8月6日 ― 2008/08/07 03:10
旧聞に属するけど、赤塚不二夫先生、死去。いわゆる「トキワ荘世代」がまた…元気に連載を続けている藤子不二夫A先生には、この哀しみを乗り越えてまだまだ連載を続けて欲しいですね。
本日のネタは、多少はこのニュースと関連を持たせて、「『アオイホノオ』をどう受け取るか悩んでいるF男」を語ろうかと。どこに関連性があるのかは、読んでいればわかります。
「アオイホノオ」とは?先日廃刊した「ヤングサンデー」に不定期連載していた、島本和彦のマンガである。ちなみにこの作品、スピリッツ増刊「YSスペシャル」に移行するらしい。ただし創刊号からではなく、2号以降となっていた。
内容は、フィクション・ノンフィクション取り混ぜて「作者の若い頃」を語るもの。ただ漫画家になるまでを語るのではなく、当時話題になっていたマンガ・アニメが山ほど登場していて、作者の分身(つまりこのマンガの主人公)が影響受けたり、批評を述べたりしているのがミソ。
私は島本和彦のファンであり、とりあえず「定期連載を発見したら、その雑誌を読み始める」ことにしている。当然、この「アオイホノオ」も読んではいたし、読み続けると思う。ただ…「うーん、何だかなあ」って感じてしまうモノがあるのも事実なんだな。
そう感じる理由は、「島本和彦が過去を語るのは10年早い」である。これは批判ではない。過去を語るのは、もう少し年配になって「第一線でバリバリ仕事するのは多少辛くなってから」でいいじゃん!ということである。さすがに週刊連載は辛いかもしれないけど、まだまだ「普通の漫画」でやっていけるのに、いつでもできる「過去を語る」って手法を使うのは…正直、「面白いけど、こんなものを認めて良いのか?」って感じちゃうんだな。
私の考える「過去を語っていい漫画家」というのは、トキワ荘世代までである。あの世代は流石に「バリバリ仕事して下さい」ってワケにはいかないでしょ。まあ、もう少し下に広げてもいいとは思うけど、それでも島本和彦まで一気に若返るってことはない。80年代デビューの作家が老け込んでどーすんの。まだ早い…ってことにしておきたいんだな。
ある意味シャレになってないのは、この作品に出てくるほとんどの作品を、私がリアルタイムに楽しんでいたという事実である。70年代末から80年代初期の作品ばかり出てくるから、ある意味不思議でも何でもないんだけど…幸いなことに?当時の私が「単純に楽しんでいた」のに対し、この漫画では「お手本かさもなくば具体的目標」として登場していて、明らかに楽しみ方が異なるんだけどね。世代を考えれば、それが当然でしょ。
余談だけど、私の「ヲタク分類論」によると、島本和彦は「第一世代」に属する…はずである。「第0世代」が「団塊の世代、もしくはその上を中心とする層」で、今の漫画界の基礎を作った方々。「第一世代」ってのはコミケを創設した世代及び、「初期のコミケでネタになる作品を創ってきた層」である。島本和彦は年代的にこの辺に属するハズなんだけど…なお、「第二世代」ってのは私が属している層で、「コミケが開催不能に陥っても別に不思議と感じない」世代。初期のコミケがどんなもので、どういう経緯で幕張メッセを追い出されたのかよく知っている連中だね。コミケ=東京ビッグサイト時代しか知らない、ある意味「コミケが無くなるとはあまり思ってない」層が第三世代。ちなみに「年齢はともかく意識としては第三世代」って奴は少なくない。なお、「ヲタクなのに、コミケとアキバの区別がよくわかってない連中」(私みたいな人間には信じ難いけど、どうも実在するらしい)を「第四世代」と分類した方がいいのかなと考察中である。
そりゃあ米沢コミケ代表もお亡くなりになり、いわゆる「第一世代」の方々も元気が薄れる年齢になってきたのは事実。とはいえ、「第0世代」の方々も「元気な方はまだまだ元気」なんだから、色んな意味で老け込まないで欲しい気がするんだな。「アオイホノオ」は、これ自体は「老け込んだ証」ではない…と思いたい気もするんだけど、私の心のどこかでそう扱っているんだろうなあ…
もっと正直に言ってしまうと、すぐ上の世代に老け込まれると、「永遠の青二才」である私としては色んな意味で困るんだな。ちょっと前までこの称号は「現実を直視した結果」だったのに、今はもう「現実逃避した称号」ってことなのかねえ。ああいやだ。歳なんてとるもんじゃないですよ。トホホ…
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