウンでキングジョージに行く」などと公言した事実はない。そりゃまあ、日本ダービーである程度好走しないと、流石に「キングジョージだ!」とは言えないからねえ。とはいえ、皐月賞を勝ってしまったら、どーなるかわかったものじゃない。
 
 おいおい、いくら橋口調教師でも、そんな妄想じみた構想を持っているわけが…などと言う人間は、「アスコットの魔物」の怖ろしさを知らない幸せな人だ。しかし、橋口調教師と私はこの魔物に取り憑かれたことがある…というより、今も取り憑かれているのだ。あのアスコット競馬場が、キングジョージ&QEⅡ世Cが呼んでいると感じてしまったら、遠く日本からでも駆けつけてしまう…それが「アスコットの魔物」なんだよ。不幸にして、橋口調教師はこれをよーく知っている。ハーツクライでチャレンジしちゃったからねえ。
 
 この話、当然私にも深く関係している。「日本馬がキングジョージ制覇」などという瞬間を見逃すワケにいかないからねえ。そこに日本馬がいる限り、そうなる可能性はゼロじゃない。つまり…まあ、私もセットでアスコットに行く必要があるわけだ。「そこまでしなくても」なんて、アスコットの魔物の怖ろしさを知らない人間が言うことだ。
 
 ただまあ、本当にリーチザクラウンがアスコットに行く気があるのかどうかは、よくわからない。私の妄想に過ぎないと言われても、特別反論の根拠はない。つーか、そんなコト言う奴は自動的に「アスコットの魔物」の怖ろしさを知らないので、何を言っても無駄だし。しかし、競走馬は別に調教師の私物ではない(当たり前だ)ので、事前にどっかから「キングジョージなんて行く必要ない」とクギ刺されている可能性はある。つーか、私としてはそうして欲しいんですけど。
 
 おいおい、キングジョージ行きたくないのかって?正直言おう。行かなくて済むのなら行きたくないよ。だってアナタ、財布の中から「使っちゃイケナイ金」が消えるんですよ?我に返って、財布の中身確かめた時の衝撃はデッカイですよ。泥水みたいな色したスープの怪しげなカップ麺(不思議と味は我慢できる)すすりながら、屈辱にもだえ苦しんだあのときの気持ちは、当然今でも昨日のことのように覚えている。それでも、日本馬がキングジョージに行くのなら、私も行かなくちゃイケナイのだ。少なくとも、「勝ち目がなさそうなら挑戦しないで欲しい」とは思う。
 
 そんなワケで、今の私は「皐月賞の馬券がどうこう」より、「リーチザクラウン陣営が何を言うのか」の方が気になっている状態だ。皐月賞勝っちゃったら、調子に乗って「キングジョージ挑戦だ!」と叫んじゃうのかと。いっそのこと、お立ち台で不穏当なコト言い出しそうな橋口調教師の口を手でふさいた方がいいんじゃねえか(苦笑)。
 
 リーチザクラウンが皐月賞を勝てるかどうかは、よくわからん。ロジユニヴァースやアンライバルドも強そうだし。けど…「大外18番枠の逃げ馬」なんだよな…過去こーゆー馬が皐月賞で大穴を出したことがあるんだよね。その話は語ると長くなるから、また後日に回すけどさ…

4月21日2009/04/22 03:07

 リーチザクラウンは惨敗。あの負けっぷりなら、多分アスコットへは行かないと思うけど…それにだ。あの馬は「とにかくぶっ飛ばす」以外あり得ないタイプの逃げ馬っぽいので、アスコットでどうにかなるとは思えないんですけど。
 
 皐月賞回顧はこれぐらいにして、本日の話題に行こう。本日は、昨日届いた「コマンドマガジン」に影響を受けたので、この色のネタで他に語るべき話題(予定してるのがあるんだけど)を差し置いて、あえて「勝利条件」をテーマに語ってみようかと。
 
 ジャンルを問わず、ゲームの勝利条件というのは、実に重要なモノである。それはシミュレーションゲームでも変わらない…と言いたいところだけど、昔々は比較的軽視されていたような気がする。あくまで私の印象なんだけどね。
 
 何で軽視されてきたか?誤解を恐れず、ザックリ説明するとこうなる。シミュレーションゲームというのは、将棋や囲碁のような抽象度の高いゲームと異なり、大抵「比較対象としての史実&現実」ってモノが存在する。そのため、勝利条件なるものは、言ってみれば「常識で考えればわかること」を規定しただけに過ぎないモノ…と言うことも出来る。「軍隊ボロボロ、首都を含む主要都市全部占領された」なんて状態で勝ったか負けたかなんて、悩む問題じゃないわけで。
 
 とはいえ、このやり方だけでは問題もある。シミュレーションゲームは大抵イコールコンディションではなく、「攻撃側」「防御側」がある程度決まっているものが多い。独ソ戦初期において、赤軍側に「独本土へ反攻せよ!」なんて命令を下すプレイヤーはいないわけで。ただ、この場合も「史実との比較」ってモノサシがあるので、「史実と比べてより進んだら攻撃側の勝ち、それを阻止したから防御側の勝ち」でいいじゃん…ってわけだ。
 
 ところがだ。こうした「単純な」勝利条件を設定すると、問題があるケースも存在する。よくあるのが、「史実の最終進出線を越えた場合、そこで守りに入ってしまう」って問題だ。ゲームにもよるけど、攻勢を継続できるほど豊富な部隊を持つ側が守りに入った場合、相手方はなすすべがない。事実上そこでゲームは終わる。
 
 一般に、プレイヤーは「ゲームに勝つように」プレイする。そうじゃないプレイヤー(主に「歴史検証ツール」としてプレイし、勝利を度外視する人のこと)の割合が多い趣味ではあるけどね。それゆえ、勝利条件はある程度プレイヤーを誘導する性質がある。かなり無理そうな目標であっても、すぐ後に破滅的大反攻がやってきそうでも、勝利条件が「行け」と命じるなら突っ込むしかない…と、一般的なプレイヤーは考える。勝利条件にケチをつけるかどうかはともかくだ。
 
 このような「勝利条件によるプレイの誘導」って概念は、その昔はあまり理解されてなかったように思う。ただ単に「当時の私」がよくわかってなかっただけって話はあるんだけど。ゲームプレイヤーは「後知恵」があるので、単純に「史実と比べてどうこう」だけで勝利条件を決めると、賢いというか姑息というか…って手を使ってその条件を達成しようとする危険性がある。仮に後知恵が無くても、自然と「ココまで来たら、後は守っていればいいんでしょ」って手を使われるかもしれない。お互い何も知らないのならともかく、片方が史実に詳しいとケンカになりかねない話だ。
 
 とはいえ、勝利条件でうまくプレイヤーを誘導すればOK…って話になるとは限らない。この手法、プレイヤーを「誘導する」と書けば聞こえは良いけど、やりすぎると「プレイヤーを縛る」って状態になりかねない。その結果、いわゆる「なるようにしかならない」ゲームになっちゃう危険性もあるわけだ。
 
 あえて名前は出さないけど、世の中には「この勝利条件を達成するために、プレイヤーは何をすればよいのか」を発見するまでが楽しくて、それがわかっちゃったら「毎回同じようなプレイ展開でつまらない」ってゲームが存在する。勝利条件その他による「プレイの縛り」がキツいタイプのゲームだね。ある種の推理小説のように、「犯人がわかっちゃったら、もう読む価値がない」わけだ。そんでもって、「そういうゲーム」を好む人ってのも、存在している。あえて誰とは言わないけれど。
 
 その逆に、こうした「複雑な勝利条件」を「陰謀ルールの一環」ととらえ、より素朴な勝利条件、つまり「誰が見ても盤上が優勢なプレイヤーこそが勝ったという実感を得るべきだ」という意見を強く打ち出している方もいらっしゃる。その代表は高梨先生かな。高梨先生がコマンドマガジン84号で「1942年5月(ミッドウェー前)にゲームが終われば、日本軍必勝の太平洋戦争ゲームを作れる」という趣旨の発言(冗談に近いけど)をしたのは、この「勝利条件に対する高梨イズム」をふまえてのことだろう。
 
 これに対し、「日本の戦歴」の連載を再開した(正式には新連載らしい)堀場氏が、「この時期だけを扱うゲームがあっても良いのではないか、それは決して日本軍必勝ではないはずだ」と主張なさっておられる。まあ、これまた言いたいコトはわかる。あの当時の「日本軍の快進撃」を「義務」だととらえれば、ゲームにはなりそうな気はする。むしろそう考えるのが一般的かもしれない。
 
 ただまあ…私は高梨先生とはまた別の意味で「日本軍必勝」じゃねえかって気がする。当時の日本軍は「全てが計算通りになる」って前提で話を進めるクセがあり、ちょっとでもつまづくと全てがご破算になりかねない「危うさ」があった。それがハッキリと出たのがミッドウェーだのガ島だのの戦況だったわけで。それゆえ、「こんなトコロでつまづくのはオカシイ!」などという非難を受けるのがイヤなら、結局は「日本軍プレイヤーが勝つために必要な作業を発見してしまえば、必ず勝てる」ってトコロにバランスを持ってゆく必要がありそうで。もっとも、これはあくまで私個人の「感想」に過ぎないので、工夫の余地はあるのかも知れないけど。
 
 勝利条件をどう考えるのかは、実は結構「イズム」に左右されるんじゃないかと思う。もっとも、どんなイズムがあって…ってトコロまで整理できているワケじゃないので、「より細かく説明してくれ」と言われても困るワケだけど。ただまあ、デザイナーごとに「勝利条件のとらえ方」がビミョーに異なり、それに対してプレイヤーごとに好き・嫌いがあるのは間違いないので、キチンとまとめようと思えば可能じゃないかと。
 
 イズムがあったからどうこう…という話は面倒なので省略しよう。ただまあ、とりあえず、「自分はこう考える」ってな意見、つまり、「自分がどのイデオロギーに属しているのか」は、自覚して損はないような。少なくとも、「ゲーム批評」を本気でやりたいのなら、ある程度自覚しておいた方が良いんじゃないかなあ。そんな気がする。
 
 ちなみに私は…どんなイズムなのかねえ?改めて考えてみたけれど、よくわからん。おそらくあんまり一般的じゃないような気もするんだけど。ただまあ、私は「好き・嫌いという感想は述べても、ゲームの批評はしない。するのはルールブック批評」だと決めているので、とりあえずがコレでいいのかな。はは、ははは…