6月27日 ― 2007/06/28 01:53
前回フサイチのオヤジのことに触れたので、何となくこのオヤジの話題を。今度の参院選に立候補してることだし。本当はそーゆータイムリーな話題はイヤなんだけど、まあ他にネタがないってコトで。
競馬知らない人には「フサイチのオヤジ」ではワケがわからないかも。参院選比例代表区に国民新党から立候補した、関口房朗氏のことである。某サイトでは肩書きが「競走馬馬主」になっていた。持ち馬に「フサイチなんとか」って名前を付けてるので、通称「フサイチのオヤジ」。他に「フサロー」などと呼ばれている。まあ、競馬ファンにはこれだけで通じる。一般的な肩書きは、会社会長ってことになるのかな。実質的には「社長」だと思われる。なかなかに破天荒な?経歴を持っているので、興味がある人は調べてみるといい。
私はこのオヤジ、好きでも嫌いでもない。あえてハッキリ言わせてもらうと「成金趣味」漂いまくりなので、嫌う奴は嫌うと思う。でも、私は「身の丈にあった生活」とか、「清貧を尊しとする」なんて哲学は持ち合わせてないので、特別嫌う理由はない。ただ、なぜか私と趣味はあまり合わないので、好きになる理由もない。
豪快にカネをバラまきまくる姿は、私が尊敬するドバイ王家と似通ったところがある。よって、このこと自体は私にとってマイナス評価にはならない。けど…何と言っても馬の趣味があまり合わない。私が「どうかなあ…」って思う馬に大金出したりしてるのだ。ここが「殿下」と大きく違う。カネの量(さすがに差は大きいと思う)だけの問題とは思えない。
ただ、ケンタッキーダービーを勝ったフサイチペガサスだけは認めても良いかな。私はこの馬をナマで見たことはない(当たり前だ)けど、産駒から判断する限り良い馬のようだ。特に香港のフローラルペガサス。日本で言えば条件馬の頃から「こいつは絶対強くなる!」と確信したからなあ。他にもフサイチホウオーなど数頭が「悪くない」水準にある。ただ、これは他の馬主にも言えることである。ドバイの殿下のように「殿下が選んだ馬なら、オレが見ても良いに決まってる」と確信を持つほどではない。
そんな「好きでも嫌いでもない奴」をあえて語る意味は?そりゃもう、「競走馬馬主」なる肩書きで参院選に立候補表明したからである。競馬ファンとしては、一体何を考えているのか、何をするつもりなのか見守る意義があるんでないかな。国民新党に投票するかどうかは別にして。
馬主にして政治家ってのは、世界中に腐るほどいると思われる。元が「貴族のお遊び」だったんだから。そもそもドバイ王家は「実権持ってる王様」だし、政治家と言えるかどうかはともかく英国王家も馬持ってる。むしろ日本の政治家は「競馬一流国の政治家のクセに、馬持ってる割合が少ない雅心のない連中」と評してもいいのかもしれない(笑)。
ただ…「政治家が馬主になる」のと、「馬主が政治家になる」のは違う気がするのも確か。馬主が先ってあたり、世間一般から「成金趣味だ」などと思われちゃう気がするね。日本人は「自分と似た立場だった奴がお上になるのを許さない」って感情が強いからねえ。そう考えると、当選するかどうかは何とも言えない。前にどこぞの選挙区から出て落選してるし。
とはいえ、競馬ファンは一応フサローを支持する根拠がある。一応は「競馬界に対する貢献」になることだし。競馬に対する世間の目はかなり温かくなっては来たけど、まだまだ色んな偏見は多い。少なくとも「主な肩書き:馬主」とした人間が国政選挙に当選すれば、それだけで世間の目が多少変化するでしょ。これは競馬ファンにとっては「有り難い方向の変化」であることは確かだ。他の要素が全くのイコールコンディションで、とにかく誰かに投票しなくてはならない…って状況なら、フサローに投票すべきだと思うね。それが「自分の居場所を守る」ってことだと思う。
問題は、「他の要素」である。これがどの候補もイコールってことはあり得ない。好き嫌い・信用できるできない・競馬以外の思想信条政策…ってものが関係してくるのは当然であり、ささやかな意味での「競馬界への貢献」よりも大きな意味があるはず。関口候補に対しても、実際投票するかどうかはこの辺を見極めて…となるのは間違いない。
この点になると、それこそ「個人の事情」が大きく絡む。一般論で語りきれる範囲ではない。「投票するもしないも、投票する奴の勝手」ってことだね。無責任ではあるけど、これもまた重要な視点だ。まるで触れないのはマズい。だからって、コレで片付けるのならクドクド語ってきた意味が無くなるけど。
ここで問題になるのは、フサイチのオヤジは「もし当選した暁には、一体何がやりたいのか」よくわからん、ってところである。別に「政治家になること自体が目的であって、やりたいことなんてないんでしょ」って意味でこう書いてるワケではない。単純にわからない・知らない・伝わってないだけの話だ。馬主と名乗ったのは単に通りがいいからなのか、それとも「競馬界のために…」って野望があるのか?野望があるとして、それはどんなものなのか。生産者寄り?主催者寄り?馬主寄り?それとも競馬ファン寄り?ある程度は普段の言動(競馬マスコミでは時々報道される)だの前回の公約だのから推測できるけど、人は色々変わるもの。今回はどんなつもりで、どんな公約を出すつもりなのか?まだ選挙戦本番ではないこともあり、あまりよくわからない。
もちろん、国政選挙ともなれば「競馬のことは二の次」になるのも仕方ない。けど、優先順位が低いのと考慮しないのは違う。実際投票するかどうかはともかく、競馬ファンなら「馬主って肩書きで立候補した奴」が掲げた政策について、興味を持って調べて「評価する:しない」という結論を語れるようになってもいいんじゃないかな?結局のトコロ、そういう積み重ねが「自分の考えで投票する」ってコトになるのだと思うので。
ただなあ…理念上のことはともかく、フサイチのオヤジが信用できるのかと言えば…とにかく趣味が合わないからなあ。せめてもう少し馬の趣味が評価できればともかく。他の趣味も別に一致してる様子もない。趣味の一致ってのは「考えの一致」の一種だから、合う合わないはそれなりに重要だと思うんだよね。せめてドバイの殿下みたいに「御用達のチョコレート食ってみたら、ブッ飛ぶほど美味かった」とかあればなあ(笑)。
最近のコメント