6月12日2009/06/13 00:08

 本日の話題は、「PSP2(仮称)は発売されるのか?」について語ろうかと。ちょっと前から暖めていた話なので。
 
 以前、IT系(ゲーム系)のサイトで「次のPSP」が話題になった。近いうちに何かしら発表されそうだってんで。蓋を開ければそれはPSP Goだったわけだけど。そういう記事を読み返してゆくうち、ふと「PSP2って、発売されるのだろうか?」ってことが気になり始めた。そこで、私なりに少し考えてみようかと。
 
 フツーに考えれば、PSPの後継となる「携帯ゲーム機」は何かしら発売されそうなモノだ。PSPは任天堂のDSに押されているようだけど、後継機投入を断念するほど劣勢ってワケでもない。いずれ何かしら発売される可能性は高いだろう。そういう意味では、PSP2はいずれ発売されると思われる。
 
 問題は、SCEが次に発表する「PSPに続く携帯ゲーム機」は、果たしてPSP2と言えるような存在なのだろうか?ってこと。いや、そもそもSCEが発売するのかさえ問題かも知れない。SCEではなく、ソニー本体が発売する「ゲームも出来る新型ウォークマン」が「PSPに続く携帯ゲーム機」になるのかもしれない。その可能性について、ちょっと考えてみた。
 
 とりあえず、SCEがPSPを「iPhone&iPod touchに対抗できるモノ」にしようとしているってのは、PSP Goを見ればわかる。ソフトはダウンロード販売。ユーザーはPCなりPS3なりでダウンロードソフトを管理…ってのは、要はそーゆーことでしょ。ただ、この考えを突き詰めてゆくと、別に「通信機能を備えた携帯ゲーム機」である必要性は薄れる。iPhoneなどと同様「ゲームも出来る携帯機器」であってもいいわけだ。
 
 そーやって考えてゆくと、ソニーにはウォークマンがあり、更にソニー・エリクソン(グループだけど別会社)って携帯電話メーカーがある。これらを統合して何が悪い?商売考えたら、統合した方が手っ取り早い気がする。
 
 もちろん、現実問題としてこれがうまくいくのかは別物。ただ、下手に別々に開発させていくと、「似たようなモノが出来て市場を食い合ってます」って事態になりかねない。そうやって考えてゆくと、仮にSCE内部にPSP2開発の話があったとしても、どっかの段階で開発中止に追い込まれている可能性はある。
 
 この仮説が当たっている場合、「PSPの次の携帯ゲーム機」の正体は簡単に特定できる。Android機器だ。AndroidってのはGoogleが音頭取って開発した、「共通規格の」携帯機器のこと。実際作るのは各メーカ。Googleはその「仕様」を決め、自社のサービスが利用しやすいようにする…って戦略だ。基本的には携帯電話用の仕様だけど、iPhoneよろしくビジネスソフトなども利用できるようにしてある。この仕様に従ったノートPCをネットブックとして発売する…って話さえもある。
 
 何故Androidと特定できるのか?そりゃまあ、ソニーエリクソンがAndroid携帯に凄く前向きで、ソニーの次期ウォークマンが「Android仕様に従ったモノになる」って噂があるからねえ。そこまで肩入れしている以上、いちいち別のモノを作る理由が薄い。Windowsが動くPCを作っている以上、他のPC作る理由が薄いって話と同じようなモノだ。
 
 Androidが「ゲーム機としてみた場合、どうなのよ」ってのは、正直未知数。iPhoneが「携帯ゲーム機に取って代わるかも」と言われている以上、Android携帯にもその可能性はありそうだけど。ハードの性能的には「ゲーム機として考えるとセコい」可能性はあるけど、面白いゲームかどうかはハード性能だけじゃ決まらない以上、それでいいのかもしれない。ただ、ヘビーゲーマーには「物足りない」と思われるかもね。
 
 ただ…SCE&ソニー本体が本当にこの路線を突っ走るのかは、何とも言い難い。本当にこの路線を突っ走るのだとしたら、ゲーム系の流通と小売りは真っ青だ。PSP Goはまだ「ハードはゲーム屋で入手するモノ」かもしれないけど、これはハードもソフトも「ゲーム屋で売ってもらわなくて結構」って話になるからなあ。
 
 更に言うなら、Androidってのは「オープンな規格」なので、今までのような「ハードによる囲い込み」は基本的に使えない。ゲームメーカーは今までのように「SCEが出しているハードのためのゲーム」ではなく、「Androidって規格に従った機器全てで動くゲーム」を作ることになる。おかげで開発環境は安くなるだろうけど、その代償として「プロ仕様の至れり尽くせりの開発環境」は夢物語と消え、更に競合相手が無数に増えることになりかねない。結果としてゲームの値段が激しいデフレを起こし、開発にカネのかかる大作を作れなくなるかもね。
 
 そうやって考えてゆくと、SCEが「携帯ゲーム機市場」なるものを維持しようとするため、ソニー製品との競合を覚悟の上でPSP2を開発する可能性はある。多少汎用性が失われても、「ハード性能から見て、ゲーム機として優れているモノ」を作れば、売れるだろうから。ただ、「どうも携帯ゲーム市場はスマートフォンに相当食われそうだ」と予想されている現状において、本当にその路線が正しいのかどうかは、私には何とも言えない。
 
 とりあえずの予想としては、任天堂はそーゆー路線に走らないと思われる。スマートフォンは何だかんだ言っても「お子様」に気軽に与えるようなモノじゃない(価格だけの問題じゃなく)ので、任天堂がお子様を斬り捨てるような方向に走るとは思いにくい。けど、PSPはより思い切った方向転換をしやすい程度に市場が小さく、しかもユーザーの平均年齢は高めって話もある。ましてやPSP Goの「方向性」を考えたら…
 
 当たり前の話だけど、PSPが「ドコに向かうのか」は、PS3やその後継機にも影響する。トップの座は譲ったとはいえ、まだまだ侮れない市場規模を持つPS3をどうするのかも含め、「ソニーグループはゲーム市場をどうしたいのか」を見てゆく必要があるんじゃないかなあ。本当、どーするつもりなんだ…