4月30日 ― 2009/05/01 02:39
本日の話題は、「地デ○カと著作権」について。今回あえて伏せ字を多用するので、多少読みにくいと思うんですけど、それは「わざとやっている」ことなのでご了承下さい。ネタの色は、あえてコレで。
地○ジカとは、民放連が発表した地上デジタル放送のPRキャラ。どーゆー存在なのかは、あえて皆様自身で探して下さい。なにせこやつ、「無断掲載は一切許さない」って話なので、怖くてリンクなんて貼れませんから(苦笑)。
コイツが登場した経緯については、ここではあえて問題にしない。酒の上での話とか、アレで家宅捜索ってのは…とか、ネタとして面白そうではあるけれど。とりあえず、今後地上デジタル放送のPR役はコイツが担うことになった。私に言わせれば、「ああそう」って程度の話ではあるけれど。
問題は、早くもこのキャラの「二次創作物」がネットに出回り、それを面白がった某マスコミが、民放連に「どう思いますか?」と聞いたところ、「ブログに掲載したり掲示板に載せることも、黙認しない」「二次創作物は、見つけ次第、厳しく対応」(一部略)ってな回答が寄せられたそうな。つまり、私がこのキャラについて語った場合、「厳しく対応」されちゃう可能性があるわけだ。
私は「同人誌を愛するヲタク」でもあるので、二次創作物に対する態度は甘い。つーか、私が集めている便せんのうち、少なからぬモノ(実はオリジナルの方が好きなので、割合は決して多くないハズなんだけど)が「バレたらマズい」ものではないかと思われる。もっとも、フツーは黙認すると思うけどね。そーゆー趣味を持つ人間なので、二次創作に関しては「世間一般とかけ離れた見解を持っている」自覚があるので、あえてここでは採り上げない。問題は「ブログに掲載することも、黙認しない」ってトコロだな。
フツーに考えれば、私ごときがブログに伏せ字ナシの「○デジカ」と書いただけで「著作権法違反だ!」と訴えられる可能性は低い。ただ、それは「フツーはソコまで厳しい対応はしない」からであって、「厳しい対応します」と宣言しているモノに対して通用する理屈かどうかは、多少怪しい。ブログへの掲載が「私的複製・利用」(著作権法でも認められている)の範囲になるかどうか、今のところ「明確な判断基準」がないからだ。
もちろん、世の中には「一般常識」ってものがあり、実を言えば日本国民の大半が「ブログに書くぐらいは、問題ない」と判断すれば、その理屈は通る。理屈の上ではね。実際問題となると…一番良いのは「適切な判例」が示されることなんだろうけど、私は別に知的財産権関連の判例に詳しいワケじゃないので、そんな判例があるのかどうかは知らない。多分ないんじゃないかとは思うけど。
そもそも、著作権法はあくまで「法律」であって、個々の事例について「これはOK」「コレは駄目」といった基準を示しているとは限らない…どころか、示さないのがフツーである。「法律」ってのは改正手続きにかなりの手間がかかるので、フツーはザックリと基準を示すだけで、細かい部分は法令・省令といった「より下位の法」で扱い、最後は「現場の判断次第」ってコトが多い。六法全書に掲載されている法律の条文を読んだだけでは、判断しようがないでしょ。
更に言うなら、著作権法はそれなりに古い法律であり、今のネット時代を想定しているワケでもない。だから「改正しよう」って動きもある。具体的にどう改正するのかは、確か今現在も色々話し合っていたような。とりあえず、私の持っている法律知識では、「私のブログに『地デジ○』と書いただけなら、法律的問題は生じない」と断言することは出来ない。
あくまでフツーに考えるのなら、それぐらいはOKだろう。ついでに言えば、訴えられて争う羽目に陥った場合、私なりに言い分は考えてある。ただ、民放連の言い分は「フツーじゃない対応をする」としか解釈しようがない。権利持っている側が「一切認めない、法で許されている行為なのかどうかは、裁判所に決めてもらう」ってな態度を取った場合、どうなるのかは何とも…少なくとも、私にはよくわからん。
ちなみにこの態度、ハッキリ言って「常識的な態度」ではない。権利関係に五月蠅いと有名な小学館(ドラ○もん)ディズニー(ミッ○ーマウス)・任天堂(ピ○チュウ)でさえ、ココまで厳しいコトは言っていないと思われるのだけど。会話の流れ?からはこの三者と同程度の姿勢で当たるってだけなのかもしれないけれど、正直その確証が得られない。
たとえばだ。私の知る限りの話だけど、「TDLに行ってきました!」ってお題のブログを書き、そこに園内で撮影した「記念写真」を貼り付けたからといって、訴えられたって話は聞かない。アフィリエイトでわずかといえど「収入」を得ているブログなら、「商業利用じゃねーか」と言われても仕方ないような気がするんだけど。ディズニーが「そんなコトされたら困るんだよね」って姿勢を取るつもりなら、いちいち細かく訴えるより、大々的に報道されて「訴えました。他の方も即刻やめて下さい」って警告を発した方が手っ取り早いから、おそらく私の耳にも入るハズなんだけど。
著作権法で扱っているモノってのは、完全なクロ(無断で完全な複製を金儲けに使う)と完全なシロ(関連性がゼロ)の間に幅広い「グレーゾーン」があり、そこに明確な一線を引いて「ここまでがシロ、ここからがクロ」と決めるのが難しい。だからこそ「基本的には権利者の意向次第」となっているのだろう。深く考えず「何でもかんでもクロ扱い」などと言ってしまうと、極端な話子供の落書きでさえ「クロ」になりかねない。少なくとも、「それが本当にシロなのか、裁判所に決めてもらおうじゃないか」ってトコロに持っていかれる可能性はある。
このことから推測すると、「黙認しない」と発言した人間は、「今の時代を考えればちっともフツーじゃないことをフツーだと思っている」人間の意志を反映した(本人なのか、上司のコメントを代弁しただけかは知らないけど)可能性が高い。どこかのブログに伏せ字ナシで「地デ○カ」と書いたあったからって、本当に「訴えてやめさせるべき」と思っているほどアレなのか、それとも単に「伏せ字ナシで書いてあるブログを発見しました!」とクソ真面目に報告したら、「そんな程度で報告してくるな!」とヌカす(立派な言行不一致だ)程度なのかはわからないけど。おそらくは後者だと思うけどねえ…
実際問題としては、この発言は「実際ネットを監視するわけでも、見つかった怪しげなモノに対して具体的にどう対応するのか決定するわけでもない」って立場の人間(偉いかぺーぺーのどちらかじゃないか?)が出所と思われるので、発言内容にビビる必要はなく、私の持っている「常識」よりはちょっとキビシー運用を心がける程度で、裁判沙汰は避けられるのでは。もっとも、これはあくまで私の推測なので、この場ではあえて「安全策」を貫くけどね(苦笑)。
私は正直地上デジタル放送がどうなろうとかまわないので、こういう「厳しい態度」が地上デジタル普及にとってプラスかマイナスかは気にならない。ただまあ、「それは権利の濫用レベルでは」って発言されたら、やっぱりカチンとは来るよね。皆様も「地○ジカ」の取り扱いには注意して下さいね。江戸時代の「葵の紋所」並みの扱いをするつもりかも知れないので。とりあえずあと800日程度は。その後は使わない予定らしいので、ひょっとすると嬲り放題なのかも知れないけど。
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