6月29日 ― 2009/06/30 01:02
ディープスカイ敗北…だから「タラレバ遠征」はロクなもんじゃないと。まあ、このパターンは「行ったところで駄目」ってオチがあるんだけどな。
時事ニュースネタはあまりやらないのがこの私。けど、コレは流石に…一部で無茶苦茶盛り上がっているけど、新聞などでは大半スルーだからなあ。つーわけで、「児童ポルノ禁止法改選案が滅茶苦茶な件」について。色はあえてコレで。
この法案、今国会で審議しています。下手するとマジ通ります。にもかかわらず、法案提出者の言い分がスゴすぎます。流石に呆れてしまうレベル。だって、ヤバいなんて甘いレベルじゃないですよ?
児童ポルノ禁止法(以下「児ポ法」)改正案ってのは、要は「児童ポルノ」に対する規制。これ自体はあまり問題ない。児童の人権を守るのは大事なことだ。ただ、やはり「表現の自由」ってものは大切に…って話じゃないです。与党規制派の言い分はそんあレベルの話じゃなくなってます。
与党の言い分は、「単純所持の禁止」。私に言わせると、この時点で「フザけるな!」だ。過去において合法的かつ普通に売り買いできたモノを、全部廃棄する必要があるんですよ。私の思想・理念によれば、「いくら何でももう少し緩やかな中間段階設けろよ!」である。
でも、児童ポルノなんて持ってる奴は一部のヘン○イだけ…と言えるかな?日本の法律では、児童って「18歳未満」だよ?しかも、ヌードどころか水着でもセーフと断言できない。実年齢にかかわらず、「見た目が18歳未満」だったらアウトと明言している。答弁で宮沢りえの「サンタフェ」は多分アウトだ、必要なら確認する機関(天下りで作るのか?)に聞けと言っている。あと、どうも「明らかにババアだけど、セーラー服着ている」はアウトらしい。欧米人の基準を持ち出されたら、某新人最多勝ジョッキーと噂になった、競馬番組のキャスターやっているほしの○き方も「ロリ」なので駄目。「ヘンタイを捕まえる」のが目的なので、対象の実年齢はあまり問題じゃないらしい。
しかも…18歳未満だったら「男性の乳首」もアウト。「コンサートなどで汗まみれになって歌っている18歳未満男性の写真」は駄目と明確に言っている。言っておくけど、男が男の写真持っていても関係ない。逆に女が女の写真持っていても同じ。趣旨から言って幼児は性別問わず論外なので、「昔の紙オムツのCM」が入っていそうなTV映像即アウト。
この法律、実は「そーゆー法を作れ」って外圧がキッカケで作り始めた法だ。その外国では、「肉親でない子供の写真」は記念写真レベルでアウト、自分の子供の写真でさえ、疑われて取り調べられたって事例が…つまり、「オレは大丈夫!」と安心しようと思ったら、記念写真やら卒業アルバムは危険。「そんなものあったかもしれないけど、大丈夫じゃね?」だと「未必の故意」(必ずそうとは限らないけど、そうかもしれないってコトは承知している状態)でアウトなんだから、細かくチェックした上で「問題ない」と確認する(アウトの部分はもちろん捨てるしかない)か、全部捨てるかの二択。どう考えても規制対象が広すぎる。
電子メールに関しては、もっと惨い。「1回でも開けたら所持」「届いたら開ける前に即座に削除しろ」「開けなくてもわかるはずだ」ときやがった。スパムフィルターかけていても、「スパムの疑いがあるメール」を一定期間保持してるようならアウトっぽい。HDDのアクセス回数を調べて、何回も見ているようなら逮捕ときたもんだ。その辺の情報なんて、悪質なウイルスにヤラれたらいくらでも書き換わる危険があるんですけど?だいたい、開かずにどーやって中身確認するんだよ。今時スパム送る連中が「エロ画像デース」なんて言って送りつけると思うのか?
ちなみにこの法律、現状では二次元は対象外である。二次元は「実際被害を受ける児童」が存在しないので。ただ、規制推進派は「いずれ二次も」と明言している。この時、間違って「今議論しているレベル」適用されたら…エロ系どころの話じゃない。幼児向けからして危ない。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」は確実にアウト、週刊少年誌連載作品は半分ぐらいヤバい。ヤング誌は9割無理。月刊誌系もダメダメでしょ。記憶が正しければ「ゴルゴ13」に昔「幼女に性的イタズラ」うんぬんって回があったので、この巻は探して捨てるべき。「釣りバカ日誌」は鯉太郎入浴シーンでアウト。「あぶさん」でさえ、息子の影虎が小さかった頃に入浴シーンがあったかどうか、記憶が定かじゃない…ってことは、イチイチ調べるか全部捨てるか。少女漫画は怖くて所有できません。アニメ?ゲーム?「聞くまでもない」ってレベルだな。
あ、あと「アートだから」は通らないって言っている。現状では「これはアートだから」とヌード写真を認めたりしないよって意味だと思うけど、これが二次元にも適用されたら…ルネサンス時代の宗教画はほぼ駄目ですな。もちろん画集含めて。ルノアールやドガもかなり怪しい。美術館はセーフだとしても、個人所有は「資産運用目的」なる、胸くそ悪い理由のみが例外になるかも。
一応、「性的好奇心を満たすため」じゃなければ所持していいコトになっているけど、どーやってソレを証明しろと?取り締まる側に立証責任があることは事実だけど、「証拠の王様」(規制派が本当にそう言った)である「自白強要」されたら…しかも、「逮捕」自体は「その疑いあり」でできるから、警察が「性的好奇心を満たすため持っていた疑いあり」と判断したら、とりあえず連行される。どう考えてもそうなる。
つまりこの法律、「誰でも当てはまりかねない」ものを、警察の裁量1つでホントにどーとでもできちゃうのである。そりゃあね、画家(デッサン資料としてのヌード)だの医者(医学書)だのがが「資料だ!」と主張したら、セーフになるかもしれない。けど、「趣味で絵をやってます」「昔医者になりたかった頃の思い出です」なんてレベルだと、認めてもらえるかどうかは「お上次第」だ。判断基準が曖昧すぎる。
隠し持っていれば大丈夫か?タレ込みされたらどーしよーもない。エロ画像が入った記録メディアを鞄に隠されていたら、「涙を呑んで全て処分した」場合でもアウトっぽい。ついでに言えば、泥棒に入られたからと言って警察呼ぶのも危険だ。「熱心な」警官がついでに何か見つけるかもしれない。「酔っぱらって全裸になり、駆けつけた警官を殴る」と家宅捜索されるって前例もありましたねえ。
「昔合法だったモノを持っていたからって、逮捕されていいのかよ!」と抗議しても無駄。確かに日本憲法は「遡って罪に問うような法は作れない」と明言しているけど、今回処罰の対象は「単純所有」だ。これは自動的に現在進行形なので、過去から持っていたのか最近手に入れたのかはまるで関係がない。処罰対象にならないのは、「過去に山ほど持っていたけど、今は持ってない」場合だけ。
日本国民の常識にそぐわない?この法律、外圧で作られたからなあ。要は「今まで良いと思っていたその常識を、変更して下さい」って趣旨の法律だ。裁判で「この法律はオカシーだろ」って判決を出してもらうつもりで戦わない限り、この点で反対しても駄目じゃないかと。
私が思うに、この法律は「適用範囲が広すぎる」「判断基準が曖昧すぎる」という点で反対するしかない。けど、怖ろしいことに政府与党はこんな法案通そうとしているんだよ。「まず規制ありき」ってのがミエミエ。野党は多少ましな対案出しているけど、衆院の2/3が与党議員だって現状においてドコまで抵抗できるかは…
そりゃあね、警察だって馬鹿じゃない。いくら何でも、いきなり一般人の反感買うような適用はしてこないと思う。けど、「その気になればいくらでも悪用できる」モノを放置しておこうモノなら、どうなるかはわかったものじゃない。ついでに言えば、「容疑者として逮捕=犯人」と決めつけるのが当たり前と思われている日本社会において、「逮捕されたけど不起訴だった」が救いになるのか?「ヘンタイ」のレッテル貼られて社会的に抹殺されかねない。警察に気に入らない行為をした、地元有力者とモメた、近くにマンション/スーパー/パチンコ店が出来ることに反対/賛成した…ってな理由で「警察に目を付けられた」ら、どうなることやら。
こんな法案の行く末は…かなりの高確率で「恐怖の相互監視社会」だろうね。密告されるのがイヤなら密告しろって世界だ。日本は民主社会だから大丈夫?ナチスドイツは民主的に権力の座に着いたし、アフリカでは「民主的な手段でその地位に就いた」独裁者がウヨウヨ。アメリカにさえ「赤狩りの時代」があったのを忘れちゃ困る。こんな法律を認めるようでは、日本が「スターリン時代のソ連」「文革時代の中国」「現在の北朝鮮」並みの国になっても、文句は言えない。自慢じゃないけど、私はその状況で「笑っている側」にいるとは思えないね。正直、いたくもない。
何でこうなっちゃったのか?まあ色々理由はあるんだと思う。あえて書かないけどね。児ポ法改正自体は悪いコトじゃないと思うけど、だからってコレはない。「地獄への道は善意で舗装されている」ってことわざを忘れちゃ駄目だろ。そんなこともわからんような愚かな奴を、国会に送ったつもりはないんだけどなあ…
ちなみに今回の更新、私なりに度胸決めて書いてます。だって、「こーゆー思想」の持ち主である以上、「ああ、ヘンタイなのね。じゃあ摘発してやるか」と思われても、どーしよーもないわけで。そうなったら「こんな法律は憲法違反だ!そんな法律に違反して何が悪い!」って徹底抗戦したいけど、カネが持つかなあ…まあ、その覚悟だけは持っておこうかと。
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