6月12日2007/06/13 02:16

 土・日・月とPOGドラフトリスト作りで忙しかった。こーゆーものは勢いが大事なので、ガツンと作業したかったのだ。おかげで相当ブッ飛んだシロモノが完成しました。細かい解説はまた後日ってコトで。
 
 本日は何だかワケわからん衝動にかられ、何故か「シャーロック・ホームズ物のコミック」を2冊も買ってしまった…良い機会?なので、この作品について「この色の観点から」少し語ってみよう。
 
 何だかんだ言って、ホームズは名探偵の代名詞である。より新しい作品にも素晴らしいのはいくつもあるけど、やっぱり「ホームズ」は別格だね。エアシャカールを追いかけてロンドンに行った私が最初に行った観光地は、ベーカー街なんだから。
 
 そういう「ミステリーとしてどうこう」って話はパス。私ごとき小物が語るコトじゃない。よって、かなりフザけた角度から語ってみようかと。サー・アーサ・コナン・ドイル様ごめんなさい(笑)。
 
 実を言えば、ホームズ物は腐女子と相性が良い。野郎が「メイド萌え」などと騒ぐ以前から「執事がどーのこーの」と言ってた連中だ。ヴィクトリア朝の英国が舞台の作品と相性悪いワケかない。おまけに、確かにホームズとワトソンの関係は「腐女子のやおい心」にヒットするものがありそうだ。
 
 いやね、別にホームズが攻めでワトソンが…ってワケではない。むしろ「そーゆー関係」と縁遠そうなトコロが…一口に「やおい」と言っても色んな好みがあり、「欲望むき出しなのはちょっと…」って層もいるんだよ。そんな連中から見れば、たしかにこの2人の関係ってのはクるものがあるんじゃないかなあ。
 
 ホームズは確かにスゴい人だ。頭脳明晰なのは言うまでもなく、体力も結構ある。男の目から見ても「カッコイイ」のは間違いない。しかしその反面、ダメダメなところも山ほどある。プライドは山のように高く、誰にでもズケズケ物を言う。社会性はカケラ程度しかなく、生活態度は最悪。とりあえずコカインはやめたらしい…って程度だものね。
 
 そんな「偏屈な天才」と友人なんだから、ワトソンはスゴいの一言である。ワガママに振り回されっぱなしなのに。ただその代償として、ホームズはワトソンの前で一番格好良く「勝ち誇って」くれる。決め台詞の「初歩的だよ、ワトソン君」はやっぱりシビれるからねえ。その上「下劣なる欲望」(性欲のこと)と無関係ときたもんだ。その昔からごくごく一部が騒いでいた(らしい)のは、わかるような。ちなみに今回購入したのは、「系列から言えばその筋」だけど、表面上はごくフツーってもの。まあ、そうでなけりゃいくら私でも手を出したりしない。
 
 そーゆー意味では、いわゆる「少年漫画系」の方がホームズの魅力を「わかってない」かもしれない。派手な立ち回りとか、余計な色気とかを盛り込もうとするからねえ。そうしないと絵が地味で…ってのはわかるんだけど。この系列で大ウケした作品(「金田一」と「コナン」がそうだな)ってのは結局江戸川乱歩&横溝正史の影響が濃く、むしろホームズからは縁遠い…ってのが私の見解である。これは悪いコトじゃないんだけど、どちらかと言えば私の趣味ではない。
 
 それと、印象では「少年向け」の方がワトソンの扱いがヒドい。ホームズの引き立て役なんだから、「落とした」方が描きやすいのはわかる。とはいえ、あんまり落としすぎるとかえってホームズの魅力が減ってしまうと思うのだが。もっとも、これは「ホームズ物のパロを書いた一流作家」(山ほどいる)でさえ陥りがちな部分なので、バランスの取り方が難しいんだと思われる。ここのバランスが絶妙なのが「ホームズ物が面白い」理由の1つだろうね。
 
 少年向けホームズ作品と言うと、宮崎アニメの「わんわんホームズ」を思い出す。これはこれで良かったんだけど、私は2点ほど気に入らないところが…そのうちの1つ「モリアーティ教授がおバカ」ってのは置いておこう。もう1つは「ハドソン夫人が若くて美人」ってところ。いやまあ、何でそうなのかはわかる気もするんだけど、それは違うだろと。ハドソンさんは「世話好きなクセに謙虚なオバチャン」という、無茶苦茶貴重な存在だからこそグーなんですよ!と主張したいね。腐女子向けだとこの点は絶対外さないので、かえって安心して見ていられる(笑)。
 
 シャーロック・ホームズは世界中に大ファンがいて、「事件が起きた正確な年はいつなのか、場所はドコなのか」といったコトを大真面目に研究してる奴までいる。その情熱はある意味ヲタクに通じるモノがあるような。バカシンジがどうこう、シャアがあれこれ、デスラーがうんぬん…ってのも悪くないけど、たまにはホームズ物を見直してみてはいかが。古い作品ではあるけど、今に通用するモノがあると思うぞ。もちろん、腐女子以外が読んでも(苦笑)。