6月1日2007/06/02 01:45

 諸般の事情により、今週末はとてーも忙しい。ので、本日はココまで。こんなことしてる場合じゃないんだってばさ…

6月4日2007/06/05 01:26

 だ・か・ら・ぁ~、サイン馬券の煙幕なんてあるわけねーだろ!「千代大海が来てるから、コンゴウリキシオーは煙幕だ!」と言ってしまうあたり、実に何とも…「マンハッタンカフェ・アメリカンボスは煙幕だ!」で懲りたはずなのに…
 
 ダイワメジャーは強かった。鞍上がこのところインケツ引いてるアンカツだったので、「とにかく乗り替わって欲しい。松岡でも可」などと言っていたんだけど…普段ならともかく、今のアンカツ乗せて勝つんだから強い(苦笑)。見習わなくては。
 
 とにかくヒドい目に遭いまくった春のGⅠ。カンベンしてくれ状態である。こんな傷心の私を癒してくれるのは、やはり天才である。ついに英国ダービー制覇だとか。いやめでたい。ま、負けるわけがないと思っていたけど。その割にはこれが15回目の挑戦で初勝利だって?いいの、相手は天才なんだから。
 
 しかもだ。天才乗せて勝ったのは、モンジュー産駒のストリートセンス(6/9訂正。オーソライズドです)。そう、よりによってモンジュー産駒である。いやまあ向こうの一流種牡馬なんだから、ダービー馬出しても何の不思議もないけど。けどねえ、やっぱり私としては嬉しいですよ。あの野郎の息子がまた私を迎撃する体勢整えてくれて。
 
 私には、「生涯に1度で良いからギャフンと言わせたい」相手が何人もいる。どれもこれも無茶苦茶遠大な目標であり、正直達成不能ではないかと思うけど。競馬界での目標は、言うまでもなくモンジュー。コイツの血を引く馬が問答無用の戦績ひっさげてキングジョージに出走したところを、日本(この際東洋でも可)から来た「オレの選んだ刺客」で打ち破るのが夢である。
 
 刺客1号はエアシャカール。ダービー負けての挑戦だったので、「これで通用するのかぁ?」って疑問があった気もするけど、気がついたら「使っちゃイケナイ金」突っ込んでいた…結果はモンジュー本人にトンコロ。刺客2号はハーツクライ。この馬がどうこうと言うのもあるけど、「モンジュー産駒のハリケーンラン相手に雪辱できるかも」って野望を持っていたんだけどね。ちなみに、この時も使っちゃイケナイ金が消えていた…
 
 モンジュー&アスコット競馬場って組み合わせは、誰が何と言おうとリベンジの対象である。馬券外れて大騒ぎなんてよくある話だけど、この組み合わせに比べればカワイイものである。だって、普段私は「使っちゃイケナイ金」投入しないもの!府中や中山だったら、そーゆー分別が働く。沙田では投入しちゃったけど、あの時は勝った。競馬絡みの悔しい思いなんて腐るほどしてるけど、アスコットの2つはトップクラスである。
 
 それだけに、やはりモンジュー産駒は強くあって欲しい。できれば前年に凱旋門賞勝って、「どう考えても仕方ねーだろ」って状態でキングジョージに臨んで欲しい。そんでもって猛烈な人気集めて欲しい。そういう存在に逆らって大金突っ込んで、勝ってこその雪辱でしょ。ストリートセンスがそこまでの馬かどうかはまだわからないけど、ダービー勝った以上はそうなってくれる可能性は高い。これを「嬉しいね!」と言ってこそ漢でしょ。
 
 迎え撃つ側は万全だ。じゃあ、刺客3号、来年のキングジョージに挑戦しそうな馬は?うーん…メイショウサムソンは遠征に積極的とは思えないし、ウオッカは古馬になって斤量重くなってからでは厳しそうな…香港のヴェンジャンスオブレインは昨日負けちゃったし、ヴィヴァパタカは遠征意欲あるとは…この際、かなーり真面目に今の2歳に期待するしかなさそうだ(笑)。
 
 3歳にしてキングジョージ挑戦…これは相当アホなことである。いくら斤量(背負わされる重量)恵まれるとはいえ、無謀どころの話じゃない。フサイチのオヤジやウオッカ陣営でさえ、ダービー制覇の次は「凱旋門賞」であり、キングジョージではない。ということは、そんなバカをやりそうなほど「壊れている」厩舎の馬に期待しなくてはならないわけだ。ずいぶんと狭い門だなあ。
 
 そこまで壊れてる厩舎ってのは…橋口厩舎と森厩舎だけでしょ。橋口調教師はPOG本で「ダービー勝ってキングジョージだ!」って咆吼してたし、森調教師は何も言わなくても、ダービー勝ったらキングジョージ行くに決まっている。誰がどう見ても、この2人はアスコットの魔物にアタマやられてるからなあ。私同様(苦笑)。
 
 でもなあ。ハードルはとにかく高い。なにせ日本ダービーを「単なる通過点だ」って考えなきゃイケナイんだから。無理無茶無謀なんてレベルじゃない。「男のロマン」なんて安っぽい言葉でどうこうってレベルの問題じゃないでしょ。それこそ、アタマのネジがぶっ飛んでないとできやしないことだ。それこそ、マトモな神経持った連中から面と向かって「アホか」と言われるぐらいじゃないと。
 
 ただ…アスコットでの勝利には、その価値があると思う。何も知らない奴にどれだけ好き勝手言われようとも、全く気にならないでしょ。あそこには確かに魔物が棲んでる。ドバイや沙田もキョーレツだけど、アスコットの魔物もまたキョーレツだと思うな。これはごくわずかな人しか知らないことだと思うけど、まあ少なくとも日本には2人ほど私と同意見の人間がいるんだから、良しとしよう。
 
 つーわけで、今年のPOGはこの両厩舎に期待をかけてみたいですね。いやまあ、もちろん「日本で一番尊敬してる」松山康調教師の馬も見捨てるわけにはいかないんですが。他にも色々…ただ、大原則として「目標は来年のキングジョージ」ってところはハズさないようにしないと。ということは、「凱旋門賞だ!」などというベタなこと言いそうな関係者の馬はハズすから…(以下略)

6月9日2007/06/10 03:16

 色々疲れているらしい。ウイークデーはとにかく更新できなかった。まあ、良くある話ではあるんだけど。今月も色々と大変なんだよな。
 
 まずは重要な訂正から。英国ダービー馬の名前を、何故かケンタッキーダービー馬と間違えた(笑)。これは多分某スポーツ新聞の陰謀(間違いの引用)なんだけど、証拠品を捨ててしまった。よって、「疑わしきは罰せず」という刑法の原則に従って、無罪とする。ただ…ま、このネタについてはここまでとしておきましょ。
 
 本日のお題は、ちょっと堅い話題。知的財産とやらについて語ってみよう。とりあえず素晴らしいネタを見つけたので。こーゆーものは積極的に紹介しないといけませんね。それがこのサイトの存在意義ってモノよ。
 
 「『知的財産推進計画2006』の見直しに関する意見募集」(リンクで飛べます)と称するモノの中にある「団体からの意見」。相当な分量なので、全部読めとは言わない。11~13頁にアップルジャパンの見解とやらが掲載されている。これがまあ、素晴らしく面白い。読みながらげらげら笑い出しそうになったぐらいだ。
 
 内容は一言で要約可能。「Fu○k You!」である。ここまで激烈な政府批判は久々に読んだ気がするね。特にスゴいのは、文化庁著作権課の課長及び前課長を名指しで批判してるところかな。委員会とやらで発言した「御用学者」を批判する時でさえ「名指し」は珍しいってのに、それに飽きたらず、お役人まで名指しとは。この辺は外国企業らしいですな。
 
 結論もスゴイ。「(文化庁の著作権事務局は)もはや公平公正な著作権行政を運営する適切な省庁とは言い難く、速やかに著作権行政を他の省庁に移管することを強く望む。」ときたもんだ。移管しろって、どこに?事実上の文化庁解散要求ですな。私もあの役所はクソだと思うけど、世界的な有名企業がこんな大人気ない発言するとは。いいぞ、もっと言え(笑)。
 
 何でアップルはこんなに怒っているのか?簡単に言えば、iPodに課金されそうだから。文化庁及びその手先(とアップルが言っている)であるJASRACが、「とにかく私的複製はやめさせるべき」と考え、その方向で法制度を動かそうとしているのが気にくわないのだ。まあ、そりゃそーだわな。
 
 ちなみに、消費者としては笑い事では済まない。iPodだけが標的と思ったら大間違い、「用途にかかわらず、私的複製に使用される可能性があるモノ全て」を課金対象にしようって意見まであるのだから。実際、独ではそんな方向に話が進んじゃったらしい。普通のPCはおろか、コピー機(わかる気もするけど…)やFax(何故に?)さえも課金対象だとか。おい、ちょっと待て。
 
 確かに、デジタル時代に著作権をどう守るか、どうやってカネを集めるか…ってのは、アタマの痛い問題である。アナログ時代と異なり、複製しても品質は変わらないのだから。野放しにしておけばオリジナルに敬意が払われなくなり、「値段が高い」と見向きもしなくなる。それでは制作者・出版社などが困るのは間違いない。
 
 ただ、だからって「私的複製」を悪と考えるのはどうかと思う。今まで普通に認められていたコトに対し、「やめるかカネよこせ」で話が通るとでも?はっきり言おう。こんなことを強行すれば、「カネ払うのイヤだからやめよう」となり、市場が小さくなる可能性が高い。
 
 私に言わせると、そもそも「私的複製により権利侵害を被っている」って考え方自体がクソである。私的複製は、著作物を購入する際の対価として含まれてしかるべきものだと思うんだけど。そういう「消費者の権利」を単に取り上げて、それで問題が片付くと思ったら大間違いではないのか。
 
 そりゃあね、今現在「私的複製」の一部と見なされている行為の一部に「それはいかがなものかと」ってものが含まれているのは事実だ。それを考えれば、私的複製の範囲を見直す必要があるかもしれない。ただ、それと「私的複製そのものへの課金」は別でしょ!これは事実上の「単なる値上げ」である。普通の値上げじゃ消費者に理解されないからって、形を変えただけだ。
 
 ここで論議されてる著作権問題ってのは、要は「いかに金を取るか」ってことに尽きる。それだけに、「どういうビジネスモデルを作ってゆくべきなのか」ってコトを真剣に考えなくてはいけない。iPodが大ウケしてるアップルは、世界規模で「成功したビジネスモデルを構築した」企業であると認められている。それだけに、「これからの知的財産のあり方」なるものを考えた場合、敵に回す意味は薄い。言いなりになる必要はないけれど、激怒させる必要はないはずだ。文化庁に限らず、いわゆる「お役人」にビジネスモデルうんぬんなんて語る資格があるわけない。どう考えても参考にするべきなんだけどね。
 
 今現在、日本は安倍首相の号令の元「知的財産のあり方」を見直そうとしている。「これからは知的財産だ!」ってわけだね。確かに、目の付け所は間違ってない。でも、その結果として出てくるのが「私的複製への課金」ってのはどーゆーこと?明らかに知的財産の活用方法を間違ってると思うな。そうやって「値上げ」したら、一部の売れ筋と限界の低い無料のモノだけが生き残る…ってことになりかねない。まさに「角を矯めて牛を殺す」である。
 
 知的財産の取り扱いについては、世界中で「どうしたら良いのか」を模索中である。野放し同然の中国は論外だとしても、米国や欧州の制度も「ちょっとなあ…」ってトコロを山ほど含んでいる。それだけに、ここで日本が「知的財産管理はかくあるべし」という法制度を作り上げようとする意義は大きい。にもかかわらず、「私的複製に課金」ときたもんだ…上に言いなりと言われる日本の消費者はともかく、それが世界に通用する理屈だとでも?大事なのは国内で通用するかどうかってのは認めるけど、どう考えてもスケールが小さい。ケツの穴も小さい。
 
 私に言わせれば、「私的複製への課金」って制度は「作り手」にとっても損である。同じ売り上げで大きなカネを手にできるのは確かだけど、その先にあるのはどーせ深刻な売り上げ減少と、制御不能な値下げだ。喜ぶのは売り上げ減少に対しては何ら責任を負わない、JASRACとその親玉の文化庁だけじゃない?それでいいのか。目先のことだけ考えていると、将来間違いなく苦しむと思うんだけどなあ。
 
 この問題は、アップルが吼えるより前に、本来ならば消費者が吼えるべき問題である。いや、吼えるのならいい。おそらくは何も文句を言わず、単に買い控える。おそらく文化庁はそれがわかってない。文化庁にしてみれば、「それでもかまわない」のだ。そこに対しては責任がないから。その結果コンテンツの作り手が痩せ、最終的には消費者がつまらない思いをすることになるのかな。少なくとも私は納得いかない。
 
 そう考えると、我々消費者も文化庁著作権課に対して意見をぶつけるべきではないかと。大人しくしているだけでは、結局最後のツケはこちらが被るのだ。アホウな法律立案に対しては、それぐらいの責任を負うのが適切なことだと思う。ま、だからって個人名を出すのが適切かどうかは、ちと判断に苦しむところではあるけど。少なくとも日本風のやり方ではないよね。よってここで個人名大っぴらにを出すのは差し控えておきます。ご安心下さい、甲○正○文化庁著作権課課長殿(苦笑)。

6月12日2007/06/13 02:16

 土・日・月とPOGドラフトリスト作りで忙しかった。こーゆーものは勢いが大事なので、ガツンと作業したかったのだ。おかげで相当ブッ飛んだシロモノが完成しました。細かい解説はまた後日ってコトで。
 
 本日は何だかワケわからん衝動にかられ、何故か「シャーロック・ホームズ物のコミック」を2冊も買ってしまった…良い機会?なので、この作品について「この色の観点から」少し語ってみよう。
 
 何だかんだ言って、ホームズは名探偵の代名詞である。より新しい作品にも素晴らしいのはいくつもあるけど、やっぱり「ホームズ」は別格だね。エアシャカールを追いかけてロンドンに行った私が最初に行った観光地は、ベーカー街なんだから。
 
 そういう「ミステリーとしてどうこう」って話はパス。私ごとき小物が語るコトじゃない。よって、かなりフザけた角度から語ってみようかと。サー・アーサ・コナン・ドイル様ごめんなさい(笑)。
 
 実を言えば、ホームズ物は腐女子と相性が良い。野郎が「メイド萌え」などと騒ぐ以前から「執事がどーのこーの」と言ってた連中だ。ヴィクトリア朝の英国が舞台の作品と相性悪いワケかない。おまけに、確かにホームズとワトソンの関係は「腐女子のやおい心」にヒットするものがありそうだ。
 
 いやね、別にホームズが攻めでワトソンが…ってワケではない。むしろ「そーゆー関係」と縁遠そうなトコロが…一口に「やおい」と言っても色んな好みがあり、「欲望むき出しなのはちょっと…」って層もいるんだよ。そんな連中から見れば、たしかにこの2人の関係ってのはクるものがあるんじゃないかなあ。
 
 ホームズは確かにスゴい人だ。頭脳明晰なのは言うまでもなく、体力も結構ある。男の目から見ても「カッコイイ」のは間違いない。しかしその反面、ダメダメなところも山ほどある。プライドは山のように高く、誰にでもズケズケ物を言う。社会性はカケラ程度しかなく、生活態度は最悪。とりあえずコカインはやめたらしい…って程度だものね。
 
 そんな「偏屈な天才」と友人なんだから、ワトソンはスゴいの一言である。ワガママに振り回されっぱなしなのに。ただその代償として、ホームズはワトソンの前で一番格好良く「勝ち誇って」くれる。決め台詞の「初歩的だよ、ワトソン君」はやっぱりシビれるからねえ。その上「下劣なる欲望」(性欲のこと)と無関係ときたもんだ。その昔からごくごく一部が騒いでいた(らしい)のは、わかるような。ちなみに今回購入したのは、「系列から言えばその筋」だけど、表面上はごくフツーってもの。まあ、そうでなけりゃいくら私でも手を出したりしない。
 
 そーゆー意味では、いわゆる「少年漫画系」の方がホームズの魅力を「わかってない」かもしれない。派手な立ち回りとか、余計な色気とかを盛り込もうとするからねえ。そうしないと絵が地味で…ってのはわかるんだけど。この系列で大ウケした作品(「金田一」と「コナン」がそうだな)ってのは結局江戸川乱歩&横溝正史の影響が濃く、むしろホームズからは縁遠い…ってのが私の見解である。これは悪いコトじゃないんだけど、どちらかと言えば私の趣味ではない。
 
 それと、印象では「少年向け」の方がワトソンの扱いがヒドい。ホームズの引き立て役なんだから、「落とした」方が描きやすいのはわかる。とはいえ、あんまり落としすぎるとかえってホームズの魅力が減ってしまうと思うのだが。もっとも、これは「ホームズ物のパロを書いた一流作家」(山ほどいる)でさえ陥りがちな部分なので、バランスの取り方が難しいんだと思われる。ここのバランスが絶妙なのが「ホームズ物が面白い」理由の1つだろうね。
 
 少年向けホームズ作品と言うと、宮崎アニメの「わんわんホームズ」を思い出す。これはこれで良かったんだけど、私は2点ほど気に入らないところが…そのうちの1つ「モリアーティ教授がおバカ」ってのは置いておこう。もう1つは「ハドソン夫人が若くて美人」ってところ。いやまあ、何でそうなのかはわかる気もするんだけど、それは違うだろと。ハドソンさんは「世話好きなクセに謙虚なオバチャン」という、無茶苦茶貴重な存在だからこそグーなんですよ!と主張したいね。腐女子向けだとこの点は絶対外さないので、かえって安心して見ていられる(笑)。
 
 シャーロック・ホームズは世界中に大ファンがいて、「事件が起きた正確な年はいつなのか、場所はドコなのか」といったコトを大真面目に研究してる奴までいる。その情熱はある意味ヲタクに通じるモノがあるような。バカシンジがどうこう、シャアがあれこれ、デスラーがうんぬん…ってのも悪くないけど、たまにはホームズ物を見直してみてはいかが。古い作品ではあるけど、今に通用するモノがあると思うぞ。もちろん、腐女子以外が読んでも(苦笑)。

6月14日2007/06/15 01:25

 うーん、なんか気合い不足。こんなんで週末大丈夫か?なんか大変なことになりそうだってのに。ま、深く考えるのは止めよう。
 
 本日のネタは、ここ最近まとまりが悪くて何度かボツにしていたネタ、「法科大学院の実力について」語ろうかと。今年の新司法試験関連の数字はとっくの昔に出ていたのにね。ま、色々あるんですよ、色々。
 
 先日発表された、新司法試験短答式合格者数。詳しい数はここの3ページ目を参照してくださいな。つーか、是非見て欲しい。特に「新聞で見たからいいや」と思っている人は。一般紙の発表した数字は、「アホか」って言いたくなるほどヒドいんだもの。
 
 どこがヒドいのかって?「大事な」数字を端折ってやがるのだ。私が見た新聞記事には、「受験者」と「合格者」、それと「合格率」が示されていた。実を言えば、これだけ見ていたのではわからないモノが隠されているんだな。関係者(一応私も含む)は大騒ぎしてるってのに。この辺、新聞報道の「ツッコミの甘さ」が伺えますね。
 
 そもそも、短答式合格率ってどーゆーものか?センター試験の足切りみたいなものだと思って欲しい。これを通過しないと、論文式試験の採点してくれないのだ。足切りさえ回避すればいいってものではない(論文式も含めた総合点で合否が出る)けどね。ちなみに、「全科目で一定点以上、かつ全体の6割」できれば自動的に通過する。
 
 試験前の私の予想は、「全体の通過率はかなり悪くなるだろう」だった。今年から「浪人」の受験が始まるし、何と言っても「未修者」の受験が始まるから。未修者って何か?法科大学院ってのは、おおむね2つのコースがある。1つは「大学の法学部などで法律をしっかり学んだ人」を対象にした「既修者」コース。もう1つは建前上「今まで法律の勉強してなかった人」を対象にしたもの。去年新司法試験を受けたのは、2年間で卒業する「既修者」オンリーだったのだ。
 
 未修者のどこが悪いのか?法学部を出た奴が2~3年(大学による)かけて学んだモノを、1年で詰め込まされるんですよ?ごく普通の大学生より真面目に勉強してるのは事実としても、2年目になって机を並べるのは、「司法試験合格したいから」とクソ真面目に勉強してきた大学生だ。ハンデはあると考えるのが普通だね。
 
 おまけに…教える側だって手探りである。大学と同じ授業では時間が足らない。必然的に「詰め込み」がある程度重視されるけど、それでは応用力(これが無いと論文式で点が取れないし、そもそも授業についてこれない)不足になる恐れが…新しくできた制度だけに、「どーすりゃいいのか」わかっている奴なんていやしないのだ。
 
 私は、この辺の無理は短答式で大きく出ると思っていた。短答式ってのは、とにかく知識量勝負だ。法律の条文・判例・学説などを数多く覚えているかどうかが問われる形式なので。旧司法試験の場合、こういったものは「司法試験予備校」でとにかく詰め込む…ってワザがあった。しかし、法科大学院生にこの手は使いにくい。授業ビッシリ入っているのが普通で、しかも予習量は山ほど。予備校どころか、バイトすら難しいんじゃないかな。某マンガに「キャバクラでバイトしてた法科大学院生」なるものが出てくるけど、現実ではそんなことしてたら卒業も怪しいと思う。
 
 ただ、この予想はかなり外れた。私が思っていたよりは足切り通過率は良かったのだ。「今年は問題難しい」って評判があったのにね。この点を考えれば、法科大学院も捨てたモノではないってことなのかも。とりあえず良くやった…と言いたいところだけど…
 
 関係者以外には全く知られていないと思うけど、今年の新司法試験直前に怪しげな噂が飛んでいた。一部の法科大学院が、出来の悪い生徒に「今年受けても無駄だから、受験するのやめなさい」と勧めていた…ってものだ。これが本当だとしたら、今年の合格率は実は「底上げされたモノ」かもしれない。
 
 そりゃあね、「受験するだけ無駄」ってレベルの生徒が出るのは仕方ないことだと思う。でも、だからって「受けるな」と勧めるのは…確かに、新司法試験には「受験回数制限」がある。法科大学院卒業後3回以内で合格しなくてはいけないのだ。だから、「まだ無理」と判断したらあえて回避するのも「選択」だ。それでも、「自分のドコがどれくらい駄目なのか」きちんと理解しようと思ったら、受験するのが一番手っ取り早い。卒業後最初の試験は、ダメモトで貴重なカードを使う価値があるんじゃないかな。それを辞退させるってのは…はっきり言って、「法科大学院の対面を守る」以外の価値が見出しにくい。
 
 新聞報道がアテにならないのは、ここである。単純に受験者数と合格者数で求めた合格率では、底上げされた数字しか出てこない。悪辣な行為に対して報酬を出してるようなものだ。ちょっと突っ込んだ分析をしてきちんと報道すれば、一発で暴けるコトなのに。何考えているんだか。
 
 法務省の出した数字には、各法科大学院ごとの「出願者数」も出ている。実は、真の合格率を求めようと思ったら、この数字と合格者を比較したものも掲載するべきなのだ。確かに、「出願したけど受験回避した」奴ってのは、「卒業失敗した」「病気・ケガといったアクシデントがあった」といった「そもそも受験できる態勢になかった」受験生が含まれるので、合格率とは多少縁が薄いように見える。しかし、そんな奴が不自然なまでに多いトコロは、「何かやらかしやがった」可能性かある。あえて私の口からは「ドコが臭い」とか言わないけどさ。
 
 そりゃあ私は法科大学院に勤務してる。派遣だけど。バラしたらヤバイモノも含め、受験結果分析だの何だのと言った資料に触れる機会はかなーり多い。おまけに、偉い先生方の「生臭くて赤裸々な分析」が耳に入ってくることもある。その点、どう考えてもフツーの人と一緒には出来ない。けどねえ。今回ここに書いたことなんて、初歩中の初歩だと思うんだけど。「私の立場だから」書けたコトなんて全く書いたつもりはない(そもそも、そーゆーことしか書かないようにしたからまとまりが悪かったのだ)し。専門的な雑誌(法律雑誌や受験雑誌など)にはそのうち似たようなことが掲載されること確実でしょ。
 
 ま、こーゆーのはフツーの人には無関係かもしれない。ただねえ。学歴がうんたらこーたらヌカすんなら、学校の実力比較をある程度キチンとやってからにしてもらいたいね。ブランドに頼るのが悪いとは言わないけど、その価値・意味を知らずに有り難がるのはどうかと思うので。
 
 とりあえず本日はココまでとしよう。「真の結果」が出るのはまだ先のことだし、重要なデータがまだ発表されてない段階だからね。つーか、この辺で止めておかないと色んな意味でヤバいこと口走りそうで…特に、我が母校とか我が母校とか我が母校とかな!何やってんだ!

6月18日2007/06/19 01:21

 土日はMiddle-Earth東京支部にてオペタイ。結論から言えば、大敗しました。私のせいで。
 
 まあ、言い訳しても仕方ない。ダイス運のおかげで補給状態悪かったとか、戦力チットの中身がちょっと弱かった(部隊が少ないので、かなーり痛い)とか、もうちょっと何とかなったはずなんだけどねえ…って要素もある。しかし、まあ私の作戦が悪かったのは間違いない。
 
 何がいけなかったのか?うーん…ビミョーではあるんだけど、「バクチ的な作戦が失敗した」ことかな。成功すれば損害に見合った戦果を得られたはずなんだけど、見事に失敗した。
 
 何でそんなバクチを打ったのか?これは流れの中で説明しよう。私の担当は独軍南方。最初の補給ダイスで出してはイケナイ6を出した関係上、当初我が軍は全軍孤立状態。戦闘どころか、攻撃準備のための移動すらままならない。その結果、私の攻略目標であるツーラは「強い部隊」が籠城して難攻不落の大要塞となった。
 
 この時点で、私の採りうる手は3つ。地道に盤端の「どーでもいいトコロ」を進撃し、相手を少し後退させるか、中央の側面に回り込んでその側面を守るか、ダメモトでツーラ付近を攻撃し、相手の反撃失敗(ダイス運次第であり得る)を狙うかである。
 
 普通に考えるなら、前者を選択すべきだった。そうすれば、相手の増援を「出てきた瞬間に包囲」できるので、2~3点稼げる。ただし、ソレで終わり。相手は既に万全の態勢で待ちかまえているので、攻撃は自殺行為。こちらは側面を守る部隊がまるでいないのだ。ま、相手(よりによって軍神鹿内氏である)の性格からして向こうから早期反撃に来るのはわかっていたので、そこで少し相手を叩けるかも。実質的に「自分が後退する場所を稼ぐ」のが主目的なので、補給を必要としないし。
 
 実は、補給配分見直しの直前にこーゆー意見を提唱してみた。補給は必要ないと。補給無くても何とかなる場所にしか行かないと。もちろん、戦果なんか期待するなと。ただ、会議の結果「何とかしてくれ」と言われたので、この計画は却下された。具体的にどーしろと言われたわけではないけど、もっと積極的に攻撃に出ろと言われ、補給が与えられた。
 
 友軍が恐れていたのは、「南の赤軍が自分の戦線に移動してくる」だろう。確かに、私が消極的になればそうなる可能性がある…というより、フツーはそうなる。しかしだねえ。私の正面は鹿内さんだよ?そりゃあ多少は部隊送るだろうけど、余裕があれば自分の所で反撃してくるに決まっているから、杞憂だったと思うんだけどなあ(笑)。
 
 まあ、「積極的に行く」のが悪いワケではない。補給くれたんだし。コレを使って相手を引きつけるとなると…やはりツーラ近郊で攻撃に出て、ここを周囲から切り離さないとなあ。幸い今度は補給状態が良かったので、その余裕があるし。
 
 そこでおっかなびっくり攻撃に出たんだけど…ここで予想外の出来事が。私が攻撃に出ない(出られない)のでフラストレーション貯め込んでいた軍神が、時期尚早にもかかわらず反撃に出る。しかも、ツーラの部隊を前面に出して。こ、これは…一応チャンスである。今ならツーラは弱い。
 
 今にして思えば、ここで一度下がるべきだった。軍神殿ははっきり言って暴走している。ここで「キャー!」とか言って後ろに下がれば、暴走し続けてより大きな隙を作ってくれた可能性がある。しかしだなあ…「ここで我に返られたら、結局駄目だよな…」と考えてしまい、かなーり分の悪い賭に出る。ツーラ側面を全力攻撃して、ツーラ周辺を孤立させるべく攻撃を行った。
 
 この攻撃は成功した。しかし、これだけでは「賭に勝った」うちに入らない。つーか、どーせ駄目ならこの段階で失敗して欲しかったくらいだ。問題は、その後確実にやってくる赤軍の反攻である。ここで失敗してくれれば…その可能性は決して低くなかったんだけど…といった希望も空しく、相手は良い戦力チットを引き、反攻成功。あーあ。ここで1日目終了。
 
 この後酒飲んで新宿辺りで宿泊…の予定が、予定変更で家に戻ってしまう。これが結果的に痛かった。2日目最初のターンに「暖まっていなかった」ことが原因?で、ツーラ攻撃(反攻成功されても一応出来る)で手ひどいダイス目を出してしまう(苦笑)。はい、もう駄目です。攻撃できません。
 
 後は適当に反撃受けつつ、相手を引きつけるだけ…と思っていたら、雪が積もる。雪が積もると、独軍は果てしなく弱くなる。逃げるのもままならない。ゲーム終了まで壊滅しなければ御の字…ってところまでヘコまされ、ゲームエンド。トホホである。
 
 敗因?そうだねえ。さすがに最初の「全軍孤立」は厳しかった。あれでは打つ手がない。その後補給くれた後に「やっぱり積極的に行かない」って手もあったと思うけど…それだと本当に点にならないので、チームプレイでそれはマズいでしょ。私個人としては「補給よこさずに、期待もしない」が正解だったんでないかなと思うけど。「どーせツーラは落ちない」って割り切れば、補給切れ(孤立したのは最初の特別ルールのせい)でもしばらく戦えたはずだし。
 
 ま、結局は「流れがないと感じていながら、バクチを打ってしまった」私が悪い。あの流れでは、バクチは打っちゃ駄目ですね。周囲の友軍が何と言おうと、「最低限の戦力だけ引きつけるから、後はよろしく」と言うべきだった。その方がトータルではいい結果が出たと思う。最初全軍孤立になったら、ツーラなんて落ちないって。戦闘比が立たないどころか、攻撃準備の移動すら厳しいんだから。だから。独軍はそれを前提として作戦すべきでしたね。
 
 さすがに何回も出来るゲームじゃないので、まだ流れを掴み切れてないところがある。最初に南方で全軍孤立したら、どうプレイすべきか…なんて読みにくいからねえ。その点、私も少し気が弱かったかな。もっと強く「ツーラなんて取れません。それを前提にして下さい!」って強く言うべきだった。実際、史実じゃ落ちてないのだ。南方で前進できない分を他で補うのは、不可能じゃなかったと思うけど。
 
 まあ、友軍としては私に言いたいことはいっぱいあると思う。その非難は受けます。敗因は私がだらしなかったから。それは間違いない。ただ…「じゃあどうしろと?」って考えてゆくと、結論はこうなっちゃうんだな。いや、とりあえずマップ1枚のシナリオで良いから軍神率いる赤軍と戦ってみな?その昔私より上手なゲーマー相手に、私より速い速度で独軍崩壊させたことがあるんだから。あの時よりは見せ場もあったはずなんだけど。
 
 次にプレイするときは、どっちでもいいから北方がやりたいかな。動かす部隊が多くて楽しそうだし。ま、私ごときヘタレをこんな重要な戦線に配置できないって言うのなら仕方ないけど(苦笑)。ま、とりあえず皆様お疲れ様でした!

6月22日2007/06/23 03:27

 昨日は更新しようと色々考えていたんだけど、総ボツ。ノリが悪いというかまとまりが悪いというか…スランプかぁ?厄年にはまだ遠いハズなんだけど…
 
 本日のネタは、大宮駅周辺で生じた鉄道事故について、自戒の意味を込めて「私の対応」を語ります。ま、ヒドいことにはならなかったんだけどね。それでも少々反省は必要かな。色は珍しくこの色で。黒ネタっていつ以来だ?
 
 事故発生当時、私はまだ大宮駅にいた。実にラッキーな話である。電車内に閉じこめられていたら、本当にどーしよーもなかったからねえ。ただ、だからって問題が解決したわけではない。さて、ここでどーするか。
 
 普通に考えれば、答えは簡単。埼京線を使えばいい。この時点ではまだ止まってなかったのだから。通勤快速を使えば、楽勝で間に合う…どころか、気分と駅に着いた時間によってはコッチを利用してるくらいだ。何の問題もないはずだった。
 
 ところが、埼京線も巻き込まれてマヒしやがった。「線路内に人が立ち入ったらしい」との報告があったけど、実際のトコロはよくわからん。混雑&ノロノロ運転に腹を立てて勝手に下りた乗客がいたのか、東北・高崎線で乗客降ろした時の警告信号が波及しただけなのか…おそらく前者だとは思うけど。この時点で京浜東北線も止まっていたので、大宮駅から東京に向かう「普通の」手段が壊滅した。
 
 埼玉県周辺住民でないと知らないとは思うけど、大宮から東京方面に向かう電車ってのは「大動脈」である。乗車率はかなーり高いし、本数も相当なモノ。そのくせ、振替輸送手段がロクにない。影響の大きさでは、日本有数だと思うね。全くもって迷惑な話だ。
 
 つーか、オレはどーする。東北高崎線・湘南新宿ラインが完全に駄目。止まった電車から人降ろして歩かせているようなので、線路が近い京浜東北線も再開の目処立たず。理由不明だけど埼京線も似たような状態。大宮駅で足踏み状態である。
 
 ここまでヒドい交通マヒは、その昔々どこぞの過激派がテロ活動行って以来である。あれは私が高校生時代だったなあ…20年ぐらい前の話である。あの時は東京近郊のJR全部動かなかったから、あっちの方がヒドかったけど。ある意味懐かしい…思い出したくなかったけど。
 
 他の路線を利用と言ってもねえ…埼京線がマヒしてるので、川越まで出て東武東上線もしくは西武新宿線って手が駄目。後は東武野田線で春日部まで出て、北千住か浅草に出るか。ちなみに20年前はこの手を使い、滅茶苦茶遅刻した。ま、たどり着いたら休校だったけど。
 
 タクシーを使う手も多少考えた。浦和美園まで行って埼玉高速鉄道使えば…ただ、小雨降ってて道路は混んでる。おまけに同じコト考える奴は多い。タクシーなんて、使おうとするだけ無駄。せめて埼玉高速鉄道が岩槻まで延びていればねえ。もうどーしよーもない…と考えてしまった。
 
 そう、これが大反省点である。もっといい手があったのだ。「とにかく埼京線が動くまで我慢」と思っていたところ、JRが「最終解決手段」を持ち出したのだ。それは、新幹線への振替輸送である。そうだよ、それがあるじゃん。
 
 はっきり言って、この手を思いつくのが遅かった。確かに、振替輸送なんだから電車代は安くついた。けど、新幹線改札が激混み。カネ払ってでも他人の機先を制しておきたかった…ま、何とか「笑って済ませられる」範囲の遅刻だったけど。
 
 新幹線を使うなんて、普通考えない…のは確か。だけど、その昔毎日新幹線で通勤した経験を持つ私だ。過去にも雪で電車止まったとき、新幹線の運転状況見て利用したことがある。「いざというときの新幹線」は、誰より早く思いついてしかるべき。この辺、我ながらヌルくなったかなと。「深く考えず、とりあえず目の前の電車に乗る」なんてナメた通勤ライフ送ってる影響か?
 
 そんなわけで「混雑してる新幹線」に飛び乗ったわけだけど…いやあ、たとえ立っていても新幹線は快適ですな。車両構造上詰め込みには限界があるので、周囲の空間に余裕があるし。それに、高速運転できる区間じゃないので音が静かで揺れが少ない。ある意味最も快適な乗り物ではないかと。もっとも、本来ならアホみたいなカネ払う必要があるけどね。
 
 なお、帰宅方法は「あえて」京浜東北線を利用した。東北・高崎線はまるで信用できない。湘南新宿ラインも同じ。後は埼京線と京浜東北線の比較となる。時間だけ考えたら早いのは埼京線だと思うけど、おそらく猛烈に混む。特に新宿駅で。ホームの構造がヘンだからねえ。その点、京浜東北線の方が楽できると踏んだ。正解かどうかはよくわからない(比較しようがない)けど、京浜東北線の混み具合は「想定の範囲」だった。
 
 私は無駄に東京圏への通勤歴が長い。ある意味エキスパートであるべきだ。しかしながら、今回は思いっきり「甘さ」を露呈してしまった。ただ経歴が長いってだけじゃ、エキスパートとは言えないんだよ。これは競馬ゲームヲタク関連PCといった私の趣味全般に言えることですね。「ボンヤリ生きてるんじゃねーぞ」と考えてしまいましたよ。ま、それを自覚できただけでも良しとしよう。そうでもなけりゃ、諸々の損失のつじつまが…

6月25日2007/06/26 02:09

 宝塚記念を、私なりの視点で回顧。多分、誰もついて行けない領域の話になるんじゃないかな。覚悟の上でお願いします(笑)。
 
 こう書くと、「ヴェンジャンスオブレインとヴィヴァパタカが出ていたら…」って話題になると思う人がいるかも。ま、それもちょっとは言いたい(苦笑)。「秋は凱旋門賞だ!」という馬2頭(ウオッカとメイショウサムソン)を負かしておきながら、「今後?夏休みとって、秋天~香港」とヌカすあたり、アドマイヤムーン陣営はよっぽど香港でリベンジしたいようだ。他に適切なレースが見当たらないだけとは思うけど。その心意気や良しとしておこう。
 
 これ以外で「誰もついて行けない話題」って何か?ウオッカの敗戦である。そんなの誰でも語っているって?まあ、ウオッカの敗戦そのものはね。気の早い筋は凱旋門賞に向けてどうこう…って話題も絡めているかも。違うんだよ。私が語るのはソコじゃねえ。結論から言おう。「やはり、ウオッカではキングジョージは勝てない」である。
 
 キングジョージが行われるのは、来月末。馬にとっての1ヶ月は長いので、成長も考えられる。けど、宝塚記念ごとき(あの豪華メンバーであっても)で8着に負けてるようじゃあ、やはりキングジョージ制覇は難しいのでは。最近色んな意味で皆の感覚がマヒしているような気がするけど、これこそがごくごく当たり前の結論ではある。
 
 もちろん、単純な比較は意味がない。ウオッカにとって宝塚記念は「ついで」であり、大目標ではなかった。まさか「ピークは宝塚記念」って状態でダービー挑むほど馬鹿な陣営じゃないだろうし。そう考えれば、ダービーの次の目標を凱旋門賞にしたのは、間違いではないと思う。レース間隔を考えれば、日本ダービーも宝塚記念(またはキングジョージ)もピークってのは無茶だ。
 
 し・か・し。私は来年の3歳馬に「キングジョージ制覇」なる野望を期待している。いや別に3歳馬じゃなくてもいいんだけど、とりあえず今年のPOGでは「キングジョージで勝負できる馬」なる観点を中心に馬を選んだ。別に全馬そうだとは言ってないけどね。ホームラン狙いどころか、「場外に飛び出してもまだ足りない」ってなくらい無茶振りだ。
 
 ということは、牝馬にしてダービー制覇という偉業を成し遂げたウオッカより、確実に強い馬を探そうとしてるわけだ…改めて自分のアホさ加減がよくわかる。私が抱いた「遠大なる野望」なんて腐るほどあるけど、これが一番「達成不能な夢」かもしれない。ま、別にいいんだけどさ。
 
 ただ…キングジョージってのは、3歳馬有利な斤量とされている。同じ斤量のガチ勝負なら古馬が強いけど、諸般の事情から斤量差がある。とりあえずキングジョージでは、どっちかと言えば3歳馬の方が有利とされているのだ。だから…キングジョージを勝ちたいと思ったら、3歳馬で挑むってのは意味がある。発想自体無茶苦茶ってワケではないのだ。
 
 では、どうしろと?あくまで私の意見だけど、日本ダービーを制覇すべく、「ダービーに合わせた馬作り」をしたんじゃ駄目だ。ダービーは単なる通過点。それでいながらちゃんとダービーを勝ち、宝塚記念なんぞ放置してアスコットに挑む。これでしょ。これしかない。
 
 自分がいかに馬鹿なこと書いているのかは、ちゃんと自覚している。日本ダービーだよ?ドコをどう考えてもメンバーは充実するし、大半はピークを持ってくる。そこを余裕残しで挑めって?日本ダービー~キングジョージってローテーションを実行に移しやがったエアシャカールの森調教師でさえ、そこまでのことはできなかったと思っているんですが…それだけがエアシャカールがアスコットで負けた理由とは言わないけどさあ。
 
 でも、でもでも。そうしなきゃキングジョージなんて勝てない気がする。ましてや「モンジュー一族」が迎撃してくるのなら。最近は「海外で活躍する日本馬」が当たり前になってきてるから、みんな都合良く忘れているかも知れない。けど、本来キングジョージを勝つってのは、「そーゆーこと」でしょ。無理・無茶なんて言葉じゃ語りきれない厳しさ。それを乗り越えた末にしか掴めない、至上の栄光…誰が何と言おうと、それがキングジョージだと思う。
 
 この発想に立つと、単に「馬が強い」ってだけじゃ、キングジョージは勝てない。繰り返しになるけど、ダービーを余裕残しで挑まなくてはいけない。そんなアホなことする調教師がいるかぁ?ま、いるとすれば「アスコット熱」感染患者だな。エアシャカールのことを忘れたとは言わせないぞ森調教師。「ダービー勝ってキングジョージだ!」と吼えた橋口調教師。この辺でしょ。もはや正気の領域ではない。「消耗が気になるから」と皐月賞蹴飛ばし、「予定の」休み明けぶっつけでダービー出走して勝ち、商売が気になるJRAの要請を無視して宝塚記念を回避。これぐらいのアホをやらかしてくれないと。
 
 ウオッカは弱い馬ではない。牝馬だってコトを無視しても相当なレベルだと思う。けど、キングジョージ勝つには、あれでもまだ陣営の狂気が足らない。「牝馬のクセにダービーへ挑戦する」って非常識を実行して結果を出した陣営だけど、それでもまだ足らないモノがあるのだ。その点、「ダービー勝ったら凱旋門賞でディープインパクトの敵討ち」などと大言壮語したフサイチのオヤジも同じ穴のムジナ。「キングジョージ勝ちたい病」ってのは、その上を行かなければならないのだ。まさに「誰もついて行けない」領域ではないかな。
 
 ちなみに、POGではキングジョージは「対象外」である。当たり前だ。そーゆー問題じゃないんだよ。たとえ対象期間を過ぎても、PO馬はPO馬。キングジョージへ挑戦してくれれば、これに勝る幸せはない。そんでもって、私も応援のため万難を排してアスコットまで飛んでいき、やっぱり使っちゃイケナイ金まで突っ込むと。「3歳にしてキングジョージにガチ勝負」なんて狂気を実行に移す陣営の狂気を考えたら、これぐらい常識の範囲でないかい?(笑)。

6月27日2007/06/28 01:53

 前回フサイチのオヤジのことに触れたので、何となくこのオヤジの話題を。今度の参院選に立候補してることだし。本当はそーゆータイムリーな話題はイヤなんだけど、まあ他にネタがないってコトで。
 
 競馬知らない人には「フサイチのオヤジ」ではワケがわからないかも。参院選比例代表区に国民新党から立候補した、関口房朗氏のことである。某サイトでは肩書きが「競走馬馬主」になっていた。持ち馬に「フサイチなんとか」って名前を付けてるので、通称「フサイチのオヤジ」。他に「フサロー」などと呼ばれている。まあ、競馬ファンにはこれだけで通じる。一般的な肩書きは、会社会長ってことになるのかな。実質的には「社長」だと思われる。なかなかに破天荒な?経歴を持っているので、興味がある人は調べてみるといい。
 
 私はこのオヤジ、好きでも嫌いでもない。あえてハッキリ言わせてもらうと「成金趣味」漂いまくりなので、嫌う奴は嫌うと思う。でも、私は「身の丈にあった生活」とか、「清貧を尊しとする」なんて哲学は持ち合わせてないので、特別嫌う理由はない。ただ、なぜか私と趣味はあまり合わないので、好きになる理由もない。
 
 豪快にカネをバラまきまくる姿は、私が尊敬するドバイ王家と似通ったところがある。よって、このこと自体は私にとってマイナス評価にはならない。けど…何と言っても馬の趣味があまり合わない。私が「どうかなあ…」って思う馬に大金出したりしてるのだ。ここが「殿下」と大きく違う。カネの量(さすがに差は大きいと思う)だけの問題とは思えない。
 
 ただ、ケンタッキーダービーを勝ったフサイチペガサスだけは認めても良いかな。私はこの馬をナマで見たことはない(当たり前だ)けど、産駒から判断する限り良い馬のようだ。特に香港のフローラルペガサス。日本で言えば条件馬の頃から「こいつは絶対強くなる!」と確信したからなあ。他にもフサイチホウオーなど数頭が「悪くない」水準にある。ただ、これは他の馬主にも言えることである。ドバイの殿下のように「殿下が選んだ馬なら、オレが見ても良いに決まってる」と確信を持つほどではない。
 
 そんな「好きでも嫌いでもない奴」をあえて語る意味は?そりゃもう、「競走馬馬主」なる肩書きで参院選に立候補表明したからである。競馬ファンとしては、一体何を考えているのか、何をするつもりなのか見守る意義があるんでないかな。国民新党に投票するかどうかは別にして。
 
 馬主にして政治家ってのは、世界中に腐るほどいると思われる。元が「貴族のお遊び」だったんだから。そもそもドバイ王家は「実権持ってる王様」だし、政治家と言えるかどうかはともかく英国王家も馬持ってる。むしろ日本の政治家は「競馬一流国の政治家のクセに、馬持ってる割合が少ない雅心のない連中」と評してもいいのかもしれない(笑)。
 
 ただ…「政治家が馬主になる」のと、「馬主が政治家になる」のは違う気がするのも確か。馬主が先ってあたり、世間一般から「成金趣味だ」などと思われちゃう気がするね。日本人は「自分と似た立場だった奴がお上になるのを許さない」って感情が強いからねえ。そう考えると、当選するかどうかは何とも言えない。前にどこぞの選挙区から出て落選してるし。
 
 とはいえ、競馬ファンは一応フサローを支持する根拠がある。一応は「競馬界に対する貢献」になることだし。競馬に対する世間の目はかなり温かくなっては来たけど、まだまだ色んな偏見は多い。少なくとも「主な肩書き:馬主」とした人間が国政選挙に当選すれば、それだけで世間の目が多少変化するでしょ。これは競馬ファンにとっては「有り難い方向の変化」であることは確かだ。他の要素が全くのイコールコンディションで、とにかく誰かに投票しなくてはならない…って状況なら、フサローに投票すべきだと思うね。それが「自分の居場所を守る」ってことだと思う。
 
 問題は、「他の要素」である。これがどの候補もイコールってことはあり得ない。好き嫌い・信用できるできない・競馬以外の思想信条政策…ってものが関係してくるのは当然であり、ささやかな意味での「競馬界への貢献」よりも大きな意味があるはず。関口候補に対しても、実際投票するかどうかはこの辺を見極めて…となるのは間違いない。
 
 この点になると、それこそ「個人の事情」が大きく絡む。一般論で語りきれる範囲ではない。「投票するもしないも、投票する奴の勝手」ってことだね。無責任ではあるけど、これもまた重要な視点だ。まるで触れないのはマズい。だからって、コレで片付けるのならクドクド語ってきた意味が無くなるけど。
 
 ここで問題になるのは、フサイチのオヤジは「もし当選した暁には、一体何がやりたいのか」よくわからん、ってところである。別に「政治家になること自体が目的であって、やりたいことなんてないんでしょ」って意味でこう書いてるワケではない。単純にわからない・知らない・伝わってないだけの話だ。馬主と名乗ったのは単に通りがいいからなのか、それとも「競馬界のために…」って野望があるのか?野望があるとして、それはどんなものなのか。生産者寄り?主催者寄り?馬主寄り?それとも競馬ファン寄り?ある程度は普段の言動(競馬マスコミでは時々報道される)だの前回の公約だのから推測できるけど、人は色々変わるもの。今回はどんなつもりで、どんな公約を出すつもりなのか?まだ選挙戦本番ではないこともあり、あまりよくわからない。
 
 もちろん、国政選挙ともなれば「競馬のことは二の次」になるのも仕方ない。けど、優先順位が低いのと考慮しないのは違う。実際投票するかどうかはともかく、競馬ファンなら「馬主って肩書きで立候補した奴」が掲げた政策について、興味を持って調べて「評価する:しない」という結論を語れるようになってもいいんじゃないかな?結局のトコロ、そういう積み重ねが「自分の考えで投票する」ってコトになるのだと思うので。
 
 ただなあ…理念上のことはともかく、フサイチのオヤジが信用できるのかと言えば…とにかく趣味が合わないからなあ。せめてもう少し馬の趣味が評価できればともかく。他の趣味も別に一致してる様子もない。趣味の一致ってのは「考えの一致」の一種だから、合う合わないはそれなりに重要だと思うんだよね。せめてドバイの殿下みたいに「御用達のチョコレート食ってみたら、ブッ飛ぶほど美味かった」とかあればなあ(笑)。