1月17日 ― 2009/01/18 01:54
VAIO type Pを実際いじってみた。よって、その感想をお届けしようかと。何事も実際見てみないとわからないからねえ。ただ、あくまで「私が使う」ことを前提とした評価なので、ソコは考慮しながらお読み下さい。
まず全体の評価から。当初思っていたより、好感受けました。これなら実用になるのではと。流石に「欲しくなった」ってレベルじゃないけどね。欲しい欲しくないで言えば、やはりもう少し大型の機種(普通のB5ノート)の方が上。ただ、B5ノートを本格的に吟味したワケじゃないので、最終的に「だったらtype Pでいいや」となる可能性はある。
特に好感を受けたのが、キーボード。その昔のSONY製品は「キータッチが失格」だったけど、コレはいい感じでしたね。少なくとも私の好みだ。私は結構「キーを強く押す」クセがあるので、腰の弱いキータッチは嫌いでねえ。その点、type Pは「ベストと言わないまでも、ベターである」範囲のキータッチだった。キーピッチも好感が持てるサイズ。
動作速度も、思ったよりは速かった。もっとも、CPUのランクがドレなのか、よくわからなかったんだけど。もうちょっとレスポンスが良い方が…と感じたのは事実だけど、メモリが大容量だからか、いわゆる「イラつくタイプの遅さ」ではなかった。重いアプリケーションは使用したくないけど、そもそもそーゆー前提のマシンじゃない。
とまあ、まず「気に入った点」を紹介したんだけど、同時に「気になった」点もある。画面だ。これはイマイチ気に入らなかった。少なくとも、私好みの仕様ではない。
事前の情報で気になっていた、「字が小さい」コトは案外気にならなかった。確かに小さいけど、とりあえずは問題視するほどじゃない。字の大きさって、単に「大きい・小さい」だけじゃ語りきれないモノなんだけど、そういう「システムフォントの出来・不出来」まで含めて考えた場合、Windows系列は即時失格レベル。つまり、どのPCでも話は似たり寄ったりなので、ギャアギャア騒ぐ意味がない。
気になったのは、むしろ「画面の狭さ」だ。液晶の面積じゃない。1600×768という解像度に対し、正直「狭い!」と感じてしまったのだ。これは、流石に説明が必要だと思う。フツーに考えたら、広く感じる解像度だからねえ。
この解像度、一般的なモノと比べた場合、横は広いけど縦が狭い。これは正直、狭く感じました。これは私が「縦の広さ」にこだわるからだと思うけど。ただ、アレは「度を超して横だけ広い」ような気がする。
横だけ広いと、何か問題が?まず、ウインドウを「最大化」すると、横だけ間延びして広く感じる。ハッキリ言って、「無駄に余白がデカい」気がして仕方ないくらい。かといって、横を最大限利用しようと考えると、今度は縦の狭さがハナにつく。正直言って、機能的でも美的でもないと感じた。かといって、「まあ適正な」ウインドウサイズにすると、無駄なスペースが。要するに、デッドスペースだけやたら広い感じを受けちゃったのだ。
いやね、「こういう解像度がイイんだよ」って作業も考えられる。代表は、複数のアプリ立ち上げて、片方を参照しながら作業する場合とか。あと、作業スペースの他に各種パレット(要は機能アイコン)散らして作業する、Adobeアプリケーション(PhotoshopとかIllustrator)使う場合も有効活用できそうだな。でも、それってtype Pでやる作業か?せいぜいが「ブラウザとテキストエディタ立ち上げて、Webを参照しながらテキスト作成する」ぐらいじゃないかと。
あのサイズの画面は、ハッキリ言って「1枚の広い画面」ではなく、「800×768のツインディスプレイ」だと考えたくなる。使い方によってはこれはこれで便利なハズだけど、正直「広い画面だなあ」と感じなかった。正直、すごくイライラした。
実は私は「画面は広い方が好き」ではあるんだけど、それはあくまでバランスの良い広さ。こういう「バランスの悪い広さ」では、なんか広い画面使っている気がしない。むしろ狭いと感じた。絶対的な広さはともかく、デッドスペースが「狭さ」を強調している気がして。とりあえず、私はそう思う。
まあ、PCは使い方である。正直、慣れれば「これでも何とかなる」のかもしれない。ただ、それは「広い画面をキッチリ使いこなすための工夫」というより、「狭い画面を有効に使うための工夫」に近い性質のような…この点から、私は「重量・キータッチ」が多少劣る程度なら、やはりB5ノート選ぶね。その方が満足度高そうなので。
ちなみに、type Pを買うつもりなら、絶対実物見てから考えた方がいい。想像以上にトンガった製品だと感じた。本質的に万人向けじゃなく、ユーザーを相当選ぶ品だと思う。それを覚悟して購入するかどうか決めないと、絶対「使いこなせない」って評価が出ちゃうと思うな。
にもかかわらず、この製品の売れ行きは相当いいようだ。それでいいのか。この製品って、深く考えず「スタイリッシュじゃん」で買うと、後悔しかねないモノだと思うんだけど。とりあえず、この手のモバイル機器に「本気で」機能性を要求する人は、実物いじってから買うべきでしょう。ありゃあ、いじってみないとわからん。少なくとも私向きではないけど、だからって「オススメできない」とも「でも、オススメ」とも言い難い。
私としては、こういう「トンガった」製品は嫌いじゃない。たとえ私に向いていなくても。それを考えれば、「良くできた製品だ」と褒めていい気はする。でも、私は買わない。私向きじゃないから。こればっかりはどーしよーもない。ある意味珍しく「SONY製品をSONYだからって理由以外で拒絶した」わけだ。SONYって会社をどう思うかはともかく、とりあえずいじってみる価値はあると思うので、近くの家電量販店などに出向いてみてはいかが。ただ、現時点だと「早くいじらせろ」って後方からのプレッシャーを我慢する必要があるけどね(苦笑)。
1月19日 ― 2009/01/20 02:17
昨日はMiddle-Earth東京支部へ。庭猟師殿と「モスクワ'41」と「アウステルリッツの太陽」をプレイしてきました。そこで、とりあえずは「モスクワ'41」中心に語ってみます。
私は今回、赤軍を選択。独軍は前回プレイしたからね。とりあえず両軍プレイしておけば、後々わかるコトも多いからねえ。Middle-Earth東京支部は強者揃いなので、ある程度意識して「鍛えて」いかないと…
今回の「実験」は、セットアップ。自分なりのベストを探るというよりは、「ベストを見つけ出すための実験」をやってみた。その実験課題は「いかに快速部隊を後方に逃がすか」だ。騎兵や戦車は優先して狙われがちなので、多少は逃げやすく配置した方がいいかなと思って。かと言って、単に逃げただけじゃ意味がない。私なりの考えに従ってとりあえず配置してみました。
これに対し、庭猟師殿は南方に山ほど黒帯部隊(装甲師団及び機械化歩兵師団のコト)を送り込む。南方突破策(私の「冬コミ1日目作戦」もこの1つ)かあ…自分で似たような作戦開発しておいて言うのは何だけど、相手にするのはキビシー作戦だなあ…と、ちょっとブルーになる。
私の作戦との違いは、より南方に黒帯部隊を集中させていること。「冬コミ1日目作戦」はモスクワ正面にも数多くの黒帯部隊を割いていたからね。というより、数だけ考えたら中央付近の方が黒帯部隊が多かった。その代わり、南方にはより強力な装甲部隊ばかり送り込み、「狭く鋭く」突破を狙ったのだけど。ただ、作戦の要点である「ヴォロネジを脅かしつつ、モスクワ転進を狙う」を考えたら、この方が勝るかもしれない。
プレイは、正直「お互いに手堅い」ものだった。独軍は無理してこないし、赤軍も無理しない。そのため、案外「地味な」プレイではなかったかと。これは一見すると「いいコト」のように思えるけど、最後はお互いにそのツケを支払わされてしまったようだ。
最初にツケの支払いが来たのは、赤軍のこの私。安全第一で主力部隊を引きすぎていた上、反撃ターンが5ターン(最も遅い)だった関係上、「命令違反」(反撃ターンに相手を攻撃できないと、敢闘精神不足としてVPペナルティーがある)で6点もVPを献上してしまう…どう考えてもやりすぎでしょ。もっと反撃ターン時の攻撃のこと考えなきゃ…大反省である。更に、黒帯部隊は1つも除去できず。これは私の反撃がどうこうってだけじゃないけど、戦果として物足りないのは間違いない。
庭猟師殿も笑ってはいられない。都市・町が占領できないのだ。ヴォロネジは最終的に歩兵だけの牽制攻撃止まり。カリーニンにはロクに近寄らない…結果として、クルスク・オリョル・ツーラしか確保できない。最後はモスクワ南方の町コロムナに迫ったんだけど、ここでも一歩及ばなかった。
お互いドキドキしながらめくった勝利得点チットは、3都市分で合計14点。命令違反と併せて合計20VPピッタリ。よって勝利は独軍に輝いた。展開は地味だったかも知れないけれど、白熱した好勝負ではあったのでないかな。とりあえず、プレイして楽しかったのは間違いない。
とはいえ、両軍ともに反省点は多かったのではないかと。私の場合、いくら何でも防御を優先させすぎた。後から考えれば、慎重になりすぎていたのは間違いない。特に、「独軍歩兵が前進してくるのはイヤ」と、包囲されそうな部隊を前線に放置しっぱなしにしておいたのが…あれは多少下げて、より反撃に使いやすくした方が勝ったはずだ。反撃ターンが遅かったとはいえ、6点献上はやりすぎだからねえ。
庭猟師殿も反省は必要でしょ。VPチットの平均(4.5を切っている)考えれば、3都市+6点じゃあ「フツーは負け」だからね。ギリギリではあるけれど。結果的には手堅すぎたわけだ。本人も「もっと積極的に行かないと…」とおっしゃられていたことだし。ただ、「では具体的にどうすべきだったか」ってのは、ちょっと難しい。コロムナ占領できれば何とかなったと思うけど、そのため何が足りなかったのか考えてゆくと…私の技量じゃ、明白な答えは出せない。
それでもあえて言うのなら、もう少しヴォロネジ攻撃にこだわっても良かったかも。ヴォロネジ付近に独軍黒帯部隊が近寄ってきた際、私は密かに「一応ヴォロネジもモスクワ南方も守れているけど、より不安が大きいのはヴォロネジか?」と思っていたのに、モスクワ南方へ向かっちゃったからねえ。最後の方に歩兵だけでヴォロネジに圧力かけてきたけど、あれは流石に対応が楽だ。何も「装甲部隊でヴォロネジへ突っ込むべきだった」まで言わないけど、せめて一部をこの方面に残し、より多くの部隊をこの方面に誘引した方が良かったのでは?まあ一長一短あることなので、断言はできないけど。
今回プレイして、独軍は「南方集中策」ってだけじゃあ、勝つのは難しそうだと感じた。確かにクルスク・オリョルは絶対守れない。これに加えてヴォロネジを占領できれば「事実上4都市占領」であり、一応は勝てなくもない。ただ、それは反撃命令違反だとか、黒帯部隊の損害が少ないといった条件が重なっての話。ヴォロネジだけのゲームにしてしまうと、おそらく反撃命令は満たされちゃうし、黒帯部隊の損害も増えそうだ。やはりある程度バランス良く各方面に圧力を加えないと、独軍は勝てないのではないかな。
ただまあ、南方を突破して、ヴォロネジとモスクワに圧力をかけるプラン自体は有効でしょ。対戦していて、私もかなり悩ましかったし。色んな意味で、まだ研究の余地はあると思うな。確かにお互い反省点の多いプレイにはなったけど、それは「より高みを目指す」観点からの話。全体としては「いいプレイ」だったような。ただ、Middle-Earth東京支部にはこのゲームの名手が多い(テストプレイ経験者だらけだからして)ので、あのレベルじゃお互いまだまだだ…
その後、久しぶりに「アウステルリッツの太陽」をプレイしました。その昔アドテクノスから発売された、チットで動く部隊決めるナポレオニック。このゲーム、実はものすごーくバランスが悪いコトで有名なので、あえて「ナポレオンチット」抜きでプレイしてみました。その昔は結構プレイした記憶があるけど、いいように忘れてました(苦笑)。
私の担当は連合軍。仏軍は庭猟師殿とmiyonin殿の共同プレイ。チットの出が良かったおかげもあって、何とか「しばらく戦えそうな」態勢作りに成功。ナポレオンチットがあると、こうなる前にボロボロにされちゃうんだけどね。ただまあ、あれでも最終ターンまで持ちこたえることができたかどうかは、極めて怪しい。私の知る限り、そーゆーゲームなので。
強いて言えば、仏軍親衛隊の投入位置があまり良くなかったような。ここにはモラルが高い騎兵がいるんだけど、こいつは連合軍のモラルの低い部隊にぶつけると滅茶苦茶効く。にもかかわらず、こちらの親衛隊(ロシアの親衛隊がいるのだ)にぶつけていたからなあ。これでは、親衛隊のモラルの高さは活かしにくい。露助の親衛隊騎兵はあんまりモラル高くないので、守るだけならフツーの奴(ベルナドット将軍の部隊)で何とか足りる。あれはこちらのバグラチオン将軍の部隊にぶつけるべきだったと思う。もっとも、大きなミスってホドじゃないけどね。
ちなみに、久しぶりにこのゲームをプレイして思ったのは、「チット式のゲームって、チット入れる人とユニット動かす人が別々の方が面白そうだ」ってコトかな。投入したチット知らない方が、むしろ「らしい」動きになりそうで。もっとも、こういう変則プレイは気軽にできるモノじゃないけど。
Middle-Earth東京支部は、とにかく相手が強い。ドコを見渡しても腕達者が揃っているからなあ。私なんぞじゃ、勝てる気しませんよ。ただ、そーゆー相手と戦って勝利目指して戦うからこそ、ウォーゲームは面白い。ただ勝てばいいってモノじゃないんだよ。これは何事にも言えることのハズなんだけどねえ。とはいえ、やはり敗戦は良くない…せめて、包囲攻撃した機械化歩兵を除去できていれば…ブツブツ…
1月25日 ― 2009/01/25 02:39
風邪引いた…ので、ちょっとお休みしてました。まだ完治はしてないけど、かなり良くなったのでご安心下さい。
本日の話題は、私が風邪引いた原因かもしれない「シミュレーションゲームは欧米で人気が低い」って発言について。あまりにも腹立たしい発言なので、詳細にツッコませてもらいます。読めば理由はわかると思いますが、基本的にはこの色の話題です。
この発言はドコから出てきたのか?コトの始まりは「日本のゲーム(コンシューマー用)の世界シェアが低下中」ってニュース。何でも、世界全体で20%程度に落ち込んでいるんだとか。ファミコンやプレステ、現用機のWiiとPS3が日本製だってコト考えれば、かなり低下したんだなってのはわかる。わかるけど…ちなみに「世界に冠たる」日本車の世界シェアって、推定で30%くらいか?「元は日本語」って文化障壁と、欧米でのコンシューマーゲーム市場は急成長中だってコトも含めて考えれば、むしろこれぐらいがフツーだろって気がするんだけど。
この話自体もツッコミどころ満載だけど、問題はその原因として「ゲーム業界に詳しい○○証券シニアアナリスト」なる人物が語ったモノ。理由その1として「得意としていたRPGやシミュレーションゲームは欧米で人気が低いこと」と発言しているのだ。まさに「寝込みたくなるような発言」ですな。
ボードウォーシミュレーションなるモノを趣味として20年以上になるこの私だけど、コンシューマー&PCも含めて「日本がシミュレーションゲームを得意としていて、欧米よりも人気がある」なんて話は初めて聞いた。この業界が流行らない理由が「ボードによる対人対戦」って部分にだけ問題があるのなら、何も今までこんな苦労しなくても…そりゃあね、今まで我々ボードシミュレーションゲーマーは「とにかく業界を支える」コトだけに注意を向けてきて、外に向かって「シミュレーションゲームとは」って説明はほとんどやらなかったのは事実。だからって、これが世間一般の認識なんですか!正直、私は「何かに負けた」気がしますね。
まずはそもそも論から。広い意味での「シミュレイションゲーム」って、どんなゲームだ?シミュレイションってのは、「模倣」って意味だ。つまり、何かを「真似ている」ものを指す。これだけだと、かなりのゲームが該当しちゃいますね。そこでフツーは、私がやっているような「ウォーシミュレーションゲーム」を指すコトが多い。
ただまあ、PC・コンシューマー系のゲームにおいては、もう少し広い意味でこの用語を使っているコトが多い。ぶっちゃけた話、ある意味別のジャンルに属する「経営戦略モノ」「育成モノ」が含まれている。これらについては、少し詳しく解説しよう。なお、「フライトシミュレーター」は流石に別ジャンルでしょ。
実のところ、大抵の日本人が「シミュレーションゲーム」と聞いて連想するのが、「経営戦略モノ」である。欧米じゃ「ストラテジー」(戦略って意味)ってジャンルに属しているのかな。ウォーシミュレーションゲームが比較的細部の再現まで目指しているのに対し、こちらはそういう部分はザックリしたモノに留め、より大きな部分(金や兵力の有無とか)を使ってどうこう…ってモノ。日本における代表作は「信長の野望」(光栄)シリーズかな。
このストラテジーものの変形が「育成シミュレーション」かな。とにかく、何かを育てる過程をシミュレートしている奴。競走馬やスポーツチーム、アイドルや「フツーの女の子」、果ては巨大人型戦闘機械操縦者なんてモノまで育てるゲームがあったものだ。ちなみに、私も色々と育成してきた覚えが…特に、「綾○育成計画」には泣かされたものよ。生物としての出来の悪さはさておき、「キモいオッサンか根性ナシのクソガキにくれてやるのがイヤなら、自前で引き取れ」ってのは、今でも納得いかん…
確かに「信長の野望」シリーズは売れた。育成シミュレーションも、それなりに数が出ている。けど、だからってこの分野は「日本ゲームの得意分野」なのかぁ?洋ゲーにはあまり詳しくないハズの私でさえ、「ポピュラス」「シヴィライゼーション」「エイジ・オブ・エンパイア」などなど、いっぱいあると思うんですが。そもそも、「シムシティ」に代表される「シムシリーズ」のシムって、多分「シミュレーション」の略だと思うんですが。まあ、強いて言うなら、欧米ではあまり「育成モノ」の話は聞かないぐらいだ。これはおそらく、欧米の方が「リアル指向が強め」だからだろう。向こうのスポーツ系経営ゲームって、「今いる地位を保つのに一生懸命」ってモノ(実はドコも大抵そうだ)が主体らしく、日本人みたいに「好きなチームを世界レベルに!」なんてバランスにはなってないようなので。
それにだ。「純シミュレーションゲーム」「ストラテジーゲーム」「経営ゲーム」「育成ゲーム」に共通する要素として、「扱う対象は、親近感を得られやすいモノがいい」ってのがある。よって、フツーの日本人は「日本の○○」を扱ったゲームを好む。例外はいっぱいあるけどね。ただ、こーゆー作品をそのまんま海外に持って行ったって、ウケるワケがない。親近感が湧かないからだ。
いや、コトは親近感以前の問題だ。サッカーチーム経営ゲームを考えてみよう。日本のJリーグのチームを「育ててみたい!」と感じるのは、まあ日本人と香港人(Jリーグもサッカーくじの対象なので)ぐらいである。サッカーがマイナーな米国人はさておき、英国人や仏国人なら自分の国のチーム育てようと思うでしょ。そもそも、チーム名知っているのかどうかさえ疑問だし。応用が利くモノも考えられるのは事実だけど、フツーは「文化の壁」がブ厚く立ちはだかる。単に「表記を全部英語にしました」だけで片付く問題じゃない。
あくまで私個人の印象で語るなら、日本人言うところの「シミュレーションゲーム」が売れているのは、むしろ欧米の方ではないかと。どうも日本独特のモノらしい「育成シミュレーション」のことを考えに入れたとしてもだ。更に、システムが発達しているのも、どちらかと言えば欧米ではないかと。あくまで「全般的に言えば」だけどね。欧米モノは「扱っている題材が意味不明でも、プレイさえすればハマる」って領域に達しているモノがいくつかあるのに対し、国産は「題材がマイナーになると、プレイしてもらえない」ものが中心になっちゃうような。コンシューマーゲームなんてものは、個人や会社の情熱だけじゃあ回らないほどデカいカネが動く世界だけに、どーしてもある種の限界はある。日本のゲームメーカーも相当頑張ってはいるんだけど、やはり欧米に一日の長があると思うな。
にもかかわらず、某証券会社のお偉いさんは「日本はシミュレーションゲームが得意」「でも、欧米では人気が低い」などと分析してみせたわけだ…なんか、私の意見と真逆なんですけど。間違っているのは私か?可能性はあるけどね。ただ、これでも私は一応「ゲーム好き」だ。ゲーム関連の知識にはかなーり接してきている。それが全部間違いだとは、とても…それよりかは、このお偉いさんが「日本で言うシミュレーションゲームって、欧米ではシミュレーションゲームに分類されないものが大半」って知識抜きで、日米の「ジャンル別ゲーム売り上げ」比較しただけ…って可能性が高いのでは。
あくまで「私が思うに」だけど、このお偉いさんは「ゲームに詳しい」のではなく、単に「ゲーム業界の数字をよく見ている」だけって気がする。ゲームのことロクに知らないので、その数字が何を意味するのかも結局よくわかってないのでは。その程度の人間が、「ゲームに詳しい」人間として紹介されるなんて…先日紹介した「飲茶抜きで香港の食文化を語ろうとするミシュランガイド」に匹敵する、アホっぷりだ。
問題はだ。こんなアホな分析しかできない人間が、証券会社のお偉いさんってコトだね。普通、ゲーム会社が「自社のゲームを海外で売りたい!」と思ったら、そのための資金が必要だ。資金だけじゃなく、向こうで売り込むためのコネとかも必要でしょ。そーゆーものを用意するのって、証券会社の大事な仕事の1つじゃなかったか?それを考えれば、なんか「海外で日本のゲームソフトが売れなくなってきている」のも、わかる気がしますね。ゲーム市場の分析すらロクにできない奴が偉そうな顔してる会社がサイフ握っているんじゃ、そうなるでしょ。
まあ、我々「ゲーム好き」も、あまり偉そうなことは言えない。ゲーム自体には詳しくても、「ゲーム市場」がどうこうって話はできないからね。その意味では、この世界の動向を一般人相手に語れる人材を育成してこなかったって罪はあるような。その結果として痛い目を見るのは、ゲーム好きの方だろうからなあ。今からでも遅くないから、コンシューマーゲーム業界は色々考え直した方がいいんじゃない?まあ、ボードシミュレーションゲーム業界は、もはやそんな段階じゃないんだけど(苦笑)。
1月27日 ― 2009/01/27 22:55
Internet Explorer 8とLunascapeのバージョンが上がった。とはいえ、両者とも「リリース予定版」になっただけ。相変わらず正式版ではない。ちなみにIE8は去年8月ぐらいから「β版」が公開されていて、Lunascapeの方は12月にβ版が出て1ヶ月経った程度。まあ、IE8の方が厳格なテストが必要ってコトでしょ。ちなみに、年明けすぐにも正式版が出るのでは…と言われていた、Firefox3.1はまだβ判。
さて、本日の本題は、「私としては」喜ばしい話である、「相川の代償は金銭」って話で。流石に意外だった。正直、絶句した。まさか、まさかねえ…
諸般の事情により、スワローズが「誰をプロテクト」したのか、正式なモノは明らかにされていない。ただ、噂レベルでは色々聞こえている。何でも、石井弘がプロテクトからハズされたとか…他にも「外れているらしい」って選手の話は出ている。
そうした噂から私が「推理」した範囲では…他に鎌田と花田も外れていたらしい。鎌田に関しては、「大矢監督と相談の上、決定か」なんて報道もあった。単純に今期の成績から判断すると、プロテクトされるかどうかビミョーな選手だったのは間違いないし。花田は名前こそ出てないけど、「花田のコトじゃないかな?」って報道は(一応)あった。
プロテクトされた選手だけど、どうも左腕はかなりプロテクトかけたんじゃねえかって話はある。石井弘は左腕だけど、これは獲りにくいでしょ。去年終盤に下で投げたとはいえ、「復活があり得るのか」は判断しにくい段階。状態もよくわからん他球団の関係者が、「より具体的にはどーなっているんだ」なんて、調べようがないわけで。我々ファンが復活を信じるってのとは、ワケが違うんだから。余裕のある球団なら「復活に賭けてみるか」って判断が可能かも知れないけど、今のベイスターズにその余裕があるとは…
むしろ不思議なのは、「野手に獲得候補はいなかったのか?」って部分。単純に「選手への刺激」を狙って、ソコソコの選手持って行かれても文句は言えないと思っていたんだけど。正直、実は恐れていたのがこのパターンだ。去年福地という「オイシイ拾い物」をいただいた経験があるだけに、「ありそうで怖い」からね。
にもかかわらず、大矢監督の「無理して獲ることはない」、フロントの「同じぐらいの力の選手を獲るなら、若手を育てようという結論に達した」という判断で、結局は金銭補償を選択。ほっとしたコトは事実だけど…それで大丈夫?って気がするのは事実かな。
うーむ…確かに、私はこのチームの内部事情はよく知らない。それだけに、何かしらカン違いをしている可能性は高い。それを承知の上で言わせてもらうと、「一体ドコをどう強化したいんだ?」ってのがよくわからん。「まずは投手」だと思っていたら、ドラフトで1位指名したのは大卒外野手。「じゃあ、野手の強化も視野に入れているんだ」と思ったら、「別にスワローズの若手なんていらん」ときてる。少なくとも今期の補強に関しては、ちょっと迷走しているように見えるんだけど…
強いて理由を探すなら、「そんな状態じゃないんだ」ってコトかねえ?何もかも足らない状態なので、とにかくじっくり選手を育てるしかないということか。でも、だとしたら今年のドラフトは「素材重視で高校生中心」でも良かったような。他の球団はまだ「こういう補強がやりたかったんだな」ってのがある程度掴めるけど、ここはよくわからない。誰か解説して下さい。
ただまあ、監督の性格考えたら、「拾ってくる選手なんていらん」ってのは、多少わかるかも。どちらかと言えば「チーム内で競わせてどうこう」って考えの弱そうな人だからなあ。それがあの監督の個性なんだから、文句を言うような話じゃないとは思うけど。もっとも、フロントは危機感持ってなかったのだろうか…
何はともあれ、スワローズにとっては「予想外の嬉しい話」ではないかと。「誰が抜けるんだ…」ってんで、鬱だったからなあ。だからって順位が上がるとは特別思わない(キャンプ前だからねえ)けど、より期待が持てるようになった気がしますね。後は監督がもう少し…(以下略)。
実を言えば、今回の一件で一番大きかったのは、「鎌田を引き抜かれなかった」ことである。何故鎌田?いやね、鎌田って、早大なんですよ…あそこの選手は結構たくさん引っ張ってきていて、ちょっとばかり「早稲田カラー」が強くなっていたトコロに、明大出の監督でしょ。「これを機に明大色に!」って野望持たれても困るんですが。今期ドラフトで2人も早大から指名した横浜に鎌田持って行かれると、色々とヤバそうな…来年の(今年ではなく、来年の)ドラフト1位が誰なのか確定している(早くも競合必至って報道出てますねえ)以上、早大出身の選手を冷遇するのはマズいでしょ。その意味では大いに安心しました。「神宮の星」から、「あの球団は母校出身の選手に冷たい」なんて思われたらタイヘンだ…
まあ冗談はともかく、これでスワローズもキャンプイン態勢が整ったわけだ。後はキャンプでの仕上がり具合だな。いつものよーにこちらの期待だけはデッカイので、それに応える成長を見せて欲しいもの。いやもう、球春到来が待ち遠しいですなあ。
1月28日 ― 2009/01/29 01:10
カネヒキリが勝ったのはいい。問題は、東京大賞典でのクソ負けが嘘のようなフリオーソの走りだ。オレが馬券買ってない時に限ってコレかい。ゴドルフィンの馬のくせに、私と相性が悪いとはどーゆーコトよ。やはり天才がまたがってないと駄目なのか…ブツブツ。
つーわけで、本日のお題は「2009年日本馬海外遠征」としましょ。ポツポツと話が出てきたので。私にとってとてーも大事な話題だし。
時期が近いドバイに行くって馬の話は当然として、他のレースを使う予定ってのがいくつか漏れ聞こえてきた。もっとも、現時点では「タラレバ」の話でもあるんだけど。タラレバ付きの海外遠征話はまるで信用できないんだけど、まあ一応は予定組んでおく価値があることだし。
まずはディープスカイ。春は国内専念で、そこを勝ったら秋に凱旋門賞だとか。正直言って、「とっても信用度が低い」話である。こういう話って、新馬戦を快勝した馬が「ダービーはもらった!」って発言するのと同程度の話にしか思えない。いや、ディープスカイ陣営は本気なのかも知れないけれど、過去こんな形の「景気づけ」した陣営が山ほどあったので、ちょっと信用できないんだよな…
キーとなりそうなのは、宝塚記念か。ココを快勝すれば、おそらく引っ込みつかなくなって遠征する。けど、ココ負けて「やーめた」って言った陣営がどれだけあったことか…凱旋門賞から逆算する形でローテーションを考える場合でも、宝塚記念を使うべきかどうかはビミョーって気がするんだけどね。
ただまあ、凱旋門賞はかなり先の話なので、とりあえずは宝塚記念の走りを見てから旅程組めば大丈夫でしょ。秋のパリかぁ…パリには「やり残し」が山ほどあるので、また行きたいねえ。とりあえず検討だけはしておこうかなと。
むしろ気になるのでは、ダイワスカーレットの「6月にアスコット」かな。プリンスオブウエールズSを使うつもりがあるらしい。これは…あくまで私のカンによればだけど、多分本気だ。
問題は、私がついて行くべきかどうかである。アスコットだからねえ。あの競馬場には多大な借りがあるので、当然雪辱はしたい。でも、問題は「6月にアスコット行っちゃうと、キングジョージには行けない」ってトコロ。アスコット競馬場自体からしてかなーり特別ではあるけど、それでもやっぱり私が観たいのは「日本馬のキングジョージ制覇」である。「6月に行ったからいいじゃん」で済まされるような問題じゃないのだ。
今年キングジョージに挑戦する日本馬はいるのか?うーん…あえて挙げるならば、リーチザクラウン。橋口調教師の管理する3歳馬だから。弥生賞かなんか使って、勝った後のインタビューで「皐月賞が楽しみですね?」と聞かれ、「いえ、皐月賞は使いません。ダービー直行です!」と力強く宣言し、ダービーの後に何故かキングジョージに行ってしまう…って話もあり得る。あのセンセは「アスコットの魔物」にヤラれているので、そーゆー意味不明なコト言い出しそうなんだよな。
もちろん、ダイワスカーレットも色んな意味で怪しい。プリンスオブウエールズS勝っちゃったら、「次はキングジョージだ!」とヌカしかねないからなあ。かといって、ソレを信じて「ダイワスカーレットはキングジョージに来てくれる!」なんて信じるのは、色んな意味でどうかと。まあ、私はその昔「シーキングザパールはロンシャンに来てくれる!」って希望だけで、パリ行きを決めたコトあるんだけどさあ…
こうやって考えると…案外キングジョージ使いそうな日本馬がいるような気がしてきた(苦笑)。まあ、現時点では勝てる気がしないんだけど。だってそーでしょーが。キングジョージだよ?アスコット2400だよ?日本馬が勝てる条件じゃないでしょ。にもかかわらず、何故か現地に行くと「使っちゃイケナイ金」が日本馬の単勝に突っ込まれちゃうんだけど。アスコットには魔物がいるんだよ。正直、そうとしか思えない。
まあ、実際どーするのかは、現時点では決めてない。おそらくは「キングジョージに行きそうな日本馬がいたら、キングジョージに行く。そうでなければ、凱旋門賞に行く」ってコトになりそうだけど。凱旋門賞には行きたいので。やっぱりパリももう1度行きたい土地だからねえ。
ただ…何度も繰り返すけど、キングジョージだけは話が別なんだよね。冷静に考えればリーチザクラウンもダイワスカーレットもキングジョージなんか使わないと思うけど、それでも「可能性はあるかも」って考えただけで…なお、勝てるかどうかに至っては…だけど、出走してしまえば、一応勝つ権利が与えられるわけだ。それを見逃すなんて、私にはできない。それをやっちゃったら、私は「恨み重なる」モンジュー一族に負けを認めるようなことになる。欧州競馬界に冠たるモンジュー一族に対し、そんな無礼を働くわけにはいかない。
しかしだなあ…ダイワスカーレットが「アスコットを目指す」ってのは、正直意外だった。特別根拠はないけど、あの陣営は「凱旋門賞」派だと思っていたので。ひょっとすると「兄の雪辱だ!」って意気込みをかぎつけて、アスコットの魔物が取り憑いたのか?ありそうな話だなあ。あいつの魔力はキョーレツだからして。
今年キングジョージに参加する日本馬がいるかどうか、現時点ではよくわからない。冷静になれる今の時点では、「いて欲しくない」ってのが私の意見だけど。とはいえ、時が経つにつれ、だんだん冷静さが無くなっていくのは確実。最終的な決断はかなり先の話になるけど、今からある程度覚悟しておきますかね。サイフの中から使っちゃイケナイ金が消え去るコトも含めて(苦笑)。
1月29日 ― 2009/01/30 00:35
Google Chrome(ブラウザ)のバージョンが上がり、Hotmailに対応するようになった(今までしてなかった)ってんで、インストールを試みてみた。結果、今のところ不具合は起こしていない。何だか知らないけど、少しずつ完成度は上がっているようだ。しばらく試験的に使用してみる予定。
現時点で判明している、「試験中のブラウザの不具合情報など」もお届けしようかな。現時点では、Realプレイヤーの挙動がオカシイ。理由は不明。ブラウザの不具合ではなく、Real Playerの不具合かもしれない。なにせIE8・Safari・Opera・Lunascapeでマトモに動かない。FirefoxとGoogle Chromeでは動く。何でだ。
この結果、今現在の私の環境では、「全てをマトモに表示する」ブラウザはゼロってコトになった。少なくともHong Kong Jockey ClubのサイトはIE互換(レンダリングエンジンがTrident)じゃないと駄目ってのは確認済み。そんでもって、Real Playerがマトモに動作するのは、非IE互換ブラウザだけ。Realムービーなんて滅多に観ないから、いいんだけどさあ。
ちなみに、FLASHムービーとQuick Timeムービーは全ブラウザで動作するようだ。最近はFLASHムービーが主流のようなので、フツーは何の問題もないと思われる。Quick Timeムービーは「ココなら確実に使っている」と、Appleのサイトへ行ってデモムービー再生してチェックした。
しかしまあ、ブラウザ動作チェックは結構大変である。なにせ、やっとテストを開始したGoogle Chrome含めて、私が「試験運用中」のブラウザは6つもあるんだから。比較していると面白いんだけど、結構手間がかかるのは間違いない。正直、オススメできるコトじゃありませんね。
ただまあ、不具合っぽいモノを発見したりすると、ムカつく反面ちょっと嬉しかったりもする。単なる横並びだったら、比較している意味がないので。私の環境(ブラウザを大量にインストールしてる時点でマトモじゃねえ)だけに依存する問題かも知れないけど、まあ色々と見つかるんですよ。大半は笑って誤魔化せるレベルだけどね。
ちなみにGoogle Chromeは想像以上の「難物」だ。まず、ブックマークが滅茶苦茶。どうもIE8とFirefoxのブックマークを「同時に」読み込んだらしい。更に一部読み込みに失敗しているらしく、テストしたいサイトを探すにも一苦労。そのうち時間かけて整理してやるつもりではあるけど…
もう1つ発見した「謎の動作」は、一部サイトで何故か英文版に飛ぶこと。具体的には、AdobeのサイトでShockwave Playerインストールしようとすると、何故か英語のページに飛ぶ。理由不明。メニューが全部英語のOpera 10のα版でさえ日本語ページに飛ぶのに。実害ってレベルじゃないのは確かだけど、どーも怪しい。「胡散臭いブラウザ」である。アンインストールしたくなるレベルではあるんだけど、色んな報告を読む限りではブッチギリで速いので、せめてテスト終わらないと…なお、使い勝手は「別段いいとは思わない」ので、メインブラウザに座ることはあり得ない。胡散臭さ漂うので、「大事な」用途に使用するとも思えない。表示が綺麗ってワケでもないので、「じっくり読む」ためにも使わない。純粋に実験用のブラウザだ。
ブラウザ実験して何が楽しいのか、自分でもよくわからん。ただまあ、「色々選択肢があるんだから、色々試してみるか」ってだけの話である。単あるベンチマーク比較だけで語りきれるモノでもないので、やはり自分で試すのが一番だからねえ。まあ致命的な損害喰らわない程度に、今後も色々試してみようかと。
なお、IE8なんぞ導入してしまった関係上、Firefoxに関してはちょっと冒険しにくくなってます。そのため、「Firefox 3.2 alpha Pre」なる、怖ろしく完成度の低そうなバージョンは試してません。現時点でFirefox運用してないどなたか、テストしてくれませんかねえ。気にはなっているんだけど…
1月30日 ― 2009/01/31 02:10
諸般の事情により、昨日の続き。ブラウザのテストって、一体何をやっているのか書こうと思いまして。ま、あくまで「私がやっていること」なんだけど。
私は現在別に「業務として」ブラウザをテストする必要はない。でもまあ、やっていることは似たり寄ったりとなるんじゃないかなあ。主なテストは、「自分が利用しているサイト」の表示が正しいかどうかなので。これは、対象のブラウザ使ってそのサイトに行ってみるしかない。
他のテスト項目として、一応、「表示テストサイト」と「ベンチマークサイト」に行って、どんな数字が表示されるか試している。表示テストは「Acid3 Test」ってサイトで試している。このテストは「将来のWeb標準はこうなる予定です」って約束にのっとったテストであり、100点取れれば「合格」なんだそうな。ただし、今現在「正式版」で100点取れるブラウザは存在しない。
このテストで高得点叩き出すのは、Opera 10.00(α版)とLunascape(RC版)のWebkitエンジン使用時。両方とも100点満点を取れる。もっとも、だからといって両ブラウザが「正しい表示」するというワケでもない。Operaに至ってはYahoo! Japanのサイトからしてオカシー表示になる(IEかFirefox使ってくれってメッセージが出る)わけで。
なお、このテスト、IEは滅茶苦茶点が低い。IE7も8も「見るに堪えない」表示になり、得点は「多分」ヒトケタ。「多分」とつけたのは、表示が崩れまくるので「おそらくコレが最終評価なんだと思われる」ってな推測が必要になるから。LunascapeもレンダリングエンジンをTrident(IE互換)にすると、似たような点数になる。
ベンチマークによるスピードテストサイトはいくつかあるけど、「SunSpider JavaScript Banchmark」ってサイトのテストを愛用している。雑誌記事などでもよく見かけるし、テスト時間もそうかからないので。このテストはあくまで「JavaScript」が速いかどうかのテストに過ぎないので、必ずしも体感速度と一致はしないはずだけど、まあおおむね「このテストで速いブラウザは、体感速度でも速い」ようだ。
このテストの数値は、基本的にGoogle ChromeとLunascapeが速い。LunascapeはGeckoエンジン使用時が最速で、Webkitエンジン使ってもかなり速い。Trident使用時は遅いけど。Google Chromeはこの手のベンチマークは確かに速い。
ただまあ、大事なのはベンチマークの結果ではなく、「体感速度」と「使い勝手」でしょ。コレに関する限り、私の中で答えは出ている。Firefoxがイイ。でも、このブラウザには弱点もあるので、IEとSafariで補うのが良い。Lunascapeは実用品としては「イマイチ」だけど、レンダリングエンジン切り替えてサイトの表示テストを行うのに最適なので、これもあると便利だ。Operaは使い勝手も悪いしベンチマーク数値もふるわないけど、「対応してるかどうかのテスト」を行って遊ぶ分には悪くない。問題はGoogle Chrome。コレは表示速度はいいけど使い勝手がイマイチで、何より「怪しげな挙動」が多い。
各ブラウザについて、個別の評価をしてみよう。あくまで「私の評価」だけど。まず最初はIEの8(RC版)。β版含め、今のところ「コレは問題だ!」ってふるまいは見せてない。Real Playerの挙動が一部オカシイけど、目くじらたてるレベルじゃない。まだ山ほどある「IE6.5を使え」と指定しているサイトの大半(当然、全てではない)がキチンと動作するので、「1つしかブラウザ入れない」のであれば、結局コレを選ぶのが無難なのでは。
私が愛用している、Firefox。使用しているのは3.1のβ2版。使い勝手が良く、速さもそこそこ。IE系列とは体感で大きく違うし、より数値の速いGoogle Chromeとは「言われれば遅いかな?」程度。ただ、「まだβ判」って点はさておき、一部サイトの表示が崩れるのはマイナス。それと、面白みも薄い。ブラウザの面白みを求めるべきかどうかはさておき。
表示の美しさで他の追随を許さないのが、Safari。フォントの問題に過ぎないと言えばその通りなんだけど、「文字ばっかりのサイト」では読みやすい。好き嫌いは分かれそうなブラウザだけど、私は長文を覚悟するサイトで愛用してます。ちなみに、「表示の美しさ」以外は強調材料に欠ける。
Lunascape 5.0はRC版になって安定度が増したような。「頻繁にレンダリングエンジン切り替える」という、ある意味酷な使い方してたからなあ。安定度が高くなったのは好感を受けましたね。ただ…デフォルトの設定が「五月蠅い」のはいただけない。「最新のニュースをポップアップで受け取る」なんてのは、私の趣味じゃないのだ。私は「集中を妨げる要素」は大嫌いだからね。下手すると自分の携帯電話まで無視するくらいだ。
なんか好きになれない、Opera。スクロールの動作がヘンだったり、ヘンな「動作の溜め」があったり…と、どうも慣れない。あと、Yahoo! Japanのサイトに対応してないってヘンな欠陥もある。これはα版だからか?いずれにせよ、私としては推奨はしない。
Google Chromeは一言「胡散臭い」ブラウザ。ひょっとすると、完成度が低いんじゃね?確かに速い。圧倒的に速い。体感速度でも「速いな」と感じる。でも、使い勝手はイマイチだし、表示の正確さにはやや不安を覚える。つーか、「何故か英語のページに飛ぶ」という意味不明なコトやらかしたので、信用できない。「おお、速い速い」って感じで遊んでいる間はともかく、マトモに使えるシロモノなのかは疑問に感じたなあ。少なくとも、他のブラウザはまだ「ブラウザはコレ1つしかインストールしてない」と言われてもまだ納得できるけど、このブラウザだけは引いちゃうね。露骨なまでに「他のブラウザが補助してくれることを当て込んだ」製品じゃないかと。
こういうブラウザの比較記事って、どーも宣伝色が濃いというか何というか…ってものか、単純にベンチマーク結果比べただけってモノが多い。それらが悪いってワケじゃないけれど、もうちょっと別の切り口から紹介したモノが欲しくなるのも事実。参考になるかどうかはともかく、テストだけは色々とやっているので、たまには紹介しておこうかなと。昨日はまとめすぎて、面白みを欠いたからなあ…ブツブツ…
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