11月29日2011/11/30 00:42

 先週末は「濃い」週末だった。色々あったので。各方面に感謝を捧げつつ、どう濃かったのかを振り返ってみようかと。
 
 まず土曜。昼頃やっと起きて、向かったのは浅草。翌日も浅草に用事があるんだけど、「それじゃ慌ただしい」ってんで、この日も浅草に。日曜にお世話になる東京都立産業貿易センター台東館を通り過ぎ、そのまま馬道通りをずんずん進んでゆく。向かった先は、小さな洋食店。そう、久々に大木洋食店に顔を出したのさ。
 
 競馬系の友人知人なら説明不要だと思うけど、そうじゃない方のため説明を。ここに住んでおられた故松浦謙助さんは、昔々「競馬報知」(後にファンファーレ)に連載を持っていて、その関係で私も親しくさせていただいたのだ。そしてこの松浦さん、立川談志家元と親しくなさっていたので、これは挨拶しておかなくては…ってワケである。
 
 私自身は家元と親しかったワケではない。そんな畏れおおい。ただまあ、ご長男の慎太郎さんは多分私の顔覚えていると思う…って程度。それじゃ根津の家元宅に押しかけるワケにはいかない。当たり前だ。その代わりってワケじゃないけれど、松浦さんに「今度家元がそちらに顔出すと思いますので…」って報告をしにいった。ただそれだけ。
 
 久々に食べたとんかつ定食は美味かった。私が「ドコの王侯貴族が相手でも、胸張って勧めてやる」と公言している店は世界に3つあるけど、そのうちの1つがここ。もっとも、日本の洋食なるものが舌に合えばの話ではあるけどね。色々不義理を働いていた私だけれど、温かく迎えてもらえ、松浦さんに長々と挨拶してきた。まあ、松浦さんのことだから、「今度家元が…」ってな話を聞いたら、「バーカ、あいつは地獄行きだからコッチになんて来ねえよ」ってニコニコ笑って言いそうだけど…
 
 そーやってちょっとしんみりした時間を過ごした後、アタマを切り換えて秋葉原にカレンダーを買いに。「予定の品」が発売されているはずだったので。ヘンにアタマ切り替わっていないと、かえって衝動買いしちゃうからなあ。ついでってワケじゃないけど、「Battleship Girl」2巻を購入。オビの推薦者が「台湾行政院新聞局局長」ってのは笑える。
 
 日曜。体調万全。戦闘準備完了。いざ浅草に。まずはゲームマーケット2011秋に突撃である。「仕事」じゃなくなったからって、私がこのイベントに参加しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。なにせウォーゲーム系のサークルはほとんど全てが「私の顔知っている」ってレベルだし。
 
 まずは客の入り具合から。回を経るごとに増えていると思う。流石に身動きとれないってレベルじゃないけれど、手狭な感じを受けたくらい。次の東京開催では会場が少し拡大されるらしいので、それに期待ってトコロかな。
 
 今回の戦果。今回のイチ押しは、サークル名・頒布先不明(申し訳ない)の「MONOEYE」かな。ガンダムのモビルスーツ空戦(正確には宇宙戦)モノ。マップを使用するのではなく、机の上などでカード大のユニットを「動かして」、定規(付属しているモノ)で距離計って動かす…ってシロモノ。ウォーゲームよりもミニチュアゲームに近いんじゃないかな。
 
 覚えるのは簡単そうでも使いこなすのは難しそうなルール、カード式プロット、アバウトな距離感…と、ハッキリ言って人を選ぶゲームだと思う。そのくせ版権モノ。ガンダムマニアからは「難しい」と敬遠され、こういうゲームを厭わない層からは「しょせん版権モノ」と馬鹿にされてもおかしくない。ただ、私はあえてそーゆーゲームを出してくれたことを高く評価したい。こういう「尖った」ものを出せるってのが、同人の良い所なんだから。おまけにこのゲーム、多分「立体ユニット」との親和性が高い。すげー広い机使って、ガンプラ使って遊んだら燃えそうだ。くそう、ギャン(私は好き)はないのかギャンは!ニュータイプが滅茶苦茶有利なこのゲームで、ガンダムに乗ったアムロ相手に格闘戦にもちこんで斬られるのは「タロンでラプター墜とす」に匹敵するほど難しい気はするけれど、それに挑戦するのが漢だろ(笑)。久々に「ルール読んでいるだけでドキドキしたゲーム」である。わかる奴はわかってくれると思うな。
 
 もう1つ感心したのは、ETERSIA WORKSの「Under the MAD」。冷戦期を扱った2~4人用ゲーム。「Twilight Struggle」「Cold War」といった偉大な先例(どちらも私は好き)がある中、どう冷戦を表現するのか?重要なのは、このゲームは「自陣営同士の抗争」に焦点を当てていること。だからこその4人プレイ(これが標準)なのだ。米国で言えば、片方が共和党でもう片方が民主党ということか。そのため、時に米ソは対立ではなく、協調路線を歩むことになる。自陣営の敵を出し抜くため。この辺は面白い。これまた「典型的ウォーゲーマー」向けとは言い難いけど、そんなのは知ったコトではない。
 
 あと、「労作である」と評価したいのが、八川社のインパクトベースボール選手カード、西本幸雄追悼記念1953年オリオンズ。西本さんがお亡くなりになったという報道が流れてからの時間を考えれば、本当に頭が下がります。諸般の事情により「追悼」って言葉に弱くなっていただけに、心にしみました…
 
 典型的ウォーゲーマー向けの作品?「保元の乱」「平治の乱」はどうだ。同人会ルーデンス・ファベルの作品。まず、この戦いをテーマにしたゲームを作ったところを大いに褒めたい。名前は知られているけれど、「どんな戦いだったのか」は知られてない戦いだからなあ。ユニットを見る限り、兵力的には平清盛に代表される伊勢平氏勢が圧倒的で、反平氏方は苦戦を強いられそうだけど、元々対照的な戦いじゃない(どちらも破壊活動を行えばいい反乱側VSそれを止める鎮圧側だから)から、これでいいのかも。
 
 Axis and Alliedの卓で頒布されたいた、TBGの「関ヶ原1332」も典型的ウォーゲームだな。ちなみに、この1332は皇紀。一般には「壬申の乱」の方が通りがいいかな。初期に行われた、居間の関ヶ原付近での戦いを扱ったモノ。これまたテーマを褒めたい作品。量の大海人軍が質の朝廷軍を突破できるか…って戦い。ポイントトゥポイントのマップを使い、手軽にプレイできそうなトコロも好感を持った。
 
 もっとフツーのウォーゲームはないのかって?そー言えば、さいたまオフラインの「SLGamer」新作の付録ゲームがエル・アラメインの戦いだったなあ(苦笑)。いや、モノ自体は相変わらずいいと思う。単にここのゲームはもはや「定番」だと思うので、あえてネタとして投げやりに紹介しただけ。むしろこの「ゲーム付き同人誌」で特筆すべきは、同人誌の記事の方ではないかと。以前からかなり充実した内容ではあったけれど、ここに来てライターのバラエティーが増え、より面白くなったような。良くも悪くも、そーゆー部分に目を付けて褒めるのが私だからして。
 
 今回は「戦術作戦級」といった感じのゲームが2つあった。そのうちの1つが「オデッサの戦い」。頒布元は私にとって新顔の富士家商会。オデッサって地名は当然知っているけど、いつの戦いだ?どうやらガンダムでは無さそうだけど…と思ったら、ルーマニア軍対赤軍の戦いだった。ゲーム自体の評価は現時点ではさておき、面白いなと思ったのはルールブック。異様なまでに簡素。ただ、ざっと読んだ時点では機能している様子。「ルールブックはしつこいぐらい丁寧に書け!」と常日頃から主張している私だけど、こーゆーのもアリかなと感じたくらいだ。ただ、私の執拗なルールチェックをくぐり抜けられるのかはまだわからん。精査してマズい部分に文句を言うのが、私の「愛」だ。
 
 もう1つはTic-Tac-Toeの「タラワの戦い」…なんだけど、私は既に入手済みなので、新版との差分だけ受け取った。このサークルは私が「ゲームマーケットかコミケに出るんだ!その方が売り上げも増えるし、ゲーマーのためにもなるんだ!」とさんざん吼えたトコロだけに、正直売り上げは大いに気になった。とりあえず注目度は高かったようなので、私としても嬉しい。ある意味、こーゆーサークルの後押しこそが「私の役割」って気がするな。なにしろ私がこのゲームを最初に「見た」時は、マップだけしか無かっただけに…しかも、コミティアという「ゲームとは無縁そうな即売会」での話だからなあ。
 
 実を言えば今回、私が過去に「入手済み」で、なおかつ「ゲームマーケットに来なさい!」と文句を言ったゲームが4つもあった…「タラワの戦い」と、さいたまオフラインで委託頒布されていた「天正少年遣欧使節団」は(言い訳できないので)ともかく、残る2つを見た時には「まさかと思うけど、オレが吼えたから?」とか考えちゃいました…違うよね?元々予定していたんだよね?誰かそうだと言ってくれ…ちなみにモノは翠屋本舗「まど☆マギオン」と、染井吉野ゲームズで委託頒布されていた「ふるさとカードゲームご当地大戦」。それぞれ私が入手したのはこみっく☆トレジャーとコミティア…
 
 ちなみに、今回「魔法少女まどか☆マギカ」のゲームは3つあった様子。多いけど、こみトレの5つって記録は抜けなかった。う~む。なお、うち1つは既に入手済みで1つは売り切れ。残る1つ?当然入手しました。はい。
 
 あと、BOARDWALK/i-OGMで扱っていた同人ゲーム「オットー&ハーマン」も紹介しておこう。ジャンルとしては「燃え系ボードゲーム」かな。元ゲームはキャット&チョコレートってモノ。次々遭遇する厄介事(大抵赤軍絡み)を、与えられた補給物資(「こんなんでどーしろと」って品含む)を使って「どう解決したのか」を考えて発表して…ってゲーム。最初の手番は「一番最近に、小林源文先生のマンガを読んだ人」で、もし誰もいなければ「ゲームを片付けて本屋さんに向かうこと」だそうな…何故コミケかコミティアじゃないのかは聞きたいところだ。(注:小林先生の最近の活動は同人が主体)
 
 なお、これらとは別に通年カレンダーが2つほど増えていたような気がするけど、気にしないコトとする。時期的にもっとあっても不思議はなかっただけに、助かったというのが本音(苦笑)。
 
 とりあえずはこんなトコロ…え?メーカー系?国際通信社の目玉は「独ソ戦ソリティア」の先行発売。「信玄上洛」ってソリティアゲームも出していたけれど、公式ブログでは一言も触れてない(popの写真はあったけど、説明何も無し)上、何故か提示していた価格表に掲載されない(思わずツッコんだ)という不遇な扱いっぷりだったから、目玉じゃないんだろ(苦笑)。
 
 とまあひととおりゲームを仕入れた後は、府中へ向かう。ジャパンカップがあるからね。私がこのレースを生観戦しないなんてコトは許されないでしょ!誰が何と言おうと、私自身が許さない。JCはそーゆーレースだし、おまけにヴィクトワールピサも出走するし。
 
 その上、今回は競馬仲間のしあとりかる殿が上京なさる。東北在住で、大地震の時にモロに被災された方。「大丈夫なのか!誰か連絡受けてないか!」と大騒ぎしたからなあ。実際、1つ間違えば津波にのみ込まれていたそうな。そんな方だけに、元気な姿を拝見した時には少し涙が…本当に、よくぞご無事で。
 
 馬券?私は「力一杯」ヴィクトワールピサの単勝。流石に厳しいとは思ったけれど、そこで買うのを止めるようじゃ駄目ですね。間違って勝ったら倒れちゃいます(笑)。負けたのは悔しいけれど、それが勝負ってモノだ。ただまあ、「私がゲーム系即売会との掛け持ちをすると、この馬は3着」ってジンクスが敗れたのはもったいない。
 
 買ったブエナビスタは見事の一言。ただ、むしろ感心したのはトーセンジョーダンの方か。最後ヘロヘロだったのに、2着死守したからなあ。「秋天レコード勝ちの反動が…」と言われていたけれど、よく頑張ったと思う。けれど、いかにも府中向きって雰囲気のある馬だけに、中山で行われる有馬記念では買いにくいかな。
 
 その後は新宿で飲み会。開始が6時と「競馬系飲み会にしては」遅かったので、「ゼロ次会で飲んでくる奴が出るだろ」とか笑っていたら、府中にある喫茶店に立ち寄るっていうツアー予定が元々組まれていた。何故喫茶店?そりゃまあ、我々の競馬仲間が店長だから。何故店長。なんかすごいな。
 
 その後は飲みながら馬鹿話。元々「あっぱー」とかいうギャグ系競馬投稿コーナー常連筋の集団なので、競馬絡みのアホ話は尽きない。今回集まった皆に比べれば、私なんて可愛いモノよ…すいません、つまらん見栄張りました(笑)。あまりに話が長引いたので、しあとりかる殿が「帰りの新幹線に間に合わないかも」って心配が…駅までの道案内が必要だろ、ってんで私が一緒にダッシュ。それはいいんだけど、私は最後までアルコールを注文し続けていたので、ダッシュしたら軽く目眩が。いやあ、オレも衰えたなあ…って、多分コレは年齢のせいじゃない。
 
 というわけで、とてつもなく濃い週末でした。しかし、なんで「絶対外せない用事」がバッティングするかなあ。今年はそーゆー年なのか?ま、来年のこの時期も同じコトやっていそうだけど、気にしないコトとしよう。

コメント

_ 寸志 ― 2011/11/30 22:44

今回GMに参加できなかったので現物を確認したわけではないのですが、公式ブログの紹介ではMONOEYEはAxis and Allied(3)で紹介されています。ゲーム名もしくは頒布もとが間違っていないかご確認ください。

_ F男 ― 2011/12/01 22:45

あり?と思って奥付を探したのですが、サークル名がありませんでした。整理の際間違った可能性があります。よって、一部修正しました。

_ manicure ― 2017/05/04 03:10

Great post.

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://fohpl.asablo.jp/blog/2011/11/30/6224050/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。