4月20日2006/04/21 01:52

 月に1度はやっておきたいヲタクネタ。今回のお題は、「〆切破り」について。いやまあ、これについて言いたいことはたくさんあるので。
 
 ココで言う「〆切破り」とは、幅広い意味で考えたい。すなわち、「原稿が全くない」という状態(俗に「落ちた」という)だけでなく、掲載はされたけどヒドい出来ってモノも含める。そんなのあるのかって?実は良くある話だったりする。
 
 比較的有名なところでは、某週刊誌に不定期連載してる某作品が、掲載されるたびに「ヒドい出来」である。下書きそのまま突っ込んだ、ってのがミエミエ。これは通常単行本で直すんだけどね。
 
 私はどちらかというと「作品が掲載されてない」ってことに寛容で、不出来な原稿には辛辣である。未完成の作品載せるぐらいなら、別の作品に差し替えてもらいたい。本気でそう考えている。
 
 ただまあ、作家サイドとしては「そうもいかない」のも事実でしょ。原稿料のことはさておくとして、一応雑誌に掲載しておかないと、単行本の発行ペースにも遅れが出る。雑誌も駄目、単行本も出せないじゃ干上がっちゃうからなあ。だからって下書き掲載が許されるモノとは思わないけど。
 
 編集サイドとしても、「それでも掲載したい」って気持ちがあるんじゃないかな。代原なんて簡単に確保できるモノじゃないし、「いつ掲載されるかわからない」作品である以上、どう考えても面白くないのがフツーだからね。だいたい、編集としては「最後の最後まで」ちゃんと掲載されると信じたいもの。「とにかく転輪機に突っ込め!」ってな気持ちになるのもわかるなあ。
 
 面白いことに、「ヤバい作品」をどう扱うのかは、出版社ごとに多少違いがある。集○社はとにかく掲載する。どんな出来でも。逆に講○社はよく原稿が欠ける。次号予告どころか、表紙に作品名掲載してる作品がなかったりする。代原豊富なのかな?
 
 私は比較的忍耐力があるので、連載ペースが落ちるぐらいは気にしない。必要なら5年でも10年でも待てるからね。何年待たされようが、掲載誌を代えようが、気に入った作品はどこまでも追いかけてゆく。ただ、これは例外的な態度だとは思う。世間の飽きっぽさを考えれば、「忘れられるんじゃ」って恐怖は強いと思うな。
 
 私も最近ここの更新ペースが落ち、正直言って「〆切破り」の常連と化している。いけないと思ってはいるんだけど…その辺の「事情」はさておき、自分の〆切破りには一応ポリシーを持つことにしている。すなわち、いかなる事情があろうとも、自分の中で「一定の水準」に達しない作品は掲載しない。それぐらいだったら「落ちました。更新できません。」って謝るだけに留める。
 
 コレが正しい態度かどうかはわからない。「何かしら更新しないと、読者が離れる」って話があるからね。ここも相当読者離れしてるんじゃなかろーか。元々少ないって話はあるけど(苦笑)。一応気にはしてるんですよ。本当にすいませんねえ。
 
 それを承知の上で「駄作」を掲載しないのは、私の好みの問題…というよりは、更新意欲の問題だな。だらだらと「ノリの悪い」作品連発してると、更新意欲そのものが薄れそうで。そうなるぐらいだったら、思い切って休んで更新意欲を維持する。この方が長続きすると思っているんだけど、どうなのかね。
 
 〆切破りってのは、本来「あってはならないこと」ではある。でも、だからって「その時のことは考えもしない」ってのは、正しくない態度じゃないかな。そりゃあね、ごくごく希な出来事だってんなら、「その時考える」って態度で問題ないでしょ。けど、まあ…「世の中そんなに甘くない」んじゃないかと(笑)。
 
 ブログなどは大抵「作者イコール編集者」である。ということは、「作者としての自分」が逃げ出したとき、対策をうつのも自分だ。当たり前だけど。「〆切破りなんて、あってはならぬこと」だけで片付けるってのは、「作家としての自分」に余計なプレッシャーとなり、「編集者としての自分」にとっては現実逃避…って気がする。「いざというとき」どーするのかは、多少考えておいた方がいいような。
 
 そこまで考えたくないよ…って人もいるでしょ。まあ、それはその人の自由だ。ただ、それを言いだしたら「完全に放り投げるのも自由」ってことになっちゃうからなあ。ある程度のプレッシャーはあった方が健全じゃないかと。
 
 〆切破りってのは「非常手段」なので、色んな意味で至らぬ部分が多いと思う。私自身、自分の方針が「受け入れられるものなのか」って不安はあるわけで。そーゆー点で、他人のシャレにならん〆切破りは参考になる。マンガの〆切破りは、曲がりなりにも「プロ」がやってることだからなあ。ブログの〆切破りとは比較にならん。そこで作家・編集者がどーゆー態度を取り、それをどう感じたのか、そしてそれを自分自身に当てはめるとどーなるのか…ってなことは、少し意識しておいた方がいいと思うぞ。ブログを続けたければ。