3月1日2012/03/02 01:44

 奇数月の破壊力はすさまじいです。ものすごい満足感が。いやあ、やっぱりカレンダーはいい…中毒性がありますな(笑)。
 
 明日以降は忙しくなりそうなので、本日更新しておきます。ネタは多少重いけど、内容は軽めで。題して「今現在、ウォーゲーマーってどれぐらいいるのか」。
 
 このネタについては、基本的には伝聞と推測しか書くことがない。つまり、ほとんど役に立たない話ということだ。その上、一部の人間にとっては新鮮味がない。「いちいちそんな話をするな」ってレベルである。でも、書いちゃう。書きたいから。覚え書きみたいなモノだな。
 
 今現在ウォーゲーマーは何人ぐらいいるのか?この質問の答えは、「まずウォーゲーマーの定義を明らかにしろ」である。実のところ、ココを放置して色々語ると、トンチンカンな問答になりかねない。すごく大事なことなんだけど、案外無視されがちではないかと。そこでまあ、その点に注意を払いつつ、私が人様から聞いて「なるほど」と思った話などを書き連ねてゆこうと思う。刺身の上にたんぽぽを乗せるだけの仕事並みに簡単だな。
 
・500人程度…軍神鹿内殿の推測。全国にあるゲームサークルの数の推定に、平均人数っぽい数字を掛けて出したもの。
 
・1,000人程度(1)…同じく軍神の推測。上記数字に仲間内のプレイやソロ専門の人間を加えたら…という数字。
 
・1,000人程度(2)…ウォーゲーマー専門SNS「Mustattack」の登録人数。全員参加のコミュニティの参加者数で勘定。
 
・1,000人程度(3)…同人誌「The Last Stand」Issue3に掲載された、コマンド誌の中黒殿が出した推測。アクティブなゲーマー限定の数字。
 
・3,000人ぐらい(1)…上記と同じく中黒殿が出した推測。全体の総数についての数字。
 
・5,000人ぐらい…同人誌「The Last Stand」Issue3に掲載された、「シックス・アングルズ」の山崎殿の出した推測。「ちょっと興味がある」という層も含めた数字。
 
・1,000人程度(4)…参考値その1。上記同様山崎殿が挙げた、「シックス・アングルズ」の売れ行きの限界に対する意見というか感触。
 
・3,000人ぐらい(2)…参考値その2。風の噂で聞いた、再版された「ジャブロー」の売れ行き。我々の感触としては「それなりに売れた」だけど、刷った数(噂によると1万)からすると…って話だった。
 
 各数字の根拠について、一応の捕捉。これらの中で「しっかりした数字」はMustattackの登録人数だけで、後は推測もしくは参考値だ。ただし、コレは「ゲーマーの総数総数」と直接は関係ない数字であることに注意。この数字から総数を導き出そうと思ったら、「ゲーマーのMustattack登録率」だの、「Mustattack内の有効ユーザー率」だのといった数字を意識しないとイケナイ。私は運営サイドの人間じゃないので、当然これらは推測しかできない。多分ほとんどの方が同様だと思う。運営サイドの方でも推測は混じるんじゃないかな。
 
 他に、具体的数字は出ていないけれど参考になりそうな情報として、「コマンド誌102号完売」がある。103号掲載の在庫リストに早くもそう書いてあるので、マジ「瞬殺」レベルだな。何故そうなったのかはいくつか推測が出ているけれど、あえてココでは語らない。今の話題で重要なのは「それだけ売れた=それだけゲーマーがいるらしい」って部分だけだからだ。
 
 これらの数字を見ると、特に前提条件抜きで「ウォーゲーマーはどれぐらいいるのか」と聞かれた場合、「どうも1,000人程度なのではないか」って答えるのが適切って気がしてくる。単純にそんな感じの数字が多いから。私もこの話を書き始めた段階ではそう思っていた。しかしだねえ。色々並べているうちに、「実はもう少し多いんじゃね?」って気がしてきた。
 
 その最大の根拠は、Mustattackの登録人数だ。もし本当にアクティブなゲーマーの総数が1,000人前後だったとしたら、そのほとんど全てがMustattackに登録していることになりそうなものだ。けれど、私の感触としてはソコまではいってない。デジタルを頑なに拒んでいる方はそれなりの割合になりそうだし、仲間内でのプレイ専門って場合はそもそも存在を知らなくてもおかしくない。加入率は相当なモノだと推測されるけれど、それでも「9割超えているのか」と聞かれたら、流石に疑問かも。
 
 ここで私の推測を書こう。半分タワ言だと思って読んで欲しい。まず、「ゲームサークルの例会等に参加し、平均月1回程度ウォーゲームを楽しむ層」、いわゆるコアユーザーが500人程度いる。次に、「ソコまでアクティブではないけれど、現役ゲーマーだと考えて問題の無さそうな層」、仕事などの関係でごく希に例会に来るだけとか、仲間内でのプレイもしくはソロ専門だとか…って層(ライトユーザー?)が1,000人程度、つまりコアユーザーの倍存在する。ここまでを「現役ウォーゲーマー」だと考えると、合計1,500人。コアユーザーの大半とライトユーザーの半数程度がMustattackに登録しているとすれば、だいたい1,000人って数字が出る。
 
 この他に、「昔やっていたし今も多少意欲はあるけれど、ここ数年ソロプレイすらしてない」「存在は知っていて、プレイしてみても良いかなと考えている」ってな層、現役ウォーゲーマーとは呼べないけれど、その予備軍みたいな存在が現役ウォーゲーマーと同じだけ存在する。この辺を含めるならば、3,000人って数字になる。更に、それより希薄な層、たとえば「ウォーゲームってジャンルに思い入れはないけれど、面白そうなボードゲームとしてならプレイする」とか、「メカ・ミリタリー・歴史関連のアイテムとして、ちょっと触っても良いかな」とか、「その昔付き合いでちょっとプレイしてみた」ってな感じの、「全く興味がない。いじる気もない」って人間(一般人)と一緒にするのは可哀想かな…程度の人間がもう3,000人、つまり総合計6,000人ぐらいが「場合によってはこの業界のターゲットとして考えて良さそうな人間」として存在するのでは?これが私の推測だ。他の数字と差を付けたくて、あえて意識的に多めに見積もってあるけれどね。
 
 ちなみにこの考え、「実はこの業界は綺麗なピラミッド型を形成しているのでは」って仮定に基づいて展開したモノである。単に「ありがちなモデル」に当てはめてみて、各種推測の数字と似たような数字が出たから採用してみただけなので、この仮定が正しいって保証はない。ただ、そうじゃない根拠を見いだすことも難しそうな気はするな。
 
 ちなみにだ。あえて「ウォーゲーマーの総数は1,000人前後」だと仮定しよう。この数字って、どれぐらい「希少」なのか?えーとね。プロ野球の支配下登録選手数の制限は70人。球団によって差はあるけれど、おおむねコレに近い数の選手と契約している。それに監督・コーチ(2軍含む)を加え、球団数である12を掛けると…つまりだ。毎年目にする「プロ野球選手名鑑」にプロフィール&顔写真が載ってる人間の数って、1,000人ぐらいってコトになる。ずいぶん狭い世界だなおい。しかも、「月1度ぐらいはサークルの例会などに参加している」って奴(私が含まれてしまう)って、監督・コーチか1軍選手クラスだってコトに…他を度外視して「希少度」だけ考えると、そうなるのかぁ…マジですか。
 
 最後はなんかアホな発見をしてしまったけれど、とにかく「ゲーマーの総数」ってのは、現状こんな感じになるらしい。もっとキチンとした数値が欲しい気もするけれど、とりあえずはこんなモノで我慢するしかないのかな。もっとも、どーせ酒の席で話題にするための参考資料(覚え書き)程度ってつもりで書いたネタに過ぎないので、この程度で充分でしょ!(苦笑)

2月23日2012/02/24 00:42

 先週末はコマンド誌入手して、Middle-Earth東京支部に顔を出し、「第三帝国の興亡」選択ルール(実質ルール改定。私はこの手の「飾った言葉」は嫌い)を試してみた。ま、この改定についてはまた後日。まだ色々まとまっていないので。
 
 その代わりにお送りするのは、コマンド誌にもちらっと掲載されていた、「ヒトラー電撃戦における1940年バルバロッサ」について。付録ゲームがそーゆーテーマなので、色々語っているからなあ。
 
 「ヒト電」における40年バルバロッサについては、ひととおり研究してみたことがある。私は一時期「独軍の必勝法ではないか」と本気で疑っていた時期があるのだ。その対策について色々考えていった結論が、「史実をベースとした戦略の方が勝る」だったりする。この時の研究があるからこそ、コマンド誌に短期連載を掲載することが出来たのだ。その意味では、懐かしい話題である。
 
 ヒト電では、40年バルバロッサを禁じるルールは何もない。「やれるもんならやってみろ」状態だ。確かに西部戦線に守備隊を残す必要はあるけれど、仏占領後でも海岸守備隊を残す必要があるんだから、気になるほどではない。独軍はまだ弱体ではあるけれど、赤軍は輪をかけて弱体だ。それを一気に蹴散らし、増援(生産された部隊など)を出てくるそばから各個撃破してやれば、赤軍を降伏に追い込めるのでは?そう考えていた時期が私にもあったんですよ。実際、ゲームの仕組みをあまり理解せず、単に「史実通りにやればいいんでしょ」などと考えてプレイしている連合軍が相手なら、この手が華麗に決まっても何の不思議もない。
 
 連合軍はどう対処すれば良いのか?まずは西側の対策から紹介しよう。軸となるのは、やはり「英仏軍を用いた独侵攻」だろう。このゲームでは、ベルギー軍のセットアップには大きな穴がある。アルデンヌが空っぽなのだ。普通は独軍がこの穴を用いて仏に突進してくるわけだけど、この穴は英仏が利用することもできる。その隣にはルールという「独軍の重要拠点」が存在するので、1つ間違うとシャレにならないコトになる。
 
 余談だけど、この「アルデンヌの穴をどうするのか」は、両軍にとってかなりアタマの痛い問題である。ベルギーに宣戦布告すれば部隊を送り込んで守ることが出来るけれど、その場合ブリュッセルを相手にタダで渡すことになりかねない。私は最終的に「史実通りで問題ない」という結論を下したけれど、色々と悩ましかったのは事実。
 
 確かにルールは危ないけれど、だったらガッチリ守ってしまえばいいだけでは?確かにそうだ。しかし、「ヤバい隙」はココだけじゃない。スカンジナビア半島とバルカン半島も危ない。まずスカンジナビア。ヴェーゼル演習抜きで独ソ戦を開始すれば、英軍がノルウェー侵攻をしてくる可能性が高い。トロンハイムの国家戦略ポイントは独軍のモノなので、独軍が算出する燃料が毎ターン1減らされる。これだけでも痛いが、真の問題はその後の展開にある。英軍が調子に乗ってストックホルムを占領し、さらにコペンハーゲンになだれ込んでくれば、バルト海沿岸の海岸全てが強襲上陸の危険に晒される。コレは痛いどころの話じゃないので、コペンハーゲンもガッチリ守ってやる必要がある。
 
 バルカン半島も危険な土地である。独がソ連に宣戦布告すると、自動的にユーゴスラビアが連合国に味方する。ユーゴ軍自体は(中小国なので)国外に出ることが出来ず、脅威でも何でもない。しかし、モンテネグロの港に英軍が海輸されてきたら…独がモンテネグロを占領しない限り、コレを阻む手はない。伊海軍がいれば補給線は切断できるかも知れないけれど、燃料ユニットごと海輸されてきたらお手上げだ。ついでに言えば、仏降伏前だと伊は中立。ご丁寧なことにハンガリーまでもが中立だ。この状態でルーマニア(独の資源がある)を守る必要があるのだ。ね?アタマ痛いでしょ?ついでに言うと、ルーマニアに行くと見せかけて北上され、「東部戦線丸ごと補給切れ」にされないよう、注意してね。
 
 更に問題なのは、伊である。東部戦線で独が拠点を占領すると、「バスに乗り遅れるな」とばかりに伊とハンガリーが参戦してくれる。ハンガリーはともかく、仏が健在な時点で伊が参戦するってのは…そりゃまあ、伊が提供してくれる戦争資源はオイシイ。けれど、下手するとそれでも「赤字」になるほど、伊に守備隊を送ってやる必要が…マカロニは英軍に攻撃されると「コンパス作戦効果」(1シフト不利)を喰らうからなあ。
 
 40年からバルバロッサ作戦を開始するというのは、要は「西側に多大な隙を残しておきながら、東部戦線という泥沼に足を突っ込む」ってコトなのだ。対応を間違えれば、致命的な結果になりかねない。キチンと対応すれば何とかしのげるとは思うけれど、そのために燃料や部隊を捻出することにより、東部戦線での攻勢は確実に鈍る。いちいちそんなコトで悩むくらいなら、最初から隙を潰しておき、東部戦線に集中できる環境を整えてからバルバロッサを開始した方が…ってのが、私の意見だ。
 
 なお、西側連合国も注意が必要だ。これらの作戦は確かに「うまくいけば独を破滅に陥れる」ことが可能だ。ただ、米参戦前の西側はロクに資源がない。部隊は仏が補ってくれるとしても、燃料はかなり厳しい。あまり無駄遣いできるような状況とは言えない。基本は「独軍を揺さぶって対応を引き出し、東部戦線に送り込まれる戦争資源を削る」ための作戦だと割り切った方が良さそうだ。独軍の守りが堅くあまり効果が無さそうだと感じたら、その方面はスッパリ諦めた方が良いだろう。ただ、米国参戦後に改めて猛攻をかけるための足がかりって考えもあるので、ドコにどれくらいの戦争資源を突っ込むのかは大いに悩みどころではないかと。
 
 西側がいかに揺さぶろうとも、ソ連を屈服させてしまえばいくらでも取り返しが付くのでは?その通り。私も当初は「色々揺さぶりは出来ても、ソ連崩壊を防ぐための決定打とは…」と思っていた。ソ連の「引き籠もり防衛策」に気がつくまでは。そう、このゲームには40年バルバロッサを禁じるルールがないだけではなく、ソ連が最前線で守る義務もないのだ。
 
 ソ連が引き籠もって守ったらどうなるのか?私は研究の末、「ソ・フィン戦争にそれなりの資源を投入しても、40年春の時点で4戦力平均の防御線を構築可能だ」という結論を出した。そこまで深く研究しなくても、ソ・フィン戦争を省略すれば似たような防衛線が築けるはず。こうすると「電撃戦だけでの一発死」が100%あり得ないので、「装甲部隊だけの攻撃で戦線が丸ごと吹っ飛ぶ」なんてコトはまずなくなる。
 
 しかもだ。引き籠もり防衛線を攻撃するため部隊を近寄らせるだけで、アホみたいな量の燃料が消え去る。特に深刻なのは歩兵だ。装甲は機動力があるので、さほど苦労せずに攻撃位置に付くことが出来る。しかし歩兵は…コレに比べれば、対仏戦に必要な燃料でさえ「はした金」と思えるくらいだ。40年の時点でこの出費に耐えられるだけの燃料が蓄積できるか?かといって、ある程度歩兵を前進させないと、装甲部隊の側面が狙われる。派手に突破したはいいけれど、側面を攻撃されて孤立させられました…じゃあ、お話にならない。
 
 これはつまり、「赤軍が引き籠もり防衛策を採用すれば、独軍の攻撃で戦線が丸ごと吹っ飛ぶことはない」ということだ。独軍は優秀だから、赤軍戦線に穴を開けることはできるだろう。ある程度突破し、モスクワだのレニングラードだのを占領することも出来るかもしれない。しかし、流石に「戦線消滅→増援各個撃破」って流れに持ち込むのは無理がある。キチンと計算したワケじゃないけれど、多分燃料が足らない。そして、この流れに持ち込めない以上、西側にある隙を「勝手にしろ」の一言で片付けるのは無茶としか言いようがない。
 
 それでも、モスクワが占領できれば…どうなるって?このゲームでは、その程度では赤軍は絶対降伏しない。せめてゴーリキーまで前進できなければ、あまり意味がないのだ。赤軍にしてみれば、モスクワは即時反撃に絶好の土地である。即座に叩き出されるくらいならまだいい。側面を大胆に刈り取られ、モスクワ突入部隊が全部補給切れにされたら…まあ、投了を認めてくれることを祈るしかないと思うな。認めてくれなかったら?知るか。
 
 このゲームは原題が「BlitzWAR」となっているにもかかわらず、実のところ戦争経済が重要である。安易に史実と異なる戦略を検討して、何度アタマの中のヒトラー閣下に「お前は戦争経済がわかってない」と怒られたことか。それどころか…突破を焦ってマーケットガーデン作戦モドキを実行したら見事に対応され、地道に独軍を削らなかった自らの不明を恥じつつ、「橋は遠すぎた…」と呻いたこともあったなあ。アイク、君があんな作戦やらせてみたくなった気持ちは良くわかる。わかるけれど、許可した君は私と同程度に無能だ(笑)。戦争経済の裏付けのない作戦は、大抵対応されてオシマイである。コマンド誌掲載の「付録ゲームカバーストーリー」(著者は付録ゲームデザイナーのボンバ)に、40年バルバロッサは「最初の一撃で勝利できなければ、何も得ることができないだろう」とあるけれど、ヒト電のデザイン哲学は「そーゆームシの良い考えで戦争するな」となっているのだから仕方ない。
 
 私は何も40年バルバロッサが「箸にも棒にもかからない作戦」だと言っているワケではない。興味深いオプションだし、色々試してみる価値はあると思う。ただ、ドコをどう考えても必勝法ではないし、それどころか「史実通りの作戦の方がマシなのでは」って気がするのは事実。「何でもアリ」と見せかけておいて、その実はキチンと史実通りの作戦に誘導されているのだ。その意味では、改めてこのゲームは良くできていると思う。
 
 ただ…最後にこれだけは書いておこう。40年バルバロッサ最大の利点は、「史実というテキストが存在しない作戦である」って部分にある。史実はああだった、少しひねればこうなったと思う…ってな知識が通用しない局面に誘導された瞬間、対応できずに崩れて負けた奴なんて腐るほどいる。軍神鹿内殿でさえ、「史実ってテキストが存在しないと、厳しいんだよ!」と力説しておられた。対戦相手が重大な見落としをしてくれる可能性は高い。ただ、コレは自分にも言えるコトなので注意が必要だけど。
 
 ヒト電は1日で終わるようなゲームじゃないので、そうそう気軽にプレイできるシロモノじゃない。とはいえ、ある程度慣れてくると2日あれば決着は付くと思われる。こーゆーテーマのゲームをガッツリ楽しみたいと思ったら、むしろこれぐらいが適切じゃないかって気もするな。機会があったら是非プレイして欲しい。私は喜んで対戦受けますよ!ご希望とあれば、私が独軍受け持って40年バルバロッサやってもいいな。もっとも、私の研究が正しいって保証はドコにもなかったりするんだけど。本当にこうなるのかぁ?確かに各種検証作業じゃこういう結論が出たんだけどさあ…なにせ私は「アイクと同程度に無能」だからして(笑)。

2月18日2012/02/19 02:20

 体調不良のおかげもあって、更新が滞りまくった。いけませんねえ。体調不良と言っても、大したモノじゃねえってのに。
 
 本日の話題は、ゲームマーケット大阪(以下GM大阪)について。カタログのPDFをネットにアップするという、親切なコトしてくれたので。どーせ入場券としてカタログは買うわけだけど、当日その場で買えばOKなのは嬉しい。こーゆーモノのカタログって、「事前に入手して、ひたすらニラメッコして予定を立てるんだけど、当日色々発見して全部台無しになる」ってシロモノだからなあ(苦笑)。なお、この手の話題のお約束として、原則として敬称は略させていただきます。
 
 まずはスペースの広さ。推定では、コチラで行われているゲームマーケットの1フロア分(去年までは2フロア体勢)程度だと思われる。会場に行ったこと無いので良くわからん。
 
 ブースの大きさは2段階。主に企業向けの大型ブースと、一般ブース。流石に机の広さまではよくわからん。あまり広くは無さそうだけど、普通そんなモノだ。机の飾り付けがどうなるのかは色々興味深い。ま、コレは私が一応は「売り子」もやっているからであって、フツーは気にするレベルの話じゃない。出展者でなければ。
 
 大型ブースの数は20。うち2つがイベントスペースのみ。大半が秋のゲームマーケットでも見かけた面々で、その大半は5月のゲームマーケット2012春にも出展すると思われる。本来ならば「どーせ両方参加する」私にとっては重要度が低いんだけど、「研究家」としては結構気になる。各出展者がGM大阪にどれだけどんな具合に力を入れているのかがわかるからね。
 
 もっとも、私の予想としてはどこも「春のゲームマーケットに力を注ぐ」のではないかと。少なくとも「アナログゲームショップ」(ブースD)、いわゆるコマンド誌編集部はそうするようだ。一昨年・去年と好評だったらしい「ウォーゲームハンドブック201X」の予定がないからね。あればとっくの昔に告知されているはず。「今年は出さない」って可能性もあるけれど、おそらく5月に投入されるはずだ。投入しなかったら、「戦略眼はムッソリーニ以下」ってレッテル貼ってやる。
 
 一般ブースの数は64。なんか「無理矢理詰め込んだ」っぽい話があるけれど、落選を出すよりは悪くないのでは。個人的意見としては、この規模の出展者こそが「会場を盛り上げて」いかなくちゃイケナイと思うので。大型ブースの出展者が扱っているモノって、その気になればフツーの店かネットで購入できるけれど、ここで扱っているモノはかなりの割合が「ココでしか入手できない」からね。そーゆーモノがあるからこそ、みんないちいち出掛けるんじゃないのか。
 
 その意味では…正直言おう。一般ブース出展者リストを見て、私は絶句した。「知っているトコロ」率が高すぎだ!「関東のゲームマーケットで見た」くらいならまだいい。コミケで見たとかこみトレで見たとか、そんなのがわんさかと…「同人でゲーム作っている奴」がそう多くないのはわかっていたけれど、関西まで含めて「知ってるトコロだらけ」ってのはどうなのよ。「目新しいサークルと出会えるかも」って期待はドコへやら…もっとも、コレは「関西在住の方が頑張って関東まで来ている」とか「私が何故か関西遠征をしている」とかいった事情が絡むので、誰が悪いワケでもない。強いて言うなら私が悪い。なんだかなあ。
 
 気を取り直して、「気になるトコロ」を紹介しよう。私の専門であるウォーゲーム系を自称していると思われるトコロは、「SOLGER」(ブース62)、「さいたまオフライン」(ブース63)、「千葉クラブ」(ブース64)の3つ。…あのさあ。会場は大阪だよ?関西だよ?京都の老舗サークル「SOLGER」はともかく、埼玉と千葉ってどーゆーコトよ。みんな元気だね…って、オレが言う台詞じゃないな(苦笑)。
 
 関東勢については後で触れるとして、まずはキチンと関西勢(SOLGER)がいたことは評価したい。やはり地元のゲーマーが「盛り上げよう」って気概を示してくれないと、色々苦しいと思うので。サイト情報によると新作も予定されているようなので、大いに楽しみだ。
 
 関東勢では、さいたまオフラインの気合いがスゴい。ゲーム付き同人雑誌「SLGamer」の新刊を投入するってだけでもスゴいのに、今回から表紙フルカラーですって!そのくせお値段据え置き。経営的に大丈夫なのか、印刷所ドコだよ(笑)。しかも、5月のゲームマーケットではさらに新刊投入予定だとか…
 
 千葉クラブは、既に冬のコミケで発表済みのモノだけで臨むらしい。とはいえ、「club千葉」#13に加えて委託の「The Last Stand」3号(オマケゲーム付き)も持ち込むはずなので、コミケに突撃するような奴以外には「腹いっぱい」な品揃えじゃないかと。
 
 他に行く前に、「参加しなかった」トコロについて触れておこうかな。関西勢にもっと頑張ってもらいたかった…ってのはこの際さておき、東海勢がいなかったのはちょっと寂しいかな。関東でもよく見かける存在だけに、より近いはずのコチラに出てきても不思議じゃなかったのに。その意味では、今回「ウォーゲーム系の売れ行きは良い」って評判が立てば、次回以降には東海勢という強力な増援が投入されるかもしれないわけだ。ここはマジに関西在住ウォーゲーマーの奮起を期待したい。
 
 ウォーゲーム以外では、まずは「卓上野球機構」(ブース61)を取り上げたい。ココが「大阪でも野球シミュレーションは売れる」って姿を見せてくれれば、他のシステムを発表しているサークルが「参加してみようかな」となるわけで。野球ゲームはともかく、野球自体はどう考えても全国で人気あるでしょ!ましてや「虎のお膝元」関西なんだから。「APBAやザ☆ビッグプロ野球が懐かしい」って人間はマジに…(以下略)。
 
 他では、「グループ乾坤一擲」(ブース40)で「日本空母戦記シリーズ」を再頒布する予定だとか。某空母戦ゲームのエキスパートから「基本はオーソドックスだけど、コンポーネントは確かにスゴい」とのお墨付き?をもらったモノなので、空母戦ゲームが好きな人間なら一見の価値はあると思う。まあ、逆探知問題がどうだとかダミーの使い方がこうだとか言い出さなければの話ではあるけれど(笑)。
 
 ここからは、どちらかと言えば「私個人限定」の話。RPG系では、何故か?トラベラー系のモノを扱っている(とカタログにある)出展者が2つも。コミケですら探すのに苦労するのに。顔は出しておこうかな。私はトラベラーからRPGに入ったのよ。「KTOC」(ブース12)と「KC+」(ブース13)か。
 
 ノンビリと他愛ない会話を楽しめそうなのは、「イッシーサークル」(ブース20)。「不穏当屋」とどっちの名義を使うのかと思ったら、コチラでしたか。ゲームの新作はもちろん、フォントの新作も期待したいかな。1月に購入したばかりって話はあるけどさ(笑)。
 
 「芸無工房LOSERDOGS」(ブース22)は、なんか珍妙な(褒め言葉)ゲーム「築城奉行」ってのを出す予定だとか。「バカゲー」としての破壊力は抜群な品を数々発表してきたトコロだけに、大いに期待したい。そーゆー方向の品じゃないかもしれないけれど…と、手遅れなフォローを入れてみました。
 
 後は知ってるトコロ・知らないトコロ含めて「行ってみて、ヒットすれば買う」って感じになるかな。とりあえず、予定としてはこんなモノだ。予定外の品はそう多くはならないはず…と、毎回毎回即売会のカタログを事前チェックするたびに思うんだけど、実際そうなったコトはない。何故か山ほど「予定してなかった品」をしこたま買い込んでしまうのだ。困ったモノである。
 
 とりあえずはこんな感じですかね。元々「GM大阪は、宣伝も兼ねて事前チェックの結果を詳細に報告したいなあ」と思っていたので、PDFで発表してくれたのは大いに有り難かったです。関東で入手できるのか、ちょっと怪しかったからなあ。後は実際行って楽しんでくるだけ。一応詳細なレポートをお届けするつもりです。だから…前日のチューリップ賞(阪神競馬場。なのでナマ観戦予定)で突っ込み過ぎないよう、注意しないと…

2月5日2012/02/05 23:12

 カレンダーをしこたまめくったのに、景色があまり変わりません。2月めくりの数が多過ぎました。まあ、仕方がない。3月は壮絶なことになるから良しとする。
 
 本日の話題は、コミティアの話を中心に、日記風に。色々あったので。なんつーか…「色々あった」としか言いようがない。
 
 朝起きて、ノソノソとコミティアに向かう。私はコミティアで扱っている同人誌(グッズ含む)の場合、「売り切れ要注意」って品にはさほど用がない。よってあまり急ぐ必要がない。一応午前中にビッグサイト入りしたけれどね。
 
 まずは仕事仕事…とワケわからんコトをつぶやきつつ、「お世話になっている先生方」のサークルを訪問。速水螺旋人先生とM.WOLVERINE先生のトコロである。そりゃまあコマンド誌でイラスト載せているんだから、お世話になっていると言えばお世話になっている。けれど、こーゆーヘンな形で感謝を捧げている奴は他に知らない。まあ、それが私と言うことで。あ、コレ書いていて思いだしたけど、某マンガの原作担当でもあるM.WOLVERINE先生に「ミッドウェイはやっぱり燃えますね!」って声かけるの忘れてしまった。わかってはいても、上空から「死の天使」が降ってくるのはやはり鳥肌が…
 
 その後はTic-Tac-Toe殿のサークルへ。新作のハガキゲーム「葉書級日露戦争黒溝台大会戦」を入手。表紙フルカラーのリプレイその他が掲載された冊子がオマケ?についてくる。「戦闘後前進のルールがないけど、リプレイではやってるっぽい」「EZOCへの退却は不可、それしかできなければ全滅でいいよね?」といった疑問はあるけれど、そこはこの際常識で解決すればいい。テキトーにちょっとやってみた(プレイ時間20分)限りでは、まとまりは良さそうだ。うむうむ。とてもよろしい。
 
 この冊子だが、読んでいて帰りのバスで吹き出しそうになった。デザイナーズノートの中で、同じく同人で活躍している「さいたまゲームサークル」殿のことを「大先輩」と呼んでいるのだ…そりゃまあ、まだこの手の活動を開始してから1年経ってないサークルだから、そう呼びたくなる気持ちはわかる。わかるけれど、初めてコミケで「さいたまオフライン」(今は「SLGamer」に改題)見かけて「初々しい」と思った記憶がさめやらぬ身としては、ただただ苦笑するしかない。
 
 同人誌収集の醍醐味の1つに、「サークルの興亡を目の当たりに出来る」ってのがある。ある意味では、買い手もまた苦楽を共にしている存在だからなあ。たくさん売って当たり前の商業誌と異なり、自分1人が買った買わないで「売り上げ」には大きな影響が出る。ましてや作り手との対面販売がデフォだから、叱咤激励し放題だ。その甲斐あって栄えてくれれば、こちらも良い作品をゲットできる。何らかの事情により活動が鈍れば、こちらも作品が入手できずに哀しい…それが楽しいから、私は「同人ゲーム推進」なんて意味不明な行動しているのだと思う。
 
 ちなみに、ここの他に2つほどゲームを扱っているサークルがあった。コミティアは結構大きな即売会だから、3つというのは少ないと言えば少ない。「そのために」出掛けるべきかどうかは、ビミョーと言えばビミョー。ただまあ、私は別のお目当てのために出掛けるわけだけど。そーゆーのが無いと「やってられない」とは思う。
 
 別のお目当てとは、私の場合同人便せん。今回はまあまあって感じ。もう少しゲットできても良かった気はするけどな…版権モノの便せんも欲しいことだし、今年は他の即売会にも顔出そうかな?ただまあ、それは間違いなく「財布の中が死亡ってフラグ」なので、少し慎重に考えたいけれど。
 
 ひととおり巡って満足した後は、後楽園へ。馬券買いたかったので。そーいやあ、WINS後楽園近くの本屋が閉店したんだよな、寂しいな…などと考えつつ馬券を買い、「いつもの」ドトールへ向かったところ、なんとコッチも閉店!なにぃ~!すげーショックでかいんですけれど!何だかんだで20年以上利用してきたからなあ。唖然としてしまいました。
 
 幸い?「代用になる店」の位置は知っている。あそこは元々ドトール多いし。とはいえ、「予備のドトール」なるモノを確保?している私って…「カフェの馬のタテガミの毛1本はオレの出資」と豪語しているだけのことはある(苦笑)。とはいえ、WINS後楽園から遠くなったのは事実。はあ…マジ痛いんですけど…
 
 馬券はサクッと外れた(アルキメデスが逃げちゃうってのは聞いてねえ)ので、を落として秋葉原へ。いや何となく。お目当てがあったわけではない。強いて言うなら「今売ってる即売会のカタログは何?」ってのを見に行ったくらいか。ワンフェスのカタログという「無茶苦茶魅力的な品」があったけれど、ココは単価が高い(立体造形だから仕方ない)だけに、行けば間違いなく破産宣告モノでしょ。何度も自分の手をひっぱたいて購入を控える。
 
 そこで目にしたのは、小林源文先生の同人誌「ゲンブンマガジン」…いや、ついさっきコミティアで見かけた品だけどさあ!メロンブックスで萌え萌えの同人誌(18禁じゃないので、エロエロではない)に囲まれている様を見た時には、なんかこう…ちなみに、とらのあなでも扱っていました。コチラは「ミリタリー」とかいう棚にあって、燃え燃えの同人誌と一緒でした。しかし、そんなに広いスペースじゃないので、焼け石に水。
 
 正直言って、こんな光景を見ちゃったことにより、私はもう「怖いモノ」は無くなったと思う。もう「ロシキャン」のユニットが萌え萌えになったところで、「だから何?」の一言で片付けられるような。あくまで私個人の暴論として聞いてくれ。「燃え」は、いや全てはもう「萌え」の前に敗北したんですよ!「燃えの追求」が悪いワケじゃないけれど、「萌えとの共存」なる意味不明な行為を強いられる覚悟が必要なんですよ!その昔独第三帝国の高官の誰かが、V2ロケットを打ち上げ台に運ぶため馬に牽かせているのを見て、「避けられぬ敗戦を悟った」って話があるけれど、それぐらい衝撃的だった。コマンド誌やGJが萌え萌えなモノに囲まれていたとしても、ここまでの衝撃は受けなかったと思うな。
 
 というわけで、なんか無駄に「濃い」1日でした。ま、私の場合良くある話だけど。しかしまあ、こんな1日になるとは。流石にビックリしましたとさ。とんとはらい。

1月29日2012/01/29 23:12

 本日は、長らく放置していたネタ「第2回SLG-CON」について。色々振り返るのは大事なことだから、ガッツリ書きます。
 
 「初心者にボードSLGを楽しむキッカケを与える」ことを目的として行われているSLG-CON。何故か私は一応「運営側」の人間ってコトになっている。私がそんな立場で良いのかどうかは果てしなく疑問だけど、誰も面と向かって文句を言ってこないので、とりあえずは良しとしてある。
 
 実際の会場の様子については、ゲーマーSNS「Must Attack」などにレポートが山ほど掲載されたので、詳細は割愛する。前回は「明らかに人数多すぎてスタッフ機能が停止同然」って事態に陥ったけれど、今回はそんなコトもなく、「良い」イベントだったのかなと。良かった…と言うよりは、「ほっとした」ってトコロかな。
 
 とまあ、イチ参加者目線で語るだけならこれだけでいい。それで済ますつもりなら、ココまで引っ張らなかった。私は一応スタッフって立場なんだから、より細かい部分についても語っておかないとね。なお、コレはあくまで私個人の見解であり、「SLG-CONスタッフ全体の見解」とは別物である。その点はご注意下さい。
 
 まず気になったのは、「参加人数が減った」という事実。前回がイジョーであり、今回ぐらいが適性だったのは事実だ。しかし、それでも「減った」という事実は無視できない。季節要因(今回は寒くて外出しにくかった)やら何やらあるんだろうけど、今後を考えると楽観は出来ない。原因分析や対策なども含め、キチンと向き合っていかなければイケナイのでは。
 
 もう1つ気になったのは、やはり「あのような対応で良かったのか?」って部分。そもそもノウハウがないトコロから手探りでやってゆくしか無いイベントなので、良い悪いを論じようにも、正解が無い。どうしても「その場しのぎのアドリブ中心」になる。それはわかっている。とはいえ、だからって開き直って「コレで良いんだ!」って気持ちになるようじゃ、色々マズいでしょ。具体的に改善すべき点が指摘されたワケじゃないけれど、やはり心のどこかに「もっと良い対応が出来たのでは?」ってエクスキューズを持っておきたいと思うな。
 
 ただまあ、一応ではあるけれど、「前回の対応はあまり間違っていなかったらしい」ってな根拠が見つかった。前回私がお相手した方が、今回も顔を見せてくれたのだ。「二度と来るものか」と思われていたらどうしよう…って不安はあったので、ちょっと安心した。理屈から言えば、常識的な対応が出来ていれば、ソコまで悪く思われることはない…ってのはあるけれど、自分の人間的魅力とやらはあまり信用してないので、どうしても不安はあるんだよね。だいたい、「そもそもF男なんぞが初心者勧誘の場でスタッフ扱いされているのは、どうかと」って思いがあったりするくらいだ。
 
 とはいえ、やはり「う~ん…」って部分はあった気がする。今回、私は「どうやったら勝てるようになるのか、知りたい」って方のお相手を務めたんだけど、キチンとそーゆーモノを伝えられたのかどうか、はなはだ疑問だ。いや、気持ちはわかる。私も過去に似たようなコトを上級者相手につぶやいた記憶がある。私なりに考えて「日露大戦」で表裏対戦して、「こういうトコロに注意した方がいい」って部分を指摘して…ってコトをやってみたんだけど、それが適切な方法だったのか、上手く伝わったのか、正直自信はない。
 
 私が知っている「どうやったら勝てるようになるのか」って方法論は1つ。実戦経験を積んで、血を流して覚える。それだけ。いつか一人前のゲーマーになるんだ!って野望(コレがないと心が折れちゃう)を持ち、なんか怪しげな手を工夫して上級者に挑み、ボコボコにされる。そんでもって、「ドコがいけなかったのかなあ…」と反省し、自分なりにこうすれば良いんじゃねえかって手(大抵的外れ)を考え、また上級者に挑んで…の繰り返し。今から考えると、極めて効率は悪かったような。何故途中で投げ出す気にならなかったのか、当時の自分に聞いてみたいくらいだ。
 
 今から考えると、自力でウォーゲームの魅力を引き出せる程度の技量に達すれば、こういうやり方でも問題ないような。同じ負けでも、「前回より少しは上達した」って手応えが出てきたのは、こうなってから後の話って気がするので。けれど、それ以前の段階では、やはりキチンと教えてもらった方が良かったんじゃないかなあ。少なくとも、その方が効率良いと思う。
 
 この世界には、「初心者だからって、簡単なゲームをやらせるのは間違いだ」と主張する人間が少なからずいるんだけど、そういう方は「初心者」と「初級者」を混同していると思う。一般人にもわかりやすい例で言えば、「スキー靴を履いたことがない」って人間が初心者だ。そいつがいかに運動神経良くても、まずは「歩き方・転び方」を教えて…って話になるでしょ。そうじゃないと、リフトすらマトモに乗せられない。ミッチリ懇切丁寧に教える必要があるのかどうかはともかく、とりあえず「コレならリフトに乗せられる」って段階に達していると誰かが認定する必要がある。そうじゃないと当人もつまらないだろうし、周囲だって迷惑だ。
 
 SLG-CONってのは、とりあえずの目標として「スキーで言えば、リフトに乗って良いという許可」にあたる部分、つまり「こうやって戦えば良い」という基礎部分(ホントに基礎でいい)を教えるってコトがあると思う。ソコまでは手伝いが必要だと思うので、専門の人間を用意しますよ、それを習得した後は、実は結構難しいゲームでも「動かせる」ようにはなる(勝てるかどうかは別問題)から、ゲームサークルの例会とかに顔出しても大丈夫ですよ…ってワケだ。ソコを端折ると、今の若い人間はついて来ないんじゃないかと。「昭和の時代」ならともかく。
 
 もっとも…そこまではわかっていても、実際やれと言われたら…色々厳しいのはわかっている。けれどまあ、誰かがやらなきゃいけない気はするね。「そう思うんだったらお前がやれ」って声?にお応えする意味で、私はSLG-CONのスタッフやっているわけだ。適切な人材かどうかはさておき。
 
 ちなみに、今まで誤魔化してきたけれど、私がSLG-CONのスタッフに立候補したのは他にも理由がある。私の戦友でもあったしのはら殿がスタッフだったからだ。私ごときが彼の穴埋めを出来るワケじゃないけれど、とりあえず何か受け継ぎたいなと思って。だから…どんなに辛くても苦悩しても、無責任に投げ出すようなことは出来ないんですよ。義理人情の話だから。とはいえ、そんな古い考えの持ち主が、若い奴にゲーム教えるコトなんてできるのかねえ…ブツブツ…

1月28日2012/01/29 03:53

 〆切。とてもイヤな言葉だ。そいつと向き合っていたので、しばらく更新できなかった。ちなみに、商業誌に掲載されるモノではない。でも、〆切って言葉はイヤだ。色々わかっちゃいるんだけど、どうにもあのプレッシャーがね…
 
 本日の話題は、ガッツリ書くネタでいこう。まずは第1弾として、「空母戦雑感」。空母戦ゲームについて色々考える機会があったので、つれつれと書いてみようかと。なお、私は「空母戦ゲームはあまりプレイしない人」なので、色々至らないことを書いてしまうかも知れない。それを恐れて黙っているのも何なので、お読みの皆様側で「そんなもんだ」とご配慮いただければと。
 
 私は空母戦ゲームはほとんどプレイしない。何度かプレイしたことあるんだけど、どうにもガツンと来るモノがなかった。記憶にある限り、最初にプレイしたのは…確かエポック「シミュレーションゲーム入門2」についてる奴。米軍担当して、先に敵空母発見して攻撃隊を送り込んだところ、直援の零戦だか対空砲火だかに攻撃隊バタバタ墜とされ、アタマに来て第2次攻撃隊(何故そんなモノが残っていたのか、我ながら不明)を発艦準備させたトコロを日本軍に攻撃され、艦上で誘爆した攻撃隊のおかげもあって空母全滅。まあそんなものだ。
 
 その後は珊瑚海海戦で「タンカー10隻」(駆逐艦10隻かも。とにかく不自然な艦隊。ちなみに艦種誤認。)を発見して攻撃してみたり、マルタ島の航空部隊を残らず「海に捨てる」(燃料切れになるまで船団護衛に貼り付けた)り、…と、なんかヘンなプレイばかりしていたような。コレはコレで楽しかったし、キテレツなのはゲームがどうではなくプレイヤーが全面的に悪いとは思うんだけど、どうにもガツンと来なかったんだな。
 
 あまり印象が良くなかった理由?う~ん…多分、「面倒」だからだと思う。索敵して、その間に発艦準備のこと考えて、輸送船団動かして…と、とにかくやることが多い。事前に研究とかしてあればいいんだろうけど、そうじゃないと「状況に急かされてばかりで、作戦考えてる気がしない」ような。「よほど好きじゃないと出来ないなあ」とか思った記憶がある。
 
 そんな私が言うのは何だけど、空母戦って「面白いゲームになりにくい」戦いじゃないかと。まず問題なのが、「空母が強すぎる」って部分かな。ハッキリ言って、「片方にだけ空母がある」って状態は、全くゲームにならない。そのため結局は「空母が沈むかどうか」だけが問題の大味なゲームになりがちじゃないかと。
 
 余談だけど、この問題を解消する手段として、「空母が出てこない期間・空間をより多く含める」って手が考えられるのは事実。でも、問題の根本が「空母の強さ」にある以上、必ずしもうまく機能しない可能性がある。下手すると「空母戦の勝利に捧げるためのスケープゴート」を増やすだけになりかねない。
 
 空母が強すぎると言うのなら、逆に「空母だけ出せばいい」のでは?私もそう思っていた。先日の飲み会で、衝撃の台詞を聞くまでは。その時はさらっと流したけれど、後から考えるとスゴい発言だった。
 
 その発言とは…その昔ツクダから出た「航空母艦」についての発言。このゲームは「空母同士の決闘」だけを扱ったゲームである。色々問題はあるけれど、その点は確かに評価出来る。出来るんだけど…「結局どのシナリオも、空母の顔ぶれが違うだけでやってること同じなんですよね。」…そんな話だった。
 
 この発言のドコがスゴいのか?世の中には「戦術級全体にピンと来ない人」ってのがいる。そういう人が、たとえば空戦ゲームについて「零戦対ワイルドキャットも、紫電改対コルセアも、メッサーシュミット対スピットファイアも、フォッケウルフ対ムスタングも、結局やってるコト一緒だ」ってな趣旨の発言をするトコロは、何度か見ている。そのたびに私は心の中で、もしくは酒の進み具合によっては実際に「いや、全然違うでしょ」と叫んでいたモノだ。
 
 もし先ほどの発言がそーゆー方から出たのであれば、別にスゴい発言ではない。良くある話だ。そうじゃなくて、私以上に「戦術級大好き人間」であるtakoba39714殿の発言だから問題なのだ。戦術級が好きで兵器の細かい違いにこだわりを持ち、しかも空母戦大好きな人間をして「やってること同じ」と言わしめたのだ。
 
 この発言から導かれる、空母戦が面白くなりにくい問題点は、「空母って、実はキャラ立ちしてない」となる。「空母であること」そのものは他を圧倒するレベルなのに、空母同士ではあまり差がない…いや、米空母が頑丈だとか日本空母の艦載機は優秀だとか、違いはチャンとある。あるけれど、それがゲーム内での活用方法に影響を与えるほどじゃない。「10攻撃力あれば、まあ相手を破壊できる」時には、攻撃力が11か15かなんて、どーでもいい。空母間の違いは、結局その程度になってしまうようなのだ。
 
 単純に「対戦ツールとしてのゲーム」に出てくる駒として考えた場合、「空母以外と比較すると圧倒的に強いのに、空母同士だと差がない」って存在は、色々扱いに困る。他と戦うと弱い者イジメ、空母同士だと運勝負(実際には「先に見つけた方が勝ち」の索敵勝負)じゃあ、面白くするのが難しいよね。歴史の中には「知名度が高いくせに、ゲームにすると面白くなりそうもない戦い」ってのがいくつかあるけれど、空母戦もその仲間に入れていいんじゃないかって気がするくらいだ。
 
 にもかかわらず、「空母戦が好き」と公言する人間が少なからず存在するのは確か。じゃあ、そーゆー人達はどの部分を楽しんでいるのか?う~ん…これは私個人の想像だけど、そーゆー人達は実は「対戦ツール」としてどうこうって部分はあまり重視せず、「ゴッコ遊び」の対象として空母戦ゲームを楽しんでいるんじゃ…って気はする。ゴッコ遊びの対象としてどうこうってのは、陸戦ゲームでも結構重要な要素だと思う。私はその昔「シミュレーションゲームとは、将軍って立場の人間のロールプレイングゲームである」って主張していたくらいだ。ただ、空母戦ゲームの場合、その比重が陸戦ゲームより高いのではないか。
 
 ただ…この考えを突き詰めてゆくと、「何故ボードウォーゲームで空母戦を楽しむ必要があるのか」って話になると思う。ゴッコ遊びって、結構PCゲームと相性良いと思うんだよね。ビジュアルなどの演出面はどう考えても上だし、納得いく結果が得られるまで思う存分つき合わせられるし。元々「空母戦ゲームは電脳系でやればいい」とは言われていたんだけど、その理由は索敵システムうんぬんだけじゃないのかも。
 
 更に言うのなら、実は空母戦ゲームって、テーブルトークRPGの手法が応用できるのかもしれない。つまり、「ゲームマスターって地位の人間がいて当たり前」ってモノにしてしまえるのではないかと。空母戦のような「索敵が問題となるゲーム」って、「審判を用意したいんだけど、そんなものを喜んで引き受けてくれる物好きを探すのはタイヘンだ」って問題があり、それは解決不能だろうと思われていたけれど、実は審判=ゲームマスターだととらえ、審判必須にしてもいいのでは。それだと2人だけじゃプレイできない?そんなことはない。1人が日本軍なり米軍なりを担当し、もう片方がGMとなり、残った方を操ればいい。戦闘解決の際のダイスは「オープンダイス」(プレイヤーに結果を見せるようにダイスを振ること)にしてしまえば、よほどのことがない限り勝ち負けで揉めることは避けられるのでは?って気がするし。
 
 まあ、実際はこんなゲームをデザインするのは難しいとは思う。ただ、ソロ専用ゲームを2人でやるとこんな感じになる(「アンブッシュ!」で経験済み)ので、1つのアイデアとしてはあるのかもしれない。
 
 もっとも、このアイデア最大の難点は、いわゆる古株のウォーゲーマーのうちかなりの割合が「RPG嫌い」だってことではないか。過去のトラウマというか何と言うか…を引きずっている人って、少なくないと思うので。ま、しょせん空母戦そんなに好きじゃない人間の戯れ言なので、どーでもいいことではあるんだけど。

1月15日2012/01/16 00:09

 負けた…自分に負けた。カレンダーがまた増殖しました。天井までもがスゴいコトになってます。総計はめでたく?50を超えました。ダメ人間だ…
 
 深夜バスで移動して、向かった先はインテックス大阪。「こみっく☆トレジャー19」に突撃だ。去年はとても寒かったけれど、今年はやや暖かい。「即売会日和」だな。何故オレはこんなトコロに…と思いつつ、なんか馴染みまくっている自分を発見。何故私はこんなイベントに馴染んでいるのやら。関東ならまだわかるけど、ココは関西だからなあ…
 
 まず突撃するのは、サークル「NONAM」殿。もちろんお目当ては独ソ電撃戦本。内容も気になるけれど、より気になるのは「どんな人間が作り、頒布しているのか」。こればっかりは突撃して確かめないと駄目だからね。
 
 まずは許可をもらって立ち読み。絵は、好みとか色々あると思うけれど、私は「問題なし」と判断。いわゆる「萌え系」だけどね。軍服の細部がどうとか言ってはイケナイ。気になる内容だけど、いわゆるストーリーマンガ。リプレイを元にした「戦いの再現」を狙ったモノで、GJ掲載の松田大秀先生のマンガと同じ路線と言えばわかりやすいかな。ただ、頁数は薄い。その分値段も安い。表紙フルカラー本文モノクロで14頁200円。しかも発行部数はかなり少数。流石にこの値段だと赤字だと思う。実際、サイトにそんな話が出ていた。これ以上はネタバレになるので、ネット上では語らない。
 
 ここまで確認して、しばし熟考。多分これなら…という結論が出た所で、5部購入。自分用、頼まれた分で2部。「こーゆーモノがあったんですよ」と見せびらかす?ために1部。ココまでは最低線。後は「旦那の注文に従って燃えの入った萌え絵を描く人」の先達(つまり、SLGamerの表紙描いている人)に意見を聞くため、某氏(要は旦那)に押しつける分。最後はものすごく迷ったけれど、ネタにされたゲームの発行元に「目は通しておけ」と押しつける分も確保した。
 
 5部購入に目を丸くするサークル主催者に対し、早速インタビュー。ネーム担当の旦那さんに「何故今になって独ソ電撃戦?」と聞いたところ、「他のゲームはロクにプレイする機会が無くて…」との話。それこそエポック版発売時から細々とゲームを楽しんできたようだけど、今は相手もいなくてソロプレイばかりだそうな。はっはっは、そんな貴方にお勧めのイベントが「SLG-CON」ってイベントでして…って、先週東京で行われたイベント紹介しても意味ねーだろ!
 
 SLG-CONについては後日みっちり語る予定だけど、ココでも少し語っておこう。今回私は、改めて「あーゆー趣旨のイベントって、やっぱりチャンと需要あるよ」と感じた。旦那さんがSLG-CONの参加者だったら、私が率先して「独ソ電撃戦」のお相手をした(注:スタッフは基本インストラクター、ってのはわかってます)のに…と、歯がみしたくなったくらい。くそー、我々の進んでいる方向は決して間違っていないけれど、やっぱり色々と力不足だ。
 
 とりあえず、コマンドマガジンは知っていてある程度買っているようだけど、SLGamerは知らなかった(ある意味当然)ようなので、「活動趣旨」を説明して最新号を1冊献本しておいた。あと、一応ゲームマーケット大阪についても軽く説明しておいた。私に出来るのはこれぐらい。後は色々頑張って欲しいとしか…私は、無力だ。こんな本を作って即売会で頒布する意欲を持った人が「プレイ機会がない」と嘆いているのは、何か間違っている。間違っているのに、私ごときに何が出来るというのか…
 
 絵師担当の奥様にも話は聞いてみた。描いてみた感想とか。気になったのは、軍装の細かい部分の資料がなかなか見つからないことだそうな。そりゃまあ、この世界に詳しくない人がネットだけでどうこう…って手法で調べるのは、タイヘンでしょ。戦車や飛行機を描くのも結構難しいだろうし。ふと思ったけれど、この辺をある程度解決できれば、ウォーゲームの欠陥の1つという説もある(異論もあるけど)、「ビジュアル面の弱さ」を解決できるのかも。その結果、この業界が萌え絵で埋め尽くされるのはどうかと…って話はあるけれど。この世界、自分で絵が描ける人間が少ない(いることはいるけれど)ので、絵を描く人達の気持ちがよくわかってなかったのかも知れない。
 
 なお、この本に目を付けたゲーマーは私だけじゃなかった。ミドルアース(本部)の下野守殿が私がいる時に顔を出され、自分用と周囲に見せる用の2部購入なさっていた。関東在住の私よりも「何か出来る」可能性が高いので、関西のゲーマーの方々には色々頑張ってもらいたい。
 
 会場を去り際に改めて売れ行きを確認した所、私が5部入手したからって話はあるけれど、それなりにハケていたようだ。「反応次第では続編も…」って話なので、こういう活動を続けてもらえるかもしれない。話を聞く限りでは、凄く前向きだったし。嬉しい話だ。そーゆー話が聞きたくて、本当に続編を出してもらいたくて、それを入手したくて、私はこんなコトやっているのだから。誰が何を言おうと、少なくとも私の中では、私の行動は間違っていないと思う。
 
 他についても語っておかないとね。実は「こみトレで何とかするから」って理由で年末のコミケでスルーした「不穏当屋」殿。今回も元気にフォント売ってました。ココで「まどか☆戦記」の新版入手しないと…と書いていたところ、「事実上取り置き」状態で用意してくれるという嬉しさ。いつもすいません。こういうコトやってもらえると、「毎回顔出さなきゃ」って気になりますね…たとえそこが関西であっても。ああ、やっぱり私はこの即売会から足抜けできないのね。ま、コミケだって似たような経緯で足抜けできなくなって今に至っているので、良くある話としておこう。うん。
 
 あと、「話を聞きたいから」って理由で、すごくつまらん(失礼)アナログゲームを入手。「ミルキィホームズ」の推理ゲーム…というありがちな作品なんだけど、「何故こみトレでこんなものを?」って聞いてみたくて。単純に「元々即売会に出ていたけれど、最近アナログゲームにハマったので作ってみた」との話。追加で「ゲームマーケット関西への出展予定は?」と尋ねた所、「敷居が高そう」との話だった。気持ちはわかるけれど、多分「アナログゲームを売るなら、やはりアナログゲームを買いに来る人間が多そうなトコロ」に出展するべきだと思うな。あくまで個人的意見と付け加えてそんな話をしてきた。まあ、こみトレは「アナログゲームもあると期待して良い即売会」ってのが私の意見だけれども。
 
 あと、ゲームマーケットなどで以前から姿を見かけていた「あゆ屋」のゲームも試しに買ってみた。こーゆーものに幅広く手を出すと後々…って理由から逃げ回っていたんだけど、先日このサークルの方と飲む機会があったので…ふっ、これでまた「東方」に顔を出す理由が…
 
 ゲーム以外の話もしよう。先ほど話に出た「東方」系の音源サークル「うんちく商事」殿のピアノアレンジCD。今聴いてます。いいピアノは音が違うんだよね。「安いピアノや打ち込みが悪いワケではない」とは思うけど、良いピアノには良いピアノの良さがある。
 
 他で注目の品?は、壁掛け時計。いやね、どーも最近部屋の時計の調子が悪くて。つまらんデザインの品ではあるから、「いっそのこと萌え時計?」ってんで、2つほど入手してみた。現在試用期間中。ある意味重要アイテムなので、少しでも使い勝手の悪い品を置くつもりはない。というわけで、時計まで増殖を…ま、これは最終的に1つを除いて撤去されるとは思うけど。
 
 増殖と言えば、カレンダーのことに触れないワケには…はい。我慢できませんでした。何とか卓上版は我慢したんだけど、壁掛け版は…1つは強引に割り込ませ、もう1つは多少マシだった別室に配置、通年と「半年モノ1枚」(次入手できるのか?)は仕方ないので天井に…天井も隙が無くなったぜ。はは、ははは…
 
 というわけで、なんか駄目人間っぷりを自覚させられまくった1日でした。ふ、言い訳しても仕方あるまい。ヲタクの生き様とはこういうモノでしょ。

11月29日2011/11/30 00:42

 先週末は「濃い」週末だった。色々あったので。各方面に感謝を捧げつつ、どう濃かったのかを振り返ってみようかと。
 
 まず土曜。昼頃やっと起きて、向かったのは浅草。翌日も浅草に用事があるんだけど、「それじゃ慌ただしい」ってんで、この日も浅草に。日曜にお世話になる東京都立産業貿易センター台東館を通り過ぎ、そのまま馬道通りをずんずん進んでゆく。向かった先は、小さな洋食店。そう、久々に大木洋食店に顔を出したのさ。
 
 競馬系の友人知人なら説明不要だと思うけど、そうじゃない方のため説明を。ここに住んでおられた故松浦謙助さんは、昔々「競馬報知」(後にファンファーレ)に連載を持っていて、その関係で私も親しくさせていただいたのだ。そしてこの松浦さん、立川談志家元と親しくなさっていたので、これは挨拶しておかなくては…ってワケである。
 
 私自身は家元と親しかったワケではない。そんな畏れおおい。ただまあ、ご長男の慎太郎さんは多分私の顔覚えていると思う…って程度。それじゃ根津の家元宅に押しかけるワケにはいかない。当たり前だ。その代わりってワケじゃないけれど、松浦さんに「今度家元がそちらに顔出すと思いますので…」って報告をしにいった。ただそれだけ。
 
 久々に食べたとんかつ定食は美味かった。私が「ドコの王侯貴族が相手でも、胸張って勧めてやる」と公言している店は世界に3つあるけど、そのうちの1つがここ。もっとも、日本の洋食なるものが舌に合えばの話ではあるけどね。色々不義理を働いていた私だけれど、温かく迎えてもらえ、松浦さんに長々と挨拶してきた。まあ、松浦さんのことだから、「今度家元が…」ってな話を聞いたら、「バーカ、あいつは地獄行きだからコッチになんて来ねえよ」ってニコニコ笑って言いそうだけど…
 
 そーやってちょっとしんみりした時間を過ごした後、アタマを切り換えて秋葉原にカレンダーを買いに。「予定の品」が発売されているはずだったので。ヘンにアタマ切り替わっていないと、かえって衝動買いしちゃうからなあ。ついでってワケじゃないけど、「Battleship Girl」2巻を購入。オビの推薦者が「台湾行政院新聞局局長」ってのは笑える。
 
 日曜。体調万全。戦闘準備完了。いざ浅草に。まずはゲームマーケット2011秋に突撃である。「仕事」じゃなくなったからって、私がこのイベントに参加しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。なにせウォーゲーム系のサークルはほとんど全てが「私の顔知っている」ってレベルだし。
 
 まずは客の入り具合から。回を経るごとに増えていると思う。流石に身動きとれないってレベルじゃないけれど、手狭な感じを受けたくらい。次の東京開催では会場が少し拡大されるらしいので、それに期待ってトコロかな。
 
 今回の戦果。今回のイチ押しは、サークル名・頒布先不明(申し訳ない)の「MONOEYE」かな。ガンダムのモビルスーツ空戦(正確には宇宙戦)モノ。マップを使用するのではなく、机の上などでカード大のユニットを「動かして」、定規(付属しているモノ)で距離計って動かす…ってシロモノ。ウォーゲームよりもミニチュアゲームに近いんじゃないかな。
 
 覚えるのは簡単そうでも使いこなすのは難しそうなルール、カード式プロット、アバウトな距離感…と、ハッキリ言って人を選ぶゲームだと思う。そのくせ版権モノ。ガンダムマニアからは「難しい」と敬遠され、こういうゲームを厭わない層からは「しょせん版権モノ」と馬鹿にされてもおかしくない。ただ、私はあえてそーゆーゲームを出してくれたことを高く評価したい。こういう「尖った」ものを出せるってのが、同人の良い所なんだから。おまけにこのゲーム、多分「立体ユニット」との親和性が高い。すげー広い机使って、ガンプラ使って遊んだら燃えそうだ。くそう、ギャン(私は好き)はないのかギャンは!ニュータイプが滅茶苦茶有利なこのゲームで、ガンダムに乗ったアムロ相手に格闘戦にもちこんで斬られるのは「タロンでラプター墜とす」に匹敵するほど難しい気はするけれど、それに挑戦するのが漢だろ(笑)。久々に「ルール読んでいるだけでドキドキしたゲーム」である。わかる奴はわかってくれると思うな。
 
 もう1つ感心したのは、ETERSIA WORKSの「Under the MAD」。冷戦期を扱った2~4人用ゲーム。「Twilight Struggle」「Cold War」といった偉大な先例(どちらも私は好き)がある中、どう冷戦を表現するのか?重要なのは、このゲームは「自陣営同士の抗争」に焦点を当てていること。だからこその4人プレイ(これが標準)なのだ。米国で言えば、片方が共和党でもう片方が民主党ということか。そのため、時に米ソは対立ではなく、協調路線を歩むことになる。自陣営の敵を出し抜くため。この辺は面白い。これまた「典型的ウォーゲーマー」向けとは言い難いけど、そんなのは知ったコトではない。
 
 あと、「労作である」と評価したいのが、八川社のインパクトベースボール選手カード、西本幸雄追悼記念1953年オリオンズ。西本さんがお亡くなりになったという報道が流れてからの時間を考えれば、本当に頭が下がります。諸般の事情により「追悼」って言葉に弱くなっていただけに、心にしみました…
 
 典型的ウォーゲーマー向けの作品?「保元の乱」「平治の乱」はどうだ。同人会ルーデンス・ファベルの作品。まず、この戦いをテーマにしたゲームを作ったところを大いに褒めたい。名前は知られているけれど、「どんな戦いだったのか」は知られてない戦いだからなあ。ユニットを見る限り、兵力的には平清盛に代表される伊勢平氏勢が圧倒的で、反平氏方は苦戦を強いられそうだけど、元々対照的な戦いじゃない(どちらも破壊活動を行えばいい反乱側VSそれを止める鎮圧側だから)から、これでいいのかも。
 
 Axis and Alliedの卓で頒布されたいた、TBGの「関ヶ原1332」も典型的ウォーゲームだな。ちなみに、この1332は皇紀。一般には「壬申の乱」の方が通りがいいかな。初期に行われた、居間の関ヶ原付近での戦いを扱ったモノ。これまたテーマを褒めたい作品。量の大海人軍が質の朝廷軍を突破できるか…って戦い。ポイントトゥポイントのマップを使い、手軽にプレイできそうなトコロも好感を持った。
 
 もっとフツーのウォーゲームはないのかって?そー言えば、さいたまオフラインの「SLGamer」新作の付録ゲームがエル・アラメインの戦いだったなあ(苦笑)。いや、モノ自体は相変わらずいいと思う。単にここのゲームはもはや「定番」だと思うので、あえてネタとして投げやりに紹介しただけ。むしろこの「ゲーム付き同人誌」で特筆すべきは、同人誌の記事の方ではないかと。以前からかなり充実した内容ではあったけれど、ここに来てライターのバラエティーが増え、より面白くなったような。良くも悪くも、そーゆー部分に目を付けて褒めるのが私だからして。
 
 今回は「戦術作戦級」といった感じのゲームが2つあった。そのうちの1つが「オデッサの戦い」。頒布元は私にとって新顔の富士家商会。オデッサって地名は当然知っているけど、いつの戦いだ?どうやらガンダムでは無さそうだけど…と思ったら、ルーマニア軍対赤軍の戦いだった。ゲーム自体の評価は現時点ではさておき、面白いなと思ったのはルールブック。異様なまでに簡素。ただ、ざっと読んだ時点では機能している様子。「ルールブックはしつこいぐらい丁寧に書け!」と常日頃から主張している私だけど、こーゆーのもアリかなと感じたくらいだ。ただ、私の執拗なルールチェックをくぐり抜けられるのかはまだわからん。精査してマズい部分に文句を言うのが、私の「愛」だ。
 
 もう1つはTic-Tac-Toeの「タラワの戦い」…なんだけど、私は既に入手済みなので、新版との差分だけ受け取った。このサークルは私が「ゲームマーケットかコミケに出るんだ!その方が売り上げも増えるし、ゲーマーのためにもなるんだ!」とさんざん吼えたトコロだけに、正直売り上げは大いに気になった。とりあえず注目度は高かったようなので、私としても嬉しい。ある意味、こーゆーサークルの後押しこそが「私の役割」って気がするな。なにしろ私がこのゲームを最初に「見た」時は、マップだけしか無かっただけに…しかも、コミティアという「ゲームとは無縁そうな即売会」での話だからなあ。
 
 実を言えば今回、私が過去に「入手済み」で、なおかつ「ゲームマーケットに来なさい!」と文句を言ったゲームが4つもあった…「タラワの戦い」と、さいたまオフラインで委託頒布されていた「天正少年遣欧使節団」は(言い訳できないので)ともかく、残る2つを見た時には「まさかと思うけど、オレが吼えたから?」とか考えちゃいました…違うよね?元々予定していたんだよね?誰かそうだと言ってくれ…ちなみにモノは翠屋本舗「まど☆マギオン」と、染井吉野ゲームズで委託頒布されていた「ふるさとカードゲームご当地大戦」。それぞれ私が入手したのはこみっく☆トレジャーとコミティア…
 
 ちなみに、今回「魔法少女まどか☆マギカ」のゲームは3つあった様子。多いけど、こみトレの5つって記録は抜けなかった。う~む。なお、うち1つは既に入手済みで1つは売り切れ。残る1つ?当然入手しました。はい。
 
 あと、BOARDWALK/i-OGMで扱っていた同人ゲーム「オットー&ハーマン」も紹介しておこう。ジャンルとしては「燃え系ボードゲーム」かな。元ゲームはキャット&チョコレートってモノ。次々遭遇する厄介事(大抵赤軍絡み)を、与えられた補給物資(「こんなんでどーしろと」って品含む)を使って「どう解決したのか」を考えて発表して…ってゲーム。最初の手番は「一番最近に、小林源文先生のマンガを読んだ人」で、もし誰もいなければ「ゲームを片付けて本屋さんに向かうこと」だそうな…何故コミケかコミティアじゃないのかは聞きたいところだ。(注:小林先生の最近の活動は同人が主体)
 
 なお、これらとは別に通年カレンダーが2つほど増えていたような気がするけど、気にしないコトとする。時期的にもっとあっても不思議はなかっただけに、助かったというのが本音(苦笑)。
 
 とりあえずはこんなトコロ…え?メーカー系?国際通信社の目玉は「独ソ戦ソリティア」の先行発売。「信玄上洛」ってソリティアゲームも出していたけれど、公式ブログでは一言も触れてない(popの写真はあったけど、説明何も無し)上、何故か提示していた価格表に掲載されない(思わずツッコんだ)という不遇な扱いっぷりだったから、目玉じゃないんだろ(苦笑)。
 
 とまあひととおりゲームを仕入れた後は、府中へ向かう。ジャパンカップがあるからね。私がこのレースを生観戦しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。JCはそーゆーレースだし、おまけにヴィクトワールピサも出走するし。
 
 その上、今回は競馬仲間のしあとりかる殿が上京なさる。東北在住で、大地震の時にモロに被災された方。「大丈夫なのか!誰か連絡受けてないか!」と大騒ぎしたからなあ。実際、1つ間違えば津波にのみ込まれていたそうな。そんな方だけに、元気な姿を拝見した時には少し涙が…本当に、よくぞご無事で。
 
 馬券?私は「力一杯」ヴィクトワールピサの単勝。流石に厳しいとは思ったけれど、そこで買うのを止めるようじゃ駄目ですね。間違って勝ったら倒れちゃいます(笑)。負けたのは悔しいけれど、それが勝負ってモノだ。ただまあ、「私がゲーム系即売会との掛け持ちをすると、この馬は3着」ってジンクスが敗れたのはもったいない。
 
 買ったブエナビスタは見事の一言。ただ、むしろ感心したのはトーセンジョーダンの方か。最後ヘロヘロだったのに、2着死守したからなあ。「秋天レコード勝ちの反動が…」と言われていたけれど、よく頑張ったと思う。けれど、いかにも府中向きって雰囲気のある馬だけに、中山で行われる有馬記念では買いにくいかな。
 
 その後は新宿で飲み会。開始が6時と「競馬系飲み会にしては」遅かったので、「ゼロ次会で飲んでくる奴が出るだろ」とか笑っていたら、府中にある喫茶店に立ち寄るっていうツアー予定が元々組まれていた。何故喫茶店?そりゃまあ、我々の競馬仲間が店長だから。何故店長。なんかすごいな。
 
 その後は飲みながら馬鹿話。元々「あっぱー」とかいうギャグ系競馬投稿コーナー常連筋の集団なので、競馬絡みのアホ話は尽きない。今回集まった皆に比べれば、私なんて可愛いモノよ…すいません、つまらん見栄張りました(笑)。あまりに話が長引いたので、しあとりかる殿が「帰りの新幹線に間に合わないかも」って心配が…駅までの道案内が必要だろ、ってんで私が一緒にダッシュ。それはいいんだけど、私は最後までアルコールを注文し続けていたので、ダッシュしたら軽く目眩が。いやあ、オレも衰えたなあ…って、多分コレは年齢のせいじゃない。
 
 というわけで、とてつもなく濃い週末でした。しかし、なんで「絶対外せない用事」がバッティングするかなあ。今年はそーゆー年なのか?ま、来年のこの時期も同じコトやっていそうだけど、気にしないコトとしよう。

9月17日2011/11/17 23:51

 昨日、「第三帝国の興亡」をはねはね殿とプレイした。その結果は…正直言おう。マップ以外も駄目だ。テストしたのかコレ。
 
 駄目な理由はたった1つ。東部戦線がモロすぎる。「正攻法」で攻めただけで崩壊する。後は必死になって部隊生産し、逐次投入・各個撃破されるだけ。これじゃどーしよーもない。「何か手はないのか」と検討した結果が、他をなげうってでも英軍!をソ連に投入し、何とか守るしかない…って時点で「ヘン」だ。
 
 そりゃあね、検証したのが私とはねはね殿という、「怪しげな作戦を練るのは嫌いじゃない」って人間だ。事実、仏の守り方において「仏からベルギーに宣戦布告し、アルデンヌに進駐する」って手を真剣に検討してたし。けど、東部戦線はそーゆー問題じゃない。フツーにプレイすれば大抵崩壊する。ダイス目の振れ幅が大きいゲームなので、運次第じゃ助かるかも知れないけれど。
 
 確かに私もはねはね殿も、この世界じゃ古株に属する。まして、はねはね殿は腕達者の1人として数えて良いレベルだ。我々がアッサリ実行できたからって、その領域に達してない人間から見ればそう簡単には…ってな意見があるかも知れない。大丈夫。この世界の基本をある程度知っていれば、じっくり考えるだけで「東部戦線を崩壊させる方法」わかります。目安としては「日露戦争」(EP/CMJ)を楽しくプレイできるってレベルかな。
 
 何でそうなるのかも、ある程度わかっている。バルバロッサ作戦発動前、赤軍は大半が独ソ国境に「なってない配置」で張り付いている。ルールでそう指定されているのだから仕方ない。コレは明らかに「バルバロッサ作戦開始当時の大戦果」を再現するための演出だ。そりゃまあ、ある程度ならソレもアリだと思う。そーゆー「演出」がないと、私がヒトラー電撃戦で提唱したように「引き籠もって守れ!」って話になっちゃうからね。
 
 ただ、それで赤軍の大半が消え去るというのは、どうかと。8~9割消えるんですよ?しかも、この時点で活用できる赤軍の生産拠点は、モスクワを含む全てが「いきなり独軍の攻撃範囲」なのだ。拠点防御しようが戦線張ろうが、出てきた瞬間に撃破されてしまう。コレじゃ駄目だ!ってのは明白だと思うな。なんかが間違っている。
 
 余談だけど、この「バルバロッサ作戦を喰らうと、赤軍の大半が消え去る」って話は、「ヒトラー電撃戦」が出た当初にも問題となった。独軍側が電撃戦のルールに慣れてくると、突破口をいくつも作られ、いずれ包囲されてボコスカにされる。正直言って、私は「独軍必勝じゃん。駄目なゲームだ」とさえ思っていた。「引き籠もり戦略」に気がつくまでは。ちなみに、ヒト電の独軍は引き籠もった赤軍の戦線にさえ穴を空ける力がある。そんな相手に最前線で抵抗って、そりゃあ無茶苦茶だ。
 
 その無茶苦茶をルールで要求される「第三帝国の興亡」が守りきれないのも、当然である。最初のプレイで喰らった瞬間、「あ、コレはダメだ」と気がついた。念のため私が攻撃してみた所、やっぱり駄目だった。とにかくお話にならない。しかもだ。ポーランドやフランスは戦線が狭いので、ダイス目の偏り次第でトンデモない事態に陥り、独軍の攻撃が失敗しうる。それに対し、東部戦線は広大なので、多少悪い目が出ても取り返す手段がある。これでどーやって守れと。
 
 何故こんなコトがまかり通っているのか?テスト不足かな。つーか、キチンとテストしろよ。こんな明白な問題に気がつかないなんて、テストの内に入らないぞ。ゲームの中身を論じる以前のレベル。商品として完成してない。先週のエ女杯のレーヴディソールの方が、よほど調整されていたぜ…クソ負けぶっこいたけど。
 
 今号のコマンド誌は、前号に引き続いて「3桁突入ご祝儀モード」のようだ。それだけに、色々忙しかったんだろう。けど、コレはない。駄目なりに完成しているのなら、まだ許せる。けど、未完成品を掴まされたら、そりゃあ怒りますよ。同人だったら「頑張って完成までつき合うぜ!」って気分になるのが私だけど、商業作品でコレはどうなのよ。そーゆー手間を省いてくれるのが、商業作品の利点じゃねーのか。
 
 まあ、他にも言いたいコトは山ほどあるんだけど、ただの愚痴にしかなりそうもないので、あえて黙っていよう。ここで言いたいことは1つ。評価の対象として扱える程度でいいから、完成させてくれ。以上。

11月5日2011/11/06 02:47

 先月は色々あった。その関係上、かなり久々の更新に。大変申し訳ない。謝っても仕方ないんだけどさあ。
 
 本日は、コマンド誌最新号付録ゲーム「第三帝国の興亡」についてである。正直言おう。マップは酷い。めでたく100号を超えたコマンド誌の歴史において、ワースト3に入れていいと思う。ちなみに、過去作であるワースト2(あえて名は伏せるけど)は両方とも後の号に改訂マップが付けられた。コイツもそうして欲しい。
 
 ドコがそんなにヒドいのかって?私も、公式サイトにアップされたマップの画像を見た段階では気がつかなかった。「悪くない」とさえ思った。実際、ぱっと見は悪くない。綺麗かどうかで言えば、綺麗だと言っていい。それは大いに認める。問題は、機能面にある。私は「曖昧なルール」と「曖昧なマップ」は大嫌いである。好きな人間がいるとは思えないけれど、私よりも寛容なのが普通じゃないかとは思う。それゆえ、どんなに見た目が綺麗であっても、機能面において曖昧なトコロがあるマップはちょっと許せない。そんでもって、「第三帝国の興亡」のマップはそーゆー部分が多い。すごく。
 
 このゲームでは、いわゆるフツーの「地形」はほぼ無視されている。アルプス山脈だろーがサハラ砂漠だろーが、全部「平野」だ。そんなマップにおいて、「曖昧な部分」なんて盛り込めるのか?普通はそう思う。私もそう思っていた。ただ、流石に「海」と「陸」の区別は存在し、当然のことながら海岸線が存在する。その海岸線が問題なのだ。
 
 マップに存在する全海岸線について、0.1mm程度の出っ張り(半島とか、小さな島とか)がヘクスサイドに引っかかっていないかどうか、調べる手間を考えて欲しい。幸い私はまだ老眼があまり進んでいないけれど、対戦相手にまで同じ作業を強要し、「ここの海岸線は、このヘクスサイドまたいでますよね?」と確認を取れと言うのか。結構重要そうな場所にも「そーゆー判定を必要とする」海岸線があるってのに。正直やってられない。
 
 そんな豆粒みたいな陸地があったからって、無視すればいいのでは?直感で判断できるでしょ…と、私も言いたかった。けれど、マップをよ~く眺め、ルールブックを熟読し、更に本誌掲載のリプレイを読んだ結果、「このゲームでは、スカゲラク海峡は地続き扱い(フネも通過できるけど)だ」ってコトを発見してしまった以上、直感は全く信用できない。はるか沖に浮かぶ島のごく一部がヘクスサイドに掛かっているだけで、ソコは地続き扱いになるとしか思えない。結果として「なんじゃそりゃ」って移動が可能になる。
 
 スカゲラク海峡を「陸軍が歩いて渡れる」という処理の是非については、後ほど語ろう。そのくせ、ゲームによっては「大河川と同じ扱い」とされるケルチ海峡は、とてもビミョーである。一応私は「海ヘクスサイドではないか」と推測しているけれど、印刷ズレや私の老眼の結果そう思えるだけで、実は地続きかもしれない。それぐらいビミョーだ。ちなみに、海峡で分断されているとするならば、赤軍はココを越える手段が存在しないことになる。史実じゃ、何度かこの方面からセバストポリ包囲陣に反撃してるけどね。
 
 何故こうなったのか?そりゃまあ、海岸線が無駄に緻密だからである。どこぞの地図のデータを丸ごと持ってきて、修正しなかったんじゃないかなあ。悪いけど、わかりやすさを重視して海岸線のデータ修正してくれないと、プレイできないっての。いずれ気になるヘクス&ヘクスサイド全てのリストアップを作成し、コマンド編集部に質問として送りつける予定なので、そうすりゃプレイできるようになるかな。素直に「全海岸線を書き直してくれ」で片付けた方が早いかも。
 
 何故スカゲラク海峡が地続き扱いなのか?多分、「オトナの事情」が絡んでいるのでは。ココを海峡扱いにすると、ヴェーゼル演習を再現するため独軍の強襲上陸能力を高めに設定せざるを得ない。しかし、そうすると英本土が極めて危ないことに…って事情から、いっそのこと地続きってコトにしちゃえ!となったのではないかと。ただなあ…正直、こんな形でルールを減らそうとするよりは、あえてゼーレーヴェ作戦かヴェーゼル演習に特別ルールを設けた方が「むしろ親切」だったのでは。
 
 なお、このおかげで早くも1つ「独軍の必殺技」を見つけちゃった。迷ったけれど、発表した方が結局は良いような気がしたので、ココで書いちゃおう。作戦としては単純である。ノルウェイ侵攻後、スウェーデンにも侵攻する。そんでもって、スカンジナビア半島に独軍主力を戦略移動させる。「陸続き」扱いなので、制限無く大軍を送り込める。後はフィンランドを通過する形でソ連に侵攻すればいい。なお、あらかじめフィンランドに宣戦布告して大軍を駐留させ(ヘルシンキは陥とさなくても良い)、そこからバルバロッサを行えば、より確実だろう。細部に検討の余地はあるけれど、赤軍側の対応策は「降伏するまでに、独軍に攻撃のダイスを多く振ってもらう方法」に終始している有様。
 
 スカゲラク海峡が地続きではなかったからと言って、この作戦を防げるとは思えない。必要ならば海輸すればいいから。侵攻スケジュールを練るのが多少タイヘンになるだろうけど、だからどーした。「赤軍大崩壊」という戦果のためなら、アフリカに海輸する部隊なんぞ削っても惜しくないに決まっている。かといって、この辺に赤軍の部隊を送ると、移動力に欠ける赤軍だと主戦線に送り込む部隊が減る。ハッキリ言って、地形の縛りが緩いゲームなのにムルマンスクまでマップに収めてある時点でアウトじゃないかな。ルールで禁止できるかどうか、正直疑問。とりあえず「紳士協定」により禁止するってのが私の提唱。他にいい手があるのなら教えて欲しい。
 
 なお、この「スカンジナビア作戦」、ヒト電でも検討した。フィンランド北部はマップ外だけど、ヘルシンキ近辺からレニングラードの裏を取る作戦は実行可能だからね。ただ、移動するだけで燃料を使うあのゲームではさほど有効な手とは思えず、更に赤軍側の対抗策として「戦術的にマトモなソフィン戦争を仕掛け、ヘルシンキまで占領する」ってワザを編み出したので、ほぼ完全に封じられたと思う。その研究の副産物が「戦術の基本はポーランドに、戦略の基本はソフィン戦争にあり」って主張だったりする。
 
 この手を封じれば、後はマトモなゲームになるのか?う~ん…正直、ゼーレーヴェ絡みで何かありそうな気がしている。対仏戦の後スペインに侵攻し、ジブラルタルを陥とす。そうすればイタリア艦隊が大西洋に進出できるので、かなりの「悪さ」ができるのでは。もっとも、この作戦はまだ検討段階なので、最終的に成り立つかどうかわからないけれど。なお、コマンド誌掲載のリプレイではスカパフローとグラスゴーに上陸しているが、グラスゴーではなくマンチェスターに上陸すべきだったと思う。
 
 その他、「検討に値する」怪しげな作戦は山ほどある。ポーランド完全無視とか、トルコ通過とか。正直言って、その中のどれかがスカンジナビア作戦同様に「ゲームをぶっ壊す」可能性が高い…って気がするな。「意地悪な」研究に耐えられるようなゲームじゃないって気がするので。その意味では、研究しちゃ駄目なゲームなのかも知れない。そうしないと、山のような紳士協定を結んだ後でないとプレイできないような。39年シナリオをやる前に「ミュンヘン会談」の必要があると。
 
 正直言って、私は今のところこのゲームをあまり評価していない。確かに、38年シナリオという「興味深い」設定が与えられてはいる。けれど、比較対象となるべき39年シナリオが「マトモに動かない」ようでは、その価値も色あせる。どんな結果が出ても、「それがドイツの運命」だったのか、それとも「単に怪しげな手を使われただけ」なのか、どーやって判断しろと。そんでもって、根幹となるべき39年シナリオには、何かしら穴が存在していそうな気がして仕方がない。既に1つ見つけているし。かといって、ルールでその穴を埋めようとすると、ルールが肥大化してワケわかんなくなった「第三帝国」(AH)みたいなモノになりかねない。アレはアレでいいゲームだったと思うけど、気軽にプレイできるシロモノじゃなかったのは事実なんだよな。
 
 他にもグチャグチャ書きたいことがあったりするけれど、とりとめがないし、まとまりも悪いので、とりあえずココまでとさせてもらおう。つーか、色々書こうとして断念し…の繰り返しで更新が遅れたので。とりあえず私の「現時点での最終結論」はこうだ。「第三帝国の興亡」やるくらいなら、「ヒトラー電撃戦」やろうぜ。コッチの方が面白いと思うので。