2月14日2008/02/15 00:59

 バレンタインデー。実は色々チョコレート買ったり試食してみたりしたんだけど、やはり「おチョコ様」を越える品はなかった。さすがにそろそろまた食いたくなったので、今年は凱旋門賞に出かけるついでに買ってこようと思っているんだけど。なお、「パリに予定があるからチューリッヒにも足を延ばす」ことのドコが「ついで」なのかについては、ノーコメント。少なくとも近くまでTGV(高速鉄道)通ってるはずなので、1日で往復できるはずなんだけど…
 
 本日の話題は、満を持して…ってワケでもないけど、先週土曜に見学した「East Front」を語ろう。なお、マトモなプレイ報告は当事者から聞いてください。ここでは、あえて「実験的手法」で語ることにするので。
 
 何で実験的手法?いやね、某さんが「『勉強になった』じゃあ面白くない」と主張しておられるそうなので。さすがは斬新なゲーム批評ブログを運営しておられる方、含蓄ある意見だ。とはいえ、他人の対戦観てただけじゃ、他に語りようがないでしょ。普通の手法なら。よって実験してみる。とりあえず、「勉強になった」ってニュアンスの発言は控えてみることにしよう。
 
 なんでいちいち他人同士のプレイを見学しにいったのかと言えば、一応近所のよしみだからである。大宮からニューシャトルでちょっと行ったところが会場なので。なお、「あれのドコがちょっとなのか」についてはノーコメント。羽貫だからなあ(苦笑)。
 
 対戦カードは確かに面白い。鹿内氏VS有楽斎殿だもの。しかも、「完全決着付くまでデスマッチ」ときたもんだ。だからって単なる見学のためノコノコ出かけるのか?って意見に対しては、「それがF男である」としか言いようがない。そもそもだ。私がMiddle-Earth東京支部に出入りするようになったきっかけは、「サンセット版戦国大名のマップが見られる『かも』(実際はまだ完成してなかった)」だけで関西遠征なんぞやらかしたからだ。
 
 それに、「East Front」は見学して楽しいゲームである。そりゃあ対戦する方がより楽しいのは間違いないけど、なにせ見学者には素晴らしい特典がある。このゲーム、自軍の戦力はわかっても相手の戦力はよくわからない。「積み木システム」ってのはそーゆーゲームだからね。よって、見学者だけが「全てを見渡す」権利を与えられている。まさしく神の視点。うーん、素晴らしい。
 
 ついでに言えば、対戦するのが軍神鹿内氏と有楽斎殿。この2人が黙々とプレイしてるとでも?私を含めた3人で好き勝手なことしゃべくりまくり。世の中にこの2人ほど「対戦を見学するのに向いてる」プレイヤーはいないと思うね。技量はカネ取れるレベルで、ファンサービスのおしゃべりバッチリなんだから。競馬界で言えば、天才デットーリに匹敵する。惜しむらくは天才ほどマスクが甘くないんだけど(笑)。まあ、これは比較対象が悪い。天才は「世界一のハンサム」(F男認定)だからして。
 
 いくら何でも少しは盤上を語れって?それじゃあ、私が「シビれた」ところでも語ろうかね。独軍有楽斎殿は、以前私が痛い目に遭わされたのと似たような手を使っていたようだ。7月後半にあえてブリッツして、南方を狙うものだ。軍神鹿内氏はこれにどう対応するのか…と盤上を見てみると、案外南方に部隊がいない。これは…ひょっとしてひょっとするか?
 
 一体どうやって抵抗するんだ…と思ってドキドキしてたけど、鹿内氏は慌てず騒がず一部の都市に捨て駒残しただけで南方を大胆に見捨て、ロストフだけを頑強に固めた。なるほどねー。私は独軍の突破能力を甘く見積もり、全てを守ろうとして全部失った。この辺の見切りはさすが。これこそが「軍神」と呼ばれる所以だね。いやはや、シビれました。
 
 独軍の冬季反攻防衛もなかなか。最後の最後にささやかな突破口が生じたんだけど、「ここで無理すると後が大変だから」と赤軍は退いていった。それはいい。ただ、赤軍鹿内氏が「ここで行くとなあ…後が大変なんだよ!」などとブツクサ言いながら突っ込むか退くか考えてる間、有楽斎殿が一言も発さず盤上を見てる。後で告白したところによると、その突破口の近くには「司令部だけ」のスタックしかなく、突っ込まれたらヤバいどころの話ではなかったとか。「何かありそうだな…」って思っていたけど、そこまでとは。
 
 ちなみに、最初の半年は「赤軍辛勝」、41年冬も「赤軍辛勝」。このゲームでこの結果は「独軍が頑張っている」内容ではないかな。そーゆーバランスのゲームなので。白熱したいい試合だった。その後苦労してユニットの位置を記録して、翌日の対戦に備えてお開き。ま、私は翌日同人誌即売会に行っちゃったんだけど(笑)。
 
 これ以降の展開だけど…確かに最初の半年は独軍が相当頑張った。冬季反攻にも良く耐えた。でも、赤軍は史実ほど手ひどく侵攻されたワケじゃないし、冬季反攻で無理しなかったのでカウンターを喰らいそうもない。おかげでモスクワ周辺に不気味な赤いカタマリが…あれではモスクワに突っ込むなんて夢物語。それでも独軍は42年夏の攻勢を行い、それなりに前進できそうだけど、あの赤いカタマリが反撃のため動き出してきたら…なーんて考えていたら、どうも「そーゆー目に遭った」らしい。10日夕方に電話で戦況聞いたら、「伏見前面で粘ってるところ」って返事がきたからなあ。それは「天下強奪」の話でしょ!
 
 他人の対戦をただ見学するだけ…これは一般に「勉強のため」に行われる。そりゃそーだ。自分でプレイするのは楽しいからね。けど、そーゆーのを離れて、ただ単に「見せ物として楽しむ」のもアリでないかい?将棋とか囲碁の場合、プロの対局はカネ取れる見せ物なんだし。私のようなヘッポコプレイヤーの場合、なまじ自分で軍を動かしてダメダメプレイをするより、かえって楽しめるんじゃないかと。
 
 ましてや今回は技量が上で、しかも「眺めているだけで楽しい」プレイヤー同士の対決。これこそナマ見学しかないでしょ!「リプレイ記事でいいじゃん」って意見は、大切な部分がわかってない。リプレイ記事が悪いとは言わないけど、それだとどうしても落とされちゃう部分があるんだよ。TV中継にさえ「伝わらないモノがある」と文句を付けてナマ観戦に出かける私が、そーゆー部分を重視するのはむしろ当然でないかい?
 
 この業界はどうしたって層が薄いので、「ゼニ払ってまでプレイを見たい」プレイヤーなんて滅多にいない。それは仕方ないことだ。でも、これは1つの目標として意識してもいいのでは?ってことを提唱したいね。「プレイしました・楽しかった」だけじゃなく、見学してる奴を唸らせ、カネ取られても満足してもらえるようなプレイをしよう…って意識を持つことは、色んな意味でゲーム界のためになるのでは。「いいプレイを見学するためなら、ゼニ払いますよ」って馬鹿がほとんどいない(約1名ココにいるけど)以上、実際そうなるのは不可能だろうけど。
 
 つーわけで、今回はあえて「普通のリプレイ記事では伝わりにくい、プレイ見学の魅力」を前面に出してみたんですが、いかかでしょ。私ごときの筆ではまるで伝わらなかっただけではないかと思うけど、何事もやってみなければ始まらない。今までこの分野ではあまり語られてこなかった部分だけに、とりあえず新鮮味だけはあったんでないかな。これからも折に触れて語っていきたい話なので、皆さんには「観て楽しめる」プレイを目指して欲しいな。私?私は単に観る人ってコトで(笑)。