8月30日2011/08/31 01:10

 先日の豪雨により、モニターが水被って絶不調に。他も色々タイヘンだったので、更新が疎かに。まいったね。なお、モニターは一応「復活」したとみなしました。
 
 本当ならば競馬絡みで語ることがあるんだけど、それはもうしばらく封印。本日は、コマンド誌に出した「ハンガリー戦線1944-45」のルールに関する質問の内容と、その回答を細かく解説する。私個人の覚え書きに近いので、あまり深く気にしないように。疑問点は直接コマンド誌に問い合わせて下さい。
 
 記念すべきコマンド誌100号の付録ゲームとなったこのゲームだけど、ルールブックを一読しての感想は、「完成度が低い」。ここで言う完成度とは、ゲームそのものではなくルールブックに関するモノである。多分オリジナルからして完成度が低かったんだろうな。本来ならばそこをクリアしてから出して欲しかったんだけど、それは流石に高望みか。ま、この業界はそんなモノでしょ。
 
 特に気になったのは、機動攻撃(MA。ゲーマーにはオーバーランといった方が通りがいいと思う)とスタック制限の関係。正直、私はオーバーランとかMAって行為のルールが大嫌いである。行為そのものは好きでも嫌いでもないけど、それを説明したルールが嫌いなのだ。大抵の場合、なんか曖昧だから。特に、オーバーランを行う直前にスタック制限のルールを適用するのか、それともしないのか、極めて曖昧な場合が多い。これは、ゲーマー内に「スタック制限は適用しなくてイイ」って派と「スタック制限は適用される」って派の両方がいて、それぞれ自分が信じているモノこそが「常識」だと信じて疑っていないからではないかと思う。両方とも一定の勢力を持っていると推定される以上、常識でも何でもないっての。常に「このゲームでは、スタック制限違反となるようなヘクスからオーバーランをして良い/してはいけない」と明確に書いて欲しいものだ。
 
 その他諸々レアケースを承知の上で明確化を求めた所、いくつかルール改定が入った。フツーのゲーマーにはどーでもいい改訂だとは思うけど、私にとっては「デカい改訂」だ。そこでまあ、改訂のポイントを説明しようと思う。なお、この改訂はまだコマンド誌の公式サイトに掲載されていないけれど、そのうち掲載されると思う。「どーでもいい部分だから、質問してきた馬鹿に返事すれば足りる」ってな内容じゃないので。
 
 まず改訂その1。「あるヘクスにいるスタックが攻撃及びMAを行う場合、スタック制限内のユニットだけが攻撃・MAを行える」ってルールが追加された。ただし、防御の時のように追加損害や退却は存在しない。これは、「スタック制限違反解除したいんだけど、包囲されているので全く移動できないんですけれど」ってな場合のように、全くあり得ない話ではない。「規定がない以上、全ユニットが攻撃していいんだな?」って聞いたら改訂された。
 
 このルール、攻撃の時はあまり重要ではない。直前にある移動フェイズに「スタック制限違反を解消すべく努力しろという義務の規定」があるので、自発的にこういう状態にはなりそうもないから。むしろ重要なのはMAの場合。たとえばだ。増援・補充を登場させるRRWフェイズに、スタック制限違反となる数の独軍装甲をスタックさせる。ルールブックに堂々と「こーゆーコトやっていい」と書いてある行為だ。このスタックが丸ごと動いてMAを行うと宣言したら、どーなるのか?改訂前はフツーに全力攻撃できた気がするけれど、改訂によりそれは出来なくなった。
 
 ここから先は私の解釈。この改訂にもかかわらず、「巨大スタックMA」を宣言できるのか?一応できるんだと思う。MAに攻撃力を使用できないのにMAを行う移動コスト支払わされるので、お得じゃないけれど。ただ、こうしておくと複数回のMAを行う場合、2回目以降は最初のMAで損耗状態になった部隊を「今度はコイツがスタック制限外の部隊ね」と言って外し、「フレッシュな」部隊を使用できるんじゃないかと。そんなコトをする余裕がこのゲームの独軍にあるのかどうかはともかく、一応は「使える小技」かな。
 
 なお、「すでに移動済みのスタック制限一杯の友軍部隊がいるヘクスに部隊を新たに侵入させ、そこからMAして良いか」って疑問に関しては、「スタック制限内のユニットだけがMAを行うのであれば、問題なくできる」となった。そのMAで敵軍部隊を排除して前進を継続できるかどうかを問わず。これを使えば、実質的には「移動フェイズに故意にスタック制限違反のスタックを形成する」ことが可能である。形式的にはあくまで「移動する権利が強制的に失われたことによる現象」なので、任意の行動ではない点に注意。何の得があるのか不明なので、だからどーしたレベルの話ではあるけれど。
 
 あと、細かい明確化として「ユニットを動かす権利が与えられた場合、それを使ってスタック制限違反を解除する義務が生じる」とされた。これはあくまで「ユニットを動かす権利が与えられたならば」であり、その権利を獲得する義務まではない。どーゆーことか?つまりこーゆーことだ。スタック制限違反のスタックが戦闘後前進もしくは突破前進できるようになった場合、必ずそれを使ってスタック制限を解除するようにしなくてはならない。ただし、「必ず戦闘して、戦闘後前進できる機会を獲得すべく努力しろ」ってトコロまでは求めていない。あくまで戦闘参加は任意。後続突破の場合もコレに同じ。もっとも、ほぼあり得ない(一応理屈ではあり得る)けれどな。後続突破が可能な位置に制限に違反しているスタックがある場合、そのスタックの部隊を後続突破に指定する義務はないけれど、指定したらスタック制限を解除するよう部隊を動かす必要がある。
 
 なおこの解除義務、可能ならばとにかく最優先でそうする必要があるようだ。ということは、MA可能なユニットを含む制限違反のスタックは、MAを使ってスタック制限違反を解除する必要がある。比率問わず…どころか、「わざとバラバラにMAして戦闘比を下げ、ユニットを壊滅させることによりスタック制限違反を解除できるならば、そうする必要がある」くらい。この場合、「どう移動させるか」って部分に任意性が失われ、「とにかくスタック制限違反を解除しろ」って方向で移動を計画する義務が生じるのだと思われる。そこが「スタックオーバーMAしたら動けなくなっちゃいました。スタック制限違反だけど仕方ないよね」って場合との違いなのだろう。つまり、突破前進・後続突破を使ってMA可能な部隊を含むスタック制限違反のスタックをうまく包囲してやれば、相手は勝手に自殺してくれる。どんなに低い確率でも「MAかけまくって相手を除去し、そのヘクスへ移動することによりスタック制限違反を解除する」ことに失敗する可能性があるのなら、「確実に成功する自殺」が優先される。ただまあ、ある程度自殺した時点でスタック制限以内に収まるはずなので、ソコまで凶悪な手段ではない。
 
 更に細かい改訂。後続突破を行う場合、必ず突破前進が生じた防御側全滅ヘクスを通過しなければならないとあるけれど、これは間違い。「通過」じゃなくて「侵入」すればソレで足りる。後方にいる部隊を前線近くに持っていきたい場合、地味に重要かもね。あと、後続突破を行った部隊は「戦闘に参加した」とみなされると明確化された。そうしないと「連続して後続突破」ってな行為が可能になるので、妥当ではないかと。
 
 最後に、すげー重要な改訂を。ルールブックには、砲兵の攻撃参加の要件が抜け落ちています。「隣接してない場所を攻撃できそうなルールが何1つ無いのに、本誌掲載の例じゃ離れた場所を攻撃してる!どーなってるんだ!」と吼えたら改訂されました。当然だ当然。「いずれかの友軍ユニットとスタックしている、または隣接している砲兵は、その友軍ユニットが関与する戦闘(攻撃/防御どちらでも)に、砲兵戦闘力を加算する事ができます」と付け加えられた。「射程が2ヘクス」ってワケじゃないので注意。ついでに言うと、単純に「隣接しているユニットに戦闘力を加算できる」ってワケでもない。そう解釈すると、「砲兵と隣接しているヘクスにいる1戦力の部隊と、砲兵に隣接していないヘクスにいる9戦力の部隊が合同で攻撃する場合」、砲兵の攻撃力は1しか加算できないことになる。加算対象はあくまで「スタックまたは隣接しているユニットが関与している戦闘」なので、この場合10戦力まで加算できるはずだ。
 
 ルールの穴は、いつまで経っても無くならない。無くそうと日夜努力しているハズなんだけど、記念すべきコマンド誌100号の付録ゲームでコレだもんなあ…この雑誌が200号を迎えることが出来るかどうかは流石に断言できないけれど、その暁にはキチンとしたルールブックに仕上げてもらいたいものだ。まったくもう…

8月20日2011/08/20 23:18

 ヴィクトワールピサについては後日。なんつーか…今は色々言葉になりません。少し立ち直る時間を下さい。
 
 コミケ戦果、ゲーム編。分量が多くなりそうなので、独立させました。コマンド誌には絶対書かないことを中心にお届けします。と言っても、今回のレポートがコマンド誌に載ることはないから、そーゆーネタもここで扱うわけだけれど。なお今回は完全敬称略です。悪しからず。
 
 今回真っ先に紹介すべきは、2011(CM76-CM80)」(TNG 初日西つ-11a)かな。ゲーム(電源不要)のサークル配置データを紹介したもの。大半のゲーマーには無用の長物だけど、私のような「ちょっと特別な興味を持つ人間」にとっては有り難いシロモノ。個別のゲームを紹介する前に、全体を俯瞰する意味でこの本から入ってみた。ちなみに、CM76は一応私が「コミケレポート」なるものを最初に書いた回。それから今回のCM80 までのデータが掲載されている。どう考えてもマニアックなモノだけど、「一度はコマンド誌に載せてやる」と意気込んでいたんだけどなあ(笑)。
 
 この同人誌を見ればわかるんだけど、ゲーム(電源不要)の中のサブジャンルに、「SLG」というモノがある。にもかかわらず、実のところ「SLGを扱っているか否か」は、サブジャンルだけでは判断できない。例を出そう。今回のCM80において、サブジャンル「SLG」って区分で出展したサークルは8つとなっている。しかしながら、実際はもう少し多い。少なくとも「SLGamer」のさいたまオフラインが含まれていないのだから、「そーゆー分類をするのはF男だけ」って話ではなく、「実態と違う」と断言していいのでは。
 
 何故このような「食い違い」が生じるのか?単純に「実態に即している」かどうかで言えば、私の持っているデータの方だと思う。それが、「SLGがあるかも」ってだけでコミケ会場を飛び回っている人間の強みってことで。ただ、このやり方でゲーム(電源不要)全体を俯瞰するのは、ハッキリ言って不可能でしょ。私だってSLG限定という「ものすごく幅の狭い範囲」だから「足を使った取材」ができるのであって、よりサークル数の多いTRPGやカードゲーム等も含めてそれをやれって言われたら、逃げ出す。少なくとも依頼してきた奴に「公式の取材許可証もらってから来い!話はそれからだ。」と伝えるね。マジに。ちなみに、コマンド誌からそんなモノを支給された覚えはない。
 
 こういう食い違いがあったからと言って、買う側は別に問題ない…というワケでもない。これは推測だけど、コミケを主催する側が各サークルを「どのサブジャンルに分類しているのか」は、むしろ 「電源不要同人クロニクル」の持っているデータに近いと思われる。そのため、「他のSLG系サークルと離れた位置に配置された」とか、「他のSLG系サークルより当選確率がやたら低い」といった「ちょっとした不都合」が生じる可能性がある。これらは当然買い手にも色々影響してくるわけだ。
 
 実を言えばこの「サブジャンルの不一致」って現象については、以前から「どうもそーなっていそうだ」と推測はしていた。とはいえ、これは「マイナージャンル故の悲哀」とか、「各サークルの生き残り戦略」などが絡んだ結果こうなったと思われるので、今更是正もへったくれもないとは思う。ただ、似たような現象はゲームマーケットでは見られなかったことを考えると、「コミケという場でSLG系サークルが生き残ってゆく方法」なんてコトを考察しようと思ったら、それなりの意味を持ってくるのかも知れない。
 
 この問題に関しては、現状では「私の推測に対し、ある程度の裏付けが取れた」だけで満足しようと思う。主に私の好奇心を満足させるため、より細かい調査に挑戦するとは思うけど、せいぜいが「そういう機会があったら」って話になるかな。現状では何の役に立つのか、ハッキリしない問題に過ぎないし。
 
 とまあ、全体の傾向に関するお堅い話はここまでとしよう。お楽しみ?の個別紹介に行ってみよう。今回イチ押しは何と言っても「F-16ファイティングファルコン」でしょ!昔エポックの「シミュレーションゲーム入門2」についていた同ゲームが、「勝手に再版シリーズ」として復活だ。複数のサークルから「アレはいい」って趣旨のコメントを聞いたくらいだ。よくぞ再版してくれた。賞賛に値する。ちなみに発行はStudio Pirates、コミケでは東方大隊(初日西つー4b)。なお、東方大隊発行のAvalanche Press特集はまたもや完結せず…私は最後までつき合うので、頑張って下さい。今回はPanzer Grenadier編。あと、ソロ空戦ゲーム「Phantom Leader」のルール和訳もありました。
 
 今回色々お世話になったさいたまオフライン(初日西つ-5a)。「SLGamer」のvol.3が出ていました。精力的な活動は頭が下がります。今回の付録ゲームは「関ヶ原総進撃」。記事の特集も当然関ヶ原。ゲームだけじゃなくて記事もしっかりしているトコロは素晴らしいです。あと、ド硬派同人誌「The Last Stand」(コマンド誌に連載を持つ鈴木拓也氏の同人誌)も委託で出ていました。
 
 ハードなゲームが好みという方、Technical Term(初日西て-4b)のフリートシリーズは如何?今回は中東が舞台の「Arabistern Fleet」。ただ…実は中東の海軍って、弱小なトコロ中心なのよね。そこでマップを東方向に広く取って、インドVSパキスタンの戦いも扱っています。インド海軍の戦力は強力ですなあ。コレに対し、イラン海・空軍の戦力の弱いこと…「マトモに動くのか?」って疑問がある、革命前に買った航空機含めてコレだからなあ。なお、次回はイスラエル周辺を扱う予定で、今回のマップとの連結も視野に入れているとか。
 
 第二次大戦陸戦モノじゃなきゃつまらん?そんな方は商業誌だけ相手にしていれば…ってワケでもありません。2015年紀解読委員会(初日西て-3a)の「蕋江作戦」が二次大戦陸戦モノです。日本軍対重慶軍(国民党)だけど。ポイントトゥポイントシステムで、45年4月の支那派遣軍最後の攻勢作戦を扱っています。こういうテーマのゲームこそ、「ウォーゲーム日本史」の付録ゲームに…するわけないか(笑)。
 
 複数の同人サークルから「あのコンポーネントは凄い」という賞賛の声が聞かれた、マケドニア本舗(初日西て-3b)の「軍艦越後の戦いDX」。今回は追加ユニットが1シート分出ていました。本体をお持ちの方は是非入手したいところですね。
 
 後はSLGと言うよりは「境界のゲーム」になるのかな。とはいえ、そーゆーモノも積極的に取り上げるのが私のポリシー。このジャンルイチ押しは何と言っても「高速鉄道を埋めよう!」(芸無工房LOSERDOGS:初日西て-6a)…デザイナーズノート?にある「今は反省している」の一言が全てを言い表しています。このノリ、私は好きだな。
 
 昔懐かしタンクバスターのルールを使ったのが、「タンクバスターマクロス」(Gカンパニー:初日西つー3b)。何故マクロス。ただ、この手のゲームのネタは、ヤマト・ガンダム・マクロスが「3強」だと思う。作者の年代とか色々あるんだろうな。
 
 こういうモノも評価できる私でありたい。オペレーションミラージュ(初日西て-4a)の「とある爆撃機の尾部銃座」は、米軍のB-17を操って戦略爆撃を成功させる…ってゲーム。プレイヤーは全員同じ機体の乗員を操り、力を合わせて爆撃を成功させて帰還することを目指す…ってのがミソ。「野獣げぇまぁ」の徳岡氏が喜びそうなシステムじゃないかと。これもまた立派な「シミュレーションゲーム」だと思う。
 
 あと、油断しまくってサークル名が不明(奥付に書いてあるかと思ったら、何もなかった…)なんだけど、「宇宙戦艦ヤマトカードゲーム」なるものも入手。ネタがヤマトなので。プレイヤーはヤマト…ではなく、その敵役(苦笑)。「地球を攻撃したのはお前か!」てな理由で攻撃してくるヤマトを迎え撃ったり、言い訳して他人のトコロに行ってもらう…ってゲーム。ミョーなキャラ付けが楽しい。
 
 3日目のメカミリに居を構えていた、「みことが!命別館」(3日目東Y-46a)のゲームについても触れておきましょ。1人用の「レイテ湾の咆哮」「帝都大戦」ってゲームを出していました。まだルールブックも読んでいない(整理は色々タイヘンなんだよ)ので、どんなゲームなのかはよくわからん。一応「考える余地のあるスゴロク」らしい。
 
 あと、本来ならば?ココでの対象にならないゲームについても。イッシーサークル(初日西つ-19b)にて頒布されていた「まどか☆マギカ」のカードゲーム…も入手したんだけど、大事なのはそこで売られていたフォント。私がこみっく☆トレジャーで見かけた「不穏当屋」のフォント集があったのだ。くっ、もっと「宣伝」するんだった…
 
 とまあ、今回も多彩なモノが入手できました。「同人ウォーゲーム発表の場」を考えた場合、去年辺りからコミケよりもゲームマーケットの方が「適切な場」になってきている気がする。実際、「売り上げに関してはゲームマーケットの方が…」という話も聞いているし。ただ、だからって「ゲームマーケットがあればいい」って話になるワケじゃない。特に、関東圏以外に在住の方に行きやすいのはどちらかと言われれば、一応コミケの方ではないかと。また、同人ゲーム・ゲーム同人誌においても「美しいコンポーネント」は重要で、そういうモノを作る「才能」を持った奴はゲーマーであるよりヲタクである可能性の方が高い(あくまで私の印象だけど)以上、「イラスト及びコンポーネント制作で力貸してくれた人間のご機嫌取り」ってな理由でコミケに出る意義はあると思う(笑)。私としては、ヲタクとしてクソ忙しいコミケにおいて、ゲームを物色するのはタイヘンだという事情があるにもかかわらず、やはりコミケにも同人ゲームがあって欲しい。私自身は同人誌も同人ゲームも出す気がないけれど、それでも支援になりそうなことは続けていきたいな。
 
 なお、個人的事情により今回は「駆け足もいいところ」だったので、漏れは例によって山のようにあると思います。そーゆーもんだ。更に、商業誌掲載ならばもっと詳しく書くべきところを、しょせん私のブログだからって理由でかな~り手抜きでお送りしてます。悪しからず。

6月18日2011/06/18 23:35

 本来ならば日曜の報告を書かねばならないところだけど…と出だしは前回と一緒だけど、内容はより深刻。12日のレポートは無期延期します。現時点では完全なボツと同じだとお考え下さい。一部の方にとっては無茶苦茶な話だと思う(それだけのネタがある)けど、色んな意味でそれどころじゃない。ゲームマーケット2011(春)レポートがコマンド誌に掲載されないことが決まったので。ね?コッチの方が深刻でしょ。ついでにもう1つ深刻な話。このブログの更新もしばらく停止します。再開するつもりはあるけれど、現時点ではいつになるのかサッパリです。
 
 何故掲載されないのかについては、あまり語っても意味がない。一応私なりに「全力で抵抗」はしてみた。正直言って「向こうの言い分」には納得できていないけれど、「コッチの話は通じていないな」ってのはわかった。であるならば、無駄な議論を繰り返す意味は無い。私にはこの決断がゲーム界のためになるとは思えないけれど、決まった以上は私が間違っているコトを願うだけ。
 
 確かに、ある意味私の記事は「最も大切な役割」は終えていた。同人ウォーゲームが入手可能な、主要なる即売会は紹介し終えていたからね。元々の予定で言えば、その時点で終わりにするつもりだったし。ただ、やっているうちに「そこで終わりにするのは間違いだ」と思ったので、とにかく続けるつもりだったわけだ。そこを理解されなかったのは、流石に口惜しい。
 
 私の同人即売会レポートは、要は同人版の「新作ゲーム紹介」だと思ってやっていた。ネットが発達した昨今においては、新作ゲーム紹介の意義って薄れてきているとは思う。にもかかわらず何故この記事がコマンドにもGJにもデカい顔して掲載されているのかは、いちいち私が書かなくてもわかってもらえると思う。本来、その理屈は同人ゲームにも当てはまるはず…ってのが、私の言い分だ。その意味では、同人ゲームが「新作ゲーム紹介」にフツーに掲載されるようになった時が、私の記事の命数が尽きる時…と思っていた。
 
 そんな日が来るワケないって?いやいや、実はそうでもない。実際、GJだったと記憶しているけれど、「国内同人ゲーム」が掲載された例があるんだよ。GJに新作ゲーム紹介を書いているボードウォークさんに、委託販売って形で同人ゲームが入荷した関係上。単純に言って、「そこそこ売り上げのいい同人ゲームなら、気軽に委託販売する」って形が出来れば、そのゲームがフツーに新作ゲーム紹介記事に掲載される可能性はあるわけだ。
 
 ただ、現状そういう制度はあっても知名度は無きに等しい。ショップ側は「問い合わせればお応えする」と言うかも知れないけれど、そこでもらえる返事だけじゃ、同人側の決断を促すにはほど遠いと思われる。なにせ、「委託すればどれぐらい売れるのか?それはいちいち委託を依頼し、そのために生産量を増やす価値があるのか?」なんてわかりようがない。少なくとも、活用してみたサークル側の「ああだった、こうだった」って談話が知れ渡らないとお話にならないと思う。けれど、そんな話ドコで聞けと?そりゃあ「同人ゲーム出すなら、委託販売するのが当たり前」なんて時代は来ないと思う。いわゆるエロ同人誌でさえそうなっていないのだから。けれど、せめてもう少し普及してからじゃないと、市場の立ち上げすらままならないと思うのだけど。
 
 こんな時点で同人ゲーム紹介を打ち切るとは、要は「新作ゲーム紹介?ウチのサイトに新作ゲーム手広く扱っている店のサイトへのリンク貼ってあるから、そちらを利用して」と言うに等しい。それは間違いない。後は「それを承知の上で、新作同人ゲームを、貴重な誌面を割いてまで紹介する価値があるのかどうか」って部分だな。この価値観に重大なる相違がある以上、どーしよーもない。
 
 そうなると問題は、私の側が出す「次の一手」だ。これは…正直言おう。現時点では、私のブログ…つまりココで「新作同人ゲーム紹介」を本格的にやるつもりは無い。その価値がないから…ではない。ココは「そういう重大な話を背負えるような、責任あるサイトじゃない」からだ。考えても見て欲しい。このサイトは、別にゲーマー御用達ではない。ゲーム以外の話題も山ほど出てくる。「ソレが不満なゲーマーは読むな」ってのが、ココのポリシーだ。これはつまり、「別の話題の方が重要だと判断したら、その話題は放り出す」ってコトを意味する。実際問題、日程が被っているジャパンカップの結果・内容次第では、次回のゲームマーケット(秋)の話は3行で終わるだろう。冬のコミケに至っては、元々カレンダーの話題だらけでゲームの話は印象に残らないのがデフォルトだ。これじゃあ、「キチンとした」紹介記事は書けない。サイトが「扱うネタについては無責任」って運用姿勢なので、責任を持たせられない。
 
 それでも何とかしようと思ったら、サイトの運用方針を変えるしかない。それは正直イヤだ。それぐらいならばむしろ別のサイト(SNS含む)でやることになるだろう。ただ、そうすると話題の切り分けが…まあ、一応有力なのはSNS「MustAttack」かな。あーゆートコロならば、「年に数回、ゲーム系が充実している即売会があった直後」だけ更新しても問題は少なそうだし。ただ、そんなトコロにどれだけの宣伝効果があるって?ぶっちゃけ、そんな記事を見逃さずに読める環境にある人間って、大抵が「言われなくても同人ゲームをチェックしている」層が中心になる。言ってみれば「仲間内での情報交換」でしかない。
 
 ついでに言えば、こういった「サイトでの紹介」が、どれだけ同人の方々の士気向上に役立つのかも疑問。「貴重なる誌面」を割いているからこそ勇気づけられるのであって、無責任かつ無料のサイト関連でそれを期待できるか?私は無理だと思う。そりゃあ「無いよりはマシ」だろうけど、大きな違いがあると考えて良さそうだ。それが私の「紙媒体とネットの違い」論。根がアナログ人間なので、「今の紙媒体にそんな力はない」なんて意見には、悪いけれど同調できませんね。
 
 雑誌を移る?うーん…どうだろう。候補となりうるのってGJしかない(プランサンセットは不定期刊行なので、この手の記事には露骨に向かない)けれど、受け入れてくれる保証はゼロ。どころか…ある意味ではあそこがやっている「鈴木銀一郎杯」と真っ向対立するような企画なんだよな。どちらも「新規ゲームデザイナー支援」ではあるんだけど、手法が全く異なる。向こうは「上にいる人間を引き上げる」ことに主眼が置かれているので、ある意味差別化が重要である。私の方は「底辺の拡大」にしか興味がなく、差別化は原則やらない。キチンと連動させることは可能だと思う…どころかフツーに行われていると思うけれど、それは「企画した奴」が同じならば…って話じゃないか?目指す所は一緒だとしても、そのために有効な手法がどんなモノなのかは、私と大きく隔たっているような気がするんですけれど。
 
 いっそのこと同人誌出して…って手法も一応検討してみた。その同人誌を入手可能って時点で「黙っていても同人ゲーム買う奴」なんだから、無意味だけどね(笑)。というわけで、今の時点では「次の一手」ありません。何かしら思いつかないとなあ…とは思っているのだけど。
 
 もっとも、「今の時点で思いつかない」だけであって、何かしらやらなくちゃ…って必要性は理解しています。つーか、今更「やれることはありません。皆様さようなら」で片付けられるワケがない。「同人サークル振興」の面白さというかやり甲斐というか…を知っちゃったからなあ。自らにヘタレ認定出して身を引く…ってコトも当然考えたけれど、それは色々違うんじゃなかろーか。たとえその方が世のため人のため、同人ゲーム業界のため…だとしても、私自身がイヤだ。
 
 強いて言うなら、「タダの人」に成り下がった私を同人ゲームサークルの方々はどう受け入れてくれるのか…ってコトが気になるくらいだけど、一応「肩書きだけの付き合い」にはなってないと思うな。肩書きを超えた人間関係を構築する覚悟もナシに、その人が作った作品紹介しようとは思わない。私はその覚悟を持ってサークルの方々と接してきたし、それはある程度伝わっていると思いたい。ただまあ、人間関係ってのは常に相手方あっての話なので、私の思い込みだけで行動するワケにはいかんのよね。とりあえず、一緒にお茶飲むくらいはしてくれると有り難いかな。
 
 ただまあ、コレで私の気力に影響がないと思われても困る。当然相応にへこんでいます。ただでさえ気力充実させないと原稿書けなかったのに。即売会で生命力削りまくるので、燃え尽きそうになるのを食い止めるのは楽じゃないのよ。つーわけで、即売会レポートは発表中止。ついでに「書きたいこと」が出るまで、このブログもメインの更新を停止します。今の気力じゃ、「義務感」だけでの更新になりそうなので。一応「スパム除去」に代表されるコメント整理・対応はサボらないつもりですし、遅くとも秋競馬の頃には復帰できるでしょう。長い休みだなあ(苦笑)。休止したら読者いなくなりそうではあるけれど、元々「誰も読まない」って想定のブログだからなあ。
 
 つーわけで皆様、しばしのお別れです。「実生活」での活動に支障はないはずなので、何かありましたらソッチの方で。

5月22日2011/05/23 01:37

 本日の話題は、昨日プレイした「日露大戦」関連で。お試しプレイをする機会があったので。
 
 「日露大戦」は、国際通信社から出る予定の「ウォーゲームハンドブック2011」に付くゲーム。テーマは日露戦争。システム的には、フツーのウォーゲームにカードプレイが付属しているってモノ。とりあえず「No Retreat!」に近いと思う。この辺はコマンド誌公式ブログに掲載されているので、まあ語っても問題はないかと。
 
 最初の対戦相手はDASREICH殿。公式テストプレイヤーの1人。とりあえず露軍を担当し、アッサリ敗北。ただ、これは「技量の差」「このゲームの経験の差」だけが主な敗因ではなかった。ハッキリ言って、運が悪かった。
 
 運のせいにするなって?言いたいコトはわかる。でも、ウォーゲームの技量ってモノの1つに「運のコントロール」があることも事実ではないかと。ダイス目だろーがカードだろーが、「手痛い結果」を喰らうなんて良くある話。それ自体は運に依存する問題だ。けれど、上級者は多少の不運では揺らぎようがなく、反対に幸運に恵まれた際には一気に戦果を拡大できるだけの体制を築いてから、運に身をゆだねる。ゲームの展開も良くわからんのに、不運という隙を見せてしまって、それでDASREICH殿に勝てるとでも?
 
 問題はその後だ。私はあろうことか「こういう形で負けてラッキーだった」などと考えていた。運が悪かったから負けただけだ、オレは悪くない…と考えたからではない。この不運のおかげで「まずこうならないようにプレイしなくちゃ駄目なんだな」って問題点がハッキリしたからだ。序盤の露軍が抱えている問題点がドコにあり、それを解決するためどんな考え方が必要なのか…これを浮き彫りにするような形で不運が炸裂し、そこをDASREICH日本軍に突かれて負けた。ならば、次からはその問題点をなるべく解決するように努力すればいい。
 
 その問題点とは?発売前のゲームだけにあまり細かいことは書けないけれど、ある意味では「日露戦争」(EP/CMJ)と共通する問題だから、少しだけ書いてしまおう。「部隊不足」である。部隊が揃わないから、戦線の形が整わない。当然、その隙を突いて日本軍が攻撃してきて、部隊が減る。そうなるとまた部隊が不足して…「日露戦争」における、露軍の典型的負けパターンだ。こうならないためにどーすりゃいいのか…というより、「ルールを改変する」以外にこうならない方法って何かあるのか?ってのが「日露戦争」だ。ちなみに、MMP(米国のゲーム会社。「日露戦争」をライセンス生産した)が出した版では大規模なルール改変が行われ、増援の展開が早くなった。そのためとりあえず「日本軍圧倒的有利」から「一応露軍有利」ってなバランスになったのでは?と言われている。あのゲームの猛者連がそう断言しておられるのを聞いたことがある。
 
 日露戦争における序盤の露軍は、とにかく部隊を揃えないとお話にならない…そうじゃない「日露戦争をテーマにしたゲーム」ってあるのか?とりあえず「日露戦争」をプレイすれば、誰だってすぐ理解できる。問題は「そのためにどーすりゃいいのか」だ。漫然と部隊集めて漫然と前線に送るだけじゃ、各個撃破される。それを防ぐために必要なのは、計画的な戦線の構築である。そのためには具体的に何をどうする必要があるのか?こういったことが最初のプレイでハッキリしたのだ。負けて当然の初プレイでここまでわかったのだから、「ラッキー」と思うのは当然じゃないか?
 
 しかし…その後3回ほど相手を変えて戦った感想は、「やはり何か間違っていたかも知れない」というもの。自分が考えたような展開になってくれないのだ。何がどう違うのかは…ちょっと書かない方が良さそうだなあ。ここは多分「デザイナーが考えた罠」に関連する部分だと思うので。
 
 もっとも、「何か違う」最大の理由は、私自身のアホな性格にある。少しだけ書くと、つい「遠大なる目標」目指して無茶をやってしまうのだ。もっと手堅くプレイしなきゃ駄目だろ!と思いつつ、美味しそうなエサを見つけると誘惑に負けてパクっと…日露戦争どころかその後の史実も知ってる私としては、「タンネンベルグを忘れたのか!41年冬期反攻・第3次ハリコフ戦の悲劇を繰り返すな!」と自省しようと思うんだけど、ついつい「ウラー!」と叫んで突撃しちゃうんですよ…まあ、ある意味露助らしいんだけどね(苦笑)。
 
 なお、諸般の事情はあるんだけど、4回もプレイしていながら、日本軍を1度もやっていない。そのため、「まだよくわかっていない」部分が大量にあるような気がする。ただまあ、仮に「あまり経験のない方相手にインストプレイ」するのなら、露軍を担当するのが一般的だと思うので、とりあえずインストしてくれと言われても対応できるのかなと。とはいえ、もし本当にインストやるなら、色んな意味で「凶暴な露軍」は止めた方が良いような…あの無茶な反撃を「普通のプレイ」だと思われたら困る。実際、最後は大逆襲喰らって負けた(元々内心恐れていたんだけど、一生懸命誤魔化していた)からなあ。「こう戦っちゃイケナイ」って見本を示してどーすんだ。
 
 とりあえず、最後はゲームを褒めて締めよう。全体の雰囲気は「日露戦争」に近いけれど、1)移動力が小さいので、移動可能範囲を把握しやすい、2)面倒なルールは基本的にカードに落とし込んである、という点からより初心者向きで、それでいながら1)「日露戦争」並みに作戦のグランドデザインが問われる、2)多彩な展開への対応力が問われる、という意味ではベテランでも楽しめる…という好ゲームじゃないかと思います。運・不運の要素が大きめなのは確かだけど、ここに罠がありましてね。ベテランでも数回プレイしないと「このゲームにおける不運とは何か」がわかりにくいんじゃないかなあ。そこを勘違いしたままプレイすると、ロクなことにならないような。私は幸運にも最初のプレイでそいつに遭遇したので、「大事なツボの1つ」は把握できた気がする。もっとも、それだけで勝てるほど甘いゲームじゃない。
 
 このゲームが初売りされる予定のゲームマーケット2011(春)は6/12(日)。カタログをチェックしたところ、ウォーゲーム系サークルも数多く出展しているようだ。同人ウォーゲーム&それを扱っている即売会を盛り上げよう!てな目的で取材して原稿書いている私としては、とても嬉しい。ウォーゲームに興味がある方(ベテランから初心者まで)なら、訪れる価値はあると思います。私も取材と称して会場を飛び回っているはずなので、できれば会場でお会いしたいですね。できればそこで「日露大戦」なんぞプレイ…したいけれど、そんな余裕あるかオレ?いつものよーにテンパって会場内かけずり回っているような…

5月9日2011/05/09 22:51

 久々の更新である。やっとこさ更新可能な精神状態に戻った。何故今まで更新不能だったのか、復帰できた理由は何なのか、その辺も含めて語ってみます。
 
 コトのキッカケは4月上旬の「気力減退」。誰にでもありがちな「何となく気分が憂鬱」って状態に加え、季節の変わり目特有の体調不良と震災対策から来るイライラが重なったもの。加えてレーヴディソールがリタイアしたとか、リフトザウイングスが走らないとか(苦笑)。これだけでもちとキツい。でも、これは今回の「主要因」ではない。
 
 他の時期だったら、「まあ更新滞っちゃったよね」程度で済んだと思う。問題は、本来ならば面倒な作業を行わなければならないこの時期に、それが不能になるほど気力が減退したことにある。その結果、負のスパイラル発生。作業したくても気力が湧かない→自己嫌悪から落ち込む→気力減少→作業したくても気力が湧かない…という状態に陥った。
 
 この面倒な作業とは?ゲームマーケット2011(春)後に予定していた、「ウォーゲーム系サークル合同お茶会」(仮称)の招待状発送である。私の個人的都合その他から「ウォーゲーム系のサークルの連絡・協力が緊密になれば、便利じゃないだろうか?」と思っていたので、春のゲームマーケットの後に「打ち上げのお茶会」でもやろうかと思って。そんなコトを考え、実行しようとする馬鹿はこの世で私だけに決まっている(そうじゃないというのなら名乗り出て欲しい)から、私が仕事しないと話が進まない。
 
 この話は既に一部の方々には「こーゆーことをやろうと企画しているんですけれど」って連絡をしていて、まあ開催しても大きな問題は無さそうだという感触を得ている。予定では4月上旬に招待状発送(第1次)し、大まかな参加人数を見て会場決定(浅草近辺の喫茶店ってのは決まっているけど)してそれを通知、ゲームマーケット参加サークルの確定後に追加の招待状発送して、後は当日集まる…なんて「予定表」は出来上がっていた。
 
 しかし、私の気力減退により予定は遅れまくり。申し訳なくて気力がモリモリ減退。流石にそろそろ「気力減退を理由に中止宣言」出そうかなと思っていたんだけど、そうしなくちゃならないのかって考えてまた欝に落ち込む…って状態になっていたわけだ。
 
 この気力減退は今でも続いているんだけど、そこから「強引に復帰」することにしました。そのキッカケは…なんというか、かなりしょーもない理由である。気力減退しているとは言え、引き籠もり状態になるほどじゃない。5日には同人誌即売会「コミティア」に同人便せん漁りに出掛けたんですよ。もちろん、完全に「個人的趣味」の関係で。
 
 私は一応「即売会取材」を「仕事」にしている。一応はソレで原稿料と称するモノもらっているんだから、仕事と言っても差し支え無いと思う。けれど、言うまでもなく取材対象は「ウォーゲーム系」限定の話。コミティアにそんな存在はいない…そう思っていた。まあ、ゲーム売ってるトコロを見かけたら「下取材」モードに入るけど。ただ、オリジナル創作マンガ同人誌中心のコミティアに、そんなサークルはあまりいないはず。ウォーゲーム系に至ってはいるはずねえ…そう思っていたんですよ。
 
 ココまで書けば、オチはわかりますね。あったんですよ。ウォーゲームが。未完成品で、同人誌のオマケとしてマップだけ配布って状態だったけれど。即座に「コミケかゲームマーケットに出る予定はあるんですか?」と質問。自分でも驚くほどキツい声が出た。どこぞの事業仕分けとやらで出た「何故1位じゃなきゃ駄目なんですか?2位じゃ駄目なんですか?」って発言に匹敵したんじゃ。
 
 ここで「コミケには参加します」「ゲームマーケットでは完成品を…」って返ってきたならば、思いっきり取材対象なのでライターだと名乗る。そうじゃなければ、取材対象とは言い難い(ブログでは報告するけど、これは仕事じゃないでしょ)ので、ライターだと名乗ることはしない…ってのが、私の基本的な姿勢だ。けど、かな~りキツい声が出た関係上、向こうはなんか戸惑い気味。その辺の事情を説明しようと思ったら…面倒になったので、「コマンド誌で即売会取材やってるライターだ!」と名乗りました。正直、あまり軽々しく名乗りたくはなかったんだけど。
 
 聞けば、ゲームマーケットにもコミケにも参加申し込みはしておらず、完成品を頒布するのは次回のコミティアの予定だとか…色んな意味でどーしろと。カードゲームとかならともかく、ヘクスマップとCRT(マップに印刷してあった)を使うゲームを「紹介したくてもできないなあ。ブログで報告だけすればいいか、わっはっは…」で片付けられるような私じゃない。流石に激しく動揺したので、必要な取材(何故よりによってコミティアでウォーゲーム売っているのかとか、普段ウォーゲームをどんな環境で遊んでいるんだとか)すらやってない。これはつまり、私に次回のコミティアも忘れず参加しろと。そりゃまあ、おそらく参加するんだけどさあ。コマンド誌への掲載は…多分コミケ取材とセットにするんだろうな。何を取材して何を掲載するのかは、基本的には私の裁量次第(分量の関係などから削られることもあるけれど)だからして。
 
 ちなみにゲームのテーマは、米海兵隊のタラワ上陸作戦。渋いねえ。一般論として、こういった「狭い島の戦い」は作戦的面白さは追求しにくいと思う(コマンド誌96号掲載「INVASION : Peal Harbor」ゲーム紹介を参照)けれど、だからどーした。私は基本的に「良い面しか見ない」ようにしている。私は基本的に「紹介する」のがメインの仕事であって、それが面白いかどうかは、実際買ってから自分自身で判断して下さい…って姿勢でイイと割り切っているからね。タラワ上陸作戦が何故「ブラッディタラワ」と呼ばれたのか、その過程と仕組みをゲームって形で検証できる…ってだけで、一定の価値はあるはずだ。商業作品ならプラスαを求めたくもなるけれど、それはあくまで私の個人的嗜好。「なるようにしかならないのがイイ」って意見もよくあるこの業界においては、商業作品についても「ソレはソレで良し」とする方は多いと思う。批判を展開したければ「立ち位置」を明確化してから行うべきで、私の記事はそれに必要な分量などあるわけない(記事の性質上、当然だ)のだから、良い点だけ見ればいい。
 
 しかしだねえ。よりによってコミティアで「バリバリのウォーゲーム」見かけた衝撃は大きい。かなり規模の大きい即売会(今回は3,000サークルくらい)だから「何があっても不思議じゃない」とはいえ、性質考えたら「ウォーゲームは売っていそうもない」即売会なんですけど。これはつまり、「ある即売会にウォーゲームがあるかどうかは、行って探してからじゃないとわからない」ということに。テーブルゲームやカードゲームも含めて考えれば、オンリー系(ジャンル縛りのある即売会)でさえ油断はできない。かといって、いくら私でも「日本全国全ての即売会」を行脚するのは無理だ。それは「即売会批評同人誌」なるモノ(あるんだよ)を作っているサークルですら無理なのに。
 
 そうやって考えると、やはり「ウォーゲーム系のサークル」の連携を呼びかけ、情報収集に協力してもらいたい。「同人誌即売会に出入りするウォーゲーマー」なんて限られている以上、「一般的なゲーマーよりは同人誌に興味がある」と判断できる「サークルを持っている方々」の協力が得られれば、多少違うのでは。また、こういうサークルが連携しているってことが広まれば、「宣伝も兼ねて、即売会に出る時は連絡してくれる」ようになるかも。
 
 こういった集まりは、ネット上でだけやればいい?理屈だけ言えばね。ただ、コミュニケーションの基本は「実際顔を合わせること」だ。コレをやっておいた方が、ネット上の連絡などもより円滑になりやすい。少なくとも、私はかな~りアナログ人間なので、ネット上で全て解決しようってコトは無理。リアルが欲しい。そーゆー人間だからこそ即売会に出入りしていて、その経験・知識があるからこんな仕事引き受けた(一応立候補だけどね)のだから、なおさらだ。
 
 つーわけで、ここで頑張って招待状発送しないと「とにかく自分のためにならない」ってコトが再確認できた(改めて思い知らされた)ので、強引に回復。ついで?にブログ更新も再開。いつまでもヘコんでいるんじゃねえ!ってことだね。
 
 しかし…あえて言おう。言っても無駄だとわかっていながら、あえて言わせてもらおう。「なんでオレがこんなコトしなくちゃいけないんだ!」と。他にこーゆーコトやろうとする方がいれば、私がやる必要は無い。その必要があると思っているのは、この広い日本…の中の狭い狭いウォーゲーム業界では、私だけってコトなんだろうな。なんというか、もっと「一般的なウォーゲーマー」になろうと努力した方が良いのかな?ただまあ、ソレを言い出したら「春の天皇賞的中させたので、山ほど便せん買えると意気込んで同人誌即売会に出掛けていき、そこでウォーゲーム見かけて大騒ぎする」という私のライフスタイル全てが否定されることになるわけだけど…

3月30日2011/03/31 01:52

 レーヴディソール、故障発生につき春全休…それを覚悟して獲得した馬とはいえ、流石に残念だ。ふ、これで悲願の「POG初優勝」も夢と消えたか…しくしく。来年度頑張ろう。
 
 本日の話題は、日曜の話。ロシキャンで軍神にボコボコにされた…のは、いつものことだから気にしない。もう少し研究しないとなあ。「マーチャントオブヴィーナス」で勝利できたのは珍しいけど、これもここで語るほどでは…それはさておき、珍しいコトがあったんでね。
 
 珍しいコトとは?「初心者の参加」である。ming_exe殿とweed殿という「ウォーゲーム初心者」の方が参加しておられたのだ。一昔前に比べれば「存在はしている」という情報を聞くようになったとは言え、今なおかなり珍しい存在だってのが「この世界の初心者」だからなあ。少し感心してしまいました。
 
 例会後の食事会にも参加していただけたので、色々話を聞き出してみた。お二人は大学の先輩後輩関係だそうな。年齢は「さほど若くはないけれど、業界平均よりは遙かに下」としておこう。大学生時代には、既にウォーゲームは下火だったそうな。そのため昔はこの趣味のことを知らなかったけど、比較的最近になってGJ誌などを買い求め、「面白そうだ」ってんでゲームサークルへの参加を考え、検索した結果Middle-Earth東京支部に足を運んだのだとか。
 
 どの辺をキッカケとしてこの趣味に興味を持ったのか聞いてみたところ、どうやらPCゲームやドイツゲームといった「ゲームに対する興味」が主要なキッカケらしい。ただ、歴史に対する興味もおありのようで、日本の戦国時代には興味があるそうな。もっとも、「歴史小説大好きです」「大河ドラマを熱心に見ていました」というほどではなく、おそらくはゲームを通して興味を持ちました…って感じ。世界史モノは「説明抜きに南北戦争って名前を出して、どの戦争のことかわかっていた」って時点でそれなりではあるようだけど、一般教養の域は出ない(別に悪いコトではない。イジョーなのはゲーマーだ)と思われる。
 
 参加されたと言っても、とりあえずはお二人でGJ付録の「関ヶ原大作戦」をプレイされていた。いくら何でも、いきなり見ず知らずの人間とプレイってのはハードルが高かったかな?とはいえ、会に悪い印象は持たなかったようなので、次回以降機会があれば他の方とプレイしていただけるのでは。少なくとも私はそう感じましたね。良かった良かった。
 
 一部では「レベルが高い」「敷居が高い」といった印象を持たれているらしいMiddle-Earth東京支部だけど、実態はそんなコトはない…と思う。私ごときヘタレが堂々と参加していることだし。盤上では容赦ない(これは「手加減が下手」と考えて良い)人間が多い(私も含まれるんだろな…)気はするけれど、フツーに会話する分にはフレンドリーな方が多く、初心者の方が顔を出しても問題はないと思う…一応。実例が少ないので、流石に自信はないけど。
 
 このような初心者の方を迎え、会として何か特別な対応を取ったのか?一応そうしたと言えるのかな。支部長の<麿>殿がお二人の横で色々指南しながらプレイしていたみたいなので。こういう「色々口を出す観戦武官」は、Middle-Earth東京支部ではそう珍しくない。私もよくやるし。だから、特別と言えば特別だけど、いつも通りと言えばいつも通りでもあるのかな。ちなみに、具体的な指南内容は知らない。「キエフを確実に陥とさなきゃイケナイ独軍」に慣れてない(実は2になってからあんまりプレイしていないので、つい無視してモスクワ・レニングラードに向かいたくなっちゃうのよね)ので、結構必死だったからなあ(笑)。
 
 私は正直言って、初心者の方を相手にするのは苦手だと思う。ほとんど経験がないからだ。私がゲーマーになったのは、ブームの後半になってから。しかも「下手の横好き」だったので、自分と同等かそれ以上の方ばかり相手にしていた。今でも下手の横好きであり続けているので、この状態はあんまり変わっていない。こんな私が、貴重極まりない初心者の方を相手にしていいのか?って思いはあったりする。
 
 ただまあ、これは私が今まで「様々な方々に色んな教えを受けてきた」証であり、本来ならばその恩返しとして、私も初心者の方を導いていかなくちゃイケナイんだとは思う。幸い今は情報化社会、「私はこうしました」「こうすればいいんじゃないか」ってノウハウはある程度得られるし、私も一応色々教えられてきた経験がある。今回はお相手できなかったけれど、機会があったら勇気を出して?お相手してみたい。
 
 私が初心者の頃は、結構大胆に色んなゲーム会に顔を出していた。友人と一緒だったこともあるけれど、単独ってコトも多かったなあ。そんでもって他人のプレイを観察し、時々下らない質問なんぞしていた。そうやっていると「やってみませんか?」って誘っていただけるし、そうじゃなくても勉強にはなる。そういう度胸だけは昔からあったんだよな。色々失敗もあった気はするけれど、対戦相手が重要なこの世界で今でも私は「生き残って」いるんだから、そう間違ったやり方ではなかったのでは。
 
 この業界、初心者の方は「業界の宝」である。なにせ存在が少ない。それだけに、継続的にこの趣味で遊んでくれるよう、上手く「育てて」いきたいものだ。今までは身近にそんな方がいなかったので、遠慮無く「お任せします」と言えた。けれど、今後は少し事情が異なるようだ。あまり身構えても逆効果だろうけど、ある程度は意識して、今後「ウォーゲームは楽しいなあ」と思っていただけるようにしないとね。
 
 そのため必要なモノの1つに、「観て楽しいプレイが出来るようになる」ってのがあると思うんだけど…くそう、いくら軍神相手とは言え、アレはない。露骨に研究不足をさらけ出してしまった。やっぱりキエフを陥とす必要がなかった頃の記憶だけで戦うのは限界がある。もっと勉強しないと駄目でしょ…ブツブツ…

3月8日2011/03/09 00:42

 日曜はMiddle-Earth東京支部例会。コマンド誌最新作「コルスン」を。面白いゲームではあるけれど、ユニットさばきがどうこうってゲームなので、キチンとした研究抜きにココで語るのはちょっと難しい。よってこの話題はパス。また後日取り上げたい。
 
 本日の話題は、昨日の「更新失敗」の派生ネタ。昨日のネタは諸般の事情により完全放棄されたのだけど、この部分だけは活かせるかなと思って。題して、「アナログゲームはデジタルゲームのドコを学ぶべきか?」。
 
 コマンド誌96号「PC SIMULATION GAMERS」内に「デジタルゲームの開発者たちは、アナログゲームを研究することで自分たちのゲームをもっと面白くできると感じていて、それを実践している。では、アナログゲームはどうだろう?」という記述がある。アナログゲームもデジタルゲームから学ぶべき、ということだね。これはこれで鋭い指摘だとは思う。
 
 しかしだ。元から抽象化されているモノ(ドイツゲーム含む)ならともかく、かなり具象寄りのSLGの場合、デジタルゲームから学べと言われてもなあ…って話があるのは事実。これはボードゲームが優れているから…ではない。単純に「具象化すれば良いんでしょ」って思想でデザインした場合、ボードではPC(コンシューマー含む)に勝てるワケがない。「搭載できるパラメーター」の量が違うからだ。
 
 そりゃあね、空戦ゲームや戦車戦ゲームなんかで「データカードを別に付け、精一杯パラメーター詰め込んでみました」ってゲームがあることは認める。けれど、そうやってパラメーターを詰め込むと、処理速度が滅茶苦茶落ちる。コレに対し、PCではその辺はほとんど苦にしない。PCの得意分野である「単純計算の処理」が重要な要素で、人力が勝てるワケがない。「空戦ゲームはフライトシムに勝てない」と言われちゃう(あくまで「言われちゃう」なので注意)理由の大半は、この辺にある。
 
 他方、人間が得意な分野においては、PCゲームは「クソ」である。いわゆる思考ルーチンについては多少発達しているはずなんだけど、「だからどーした」レベル。チェスや将棋の思考ルーチンは発達しているけれど、「他のゲームに応用」できるとは…結果、いわゆるPC系の「SLGっぽいもの」、たとえばタクティカル系の戦闘システムを持つRPGなんかは、「PCが卑怯なだけ」って方法でバランス調整するしかない。
 
 その結果として、PCのSLGとボードのSLGは「似てはいるけれど、内実は完全な別物」になっている…ってのが、私の意見だ。PCのSLG(フライトシムやタクティカル系RPG含む)にはボードSLGにある魅力がスッパリ欠けていて、代わりに別の魅力が詰め込まれている。比較は一応出来るけれど、楽な作業ではないと思う。
 
 じゃあ、何故デジタルゲームはアナログゲームを学ぶのか?そりゃあね、「抽象化」が進んでいるのはアナログゲームだから。実のところ、「ひたすら具象を追求してゆく」って作業は、どこかで不毛になってゆくんだな。そのため、「実は抽象的処理なんだけど、具象的な雰囲気を感じさせる」処理を選択する方が正解となることが多い。そういう分野に関しては、「圧倒的な計算処理速度に頼ることが出来ない」世界の方が発達している。だからデジタルゲームはボードゲームに学ぶ余地がある。
 
 それに対し、PC系ゲームの得意分野は、ボードゲームに応用は出来ない。計算処理速度が桁違いだし、グラフィック上の制約も比較にならんので応用は難しい。せいぜいが「ハリガネ弁当箱じゃなくて線画を使う」くらいだけど、それすら「ユニットが多数出てくると、ハリガネ弁当箱の方が目に優しくていいんじゃあ!」って意見が出るレベルだ。
 
 私は別に「アナログゲームは出来たるゲームに学ぶ必要は無い」と言いたいワケじゃない。学ぶべき点は色々あると思う。けれど、それは「専門家」(デザイナーとか批評家とか)レベルの話であって、その領域に達してない大多数の人間(私も含まれる)にとっては、まだ実感しにくいのでは。そう思うな。
 
 余談だけど、「本質的にはアナログでもデジタルでも当てはまる」問題をアナログゲームがデジタルゲームから学ぶ…ってコトはあると思う。市場規模の関係上、デジタルゲームは色んな作品が出るからね。ちなみに、デジタルの名作ゲームの要素をアナログが組み込むのは色々難しいかも知れないけれど、デジタルのクソゲーが何故クソなのかは、アナログゲームにもかなりの部分当てはまると思う。だから、デジタルのクソゲーウォッチングは止められない…
 
 しかしだ。私が思うに、1つだけ「デジタルゲームのこういう部分は、アナログゲームも取り込めるのでは?そうした方が良いのでは?」って部分があるような気がする。それは、チュートリアルというか、ゲームの動かし方を理解させる方法だ。要は、そのゲームの初心者(そのゲーム初プレイであれば、ベテランゲーマーも当てはまる)に、ルールやら定石やらを教える「方法論」である。
 
 ボードSLGのルールは難しい、それがこの趣味の欠陥だ…というのは、昔々から言い尽くされている議論である。それを何とかするために、ルールを簡単にしてみましょう…って意見はたまに出てくるけれど、「複雑だったら教え方を何とかした方がいいんじゃね?」って意見はあまり聞かない。ごく希にそういう意見が出ても、「良い方法がない」で終わっちゃうような気はする。
 
 でも、よく考えてみると、コンシューマーRPGの戦闘に関する「ルール」だって、実はかなり複雑である。昔懐かし「ウィザードリィ」レベルでさえ、結構細かい。アレをボードSLGよろしく「紙に書かれたルールブック」で表現しようとするとどうなるのかは、とりあえずD&D初版の「戦闘に関するルールの分量」が参考になる。より詳しいモノを知りたければ、テーブルトーク版ウィザードリィってものが昔あったので、それを探して引っ張り出すといい。
 
 単純比較できないにしても、デジタルの世界では「わからないけれどとにかくやってみて、そのうち学習してゆく」って手法が当たり前であり、うまく機能している。コレに対し、アナログの世界は「ルール読んできて当たり前、全部理解できて当たり前、定石を聞くなんて論外」って「突き放した」環境でルール習得するのが常識だ、と主張する人間が少なくない。この差はかなり大きいと思うな。
 
 そりゃあね、ベテラン・古参は「そうやって」ルールを覚えてきたし、今でも「結局はそれしか方法がない」とは思う。でも、古参同士ならともかく、「古参が初心者を相手にする」場合もソレでいいのか?もっと別の方法があるのでは?って気はするかな。でも、具体的にどうすればよいのかは、ほとんど研究されていない。
 
 それを考えると、せめて「研究するための場」が欲しいんだけど、今のところそれすらロクに…この手法は「面白いゲームを世に広め、対戦相手を増やす方法」として応用可能じゃないかと思われるのだから、「そんな場はいらない」って主張は、流石に視野が狭いと思うんだけどなあ…やっぱりこの業界、マンパワーが足らないよ。色々と。
 
 まあ、かく言う私自身、そんな場を作ることなんてできるワケがない。けれど、「こういうモノが無いのは残念だ、だったら自分で作っちゃえ」なんてコトは、なかなかできないよ。例外は即売会レポートぐらい(苦笑)。これだって最初は「こういう条件が必要だ。そんな条件はF男個人で用意できるワケが…」と考えたんだけど、よく考えたら「無理ってレベルじゃないじゃん」と気がついちゃったのでこうなっただけの話。例外と考えて下さい。
 
 自分で出来ない以上、私に出来るのは、せいぜい「世に提唱してみて、同志が得られるなど条件が変わるようなら、そこで色々考える」くらい。だから、今まで長々と語ってきたわけだ。私がどうこうじゃなく、なんか心に引っかかるモノがあったならば、ささやかでいいから行動に移してくれると助かるかな。私は楽できるので(苦笑)。
 
 最後に1つ。ベテラン同士の場合、「突き放した」環境でもルール理解できるのが「当たり前」だって意見はむしろ当然であり、それを可能にするための「親切なルールブック」なるものの追求は、今後も続けるべきです。ダメダメなルールブックを救済するためにこんな提唱しているワケじゃありません。むしろ私の関心はソッチの方に…何でも、「DUEL of the GIANT」のルールブックがヒドいんだって?それは一度じっくり向かい合う必要がありそうだなあ…ブツブツ…

2月28日2011/03/01 00:24

 本日はちょっと特別な更新。以前回答した「ボードゲーマーに100の質問」のSLGゲーマー版が出たので、それに回答。なお、以前と違い「SLGに特化して」回答します。重複する質問・回答については省略しました。
 
Q1:シミュレーションゲームにハマった(ウォーゲーマーになった)のはいつごろですか?
 やはり中3。
 
Q2:ハマるきっかけになったゲームは何ですか?
 「ハマるキッカケ」だとEP「日露戦争」だと思う
 
Q3:どのようなタイプのゲームが好きですか?
 比較的自由度が高いゲームが好みです。
 
(Q4~Q8省略)
 
Q9:マイベストゲームは何ですか?
 現時点では、「強いて言うならヒトラー電撃戦?」となるかな。
 
Q10:これまで回数を一番多くプレイしたゲームは何ですか?
 多分EP/国通「日露戦争」。
 
Q11:好きなゲームデザイナー、ライターは誰ですか?
 ライターだと鹿内靖・柿崎唯って名前が出る。柿崎氏はデザイナーでもあるけれど…
 
(Q12省略)
 
Q13:好きなゲーム専門誌(過去・海外含む)はありますか?
 「シミュレイター」派です。
 
(Q14~Q15省略)
 
Q16:一番古いゲーム仲間とはどれぐらいの付き合いがありますか?
 25年くらい。
 
Q17:現近代の題材として最も興味のある戦場(戦争ものでなければモチーフ)は何ですか?
 やはり東部戦線かなあ。
 
Q18:日本史・世界史の題材として最も興味のある戦場(戦争ものでなければモチーフ)は何ですか?
 日本の戦国時代とナポレオニックかな。
 
Q19:好きな戦争映画は何ですか?
 通俗的に「史上最大の作戦」かな。
 
Q20:好きな歴史小説、戦争小説、軍事スリラーは何ですか?
 実は、「レ・ミゼラブル」のワーテルローの戦いについて書いた部分が好き。本編とほとんど関係ないのに、長々書いてあって面白い。
 
Q21:まだ戦史やSLGに興味のない人に、お薦めする戦争モチーフの映画/小説/漫画等は何ですか?
 古いモノだと「エリア88」(漫画)。最近のモノは一長一短あるので、人見て考える。
 
Q22:まだSLGに興味のない人に、最初の体験として誘うとしたら、どのゲームを選びますか?
 その人が好きなテーマの作品。特に思い入れないなら、「DESTINATION:NORMANDY」かなあ。
 
Q23:拡張セットの多いゲーム、拡張セットを加えて遊ぶのは好きですか?
 SLGの場合、「入れて初めて完成品」って品が多いので…
 
Q24:囲碁、将棋、トランプなどの伝統ゲームは好きですか?
 嫌いじゃない。ただ、最近実戦経験ナシ。
 
Q25:ソロプレイは遊びますか?
 私はあんまりソロプレイしない方だと思うけど、ソレ抜きじゃ研究できません。
 
Q26:ミリタリーのプラモデルは作りますか?
 昔は。今も雑誌の立ち読みはしている。
 
(Q27~Q29省略)
 
Q30:コンピューターやTVゲームでSLGは遊びますか?
 たまに。ただ、ボードとは別物扱いしている。
 
Q31:得意なSLGはありますか?
 総じて弱い。
 
Q32:このゲームは合わないと思ったゲームはありましたか?
 「合う・合わない」が問題だと感じたのは、空戦ゲーム全般かなあ。好きなんだけど、とにかく相手の機動を読むのが下手で。
 
Q33:食わず嫌いだったけど、遊んでみたら意外とイケたというゲームはありますか?
 強いて言うなら「ダイス一杯振るゲーム」かな。自分のダイス目は信用できないので。
 
(Q34~Q39省略)
 
Q40:「これこそ再版してほしい!」というゲームはありますか?
 色々問題があるのを承知の上で、「戦国群雄伝」シリーズをそのまま再版して欲しい。
 
Q41:「特にこれはみんなにプレイしてほしい!」というゲームはありますか?
 一応「ヒトラー電撃戦」になるのか。名誉回復のため原稿書いたくらいだし。
 
Q42:購入の参考にしているゲーム紹介サイトはどこですか?(いくつでも)
 特になし。
 
Q43:特に大事にしている関連書籍・雑誌はありますか?
 コマンド誌。不定期連載担当しているから。
 
(Q44~Q50省略)
 
Q51:専門誌の購読を行っていますか?
 そりゃもう。
 
(Q52~Q65省略)
 
Q66:ゲームが終わる前にもう勝てない、逆転できないことが確定したらどうしますか?
 状況による。「勝負のヤマ」を越えた後なら投了するけれど、それ以前にそうなることもあるからなあ。そんな時は、研究目的で継続することもあるわけで。
 
(Q67省略)
 
Q68:ゲーム中に助言をすることについてどう思いますか?
 インスト目的ならよくやる。研究目的でやることもたまにある。
 
Q69:自分と力量差のある相手、強い相手、弱い相手とのプレイングはどうされていますか?
 担当陣営を選ぶ時に配慮するぐらいで、後は全力勝負ってコトが多い。
 
(Q70~Q84省略)
 
Q85:「すごいなあ」「えらいなあ」と思えるプレイヤーや関係者はいますか? なぜですか?
 山ほどいます。「ゲームに対する情熱」とか「戦史知識」とか「作戦立案能力」とか、私より明らかに秀でているモノを持つ人を尊敬するのは、当然のことだと思います。
 
(Q86省略)
 
Q87:戦史調査や博物館、ゲームイベントなど、SLG関係で海外に行きたいと思ったことはありますか? それはどこですか?
 「競馬のついで」でパリとロンドンの博物館はいくつか巡った。
 
(Q88~Q89省略)
 
Q90:ミリタリーファンですか? ミリタリーファンとして他にどんな活動をしていますか?(軍装、施設見学やサバイバルゲームなど)
 コミケでその関連の同人誌を漁るぐらいかぁ?
 
Q91:とくに好きな軍や兵器はありますか?
 一応赤軍ファンで、好きな兵器は騎兵。
 
Q92:「戦争が好きなんですか?」と言われたらどう返事をしますか?
 「戦争の仕組みを学ぶのは好きです。」と答えるかな。それ抜きで戦争を否定できるわけがないと思う。
 
(Q93~Q96省略)
 
Q97:SLGという趣味の欠点は何だと思いますか?
 とてつもなくマイナーなこと。今この世界が抱えている問題点のうち、半分くらいはコレが原因だと思うので。
 
Q98:日本におけるSLGの現状をどう思いますか?
 とてつもなくマイナーではあるけれど、何とか頑張って生き延びている。
 
Q99:もしSLGの発展を阻害しているものがあるとすれば、それは何だと思いますか?
 現時点で存在を知らない人間に、この世界の魅力を語る機会が与えられないほどマイナーだってのは、阻害要因として数えて良いと思う。
 
Q100:最後に。あなたにとってSLGとは何ですか?
 重複を承知で語ると、人生の一部。冠婚葬祭の時、私に祝辞・弔辞を述べる友人代表はゲーマーだって可能性が高い(競馬関連かも知れないけれど…)以上、そうとしか表現しようがない。

2月18日2011/02/19 00:16

 コマンド誌が届いた。色々読んで、最後に自分の原稿を見たところ…えーと、多分コレは「私が悪い」んだと思う。どーするのか悩んだけど、とりあえずココで謝罪しておくことにした。TGF2010で紹介したゲームの画像が丸々ありません。「ページの都合」というものです。申し訳ない。
 
 私にとって見れば、由々しき事態である。正直、自分にオカンムリ。対策は深く深く脳裏に刻まれました。TGF改めゲームマーケット(秋)&冬のコミケを同時に扱うことになりそうな来年は、こんなことにならない予定です。うへぇ…実は凄く落ち込んだ。
 
 気を取り直して、他のゲームの話でもしよう。本日のお題は、「過去にあった、初心者用シミュレーションゲームっぽいモノ」を語ってみようかと。最近ホットな話題ではあるし、過去の失敗(総合的にはそうなるんだと思う)を振り返るのも、悪くないと思って。私が直接知っているのは一握りだけど。同人や商品化されなかったモノについては、話を聞いたことあっても割愛。なお、いわゆる「エポッククラシックス」は本格的なシミュレーションゲームに分類されるモノであり、原則としてここで語りたいモノとは一線を画すモノとさせてもらう。
 
 ここで言う「初心者向けシミュレーションゲーム」を最初に出した日本のメーカーって、やはりバンダイになるんじゃないかな。その代表は、今でも「最も売れたシミュレーションゲームらしい」とされている「連合艦隊」か。他にもいくつか作品を出していましたね。
 
 正直、私はごく一部を除き、バンダイのゲームは良く知らない。プレイしたこと無いからなあ。簡単なレビューのたぐいは「シミュレーター」だの「コマンド」だのでいくつか読んだ気もするけど、それだけ。ある意味「忘れ去られた」アイテムと言える。これはよく考えると哀しい話だ。業界で最も売れたとされているモノが、忘れ去られてしまっているのだから。「その程度の品が最も売れたのか」と考えると…思えば、この当時から「小さな」業界だったのね。今よりは遙かにマシだと言われているんだけどさ。
 
 あくまで推測だけど、多分バンダイゲームの大半は、今プレイしても「駄目だこりゃ」となるような気がする。ただ、それはあくまで「シミュレーションゲームとして見た場合」の話。アレはシミュレーションゲームじゃない、ドイツゲームのたぐいなんだ!と強引に考えてプレイしたらどんな評価になるのか、ちょっと興味深いかも。もちろん、「やっぱり駄目だ」となる可能性は高い。でも、「どの辺が駄目なのか、どの辺を駄目と感じるのか」は、ウォーゲーマーとそうじゃないゲーマーの間でビミョーに異なるんじゃないかと。
 
 ちなみに、バンダイゲームの全てが駄目とは思わない。シミュレーションゲームとしてはどうかと思うけど、「ゴジラ対モスラ」「ウルトラマン」「宇宙戦艦ヤマト」は面白かった。これらを復刻?させた同人ゲームがあるくらいだから、少なくとも私1人の感想じゃないと思う。「零戦」の復刻も紹介したなあ。この辺のゲームを引っ張り出して、イマドキのボードゲーマーとやらにプレイさせたら何て言うのか、聞いてみたい気はする。
 
 発想は入門者向けだけど、実はそれなりに難しいゲームじゃなかったか?と思うのが、ツクダが出していた一連の版権モノ。「ガンダムヒストリー」を初心者にプレイしろと言うのは、それなりに難しいじゃないかと。ただ、当時はコンシューマーゲーム機やPCの性能が低かったので、実質「アレしかなかった」んだよな。「題材への興味があれば、難しいルールでも付いてくる奴はいるはず」ってな理由から「初心者用ゲーム不要論」を唱える方がいるけれど、実はこの当時のツクダゲームは「そういう主張の根拠として」数えて良いのかも。この辺、私個人の研究は進んでいないけれどね。
 
 今の視点だと、マルチゲームの大半(全てじゃない)は「ドイツゲーム」扱いされるんだと思う。「フンタ」「タイタン」なんかはそう思われているみたいだし。だとすると、「上海トレーダー」「Kings and Things」「超人ロック」「銀河帝国の興亡」「魔法帝国の興亡」なんかは、「ドイツゲームだ」と言って紹介してもいいんじゃないか?こういうゲームは「ウォーゲーマーは懐かしさから、ボードゲーマーは目新しさから」仲良く一緒にプレイできそうな気がするので、両者を融和させたい場合に引っ張り出してくると良いのかも。
 
 「エポッククラシックスは本格的シミュレーション」としたけれど、「シミュレーションゲーム入門」のゲームはどうなのかなあ。「本格の下限」と分類すべきか、「入門向け」とするべきか、何とも言い難い。ただ…「入門1」は何も語られないんだよな。「入門2」はまだ語る人がいるんだけど。とりあえず、「F-16ファイティングファルコン」はいいゲームだと思う。
 
 「APBA」「ザ☆ビッグプロ野球」といったスポーツシミュレーションゲームは、もっと見直されてもいいんじゃないか?個人的には、他にない独特の楽しさがあると思っているんだけど。とはいえ、一般的な意見に従うと「コンシューマーに勝てない」となっちゃうのかな。
 
 この手の話題となると、SSシリーズを忘れるワケにはいきませんね。ただ、アレは「本当の意味での初心者用」って、実は案外少ないような。色んな意味で再検証が必要な気はするかな。
 
 鈴木大佐の「ハンドレッドデイズ・キャンペーン」はプレイしたことがある。アレはアレで面白かったと思うけど、正直「戦場の風が感じられない」ゲームって気がした。私個人の意見としては、「ゲームの駒じゃなく、軍隊を率いているんだって気分」に浸れるかどうかは重要だと思う。とはいえ、コレを言い出すと「どこまでがそういう気分に浸れるモノなのか」ってなっちゃう(意見は千差万別)ので、話がややこしくなるけれど。
 
 今現在、こういう「境界的な」ゲームを精力的に出しているのは、「ウォーゲーム日本史」だと思う。個々に見ると良いモノ・駄目なモノがあるんだろうけど、全体的には悪くないって気がする。やってることはSSシリーズとそんなに変わらない気がするのに、初心者受けも良さそうだ。やはりSSシリーズは、どこかで「初心者向け」ってコンセプトが軽視されちゃったのかも。
 
 他にもあるとは思うけど、以上が私の思いつく「過去に出た初心者向けゲーム」かな。こうしてみると、案外バラエティーに富んでいる気がする。どれもこれも「大成功」には至っていない(だからこの業界は…)けど、決してクズばかりってワケでもない。個別に見ると玉石混淆だとしても、全体としてみたら「一定の価値はあった」としていいんじゃないかな。
 
 スタージョンの法則に従えば、どんなものも、その9割はカスである。シミュレーションゲームも多分そうで、入門者用に限定してもそうなると思われる。まあ、多少のバラツキは当然予想されるわけだけれども。それゆえ、「カスばっかりだから不要」なんて議論は不毛だと思う。ソレを言い出したら、何もかも不要ってコトになるからなあ。私は基本単なるウォッチャーなので、今後もどんな作品が出るのか、生暖かく見守ることにしようと思う。

2月12日2011/02/12 22:14

 諸般の事情により…とボカすのはやめよう。昨日はしのはら殿追悼のため、主催しておられたゲーム会「中野歴史研究会」へ。親しくさせていただいたので、やはりこういう場には顔を出しておきたかった。
 
 本来ならば「ゆかりのゲーム」をプレイするべきだった気もしたけれど、それよりは「やりたいゲームをやりたいようにやる」という、しのはら殿が貫いていたスタイルを受け継ぐ方が大切と判断。「ヒトラー電撃戦」をAzathoth殿とプレイ。あえてバルバロッサ作戦直前で中断し、記録を取った。もちろん後日再開するためってのもあるけれど、この時点での記録を元に「バルバロッサ作戦シナリオ」を発表できないかと思って。
 
 日本語版のヒト電には、一応バルバロッサシナリオが付属している。しかし、これは「このゲームに対する研究が浅い段階で発表された」もの。そりゃまあ、日本語版発売前にシナリオ考えたんだから当然だけど。これはこれで悪くないのかも知れないけれど、「赤軍の守り方」がベラボーに変わった今から見ると、「バルバロッサ作戦から終戦までを楽しむ」シナリオとしては、ちと疑問が付く。そこで、「最新研究に基づいてバルバロッサ作戦直前までをプレイするとこうなります。この後どうなるのかは各自研究してみて下さい。」ってシナリオを提供したいかなと。
 
 いわゆる「独ソ戦」モノは人気アイテムで、山のようにゲームが出ている。これらも当然面白いのだけど、「ヒト電」のバルバロッサ作戦も結構面白い。史実にとらわれない戦いが出来るからこそ、見えてくる部分があると思う。しかし、このゲームの場合は「ソコまで行くのがタイヘン」って欠点がある。独軍の奇手奇策に耐えられるだけの守り方を赤軍が会得し、それを受けて独軍が「バルバロッサ作戦に集中できる環境」を効率良く整えるすべを実行して、初めて「たどり着ける」のだから。この過程が面白いコトは認めるけれど、その先の研究がやりにくいことは否定できない。
 
 そこでまあ、「とりあえずココまで進めました」って状況を提示できれば、その先の研究がやりやすいんじゃないかと。それに、「バルバロッサ以前」を研究する場合でも、比較対象があれば「うまくいったのか、そうでもないのか」がわかりやすいでしょ。私がコマンド誌に発表した研究記事を真面目に読んでいたような読者(いるのかぁ?)にとっては、かなり役に立つんじゃないかなあ。
 
 こんなシナリオを作ろうと思ったキッカケは、先日の対戦である。キチンと記録を取って「最後までのプレイ」を行ったもので、ここにも簡単なリプレイを載せた。独軍がコーカサス経由で中東を占領したアレである。実はこの時のリプレイを「コマンド誌に載せないか」ってな打診があり、私も前向きに検討した末とりあえず書いてみたんだけど、「なんか違う」と寝かせていたんだよね。
 
 寝かせていた理由は、「言葉だけじゃ、独軍が中東に突入した事情がわかりにくい」から。アレはアレで理に適った作戦である。私自身、「次に連合軍やる時は、キチンと中東防衛を考えるべきだ。それは決して杞憂じゃない。」と肝に銘じたくらい。でも、「なるほど、だからそんな作戦が成立したんだ」って部分を理解してもらわなければ、トンデモ作戦扱いされても文句は言えない。にもかかわらず、説明するのが凄く難しいんだよ。このゲーム独特の感覚ってモノがあるから。一口で言えば「アノ作戦が一番側面を気にせず進撃できるから」なんだけど、マップ見ただけでは「ものすご~く長い側面を晒しているようにしか見えない」この手のドコがそうなのか、理解できるとは思えない。私もその状況を迎えるまでは理解してなかった。実際、自分の研究記事に「青作戦は、脆弱な側面を晒すことになるのでお進めできない」って趣旨のことを書いている。
 
 それを解説するにはどうすればいいのか?色々考えた末、「バルバロッサ作戦直前」の状況を提示し、「実際やってみて下さい」とするのが手っ取り早いと判断した。そうすれば、「広い戦線、そこに展開する強力な部隊、でも、動かせるのは一部だけ」という、このゲームのジレンマがある程度わかってもらえるかなと。それがわかってもらえれば、私が言うところの「側面を気にする」ってのがどーゆー意味なのか、理解しやすいのでは。コレが当たっているかどうかはともかく、なんか「そーゆー工夫」が欲しかったんだよね。決してサボっていたわけではない…ってことにしておいて下さい(苦笑)。
 
 実際このシナリオが発表されるかどうかはともかく、私としては「こういうコトをやっておいた方が面白そうだ」ってモノをひたすら実行するだけだ。それがどんな実を結ぶのかは、私だけで決められるコトじゃない。そういう「自分でコントロールできないこと」を考えてどうこうするより、まずは自分が出来ることを、怠け心に負けずに実行する。その積み重ねこそが大事なんじゃないかと。ちょっと特別なゲーム会だったこともあり、そういう話がゲーム後の飲み会で出ていた。
 
 最後に、私なりの追悼の辞を。しのはら殿は、「人の和」を大切にしておられた方だった。しのはら殿を通してお互い繋がっていたゲーマーは、かなりの数になる。そういう「人脈の中心」となる方を失ったことは、やはり辛い。しのはら殿の人徳を考えれば、おそらくは誰もその「代わり」は勤まらないのではと思われる。しかし、残された我々のやり方でその繋がりを維持・修復することはできるはず。それがしのはら殿が我々にしてくれたこと・残してくれたことに対し、我々が報いる方法ではないか。これからも私なりに「戦って」いきますので、いつの日かそちらに私がお邪魔した時には、また相手して下さいませ。合掌。