8月5日2008/08/05 23:35

 本日の話題は、東京ビッグサイトのエスカレーター事故について。事故そのものについては詳しく語れないけど、とりあえず文句は言っておきたいかなと。色んな意味で。
 
 ちなみに、私はこの日ビッグサイトにはいなかった。いわゆる「事故を起こしたイベント」であるワンダーフェスティバル(以下ワンフェス)に私がいても何の不思議もない(「燃え」目的か「萌え」目的かはともかく)んだけど、この日はゲームやってたので。ごく一部の方々にはミョーな心配をおかけしたかもしれない。なお、秋葉原通り魔事件の時には「安田記念だから、間違いなく競馬場にいる」という的確な理由から、全く心配されなかったようだけど。
 
 事故に遭遇したワケでもないのに、何故文句を言うのか?そりゃもう、コミケ直前だからだよ。エスカレーターの使用方法にワケわからん規制かけられたら、たまったものじゃない。多分大丈夫だと思うけれど、油断は禁物だね。
 
 まあ、本来ならこんなことはコミケのスタッフが心配することではある。連中は私以上に青ざめたのでは。ワンフェスとコミケはそれなりに客層が被る(私のようにコミケだけ行く奴の方が圧倒的に多いはずだけど)ので、ワンフェスで発生した事故はコミケでも発生する可能性がある。いつも以上にピリピリしてるんじゃなかろーか。
 
 ただ、実を言えばコミケの方が「この手の事故が起きる可能性は低い」と推定される。何故かって?これはコミケを「知っている」人間なら一発でわかるけど、知らない人間には説明が必要でしょ。よって少し解説しようかと。
 
 一般の人は知らないと思うけど、コミケってのは基本的にはボランティアスタッフで運営されている。ボランティアなので無給。まあ、色んな事情から「それでもやる価値はある」って判断をしてる奴が山ほどいるので、あのイベントは成り立っているのだ。
 
 ボランティアスタッフなんて信用できるのか?正直に言いましょう。まるで信用できません。何かあった時、連中に頼ろうなんて考えちゃ駄目です。こんなことは「古くからコミケに出入りしている人間」にとっては常識だけど、最近はフツーの店と同じ感覚でコミケに来て、痛い目に遭っている連中が多いんだそうな。
 
 ただまあ、連中にもいいところはある。数は多い。そんでもって、ヒマさえあれば「走らないで下さい、エスカレーターで歩かないで下さい」といった注意事項をがなり立てている。1日10~15万人という「気が遠くなるような人数」の移動をさばこうと思ったら、スタッフの能力よりコレが一番効くんじゃないかなあ。
 
 わかる奴にはわかるんだけど、実はこの手のイベントは「一般人の度合いが高い」「キチンとした組織が運用している」ものほど混乱が生じやすい。ゲームショーなんかでは「なってない」対応の結果大混乱が生じていることも多いって聞くし。コミケが「キチンと運営されてる」とはカケラも思わないけど、「せめてコミケレベルの対応をして欲しい…」と感じることは結構あったりする。
 
 何でそうなるのか?この手のイベントの客なんて、「放置してれば暴走する」んだよ。一般人だろうがヲタクだろうが。にもかかわらず、一般人は「私は暴走しない」と思っているし、キチンとした組織は「まさか客が暴走したりはしない」って前提でいるんだよ。一般社会ならともかく、こういうイベント会場でそれは間違いだね。
 
 それに対し、コミケにいるヲタクは…いや、連中もまた「オレは暴走しない」と無根拠に思ってる馬鹿だらけだ。けど、「隣にいる奴は暴走するかも」って意識はある。スタッフもまた「客はいつ暴走するかわからない」って意識は強い。「同じ穴の狢」だからねえ。比べればヲタクの方が暴走しやすいとは思うけど、それでも「暴走の危険性」に対する意識はヲタクの方が高いでしょ。
 
 コミケにおいても、「一般度の高い企業」の方が対応が悪い。特に私は「カレンダーかい漁り」なる意味不明な行動を採るので、それはよーくわかる。エロゲーメーカーはエロパワーでものすげー長い列を作っていることがあるけど、消化は早い。これが普通のアニメ制作会社だの雑誌社だのになると、「列は短いのにちっとも動かない」ってな危険性がある。これははっきり言って「セット販売」してるかしてないかの差だ。
 
 そりゃあね、私も基本ビンボー人だ。カレンダー「だけ」欲しいのに、いらんオマケを山ほどつけられるのは迷惑って言えば迷惑だ。けど、コミケ会場でいちいち注文聞いてたら、列が消化できるわけがない。その方がよっぽどイヤなんだよ。いちいちレジ打ちしてるトコロに至っては、「ここがドコだかわかってんのか!」って吼えたくなるね。
 
 コミケに代表されるこの手のイベントは、立派な「非日常」だ。しかも、悪い意味でも。客は放置しとくと暴走する、細かい注文に応えてくれるぐらいなら抱き合わせで売ってくれ、レジ打ちなんて論外だ…ってな、「一般常識とは隔絶した法則」が正しい世界なんだよ。そして、一般性の高い客・企業ほどこの事実を認識できてない。「非日常」の中に「日常の常識」を持ち込もうとして、色んな意味で自滅しているわけだ。
 
 今回の事件を引き起こしたワンフェスは比較的歴史が古いイベントで、ある程度は「わかっている」ハズだったんだけど…正直言おう、以前行った時に多少不安を覚えたのは事実だね。客の捌き方なんかが「常識の範囲」だったので。新聞報道などによると「1段につき3人以上人が乗ったのが事故原因では」って話なので、コミケじゃ常識とされてる「エスカレーターで歩くな」って約束事を適用しなかったんじゃないかなあ。
 
 ああいう事故が起きた直後だけに油断は出来ないけど、コミケの方が「その辺はわかっている」対応をしているはずなので、「事故が起きて私が巻き込まれた」なんてコトは起こらないんじゃないかと。つーか、もしこれを読んでるコミケスタッフ(いるのか?)がいたら、行政当局や会場側が何をぬかそうと、「いつもの対応」をして欲しいかな。それで充分だと思うぞ。だいたいだなあ、あのコミケで「エスカレーター乗り入れ制限」なんてやられたら、たまらん…

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