6月14日2007/06/15 01:25

 うーん、なんか気合い不足。こんなんで週末大丈夫か?なんか大変なことになりそうだってのに。ま、深く考えるのは止めよう。
 
 本日のネタは、ここ最近まとまりが悪くて何度かボツにしていたネタ、「法科大学院の実力について」語ろうかと。今年の新司法試験関連の数字はとっくの昔に出ていたのにね。ま、色々あるんですよ、色々。
 
 先日発表された、新司法試験短答式合格者数。詳しい数はここの3ページ目を参照してくださいな。つーか、是非見て欲しい。特に「新聞で見たからいいや」と思っている人は。一般紙の発表した数字は、「アホか」って言いたくなるほどヒドいんだもの。
 
 どこがヒドいのかって?「大事な」数字を端折ってやがるのだ。私が見た新聞記事には、「受験者」と「合格者」、それと「合格率」が示されていた。実を言えば、これだけ見ていたのではわからないモノが隠されているんだな。関係者(一応私も含む)は大騒ぎしてるってのに。この辺、新聞報道の「ツッコミの甘さ」が伺えますね。
 
 そもそも、短答式合格率ってどーゆーものか?センター試験の足切りみたいなものだと思って欲しい。これを通過しないと、論文式試験の採点してくれないのだ。足切りさえ回避すればいいってものではない(論文式も含めた総合点で合否が出る)けどね。ちなみに、「全科目で一定点以上、かつ全体の6割」できれば自動的に通過する。
 
 試験前の私の予想は、「全体の通過率はかなり悪くなるだろう」だった。今年から「浪人」の受験が始まるし、何と言っても「未修者」の受験が始まるから。未修者って何か?法科大学院ってのは、おおむね2つのコースがある。1つは「大学の法学部などで法律をしっかり学んだ人」を対象にした「既修者」コース。もう1つは建前上「今まで法律の勉強してなかった人」を対象にしたもの。去年新司法試験を受けたのは、2年間で卒業する「既修者」オンリーだったのだ。
 
 未修者のどこが悪いのか?法学部を出た奴が2~3年(大学による)かけて学んだモノを、1年で詰め込まされるんですよ?ごく普通の大学生より真面目に勉強してるのは事実としても、2年目になって机を並べるのは、「司法試験合格したいから」とクソ真面目に勉強してきた大学生だ。ハンデはあると考えるのが普通だね。
 
 おまけに…教える側だって手探りである。大学と同じ授業では時間が足らない。必然的に「詰め込み」がある程度重視されるけど、それでは応用力(これが無いと論文式で点が取れないし、そもそも授業についてこれない)不足になる恐れが…新しくできた制度だけに、「どーすりゃいいのか」わかっている奴なんていやしないのだ。
 
 私は、この辺の無理は短答式で大きく出ると思っていた。短答式ってのは、とにかく知識量勝負だ。法律の条文・判例・学説などを数多く覚えているかどうかが問われる形式なので。旧司法試験の場合、こういったものは「司法試験予備校」でとにかく詰め込む…ってワザがあった。しかし、法科大学院生にこの手は使いにくい。授業ビッシリ入っているのが普通で、しかも予習量は山ほど。予備校どころか、バイトすら難しいんじゃないかな。某マンガに「キャバクラでバイトしてた法科大学院生」なるものが出てくるけど、現実ではそんなことしてたら卒業も怪しいと思う。
 
 ただ、この予想はかなり外れた。私が思っていたよりは足切り通過率は良かったのだ。「今年は問題難しい」って評判があったのにね。この点を考えれば、法科大学院も捨てたモノではないってことなのかも。とりあえず良くやった…と言いたいところだけど…
 
 関係者以外には全く知られていないと思うけど、今年の新司法試験直前に怪しげな噂が飛んでいた。一部の法科大学院が、出来の悪い生徒に「今年受けても無駄だから、受験するのやめなさい」と勧めていた…ってものだ。これが本当だとしたら、今年の合格率は実は「底上げされたモノ」かもしれない。
 
 そりゃあね、「受験するだけ無駄」ってレベルの生徒が出るのは仕方ないことだと思う。でも、だからって「受けるな」と勧めるのは…確かに、新司法試験には「受験回数制限」がある。法科大学院卒業後3回以内で合格しなくてはいけないのだ。だから、「まだ無理」と判断したらあえて回避するのも「選択」だ。それでも、「自分のドコがどれくらい駄目なのか」きちんと理解しようと思ったら、受験するのが一番手っ取り早い。卒業後最初の試験は、ダメモトで貴重なカードを使う価値があるんじゃないかな。それを辞退させるってのは…はっきり言って、「法科大学院の対面を守る」以外の価値が見出しにくい。
 
 新聞報道がアテにならないのは、ここである。単純に受験者数と合格者数で求めた合格率では、底上げされた数字しか出てこない。悪辣な行為に対して報酬を出してるようなものだ。ちょっと突っ込んだ分析をしてきちんと報道すれば、一発で暴けるコトなのに。何考えているんだか。
 
 法務省の出した数字には、各法科大学院ごとの「出願者数」も出ている。実は、真の合格率を求めようと思ったら、この数字と合格者を比較したものも掲載するべきなのだ。確かに、「出願したけど受験回避した」奴ってのは、「卒業失敗した」「病気・ケガといったアクシデントがあった」といった「そもそも受験できる態勢になかった」受験生が含まれるので、合格率とは多少縁が薄いように見える。しかし、そんな奴が不自然なまでに多いトコロは、「何かやらかしやがった」可能性かある。あえて私の口からは「ドコが臭い」とか言わないけどさ。
 
 そりゃあ私は法科大学院に勤務してる。派遣だけど。バラしたらヤバイモノも含め、受験結果分析だの何だのと言った資料に触れる機会はかなーり多い。おまけに、偉い先生方の「生臭くて赤裸々な分析」が耳に入ってくることもある。その点、どう考えてもフツーの人と一緒には出来ない。けどねえ。今回ここに書いたことなんて、初歩中の初歩だと思うんだけど。「私の立場だから」書けたコトなんて全く書いたつもりはない(そもそも、そーゆーことしか書かないようにしたからまとまりが悪かったのだ)し。専門的な雑誌(法律雑誌や受験雑誌など)にはそのうち似たようなことが掲載されること確実でしょ。
 
 ま、こーゆーのはフツーの人には無関係かもしれない。ただねえ。学歴がうんたらこーたらヌカすんなら、学校の実力比較をある程度キチンとやってからにしてもらいたいね。ブランドに頼るのが悪いとは言わないけど、その価値・意味を知らずに有り難がるのはどうかと思うので。
 
 とりあえず本日はココまでとしよう。「真の結果」が出るのはまだ先のことだし、重要なデータがまだ発表されてない段階だからね。つーか、この辺で止めておかないと色んな意味でヤバいこと口走りそうで…特に、我が母校とか我が母校とか我が母校とかな!何やってんだ!