6月3日 ― 2009/06/04 02:39
何故かGoogle Chrome最新版(βの話)のDLがうまくいかん。私にとってこのブラウザは「不具合満載のβでも実害ない」んだから、テストしてみたかったんだけど…その代わり、Operaがαからβになった。だからどーしたレベルの話ではあるんだけど。
本日の話題は、米国でやっているゲームショー「E3」で発表されたモノについて。中心になるのは、SCEが発表した「PSP Go」かな。私なりに思うところをつれつれと書いてみようかと。
E3ってゲームショーの位置づけは…まあ、色々あったと記憶しているけれど、私はそう詳しくないのでパス。とりあえずは「米国の、デカいゲームショー」だと思えばいい。新製品発表のいい機会なので、MS・SCE・任天堂なんかは発表を行ったわけだ。
比較的大人しかったのは、任天堂。「売れそうな」ゲームタイトルをいくつか発表したけど、これ自体は「いつもの話」なので特別注目には値しない。Wiiの新コントローラー?として「人間の脈拍を測るモノ」が発表されたけど、これがどうゲーム(ゲームと呼べるかどうかは別にして)って形になるのかはわからん。あえて「つまらん」発表だったと言っていいかも。ただ、現状「勝ち組」であるこの会社が、別にここでド派手な花火打ち上げる必要がないのは事実なので、だからどうしたってワケじゃないと思う。
一番刺激的だったのは、問答無用でMS。この会社にとっては「母国」での発表だから、力を入れたんだと思われる。Natalとかいう、「センサー使ったインターフェイス」を発表したのだ。どーゆーことかと言えば、要は「カメラセンサーの前で動き回るだけで、コントローラーの役目が果たせる」ってシロモノだ。技術的には、確かにスゴい。
ただ…「技術的にスゴい」と、「それで面白いゲームが作れる」は別の話。会場でデモできる程度には完成しているようだけど、それと「実装して、ゲーム作って、買って楽しんでもらえる」レベルにあるのかは…正直、完成度は気になる。私が思うに、いかにも「ビル・ゲイツが喜びそうな」シロモノだけに、むしろ不安かな。「PCの前でちょっとしたジェスチャーをするだけで、アプリケーションが制御できる」なんて、いかにもMSがやりたそーな話だ。「マウスやタッチパネルをPCから追放すべく、10年前からずっと研究してました」って品を持ち出しただけだとしたら、完成度については期待できそうもないからなあ。とはいえ、色んな意味で「期待できる」モノだとは思う。Windows8(仮称)に搭載して欲しいかも。
評価が難しいのは、SCE。ちょっと前から噂になっていた、新型PSPを発表した…のはいいんだけど、これがまた「どう評価して良いのか悩ましい」品でねえ。やりたいことはわかるし、ある意味「これから」を先取りしているけど、ゲーム界の「現状」に即しているのかどうかは、ちょっと…
新型PSP、通称「PSP Go」は、全ソフトダウンロードを前提としている。パッケージソフトをどうこうする装置は一切無し。メモリカードスロットはあるようだけど。その代わり、内蔵メモリは16GBと多め。価格を考えたらiPod nanoよりちょっと割高(一応App Storeで価格調べた)だけど、ゲームできるんだからこんなものか…って範囲内。更に、ダウンロードしたソフトをPCで管理できるソフトがオマケに付くんだとさ。なお、今までのPSPと併売するつもりだそうな。
これをどう評価するかは…正直わからん。確かに、「ライバルはiPod touch」だと言うのなら、この路線は間違ってないような気もする。でも、これって一応ゲーム機だからねえ。ゲーム機としてあまり魅力がないようだと、売れないんじゃねえかって不安も出てくる。どう評価して良いのか、戸惑う商品ではあるね。
時代の流れを考えるのなら、「これからはダウンロード」ってのは間違っていない気がする。ダウンロード販売って欠点もあるけど、全体としては利点の方が大きいと思うので。ただ、この期に及んですら「音楽CDってのは、買わないと所有欲が満たせない」とヌカす奴(私は全く別の理由からCD買っているけど)が生き残っている世の中だ。ゲームから「手に出来る実体」がなくなるとなったら、心理的抵抗はかなり大きいと推測される。
もっと問題なのは、ダウンロード販売の利点の1つ「流通を中抜きできる」が、場合によると欠陥に化けること。今までつきあいのある流通をバッサリ斬れるワケがないからねえ。そんなことしたら、肝心のハードも扱ってもらえなくなるわけで。この点、実はゲーム機ってのは販売戦略上不利じゃないかと。ハードもソフトも「玩具」なので、扱う店が同じだから。流通や小売りとしては、「ハード売り上げを人質に、ソフトも扱わせるよう強要する」ってワザを使いやすい。流通も「世間の動向」を完全無視は出来ないはずだけど、そもそもハードが売れなければブームも起きないから、少なくとも「ダウンロード時代」到来を遅らせることは可能だ。
とはいえ、「ゲーム機としてはダメダメでも、ゲーム機じゃないと考えれば優秀」って評価を定着させてしまえば、売れる可能性はある。実際、iPod touchの16GBモデルより安いってのは「スゲーな」と思うわけで。おそらくブラウザの使い勝手などはiPod touchの方が上だと思うけど、それでもAppleにしてみれば「競争相手出現」と感じるだろうな。脅威なのかどうかはまた別としても。
とりあえずの推測では、おそらく海外では結構売れそうな気がする。向こうの人間の方がダウンロードに抵抗が少なそうだし、この手の商品を扱う流通の立場も弱そうだから。今じゃ海外市場も相当デカくなり、下手すると日本市場よりも重要だったりするから、こーゆーのもアリなのかとは思うけど。
もっとも…海外市場の話が出てくると、下手すると「内外価格差問題」に直面しかねないのも事実。同じソフトが日本国内と海外で「かなり値段が違う」ことが大規模に表面化すると、色んな意味でマズいことになりかねない。ダウンロードの場合は送料が問題にならないだけに、事態はより深刻じゃないかな。一応は言葉の壁が立ち塞がるはずだけど、ハナからマルチリンガル対応ソフト(海外市場が重要になった今、夢物語じゃない)だったりしたら…1曲単位で考えたらさほど高くない(ことが多い)音楽と違い、ゲームだと深刻な問題になりかねない。
ダウンロード機能自体は現行のPSPにもあるので、仮に「ダウンロード専門タイトル」がバカスカ発売されたとしても、SCEがちゃんと救済策を打ち出せば、ユーザーはさほど困らないはずだ。それを考えれば、実際PSP Goを買うかどうかは別として、「ダウンロード時代」がやってきたところで、さほど問題視しなくて良さそうな気はする。でも、SCEが本当に「ゲームソフトもダウンロードが当たり前」って時代に誘導できるのか、そんな時代が来た場合に予想される諸問題にキチンと答えを出せるのか、については何とも。根が「ゲーム機じゃない」という特徴(利点でも欠点でもある)を持つiPhone&iPod touchと張り合うのが得策なのかどうかは、私にはわからない。
なお、ダウンロード直販ってのは「お子様には荷が重い」って特色があり、考えようによってはそれが利点ともなり得るわけだけど、ソコをどーするつもりなのかは何とも。とりあえずソフトウェアキーボード搭載って話はないのでビジネスソフトのたぐいは厳しいかも知れないけど、別の意味で「大人向け」の品を扱いやすいって部分は…もっとも、あの会社がその路線に踏み込む可能性は皆無だけどね(苦笑)。
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